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1975-03-28 第75回国会 衆議院 建設委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年三月二十八日(金曜日)    午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 天野 光晴君    理事 梶山 静六君 理事 唐沢俊二郎君    理事 服部 安司君 理事 村田敬次郎君    理事 井上 普方君 理事 福岡 義登君    理事 浦井  洋君       小沢 一郎君    大村 襄治君       野中 英二君    林  義郎君       渡辺 栄一君    佐野 憲治君       中村  茂君    山崎 始男君       柴田 睦夫君    瀬崎 博義君       新井 彬之君    北側 義一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 仮谷 忠男君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 金丸  信君  出席政府委員         国土庁長官官房         長       粟屋 敏信君         国土庁土地局長 河野 正三君         建設省計画局長 大塩洋一郎君         建設省住宅局長 山岡 一男君  委員外出席者         参  考  人         (日本住宅公団         総裁)     南部 哲也君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     上野 誠朗君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ――――――――――――― 委員の異動 三月二十八日  辞任         補欠選任   塩谷 一夫君     細田 吉藏君 同日  辞任         補欠選任   細田 吉藏君     塩谷 一夫君     ――――――――――――― 三月二十六日  下水道事業センター法の一部を改正する法律案  (内閣提出第三七号)(参議院送付) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月二十七日  住宅金融公庫の融資拡充等に関する陳情書  (第三〇一号)  公団住宅家賃値上げ反対等に関する陳情書  (第三〇二号)  日本住宅公団箕面粟生団地分譲価格引上げ反  対等に関する陳情書  (第三〇三  号) は本委員会参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  参考人出頭要求に関する件  下水道事業センター法の一部を改正する法律案  (内閣提出第三七号)(参議院送付)  宅地開発公団法案内閣提出、第七十二回国会  閣法第四三号)      ――――◇―――――
  2. 天野光晴

    天野委員長 これより会議を開きます。  去る二十六日参議院より送付され、本付託となりました内閣提出下水道事業センター法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、提案理由説明を聴取いたします。仮谷建設大臣。     —————————————
  3. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 ただいま議題になりました下水道事業センター法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  現行下水道事業センターは、地方公共団体に対する技術的援助を主たる業務とし、あわせて地方公共団体からの委託を受けて下水道根幹的施設建設を行うものとして、、昭和四十七年十一月に設立されました。  その後、生活環境改善に対する国民要望は一層高まるとともに、水質環境基準を達成するため下水道を緊急に整備することが全国的に必要となってきており、下水道事業を実施する地方公共団体が急増いたしております。一方、事業を執行するための体制が十分でないため、技術的援助だけでは下水道を緊急に整備することが困難な地方公共団体が少なくないのが現状であります。このような事情から、下水道事業センターに対し下水道根幹的施設建設の受託を要請する地方公共団体は年々増加しており、この傾向は今後ともさらに強まるものと考えられます。  このような情勢に対処し、水質環境基準の達成に必要な下水道建設をより一層推進していくため、現行下水道事業センターを拡充改組して、委託による下水道根幹的施設建設を主たる業務とする日本下水道事業団とすることとした次第であります。  以上がこの法律案提案いたしました理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。  第一に、下水道根幹的施設建設を主たる業務とすることに伴い、その名称を日本下水道事業団と改称することとし、法律の題名を日本下水道事業団法に改めることといたしております。  第二に、目的を改正し、本事業団は、下水道整備を促進することにより、生活環境改善公共用水域水質の保全に寄与する趣旨を明らかにいたしております。  第三に、本事業団は、下水道根幹的施設建設を主たる業務とすることを明確にするとともに、新たに、地方公共団体委託に基づく終末処理場等維持管理地方公共団体下水道技術者技術検定等業務を行うことといたしております。  また、本事業団は、終末処理場等建設を受託する場合においては、原則として、水質環境基準を達成するために必要な終末処理場等を優先させることといたしております。  第四に、これらの業務の拡大に応じて、役員として新たに副理事長を置く等業務実施体制の強化を図ることといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださるようにお願いをいたします。(拍手)
  4. 天野光晴

    天野委員長 以上で提案理由説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  5. 天野光晴

    天野委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  宅地開発公団法案審査のため、四月十七日木曜日、参考人の御出席を願い、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  また、本案審査のため、本日、日本住宅公団から総裁南部哲也君、理事上野誠朗君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの御意見質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。      ————◇—————
  9. 天野光晴

    天野委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。  ただいま本委員会において審査中の内閣提出宅地開発公団法案について、地方行政委員会及び運輸委員会から連合審査会開会申し入れがありました。これを受諾するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  また、農林水産委員会から連合審査会開会申し入れがありました場合にも、これを受諾するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会開会日時につきましては、委員長間協議の上決定されますが、四月十五日火曜日開会の予定でございます。  なお、お諮りいたします。  連合審査会において、宅地開発公団法案審査のため、参考人から意見を聴取する必要が生じました場合の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  13. 天野光晴

    天野委員長 次に、内閣提出宅地開発公団法案議題といたします。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。瀬崎博義君。
  14. 瀬崎博義

    瀬崎委員 田中前首相の金脈問題に絡んで、土地転がしによる反社会的な大もうけは、国会でも、また世論の厳しい追及も受けたわけでありますが、日本住宅公団による大手不動産業者のしりぬぐいも、たとえば光明池事件など代表例一つであるし、すでに昭和四十六年には「疑惑住宅公団」という一冊の本にまでなっているくらいであります。おそらくこういう点は大臣御存じだと思います。  いま提案されております宅地開発公団法案において、計画的な公正明朗な用地取得が期待できるのかどうか、これを判断する上で、宅地開発公団事業手法がよく似ている住宅公団用地取得のこれまでの実績を政府としてどのように考えているのか。これを検討する必要があると思うのです。建設省でも、公団用地取得について、第一に住宅地として開発可能な現実性があるのかどうか、第二に値段は妥当かどうか、第三に土地の過去のいきさつに問題がないかどうかというふうな点について行政指導しているという説明担当官から受けたのでありますが、これが、事が持ち上がったために形式的なもの、その場逃れの仏をつくっただけのものなのか、魂の入った具体的な効果の期待できるものなのか、この点なのでありますが、土地を安く買い占め、それを不動産業者間で転がし、値をつり上げて公団に高く買わせる、公団はそうとわかっていてこれを買う、こういうことについての建設大臣の基本的な考え方をまず伺っておきたいのであります。
  15. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 土地問題については、いろいろ忌まわしきことを議会でもいろいろと資料等で明らかにされた問題等もありまして、私どもは今後のこうした問題の処理については、あくまでも厳正に公正に問題の処理をいたしていかなければならぬと思っております。しかも、宅開公団は非常に大型の宅地開発をやるわけでありますから、そういう意味で、土地取得等につきましては特に留意して、国民疑惑を受けることのないようにしなければならないことは当然の姿勢であります。
  16. 瀬崎博義

