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1975-03-19 第75回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年三月十九日(水曜日)     午前十時十二分開議  出席委員    委員長代理 理事 野坂 浩賢君    理事 大竹 太郎君 理事 片岡 清一君    理事 野中 英二君 理事 勝澤 芳雄君    理事 平田 藤吉君       加藤 六月君    佐藤 守良君       村田敬次郎君    井上  泉君       太田 一夫君    久保 三郎君       沖本 泰幸君    小濱 新次君       渡辺 武三君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長)   福田  一君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      竹岡 勝美君         警察庁長官   浅沼清太郎君         警察庁交通局長 勝田 俊男君         建設政務次官  中村 弘海君         建設省道路局長 井上  孝君  委員外出席者         警察庁交通局参         事官      鈴木金太郎君         警察庁交通局交         通企画課長   池田 速雄君         行政管理庁行政         管理局管理官  山本 貞雄君         大蔵省銀行局保         険部長     徳田 博美君         運輸省自動車局         参事官     宇津木 巌君         運輸省自動車局         業務部長    真島  健君         建設省河川局治         水課長     本間 俊郎君         自治省財政局交         付税課長    森  審一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  自動車安全運転センター法案内閣提出第三一  号)      ————◇—————
  2. 野坂浩賢

    野坂委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が所用のため出席できませんので、指名によりまして、私が委員長の職務を行います。  自動車安全運転センター法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。勝澤芳雄君。
  3. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 自動車安全運転センター法案に対しまして質問をいたしますが、まず、この安全センター必要性についてお伺いいたしたいのであります。  自動車事故対策センターというのがすでに運輸省所管でつくられておるわけでありますが、それとこの安全運転センターというのを考えてみますと、一部目的には違いがありますけれども、なぜ総合的にこういうものが一緒にできないのだろうか、わざわざ交通体制の一元化というので、総理府交通安全対策室までつくってやられておるのですけれども、そういう点について、実はこの必要性についていささか疑問を持つわけでありますが、その点についての御見解を承りたいと存じます。
  4. 勝田俊男

    勝田政府委員 自動車事故対策センターにつきましては、事業用自動車運行管理者に対する指導講習、それから事業用自動車運転者に対する適性診断交通遺児に対する資金貸し付けといったものを主たる業務とするものでございます。  今回御審議をお願いいたしておりますこのセンターにつきましては、警察庁電子計算組織による資料の活用により、処分直前運転者に対する通知運転経歴証明並びに交通事故証明運転免許者に対する運転研修等を行うことを主たる業務とするものでございまして、業務の内容におきまして異なるものがございます。  先生御指摘のとおり、交通事故防止という点については目的を同じゅうするものでございます。このセンターは、現在の交通情勢のもとにおいて、交通事故防止に対する役割りは非常に大きいと思いますので、事故対策センターとも緊密な連絡のもとに運営を確保するように指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
  5. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 警察庁警察庁立場で必要だと言うのでしょう。  運輸省、ひとつちょっと見解をおっしゃってください。
  6. 宇津木巌

    宇津木説明員 お答え申し上げます。  基本的にはただいま警察庁の方から御答弁がありましたのと同じでございまして、自動車安全運転センターは、承るところによりますと、交通違反者に対する違反点数通知とか、あるいはまた運転者経歴証明、それから交通事故証明書の発行、あるいはまた高度な運転技術講習交通事故防止に関する調査研究等を行うことになっておりますが、これらの業務は、交通取り締まり、あるいはまたそれに付随するサービス業務に属するものでございます。  これに対しまして、運輸省所管自動車事故対策センターは、運行管理者指導講習ですとか、あるいはまた運転者適性診断等指導誘導的業務を行うことによる自動車事故の発生の防止、あるいはまた自動車事故被害者に対しまして生活資金貸し付けを行うことによりまして被害者の保護を図るということを目的といたしておるわけでございまして、やはり一番最終的な目標につきましては同一のカテゴリーに属するものではございますが、その途中におきましてはやはりかなり性格を異にするのではなかろうかと考えておるところでございます。
  7. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 交通安全対策室長総理府見解をお伺いしたいのですが、同じ交通事故というものを考えて、いま両方の方が最終的には目的一つだ。役所二つあるから別々につくったという意味なんでしょうけれども、何かこれは一つにしておいて、地方一つにすればいいものを、上も二つにして地方もまた一つずつつくる、片一方警察の中につくる、片一方は何か陸運事務所か何かの中へつくる。何か最近では各役所をそろえて合同庁舎までわざわざつくって、一回行けば何でもその中で間に合うようなシステムにしているのに、どうも納得できないように思うのですが、どうでしょうか。
  8. 竹岡勝美

    竹岡政府委員 一昨年の自動車事故対策センター法案が出ますとき、また今回の安全運転センター法案が出ますとき、総合的な対策として総理府もいろいろ考えてみたのでございますけれども、やはり自動車事故対策センターあるいは安全運転センターが、運輸省あるいは警察庁の一応それぞれの専管事項になっておる分野についての対策を立てるそれぞれのセンターでございますので、ちょっと一本にしかねる。  先ほど交通局長から答弁しましたとおり、今回の安全運転センターはもっぱら警察所管である一般自動車運転者に対する利便の増進なり、あるいは危険な運転に対して事前に予告してやるとか、そういった問題を取り上げておりますし、一方の自動車事故対策センターの方は、運輸省所管であります自賠責の原資を使いましての被害者救済なりあるいは運行管理者関係のドライバーの適性診断、それぞれの持つ専門分野所管に大体限っております。その所管分野を通じまして交通事故防止に資するということでございますので、現在の法体系なり、各官庁の所管事項から、これを一本にして総理府所管というわけには少しいきかねるのじゃないだろうか、そういう考えでそれぞれのセンター設立をわれわれとしては容認したわけでございます。
  9. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 行政管理庁見解をちょっとお尋ねしたいのです。特殊法人については行政管理庁の方で一々審査をされているようでありますが、何ですか、最近の認可法人というのですか、これは行政管理庁には関係がないというようなお話を聞いているのですが、その経過をちょっと御説明願いたいのです。
  10. 山本貞雄

    山本説明員 お答えいたします。  先生承知のように、行政管理庁審査対象としております法人は、設置法二条四号の二に基づきまして、法律により面接に設立される法人または特別の法律により特別の設立行為をもって設立される法人でございます。したがいまして、いわゆる先生がおっしゃいました認可法人というのは、行政管理庁審査対象とはしておりません。  その両者の相違といいますのは、御承知のように、いわゆる特殊法人というものは、本来国が必要とします業務を行わせるために直接設立委員を任命しまして、国の手によって法人設立するというふうな法人でございまして、いわば国の業務を代行する法人でございます。これに対しまして認可法人と申しますのは、特別の法律があるという点においては同様でございますが、ところが本来国以外の業務を行わすために民間等関係者が任意の発意によって設立する法人でございます。そういう意味合いにおきまして、行政管理庁特殊法人のみを審査対象としている、こういうことでございます。
  11. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 もう一回ちょっと教えていただきたいのですが、特殊法人の場合は国が必要とする業務を代行する法人、それから認可法人の場合は国以外の業務ということですが、具体的にいまこれを当てはめてみると、あなたのところで言いやすいのかどうかわかりませんけれども当てはめてみると、特殊法人認可法人にした場合の点をもうちょっと解明してみてくれませんか。
  12. 山本貞雄

    山本説明員 お答えいたします。  あるいは警察庁からお答えいたした方が適当かもわかりませんが、私ども認可法人審査対象といたしておりませんのであれでございますが、この安全センターについて申し上げますならば、これは後ほど先生詳しく御質問になると思うのですけれども、御承知のように、いわゆる交通違反点数通報業務、もしそういう法人をつくらずに仮にやらすとするならば、これは恐らく地方警察、つまり地方自治体で行われるだろうと思います。それからまた事故証明、従来これは必ずしも必要業務ではございませんが、事実上警察署等で、いわゆる地方自治体で行っておることだと思います。それからまたいわゆる運転経歴証明業務、これも必ずしも現在必要業務として行われておりませんが、もしやるとすれば恐らく地方自治体でやられる業務だろうと思います。そういう意味合いにおきまして、本来的に国が行うような業務ではございません。それからもう一つは、いわゆる高度の運転教習業務でございます。通常は自動車教習所という民間のものが行っているわけでございます。高度の研修というのは現在でも似たようなことが民間で行われているやに聞いております。したがいまして、業務性格といたしましては、本来国以外の、つまり地方自治体なりあるいは民間なりがやるような業務性格でございます。  したがいまして、そういった業務につきましては、国以外の民間等関係者発意によりまして任意に設立させるのが適当である、こういうことでございます。
  13. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 よくわからないですね。どうもよくわかりませんけれども、国家公安委員長にお伺いしましょうか。  国民の立場から見ると、何かできるだけ窓口はまとめてもらった方が楽なんですけれども、役所から見ると、やはり行く先を考えてやらなければならぬ、どうしても縦系統で、定年を終わった人を次の段階へということで、各省ごとにこれを考える。それがまあ特殊法人で、特殊法人ではどうも無理だというのが認可法人、よくそれが人事院から各省天下りと言われるわけですけれども、私はそういうシステムになぜなるかというのを考えてみると、大体五十前後で優秀な人がやめさせられる。官僚機構がそうなっているのですね。だからどうしたって民間に行くか、あるいは特殊法人に行くか、こういう形にならざるを得ないわけですね。せっかく学校を卒業して、おれは役人になろう、おれは実業家になろうということでそこで分かれるわけですから、そこで分かれたら、やはり役人でせっかく教育し、訓練し、熟練をしたのですから、一生を役所で仕事をさせるようにするには、せめて六十過ぎくらいまで働いて、やめた後はもう悠々自適ができる、こういうようにしてやらない限り、こういうものというのはどんどんふくらんでいくと思うのですよ。つまり、それが縦系統になってしまって、運輸省もつくるから、じゃ警察庁もつくろう、それじゃこっちでもつくろう、こうなると私は思うのですよ。  ですから、天下りが悪いあるいはこういうものが悪いと言う以前に、全体的にそういうものを考えにやならないという私は考え方を持っているわけです。そうすれば、役所へ入った以上、役所でまじめで優秀な者はどんどんその中で、とにかく六十ちょっと過ぎくらいまではやれるんだということになれば、別に民間に行く必要はなし、あるいはこういうものをそうたくさんつくってやることもないのじゃないだろうかという気がするのです。そういうことから考えてみても、私はこういうもののつくり方という点についてはもう少し検討すべきだと思うのです。  あなたは国家公安委員長立場で、この事故対策センター安全運転センターとダブっているということは言えないでしょうけれども、国務大臣ですから、やはり国務大臣という立場考えてひとつ——これに差しさわりのある意見をあなたが言ったからといって私は別にどうと思いませんけれども、何かやはりそういうことにするようなことにならぬでしょうかね。
  14. 福田一

    福田(一)国務大臣 御質問の趣旨はよく私、理解をいたします。まあこういうものがよけいできる原因は何であるかというところを特に御説明をいただいて、これもごもっともな御意見であると私は思うのです。  実際言うと、定年ですね、この定年法というようなものをつくったらどうかという意見も一部にあるわけですね。これについては、ある政党等々においては、それはおもしろくないという反対意見もまたありますけれども、しかし、姿から言うと、まあ人生五十年と言ったのが七十になっちまったんですから、私ももう七十をオーバーしておりますし、せめてまあ六十くらいまでは少なくとも働いて、ただ、その後五年くらいの間は、あんまりどんどん給料を上げていきますと、これはまた年金問題にも差し支えますから、どこかそこいらで一応ストップをかけておいて、六十五くらいまでは働けるというくらいの考え方が私はいまの時世では常識的なものだと思うのです。  そこで、運輸省警察庁とでこういう似たようなものをつくるのはいかがなものであろうかという御質問は、よく私の理解するところでありますが、ちょっと違いを言えとおっしゃれば、警察の場合は……
  15. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いいですよ、それはよくわかっておるから。
  16. 福田一

    福田(一)国務大臣 まあわかっていらっしゃると思うのだが、やはり第一線の警官あたりは五十前後ということになりがちなんですね。警察の方がわりあいにそういう意味でも年限は、よその役所も大体似たり寄ったりかもしれませんけれどもね、そういう問題も一部にあると思うし、それからあなたが指摘されたように、後どこかへ行くといっても、警備隊何とか、民間警備本位会社とかいろいろな……(「警備保障会社だ」「自動車学校もある」と呼ぶ者あり)そういうようなところだけで、警官というのは私は余りいままではそういう意味では実際問題として恵まれていなかったと思うのですよ。  私は、理屈で言われるともう頭を下げないわけにはいかないような気もするのですが、そういう情の面から——情を余り政治に取り入れてもいかがかと思うけれども、私はやはり警察関係の人にも何か一つくらいはあってもいいのじゃないか。何にもないのですよ、これは。私も最初説明を聞いたときに、あなたと同じことを言ったのですよ。似たようなものがあるじゃないか、どういうわけでそういうことになるのだと言ったところが、警察には一つもございませんという話を聞くと、むげにどうも、これまた類似のものを二つも三つもつくるということになればあれだけれども、一つくらいはひとつという、この一つくらいはというのには弱いのですね、やはり。まあ事実そういうことも政治というものに、ある意味でのよそとの比較で情の面も入れてもやむを得ない、これは私はそういう感じでお願いしようという気になったわけであります。  それはまあお願いする以上は何か理屈をつけなければいけませんからね、やはりいろいろと政府委員答弁したように言うておるわけですけれども、まあひとつ何とかここいら——これだけ警察というのは、本当に今度ぼくも機動隊などを見てきましたが、やはりあれなんかは気合いが入って一生懸命やっておるし、それからいま爆弾で、まだどうも全部犯人が挙がらないと言いますけれども、それは大変な苦労をしていることも事実です。爆弾事件は一回一回やり方を変えているですわね。同じような行動でやってくれるとあれなんですけれども、まことに知能犯で、全部やり方を変えてくるものだからなかなか犯罪捜査も、あるいは押さえる意味でも非常にむずかしいところがあると思うのですが一生懸命に、まあぼくがいまの日本でそんなこと言うとおしかりを受けるかもしれぬけれども、やはり日本治安を維持しているのは全く警察だ。これは本当にその意味では私は、一時何かいろいろな問題も出ましたけれども、それはやはり保守党であろうと革新であろうとそういうことを離れて、警察というものが中正な立場治安の維持に当たっていてくれると私はいま国家公安委員長としてもそう信じておるわけです。  それだけにやはり何かひとつここいら考えてやりたい、こういう気持ちが、あなたから率直に言えと言われると、知らぬ仲じゃないですからね、あなたともずいぶん長いし、あなたと議論する気になれないわけなので、むしろお願いを申し上げたいというのが私の偽らざる気持ちでございます。
  17. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 まあ大臣から率直なお話を伺いまして、ただ大臣一つだけ誤解されているのは定年制の問題です。私の言っているのは、五十前後の一番上の局長さんですね。この辺の行き場所をどうしても考えるわけです。ほかの人は、大体六十過ぎぐらいまで一般の職員は各役所みんないるわけです。ですから、その五十前後でおやめになる局長さんとか上の方のクラスというのをやはりほか並みに六十ぐらいまでやるとこういうものがなくても済むのではないか、そういう意味なんです。ですから定年制とは関係ないわけです。いまたとえば市役所に行っても県庁に行っても、警察庁はよく知りませんけれども、ほかの庁に行っても六十過ぎまで国家公務員でみんないるわけですね。しかし五十前後の人が、同じ年次に入った人が次官になると局長に置いちゃまずいからとみんな外に出すわけです。これがいけないのです。  ですから、五十五から次官になったら六十二、三まで次官にさせておけばいいのですよ。そうすれば同じ年次局長だというので六十くらいの局長、同じでいいわけですよ、全体的に見れば。ここをやらないと、どうしても五十前後でどうも同期の者が次官になっておれたちが局長じゃ居づらいから外に出なければいかぬということになって、民間に行くか特殊法人に行くか、こういうものをつくるわけです。せっかくその人は役人になるかあるいは実業家になるか分かれて入ってきたわけですから、お互いの優秀な人材が競争し合っていく、片一方役所で、片一方民間で競争し合っていく。そして終わりは両方が大体ある年数が来たら社会奉仕でもやるようなシステムにすればいいわけです。それが民間に移る、こうなるから実は天下り、癒着といろいろな問題が出てくるわけですよ。  ですから、いま言われた中で一部分だけ、定年制の問題で誤解されているような点がありましたから、ちょっと申し上げたわけであります。  それでは今度は具体的な法律の中に入ってみたいと思うのですが、法律の第一条の目的で、逆転経歴資料とか交通事故資料、これは従来どういう扱いをしていたのか、それからその次の自動車運転研修はどういうふうにやってきたのか、それから目的の第四として交通事故調査研究、これはどういうことをやってきたのか、時間がないものですから、まとめてやらないとあなたの答弁が長くて私の質問が短くなってしまうからまとめてやっているわけですから、すぱすぱと言ってくださればいいわけです。
  18. 勝田俊男

    勝田政府委員 業務のところの一号業務、われわれは通報業務、こう言っておりますが、これは従来は組織的にはやっておりません。  それから二号の経歴証明業務とわれわれ申しておりますが、これも従来はやっておりません。  それから三号が交通事故証明業務でございます。これにつきましては、自賠法ができましたときにその施行令交通事故証明する書面をつけろということで、当時そういったものを証明する信頼性のある証明書を出す機関というものは警察以外にはないということで所轄警察署長証明書を出すということになっておりまして、白来今日まで所轄警察署長証明書を出しているわけでございます。  次の四号業務でございますが、運転免許を受けるまでの教習につきましては指定自動車学校等教習をやっておりまして、現在免許を受けた人は去年当たり約七〇%が指定自動車教習所の卒業生でございますが、それら免許を受けた後のそれぞれの業務についての教習、これはそれぞれの機関がその必要に応じて独自に教習をやっているというのが実情でございます。たとえば警察を例にとりますと、警察白バイあるいはパトカー乗務員、それぞれ各府県で基礎訓練応用訓練をやりまして、その中から特別な人を選んで中央の研修というようなことでやっていく。さらに高度のものは民間施設に委託して研修をやるというようなことをやっているわけでございます。ただ、警察民間の方の研修と申しますと、少年あたりを警視庁で、この間ごらんいただいたと思いますが、ああいった形で少年についての教習をやっているという例はございますが、これも組織的にやっているわけではない。  それから自動車の安全な運転に関する技能調査研究、五号業務でございますが、この業務につきましては、従来警察でやっておりますのはいろいろな統計資料統計的な調査分析ということを中心にやっているわけでございます。このセンターではそういった事故分析につきましてもそういった統計のほかに個々の事例を取り上げて、生の事例についての調査研究をやってみる、あるいはこの研修所との関連におきまして安全運転についての技能についての調査研究あるいは安全運転についての教え方、こういったものをどうすればいいかというような調査研究、あるいは従来とってきましたいろいろな安全対策、そういったものの効果、これをどういうふうに見ていくかというような調査研究、あるいは事故の予測、こういった問題をここで調査研究の題目に取り上げたいというふうに考えております。
  19. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 じゃ時間がありませんからはしょっていきまして、二、三だけちょっと聞いておきますが、「高度の技能及び知識を必要とする業務」というのはどういう業務なんですか。
  20. 勝田俊男

    勝田政府委員 警察白バイとかパトカーあるいは消防自動車、その他緊急自動車業務あるいは高速道路を走ることを業務とするもの、こういった業務につきましては、特に危険退避訓練あるいは道路状況の悪いときにおける訓練、そういった特殊な技能を持っていないと非常に危険であるというようなことでこの研修施設を設けまして、そういったところにおいて高速訓練なり、スキッドパンというようなものを設けまして、道路の路面の状況の悪いところの訓練、あるいは不整地訓練というようなことでいろいろな技能を教えて、こういった高度な訓練を要する業務についての安全運転研修するというふうに考えておるわけでございます。
  21. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 どうもよくわからないのですよ。運転免許を受けた者は自動車運転ができるわけですね。「高度の技能及び知識を必要とする業務に従事するもの」であっても、別にここの研修を受けなくても、普通の運転免許証があればできるわけですね。それはそうなんですね。ですから「高度の技能及び知識を必要とする業務に従事するもの」というのは、義務的にこういう研修を受けなければならぬということではないのですね。この点どうですか。
  22. 勝田俊男

    勝田政府委員 仰せのとおりでございまして、義務的にやるというわけではございませんが、そういった高度のものをやるについては、従来それぞれの機関でそれぞれ工夫しながらやっておるわけでございます。そういった面で、こういう施設ができて、そういった希望を受けて研修ができれば非常に効果が上がるのではなかろかというふうに考えておるわけでございます。
  23. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、設立発起人はだれがどのような方法で決めるのですか。
  24. 勝田俊男

