○徳田
説明員 お答えいたします。
ただいま
先生の御
指摘の点は、任意保険の
運営上非常に重要な問題でございまして、任意保険の保険金の支払いが円滑かつ迅速に行われるということは、任意保険
運営の基本でございますから、これにつきましては、かねがね当局としては積極的な
指導をしておるところでございますけれども、しかし一部においてそのような感じを与えるようなことがあれば、これはまことに遺憾なことでございます。
ただ、任意保険と強制保険との
関係につきましては、若干の違いが
運営上あるわけでございまして、任意保険の
先生御
指摘のような問題が起こるケースは、おそらくその過失相殺の問題に関連してではないかと考えられます。で、不法行為に基づく損害賠償に関する過失相殺の民法の
規定は、強制保険も任意保険も同様に適用されておるわけでございますけれども、ただ任意保険の場合には、先ほども
先生の御発言がございましたように、強制保険に上乗せして補完するものであるという点がございますし、それから任意保険の場合には、その
被害者と
加害者との最後の話の詰め合いの
段階では、場合によっては保険だけでは足りないで、
加害者が自己負担をしなければならないというようなケースもあり得るわけでございます。また、この問題につきましては最終的に裁判に持ち込まれる場合もあるわけでございますが、裁判所ではこの過失相殺の問題をかなり厳格に取り扱っておるわけでございます。
こういうこともございまして、この問題は損害賠償責任の基本的な問題でございますので、これは民事上の問題でございますから、相互に納得のいくまで公正な数字を出してもらうために話し合うということがあるわけでございますが、しかしその場合に、先ほど
先生御
指摘のように、保険会社自体の利害の意識をそこに持ち込むということはこれは非常に問題でございますので、今後ともそのようなことのないように厳重に
指導してまいりたいと思います。
それから、この問題についてのもう
一つの問題点は、過失相殺あるいはそのようなことが
解決いたしまして、責任が決まったときに、それでは幾ら、どのような基準で支払うかという点でございますが、この点につきましては、実はいままで各保険会社ばらばらでございましたのが、四十八年十二月に全社統一の基準をつくりました。さらにことしの二月からはそれを公開するような体制もつくっておりますので、この支払いにつきましては、そういう
措置が行われてからきわめて円滑に行われるようになってまいりましたので、
先生の御
指摘のようなトラブルはこの点に関してはかなり消滅しておるのではないか、このように考えております。
なおかつ、支払い基準は、任意の場合には当然のことでございますが強制保険の場合よりもかなりゆるやかに
運営されておりまして、この点でもそういう問題の
解決に役立っておるのではないか、このように考えられます。
それから、
先生御
指摘の第二の点でございますが、たとえば二千万円の保険に入っておれば当然二千万円もらえるのじゃないかというような意識を被保険者が持っておられるということにつきましては、これはそういうことのないように、いま保険募集のパンフレットその他にはかなりはっきり書いてございまして、教育はしておるつもりではございますが、なおかつそのような意識が一部にあるとしますれば、今後そのパンフレットの表現の仕方、あるいは代理店の話法等にさらに一段と新しい
指導をいたしまして、御
指摘のような点の是正を図ってまいりたい、このように考えております。