    瀬崎委員 私は、だから具体的な問題でどういうふうに政府が処していかれるのか、そのことでひとつ判断していきたいと思うのですが、これは上田金脈とも呼ばれております上田建設グループ土地転がしなんであります。すでに私二月二十七日の予算委員会分科会でほぼ全容を明らかにしております。  問題の滋賀県のびわこニュータウン計画、約六百ヘクタール余りの土地は、大半が上田建設グループに属する大和不動産京都レース日本レース伊吹建設を主役にいたしまして、あと土曜会グループと言われている大林組とか戸田建設大成道路、その系列の有楽土地などがいろいろな形で関連をいたしまして、複雑な土地転がしを形成し、ひどいところでは十倍以上にも地価をつり上げたのであります。転がされてきましたこれらの土地をすべて買い取ることによって、滋賀県の土地開発公社はこの上田金脈の一種の共犯者になったわけであります。同時に、また明らかになったところでは、滋賀銀行は大蔵省のたび重なる通達の枠をはるかに超えて公社融資を行いまして、無軌道な転がしの買収を可能にしたし、そういうことで、これまた同じような共犯者となっているわけであります。こうした結果、この滋賀県の土地開発公社は、五十年一月末で借入残高が二百五億、未払い金二百五十七億円、合わせて四百六十二億円もの債務を負うに至りまして、事実上倒産状態に陥った。言うなら、こういういわく因縁つき土地住宅公団用地対象として適切なものなのかどうか、大臣のお考えを伺いたいのです。
  17. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 御指摘の土地、約五百ヘクタールの土地でございますけれども、これが住宅公団適地であるかどうかということにつきましては、いままでのいきさつ等も勘案いたしまして、これから十分に検討しなければ即断できない問題だと考えております。
  18. 瀬崎博義

    瀬崎委員 この滋賀県の土地開発公社日本住宅公団事業参加申し入れているわけであります。一番問題になりますのは、一体住宅公団は、問題の土地、つまりニュータウン計画内の一角、東部地域といわれているのでありますが、約九十九ヘクタール、この土地を買うのか貰わないのか、率直に答えていただきたいのです。
  19. 南部哲也

    南部参考人 お答えいたします。  私ども支社におきましては、地方公共団体と密接な連携をとって建設用地を確定していくという方向をとっております。そういう意味で、滋賀県知事大阪関西支社長から協力申し入れをいたしました。その結果、知事の方から公社の方にその旨の話がございまして、公社から関西支社長に対して御返答があった、そういう文書経緯は存じております。  ただ、この問題は昨年の夏ごろに起った問題でございますが、当時総需要抑制のもとにおいて公団としては非常に資金繰りに苦慮いたしており、したがいまして、十分に検討した上でこれをいずれにするかということを決定するということで、その後ずっと検討段階で来ておりまして、本年になりまして、武村知事が私のところに参りまして、そしてこの問題についてどういうふうに措置するかということでございましたので、大阪関西支社長とよく話し合いをするように、いろいろ問題のこともございますので、そこら辺の点につきましては、十分に県の決定に従って、これによってわれわれとしては検討いたしていきます、ただ金の面では非常に制約がございますので、御要望のように九十九ヘクタール買えるかどうかというふうなことは、これはまだまだ検討段階の問題でございまして、ただ県がこういう琵琶湖の開発をする、ニュータウン開発をするということについては十分に御協力は申し上げましょう、こういう話にして現在に至っている次第でございます。
  20. 瀬崎博義

    瀬崎委員 重ねてお聞きいたしますけれども、慎重に検討中というその具体的な内容として一番問題になっているのは、結局資金の問題だけなんですか。ほかにはありませんか。
  21. 南部哲也

    南部参考人 資金の問題と申しますのは、一番大きなそれにからむ問題といたしましては買収単価の問題でございます。公団は、御承知のように、土地鑑定者平均時価というものをもって現在一応時価として、それを基準相手方折衝をするということにしておりますが、お話のように転がしのあったものにつきましては、相手方に、もしわかるならば取得原価その他を知らしていただきまして、その後の金利なり管理費を加えてどうなるかという原価計算両方参考にしてきているわけでございまして、したがいまして、資金面でいいますと、これは単価とそれからどれだけの広さを取得するかという両方の問題がからんでくると思います。
  22. 瀬崎博義

    瀬崎委員 総裁はいま、話は八月ごろにあった問題であるということ、それから滋賀県知事の方から申し入れがあった、こういうふうに言われたけれども、しかし、私どもが所持している文書による限りば、まず住宅公団とそれから県、公社の間の公式な折衝は四十九年、昨年の四月一日付、住宅公団大阪支所長から野崎前県知事あて滋賀県における住宅供給事業への参画について」という文書が出されたことに始まっております。その中にば「貴県の計画しておられる住宅供給事業にも是非参画させていただきたい」とあり、この公団申し入れを受けて、前知事が四十九年四月十二日に県開発公社に対し「今般日本住宅公団から、県南部地域における住宅供給事業参画したい旨申入れがあったので御了知のうえ、低層住宅整備等びわこニュータウン開発計画に適合する場合は日本住宅公団事業参画について協議するよう配慮されたい。」と要請している。ですから、これはあくまで住宅公団側がぜひとまで言って参画申し入れたことが出発点になっていることを証明しているのではないかと思うのですが、いかがですか。
  23. 南部哲也