    勝田政府委員 発起人はだれが決めるということではなくて、法律に書いてございますように、発起人が自発的にお集まりをいただくという形になるわけでございますが、要件といたしましては、道路の交通に起因する障害の防止に関する学識経験を有する者ということになっておるわけでございまして、そういった面では交通管理とか運転者管理について学識経験を有する方々、あるいは運転者心理、交通工学について学識経験を有する方々、あるいは交通評論家、こういった方々がこれに該当するかと思います。  従来、警察におきましては、そのときどきの問題をとらえまして、交通警察懇談会という会合を開きまして、こういった方々の意見を聞きながら交通行政を進めておるわけでございますが、やはりこういった方が発起人の中心となっていただけるものだというふうに考えております。
  25. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この法律を見てあなたの答弁を聞いていると、だれでもいいということになるのですよ。あなたの方が、それはだめだよ、これはいいよというチェックをしなければならない。交通関係の労働組合の代表の人が、この法案の「道路の交通に起因する障害の防止について識見を有する者」だというふうに思って、あなたの方はどう思うか知らないけれども、そういう者が設立発起人になりたいとこういうようになったらよろしゅうございますか。
  26. 勝田俊男

    勝田政府委員 要件として該当するものであろうかというふうに思います。
  27. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 該当するということは、設立発起人にもなれる、こういうことでよろしゅうございますか。
  28. 勝田俊男

    勝田政府委員 要件に該当いたしますので、なり得るものであるというふうに考えます。
  29. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それから、役員の人選はどういうふうになっているのですか。役員の数が決まっているわけですけれども、これはどうなんですか。
  30. 勝田俊男

    勝田政府委員 役員につきましては「理事長及び監事は、国家公安委員会が任命する。」それから「理事は、国家公安委員会の認可を受けて、理事長が任命する。」ということになっております。ただ設立の際には、発起人が理事長及び監事について推薦をされることになっておりまして、その推薦された中から国家公安委員会が、理事長となるべき者、監事となるべき者を指名する、設立の際には十八条の規定によって任命されたものとなるということになっているわけでございます。
  31. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 運輸省にお尋ねしたいのですが、自動車事故対策センターの役員は各省どういうふうに出ていますか。——それでは私の方から質問して確認します。  理事長の向井さんが運輸省ですね。それから理事の広瀬さんが運輸省、首都圏ですか、理事の近藤さんが大蔵省、それから理事の景山さんが運輸省、あと非常勤理事で今井さんが損保、それからもう一人非常勤で小久保さんが全共連、監事の田中さんが警察庁、こういうことですね。いかがですか。
  32. 宇津木巌

    宇津木説明員 どこだとおっしゃられると本当に困るのですが、理事長は前職は民間会社でございましたが、その前は確かに運輸省におられたように聞いております。それからあとは先生のおっしゃったとおりであろうかと思います。
  33. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで交通局長、いま私聞いているのですが、役員の人選はとさっき聞いたわけです。ですから、具体的にこれは役所はどういう割り当てになっているのですか。どうなんでしょう。
  34. 勝田俊男

    勝田政府委員 役員につきましては、この事業の性質から見まして、やはり交通の障害防止について識見を有する熟練された方が任命されるものであろうというふうに考えております。
  35. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 質問を詰めていくと、この法律をつくったけれども警察庁から一人ぐらいしか役員になれなんだということになるとなかなかやりにくいでしょうから、質問を詰めないことにいたしますけれども、大臣、やはりこういうものをつくるとどうしてもそういうことになるわけですよ。さっき事故センターで向井さんは民間から来たというのですが、これはもう運輸省の人であるというのはだれも知っているわけです。運輸省で最高まで行って、一時民間に行って、この事故対策センターができたからまた戻ってきただけであり、また大蔵省というのは一人どこかへ必ず入れるわけですね。大蔵省を入れないとこういうものが認可にならないというようなことが多いようでありまして、うまく警察庁も監事に入っているわけですよ。  それで私は、せめて民間人ということになるならば、やはり交通に関係のある労働組合の人だったら民間人だけれども、役所をやめた人でまた戻ってきた人というのは、民間人というふうには考えられないわけですよ。ですから私は、いろいろあるでありましょうけれども、この役員それから評議員会の評議員というような者については、やはり交通関係の労働組合の代表というものについては考えるべきではないだろうか。いまの時代からいいまして検討すべきじゃないだろうか。そうしてやはり新しい空気を入れながらやっていく。この評議員会については入れる構想があるようですよ、いまの警察何とか懇談会に入っておりますから。ですからやはり役員なんかの場合においても考えるべきだというふうに私は思うわけですよ。むずかしいですか、大臣、何か御答弁を。
  36. 福田一

    福田(一)国務大臣 法案をいま御審議を願っている段階でございまして、役員の構成をどうするかということをこの席で申し上げることは、いかにも無理ではないかと私は思います。しかし、そういう御意見のあったことは十分脳裏にとめて、具体的に措置をするときに、勝澤さんがそういう御意見を述べられたということを記憶をいたしておきます。
  37. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 まあそれ以上、余り答弁もしにくいでしょうからそのぐらいにいたしまして、次にセンターの組織と人員の構成についてお伺いいたします。
  38. 勝田俊男

    勝田政府委員 東京都にセンターの本部、それから都道府県、北海道の方面に五十一の事務所を置きたいと考えております。本部には総務部とそれから業務部を一部、二部。一部では事故証明、それから調査研究、二部では経歴証明業務をやらせたい。それから安全運転中央研修所というものを付置いたしたいと考えております。人員は、初年度は百五十人程度で発足をいたしまして、業務量の増大に応じて人員を充実してまいりたいと考えております。
  39. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 このセンターはいろいろ証明書を出すようでありますが、手数料はどういうふうにして決めるのですか。
  40. 勝田俊男

    勝田政府委員 手数料の決め方でございますが、できるだけ多くの方が気軽に利用できる手数料であるということが一点と、もう一点は、やはりこのセンターの運営に資するような額でなければならないということでございます。  それで、その第二点につきましては、事業費についてはおおむね手数料で賄えるような額を考えるべきであろうというような観点で、人件費、物件費というようなものを基本にしながら考えてまいりたいというふうに考えております。
  41. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは大臣、ちょっと申し上げておきたいのですが、手数料の金額の決め方なんですね。これは全然別な話ですけれども、東名高速道路の料金がこの四月から大体八割か九割ぐらい上がるんですね。大変なことなんです。結局、これは建設省と道路公団だけで決めるらしいんですよね。国会で別に議論もされたわけでもないわけです。  ですから、こういう料金の決め方というのは^やはり何かよほど考えていただかないと、いま局長は、事業費、人件費を一つのめどに、そこで手数料収入をとんとんにするぐらいのようなお話をいたしておりましたけれども、私は、当初の段階で料金を決めるときというのは相当細かな計算をして決めますから、わりあいと公平なものが出ると思うのですが、ですからそういう段階で、一体どの辺をめどで、手数料収入で賄う範囲というのはどの辺なんだ、どの費用の部分だというぐらいなところで決めておいていただいて、それから後、上げるときの上げ方というのは、見ると、これは何か事業報告か業務方法書によって、対大蔵省の予算折衝の段階で手数料の額が決まるのじゃないかという気がするのですけれども、そういう点で、手数料の決め方についても対象が多いわけでありますから、何か、手数料を下げるときはないのですけれども、上げるときの場合も、上げなければならない場合もあると思うのですから、その上げ方についても、外から見て納得するような上げ方、ただ対大蔵省の予算折衝の中で、向こうがめんどうを見てくれないからこれだけふくらましてしまえということでないような運営の仕方というものをぜひ考えていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  42. 福田一

    福田(一)国務大臣 御意見は十分参考にいたしたいと思います。
  43. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、センターの資金計画であります。実は資金計画について資料をいただいたわけでありますけれども、考えてみますと、私自体がこの資金計画を見せていただいて、収入、支出、これで六千八百万ことしは、五十年度は借入金でやっていこうということまで入っているわけであります。自賠責の運用益、拠出金一億五千五百万というようなものが一応想定されているわけでありますけれども、何か資金計画、五十年度、五十一年度を見ても、一体こういうような事業収入になるのか、支出の方は、これはどうも人が決まっているようですから動かせないようですけれども、なるのかという点について実は疑問があるのですけれども、その点どうなんでしょう。
  44. 勝田俊男

    勝田政府委員 結局、証明書を出しますその件数の見通しにかかってこようかというふうに思うわけでございます。事故証明につきましては、従来から年間百万件程度の事故証明を出しておるわけでございますが、五十年度についてはその四分の一を一応見込んでおります。それで五十一年度につきましては、これは各方面の予測でございますが、保険制度がいろいろ進んでくるというようなこととも関連をして、大体百三十万件程度になるのじゃなかろうかというような客観的な予測もございますので、大体それでいけるのじゃなかろうか。  それから、片方の経歴証明業務でございますが、新しく始める業務でございますので、五十年度はまだこの制度はなかなか定着しないだろう。そういったことで見込んでございませんが、事実上、業務はできるだけ早く開始をしたいと思っておりますが、五十一年度については、いままでのわれわれの調査で、どうしても自分の点数を知りたいという人を見ますと、どうしても知りたいという方が七%ある、できれば知りたいという方が一三%あるということで、二〇%ばかりあるわけでございます。そういったことを起算しますと、二百万程度にはなるわけですけれども、なかなかそうもいくまいということで、かなり厳しく見積もって、あるいは通報業務の数を引くというようなことをして、かたく見積もって三十万件余りというふうに見ているわけでございます。今後この制度が、自賠責のメリットシステムというような面について検討されているという話もございますが、そういった面について活用されるということになると、かなり件数が伸びてくるのじゃなかろうか。そういった面で現在の見通しの件数は、われわれとしてはきわめて控え目な件数を見ておるわけでございます。
  45. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 もう一回ちょっと手数料の問題を開いておきますけれども、法律二十九条で一、二、三と手数料があるわけですけれども、この一号の点数通報ですか、それから二号の無事故、無違反証明、累積点数証明運転経歴証明運転免許証明、三号の交通事故証明、この手数料はどういうことになるのですか。金額は大体幾らに予想されているのですか。
  46. 勝田俊男

    勝田政府委員 一号の通報業務につきましては、本人の申請なしにこちらから一方的に通報して注意を喚起しようということでございますので、これは手数料を取る考えは持っておりません。それから二号の経歴証明業務、三号の事故証明業務でございますが、これは結局、業務方法書で国家公安委員会の認可ということになるわけで、今後いろいろと御検討をいただくことになろうというふうに思いますが、われわれは予算折衝の段階で、事故証明業務については一件について三百円程度、経歴証明業務については一件について七百円程度ということで試算いたしております。
  47. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 法案三十一条に「照会」という項があるわけでありますが、これは義務的な規定なんですか。
  48. 勝田俊男

    勝田政府委員 センター業務のうちの一号、二号、三号という業務につきましては、警察の保管している資料を活用して行う業務でございますので、照会に対して警察が回答するというやや義務的な規定でございます。
  49. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、照会について、各地方センター通知する義務があるものだ、こういう理解でいいですね。  次に、法案四十二条で、二項に「必要な配慮を加えるものとする。」とあるが、これは具体的にどういう意味なんでしょうか。
  50. 勝田俊男

    勝田政府委員 第一項にございますように、府県警察センターとは緊密な連絡をとることになるわけでございまして、その業務性格から見て、事故証明の場合は、府県警察資料をいただいて仕事をやるということでございます。したがって、事故処理の要領なり、事故処理の書類の様式が変わってくるというような場合には、あらかじめ御連絡をいただいて、センター業務に支障がないようにするとか、センターで高度のいろいろな訓練をやる場合に、府県警察の、特に技能のすぐれた方を講師として依頼するということに応じていく、あるいはセンターの仕事を進めていく上で、センターについての照会といいますか、証明書をいただきたいということの申込用紙でございますが、府県警察なり府県の出先の派出所、駐在所にそういう用紙を置いていただいて、一般民衆の利便に資する、そういった面の配慮があり得ると考えております。
  51. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣から冒頭に率直な御説明がありましたし、余り細かいことを質問しても、まだまだ仮定の問題があるようでありますから、以上で私の質問を終わります。
  52. 野坂浩賢

    野坂委員長代理 次に、平田藤吉君。
  53. 平田藤吉

    ○平田委員 最初にお聞きしたいのは、この法律は一体だれのためにつくられるのかということですね。運転者全体のためなのか、国民の安全のためなのか。さっき大臣お話を聞いておりまして、これはどうやら年をとられた官僚のためのもののような気もしましてね、思いやりも結構なんですけれども、これはどういうことなんだろうというふうに考えまして、改めてひとつ御意見を聞かせていただきたい。
  54. 福田一

    福田(一)国務大臣 先ほどの御答弁、いささかざっくばらんに過ぎたかもしれませんが、交通人身事故が非常に多うございます。それをできるだけ少なくする。いま、まだ一万一千人ぐらいの死者がある、五十万人前後の傷害を受けておる人がある。それが社会に与える影響、また交通事故による遺児等々の問題もありまして、こういうものをできるだけ少なくするには、一つ民間の人たちにできるだけ注意をしてもらうということもありますが、やはり運転者運転業務に熟練して注意も十分にする。それから、いままで見ておりますと、運転事故を起こす者は、実際には二犯、三犯と重ねる例が多うございます。その人の性格にもよるのでしょうけれども、そういう例が多いのです。そういうことを考えてみますと、あなたは注意をしないと今度は免許証を取り上げられますよと言って注意を強く喚起する、こういうこともございます。同時にまた、先ほども御質問がございましたけれども、とかく注意力が足りないばかりでなく、高速の運転であるとか、あるいは油がこぼれておるところを運転するような場合とか、そんなことはもうあたりまえだと思っていることでも、注意をしないと大変な事故を起こす場合がある。高速道路あたりは、追突して十何台も一遍に事故を起こすようなこともございます。そういう点等々を考えてみますと、技術の再訓練をするような場所があった方がいいのではないか。そういう二つの面といいますか、注意を喚起することと、技術を習得してもらうこと。  それからもう一つは、警察業務のうちで、事故が起きたときに、証明書を書いてくれとかなんとか言ってよく警察へ来る。それで何も悪いというわけでもないし、不親切にも扱っておりませんが、これは本来の目的ではないのですね。これは賠償とかなんとか、そういうようなことを中心にした民事上の問題を取り扱っている場合もあります。したがって、こういうものは分離をしてもいいのではないか。むしろ分離をして、警察は本来の交通専門にかかるということにした方がいいのではないか。治安の問題に重点を置いていくべきで、交通というものを、もちろん交通も治安の一部と見ておりますから、どちらかと言えばデスクワークのようなことあるいは警察で特別にやらなければならないものでないことを治安の維持に当たっている警官にやらせるよりは、この種のものを設けてやってもらう。こういうことになりますと、年齢が相当いっておりましてもやっていける仕事でもございます。先ほど定年の問題でちょっとお話がありましたけれども、警官あたりも、第一線のお巡りさん、われわれがお巡りさんと言っているような人たちでも、いまのところは、五十三、四くらいになりますとやめにやならぬようなことになっておりますが、できればそのうちで何人かでも、そういう意味でめんどうを見て差し上げられるのじゃないか。  実は、こういういろいろな、多目的なことを考えて提出をいたしたわけでありまして、先ほど私は勝津さんにつられてちょっと発言をしたように見えるかもしれませんが、決して全然理屈なしで出しておるわけではございませんので、この点はひとつ御理解を賜りたい、かように考えます。
  55. 平田藤吉

    ○平田委員 これができますと、県別に見てといいますか、全国でといいますか、何人くらいになりますか。
  56. 勝田俊男

    勝田政府委員 先ほど申し上げましたように、発足当初は百五十人前後で発足をいたしたいというふうに考えております。したがって、各県では、小さいところで二人くらいで発足するという県ができようかというふうに考えております。
  57. 平田藤吉

    ○平田委員 公安委員長、大変な思いやりがあるようだけれども、どうもこれは思いやりから出たものでもなさげな感じですね。ごく一部の、ごく限られた人をどこへやろうかということを含んだ考えで、大変一生懸命やってきた人をみんなめんどうを見るように聞こえるけれども、なかなかそうではなさげだということが感じられる。  あと、実務的に具体的な問題をお聞きしたいと思うのですけれども、運転免許を受けている者の全体は何名くらいになりますか。
  58. 勝田俊男

    勝田政府委員 約三千二百万でございます。
  59. 平田藤吉

    ○平田委員 そのうち何名が道交法とその関係法規に違反したか。これはトータルとしては四十八年度が出るのだろうと思うのですけれども、それでいいと思うのですが、それは免許を持っている人の何%くらいに当たりますか。
  60. 勝田俊男

    勝田政府委員 三年間の違反者の数でございますが、四八%くらいになろうかというふうに考えております。
  61. 平田藤吉

    ○平田委員 三年間ということですが、三年間累積していったら大変になると思うのだけれども、それは平均ですか。
  62. 勝田俊男

    勝田政府委員 過去三年の間に違反を犯した人が運転者の四八%になるということでございます。
  63. 平田藤吉

    ○平田委員 それは三年間より五年間の方がもっと数字が——つまり三年の間に一回やった人を言うのか、何回か繰り返した人の比率を言うのか。
  64. 勝田俊男

    勝田政府委員 三年の間に違反をした人間の数でございます。  三年間と申し上げましたのは、更新の期間が三年であるということがございますし、また点を累積する期間が三年ということもございますので、一応三年というふうに申し上げたわけでございます。
  65. 平田藤吉

    ○平田委員 三年間というのは更新する期間だと言うけれども、新しい人もどんどん入ってくるわけですから、そのデータの取り方は余り正確じゃないと思うのです。一年に限ってみたらどうですか。幾らになりますか。
  66. 勝田俊男

    勝田政府委員 若干同じ人が繰り返しているということで、重複があるかもしれませんが、約八百万人くらいでございます。
  67. 平田藤吉

    ○平田委員 そうするとほぼ二五%ということでいいですか。
  68. 勝田俊男

    勝田政府委員 結構でございます。ほぼそういうことでございます。
  69. 平田藤吉

    ○平田委員 四十八年度の事故者は何人になりますか。それは全体の何%になるだろうか。法規違反と重複しているかなとは思うのですけれども、四十八年度の事故者、それが何名か、それが全体の何%に当たるか。
  70. 勝田俊男

    勝田政府委員 四十八年の事故の件数でございますが、五十八万六千七百十三件ということでございます。
  71. 平田藤吉

    ○平田委員 所有者の何%ですか。
  72. 勝田俊男

    勝田政府委員 一・八%でございます。
  73. 平田藤吉

    ○平田委員 二十九条の一項一号で、「当該違反をした者に対し、その旨を書面で通知すること。」というふうになっているのですが、あなた方の方で推定しているもの、それは四十八年度でもいいですが、この「当該違反をした者に対し、その旨を書面で通知すること。」となっておる、その「通知する」に該当する人はどれくらいになりますか。全体の何%ですか。
  74. 勝田俊男

    勝田政府委員 大体五十四万から五十七、八万の間というふうに考えております。したがって、先ほど申し上げた事故と大体同じくらいの比率になるかと思います。
  75. 平田藤吉

    ○平田委員 そうすると、いま言った違反者のほとんどが該当するということになりますか。
  76. 勝田俊男

    勝田政府委員 先ほど申し上げましたのは事故の件数でございまして、いま申し上げております通報の問題は、違反をいたしますと、現在点数制度になっておりまして、それぞれ点数が入ってまいります。現在行政処分をするのは、六点に達すると停止になるということでございます。そこで停止になる直前の方、四点、五点という点数になった方に通報をして、違反を起こしますと停止になりますよ、注意して運転してください、安全運転をしてくださいという趣旨の通報をするわけでございます。
  77. 平田藤吉

    ○平田委員 だから、その通報を受ける者がそんな数になりますかということを聞いているのです。
  78. 勝田俊男

    勝田政府委員 数としましては、われわれのいままでの推定でございますが、いままでの電計に入っておる点数からの推定で、大体年間その程度になるであろうということで、面接の因果関係はございませんが、数としてはほぼ同じくらいの数になろうということでございます。一・八%でございます。
  79. 平田藤吉

    ○平田委員 それから「業務」の第二号の運転経歴書の請求、どれくらいの人が交付を求めるようになるだろうかということです。
  80. 勝田俊男

    勝田政府委員 これは初めてやる業務でございます。そういった面で推定はなかなかむずかしい問題ではございますが、われわれが更新時講習の際に、自分の点数を知りたいでしょうかという質問をサンプル調査でございますが、やった例がございます。そのデータを見ますと、どうしても自分の点数を知りたいという方が七%あるわけでございます。それからできれば知りたいという方が一三%余りあるということでございます。それをそのまま運転者に掛けますと、かなりの数になるわけでございますが、その中で、常時運転をしていない方もありますし、それから全然違反をしていない方もあるわけでございます。そういった方を引いて掛けてみますと、二〇%と見れば二百万ぐらいになるかと思いますが、今度は手数料もいただくということになりますと、なかなかその程度の数がそのまま出るというわけにもいかぬであろう。それからやはり無事故、無違反の証明というものについても、これはぜひ自分は欲しいのだという方は、かなり出てくるのじゃないかというふうに思います。非常に控え目に見積もっておりますが、大体三十万程度はいくのじゃなかろうかということで、資金計画の面では、一応三十万余りという推定をいたしております。
  81. 平田藤吉

