○沢田説明員 その点、
先生のおっしゃるとおりだと思います。若干、時間の経緯、私
どもの現在
考えていることを述べさしていただきたいと思います。
確かに、最初このPCB問題が起こり、これをどうやって公共用水域に流さないか。そのために、実は四十七年でございますが、
通産省の方で関係の業界の団体に通達を出しまして、そのとき申しましたことは、末端の工場の
段階で、PCBを塗ってあるいわゆる感圧紙を見つけたならば、これをなるべくそこから引き抜いて、排水にPCBが出ないようにしてください、こういう趣旨の通達を出しました。しかし、これは
先生御指摘のように、これだけではまさに米びつの中から
一つの悪い米を出すようなものでございまして、これを中小企業者に完全に励行させることは非常に無理だということを、最近遅まきながら
考え直すようになりました。問題は、いまの川下での
規制もさることながら、川上でやはりこういうものが出ないような
方法をとるのが一番いいと思います。
ただ、この問題は、実は率直に申しまして非常に困難な問題です。先ほど申しましたように、先ほどの四社ないしは官公庁のような大手口でまとめておるもの、これはもう巷間いろいろうわさはございますけれ
ども、絶対漏れておりません、完全に保管しております。しかし、町じゅうに散らばっております感圧紙がいろいろな
ルートを経て、結局最終的にちり紙業者の工場の原料倉庫に行くということ、これを完全に食いとめることはむずかしゅうございますが、しかし、なるべくその川上の
段階で、今後も出てくる感圧紙の回収に努めたいと思います。
このための具体的な措置としまして、このような手段を
考えております。
まず、約一月ぐらい前のことでございますけれ
ども、従来の末端の取り締まりだけでは不備であるということに感づきましたので、先ほど申しました四社の代表者を
通産省に呼びました。そしてまず、まだ仮称でございますけれ
ども、感圧紙処理
対策協会というものをこの四社の共同でつくってください、と同時に、
通産省の生活産業局の中に、この感圧紙をどのように処理し、どのような
対策を打っていくか、そのための
対策委員会を、これは四社も含めて、あるいは電気の方とも関係がございます。そういった学識経験者も含めて、私
どもも参加しまして
設置する予定でおります。この
委員会と協会の
設置は大急ぎでやりたいと思います。
そうしまして、実際保存中の感圧紙と、世の中に浮遊しております感圧紙と、この二手があるわけでございます。まず保存中の感圧紙につきましては、今後はこの協会が
責任を持って、いままで四社の倉庫ないしは官公庁のビルディングの地下にございました感圧紙の保存を継続していく、このように協会にさせたいと思います。
それから第二に、世の中に散在しております残存カーボン紙でございます。これを各
事務所あるいは官公庁に、協会あるいは
通産省共同で、とにかくその川上の
段階でその紙を協会に持ってきてください、あるいはとりに行きます。このような措置を講じまして、なるべくその発生源の
段階でこの協会が新たに保管を始めていきたい、このように
考えております。
そのようなことで、先ほど
先生から御指摘ございましたけれ
ども、何分六十社余りの非常に零細な工場が静岡県でトイレットペーパーの製造をやっております。これら中小企業がいやしくも将来を非常に不安に
考えて、廃業を
考えるとか、そういうようなことの不安を抱かせないように、安心して操業ができるような雰囲気あるいは
環境を一刻も早くつくりたい、そのためにその川上の
段階での回収に全力を挙げていきたいというふうに
考えております。