    南部参考人 公団といたしましては、かねて滋賀県に住宅適地を求めて進出したいということで、たとえば現在でもすでにローズタウンにおいては住宅建設をしております。そういうようなことで、各支社には、各県あるいは各市町村とよく連携をとって、その地方計画に基づくものであるならばそれに援助できるような方向住宅建設も進めていくようにという指導はいたしております。その指導の一環として四月の文書が出たものとわれわれは解している次第でございます。
  24. 瀬崎博義

    瀬崎委員 私の質問に答えていただきたいのですね。事の起こり、出発点は、公団側イニシアチブをとったものではないかと、こういうことなんです。
  25. 南部哲也

    南部参考人 公団側イニシアチブをとったものではございません。
  26. 瀬崎博義

    瀬崎委員 そうしますと、この文書の中には、さらに、承るところによればというふうなことまで書いてあるのですが、一体どこから県南地区における住宅供給事業内容等について、情報等について承ってこられたのか、とにもかくにもおたくの方がまず先にそういう計画があることを知ってこの文書を出したという、だれが読んだってこれが理解できる文書内容なんですが、おたくが読まれたらそう理解できませんか。
  27. 上野誠朗

    上野参考人 ただいま総裁からもお答え申し上げましたように、かねて住宅公団は、一般的に申しまして、関係各県の開発計画に即した住宅供給をいたしたい、こういうふうに考えておるものですから、滋賀県につきましても、公団として努力すべき事業があるならばぜひ努力させていただきたい、こういうお話をいたしましたところ、県の方から、びわこニュータウンのこともあるから、それならば正式に文書を出していただきたい、こういうお話がありまして、四月一日にその文書を出したわけでございます。したがいまして、その中にやはり「承わるところによりますと、」と、こういうふうに書きましたのは、その前にそういうこともあるからひとつ文書を出してみろ、こういうふうに言われまして出した文書でございますので、そういうふうに書いたわけでございます。
  28. 瀬崎博義

    瀬崎委員 しかし、その口頭による県の依頼に対しては「是非参画」というふうにわざわざ「是非」という言葉が使われていることを十分記憶しておいて欲しいと思うのです。  その後です。去年六月一日付で開発公社の方から住宅公団へ「びわこニュータウン開発計画への事業参画について」という回答書の形のものが出されている。文書では「貴公団から参画申し入れがあり、当公社としては、この事業の円滑と早期完成を達成するため、是非ともご協力を賜りたくお願い申し上げます。」。そして具体的に「貴公団参画にあたり、開発区域検討をしたところ、計画東部区域において約九九〇、〇〇〇平方メートル余の目途がついておりますので、何卒、ご検討のうえ、何分のご見解を賜りたく」と述べている。これを受けて七月二十六日、住宅公団関西支社から県開発公社に対して「びわこニュータウン開発計画への事業参画について」という公団正式了承文書が出されておりますね。それによりますと、「当公団といたしましては、御申し出趣旨を了承いたしまして、同地域における良好な住宅建設参画いたすべく、県御当局及び貴公社の御指導と御協力を頂きながら検討協議を重ねてまいる所在でございます」となっております。ここにははっきりと「御申し出趣旨を了承いたしまして」と述べており、これは明らかに——公団がよく言われるのですが、単なるラブレターだ。そんなものではなくて、婚約の承諾を意味しているのではないかとわれわれは思うし、この文書、四通のやりとりがありますが、これはだれが読んだって恐らくそう受け取るのが私は妥当だと思うのですね。もし公団回答が不十分であるならば、いまのやりとりをお聞きになって大臣がどう判断されるか、お聞きしたいと思うのです。まず公団の方から。
  29. 上野誠朗

    上野参考人 四十九年の七月二十六日に、先生がおっしゃいましたような文書公団から出しております。それで、それは公社からお話がありました東部地区住宅適地としての調査検討対象になり得る、そういうふうに判断いたしまして今後調査検討をいたしたいという約束をいたしたものでございます。     〔委員長退席服部委員長代理着席
  30. 瀬崎博義

    瀬崎委員 大臣、ちょっとお伺いします。これは政治的な内容も含んでいるでしょうが、そういういきさつがあったわけですから、当然この約束公団側としては果たすべきだとお考えですか。それとも、そういうところまではいっていない文書だというふうにお考えですか。公団の表現を使いますと、ただこれはラブレターを出しただけだ、こう言っているのです。われわれはここまでいけば、これは確実に婚約は成立している、こう考えるのですね。どっちです。
  31. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 どうも経緯はよく知りませんけれども、やはりお互いに仕事協力して進めるためにば、善意話し合いをし協力をして進めるべきであって、それが問題なしに善意に進んでおれば恐らく問題はなかったと思うのですけれども、途中でいろいろこういうふうな思いがけないような問題が出てきたものですから、そういうことが進めていくための一つの障害になっておるのではないかと思いますし、どちらが後とか先とかいう意味じゃなしに、私は、公団仕事をするにしてもやはり地元とも相談の上で善意協力し合っていかなければならぬものですから、、そういう意味から出発したのではないかという感じが実はいたしておりまして——それでいかがでしょう。
  32. 瀬崎博義

    瀬崎委員 思いがけない事態が起こったのかどうか、思いがけない事態かどうかは後でまたお話をいたします。  公社側が今日倒産状態に陥るような過重な土地買いをやったことについては、実はいまの文書、九十九ヘクタールについて公団側が了解されたものと、こうとっておるわけですね。しかも八月八日に公団側は大ぜいで現地調査もしていらっしゃるわけでしょう、御存じと思うのですね。このときには大阪支社用地監理課長宅地管理課長用地第一課長、それから鑑定士も含めて大体十名前後現地調査に参加しているようですね。ここでさらに公団側意思表示がはっきりしてきたので、この後八月、九月に開発公社土地を買った、これが公社理事長の主張でもあるわけなんです。ですから、こういう点を考えて、いまごろさあ資金が困っているとかなんとか、単価がどうだこうだとおっしゃるけれども、そんなことはそのころの事情に含まれておったと私たちは考えざるを得ないわけですね。公団側はどうですか。
  33. 上野誠朗