    ○平田委員 第三号の、これはいままで事故証明書と言われていたものですね、これの交付を申し出る者は、どれくらいの数になるでしょうか。
  82. 勝田俊男

    勝田政府委員 これは従来から、ほかに適当な機関もないということで、その業務所轄警察署長名でやっておったわけでございますが、従来の実績から見ますと、年間百万件ぐらいということでございます。われわれ各方面のいろいろな意見を伺ったわけでございますが、やはり今後の保険制度の進展というような観点からするならば、五十一年には百三十万件ぐらいに伸びるのじゃなかろうかというようなことでございますので、資金計画ではその数を推定いたしております。
  83. 平田藤吉

    ○平田委員 第七号に、「前各号に掲げるもののほか」とこう言っておるのだが、大体どういうことが想像されるのですか。
  84. 勝田俊男

    勝田政府委員 一応一号から五号まで、われわれの考えられる、ここでやらせることに適当な業務というものを一応拾い上げたつもりでございます。しかし、このセンターが発足をしまして、またいろいろ研修業務をやっていきますと、研修業務の形で、あるいは青少年について書かれてございますが、青少年以外についてもやったらいいのじゃないかというような意見が出てきた場合には、七号を活用して行うということになるわけでございますが、現段階におきましては、大体一号から五号、またそれに付帯する六号業務ということになろうかというように考えております。
  85. 平田藤吉

    ○平田委員 第五号に、「自動車の安全な運転に必要な技能に関する調査研究その他」というふうに言われておりますけれども、これはいままでは、だれがどこの所管で扱ってきたものかということですね。
  86. 勝田俊男

    勝田政府委員 警察庁におきましては、交通局でいろいろな事故統計をとっております。そういった事故統計統計分析という面から見まして、どういうところに事故が起こりやすいかとか、そういったことから事故防止対策を講ずる資料としてやってきているわけでございます。  それから運輸省とか建設省でそれぞれこういった面の研究をされておるようでございますが、運輸省はやはり車の保安基準、こういった面からの安全、あるいは建設省においては道路構造、こういった面からの安全といったものを研究されておるように伺っております。
  87. 平田藤吉

    ○平田委員 今度はそれらを全部統合してやるわけですか。
  88. 勝田俊男

    勝田政府委員 そういうわけではございませんで、このセンターの特性を生かして調査研究を進めてまいりたいということで、第一点は、安全運転に関する調査研究ということで安全運転研修所というようなものができますので、安全運転の技術の技法、こういったものについての調査研究を進めていきたい。それから安全運転をするについて、どういう教育をすればよいかという教育技法でございますね、こういったものについて調査研究を進めていきたい。  それから事故分析でございますが、事故分析は、数量的、統計的な分析はやっておるわけでございますが、さらにそれにいろいろな学者さん方の御意見も入れまして、心理的な要因とか、道路工学的な要因とか、いろいろな要因を含めて、それから個々の生きた事例を取り上げて、数字だけではなしに、生きた事例からその教訓をくみ取って分析研究をさせてみたい。  それから従来いろいろ交通安全施策を講じてきているわけですが、その効果測定という技法については、なかなか十分に解明できがたい面があるわけでございます。そういった面で交通安全施設の整備あるいは交通取り締まり、そういったものがどのような効果があるか、その効果と費用分析、こういった面について調査研究をも進めていきたいということを考えておるわけでございます。
  89. 平田藤吉

    ○平田委員 さっきのお話ですと、あの人数でそんなことができるのですか。
  90. 勝田俊男

    勝田政府委員 ここが中心になるわけでございますが、ここを中心にしまして、各界の学者先生方、専門家の先生を委員に委嘱いたしまして、委員会というようなことでいろいろと調査研究を進めていくということを考えておるわけでございます。またこの内容も、今後逐次充実していきたいというように考えております。
  91. 平田藤吉

    ○平田委員 いまずっと聞いてきたのですけれども、いまの第五号の問題一つをとってみましても、やはり何かつけておかなければならないからつけておくみたいな感じなんですね。実際にこのメンバーでもってやれるはずのものでもないし、研究しようとなれば研究所も持たなければならぬだろうし、そうでなかったら満足なことはできっこないですよ。  そういう意味で、私は、ずっと聞いていきまして、一つ感じますのは、結局免許を持っている人全体から見ると、大体二〇%ないし三〇%の人たちのためにつくると言って差し支えないようなものだろうと思うのですよね。しかも実際にやる仕事の中身をこれから聞いていきたいと思うのですけれども、どうもそういう意味では、こういうものを別につくらなくても、ほかに考えようがあるのじゃないかというように感じているわけですよ。  各項の内容について、もう少し詳しく聞いておきたいと思うのですが、二十九条の一号ですか、点数が限界に来ておるときには書面で通知するという問題は、もともと警察庁センターをつくったときに計画されていたものですね。それから一部には行われてきたものじゃないかというふうに思うのです。これが全面的にできなかったのはなぜなんですか。
  92. 勝田俊男

    勝田政府委員 一部試験的に実施しているところもあるわけでございますが、この通報業務につきましては、技術的に、最後に違反をした県に通報が返ってくるということでございます。その県の公安委員会の免許を受けた方でない方がたまたま旅行して違反をしたというような場合、その県で通報するというようなことについては大変不自然であるというような問題がございまして、業務というのは全国統一的な業務で行われているのですが、現実の公安委員会の運営というのは、各県単位で運営されている、そういった面で、なかなか運営がむずかしい。こういった試験実施の例も、その県におる人にだけやって追跡調査をしたということでございます。
  93. 平田藤吉

    ○平田委員 警察庁の方にコンピューターを入れて、全部いまそれを入れてあるわけでしょう。問題は、本人に通知する問題をめぐってですが、何で警察だとできないのですか。
  94. 勝田俊男

    勝田政府委員 警察でできないというよりは、やはりこういったセンターでやる方が全国的に統一した基準でやれるということであり、警察でやると、いかにも警告だというような印象にもなりますので、こういったセンターで、もう一回やると行政処分を受けますよ、ひとつ今後は安全運転をやってくださいというようなことでやる方が、受けた方についてもやわらかい感じであろうし、安全運転を心がけようという気持ちになるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
  95. 平田藤吉

    ○平田委員 警察から連絡してあげると、安全運転を心がけようという気持ちになりませんか。
  96. 勝田俊男

    勝田政府委員 そういうわけではございませんが、このセンターのような機関から通報する方がよりやわらかく受け取られるのじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。
  97. 平田藤吉

    ○平田委員 このごろは警察だって、交通違反の問題やその他の問題では運転者はみんな行っているのですから、やわらかいかかたいかの問題じゃないでしょう。警察ではできないのかということを私は聞いているのですよ。
  98. 勝田俊男

    勝田政府委員 結局、これを警察でやる方が行政能率の面あるいは民衆の利便から便利か、あるいはこういったセンターでやる方が行政能率の面あるいは民衆の利便から便利かという問題に帰するかと思います。  そこで、警察でやるかどうかという問題につきましては、警察の仕事というのは、どちらかと言えば、第一線の交通の規制とか、交通の指導、取り締まりとか、そういった業務にできるだけ専念をしていきたい。現在の交通事情から見ても、そういった直接警察でなければならないといった業務に専念をしていきたい。どうしても警察でなければできないということでない業務については、適当な機関があれば、それにやらせる方が、そういった行政能率の面から見ても、あるいは民衆の利便という面から見てもベターじゃなかろうか、こういう考えでございます。
  99. 平田藤吉

    ○平田委員 それはわかりませんよ。理解できませんよ。つまり、警察というのは取り締まる場所であるというあなた方の考え方でしょう。しかし、これはやはり事故が起こらないようにしていく仕事は警察の仕事だと思うのですよ。しかも、警察庁にコンピューターがあるわけでしょう。事故センターをつくって、警察庁まで一々出張しては、きょうは通知する人はだれかというのを調べてやるのですか。そういう点だって、警察一本でやれば一番スムーズに行い得る仕事だ。人の手間は同じなんですから、警察にそれに必要な人を配置すればいいのですから、できないことはないはずです。警察から通知が行くと、どうもみんなふんわりしなくてかたくなって事故を起こすかもしれぬなんというような理屈は通らぬですよ。警察でできるはずなんです。あなた方はそこのところができないとは言えないのじゃないですか。そこのところを答えてください。
  100. 勝田俊男

    勝田政府委員 全国的な統一的な基準でやっていくということでございます。警察はそれぞれ府県単位に運用されておるわけでございますが、運転者は一カ所自分の県内だけで違反を起こすわけではございません。そういった点数が全部累積されて、東京で起こし、神奈川で起こしたというのが累積されて通報されるということでございます。  そういった点で、やはり全国的な組織を持ったこういった機関が通報することの方が、組織的に見ても適当だと思いますし、あるいは先ほど申し上げたように、行政能率の面から見ても、警察は何も取り締まり専門というわけではございませんが、できるだけ多く街頭に出て直接の指導をやるということが大事なわけでございまして、やはりデスクワークというようなもので、どうしても警察でなければならぬというような仕事でなければ、これはほかに適当な機関があれば、それに移してやらせる。たとえば、警察で入手しましたいろいろな交通情報でございますとか、こういった情報を一般運転者に流して安全運転を促すというような行為、こういった行為につきましては、道交法の規定に基づきまして、日本道路交通情報センターに委託をしてやらしております。そういったことと同様な趣旨でございまして、こういったことの方がベターじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  101. 平田藤吉

    ○平田委員 どうもわからないのですがね。運転者事故率や何か、点数や何かはセンターへ全部全国から入るのですか。このデータはまずどこへ集まるのですか。
  102. 勝田俊男

    勝田政府委員 運転者管理センターに集まるわけでございます。
  103. 平田藤吉

    ○平田委員 運転者管理センターというのはどこにあるのですか。
  104. 勝田俊男

    勝田政府委員 警察庁にございます。
  105. 平田藤吉

    ○平田委員 警察庁にあるのだったら、人さえ配置すれば警察庁で処理できるのじゃないですか。外に出なければなりませんからと言ったって、別にこうやって人が配置されることになるわけなんだから、それこそ先ほどの勝澤先生お話じゃないけれども、年配の人たちが警察庁でその仕事に携わるというふうになったって、別に差しさわりはないはずです。それをわざわざ警察庁に集まったデータを安全運転センターまで持っていって、そうして処理をせねばならぬというのは二重の仕事になるのじゃないか。警察庁でやればそれは一本でやれるじゃないですか。
  106. 鈴木金太郎

    ○鈴木説明員 先生の御質問の点は、主として運転者管理センター業務関係になるのじゃなかろうかと考えております。先生、この間御視察をたしかいただいたと思うのでございますが、運転者管理センターは、最初設立いたしましたときには、運転免許の不正の取得の防止、それから点数制度の運用、こういうようなことでやったわけでございます。でございますから、その間には大変技術的なものもございまして、翻訳その他複雑な業務がございます。もちろん所要の人員はほんのわずかなもので運営しているわけでございますが、今度の安全運転センターにつきましては、これは主として窓口業務で、いわゆるサービスをするという形が主でございまして、業務の主体は、中央の警察庁ではございませんで、出先の窓口の業務をいかにやるかというふうなことに相なるかと思います。
  107. 平田藤吉

    ○平田委員 どうも話がこんがらがっていかぬのですけれども、出先の窓口業務だったら警察でできる。通知はどこが出すのですか。直接運転者に対して、あなたはもう点数ありませんよという通知はどこが出すのですか。
  108. 鈴木金太郎

    ○鈴木説明員 通知につきましては出先の事務所長が一応文書をもって出すという形でございますが、その間に御要望がございました点、その他窓口から参りましたものにつきましては、警察庁にそれがプログラムによって送られるという形に相なるかと思います。
  109. 平田藤吉

    ○平田委員 そうしたら警察庁から県警へ連絡するのでしょうから、県警へ連絡して県警でやったらいいのじゃないですか、窓口が警察署でやるのだったら。あるいはまた安全運転センターですか、これが各市町村にできるなら話は別ですよ。県単位でしょう。県単位だったらその仕事は県警でできるのじゃないか。
  110. 鈴木金太郎

    ○鈴木説明員 警察庁と県警察の間は、実はオンラインで、通信回線でつながれておりまして、それが一つの符号によりまして、パルス信号といいますか、そういうふうな符号によりまして送られてくるものでございますので、これはすべてが自動的に行われるという形に相なっております。
  111. 平田藤吉

    ○平田委員 それはいいのですよ。すべてが自動的に行われるのだけれども、県警との関係で行われるわけでしょう。県の安全運転センター警察庁との関係でやられるわけではないでしょう。県警との関係で、県警の中でやられるわけです。その中でちゃんと仕事をして、そして県警が、あなた点数なくなるよという通知を出したらいいじゃないか。簡単明瞭なんだよ。そんなややこしいことじゃないのですよ。それで済むのじゃないですか。いや、それはできないですと言うなら、できない理由を話してください。
  112. 勝田俊男

    勝田政府委員 先ほど御答弁申し上げたことと繰り返しになるわけでございますが、それをやるために若干の事務量もあるわけでございます。結局、ある程度のデスクワークを得て通報をするということになるわけでございます。そういったことを警察がやるのか、あるいはそれにかわるべき適当な機関があればそれにやらして、警察はできるだけ街頭に出た方がいいのか、こういう評価の問題になろうかと思いますが、こういった仕事についてはどうしても警察でなければやれぬという仕事でもないわけでございますし、こういうセンターというものができれば、これがやることが適当じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  113. 平田藤吉

    ○平田委員 どうも理解できません。やはりほかの必要があってつくるのだというふうにしか理解できませんよ。県警から通知を出せばいい話なのですから、わざわざセンターみたいなものをつくって、そして警察庁から県警へ来たデータを、今度は持っていくのじゃない、県警へ取りに行って持ってきて、そして皆さんに通知する、こういう形になるのでしょうね。県警で仕事をやった方がどれほど便利で、スピードがあっていいかしれませんよ。私は、こういうものはやはりそうすべきだと思う。  三号の問題でもそうですね、いままで警察署が出してきたのでしょう。恐らく事故証明の多くの部分は、その警察管内の免許の所有者ないしは被害者が比校的多いと思うのですよ。この人々の便のためには、県へ一本にまとめるよりは、いままでどおりやはり警察の窓口でやってくれた方がいいのだ、私はそう考えます。だって証明書の場合は、あれは地図を書いたりいろいろしなければならぬのですから、コンピューターに入らないでしょう。ですから、それであったら警察の窓口で処理できるようにしたらいいのです。どこが違うかと言ったら、これは遠くの人も警察まで取りにこなければならない、こういう理屈があなた方の理屈なのだ。今度はセンターができれば郵便局から金を送ればいいようになっていると言う。遠い人ならば、同じように警察へ送ればいいじゃないか。警察でやれば、一日何百件もあるわけじゃないのですから、処理は比較的手間がかからないで済むのですよ。一カ所にまとめたらこれは大変な数字になりますよ。ですから繁雑にして手間がかかって、すぐに必要だと思う人の便利には大変悪い仕組みだと思うのですよ。便利になりますか。そこを聞かせてください。私はもう絶対に便利にならないと思う。いままで警察がサービスとしてやってきたこのサービスの窓口というのは、警察といろいろな人々が結び合う点でも、警察の本来の任務から言っても、大変大事な仕事だというふうに私は思っておるのですよ。どこに利点があるのか聞かせてもらいたい。手間がかかって不便でしょうがないですよ。
  114. 勝田俊男

    勝田政府委員 事故証明につきましては、三十一年に自賠法ができました際に、施行令の三条でございますか、それによって事故証明する証明をつけなくてはいかぬ、そこでどこがその証明書をつくるかということで、当時いろいろと協議をして、まあ信憑性のある証明書というのは所轄署長の証明書であろうということで、警察庁からも通達を出しまして、証明書警察から出すということにしたわけでございまして、特に法的な根拠があってやったわけではございません。交通事故に遭われた方、あるいは事故を起こした方、そういった方の便宜のため、そういうことでやったわけでございます。  そこで、こういった業務をやはり、まあほかに適当な機関があってやれるのならば、それに移してやらせることが適当ではなかろうかというふうに感じているわけでございまして、先ほど大臣からお話しもございましたけれども、この際、このセンターができればこれに移したらよかろう、そして先生がおっしゃった、それでは不便になるのじゃないか、こういう御意見でございますが、一応管内の事件も、警察署と居住者と一つのものもございますけれども、過半数はやはりよその署の管内の者が事故を起こしているわけでございます。  それから、一々署へ行かなくても、派出所なり駐在所にも申し込み用紙を備えつけておいて、一般国民の方にはできるだけ御不便をかけないような配慮をしながらセンターにやらせてまいりたい。従来からの警察の仕事というものを少しでもこういった面に移して、警察本来のと言いますか、そういった業務に邁進させるようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  115. 平田藤吉

    ○平田委員 まあ、納得できない説明ですわね。時間がかかりまして、これまたやってごらんなさい、行ってすぐもらえるものとは違いまして、何日かかるかわかりませんよ。郵便がおくれる、そして郵便で送ってくるのがおくれるというので、これも大変ですわ。だから、そういう意味では、いまの説明では私は納得できないですね。  そこで次へ移りますけれども、この四号で「高度の技能及び知識」というふうに言っている問題ですね。これは保険のメリット・デメリットにもかかわり合いを持ってくる問題じゃないですか。
  116. 勝田俊男

    勝田政府委員 特に関係はございません。
  117. 平田藤吉

    ○平田委員 ここで警察との関係でお聞きしておきたいのですけれども、警官全体の中で交通担当の警官の比率というのはどのくらいを占めているのですか。  ついでに、交通関係警官と交通関係の予算の比率はどれくらいですか。
  118. 勝田俊男

    勝田政府委員 交通警察官の全国の数でございますが、約二万九千でございます。一六%ぐらいになるのじゃないかというふうに考えます。  それから、五十年度の交通関係の予算でございますが、百十九億三千八百二十九万七千円ということでございます。警察庁の総額が九百四億でございますので、ちょっといま計算をしかねておりますが、パーセントは後ほど……。
  119. 平田藤吉

    ○平田委員 交通戦争と言われるほど事故が次々に起こっているわけですね。そういう立場から見て、交通関係警察官を増員して、もっと交通事故を減らしていくための施策を講じていかなければならぬと私は思うのですよ。ところが、いまずっと話を聞いていますと、あなた方、警察からはずすことばかり考えている。その説明ばかりですよ。一貫して警察というのは公権力の行使、いわゆる取り締まりに基本があるんだという考え方に終始しておりますね。これは私は問題だと思う。  そこで聞きたいのだけれども、警察の本来の使命というのは一体何なのだということです。
  120. 勝田俊男

    勝田政府委員 警察法にありますとおり、国民の生命、身体、財産の保護、公共の安全と秩序の維持でございます。
  121. 平田藤吉

    ○平田委員 こういう仕事は、やはりそれに伴ってどうしても必要な仕事なのだ、当然警察にやらせるべきだというように思うのですね。  ところで、自動車保険の問題について大蔵省にお聞きしますが、メリット・デメリット料率の導入を検討したいという考えのようだけれども、まぜそういうものを検討する必要があるのかについてお聞きしたい。
  122. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  御指摘の点は、任意の自動車保険に関してかと思いますが、現在、任意の自動車保険にはすでにメリデメ制が導入されております。ただし、これは保険事故、つまり当該保険契約につきまして保険金を支払ったその事故に関連してメリデメ制を採用しているわけでございまりて、たとえば保険契約前五年間無事故であれば、保険事故がなければ五〇%まで引くという制度になっております。保険の本質数理の上からまいりまして、保険料率というのは、本来その保険契約の持っている事故の可能性に関連して決められるべきであるという性格がございますので、保険事故の少ない、あるいは全然ないものは、それだけ保険事故の可能性が低いということで、このようなメリデメ制を採用しているわけでございます。
  123. 平田藤吉

    ○平田委員 そうすると、自賠責にそれを導入したいという考えはないわけですね。
  124. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  メリデメ制は、ある意味では交通事故防止に非常に役立ちますので、自賠責保険についても極力その導入について検討すべきではないかということが自賠責審議会の答申でも出ているわけでございますが、ただ、御承知のとおり、自賠責保険は車単位でございまして、運転者との結びつきが非常にむずかしいわけでございます。したがいまして、一応前向きの検討はいろいろやっておりますけれども、技術的にはかなり難点があるのではないか、このように考えております。
  125. 平田藤吉

    ○平田委員 運輸省にお伺いしますけれども、この間の勝澤先生の要請で資料が出ましたが、運輸省はこの問題については困難であるというふうに言っておりますけれども、なぜ困難なのかについてお聞かせいただきたい。
  126. 宇津木巌

