○小沢国務大臣 私も新聞で拝見をいたしまして、この件は
承知をいたしておりました。しかし、人の健康を守り、生活環境を保全するというのが私
どもの使命でございますので、あらゆる
議論には耳を傾けなければいかぬと思いますが、ただ、
政府のやり方あるいは公共団体のやり方等について、それぞれ民間団体がいろいろと自分たちの
立場から見て、自由にこれを批判したり、あるいは肯定したり、あるいはまた自分たちの
考えを述べるということは、これは言論の自由が保障された社会においては当然のことでございます。ただ、そのために一体、国民全体に
環境行政の推進の面からどのような悪影響があるか、こういう点を私
どもがやはり重視をして、それがもし国民にに、環境問題の理解と協力の面から見て、非常に悪影響があるというようなことであれば、これは私
どもはやはり細かい点の
検討を加えて、いろいろとただすべきはただしていかなければいかぬと思います。
しかし、私は新聞で
承知して、その後の反響その他、いろいろな点をよく注意はいたしておりますが、そう
先生が問題にするほど、これによって
環境行政に対する国民の理解と協力が、えらいマイナスになっておるというようなことでもありませんので、それぞれ民間団体が自由に、いろいろな
意見を述べるということは、これはもう何もこっちがやるなと言ったって、これは自由があるわけでございますので、むしろ、私がこの問題について思いますことは、少なくとも公共団体とか国が、ことに
教育の資料としてやる場合には、この影響の方がもっと大きいわけでございますから、したがって、まず
自動車工業会がどうこうという前に、私
どもの方で、果たしてこの
副読本が正しいか正しくないか、あるいは誤解を与えるか、あるいはむしろ、まだまだ足りないのか、こういう点について十分、
検討をすることの方が私
どもとしてはより大事だと思いまして、この点、きょうも
委員会で岩垂
先生のお話しがあるということを聞きまして、まあ自工会のあの新聞を見た限りにおいては、先ほど言ったように大したことはないと思っておりましたけれ
ども、十分よく
検討をするように、係の方には命じておいたわけでございます。いま質疑応答で、どうやらその辺のところは大分、明確になってきたとは思いますが、なお一層よく
検討をいたしたいと思います。
自工会について批判という御
質問でございますが、たとえばアリナミンの問題についても、いろいろな学者がワアワア言いましたり、それについては
企業が反論しましたり、いろいろございます。もし、それに科学的に相当大きな
誤謬があれば、これは当然、呼んで私
ども、よく注意をいたしますし、また、
自動車工業会そのものが、
自動車の排ガス規制というものを、私
どもの方針どおり実行していかなければいけませんので、この点はいささかも緩めておりません。御
承知の新聞にも出ておりますように、この夏休み返上で
検討委員会の
先生方に十分チェックをしていく体制を
お願いして、実行をしていただくようにいたしておりますし、この問題について、私
どもの
態度が影響されるようなことはございませんから、そういう面では、ひとつ
先生も余り御心配ならぬようにしていただきたい、かように思います。