    上野参考人 四十九年度、ことに上半期におきましては、住宅公団も非常に資金状況が悪うございまして、四十九年度は大体用地取得するにいたしましても当年度四十九年度に買収して使用できるものに限る、相当長期にわたって寝かすような土地資金逼迫の折から買わない、これが四十九年度における私どもの方針でございまして、これは各支社にも十分徹底いたしております。  ことにこの問題のときは、四十九年度上半期でございますので、特に資金が逼迫しておる状態のときでございます。したがいまして、検討するとは申しても、相当長期検討であり、すぐ直ちに検討が終わって公団が買い得る、こういう状況にはございませんでしたので、支社においてすぐ買えるようなニュアンスの意向を表明したものとは私ども考えておりませんし、それからまた、検討段階でございますから、現地調査はいたします。  ただ公団川地買収手続といたしましては、現地調査をし、それから鑑定依頼もいたしまして、その上でまず交渉を開始してよろしいかという意味審議を、これは支社にもそういう会がありますし、本社では理事会がありまして、それにかけて決めます。それで初めて交渉開始、こういうことになるわけです。交渉いたしまして契約成立段階になりますと、取得をしていいかという意味合いで支社本社ともにそれぞれ審議会理事会にかけて意思決定をする、こういうことになっておりまして、本件についてはまだその交渉開始手続も進んでおりません。値段交渉地元公社といたしておりません。ただ事前の調査公団でいまやっておる、こういう段階でございます。
  34. 瀬崎博義

    瀬崎委員 それほど資金が逼迫しているような去年の上半期であったとするならば、はっきりと公社側対象になる土地九十九万平方メートル余りを具体的に指摘して一定の打診を行ったのに対し、お申し出趣旨を了承いたしましたとはっきり断定的な言葉を使って手紙を出している、そのこと自身が私は大変問題になってくると思うのですね。それを前提にして調査に入っているのだから、県の方の了解が、当然受け入れられたものとなったって、しかたがないことだと思う。内部的な事情はともあれそんないいかげんなことがもし今後とも通用すれば、宅開公団などでこんなものが大規模に拡大されたらそれこそ混乱は大変なことになると思う。したがって、これは政府側の責任において一ここは完全に公団側公社側の理解が違ってしまっているわけです。合意点は一体どこにあるのかということをはっきりさせていただきたいので、はっきりさした上で大臣に本委員会に報告をしていただくようにお願いをしたいと思う。答弁を求めたいと思うのです。
  35. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 ただいま公団の方からもお答えがありましたように、この経緯やりとりの中身を考えてみますと、これは住宅公団の内部において交渉に入るべきかいなかというような事前の打診というふうに私どもは受け取っているわけでございまして、したがいまして、建設省に対しましては、公団の内部意思が固まらない段階でございますので、何らの連絡もまだないわけでございます。そういう意味におきまして、建設省としましては、公団内部のそういう交渉に入るべきかいなかの意思が固まりませんと、建設省としてどういう指示をすべきかということについてまだ具体的な用意をする段階にないわけでございますが、いま先生のおっしゃいますように、その建設省としての態度をはっきりさせるべきであるということでございまするならば、いままでの経過等を踏まえまして公団ともよく相談してみたいと思います。
  36. 瀬崎博義

    瀬崎委員 私が求めているのはそうではないわけなんです。余り建設省が責任逃れをするようだったら、どういう目的で行かれたかは別問題として、相当責任ある地位の人が昨年現地を訪れているということについてもわれわれここで明らかにせざるを得ないわけなんです。よくよくあなたの方ではいきさつ現地も承知しているわけなんです。そういうことも含んでおいていただきたいし、私が求めているのは、公団側公社側と同一の往復文書について理解が完全に違っているわけです。だから、双方の一致すべき理解点は一体どこにあるのかということについては一遍政府が中に入って本委員会に報告してほしい、こういうことを求めているわけです。これはひとつ大臣に答弁を願いたいと思うのです。
  37. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 どうも経緯がよくわかっておりませんけれども、いまあなたのいろいろ質疑内容を聞いてみますと、かなりいろいろ経緯があるようでございます。私も初めて聞いたところでありますから、一体公団公社とのいろいろな考え方の食い違いですか、そういったものを一遍よくはっきりさしてみましょう。そしてそのしたことを報告せいというなら御報告して結構であります。
  38. 瀬崎博義

    瀬崎委員 次は、先ほど大臣が言われた思いがけない事態が入ったためにという、思いがけない事態かどうかの問題なんですね。そもそも住宅公団事業参加が求められているニュータウン地域というのは、昭和四十五年の十月に滋賀県が出したびわこニュータウン基本計画でいきますと——これでありますが、これは御存じのはずですね。公式のものです。それでいきますと、民間が区画整理事業方式で開発することとされていたところに該当するわけであります。もちろんこれにはずいぶんと建設省の方々がマスタープランづくりに参画していらっしゃいますね。よく御存じだと思います。それとほぼ符合する形でびわこニュータウン土地区画整理事業基本計画なるものが四十八年の一月十九日付で作成されております。これは私この間予算委員会分科会の方で一応明らかにしてありますが、これであります。それによりますと、主な点は、京都労働者住宅生活協同組合、西武鉄道、日生不動産の三社が共同施工する、京阪神大都市圏の住宅需要に対する対策と同時に湖南全域にわたる工業開発と歩調を合わせた住宅開発を目的とする、対象面積四百四十四・六六ヘクタール、人口三万のニュータウンをつくる、大体施行年度が四十八年から五十年、五十五年、五十三年と三地区に分けてあります。資金が十七億四千四百万円等となっております。先ほどの六月一日の土地開発公社住宅公団あて文書の中でも、「民間宅地造成企業を含めて、別添計画図のとおり「びわこニュータウン計画」を進めていますが、今般、民間ペースでは期待できない状態となってきました。」と、こう言っているわけです。はっきりとこういうふうに公社側公団事情説明しているわけです。初めは民間ペースで綿密に計画されておりました区画整理事業が民間では期待できなくなった理由について、手紙を受け取った公団側調査してみましたか。
  39. 上野誠朗

    上野参考人 現在調査をいたしておりますのは、公社の方から申し込まれましたその地区について、単価の点はどうであるかあるいはいろいろな工法上の制限がある土地ではないかどうか、あるいは開発手法をどういう手法でやればいいのか、そういった点を調査しておるわけでございます。
  40. 瀬崎博義