    宇津木説明員 お答えいたします。  ただいま大蔵省の保険部長からもお話がありましたとおり、自賠責保険は車単位の保険制度になっておるわけで、それがさらに無保険車防止のために車検制度とリンクされておる、こういうことになっておるわけでございます。いまさら申し上げるまでもなく自賠責は強制保険でございますが、強制保険の第一の主眼とするところは、無保険車対策、つまり保険を掛けてない車が全然ないようにするところにあります。これは被害者救済の上からいって絶対不可欠の要件であります。かような意味合いにおきまして、日本の現状から勘案いたしますと、無保険車対策といたしましては、現在の車検制度にリンクされました車単位の保険というのがベストの方法であろうかと考えておるわけでございます。  かような趣旨から、車単位の保険になりますと、車の保険歴というのがその車の危険度と結びつかないわけで、運転者による要素が多いわけでございます。したがって、メリデメ制度の導入というのは非常にむずかしい、こういうことになるわけでございます。  ただしからば、メリデメ制の導入がないから、それを使っておる運転者の方々によけいな負担をかけているかどうか、こういう点を検討してまいりますと、実は現在の保険事故、自賠責の関係でございますが、これで勘案いたしてまいりますと、全体として見ますと非常に事故が少ないわけでございまして、これについてたとえばメリットレーティング制度につきましては、いろいろなものがあるわけでございますが、広く日本で行われておるような、たとえば一年間無事故であれば一〇%ずつ引いていって最終で五割を引く、こういうような制度を仮に自賠責で考えてみましても、そういたしますと、新しくいろいろな事務経費もかかりますので、そういう点を勘案し、さらに車の事故を起こす割合が非常に少ないことも勘案いたしますと、大ざっぱに申し上げて大体保険料を二倍程度に引き上げなければならぬ。そうして五年間無事故で過ぎて大体現行と同じ程度のものになるという結果になるのであれば、わざわざ苦労して導入する必要性が乏しいのではないか、こういうこともあるわけでございます。  また、そのほかいろいろな議論がございまして、本来自賠責保険は強制保険でございますし、被害者保護という社会保険的な性格を強く有しておりますから、保険料率といたしましては、現行の車種別料率で十分であって、さらに個々のユーザーの差によって区別すべきではない、むしろ一律負担が望ましいのではないか、こういう議論もございますし、また、そのほか自賠責保険は、被害者保護の見地から、事故が起きた場合の挙証責任を加害者に転嫁しておる、運用面におきましても実質的には無過失責任の原則をとっておりますので、形式的な保険金の支払いの有無、あるいはまたその金額というものが実質的な過失責任の有無、あるいはその度合いを反映していない、こういう点もあります。そこでメリット制度とはなじまないのではないか。  いろいろこういうような議論等も一方ではあるわけでございまして、これらを総合いたしまして、さしあたりまして自賠責の方には、いわゆる契約者単位の任意の保険と違いましてメリデメ制を導入するのは困難ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  127. 平田藤吉

    ○平田委員 大蔵省に聞きますけれども、損保業界では、このメリット・デメリット料率制度を、違反歴にもかかわり合い持たせた方がいいではないかという論議が出ているようですけれども、こういうことについてどうお考えですか。
  128. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  現在の任意保険のメリデメ制は、先ほどお答え申し上げましたように、当該保険事故について現実に起こったものを対象にしているわけでございますけれども、本来保険料率と申しますものはその保険契約の事故の発生可能性と結びつけることが望ましいわけでございます。その点で申し上げますと、やはり交通違反と申しますのは、すべてそうでは必ずしもないわけでございますけれども、その一定のものは、やはり交通事故に結びつく可能性の多いものはかなりあるわけでございまして、そういうものについてのデータがもし客観的にかなり集積してまいりますならば、それを対象にして保険料率に反映させるということも一つの方法ではないか、このように考えております。
  129. 平田藤吉

    ○平田委員 どうも本音がそこいら辺にあるようにとれる。と言いますのは、さっきから警察で処理ができるじゃないかというふうに言っていたけれども、損保業界でいろいろ論議しているのは、警察庁が集めたデータがもらえるようになっている、そしてその適用をひとつ広げていこう、こういうことを考えているのですよ。また中には、各損保会社警察庁のコンピューターをつなげてすぐ調べられるようにしたらどうだというような意見までが出ているわけです。この法案でわざわざ事故歴なるものを欲しければ上げますよと言っているのは、ほかならない圧倒的部分は保険業界の便宜を図ることになるのだ。  保険業界は何でそんな理屈をつけるかといったら、任意のお客さんをうんととるためですよ。あなたは違反歴がないから、事故歴がないから半分にしますよというようなことでお客さんをうんととる。ところがあれは、加害者、被害者にとって実際に適用させる段になると、いまの保険業界のやり方というのはずいぶんむごいものなんですよ。それはそうでしょう、現在の保険業界の大体四〇%はこの自動車保険の任意によっていると言われるくらい比率が高いわけですよ。ですから、この分野を維持し、広げていくということにかなり努力を払っておる。しかも自賠責の強制部分の保障額が上がってくるにつれて任意保険のうまみというものは少なくなってくるわけで、それだけお客さんがつかない可能性が出てくる。そういうことまで全部計算して、そうしてこの法案ができるのを心待ちに待っているというのが実態でしょう。  警察庁にお聞きしますけれども、損保業界との話し合いはこの問題についてやっておるのですか。
  130. 勝田俊男

    勝田政府委員 直接にはやっておりません。
  131. 平田藤吉

    ○平田委員 そういうねらいを持って、先ほど勝澤先生の方から出されたように、役員の構成や何かの中にちゃんと組み込んであるのですよね。公安委員長が言ったように、警察官で一生懸命骨折ってきて年とった人を入れなければならぬということだったら、みんな警察官の人を入れればいいのですよ。ところが、そうなっていないんだ。これは明らかにこの条項に関する限りにおいては、損保業界の利益を守ることに大きなウエートを置いているとしか判断できない。私は、どうしてもいままでの説明ではどれを聞いても納得できない。  本来、警察が国民の生命、身体、財産を守るという立場を本当に貫徹していくとするならば、当然警察業務としてこういう国民に対するサービスの面についてもっともっと力を注がなければいけないのだというふうに思うのですよ。見てごらんなさい、警備公安警察を。人員もふえるわ、装備もふえるわ、予算の面でも大きい比率を占めている。刑事警察だとか交通警察だとか、こういう国民の本当の生命、財産、安全を守るという分野については非常にこれをしぼっていく。これが現実ですよ。その上今度は警察で行っていたサービス業務まで全部切り捨ててしまおうという意図は、これはどう言ったって国民のためだとか、あるいは運転者のためだとかという理屈にはならない。しかも、この事故歴まで民間の損保会社警察庁から取り寄せて仕事をするという段になってくれば、個人のプライバシーにかかわる問題にも関係してくるというふうに私は思うのですよ。  引き続いて紺野議員の方から質問する予定になっておりますから、私はきょうは時間が来ましたからこれで終わりにしますけれども、特に強調しておきたい点は、やはり警察の国民に対するサービスの業務をもっと充実させなさい、この面に人を配置しなさい、そうして国民の期待にこたえるように一層努力することが大事だということを申し上げまして、きょうの私の質問を終わります。
  132. 野坂浩賢

    野坂委員長代理 この際、午後一時まで休憩いたします。     午後零時七分休憩      ————◇—————     午後一時二分開議
  133. 野坂浩賢

    野坂委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小濱新次君。
  134. 小濱新次

    ○小濱委員 審議中の自動車安全運転センター法案につきまして、国家公安委員長並びに警察庁長官、それから大蔵省、それから警察庁の方々に順次質問をしていきたいと思います。多少ダブる点もあろうかと思いますが、どうかひとつ誠意ある御答弁をよろしくお願いを申し上げたいと思います。  まず、国家公安委員長が他の委員会の関係でおくれるようでありますから、大蔵省にお伺いをしていきたいと思います。  まず、自賠責保険についてでありますが、現行の自賠責保険については、保険事故歴によるメリット・デメリット制度はとられていないが、任意自動車保険についてはこの制度が採用されている。今回安全運転センターの設置に伴い、従来の事故歴に違反歴の有無を加味したメリデメ制度に反映させる任意自動車保険を大蔵省は考えているようでありますが、この内容についてひとつ伺いたいと思います。
  135. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘のとおり、自賠責保険にはメリデメ制の適用はございませんで、現在任意の自動車保険についてだけメリデメ制の適用があるわけでございますが、現在のメリット・デメリットは、当該保険契約について事故がございまして保険金を支払ったものを事故として扱いまして、それに基づいてメリット・デメリット制を採用しているわけでございます。具体的には、無事故割引の場合には、最大過去五年間無事故の場合には五割引きまでするようなシステムになっているわけでございますが、ただいま先生御指摘の違反歴の点でございますけれども、この点につきましては、違反歴を保険の料率に反映させるという制度は、すでにアメリカなどでも一部実施しているわけでございます。  本来、保険料率と申しますのは、御承知のとおり、当該契約の保険事故の可能性に関連して料率が決まるというのが一番望ましい、これが契約者の公平性という点からもあるいは交通事故防止という点からも望ましいわけでございますので、その点につきまして、御指摘のように、違反歴につきましてある程度料率に反映させるということも前向きに考えるべきじゃないかと考えております。この点につきましては、交通違反の中には今後交通事故につながる可能性のあるものとないものと恐らくあるでございましょうし、その辺はある程度分けて取り扱う必要もあると思いますけれども、いずれにしても、交通違反の多発した者が同時に交通事故についても潜在的な可能性を持っているということは十分考えられるわけでございますので、この点を保険料率に反映させることを考えていきたい、このように考えております。ただ、現在一応考えておりますのは、保険事故もそれなりに保険契約としてば合理性がございますので、保険事故に関するメリデメ制に加えて交通違反によるメリデメ制を検討していく、このような方向で考えております。
  136. 小濱新次

    ○小濱委員 これからの方向づけというものをお尋ねしているわけでございますが、前向きに考えるという御答弁でございましたが、任意保険にメリデメ制が採用され始めているということは、無事故運転者とそうでない運転者をふるい分けると同時に、優秀な運転者により安全な運転をさせる誘導にもなっていると私どもは考えておるわけでございます。しかし、強制保険は掛金が一律であるため誘導面に欠けているとも私どもは認識を持っているわけでございます。すなわち、被害者救済そのものには役立つにしても、事故抑止には必ずしも役立たない面がある、こういうふうに考えております。  いま徳田保険部長さんからお答えがございましたけれども、欧州でもこのメリット・デメリット制を早くから強制保険に採用し、事故抑止に役立てている、こういう話を私どもも聞いております。このようにドライバーの資質を加味したメリット・デメリット制を強制保険に採用する意思があるかどうか、この問題について、これも大蔵省のこれからの方向づけになろうかと思いますので、私はやはりこうした内容についてます御見解を承って、それから本論に入っていきたい、こう考えておりますので、お答えをいただきたいと思います。
  137. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  御指摘のとおり、メリデメ制と申しますのは、保険にこれを取り入れますと事故防止に非常に役立つわけでございますので、自賠責保険についてもこれを適用すべきではないかという議論がございまして、これは自賠責審議会の答申においても、これについてさらに検討を続けるべきであるというようなことが示されているわけでございます。したがいまして、その線に沿いまして現在鋭意検討を重ねておりますが、ただ、御承知のとおり、自賠責保険は車単位の保険でございまして、これは被害者保護を非常に重点的に考えておりまして、車検にリンクさせておりますので車単位になっておるわけでございますが、一方、事故歴あるいは違反歴と申しますのは人に結びつくものでございますので、その間をどのように結びつけるかということに非常にむずかしさがございまして、かなり技術的には難点があるのではないか、このように考えております。
  138. 小濱新次

    ○小濱委員 技術的に難点がある、検討するにしてもそういう問題等について非常に困難な見通しであるというふうに私はいま伺いました。  そこで、これは警察庁交通局長にお答えいただきたいと思います。  ドライバーの事故、違反を適切に把握し、保険にスライドすることは、警察庁は技術的に可能であるかどうか、いかがでしょう。     〔野坂委員長代理退席、勝澤委員長代理     着席〕
  139. 勝田俊男

    勝田政府委員 技術的な問題につきましてはなかなかむずかしい問題であって、直ちにそれが可能であるかどうかということについて結論を出すというところまでまいっていないわけでございますが、交通事故防止という観点から言いますならば、無事故、無違反、こういった運転者が優遇されるということが運転者の資質の向上に役立ち、交通事故防止にも役立つものというふうに考えております。
  140. 小濱新次

    ○小濱委員 さらに局長にお尋ねしますが、直ちに結論を出すことは非常にむずかしいということでありますが、しからば時間をおけば可能なのかどうか、この点いかがでしょう。
  141. 勝田俊男

    勝田政府委員 警察庁は自賠責そのものの主管省ではございませんので、警察庁としてこういう形でやればできるじゃないかということはなかなか結論を出しにくいという立場にもあるわけでございますが、運転者の限定とか、いろいろな方法があろうかというふうにも考えているわけでございまして、そういった場で今後いろいろと討議、検討されるべき問題ではなかろうかというふうに考えております。
  142. 小濱新次

    ○小濱委員 長官、この点についてやはり御見解を承っておいた方がいいかと思いますが、いまお聞きのとおりであります。そういう点で当然直ちにということはむずかしいにしても、将来そういう考えで、私どもはいわゆる可能ならば事故抑止のためにこのメリデメ制度を採用すべきではないか、こういうように考えるわけですが、これはやはり一番衝に当たっておられるそういう立場から長官の御見解をひとつ聞かしておいていただきたい、こういうふうに思います。
  143. 浅沼清太郎

    ○浅沼政府委員 ただいまもお答えがございましたように、保険によりまして被害者の救済の万全を期するということと同時に、運転者に対してその資質の向上あるいは事故抑止という効果を考えますると、事故あるいは違反にかかわりまして保険制度が導入されるということが私どもはきわめて望ましい形であるというふうに考えておりますので、先ほどからいろいろ技術的その他むずかしい問題もございますと思いますが、その所管のところにおきまして、十分に検討していただくことを期待をいたしたい、このように考えております。
  144. 小濱新次

    ○小濱委員 事故防止は御存じのように、ガードレールや歩道橋をつくるだけではなくて、このような制度面の改正も積極的に進めるべきである、こういうふうに考えまして、御見解を承ったわけでございます。  次に、これは警察庁にお尋ねしますが、安全センター業務についてでありますが、法案第二十九条一項の四に運転に関する研修とこうありますが、この研修の中身として何を考えているのか。
  145. 勝田俊男

    勝田政府委員 研修の中身につきまして、一つは高度の運転技能を要するものについての検討でございますが、こういった対象といたしましては、警察とか、消防とか、救急自動車、あるいは高速道路における運転といったようなものが高度の技能を要する逆転ということになろうかと思います。  こういった警察とか、消防とか、救急自動車、こういったものにつきましては、やはり急な場合に危険を回避するというような訓練、あるいはスキッド訓練と言いまして急激にカーブを切ったりするような場合もありますので、そういった悪い状況においても安全に運転できるようにする訓練、これはスキッドパンというようなものをつくりまして、道路が非常に滑りやすい状況にしておいて、そこで安全運転ができるような技能研修させる、あるいは不整地訓練ということで、道路状況を非常に悪くしておいて、そうした悪い状況のところでも安全に運転ができるというような技能訓練をさせる、こういった業務一つでございまして、こういった業務につきましては、そういった上実技の業務のほかに安全運転理論というものについてもひとつ十分に研修をさしていきたい。  この業務につきましては、従来まではそれぞれの機関がそれぞれで自分の業務必要性に応じて独自に行っていたのが実情でございます。たとえば警察を例にとりますと、警察自体で各府県警察白バイとかあるいはパトカーとか、高度の技術を要する業務につく者については特別の講習訓練をやるというような形でやっておったわけでございますが、こういったものについての全国的な国家的な施設というものがないというような点もありまして、今回こういった訓練をここでやったらどうかということが一つでございます。  それから第二点は、青少年運転の資質の向上ということでございますが、青少年の中にはスピードとかかっこよさというようなことに引かれまして非常に乱暴な運転をする者もいるわけでありまして、また騒音とか、危険というようなことで一般のひんしゅくを買っているいわゆる暴走族というようなグループもおるわけでございますが、やはりその面の運転に対する興味というものは、そういったスピードとかスリルというものよりも、運転のテクニックというところに重点を置いて安全運転技能を向上させていくということで、そういったことに興味を持って安全運転に興味を持ってくるならば、暴走族というものにも参加しないようになるであろうし、現にそういったところに参加しているグループもそういったことからむしろ別の方向に、そういった安全運転の方向に興味を持つようになるであろう、こういった点で青少年に対する研修ということも考えているわけでございます。
  146. 小濱新次

    ○小濱委員 交通局長、さらにお尋ねしたいのですが、いまお話しになりましたこの高度の運転技能について認定する際の基準といいますかね、その内容については私もわかるような気がするのです。したがって、どういう人を対象にして、どういうものを認定の基準としているかということを少しここでお述べを願いたいことが一点。  それから、あとは、青少年の初心者教養ということでございましたが、これはもうわかります。ただ、運転技術は年齢などによって体力的、機能的に変化してまいりますね。皆さん方の中にも、免許証は持っているけれども二十年も二十五年も運転したことがないなんという人もいるのではないかと私は見ているわけですが、そういう点で、こうした人たちの研修というものはどういうふうに考えているであろうかなという疑念を持っておりますので、この二点についてお答えをいただきたいと思います。
  147. 勝田俊男

    勝田政府委員 第一点の、高度な運転技能を要する業務というものをどういうふうに認定するかということでございますが、ここの業務は強制ではございませんので、委託を受けてやるという形でございます。現在警察がそれぞれやっておりますし、あるいは電電公社とかあるいは郵便とか、そういったところで、専門に業務をやる人についてそれぞれ研修をやっているようでございますが、そういったところの委託を受けてやるということで、委託を受ける際に、おまえのところの業務は高度でないから委託を受けないというようなことにはなかなかなるまいというふうに考えるわけでございまして、そういったレベルが上がっていくというととが望ましいことだというふうに考えているわけでございます。  それからもう一点は、いわゆるペーパードライバーについて研修の機会がないのはどうするかという問題でございます。確かに、長年乗っていないのだけれども、三年ごとに更新だけ受けて、運転してみようかというときに、その訓練をする場がないというような問題が大変あろうかと思います。これは県によりましては、自動車訓練学校ですか、そういったところでそういった研修を一部受けているというところもございますし、そういった施設で練習をいただけるような方法というものをひとつ検討をしてみたいというふうに考えます。
  148. 小濱新次

    ○小濱委員 長官、これは私の要望でありますが、いま交通局長お話しになりましたけれども、研修の場というもの、研修所といいますか、せんだって多摩川べりの教習所を見せていただきました。聞きますというと、各県にもそれらしいものは若干あるようですけれども、どうも完備されていない、放置されているという面、あるいはまた全然手をつけていないという地域。何とかいまから手をつけていけば各県にも相当の数のこういう訓練の場、教習所ができるのではないかと思っているわけですが、これは長官、今後の課題としてぜひ進めていただきたい。せんだって拝見して、つくづくとそれを感じました。  そういう点で、これはあくまでも私どもの要望でありますが、この点について、長官、何かお考え、御意見があれば、この際聞かせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  149. 浅沼清太郎

    ○浅沼政府委員 ただいまお話のございました警視庁の自動車運転訓練をいたします訓練所でございますが、御承知のように、運転免許は持っておりましてもいろいろな人がおりますので、そういう人たちに具体的な運転の技術を習得させる意味において非常に有益な施設でございますし、私どもとしては、各県にもこれらの運転練習所が増設されるように、ただいま各県も指導いたしまして、そのような方向でいま計画を進めておるところでございます。
  150. 小濱新次

    ○小濱委員 さらにセンター交通事故証明を発行することになれば、事務所の設置状況から見て、警察署単位で発行している現在よりも、手続、発行日までの日数などで申請者に不便になるのではないか。たとえば神奈川県の場合は警察四十一管区、こう言われておりますが、それにセンターが一カ所できる。警察の方は負担は軽くなるけれども、そのセンターでその業務をつかさどるとすれば、申請者に大変不便をかけるのではないか、こういう心配が数の点から起こってまいります。  また、運転経歴証明は、警察証明でないと一般に信用されないのではないか。センターからの発行と警察署からの発行と、その信用度という問題で心配が出てまいりますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
  151. 勝田俊男

    勝田政府委員 まず、事故証明の問題でございますが、事故の実態から言いますと、事故運転者が自分の住所地を管轄する警察署の管内で事故を起こすというのは半数以下でございまして、それ以外の地域あるいは県外で事故を起こすという例が多いわけでございます。現在は事故を起こした所轄署長が事故証明書を出しておるということでございますので、事故証明書をもらう場合には出かけていって警察署からその事故を起こした所轄署長の証明書をいただくということになっているわけでございます。  このセンターでは、どこからでも郵送で証明書の交付を申請できるというたてまえになっておりますし、またできるだけ利用しやすいようにということで末端の派出所、駐在所にも申請用紙を置いておくということでございますので、そういった面から不便になることはなかろうというふうに考えております。また、センターがこういった仕事を専門にやるということになるならば、そういった面で大いにいろいろとサービス面についても開発努力をしていくということで、国民の方々に御不便をかけるということはなかろうかというふうに考えております。  それから、経歴証明業務について、警察で出さなければ信用がないのじゃないかということでございますが、このセンターにつきましては、法律に基づいて設立されるセンターだ、しかもこのセンター一つだけ設立される、その名前はほかに使うことはできないということになっております。それで国家公安委員会の厳重な監督下に業務が行われるということでございますので、このセンターが周知されれば、このセンター証明書というものは、警察証明に劣らず十分に信用できるように理解されるものというふうに考えております。
  152. 小濱新次

