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福田(一)
国務大臣 先ほどの御
答弁、いささかざっくばらんに過ぎたかもしれませんが、交通人身
事故が非常に多うございます。それをできるだけ少なくする。いま、まだ一万一千人ぐらいの死者がある、五十万人前後の傷害を受けておる人がある。それが社会に与える影響、また
交通事故による遺児等々の問題もありまして、こういうものをできるだけ少なくするには、
一つは
民間の人たちにできるだけ注意をしてもらうということもありますが、やはり
運転者が
運転の
業務に熟練して注意も十分にする。それから、いままで見ておりますと、
運転事故を起こす者は、実際には二犯、三犯と重ねる例が多うございます。その人の
性格にもよるのでしょうけれども、そういう例が多いのです。そういうことを
考えてみますと、あなたは注意をしないと今度は
免許証を取り上げられますよと言って注意を強く喚起する、こういうこともございます。同時にまた、先ほども御
質問がございましたけれども、とかく注意力が足りないばかりでなく、高速の
運転であるとか、あるいは油がこぼれておるところを
運転するような場合とか、そんなことはもうあたりまえだと思っていることでも、注意をしないと大変な
事故を起こす場合がある。
高速道路あたりは、追突して十何台も一遍に
事故を起こすようなこともございます。そういう点等々を
考えてみますと、技術の再
訓練をするような場所があった方がいいのではないか。そういう
二つの面といいますか、注意を喚起することと、技術を習得してもらうこと。
それからもう
一つは、
警察の
業務のうちで、
事故が起きたときに、
証明書を書いてくれとかなんとか言ってよく
警察へ来る。それで何も悪いというわけでもないし、不親切にも扱っておりませんが、これは本来の
目的ではないのですね。これは賠償とかなんとか、そういうようなことを中心にした民事上の問題を取り扱っている場合もあります。したがって、こういうものは分離をしてもいいのではないか。むしろ分離をして、
警察は本来の交通専門にかかるということにした方がいいのではないか。
治安の問題に重点を置いていくべきで、交通というものを、もちろん交通も
治安の一部と見ておりますから、どちらかと言えばデスクワークのようなことあるいは
警察で特別にやらなければならないものでないことを
治安の維持に当たっている
警官にやらせるよりは、この種のものを設けてやってもらう。こういうことになりますと、年齢が相当いっておりましてもやっていける仕事でもございます。先ほど
定年の問題でちょっと
お話がありましたけれども、
警官あたりも、第一線のお巡りさん、われわれがお巡りさんと言っているような人たちでも、いまのところは、五十三、四くらいになりますとやめにやならぬようなことになっておりますが、できればそのうちで何人かでも、そういう
意味でめんどうを見て差し上げられるのじゃないか。
実は、こういういろいろな、多
目的なことを
考えて提出をいたしたわけでありまして、先ほど私は勝津さんにつられてちょっと発言をしたように見えるかもしれませんが、決して全然
理屈なしで出しておるわけではございませんので、この点はひとつ御理解を賜りたい、かように
考えます。