    瀬崎委員 大臣、問題はここなんですね。まず、もともとの計画では開発公社がやるのではなくて民間ぺースで区画整理事業をやる予定だったのです。民間ぺースがだめになったと開発公社がわざわざ明記をしているわけですから、住宅公団として疑惑を持たれない用地取得をするためには、その理由等当然調査するか問い合わせしておくのが筋だと思うのです。いかがでしょう。建設省はどう考えます。
  41. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 いままでの経緯をお聞きしますと、公団が相当その過程において公社側交渉したということであり、その一つの往復文書、あるいは交渉一つの過程としてそういう返答があったというのであれば、まあ公団としてもそれについて調査をするということがあってしかるべきかと思います。
  42. 瀬崎博義

    瀬崎委員 ところが、そういう調査はいまないわけですね、ほかの調査はしていますけれども。それなのに後で了解しましたなんというような文書を出したのは、私は非常に軽卒だと思うのですよ。しかし、出してしまったものは仕方がないから責任をとってもらわなければいかぬと思いますよ。京都労働者住宅生活協同組合というのは上田建設グループの身がわりなんです、西武鉄道、日生不動産ともすでに土地取得をほぼ達成した上で区画整理事業の基本計画をつくっているわけですから。しかも四十六年九月、四十七年六月、四十七年九月と三回にわたりまして県、大津市、草津市の関係各部局と詳細な打ち合わせを行った記録も、この区画整理事業の基本計画の中には詳しく付記されております。これですね。非常に詳しく出ております。  常識的に考えますと、これが施行を進める上で障害は何もないと考えられるのじゃないかと思うのです。これまで区画整理の計画が進められたものが放棄されたことについて、その理由として考えられるのは一体どういうことだろう。建設省は薄々この計画のあったことをどうも担当官は知っていらっしゃるようでありましたから、お聞きしておきたいと思うのです。
  43. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 建設省としましては、いまおっしゃいましたように薄々という言葉を使われましたけれども、毎年、年度当初におきまして、これは定例的でございますけれども、いろんな事情収集あるいは全国的な公的宅造の状況把握という意味もありまして、また資金的な総量の把握というようなこともありまして、公的宅造につきまして一回ヒアリングを行っております。その中に御指摘のニュータウン計画等も入っていることは了知しております。ただ、しかし、これは具体的に個々の計画について指導するというような意味のものではなかったことは御了承願います。
  44. 瀬崎博義

    瀬崎委員 結局この基本計画は、これだけ綿密なものがつくられながら、不思議なことにやみからやみに葬られてしまっているわけです。今日ではもう雲散霧消しております。がしかし、建設省自身も御承知になっているくらい、一たんは非常に実行を前提としてつくられたものであった、こういうことは事実であります。  この民間の三社がやってうまくいかなかったものが公団公社がやったらうまくいくなどとは、これまた常識的には考えられないのであります。しかも区画整理が計画された段階から、さらに二社ないし三社の手をくぐって公社土地が持ち込まれているわけでありますから、その間の値段のつり上げなどを考慮いたしますと、どんな事業のやり方をするにいたしましても、さらに条件の悪いものになってくるはずであります。上田建設グループらが土地区画整理事業を不利と見て御破算にした上、その後始末を住宅公団が肩がわりするのではないかという疑惑にこの際やはり正しく答えようと思ったら、これはもう民間三社による区画整理事業計画がどうして住宅公団住宅建設用地計画に置きかえられたのか、そのいきさつが当然これは明らかにされなければならないと思うんですね。もしこの点について、いますぐ報告できないということであるならば、当然のこととしてこれは後日、本委員会に報告をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  45. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 いろいろないきさつ公団との間にあったという先生の御指摘でございますが、私どももそういう事実は具体的には余り詳しく知っていないのでございます。したがいまして、公団と相談いたしまして、そういうことを確かめました上で、その具体的な内容及びこれに対してどう考えるかということにつきましては、後日御報告いたしたいと思います。
  46. 瀬崎博義

    瀬崎委員 いま一つ、私がいま申し上げました中で、もしこのままそういう綿密な調査と実態把握をしないで住宅公団がこの用地の上に乗ったら、当然のことながら上田グループの土地区画整理を破棄したその後始末の肩がわりをやったと、こうこうふうに言われることになるだろう。この点は理解されますね。
  47. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 新聞紙上等でもいろいろ疑惑が取りざたされている問題の土地でありますから、これに対処するのには国といたしましても慎重な態度で臨まなければならないと考えております。
  48. 瀬崎博義