    ○小濱委員 郵便で申請できる、そういう内容のようでもありますが、たとえば私の選挙区は大体八十キロ四方と言われるように広いわけです。ですから一カ所ということになれば、これはどこにそれを設置するかということで、相当不便ということも当然考えられるわけでございます。その点については、今後の課題ですから、ひとつよろしくお願いをしておきたいと思います。  さらに、法案の第五条でありますが、安全センターの資本金についてお尋ねをしていきたいと思います。  この資金計画に関して警察庁案では、五十年度事業収入は七千五百万円、このように見込んでいるようであります。これは違反歴事故証明などの手数料、こう思われますが、これらの手数料はどのくらい見込んでいるのかという問題、ひとつ五十年と五十一年と五十二年合わせてお答えをいただきたい、こう思います。
  153. 勝田俊男

    勝田政府委員 五十年につきましては、七千五百万円の事業収入を見込んでおりますが、これにつきましては交通事故証明書証明手数料を見込んでいるわけでございます。大体年間百万件、一月一日に発足すると見まして、三カ月分ということで四分の一の二十五万件の手数料の収入を見込んでいるわけでございます。なお、五十年につきましては、経歴証明につきましては、なおその制度が一般に浸透するに期間がかかるということで、数字としては見込んでおりませんが、何件かのやはり照会はあるのではなかろうかというふうに考えております。  それから昭和五十一年度でございますが、交通事故証明といたしましては、百三十万件を見込んでおります。これは各種の保険制度の発達、あるいはこのセンターができることによって利便になるというようなことで、交通事故証明の件数がその程度になるのではないかということでございます。それから経歴証明の件数につきましては、三十一万件、こう見込んでおります。これはわれわれの更新時講習のアンケート調査の結果、どうしても点数を知りたいというような方のパーセント、それとやはり無事故、無違反証明をもらいたいというような人がかなりいるであろうというような観点からの推測でございますが、これはぜひ知りたい、あるいはできれば知りたいというような人のパーセントをかければもっと大きな数字になりますので、かなり控え目な数として見込んだ数でございます。  五十二年度につきましては、交通事故証明については同件数の百三十万件、運転経歴証明につきましては三十二万件を見込んでおります。
  154. 小濱新次

    ○小濱委員 その他の収入というのがまた相当の数字になっているようですが、こうした算定の基礎がいろいろと言われているわけですね。きょうは時間の制約を受けておりますので、この問題についてはまた次回に譲りますが、ぜひひとついま発表されました件数を少なくしていくということで、私どもは鋭意努力をしていかなければならないわけですが、残念なことに相当見込まなければならないような事業収入になっているということで遺憾に存じておる次第でございます。一層御努力をお願いをしたいと思います。  さらに第五条、今回の本法案に伴って政府資金の出資の資本金は五千万円、これでは法案目的及び安全運転センター業務内容から見て十分な活動ができないのではないか。たとえば役員組織の構成の問題、この組織する評議員会のメンバーの人数からして、当初五千万円の出資金では人件費がせいぜいではないのか。政府は必要があればセンターに出資できるとなっておりますが、この点について追加出資する必要が生じてくるであろう、こう考えておるわけですが、この考えについてはいかがでしまうか。
  155. 勝田俊男

    勝田政府委員 初年度に出資をいただきます五千万円につきましては、センターの事務所の借用の保証金に充てたいというふうに考えているわけでございます。  それから、今後の追加出資の問題ということでございますが、それが不足するようなことがあれば追加出資をお願いをする、将来また特別の必要が生じたような場合には追加出資をお願いするということになろうかと思いますが、人件費、物件費等の事業費につきましては、手数料等の収入で賄えるように考えてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  156. 小濱新次

    ○小濱委員 さらに交通安全の確保は府県の任務にもなって、これとの関係で当初警察では府県に対しても出資を求める考えのようでありましたが、今後の問題として、府県に対する負担はどう考えているのか。御存じのように、地方自治法第二条三項の八、都道府県の任務として、交通安全の保持を行うこととなっているわけですね。こういうことからひとつお答えをいただきたい、こう思います。
  157. 勝田俊男

    勝田政府委員 御指摘のように、交通安全の業務につきましては、国も府県も相協力して、力を尽くして事故防止に努力すべきものであろうかというふうに考えている次第でございます。  そこでこのセンターに、将来の問題として府県に出資を求めたらどうかという御指摘でございますが、この交通事故防止に役立つという趣旨につきまして、各府県でも十分御理解をいただけるというような状況になりますれば、将来の問題として御協力の点について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  158. 小濱新次

    ○小濱委員 この問題では自治大臣と、こういうようにお願いをしたいわけですが、ただいま局長から御答弁がございまして、国も県も相協力して、また御理解ある御協力と、こういう話もございましたが、これまでも国の要請に基づく事務によって、御存じのとおり地方自治体は超過負担が多くなっているわけですね。府県に出資を求めるなら、それに見合った財源をやはり交付税率などで引き上げて財源措置を講じなければならないというふうに私どもは考えます。  これについては、国家公安委員長は自治大臣でもあるわけですから、ひとつ考えを聞かしておいていただきたいと思うわけでございます。
  159. 福田一

    福田(一)国務大臣 ただいまの御質問でございますが、いまさしあたりの問題ではございませんけれども、将来出資を求めるような場合においては、自治省としてもその際に交付税の対象とするかどうかということは検討をさしていただきたいと思います。実は私、きょうここで御質問をいただいて、いまそこまでの用意をしておりませんので、自治省の局長も来ておりませんから、この法案が上がる前後までにはそういうことについてもお答えができるように準備をいたしたいと思います。
  160. 小濱新次

    ○小濱委員 地方自治法を拝見しまして、どうしてもこれはやはり国と県の協力が当然起こってくるな、そう感じました。そうなれば、いま財源危機と言われている地方財政にまた食い込んでいくわけですから、そこで自治省の特交等の配慮が当然起こってこなければならないわけでして、これはぜひひとつお考えの上に置いていただいて、今後の検討課題ということでよろしくお願いしたいと思います。  さらに、警察庁は肢体不自由者に対する運転免許取得についてどのように考えていられるのか。また、肢体不自由者が受けられる運転免許はどのようなものがあるのか。これはぜひひとつ考えてあげなければならない大きな課題であろう、こういうふうに考えましてお尋ねをするわけでございます。お答えいただきたいと思います。
  161. 勝田俊男

    勝田政府委員 肢体の不自由な方が社会活動を行うに際して自動車を必要とする場が非常に多くなってきているということでございますので、本人の安全という要請も満たしながら肢体の不自由な方もできる限り免許を受けられるように配慮をするという基本的な態度で臨んできているわけでございます。このために、肢体の障害に応じましてどのような補助装置をつければ運転ができるのか、また、どのような車種ならば運転ができるのか、こういったことについての相談、これをまずやりましょうということで、こういった問題につきまして十分に相談に応じていく。  われわれの基準から言いますと、こうした補助装置なり車種を使えばほとんどの人が運転免許が得られる、車種の限定とかあるいは補助装置についての条件はつけられますけれども、ほとんどの方が運転免許は得られる、その種類も障害の程度によって違いますけれども、軽い方についてはほとんどの種類の免許が得られるということになっているわけでございまして、また、試験場等につきましても、肢体の不自由な方が便利に来られるように車いすの通れるようなスロープ階段を準備するとかいったような施設の改善等につきましても、いま指導してやらしているところでございます。
  162. 小濱新次

    ○小濱委員 私どももそうした方々から陳情も受けておりますが、肢体不自由者で免許取得希望者はどのくらいいるのか、それからいま御答弁がございましたけれども、肢体不自由者は免許を受ければどのような車でも運転できるのか、また昭和四十九年度中に肢体不自由者で運転免許を受けた人は何人くらいいるのか、この三点についてお答えいただきたいと思います。
  163. 勝田俊男

    勝田政府委員 肢体不自由者で免許を取りたいという希望者につきましては、どうもつまびらかな数字がございません。四十九年中に肢体不自由の方で条件を与えて免許を与えた方は二万一千七百四十六人ということでございまして、そのうち大型普通免許が一万八千四百人、二輪免許が千六百四十九人、小型特殊免許が九十三人、原付免許が千六百四人ということでございます。  それで、免許を受ければどんな車でも運転できるかということでございますが、標準試験車を使用した場合にはその免許に対応する自動車運転することができる。それからノークラッチの車両、こういった車両ならば適当でございましょうというように、相談に応じてこれでお受けなさいということも言うわけでございますが、そういったノークラッチ式の車両、つまり標準車以外の車両を使用した場合には、やむを得ない制約としてこの種類の車両に限って運転をできるということにするわけでございます。
  164. 小濱新次

    ○小濱委員 免許取得の希望者はつまびらかではないという御答弁でございました。また、車種については御説明がございましたが、四十九年度中の免許取得者は条件つきで二万一千七百四十六人、こういう数字が出た。これは相当まだいるなという感じを私ども受けます。こういう点で、肢体不自由者あるいはまた色盲の人、それから耳の不自由な人などに対して、最近の車需要の増大に伴いまして免許を希望する人が相当ふえていることが明らかでございます。これらの肢体の不自由な方の免許取得に対する当局の理解あるそういう計画というものが当然出てこなければならない、こういうふうに考えるわけでございまして、これは最後にもう一点質問いたしまして、国家公安委員長からもこの点についての御見解を後でお聞かせいただきたい、こう思いますが、最後に色盲問題でお尋ねをしていきたい、こう思っております。  免許の欠格事項として色盲者には免許を与えていない現在、わが国にも約五十万ないし六十万人の対象者がいる、こう言われているようでありますが、どうして免許を与えないのか、この理由をひとつ御説明をしていただきたい、こう思います。
  165. 勝田俊男

    勝田政府委員 免許を与える場合には、その免許運転することによって本人並びに他人が障害を受けないということがやはり条件として考えられなければならないというふうに考えるわけでございます。そこで、完全な色盲ということになりまして信号機の色が見分けられないということになりますと、やはり免許を与えることについては問題ではなかろうか。しかし、信号機が見分けられる、赤、青、黄がそれぞれ見分けられるという程度の方、色弱と言いますか、そういった方については免許を与えても差し支えないわけでございますし、現にそういった方については免許を与えているわけでございます。
  166. 小濱新次

    ○小濱委員 わが国だけが与えていない、こういうことになっているようでございますが、欧米各国など交通先進国では免許を与えているようですね。  ただいま局長からお話がございましたが、この信号機の場合でも灯火の輝いている場所は全色盲者にも判断できる、こういうふうに言われておる。信号機灯火は、御存じのように左から青とか黄とか赤とか、こういうふうになっているわけですね。この配列は万国共通だと言うのです。また追い越し禁止についても、実線は色に関係なく追越し禁止になっているというように、これは釈迦に説法ですがなっている。そのほか道路標識はそのほとんどが型で判断できるものであり、色には関係がない、こう言っているわけです。  以上のことから、禁止の条件はないのではないかという、また若干問題があったとしても、これは訓練を行うことによって免許は与えられるではないか、こういうふうに言われておるわけであります。御見解を聞かしてください。
  167. 勝田俊男

    勝田政府委員 御質問の趣旨については十分にわかります。しかし、本人の安全あるいは第三者の安全ということもございますので、いろいろな角度から、信号機が見分けられる、その検定の方法でございますね、完全に見分けられるかどうか、そういった点につきまして十分に検討を進めていきたい。そういったことで安全性というようなものが確認されるというようなことになれば、ひとつそういった方法を進めてまいりたいというふうに考えます。
  168. 小濱新次

    ○小濱委員 十分検討するということですが、ただいま御説明しましたように、非常に各国とも進んでいるが、日本の場合には説明のとおり遅々として進んでいないという現状でございますし、また交通問題研究の心理学者や目の関係の学者からも、免許を与えても影響はほとんどない、こういう説を私どもは聞いております。したがって、この問題についても、これは先ほどの肢体不自由者の問題とあわせて、あるいはまた耳の不自由な人、当然事故を起こしてはなりませんが、それに対する配慮、またできるだけの免許取得ができる配慮、こういうものをやるべきである、こういうふうに私どもは考えているわけです。その点についてもう一度局長からお答えいただきたいと思います。
  169. 勝田俊男

    勝田政府委員 耳の不自由な方につきましては、かねてからいろいろと御議論もございまして、警察庁といたしましてもいろいろと検討しました結果、補聴器を使用して十メートル離れて九十ホンが聞ければよろしい。従来は十メートル離れて九十ホンということになっておったわけでございますが、適性検査の際に補聴器を使用してよろしいということで、これでもうほとんどの方が救えるということになって、運用でやっておりましたが、この際に総理府令も改正いたしましてそういう形にしたわけでございます。  御指摘のように、こういった身体その他の不自由な方につきましては、できるだけ温かい配慮で、現在の社会情勢に応じて車の免許を取れる方法というものについて検討を進めたいと思います。
  170. 小濱新次

    ○小濱委員 最後に、国家公安委員長の御見解を伺いたいと思いますが、耳の不自由な人に対する配慮はいま局長から御答弁がございました。したがって、肢体不自由者と色盲の人、これについてはいまのところ大変各国におくれているという、先ほど御説明のとおりでありますが、最近の車需要の増大に伴って免許を希望する人が非常にふえているわけですから、こうした方々の免許取得に対する国家公安委員長の基本的な御見解を承っておきたいと思います。
  171. 福田一

    福田(一)国務大臣 身体障害者、いま御指摘のありましたような肢体不自由者あるいは難聴者あるいは色盲等々の方は、まことにお気の瀞なお方でございまして、こういう方にも自動車をできるだけ使用できるように措置すべきものであると私は考えるのであります。ただその場合において、その方をかえって不幸に陥れるようなことのないように、またほかの交通をしております人たちに特に大きな困難を与えることがないようにという配慮はもちろんいたさなければなりませんけれども、お気の毒な方に対してわれわれとしては十分な好意的な配慮をもって対処をしてまいりたい、かように考えるわけでございます。
  172. 小濱新次

    ○小濱委員 非常に力強い、心温かい御答弁をいただいたわけですが、ぜひともこうした不幸な方方のためにも、より早くその実現ができますように御努力を心から要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  173. 勝澤芳雄

    勝澤委員長代理 次に、太田一夫君。
  174. 太田一夫

    ○太田委員 最初はやはり総理府にお尋ねした方がいいでしょうね。自動車安全運転センター法案に関しましてお尋ねをいたします。  この法案の中身を見ますと「業務」というのがありますが、その「業務」の中、法二十九条の第一項四号、五号でございます。四号、これは言うなら運転免許を受けた者で、高度の運転技能及び知識を必要とする業務に従事する者、また運転免許を受けた青少年に対し、それぞれ必要とされる運転に関する研修を行うこと。五号は交通事故等の調査研究を行うこと、こういうことがこのセンターの独特の仕事として規定されておりますが、これは本来中央交通安全対策会議において取り上げて行うべきことではなかったのか。なぜいままでそういうことを考えつくとか、あるいは手を打つということができなかったのかという点について、総理府からお答えをいただきたいと思います。
  175. 竹岡勝美

    竹岡政府委員 お答えいたします。  中央交通安全対策会議にかけますのは、先生承知のとおり、総合的かつ重要な施策の企画について審議するということになっております。この安全運転センター業務は、いま御指摘されました点も含めまして、もっぱら警察庁所管事項になっております運転者管理業務に関連した業務である。他省庁の所管事項にそう触れないということで、もっぱら警察庁所管運転者管理業務あるいは警察庁所管交通事故処理に関連しました交通事故証明等のサービス業務ということでございますので、総合的な施薬と考えないで、中央交通安全対策会議にかけなかったわけでございます。前の運輸省自動車事故対策センターについても同様の措置をとりました。  ただし、この運転センターにつきましては、関係各省の課長クラス等にも警察庁から御説明いただきましたし、また総務長官のところへ、特に関係のあろうと思われます運輸省なりあるいは建設省の局長会議にも交通局長から御説明いただきまして了承いたしたわけでございますけれども、いま言いましたように、もっぱら警察庁所管運転者管理業務及び交通事故処理に関連したサービスあるいは交通事故防止目的としました業務でありますので、総合的という判断を踏まえないで、交通安全対策会議にはかけないで了承したわけでございます。
  176. 太田一夫

    ○太田委員 交通事故防止対策というものの範囲が幾つかに分かれていて、やはり総理府で総合したように見えても、実は総理府各省のやるのを二階からながめておる、そういうふうに見られるわけですね。この場合でも、高度の運転技能知識を必要とする業務に従事するものというのが、パトカー運転手さんであったり、あるいは消防車の運転手さんであったり、救急車の運転手さんであるというような意味と、もう一つ、先ほどの交通局長お話では、ハイウエーの運転者では一般も入るというのだから、これはもう原則的な、今日のドライバー、運転手としてはぜひ備えておかなければならぬ知識技能というものをここで研修しようというのですから、免許以前の問題じゃないかと思うのですね。高速道路運転者もやるというならみんな入るのだ。それから青少年というものは事故を起こしやすいというので、青少年一般に対する研修、それをセンターに任せるなんということは、私はけしからぬと思うのだが、総理府としてはどうですか、総理府見解をお聞きしたいと思います。
  177. 竹岡勝美

    竹岡政府委員 この安全運転センターでやろうとしております業務は、いずれも高度な運転技術をさらに高度な訓練をさせるとか、あるいは高速道路を走るものにつきましても非常に高速で走るというこの運転技能につきましての教育訓練ということでございますので、まさに逆転者管理としての警察庁並びに警察庁所管であります安全逆転センターという法人がやってしかるべき業務だと思っております。
  178. 太田一夫

    ○太田委員 運転者管理の中に入るとおっしゃる。運転者管理、それは運転者というのがあって、さらにそれをもう一段きつく管理していくというわけですから、私の言うのは、自動車高速道路を走る運転手さんに対してこういう研修をしなければならないとか、青少年一般に対してやらなければならないというなら、免許という制度は交通安全対策の基本じゃないかと思うのですね。部分じゃない。原則であるのをなぜセンターなどにやらせるのか、こういう点です。
  179. 勝田俊男

    勝田政府委員 一般免許とここの研修関係をお聞きだというふうに考えますが、一般免許につきましては、初心者の訓練ということでございまして、免許取得前の訓練、その中で、免許取得後におきまして特に高度な訓練を要するような業務に従事する者がおるわけでございますが、この態様は非常に種々雑多でございます。こういった態様の訓練というのは、それぞれの機関がそれぞれの特色に応じて従来独自な方法でやってきたわけでございますが、そういった訓練の場というものをここに提供してみようということでございまして、決して強制したり義務づけるというわけではございません。より高度な知識技能を身につけたい、あるいは身につけさせたいというような方々からの委託を受けて研修をするというたてまえでございます。青少年につきましても全く同様な考え方によるものでございます。
  180. 太田一夫

    ○太田委員 具体的な問題になりますから警察庁から答えていただけばよろしいが、委託を受けてやるというのは、だれが委託するのですか。
  181. 勝田俊男

    勝田政府委員 委託の態様もいろいろあろうかというふうに思いますが、たとえば現在警察でやっている訓練、これば各府県でます基礎的な訓練に加えて応用訓練をやるわけでございます。白バイなどは応用訓練をやるわけでございますが、さらにこの基準、レベルを上げるために、警察庁で各県から集めて総合訓練をやる。その際に適当な訓練施設というのは、現在国の施設としてはございませんので、民間施設に委託をして訓練をやっているというような例がございます。  そういった機関というのは警察ばかりでなしに、ほかの機関にもそういう需要は多いと思うわけでございまして、そういった訓練を積むことによって、そうした業務に従事する人の事故防止に大変に役立つのじゃないか、そういった機関等からの要請が主たるものになろうかと思います。  それ以外に、あるいは少年たちの補導に当たっておる方々から、ひとつここで訓練をしていただきたいというような要請も出てくるということは考えられると考えております。
  182. 太田一夫

    ○太田委員 竹岡さんにお尋ねしますが、いま現在、一般的な免許取得者の取得後の教育についてはどういう制度があり、どういう現状でありますか。
  183. 竹岡勝美

    竹岡政府委員 これは免許を取りました運転者の教育という問題ですから、もっぱら警察庁所管ではございますが、現在一番多くやっておりますのは、特に有効だと思いますのは、警察庁がやっております。昭和四十七年四月の道交法改正で、三年に一遍の免許の更新を受けるときに講習を受けなければならぬという義務づけをいたしました。これによりまして、大体、警察講習でございますが、年間に全ドライバーの約三分の一、昨年ですと約八百万人のドライバーが一時間ないし二時間の安全講習を受けておる。これが、世界にも例がないと思いますが、最も有効な既存運転者講習体系だと思います。また、それ以外に、春秋二回の交通安全運動等々をとらえましての各事業所単位あるいは希望者等の運転者の教育講習が行われておるということでございます。
  184. 太田一夫

