○
多田委員 あなたの
お話を聞いていると、
環境庁、物がわからないね。汚れたら直すということだね。汚れる以前に手を打つ、そういう積極性感じないもの。阿寒やそれから大沼、これはいまあなたがおっしゃったように富栄養湖になりつつあるし、なっているのですよ。そこにもヒメマスがいることも私、否定しませんよ。しかし、阿寒は実際はもう富栄養湖になりつつある。阿寒本湖にはほとんどいないのですよ、ワカサギにプランクトンを食われて。いまその上の別なワカサギのいないペンケトウとかパンケトウにしかいないのです。ああいう問題が起きたときには、
環境庁はいち早く現地に行って——どうせ国会でこういう問題が取り上げられるということはわかるでしょう、それぐらいの情熱と積極性を持たなかったらだめですよ。
そこで私、これも現地でいろいろ
研究者その他から聞いてみた。もし支笏湖の汚染が進んでいるとすれば、ばい菌が入るとするならばどういう条件があるか、挙げられるだけ挙げてみよう。
一つ挙げられるのは、
先ほども
お話のあったプロの釣り人の流しているまきえです。まきえといっても舟釣りのまきえと違うのです。ともかく約百人から二百人といわれるプロが、この三カ月間、二十四時間つりっ放しですからね。モーターをつけて、魚探までつけて、国立公園の真ん中に、舟をレールで揚げる、そういう装置まで夏つくるというのだ、びっくりするでしょう。その膨大な、鯨の肉にゴマ油その他をつけて冷凍させて、タマネギの袋に入れてそれをおろすのですよ。これが
一つある。もう
一つは、集団施設地区、つまりホテルや旅館や民家、ここに約五百人住んでいますね、常住。シーズンには
先ほど言ったように二百三十万ぐらい来る。ここの汚水処理の問題、これについて言うと、後で建設省に伺いますけれ
ども、屎尿は市がくんでいってくれるけれ
ども、あと民間は自家用の浄化装置、そして
先ほど話になった洗剤その他は流れっ放しなんだ。観光客が来て、そしてテントを張る。これは何百万来るのですか、そのテントの水は流れっ放しなのですよ。三番目には、支笏湖に注ぐ河川の問題です。これはこの報告にも出ています。美笛川の上流には金と銀を出す支笏湖の鉱山がある。この環境
調査によればまださほどではないようだ。しかし、問題にはなってきている。この
調査時点、
調査回数、これはどうか。道のやっていることですから、これはここでとやかく言いませんが、問題もあろうと思う。これが第三だ。第四は、さっきも話が出た除草剤、殺鼠剤です。
先ほど数字で食い違っているけれ
ども、これは林野庁からもらった、湖に流入する河川
周辺にまいた量を私は聞いたのです。量は確かにそれほど膨大なものではないのです。しかし、これを見ても除草剤は二トン以上ですね。その流域ですよ、全体まいたものではないですよ。それから公衆便所、
先ほど言った観光客の廃棄物、これは行ってごらんなさい、公衆便所は使えるものではないです。その他あるでしょう。こういうマイナスの条件を
一体調べたのかどうなのか。調べる熱意もなさそうだ、さっきのあなたの話を聞くと。
殺鼠剤、除草剤の問題、もう聞く時間が余りないのだけれ
ども、これはみんな毒物でしょう、科学者のいろいろの分析、あるものはさほどでないものもあるし、あるものは非常に少ない毒物であるけれ
ども、一たん入れば皮膚病を起こしていく、それは私いろいろ聞きました。私、科学者じゃないから余りここでとやかく言う筋合いではないのだけれ
ども、そういう問題があるのですよ。これは科学者はだれも否定しないのです。
そこで
環境庁、支笏湖の自然公園の目玉は何だと思いますか。これは湖水であり、きれいな水であり、そのきれいな水にすむヒメマスなのです。それが現実に死んでいるのです。水が汚染されないかという疑惑がわかないでしょうか。いや、道からこういう報告をして、これは及第だから大丈夫だ、もしそう考えているとするならば、これはよほど感覚が鈍っていると言わざるを得ない。なぜなら、地方自治体の
調査能力はさほどではないのです、支笏湖の水の採集、それは三人でしかやっていないのだから。
そこで私申し上げたいのは、総体として、ただ
環境基準対象のミネラルがどうだ、BODがどうだ、CODがどうだというだけではなくして、現実に魚が死んでおる、そして水との
関係は全く否定はできないというのであれば、道は五十年度の公共用水域の水質測定計画を出していますね。これは
環境庁にいっていると思う。いっていませんか。五十年度の計画書です。これは法律に基づいて出している。これを聞いてみたら、そういうことの以前から策定している問題なので、ことしそれでやろうというのです。そうすれば、ことし道が水質
調査をやる場合に
環境庁がてこ入れをして、単に有害物質があるかどうかだけではなくして、魚の生態も変化してきている、実際変化してきているのだから。そういう生態学的な意味も含めて、湖の変化というものを総合的に
調査するお気持ちになっているかどうか。仮に道にやらすにしても、
環境庁がそういうふうに指導しないと、地方自治体はなかなかできないものです。そういう総合的な
調査を五十年度、しかも早目におやりになるかどうか、それをお伺いしたい。