    瀬崎委員 時間がありませんので、はしょって、まとめの方に入りたいと思うのですが、第一の問題は、そもそもこんなことが起こってきた最大の根源は、この上田グループの金権選挙の資金源となったと言われております土地転がしに問題があるわけなんですね。  第二は、建設省住宅公団も、いまのやりとりをお聞きになっておわかりのように、それぞれ何にも知らない第三者とは言えない立場に置かれている、この認識も必要なんです。さらに公団などは当然当事者の一人という重大な責任を負っていることも明らかだし、さらにこのマスタープランの作成ということになれば、建設省はずいぶんとこれに貢献をしておられるわけですね。結果としてはそれが行きがかりみたいになっておりますが……。  第三に、この問題は、この土地転がしが不動産業者の側にとってめでたく完結し、われわれはただその後追いをやっているというのではなくて、政府の政治姿勢と努力次第では一定の解決の余地が残されている問題でもあるわけです。なぜかと言いますと、開発公社が買ったとしております問題の東部地区九十九ヘクタールの土地の売り主、飛栄産業というのは、登記上の所有権者にはなっていないのであります。これはどういう存在なのか非常に不明確なんですね。公社は飛栄産業から確かに買ったと言っている。しかし登記を調べれば、飛栄産業が現在土地の所有者になっておりません。それのもう一つ前であります。また、昨年の五月、八月、九月に公社が買った東部及び西部地域土地代、合計約三百億円近くなるのでありますが、払われたのはその一割程度にしかすぎないということであります。さらに、開発公社が今日保有しております土地の約半分は、去年の五月、八月、九月の買い物である。こういうことなどは、駆け込み的な売買であったことを十分推察させるものなんですね。したがって、転がしのツケを国民に回すのではなしに、転がしによる不当な利益を排除する方向での解決は図り縛る余地が十分現在なお残されている。先ほど私が二つの報告、つまり公団公社意見の食い違いが一体なぜ発生したのか、そういう問題。それから、いまニュータウン基本計画や区画整理事業、これが御破算にされて住宅公団に乗りかえられたそのいきさつ。こういうものの報告を要求したのも、その解決策の助けにしたいためであるし、当然政府としても、金権政治追放を願っている国民の期待にこたえる、また国民の利益を中心に考える、こういう方向で解決を図る点について、これは当然大臣のお考えになることだと思うのですね。ですから、私はひとつそういう政府の真剣な努力を要請したいので、その答弁を大臣に求めて、適切な答弁が得られれば私はこれで終わりたいと思うのです。
  49. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 答弁の次第によってはという、何か余韻の残ったような御質問ですけれども、私もこの問題は、いろいろ新聞等で見ましたし、経緯もいろいろ承知をいたしておりまして、いずれにしてもまことに不明瞭なことであるし、残念なことだと思っております。  ただ、これはいわば滋賀県の一公社の問題、住宅公団がこれに介在しておるとは申しましても、そういうような問題でありますから、そういった地域の問題がいろいろと検討され、そしてこれは収拾をつけなければならない問題です、いずれにいたしましても。そういう段階において公社公団あるいは県等とも十分相談をして、必要があれば私どもも慎重に対処してまいりたい、かように存じております。  どうも、これ以上の答弁を御要求いたされましても、私どももちょっとお答えができませんが、いずれにしても慎重に対処してまいりたい、かように存じております。
  50. 瀬崎博義

    瀬崎委員 ただ、一つ大事な点は、一体転がされてきた土地の、言うなら値段のつり上げ分です。このツケを国民へ回すのか、それともつり上げてきた張本人の方へ回すのか、これはどちらでもできる状態にいまあるということなんですね、われわれの認識では。その点で、政府は一体どっち側の味方になってこの問題の解決を図ろうとされるか、ここだけはっきり言っておいてください。
  51. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 ツケの問題という表現をとられましたけれども、先ほど公団からも答弁申し上げましたように、取得する場合には適正な価格ということで、諸種の鑑定等を経て、国民の納得のいくようなオープンの場でこれを決定するということが何よりも必要な姿勢ではなかろうかと思います。そういう意味で、価格につきましては、厳正な態度で正確な資料に基づいてこれを取得するという姿勢が一番肝要かと存じます。
  52. 瀬崎博義

    瀬崎委員 厳正で、かつ公正なと言われましたが、その中身には、国民疑惑を持つような黒い霧もこの際明らかに晴らす、そういう内容が含まれていると理解しておいてよろしいですね。
  53. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 先ほど御答弁いたしましたように、そのいきさつ等につきましては、後刻公団等ともよく相談いたしました上で、なおそれに必要があれば調査をいたしまして、御報告いたします段階におきまして明らかになると思います。
  54. 服部安司

    服部委員長代理 北側義一君。
  55. 北側義一

    ○北側委員 時間が余りありませんので具体的に聞いてまいりたい、こう考えております。  まず、わが国の住宅対策の基本的な方向、これがどのようになっていくのかということについてお聞きしたいと思うのです。一つ一つ申し上げますので、その一つ一つについてお答えいただきたいと思います。  まず、第二期住宅建設五ヵ年計画、これも昭和五十年度で終了するわけでありますが、いわゆる公的資金の公営住宅及び公団住宅の達成率は一体どれぐらいと見ておられますか。
  56. 山岡一男

    ○山岡政府委員 第二期住宅建設計画の進捗率でございますが、昭和五十年度の計画戸数が完全に達成できたということを前提といたしまして、公営住宅につきましては七九・七%、改良住宅につきましては五三・二%、公庫住宅につきましては一一六・六%、公団住宅では六三・五%、その他の住宅では八三・六%、公的住宅の計では九二・六%という達成率になる見込みでございます。
  57. 北側義一

    ○北側委員 では、いまお聞きしたところでは、住宅建設の目標を非常に下回っておるわけですね。下回った理由を簡潔に述べてください。
  58. 山岡一男

    ○山岡政府委員 公的住宅の立ちおくれの原因といたしましては、特に公営住宅公団住宅等につきましては、大都市における建設が著しくおくれております。その主な理由といたしましては、やはり関連公共公益施設の整備に対します手当てが不十分であったこと、それから、一部につきましてはやはり土地買収が困難であったこと、それからやはり特に大規模なものについては、足の問題、水の問題等を中心とします地元との調整が難航したこと等がその主な原因でございます。
  59. 北側義一

    ○北側委員 それとあわせて、ずっと聞いてまいりますが、五十年度の予算においては、公営が一万戸減、公団が一万戸減。特に、その公団の中でも賃貸は一万一千戸減、分譲が千戸増、こうなった理由は何ですか。
  60. 山岡一男

    ○山岡政府委員 先生お示しのとおり、全体といたしまして公営住宅では一万戸減になっております。ただ、これにつきましては、昭和四十九年度の当初の予定が九万五千戸でございましたけれども、現実には年度内におきます単価のアップによりまして、八万二千戸ばかりに減っております。それを見込みまして、さらに一部の繰り延べ分を考慮いたしまして八万五千戸としたというものでございます。それから、公団住宅におきまして、特に賃貸と分譲の比率が問題になっておりましたが、いままで御報告しました数字の中で、賃貸が二万四千戸、分譲が三万六千戸ということになっておりますが、この分譲の三万六千戸の中にございます特定分譲と申しますのは、土地所有者の方に公団が上物をつくって差し上げまして、そこで賃貸住宅として経営なさるというものでございまして、実質は賃貸住宅でございます。それを賃貸の方に足しますと、やはり三万一千戸と二万九千戸ということになりまして、若干ではございますが賃貸の方が多いというのが実情でございます。  なお、公団の戸数の一万戸減につきましても、四十九年度の七万戸が、実質は単価増によりまして、五万戸に減っております。昭和四十九年度の発注状況を見ますと、前年度の繰り延べ分と合わせまして、約六万戸をちょっとオーバする程度の発注になる見込みでございます。それらの実情を勘案いたしまして、五十年度は六万戸の計画を出したということが、全体の予算の計上の実態でございます。
  61. 北側義一