    ○太田委員 これは運輸省にお尋ねしますが、先年、事故対策センターというのができて、運行管理者に対し指導講習を行うということが決まりましたね。これも両度の知識技能ということに対して行われるべきものだと思いますが、これと本センター技能知識研修ということとは内容は全然違うとお考えでしょうか。
  185. 宇津木巌

    宇津木説明員 お答え申し上げます。  安全運転センターの方の高度の研修は、先ほどから御説明がありましたように、運転技術そのものの講習のようになっておりますが、自動車事故対策センター運行管理者に対する指導講習は、それとは全然性質を異にいたしております。  この運行管理者とはどういうものかと申しますと、いわゆる運送事業者は営業所ごとに連行管理者を選任しなければならない。その運行管理者の仕事というのは、たとえば乗務員の過労防止措置をやるとか、あるいはまた乗務記録の励行とか、あるいはその保存をやる、あるいはまた異常気象時における乗務員に対する指示等をやるとか、あるいは運転基準図をつくるとか、そういうような事業用自動車の運行の安全の確保に関する事項をやるようなのが本来の仕事でございます。  こういう連行管理者に対しまして、その仕事の内容についての指導講習をやっておく、これが事故対策センター法で定められております運行管理者に対する講習業務でございまして、対象におきましても、その業務内容におきましても、そしてまたその目的とするところにおきましても非常に截然たる差がある、こういうふうに考えております。
  186. 太田一夫

    ○太田委員 そこでもう一回警察庁にお尋ねいたしますが、高速道路運転する者は高度の技術と知識を持たなきゃいけないということで研修を行う対象になると先ほどお答えになったような節がするが、それは間違いだったのですか。
  187. 勝田俊男

    勝田政府委員 高速道路における高速運転というものにつきましては、一般運転技能よりはスリップの危険が多いとかいろいろ問題があるわけでございますが、現在の免許の中で、一応それは安全に運転はできるということで免許を与えておるわけでございます。したがって、高速運転をやるためには、ここの研修を受けなければ高速道路の逆転をやらすわけにはいかぬというようなものではございません。ただ、やはりそういった状態に逆用しているような人について、一つ研修を受けて自分はより安全に運行をしたいというような方について、そういった需要にも応じて研修をできるようにいたしたいと考えているわけでございます。
  188. 太田一夫

    ○太田委員 そうすると、高速道路運転する運転者のうち特定の者ということに限定されてくるようでありますが、その委託を受けるというのでありますが、個人の場合の委託というのもおかしなものだと思いますが、何か個人の申し入れを受けて研修を行うという、こういう制度も入っているのか、それともそれは事業所に勤めておる者で先ほど運輸省のおっしゃった運行管理者か何かが委託を申し入れたときにそれを行うのか、その点どうですか。
  189. 勝田俊男

    勝田政府委員 個人の場合についても、ここで研修を受けたいという要請があればそれは受け入れる考えでございます。先ほど来御質問がございましたように、しばらくペーバードライバーで、いまはやはり高速道路を走るのに少し研修を受けた方がいいのじゃないかというような感じを持つ方もおいでになるかと思います。そういった方について、御要望があればお受けするというたてまえで考えております。
  190. 太田一夫

    ○太田委員 そういう場合があったとしたら、その人は何日間くらい研修をされるのですか。
  191. 勝田俊男

    勝田政府委員 三日ないし四日の研修ということでカリキュラムをつくりたいというふうに考えております。
  192. 太田一夫

    ○太田委員 あなたの方のお考えになっていらっしゃる高度の知識技能研修というのは、たとえば鈴鹿サーキットで現在行われているあの研修と同じものを考えていらっしゃるのか。
  193. 勝田俊男

    勝田政府委員 必ずしも全く同種のものでないわけでございまして、いろいろな悪条件の場合における運転研修、こういった施設なり研修の方法というのを、いままで一応民間でもございますけれども、そういったいろいろな知識も取り入れまして、また各方面の意見も十分に受け入れながら安全運転に役立つような研修ということで、その課程につきましても、いろいろその需要に応じた課程というものを検討してまいりたいと考えております。
  194. 太田一夫

    ○太田委員 だから、言葉では私はわからないので、具体的なモデルを想定してお尋ねしておるわけです。鈴鹿サーキットでやっておるじゃありませんか。白バイに対する高度の曲芸運転に等しいようなオートバイの操法、これはでこぼこ悪路に対する運転操縦法、それから高速運転のカーブの切り方というものは四輪車に至るまでやっておるでしょう。あれと同じことをやろうというのですかと聞いているのです。
  195. 勝田俊男

    勝田政府委員 鈴鹿サーキットでやっているような訓練、それは相当の効果があると思いますので、それは一つのモデルになると思います。そういった訓練は当然その中に取り入れていかれるという形になるかと思います。
  196. 太田一夫

    ○太田委員 いま鈴鹿サーキットでほとんど全国のパトロール隊の隊員等の養成がなされておる、高度の技術の研修がなされておる、あるいはまた一般的に非常に高速運転の高度の技術の訓練もなされておりますが、あそこへ行くより今度のセンターにかかった方が念入りで費用も安い、そういうことですか。
  197. 勝田俊男

    勝田政府委員 私どもといたしましては、従来のそういったいろいろな体験というものを取り入れまして、それで公的な施設としてそういうセンターをつくり、そういった施設で従来のものに増してりっぱな研修ができるようにいたしたいと考えておるわけでございます。
  198. 太田一夫

    ○太田委員 じゃ重ねて聞きますが、先ほど予算が足らないのじゃないかというお話もありましたが、予算計画で三億五千八百万円、出資金五千万円、保険会計から一千万円の補助、事業収入七千五百万円、その他というのは自賠責保険の運用益をここへまた補助金として受け入れで二億二千三百万円、三億五千八百万円、これでそういう研修の場所を買ってそうして施設をつくって、専門の研修場というのができますか。
  199. 勝田俊男

    勝田政府委員 研修施設につきましては、相当な面積の敷地が要るわけでございますし、それに対する施設につきましても整備をするとするならば、相当額の経費が要るわけでございまして、現在資金計画で計上されております額にはそういった額は含まれていないわけでございまして、五十二年度のそのころに一億円というのは一応引当金というような形で計上いたしておりますが、現在そういった適地というものについて物色中でございまして、それにつきましては、また追加出資なり国の助成なりといったような面について資金の手当てをする必要があろうというふうに考えております。
  200. 太田一夫

    ○太田委員 そうすると、法二十九条の四の研修というのは、当面はお題目に掲げるがしばらくやれない、そういうことでございますか。
  201. 勝田俊男

    勝田政府委員 今後やりたいということでございます。
  202. 太田一夫

    ○太田委員 そうすると、あとはいろいろな証明書を書くということに重点を置かれるわけですね。それならこれぐらいの予算でもできますね、法人設立されてどこか部屋を借りればいいのだから。天下の国家公安委員会だか警察庁だか知らないが、浅沼長官いらっしゃるが、ちょっとみみっちいじゃありませんか。もっとでっかいことをおやりになって、筑波山麓か何かにどえらい土地を買ってそこで完全な訓練をして、紙の上で合格させると同時に、現実にもパトロール警官等に対しては高度の運転技術を習得させる。その他そういう必要のあるドライバー諸君にも、高速道路を常時運転するような人にも、絶対に安全だという操法を勉強させる。そこには宿舎もある。そういうものをおつくりになったらどうかと思うのですが、だれか反対したのでできなくなったのですか。それともぼつぼつやろうという堅実な御方針でございますか。
  203. 浅沼清太郎

    ○浅沼政府委員 研修業務でございますが、いまお話しのように、相当広大な用地と充実した設備が必要でございますので、これらにつきましてはただいま鋭意検討しておりまして、仰せのように、つくります以上はひとつ非常にりっぱな施設をつくりましてこの研修目的が達せられますようにいたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  204. 太田一夫

    ○太田委員 そのりっぱな施設ができるのは、何年ごろを目途としていらっしゃいますか。
  205. 勝田俊男

    勝田政府委員 できるだけ早くつくりたいということでございますが、そういった施設等になりますと、かなりの施設になりますので、三年目以降になろうかと考えております。
  206. 太田一夫

    ○太田委員 三年過ぎてから施設をつくるわけで、それまでは安全運転研修所準備室で済ますということでございますね。  私は、これは非常にいいことだと思います。いいことだと思いますが、かえって金がかかったり不便であったりということになってはいけないし、そのために民間の教官があちらこちらから委嘱を受けて臨時にそこへ行って腰かけで任務に当たるというのも余り好ましくないと思いますから、それは本格的に考えていただくことは結構です。まあその問題はその程度にしておきましょう。  それから、証明書について警察庁にお尋ねいたしますが、点数証明書というのはいままで秘密だったですね。教えていただけなかったですが、今度、にわかにセンターで教えるということになったのは、あなたの方の行政がすごくサービスに転換をしていらっしゃったように思いますが、サービスを本当に心がけていらっしゃるのですか、事故防止のために。
  207. 勝田俊男

    勝田政府委員 御本人の点数ということについては秘密であるということは、今回も変わりはないわけでございます。したがって、センターの職員が知り得た人の点数を他人に漏らすというようなことになると、これは職務上知り得た秘密を漏らすということになるわけでございまして、秘密であるけれどもまあ本人から要請があった場合には本人に教える、また、本人の事故防止のために一定の点数になった場合には本人に教えましょうというのが今回の趣旨でございます。
  208. 太田一夫

    ○太田委員 そうすると、ある専業所の運行管理者が、どうも心配だから聞きに来たけれどもいかがですかという場合には、お知らせをされることばありませんか。
  209. 勝田俊男

    勝田政府委員 そういうことはございません。
  210. 太田一夫

    ○太田委員 運行管理者に知らせない、そこまで点数は守るべきものですか。そんな性格のものじゃないでしょう。私はそこまで本人の点数というのは秘密であるということがおかしいと思う。元来反則というのは、反則の点数が一点なり二点なり必ずついておるわけだ。反則は違反じゃないというぐらいのことが言われておりますが、それでは私、反則論を少しやりたいのですが、反則というのは違反ですか。
  211. 勝田俊男

    勝田政府委員 違反でございます。
  212. 太田一夫

    ○太田委員 反則が違反だったら、なぜ反則金なんというようなことにして納めさえすれば——立法のときには、反則は交通違反のうち比較的軽微なもので反則行為とみなされるものは交通反則金を適用するのだ、こういうことだった。反則行為と呼ぶということが当時明らかになっていたのだし、どこかにもそんなようなことが書いてあったのじゃないですか。違反じゃないですよ。違反の中に、反則行為というのは少し別に規定したじゃありませんか。だから反則金で済むのでしょう。どうですか。
  213. 勝田俊男

    勝田政府委員 刑事罰ではないということでございますが、反則金というのは一種の制裁金のようなもの、そういうふうに考えております。
  214. 太田一夫

    ○太田委員 そのとおりですね。反則金は制裁金であって罰金ではないということは確定しておりますよね。罰金じゃないから完全な交通違反ということじゃないです。だから道交法の第八章というのは罰則だ、この罰金というのは違反に対して科せられるものでありますが、九章の反則金というのは反則行為に対して科せられる。章が別になっておるじゃありませんか。同じじゃないです。局長さんがわからなかったらほかの人でもいい、本当にわかる人答えてください。
  215. 池田速雄

    ○池田説明員 道交法の各本条に規定している違反につきまして罰金を科しているわけでございますが、同時にその違反行為につきましては、法律に定めます先ほど御指摘の反則行為に該当するものとして挙げられているものにつきましては反則行為、こういう扱いをいたしております。したがいまして、違反という言葉が誤解を招くかと思いますけれども、たとえば通行帯の違反でございますと、違反という客観的な事実がございまして、それは同時に罰則も科せられているわけでございますけれども、反則行為としてとらえます場合には反則行為として処理する。それともう一つ、反則者とするかしないかという問題がございまして、その両方の要件が合致いたしました場合には刑事罰の方に移行いたしませんで反則金の制度に乗っかるもの、こういうふうになっておりますので、違反云々がどうか、こういう御質問でございますと、たとえば通行帯違反も同時に刑罰違反の行為であり、また反則行為に該当する行為でもある、こういうふうになりますので、全体をとらえての御質問では、その個々に応じて恐らく返答が違ってくるものと思います。御理解いただきたいと思います。
  216. 太田一夫

    ○太田委員 理解をとおっしゃいますけれども、理解できないところでございましてね。道交法でも八章、九章、章を分けておるでしょう。罰金を科す場合の方は違反行為とはっきりしておる。反則金を科す場合には反則行為としておるのに、なぜ同じものでございますと言って二つを一緒にわざとことさら違反という言葉によって包まなければならぬのかというところがおかしいですね。これを議論しておりますと長くかかりますから、きょうはここでとめておきますから、局長さん、あなたも御就任早々意欲に燃えていらっしゃるわけでありますから、輝ける警察庁の交通局の伝統に立脚して、もっと深く御検討を賜りますよう希望しておきます。  そこでもう一つ、私は反則金の問題に関連をして、指導か、取り締まりかという問題をちょっと警察庁にお尋ねします。これは長官、あなたからお答えしていただく方がよろしいかもしれませんが、だれでもよろしい。  交通警察官が街頭において取り締まり取り締まりとおっしゃっていらっしゃるが、一斉取り締まりという言葉がこれは概念として使われておりますが、これは検挙を目的とするいわゆる純然たる取り締まりであるのか、交通秩序を守るための指導行為を中心とする取り締まりであるのか、指導というものに対するウェートというのは現在どうなっておりますか。
  217. 浅沼清太郎

    ○浅沼政府委員 交通警察といたしましては、街頭における指導及び取り締まりに相当な力を割いておりますが、取り締まり、指導、いずれにいたしましても目的交通事故を一件でも減らす、事故を減らして安全円滑な交通が確保されることが申し上げるまでもございませんが目的でございまして、その観点からいたしまして、第一線の活動が適正妥当に行われるように指導いたしております。  それから、一斉取り締まりの問題でございますが、やはり極端なスピード違反でありますとか、あるいは極端な道交法違反というようなことが、みずからの危険のみならず大きく交通の危険を招来することは申すまでもないところでありまして、そういう事故に直結するような違反についてはこれを厳しく取り締まる、しかし、その根本は、事故防止のためにドライバーあるいは歩行者等の一般の方の協力を得ながら指導を重点にしていくということであるべきであるというふうに考えております。
  218. 太田一夫

    ○太田委員 それはいま長官のおっしゃったように、やはりそういうふうでいいと思うのです。事故を防ぐ安全運転、交通の安全と同時に交通秩序の確保でありますから、取り締まりというような意味の強い態度も必要ですけれども、やはり愛きょうのある取り締まりをやらないと、国民から取り締まりが離反していく。離れていきます。  そこで、もう一つお尋ねしますが、たとえば交通事故証明書を今度センターで出してくださる。結構のような気もするのですが、いままで各警察署で出していただいたものがセンター一カ所になっては、五十一地方事務所があるにいたしましても、かえって不便になるのではないか、その点はいかがですか。
  219. 勝田俊男

    勝田政府委員 いままでそれぞれ事故を起こした署の署長名で証明書を出しておるわけでございます。事故を起こすところというのは必ずしも自分の住居の管轄署内ではなくて、半数以上は自分の署外で事故を起こしているのが実情でございます。そこで、証明書をもらうために出かけていくということになるわけでございますが、今回は郵送でひとつ受け付けてやりましょうということであります。いままでもその管内の方もおられるわけでありますが、できるだけこのために御不便にならないように、手近の派出所、駐在所、そういうところへ行けば申請書があるのだ、それで払い込みで証明書の申請を出せるというような形にして、できるだけ御不便をかけないようにしていこう、こういったことをいろいろと専門にこのセンター考えるわけでございますから、そういった面で御不便にならないようないろいろな手だてがまた考えられていくというふうに考えておりまして、結局そう御不便にならないように処理できるのではないかと考えております。
  220. 太田一夫

    ○太田委員 それはサービスですね、利便の増進ですから、かえって不便になるようなことじゃ困るわけですから、その点は十分考えていただきたいと思います。  次に、建設省にお尋ねをいたします。  道路法に基づきます車両制限令は厳格に守られておるのでしょうか。最近、一車線しかない県道等に猛烈に大型ダンプが割り込んできたりいたしまして、両方から突っ込み合いをして動きがとれないというようなことをしばしば起こしておりますが、どうなんでしょうか。
  221. 井上孝

    井上(孝)政府委員 先生承知のように、道路との関係におきまして車両の幅を制限するという関係につきましては、交通安全の確保と道路構造の保全という二つ目的から、昭和四十六年に道路法の一部を改正いたしまして、第四十七条の規定によってただいま御指摘の車両制限令というものをつくったわけでございます。  この改正に当たりましては、一定の限度以上のものの通行を原則として禁止し、しかもその違反者に対して告発によりまして直罰を与えるという制度が開けたわけでございまして、それ以来関係道路管理者等の指導に努めております。いま御指摘のような事態もございますので、私どもといたしましては、全国の道路管理者を指導いたしまして、車両制限をしておることを明示する道路標識、ガードレール等の整備を進めるとともに、公安委員会等の関係機関と連絡を密にして、車両制限令の適正な運用に努めたいと思っております。  ただ、いま御指摘のようなところ、この車両制限令を適用するに当たりまして、たとえばバス路線とかそういうところで適用すると非常に不便になる、バスの運行がストップしなければならぬというような場合に、市街地それから市街地外は区別いたしまして、交通量の少ないところは適用を緩和するというような措置を講じましたので、いまおっしゃるような現象があちらこちらに発生しておるかと思いますけれども、いまおっしゃいましたようなダンプトラックというようなものは非常に危険でございますので、さらに関係道路管理者を十分指導いたしまして、公安委員会とも協議をして処置するように努めたいと思います。
  222. 太田一夫

    ○太田委員 それでよろしいですね。そういう方向でやっていただけば結構だと思いますが、道路管理者といっても、なかなか県知事さん忙しいので、県の土木もせわしいので、そこまで目が届かないという点がありまして、マイクロバスだとかダンプだとかいうのがずいぶん横暴に動いているところがありますから、この件についてはくれぐれも交通安全の立場を守り抜いていただきたいと思いますし、有名無実にならないようにしてほしいと思います。  そこで、もう一つ関連して承りたいのでありますが、いまの路線バス等が走っております場合には、そういう道路はツーマンで走るわけですね。ツーマンと申しますのは運転士と車掌、二人で走りますね。そうすると、そこの営業係数は悪化いたしまして、現実に過疎地域のバス路線というのは大変な打撃を受けておりますから、運輸省においては生活路線の補助要綱をおつくりになりまして、ことし五十何億という補助金をお出しになるわけです。ところが、その場合に角突き合わせるというのは必ずしも車両制限令に抵触する単同士ではなくて、片方はよくても片方が悪かったときにはしばしばそういう現象も起きるわけでありますから、道路そのものの必要のある区間の拡幅ないしは待避所の増設等についてさらにその意を用いらるべきではないかと思う。  なかなか待避所がつくられない。地方へ参りますと、そんな金ないよとおっしゃる。きょうは自治大臣いらっしゃいませんが、自治大臣もいまの交付税だけじゃ地方財政は何ともやっていけない、こういうふうにおっしゃるわけでありますから、そこで、道路管理者である建設省としては、そういう場合の応急対策として待避所をある程度ある基準にのっとっておつくりになるのが本当だと思いますが、そういうことをおやりになる、御指導なさる御意思はありますか、ないですか。
  223. 井上孝

    井上(孝)政府委員 先ほど申しましたような極少指定をするようなところはいわば十分な性能を備えた道路ではございません。いわば欠陥道路みたいなものでございますので、こういうものを優先的に取り入れ、特に御指摘のバス路線について優先的に道路整備事業として改築をする、特に拡幅をするというようなことは従来もやってまいりましたし、また四十六年以降続けております交通安全施設整備五カ年計画、あの五カ年計画がいまおっしゃいましたようなことではなくて、いわゆる歩道をつくったりあるいはガードレールをつくったりというようなことでございますが、それ以外にこの計画とあわせて道路改築でも、いまおっしゃいましたような一般の改築でも危険を予防するというものについて計画的に整備を進めております。  それからまた御指摘の待避所のようなものを特殊改良二種という工種で実施できるようにいたしております。予算に限度はございますが、重点的に整備を進めておる次第でございます。
  224. 太田一夫

    ○太田委員 ぜひそれは急がせていただきたいと思います。そうしないと全体の交通事故というのは意外に減らないのではないか、交通渋滞はなくならないのではないかと思います。  そこで、一つこういう具体的な例があります。これはどなたでもいいですから、建設省の関係の方でお答えをいただきたいのですが、広島県に芦田川という一級河川があるわけです。芦田川の一級河川の右岸にこのバス路線もあり、これは幹線道路と相なっておりまして、そうしてそこは朝晩非常な渋滞をする道路なんです。そこで交通の安全を期して渋滞をなくするためには、バスだけは道路の真ん中にとまって客をおろしたり乗せたりするのでなくて、バスベイをつくってやったらどうかという提案、お願いで建設省建設局の方に参りましたところ、いや河川堤防にはそういうものをつくることは相ならないのだということで、これは拒否されておるようであります。そのために福山市の中でありますが、大変な渋滞で、朝晩非常な混乱を起こしておりますが、こういう場合に、何か堤防の上にバスベイをつくってならぬというような規則か何か内規があるのでございますか。
  225. 本間俊郎