    ○北側委員 いまこう聞いてまいりまして、結論としては、一つはいろいろな理由があったにいたしましても、第二期住宅建設五ヵ年計画は未達成であるということですね。それとあわせて、本年度あたりの予算を見ましても、特に公団あたりでは賃貸よりむしろ分譲に移っていく気配があるわけです。そういうことを考えますと、次に第三期住宅建設五ヵ年計画がいま策定が進んでおると思うのですが、これについては一体計画戸数を何戸ぐらい考えておられるのか。また公的資金住宅、公営住宅、また公団の場合は賃貸、分譲、一体これはどのくらい考えておられるのですか。
  62. 山岡一男

    ○山岡政府委員 第三期の住宅建設五ヵ年計画につきましては、現在鋭意作業中でございます。  ただ、中間の段階におきまして、基本的な方向づけについて、住宅宅地審議会からの御報告をいただいておりますが、それによりますと、やはり適正な居住水準を十分に検討しまして、それにふさわしい所得階層の住宅を供給することを考慮すべきだということが基本になっております。したがいまして、今後確保すべき居住水準はどの程度であるべきか。それから、それに対応する賃貸、分譲等の供給戸数を算定いたしますための所得水準から見たそういうふうな可能性はどの程度かということにつきまして、現在小委員会をつくりまして、鋭意検討しておるという段階でございまして、実際の数字が審議会等で議論されるようになりますのは、六月の初句ごろだろうというふうに考えておる次第でございます。
  63. 北側義一

    ○北側委員 新聞報道等によりますと、次の五ヵ年計画につきましては、その建設計画戸数の設定について、いわゆる事業施行主体である地方公共団体、また日本住宅公団等の施行能力を考えて、そうして積み上げ方式に転換する、このような報道がなされておるわけです。これについてはどうなのですか。
  64. 山岡一男

    ○山岡政府委員 第二期の五ヵ年計画が、いわば住宅の需要予測に立ちまして、建設計画ということでつくられたものであるという点も、一つの反省の要件の中に見込まれております。と申しますのは、やはり国の方で全体の計画をつくりまして、それをブロック計画に落とす、ブロック計画を通しましたものを今度は都道府県計画に落とす、都道府県の方は、その枠内で自分の方の計画をつくりまして建設大臣に報告をするだけ、こういうふうなスタイルでございました。いわば演繹的な計画でございました。  ところが、全国的にどこを見ましても、世帯の数が住宅の戸数を下回るというような時代になっております。したがいまして、既存のものの活用ということも重要でございますし、さらに最近の人口、産業の集中が特に過密都市を招いているということが前提となりまして、地方分散等の傾向が出ております。そういうふうな上位計画にも整合させる必要がございます。それから、地方の土地利用計画等が策定をされます。そういうものにも整合させる必要があります。それらの面を含めまして、現在第一期のときよりはもっと厳密に地方からの積み上げを中心に検討しているというのは事実でございます。  しかし、施行能力等だけを考えるということではございませんし、それから積み上げだけを頼るというものでもございまん。従来方式に積み上げ方式を加味してやるというのが、第三期の計画策定に対するわれわれの姿勢でございます。
  65. 北側義一

    ○北側委員 その点、私思うのですが、たとえば第二期の住宅建設五ヵ年計画でも、やはり公団、公営等の賃貸、低所得者が入居すべき住宅が達成率が非常に悪いわけです。そうしますと、仮に積み上げ方式でやってまいりますと、先ほどあなたが理由で言われたとおり、地方公共団体で団地建設お断りが非常に多いわけです。ますますそういう建設が減っていくのじゃないか、このように私考えるわけです。まあいま積み上げ方式だけでやるのじゃない、こちらの意思も加えてやるのだ、このようなお話でありますが、その点をひとつやはり明確にしなければいけないのじゃないかと思うのです。そうでなければ、いまここで宅地開発公団法を論議するにしましても、住宅の基本的な方向づけというものを私たちがつかまなければ、審議をやろうと言ったって、事実問題として宅開公団自身が宅地造成をやるのですから、非常にそっちなどはアンバランスになると思うのです。そういう点で私お聞きしていったわけですが、その点どうでしょうか、大臣。いまの住宅局長のああいう考え方で戸数が減るということはないのですか、絶対。大幅にダウンする、そういうことはありませんか。
  66. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 積み上げ方式というのは、場合によってはそれは責任転嫁ではないかといったような議論も実はあるわけですよ。ただしかし、地方の実態というものをつかまずに、こっちがただ調査の統計数字によって枠を決めても、実行が伴わない場合があります。本来ならばやはり地方の自治体も、自分の地域にどの程度公営住宅が必要か、公的住宅が必要かというぐらいな計画はあっていいと思うし、その計画が完全に実行されるかせぬかは別問題にしましても、そのくらいのものはあってもいいと思うから、そういう意味で私は積み上げというのは、全国的に大部分の県や市町村では一応かなり積極的にまとまった意見が出てくると思うのですよ。  ただ、一番困るのは、自分の県の要望よりもむしろ、たとえば大都市周辺ですね、東京都周辺、東京都の住宅問題を緩和するために結局地方の県や町村が、自治体が、それを逆にしょい込まなければならないという場合に、そんなものお断りということで、むしろそういうことになりますと、その地域の人々は恐らく積み上げ方式というものは迷惑千万だという考え方になるかもしれない。受ければ人のために引き受けなければならぬということになりますしね。だから、そういう問題をどういう形で解決するかということが一つの問題点だと思うのですよしかし、それにしても、その地域の人々も、ほっておけば東京都からどんどん入ってきますからね、何らかの形でそれに対処しなければならぬということになると、全く無計画でそのままでいいというわけではないと思いますから、そういった特別な地域については十分相談をしながら、必ずしもその町村や自治体に責任を負わすという意味でなしに、相談をしながら一応のめどを立てて、協力しながら実施をしていくという形で、これは周到な用意と検討が必要だと思います。お説のことはよくわかりますから、そういった面、遺憾のないようにしていきたいと思っております。
  67. 北側義一