    ○本間説明員 お答え申し上げます。  堤防の上にバスレーンをつくるというようなことによりまして河川の敷地を占用する、あるいは河川の敷地に工作物を新築するという場合には、河川法によりまして河川管理者の許可を受けることになっております。申請がございましたら、河川管理上の支障の有無を十分検討いたしまして、支障がなければ許可されることになるわけでございます。  河川管理上の支障と申しますのは、たとえば洪水の安全な流下に支障を与えたりあるいは堤防の強度を弱めたりあるいは水防活動に支障を与えるというようなことがあってはならないわけでございます。個々の具体のケースにつきましてこのような点について十分検討を行って判断するわけでございます。
  226. 太田一夫

    ○太田委員 非常に積極的な御発言で、それで私もわかると思いますが、私の聞いた言葉はバスベイという言葉を使いまして、レーンではなかったのですが、それでいいのです。レーンというなら、さらにそれよりも積極的に制度としては前進しておりまして、専用道路ですから、そこまで行き得るところでも場合によっては河川管理上支障ない限り考慮するとおっしゃればいいのです。  バスベイはバス停留所だけをちょっと広くするということです。バスはそこへ入って、港へ入って、そうして本体の流れは、自動車の流れに支障のないように待避して乗降させるというために広くしてくれというのです。ふくらみをつくってくれということです。これは各地にありますので、あそこだけ、芦田川だけいけないということはないと思いますが、いまのお話でわかりました。ぜひお願いします。  それからついでに建設省にお尋ねしておきます。古い話で恐縮ですが、安全安全と申しながらなかなか、いまのお話でも速やかに改良改築等をやりたいとおっしゃるのでありますが、なかなかやれないことがあるのです。もう何年になりますか、昭和三十三年ごろに中部地建の局長さんが尾小屋という鉄道の社長と契約をなさいました小松市内の一級国道八号線の立体交差の問題がいまだにそのままになっておるわけで、私は三十三年から五十年ですから、ずいぶん長くなってしまって、いまやその問題を覚えておる人は少ないようなことになりますが、少し申し上げておかないと、これはわれわれの生存中に解決しない、人類が絶滅してから解決するようなことになっても困ると思うのでありまして、ここには本年度何らか道路改良の予算はついておるのでございましょうか、お伺いをいたします。
  227. 井上孝

    井上(孝)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの国道八号の小松市内の尾小屋鉄道との交差でございます。踏切でございますが、この国道八号は御指摘のように、昭和三十三年に改築をいたしまして、そのと孝には実は立体交差にするほどの交通量及び遮断時間がなかったものでございます。将来そういった基準に適合するようになった際には、これを道路側で立体交差をするということを地建局長が社長とお約束をしておったわけでございます。しかしながらその後交通量もふえてまいりましたし、また交通安全の立場からそのままではいけないということで、四十八年に踏切の遮断機を道路管理者の費用で設置をいたしました。  なお、立体交差につきましては、決して忘れておるわけではございませんで、実は会社とただいまいろいろ協議中でございますが、来年度予算を見込んでおりますので、協議がまとまりましたならば、五十年度から工事に着工するという段取りにございます。
  228. 太田一夫

    ○太田委員 どうぞお忘れなく、お忙しい折でありますがお願いをいたします。  ついでに運輸省にお尋ねをいたしますが、いまの車両制限令等があるように、地方の県道というのは、県道ではあっても往復一車線、こういうような中で地方の交通の交通網を形づくっておるバスとしては、どうしてもお客さんの命を安全に守るためには、十人か十五人程度のわずかな人しか乗っておらないにいたしましても、運転手、車掌の二人でなければならない。しかし、東京都のようなラッシュの中では、運転手一人だけであって車掌は乗っておらない。こういうように負担力のあるところはワンマンであるが、負担力のないところがツーマンだということは矛盾だと思いますが、安全のためにそれは仕方がない。  そういう場合に、バスの補助金を算定するときに、キロ当たりの事業費、営業費というものの限界、天井額を設けておいて、そしてそれ以上かかったってそれは知らないよ、そちらの方の勝手な事情であるから、われわれはそれ以上のものは認めないといって、せっかく赤字補助の制度をつくりながら頭打ちになっておる。それば弱小の交通機関に対して非常に冷たい結果になっておりますが、その点いかがですか。
  229. 真島健

    ○真島説明員 お答えいたします。  私どもが現在やっております地方バスに対する補助金の査定の問題かと思いますが、原則といたしまして補助対象経費、これは補助対象路線で当該の会社が実際にかかった運送費を対象にいたしますが、御承知のように会社経営、いま民営で三百六十八ございまして、非常に経営のいい会社、それから放漫経営と申しますか、努力の足りない会社、いろいろございますので、実際問題といたしましては、各ブロックごとに標準原価というものを定めております。これはそのブロック内の会社の全体の平均でございまして、この平均に満たない欠損でございますれば、当然全額出しますが、非常に経営努力の足りない会社にはある程度経営努力をしていただくというたてまえで、この標準経費を上回る部分については査定をいたしておる、こういうことでございまして、地方地方によりましていろいろなケースが出てくるかと思いますけれども、そのブロック内の数社で平均的にこのぐらいであるという経費を非常に大幅に上回るような経営というものについては、そこまでやってめんどうを見てはちょっと過保護になるのじゃないか、こんな感じでございます。したがいまして、地方と申しましても、やはり同じような状況にあるブロックの中での平均を頭打ちの限度に考えるのが妥当ではないか、こういう考え方でやっております。
  230. 太田一夫

    ○太田委員 それば業務部長、原則論はそれでよろしいが、これは福田自治大臣もいらっしゃいますけれども、交付税だって一般交付税の基準財政需要額と収入額というものがあるわけです。それでいけない場合にはちゃんと態容を見て補正しておるわけです。さらに第二交付税、特別交付税がある。あなたの方も態容補正しなければ、私は不合理だと思う。  たとえば鞆鉄道なんかの場合は、実例を見ますと、二百五十円実際に運送費といいますか、経費はかかりますのに、実際のあなたの方の平均値というのは二百六円までしか認めぬ。二百五十円ですから七割、三割切っておる。三割切り捨てておる。そのために運輸省というのはわからないところだなあという空気がどれぐらい満ちておるかわからない。これはせっかくいい制度ですから、態容補正を少しおやりになる必要がある。それは合理化しない——合理化といってはなんですが、むだ経営をしているところを奨励するという意味ではありませんよ。中村次官もいらっしゃるが、あの行動力をもってしたって、いまの話で、渋滞する道路は依然として渋滞しておる。ひとつそれは態容補正を考えてください。これは研究課題としておきます。  時間がありませんから、最後に自治省にお尋ねします。  私は、交通と地方自治という大問題が一つあると思います。時間がなくなってしまったのでいけませんが、自動車による旅客輸送というのは、昭和四十年を一〇〇として四十八年の係数が、自家用車七八五、国鉄一三五、民鉄一三〇、営業車が一四八、船が二〇三で航空機が二〇三、旅客だけ考えてみていまこうなっている。自動車というものが自由になればなるほど、都市というものが拡散する。拡散すればするほど交通事故はふえる。資源のむだ遣いになる。だから自動車そのものに適正な位置を与えるということは、この近代生活の一番いいところでありますから、それはやるべきでありますが、地方自治とか民主主義とかいうものが衝突したりなくなったりするわけです。  自分の住んでおるところは、自動車で一時間先から通ってくる。自治体は別だ。町長さんは見たこともない。そうして通っておるところは自分は全然市民税も納めなければ何にもしない。くつで歩いて土を落とすだけだというところが多いでしょう。ですから、自動車に適正な位置を与えるということと同時に、町づくりは、無原則に次から次へと拡大して、水の中へ石を投じたときの波紋のごとくに、自動車がふえればふえるほど波紋は大きくなっていって、半径五キロの通勤圏が十キロになり二十キロになり三十キロになる。これはひとつ交通政策の中で適正な位置を与えるために御努力をいただきたいのであります。  そのためには、一つ具体的にお尋ねしておきたいのは、いま建設省と運輸省とやっておったことでありますが、道路の幅員が狭いために非常に交通が困難しておるところがたくさんありますので、そこでその対策を県知事に尋ねますと、大抵それは道路を拡幅すること、一部拡幅、バイパスをつくる、それから待避所をつくる、こういうことですけれども、その金ありません。  何かこの問題について、地方道路といってはなんですが、まあ中央というよりは地方道路でございますが、地方道路の整備計画については、自治省としては何かそういう町づくりと一緒に考えて一どんどん外へ外へと逃げ出す住民、通勤距離の拡大、交通事故、交通渋滞、そしてその中に、道路が狭いままにのたうちあえいでいるという状態に対して、いま自治体が一番困っておるのは財源がないということ。この問題を解決するにはどういう方法があるとお考えでしょうか。
  231. 森審一

    ○森説明員 お答え申し上げます。  道路の拡幅の問題につきましては、これは一般道路事業の範囲内の問題だと思いますが、それにつきましては、道路整備五カ年計画等に基づきまして、国庫補助事業の地方負担分あるいは地方単独事業分、こういうふうなものを地方交付税の基準財政需要額に算入いたしてございます。  参考までに五十年度の額を申し上げますと、市町村道で道路橋梁費といたしまして四千五百三十九億円算入いたしております。  それから、いま一つの待避所の問題につきましては、これも交付税は交付税でございますけれども、特に、先ほどもお話のございました反則金を財源といたします交通安全対策特別交付金というのがございますが、これが、予算額は本年度総額で四百九十六億円でございます。この交通安全対策特別交付金と申しますものは使途が特定されておりますけれども、昨年、四十九年度におきましてこの交通安全対策特別交付金に関する政令の改正を行いまして、お話のありました待避所を交付金の使途に加える、こういうふうにいたしましたので、地方団体といたしましてある程度待避所の整備も積極的に進めることができるかと存じております。
  232. 太田一夫

    ○太田委員 待避所の増設もできるように財源措置がなされたということならば安心をいたしますが、交付税そのものが、税率そのものが据え置かれている限りは、私は、それは形式だけに陥るような気もしますから、これはひとつ大いにがんばってください。きょうは大蔵大臣いらっしゃるわけじゃありませんが、大蔵省というのは気前の悪いものをもって看板といたしておりますから、大いにがんばっていただくことを望みます。  そこで大臣、最初からずっとやってきまして終わりましたけれども、私は大臣の所見を一言聞きたいのです。それは、自動車安全運転センターというのは、一つの利便を提供するというサービス機関のように思いますけれども、第一線の交通警察官の取り締まりというのは、とかく取り締まりのための取り締まりに流れることが多くて、国民の怨嗟の的になることが多いのですね。そんなところで張っておらなくたってあちらで張ったらどうかというときに、あちらの方では張らなくって、張らぬでもいいところで女子供をつかまえて、それスピード違反だ、それ左折違反だ、それ駐車違反だとやっておる。そこで指導ということ、愛きょうのある取り締まり即指導という、指導に重点を置かれるべきだということでお尋ねしましたらば、警察庁長官は、非常にそういう点は同感である旨の御答弁をいただきましたけれども、国家公安委員長としても、本当に取り締まりは、取り締まりのための反則金かせぎだとか点数かせぎではなくして、真に交通の安全と秩序の確立、同時にこれは国民の協力を得てやれる取り締まりということになって、喜んでもらえるものをひとつつくり上げていただきたいと思いますが、いかがですか。
  233. 福田一

    福田(一)国務大臣 先ほどからのお話でございまして、交通のために自動車を使うことが近郊の都市からの通勤着を非常にふやすということになる、ところが、道路事情がこれに間に合わないということで、それは困るじゃないかというお話でございますが、ごもっともだと思っております。私は、実を言いますと、過密過疎という問題はここいらでもう一遍またあれしませんと、道路をよくした、保育所ができた、学校ができたというとまた人が入ってくるわけです。入ってきたからというのでまたつくると、また入ってくるわけですね。イタチごっこをしているのがいまの現状だと私は思うのです。  事業所税というのをつくったのも、その都市で事業をやっているから、それはもうその恩恵を受けているのだから、お金を出してもらおうということなんだが、いま言われたように、自動車でもって入ってきた場合、住民税の場合は半々くらいにしなけりゃ、これはちょっと理屈が合わないことになるのですね。半分は、昼間はこっちにおって夜はベッドタウンの方に行くというのでは、そしてこちらの方は使い捨てということになるのは、これはちょっとおかしな話で、ここいらはひとつもう一遍、相当大きな問題になるけれども、考え直してみる必要がある。  同時にまた、過密過疎といいますか、こういうものも根本的に考えませんと、だんだん過疎地帯はむやみに小学校を売らなきゃいかぬとか高等学校も閉鎖したなんということになって、そうして過密地帯はもうむやみに高等学校が足りないのだ、中学校もというようなことになることは非常に問題だと私は思っておりますので、お説のような趣旨を体して今後も勉強さしていただきたいと思っております。  それから、後の問題でございますが、確かに取り締まりが、おいこらというような調子になったり、あるいはまた女子供をいじめるとか、そういうようなことであってはいけないので、どちらかと言えば私道とかなんとか、そういうようなところはもうあまりあれがないようにして、そして公に通る大きな道路等々においては相当やはり考えていく必要がある、お説のようにそういう方針でやるべきではないか、かように考えておる次第でございます。
  234. 太田一夫

    ○太田委員 終わります。
  235. 勝澤芳雄

    勝澤委員長代理 次に、渡辺武三君。
  236. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 昨年度の全国の交通死者数が一万一千四百三十二人ということになりまして、これは時系列的に迫っていきますと、四年連続で実は大変に減少し、水準としては昭和三十七年度の水準にまで大幅に減少したということでございます。各省それぞれが安全に対する努力というものを着実に実らせたということで、一応の評価はできると思います。しかしながら、まだまだ年間一万人以上の交通死者というものが現実に発生をしておるわけでございますから、本来的の交通安全というものは大変まだ道が遠いと言っても過言ではない、こういうふうに考えるわけでございます。  そしていままで行われてまいりましたもろもろの交通安全施策そのものの反省をしながら、さらに一段と交通事故死の減少の努力を続けていかなければならないことは私が申し上げるまでもないところでございます。特に警察庁ではこれから年間五%ずつ交通事故死を減らしていこう、こういう長期的な目標をお立てになっておるわけでございまして、そのための一環として今回この安全逆転センター法案というものが提案されておると思うわけでございますが、私はこの機会に、この法案の中身だけではなくて、教育とか環境とかいったような一般的な安全施設の問題についても若干お尋ねをしてまいりたいと存じます。特に、今回提案されております安全逆転センター法案の中の業務の部分について若干御質問申し上げたいと思います。  この安全教育の中でも、いわゆる運転免許保持者に対する安全教育、これを主眼にしておられるようでございます。従来、運転免許保持者への安全教育がともすれば実はおくれがちであったのでございますが、それから見れば一つの前進であろう、こう思うわけでございます。その面ではこれも評価できるわけでございまして、このセンター設立そのものに対しては私は賛意を表したいと思います。  二十九条の一号を見ていきますと、いわば行政処分直前免許保持者に注意を喚起するためではないであろうか、こういうふうに解釈をするわけでございます。しかし、それだけでは、いまも前段で申し上げましたように、安全教育の向上だとか安全思想の普及という面から見るとやや効果が薄いのではないであろうか。つまり、免許保持者が行政処分という実害を受けるのを避けるために、一歩手前の人たちを何とかしてやろう、こういうことでございますから、若干後追い的なにおいがする。  したがって、運転免許を保持している方々の教育、これは後段でも申し上げようと思っておりましたけれども、つまりペーバードライバーというのがたくさんおります。こういう人たちが免許は取ったけれども直ちに運転をしない、三、四年たって初めて車が手に入ってそれで乗るという方も間々あるわけでございます。そういたしますと、運転免許保持者そのものの教育というものをやはり考えていかなければいけないのではないだろうか、こう考えるわけでございます。つまりそういう面の積極的な施策といいますか、そういうものが必要ではないか、こう思うわけでございますが、この辺については将来お考えになっておられるのでございましょうか。
  237. 勝田俊男

    勝田政府委員 運転免許の所持者に対する教育でございますが、従来安全協会等が中心になりまして交通安全思想の普及宣伝ということで春秋二回の交通安全運動の期間中はもちろん、その他の時期においてもそれぞれ広報資料を発行したりいろいろと努力をしてきているわけでございます。警察といたしましては三年ごとに講習をするということで更新時講習をやっておるわけでございます。更新時講習の中身につきましても四十七年には法律で義務づける、その中身についても逐次充実さしていきたいというふうに考えているわけでございます。  この法律では、先生御指摘のように一号業務は、点数が四点なり五点、処分一回受けたものについて二点なり三点、こういう人について、もうあなた今度違反しますと処分になりますよということで安全運転をしていただこう。また、経歴証明の中で無事故、無違反というものについてひとつ証明してくれということについては証明をいたしましょうということになっておりますので、無事故、無違反でおれはやってきたということが証明してもらえるというようなことで、これはできるだけ安全運転に心がけようというようなことは期待できるのじゃないかと考えております。  そこで先ほどお話のございましたペーバードライバーの関係でございますが、更新時講習をやりましても、実地訓練ということでありませんので、長くハンドルを握っていない、ひとつ運転してみたいが不安であるというような方がおられるのじゃないかというふうに思うわけであります。これを制度化するということについては、これからまだ検討の必要があろうと思います。県の自動車安全運転学校等の施設、そういったものをこういった面に活用できないかどうかという点については検討をしてみたいというふうに考えております。
  238. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 次に、二十九条の第四号、これに関連をしてちょっとお尋ねをしてみたいと思います。  いわゆる二輪車の暴走族というのがこのごろ大変に実は問題になっておるわけでございます。これは社会問題のみならず、青少年問題としても実は大変な問題であろうかと思います。こうした暴走族に対する安全教育というものが、この安全運転センターで果たしてやられる計画になっておるのかどうなのか、あるいはまた別な問題としてこのような重大な社会問題となっておる暴走族に対してはどのようにしていこうとなさっておられるのか、この辺をちょっとお聞きをしておきたい。
  239. 勝田俊男

    勝田政府委員 暴走族につきましては、もう先生承知のように、騒音、振動、危険運転というようなことで大変ひんしゅくを買っているわけでございます。最近、去年あたりは暴力団まがいの対立抗争事案を起こすというような事態にもなっておりますので、警察としましては総力を挙げて総合的な施策によってこれに対処していこうというようなことで、こういった問題のおそれのある県につきましては対策本部を設けまして、交通ばかりでなしに少年係とか、場合によっては機動隊も出してこれに対処しようというようなことで対処してきているわけでございます。その対策の基本としましては、やはり安全運転教育、それから指導取り締まり強化、あるいは家族、雇用者に対する対策、こういった三本の柱でやっておるわけでございます。  安全逆転教育につきましては、交通安全指導所というようなところ、県によりましては交通機動隊が中心になりまして、そういった少年について白バイ隊員によって安全運転講習をやっていく。どうやれば安全かというような講習をやって危険な運転をやらせないというような教育をやっていこう。  それから取り締まりでございますが、昨年中に二万八千五十一件、一昨年の二倍以上の取り締まりをやっておりまして、こういった暴走族が集団で暴走行為に出るというのを未然に防いだ件数が千四百件余りあるわけでございます。それから少年係等とも連携をいたしまして、ひとつできるだけ解体をしようということで、こういった暴走族の解体につきましても百三十グループばかりの解体をやっている。  それから管理者等を通じての対策といたしましては、学校、家族、雇用者、こういった関係の方方と連絡を密にいたしまして、個人指導に力を入れてまいりたいと考えております。  この暴走族対策としてのセンター役割りというお尋ねでございますが、このセンターでは四号に書いてございますように「運転免許を受けた青少年に対し、その業務の態様に応じて必要とされ、又はその資質の向上を図るために必要とされる」訓練ということで少年に対して、少年はとかくかっこよい運転をやりたいとか、スピードの速い運転をやりたいというようなことに走りがちでありますので、本当の運転というのはそうじゃなくてテクニックであるというようなことで、安全運転技術の向上をここで研修をする。それによってそういったサーキットまがいのものに興味を失う、したがって暴走族になる芽を事前に絶っていく。暴走族になっておるグループについてもここで研修をして是正していくというような研修にもこのセンターを使ってまいりたいと考えております。
  240. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 大体この暴走族の構成は、有職青年といいますか、就職して間もない若い青年並びに高校生というものが実はあるわけでございますね。したがって、高校とのタイアップといいますか、学校指導というものは一体どのような連携をとっておやりになっているのでございましょうか。
  241. 勝田俊男

    勝田政府委員 各県の教育委員会を通じていろいろ連絡する、あるいは直接学校と連絡をとって指導をする、あるいは学校も含めまして二輪車安全運転推進委員会というような場で訓練をするというようなことをやって、極力高校とも連絡を密にしてまいりたいと考えております。
  242. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 いろいろな事例を見てみますと、ブラックエンペラーなんというような集団もあるようでございますし、オオカミというような集団もあるようでございますし、いろいろこれらの暴走族が集団をつくりまして、相当社会的に暴威をふるっておると申しましょうか、のさばっておるといいますか、こういう現象が非常に多く見られるわけでございますから、十分にその辺の問題に対処していただくこと自身が交通安全にも非常に大きな影響を及ぼすのではないか。私ども自身がマイカーを運転しておりましてもときどきそういうのに出くわすことがあるわけであります。大変御苦労の多いことであろうと思いますけれども、何としてもこれは絶滅していかなければならない問題であろう、こう考えておりますので、考えられるあらゆる対策をとって絶滅をひとつ期していただきたいというように符に要望しておきたいと思います。  続きまして、環境整備の問題について若干お尋ねをしていきたいと思います。  警察庁が目標として定められました毎年五%ずつの交通事故死者の減少という問題、これに関連をしまして、当然やはりいろいろな環境整備、つまり道路の改善だとか安全施設づくりというものがなされていかれるのではないか、こう思うわけですが、そのまず第一の問題点として道路の問題があるのではないだろうか。  道路問題といえば、やはり交通事故を減少させる最大の効果を持つものは、混合交通から分離交通、こういうことであろうかと思います。つまり歩道と車道との分離、こういうことがやはり相当重要な問題である。さらには、都市内を通過する道路を整備する、そして普通の人との混合交通をなくしていく、通過車両は別にバイパスをつくって通過をさせる、こういうような道路行政ということが考えられるわけでございます。さらにはまた、道路そのものの質的な改善ということが当然考えられていかなければならない、こう考えられるわけでございますが、これらの方向に対して建設省としては一体どういう方途を持っておられるか、お聞きをしておきたいと思います。
  243. 中村弘海

    ○中村(弘)政府委員 お答えいたします。  道路の新設または改築を行うに当たりましては、交通安全対策基本法の精神にのっとりまして、歩行者など自動車以外の交通にも十分配慮をいたしまして、交通安全施策等の完備した道路を整備することにいたしておるわけでありますが、歩行者交通の多い場合には、当然歩車道分離を積極的に推進しておるところでございます。  また、既存の道路に対しましては、交通安全対策専業により安全施設の整備拡充を図っているところでございますけれども、今後は、いま先生がおっしゃいました通過交通を対象といたしましたバイパスの建設等を一層促進いたしまして、また道路の機能別体系化を進めることなどによりまして、市町村道などの生活道路における通過交通をできるだけ排除し、そういった混雑さから抜け出させ、あわせてこういった道路の整備を強力に推進していく方針でございます。
  244. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 方針は結構でございますが、具体的に五十年度の建設省分の交通安全施設の予算を見てまいりますと、つまり三百二十二億円ということになっておりまして、前年度に比較して十億円の増加、これは物価の上昇分を勘案をいたしますと、むしろ対前年比はマイナス、こういうことに相なろうかと思うわけでございます。したがって、いま申し上げておりますように、総体的に交通事故死者を減少させていこうという大方針のもとに、それに付随をして道路環境整備をよくしていこうという方向が打ち出されておるにしては、予算がそれに対応していないではないか、こう考えるわけですが、いかがでございましょうか。
  245. 井上孝

    井上(孝)政府委員 御指摘のとおり、五十年度予算におきましては、総需要抑制策のために道路予算は残念ながら大幅に減らされた次第でございます。道路整備特別会計におきましては、事業費で対前年の九五%、国費で九三%というように、道路整備特別会計が昭和三十三年に始まって以来初めて経験する大幅な減でございます。しかしながら、先ほど来、先生おっしゃいますとおり、交通安全施設の整備というのは、ちょうど五カ年計画の最終年度でもございますし、この際、気を緩めることなく、前年よりいささかでも伸ばしていきたいということで、こういった非常に厳しい中から、事業費で五百五十七億、国費でさっき先生おっしゃいましたような三百二十七億ばかりというものを捻出いたしまして、これでも対前年比、全体が減っております中で、わずかではございますが、伸ばした次第でございました。政府委員としてこういう席で大変恐縮でございますが、年度途中ででももしふやせる機会がございましたならば、さらに一層ふやしたいという気持ちがいっぱいでございます。全体が総需要抑制で減らされたという御事情をひとつ十分御了承願いたいと思います。  また、五カ年計画の最終年度でございますが、四十六年に始まりました五カ年計画を、金額としては完全に遂行できるという見込みでございます。
  246. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 これはこの前の委員会でも実は申し上げたことなんですが、多分そういう答弁が返ってくるであろう、いまの情勢の中では総需要抑制のために全体に予算が抑えられているので、やむなくこういう結果になりました、こういう御回答であろうと私も考えておるわけですけれども、しかし私は、それではいけないと思うのです。本来的に総需要抑制という枠の中で交通安全というものを考えていっていいのかどうか、ここに問題があろうかと私は思います。つまり、交通安全そのものを、いわば住民福祉を向上するのだという観点からとらえるべきではないか。何万人かの人命が失われておるのですよ。何万人かの人命が失われておるというような重要な問題を、単なる景気抑制策の一環として考えられてもらっては困る。これはやはり普通の道路と違いますからね、交通安全に資するための道路ですから、この分だけはやはり住民福祉という観点からとらえるべきではないか。景気を抑制をするというその枠の中に組み入れるべきではない、私はこういう考え方を持つわけでございます。  そういう面から見れば、確かに一般的な福祉というものは総需要抑制のこの予算編成の中においても、やはり現実には相当高度にアップしているわけですよ。ところが道路予算に関する限りは、金額的に十億と言いましても、これは五%にも満たないわけですから、いわば物価上昇を考えればダウンというふうに見なければならぬ。  そうしますと、これも同じように、やはり景気抑制策として考えられておるのではないか。そうであってはいけないのではないのか。少なくとも多くの人命が失われておるという問題に対処していこうとしておる問題ですから、これは私は、やはり国民福祉という観点でとらえるべきだ、こう実はこの前の委員会でも申し上げたのです。たまたま建設省お見えになりませんでしたから、きょうは建設省に来ていただいてその辺のお考え方を聞いておきたい、こう思って実はおいでをいただいたわけでございます。私の予想にたがわず、総需要抑制のためにという御答弁でございますが、実際にそうであってはいけませんよ、交通安全特別委員会をつくって本当に人命を尊重していこう、こう一生懸命やっているわけですからね。  そうして警察庁は五%ずつ交通死者というものを年々これから減らしていこうという大目標をお立てになった。ところが、それらは各省庁の協力がなければ当然達成できません。これだけ厳しい中で年々減少をさせてきて、昭和三十七年度の水準にまで戻していったわけですから、その上に立ってさらに毎年五%ずつ減少させていこうとするならば、相当各省そのものが厳しい対応策、これをやはり協力的にとっていかないと、この目標を達成することはできないのではないだろうか、こう考えておるのです。  そういう意味ではひとつこれから道路行政、特に交通安全に資するという道路行政については別に考えていただいて、いわば人間の、国民の福祉を守るという観点で予算の確保に十分に努力をいただきたい、こう思うわけですが、次官にひとつ決意をお聞きをしておきましょうか。
  247. 中村弘海

    ○中村(弘)政府委員 お答えいたします。  全く先生のおっしゃるとおりでございまして、実は予算折衝の場合におきましても、こういうことを言っちゃおかしいのでありますが、私は道路局長の顔を見るのも悲しいぐらいの気持ちでございました。ということは、いかに道路に対する予算が少なかったかということでございます。  私は、いま先生がおっしゃいましたように、交通安全ということから考えていきましても、国民福祉という観点からいたしましても、そういった考え方から道路というものを見詰めていかなければいけないというふうに考えておりますので、全く先生のお言葉をむしろ力強く感じておるわけでございまして、今後そういう面で一生懸命私たちも努力させていただきたいと思うわけでございます。
  248. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 幾ら応援しても実績が上がらぬと何にもなりませんから、実績の上がるようにがんばっていただきたいと思います。そういう意味で、バイパスの建設とかあるいは歩車道の分離とかいうものもさることながら、それに付随したいわば安全施設、まあ歩道橋もあるでしょうし、歩道橋の利用率、非常に悪いようでございますが、これ自身はなぜ悪いのかの追跡調査を十分考えなければいけないし、ウィーンでしたかパリでしたか、これを進めて、交差点へ行くとエスカレーターで下へ下がって、またエスカレーターで上がるというような道路、これは所々方々にあるわけでございます。そういうことが果たしてわが日本でできないのかどうか。せっかくつくっても使われない歩道橋であるならば、これは予算を空費しているだけでございますから、やはり国民が喜んで使えるものを考えていかなければいかぬのではないか、こう考えるわけでございまして、そういういわば長期的に見て建設省が起用しようとしていらっしゃる交通安全施設、こういうものについて、何かお持ちであるならば、この機会にお聞かせを願っておきたいと思います。
  249. 井上孝

    井上(孝)政府委員 ただいま先生御指摘の歩道橋が余り使われないという問題でございますが、確かに昭和四十一年以降歩道橋の設置を非常に重点的にいたしました。なるべく早く数多くつくろうということに当初は狂奔をしたものでございます。使いやすいいわゆる地下道、これは平均的に四倍くらい金がかかるものですから、投資予算でなるべく数多くということで歩道橋中心にやってまいりました。この際、もっと使いやすい親しまれる横断歩道施設ということで、最近は地下道を積極的に建設するようにいたしております。  それからなお御指摘のエスカレーターでございますが、これはいまの歩道橋に対しましては雨ざらしになるという関係で非常に危険も予想されますので、従来ほとんど実施をいたしておりませんでしたが、実は相当技術も発達いたしまして、たとえ雨ざらしになりましても危険がさほどない、安全であるというようなものも開発されつつございますので、実は五十年度に一カ所ないしは二カ所試験的にやってみたい。それからなお研究補助金というのがございまして、そちらの方でもメーカーに対してできれば研究費を出して、安全なエスカレーターの開発を心がけたいというふうに考えております。  なお、長期的には五十一年度からできれば五カ年計画を拡大改定いたしまして、安全施設整備の長期計画を立てて、新しい段階で実施してまいりたいというふうに考えております。
  250. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 従来安全施設に投ぜられた予算実額を見てまいりますと、大体比例をして交通安全に審与しておるということがわかるデータが実は出てきておるのですね。したがって、予算が減少されていくということになるとこれは大変なことになるのではないかといわざるを得ないぐらい、実は予算と実際の交通事故のデータとの比較をしていきますと、そういうことが言えるのではないか、こう思うわけですから、その辺十分に留意をいただきまして、今後ともに安全施設の整備についてはひとつ格段の御留意をお願いをしておきたいと思います。  それでは次に移りたいと思いますが、この安全教育の中で最も優先をされなければならないのは、つまり事故率の高い幼児と老人であろう、こういうふうに実は考えるわけでございます。これは警察庁がお調べになったこのグラフによりましても、幼児は大体二歳から六歳までぐらいが交通事故率が多い。中でも三歳が一番高い。そして成年の部で十三歳から十五歳ぐらいのところが非常に高い。さらに老人では六十五歳、七十歳をピークにいたしておりますけれども、こういう三つの山が実はグラフ上あらわれてきております。  やはりこれらに対する対応をしていかなければならないわけでございますが、特に幼児の教育については、幼児自身は実は判断力がまだまだ足らないわけでございますから、当然保護者であるべき母親の方が多いと思いますけれども、母親に対する安全教育、こういうものが普及をされていかなければならないと思いますけれども、それらの体制は一体どうなっておるのか、あるいは現在おやりになっておるならば、現状をひとつお聞かせを願いたいと思います。
  251. 勝田俊男

    勝田政府委員 確かに御指摘のように幼児の死亡率が高いわけでございます。そこで幼児の態様から見ますと、やはり家庭なり家庭の付近の事故が多い。それから中には保護者の同伴中の死亡事故がかなりの比率を占めておるという状況でございます。確かに先生御指摘のように、母親教育というのが大事だろうと思います。母親の顔を見て喜んで走っていって事故に遭ったというような例もございますので、子供の行動特性といったようなものについて母親の方に十分に御理解をいただくというような教育が必要だろうかと思います。  そういった面から、幼児と母親とをグループにした幼児安全クラブというようなものを、県の方ともそれぞれ連絡をとりながらできるだけ育成をしていこうという形で現在やっておりまして、全国で、昨年九月現在の数字でございますが九千三百五十九のクラブがあって、九十九万人の子供が中に入って、保護者が九十四万人、全体の数からいうと、まだ比率としては低うございますけれども、こういった組織、それから社会教育の面においても母親についての安全教育を推進していただくように、関係の向きにもいろいろ御連絡をする、あるいは交通安全協会等を通じて地域地域で母親教育をやっていく、こういう努力を続けていきたいと思います。  また、幼児の事故の場がやはり家庭の付近だということで、生活道路についての安全対策状況によって交通を遮断しても遊戯道路その他の道路をつくっていく、そのような対策も講じてまいりたいと考えております。
  252. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 このグラフを見ていきましても、幼児と老人の交通安全を守るためにはやはり環境の整備、特に建設省の協力が必要だということがグラフの上でもはっきりあらわれていると思います。特に一番高いのは七十歳という老人だ、こういうことになっておるわけですが、いわば若干歩行に困難を来してくる、あるいは運動神経が鈍ってくるという老人の方々が非常に事故率、事故死率が高い、こういう結果になるわけです。それらの人の生命を守るためには、はっきりした歩車道分離といいますか、間違って転んでも車にはぶつからない、そういう配慮が当然必要になってくるわけですから、これもひとつ建設省によろしくお願いしておきたいと思います。  それから、特にこのごろ警察庁が十万人以上の都市に対して積極的に交通安全を推進していこう、こういう方向を出していらっしゃると思います。そこで私、実は十万人以上の都市と十万人以下の都市と比較をして調べてみたわけでございますが、十万人以上の都市はわが国では百六十八市ございます。それから十万人以下の都市が四百八十市ございます。そこでこれらの都市の実際の死者数を調べてまいりますと、むしろ十万人未満の都市の方が多いということがデータの上でわかってまいります。  だとするならば、特に十万人以上の都市に対してのみ重点的な施策を行うということも、やはりある程度考えてみなくてはいかぬ。データの上から見ると、十万人以下の都市の方が交通事故死が多いとするならば、本来的にアクションをとる原則的な手法としては、むしろその数値の多いものからアクションをとって一つ一つつぶしていくというのが一番合理的な手法でございますから、その辺もひとつ十分に考える必要があるのではないか、こう考えておるわけですが、いかがでございましょうか。
  253. 勝田俊男

    勝田政府委員 先生御指摘のとおり、十万以上の都市が十万人当たりの死亡率が一番低くて、それ以外の都市それから郡部というふうに死亡率が高くなっているわけでございます。  ところで、いま警察庁が十万以上の都市について進めております都市総合対策、これ以上の都市においては、交通の過密とかいろいろ交通の問題が複雑な形で起こってきている。したがって、一律の規制ではだめなんで、いろいろな障害の要素を絡めた総合的な対策をこれらの都市については積極的に推進をいたしなさい、こういう趣旨でございます。  それから十万以下の都市につきましては、どちらかというとそういった問題よりもやはり死亡事故というものが中心になってくる、そういった面から、これはやはり事故防止ということに一番の重点を置いて対策を進めていきたい。そういった面について、幹線道路の問題とか、それから規制の問題につきましても、そういった防止の点からのきめの細かい規制というものが必要になってこようかと思います。  ただ、歴史的に見ますと、やはり十万以上の都市にはかなり事故が多発しましたし、大都市に初めは集中しておって、これらの地域についてかなりの対策が講じられてきて、十万以上の都市の全体の死亡事故の全死亡者の中における比率が減ってきた、それが全体の死亡事故の減少にかなり貢献しているということも事実でございます。そういった現象が逐次移ってきたということもあろうかと思います。そういう点で、現実に死亡事故の高い十万以下の都市につきましては、そうした事故防止ということを重点に置いた規制その他の対策を強力に今後推進していく必要があろうかと考えております。
  254. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 私は地方都市へ行くに従って、いわば交通環境施設といいますか、交通安全施設というものがやはり貧弱になっていくのではないであろうか、ために事故死者が多い、こういうふうに見るべきではないか、こう考えております。したがって、その施設によって足らざるところを人の力によって補完をしていく、こういうことが必要になってまいるわけでございまして、それにはやはり警察のごやっかいを煩わさなければならない、建設省のおくれを警察の人によってカバーをしていく、言いかえるならばそういうことにたるのではないか、こう思うわけでございますから、特に警察庁そのものとしては十万人以上の都市について若干の重点施策を行っておられるようでございますが、そういう面も特に環境の悪い地方都市に対しては、大変むずかしいことではあろうと思いますが、人の面によって交通安全に資する、こういうふうにひとつ留意をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  最後に、交通警察の拡充問題についてお尋ねをしておきたいと思います。  いろいろ申し上げてまいりましたように、交涌安全そのものは環境整備だとか、あるいは教育の拡充だとか、自動車技術の向上だとか、適切な規制、こういう四つの大きな柱がやはり相互に補完をし合いながら、初めてこの交通安全というものが達成されていくのではないか、こう考えるわけでございますが、その中でも特に交通警察役割りというものが非常に増大をしていく、こういうふうに実は考えるわけでございます。  そこでまず、現在二十万人と言われております警察官の中において、交通警察官は一体どのくらいおられるのであろうか、またその数で、何名かはよく知りませんが、交通警察の任務遂行が支障なくできておるのかどうか、その現状は一体どうなっておるであろうか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  255. 勝田俊男

    勝田政府委員 現在の交通警察官の数は約二万九千人でございます。最近の道路の整備の延長あるいは自動車台数の増加、運転免許所有者の増加ということで、道路交通の規模が次第に大きくなってくる、それに伴ってまた交通公害とかそういった業務もいろいろと増加してきているということで、交通警察業務は非常に増加してきているという状況で、第一線の交通警察官には非常に苦労をかけている。状況によっては家庭待機というような形で、事故があればすぐ飛び出していくというような形で勤務しておる者もおるというような状況でございますが、こういった努力がやはり事故防止に結びついているのではなかろうかと考えております。  こういった第一線の警察官の処遇の改善、こういった点につきましては、今後ともさらに努力をしてまいりたい。本年も交通警察官の増員については一千人をお願いをいたしているところでございますが、こういった増員ばかりでなしに、体制なり装備なり資器材、そういったものについてもさらに整備をして、第一線の警察官が効率的に仕事ができる体制整備に努力をしてまいりたいと考えております。
  256. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 最後に、大臣にお伺いをしておきたいのですけれども、いま交通局長お話しになっておるように、交通警察の拡充整備といいますか、これは実は交通安全を推進する上では大変大切なことであるわけでございまして、特にこのごろは補助員等が指名をされて路上駐車等の取り締まりに当たっておられるようでございますけれども、それがだんだん都心部からドーナツ型にいわば衛星都市へと、あるいは十万人未満の都市へと広がっていくということであるならば、それぞれ対応していかなくてはなりませんし、その体制を維持していかなければならぬ、こういうことであろうかと思います。  そこで、合理的といいましても、この面の人員を減らしてどうするかという問題にはなかなかならないわけでございまして、先ほども質問が出ておりましたように、警察そのものがむしろ取り締まりよりも指導へという要望、国民自身も持っておると思いますけれども、私は少ない人員では、それはなまぬるい指導をしておったのではなかなか手に負えぬ、そこで強権発動の取り締まり、こういうことにならざるを得ないと思うのですよ、実際には。  したがって、国民が要望する方向でのいわば親切丁寧な指導ということが拡充されていくということであれば、当然やはり交通警察そのものの体制というものが整備をされていかなくちゃならぬ、体制が拡充されていかなければいかぬ、こういうことになろうかと思います。幸いにして統計上は死者がどんどん減っているわけですから、いまの体制のままでもうまくやっていけばいいのだ、こうあるいはお考えかもわかりませんけれども、これは一つ油断をすれば相当重大な問題になってしまうというふうに私は考えるわけでございます。そのためには、やはり交通警察そのものの人員の拡充というものが重要な問題ではないか、こう考えるわけですが、大臣はその辺、どのような御認識をお持ちでしょうか、お聞かせを願っておきたいと思います。
  257. 福田一

    福田(一)国務大臣 お説のとおりでございまして、親切丁寧にこの交通関係の取り締まりをしていくということになれば、どうしても人手をよけい必要といたします。  御案内のように、五十年度は国家財政も苦しうございますが、地方財政も非常に苦しい時代だったのであります。したがって、警官の増員ということについてはいろいろのあれがございまして、六千人増員してくれということであったのですが、三千人くらいがいいだろうという常識的なことであったのでありますけれども、私は、最近の交通状況、あるいは犯罪状況等をにらみ合わせて、やはり一倍半といいますか四千五百人まで増員するということで、これは自治大臣が大体決定をすることになっておりますので決定をしたというような事情もございますが、今後もいまの御質問の御趣旨に従って、必要な人員の増員についてはちゅうちょすべきではないのだという考え方で臨んでまいりたいと考えておる次第でございます。
  258. 渡辺武三

    ○渡辺(武)委員 終わります。
  259. 勝澤芳雄

    勝澤委員長代理 次回は、明二十日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後三時五十分散会