    ○北側委員 では、宅地開発公団法の内容に入ってまいるわけですが、この事業実施区域というのは三大都市圏の周辺部、おおよそ五百ヘクタールの大規模な宅地造成、このようになっておるわけです。  そこで、まず初めに、この三大都市圏の周辺部というのは、その一として、果たして東京都内、大阪市内、名古屋市内、それぞれ通勤距離内を目標としておられるのか、それとも都市機能を備えたところの単独の都市を考えておられるのか、この点はどうでしょうか。
  68. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 結論から申し上げますと、通勤距離内と申しますか、大都市圏の現在拡大しつつある現状を踏まえまして、非常に大きなスプロール、都市拡大の圧力がありますこの現状を踏まえまして、その外周部に、外周部にという意味は、いまは大体首都圏で言いますと近郊整備地帯ということになっておりまして、その周辺部をとらえていこう、だから首都圏につきましては大体五十キロ圏、阪神圏につきましては四十キロ圏、中京圏につきましては三十キロ圏というところが、最近非常に人口及び住宅等の増加率がふえてまいっております。これを事前に大規模開発の中に吸収する、こういう趣旨でございます。
  69. 北側義一

    ○北側委員 その場合、先般来ずっといろんな質問があったと思うのですが、通勤ラッシュ、また水不足、非常に大問題が出てくるわけですね。そこらの問題の調整が非常に大変な問題になるんじゃないかと思うのです。あわせて、この新公団のいわゆる開発地域というのは、恐らくこれは市街化調整区域も入っておるんじゃないか、このように思うのですが、大体その市街化調整区域と市街化区域の割合、それを、いまだ用地買収等全然なさっておらないのですが、大体どれぐらいを見込んでおられるのですか。
  70. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 現在そういう周辺部におきましては、きわめて公共施設の整備率が薄いところでございます。したがいまして、大規模な宅地開発を行いますためにはこれらの施設を備えていかなければなりません。そういう場所でございますので、現況におきましては、この宅地開発公団適地とされるような大規模開発であり、それが適正に周辺部に配置されるような場所といたしましては、必ずしも現在市街化区域の中にこれを求めることは困難な状況にある。一部入るかもしれませんけれども、私どもの予定あるいは調査している段階では大部分が調整地域に入っている、あるいはその未指定地に入っている部分が多うございます。
  71. 北側義一

    ○北側委員 そこで、たとえば都計法で線引きが行われたわけですね。宅地開発公団がその調整区域またはいわゆるそれ以外の区域に仮に進出した場合に、都計法によるところの線引きというものは形骸化される、そういう心配が出てくるんじゃないかと思うのですね。それに対しての対策はあるのですか。
  72. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 都市計画法におきましては、市街化区域、調整区域の線引きを行いまして、市街化区域を重点的に十年を目途として整備する、こういう方針のもとに現状及び将来を踏まえまして線引きをいたしたのでございます。したがいまして、当然原則的には市街化区域からこれを開発していくという姿勢は崩しておりません。ただ、いま膨大な人口の集中及び住宅難に対処いたしますために、大規模開発の場として周辺部に整然たる宅地開発の場所を大規模開発として求めるということになりますと、これは必ずしも現在の市街化区域の中にそれを求めることが困難な場合が多いということば、先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、これが適地であり、そして計画をぜひここで実行しなければ大規模開発ができないということが計画上はっきりいたしますれば、これは都市計画における与件の変更、いままでの考えておりました与件が変更されたものとして、これを市街化区域の中に編入して、そして一部はそういう公共施設の変更等を伴いますが、そういう変更をいたしまして、市街化区域の中にこれを取り入れて取り組む、こういう方法になろうかと思います。
  73. 北側義一

    ○北側委員 実は先般東京都が土地白書を発表したわけですね。その白書によりますと、昭和三十八年から昭和四十九年にかけて都内に土地を有する企業や法人は三万七千社ふえたというのですね。合計八万社になったというのです。その保有面積も六十五平方キロ。その八割が多摩地区に集中しておる。その大半が市街化調整区域だというのですね。御存じのとおり、日本列島改造計画が発表されて、それから非常に土地の買い占めが起こったわけです。そのほとんどが調整区域及び都市計画区域外、こういうところに方々買い占められておるのですね。恐らくこの宅地開発公団事業を実施した場合にそういう土地が出てくるんじゃないかと思うのですよ。といたしますと、いま御存じのとおり、そういう調整区域とか都市計画区域外というのは都道府県知事開発許可をおろしていないのです。金利を払うのでもてあましておるわけです。そういうところをこちらが、宅地開発公団買収し、そして合法的に市街化をしていく、こういう形になるんじゃないかと思うのですね。だから、そういう買い占めた人たちにとっては、法人にとっては、これはもっけの幸いなんです。そこらが私、この法律案に対して非常に疑義を抱いておるわけなんです。それに対処するだけのものがこれになければ、これは国民から非常な批判を受けるんじゃないか、このように私自身は考えておるわけですが、これに対してはどのようにお考えですか。
  74. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 お説のとおり、法人の所有状況を調べてみますと、市街化区域内に所有しているものは、三大都市圏で大体二割でございます。調整区域の中に占めておりますのが四十何%、それ以外のところが残りでございますが、そういうような取得状況でございます。この宅地開発公団が施行する場所に、それらの法人の持っておる土地も多かろうと思いますけれども、それらは必ずしもまとまった形では存在しておらず、あるいは散在しておる場合も多かろうと思います。いずれにしましても、宅地開発公団が行います大規模な計画的な区域の確定の仕方というのは、これはアトランダムなものではなくて、これは計画的にそういう形状、位置その他を勘案して決めますから、その中に法人が持っておるものもありましょうし、あるいは農地の所有者等もあると思います。  いずれにしましても、問題は、それらの法人が困っているのが救済されるというような形で買い進みが進むことを除去するということはわれわれ同感でございます。したがいまして、われわれはこの宅地開発の施行につきましては、適正な価格において、しかも周辺部はそれによってスプロールすることのないように、調整地域等を適正に配置しつつ、国土利用計画法の許可制度等も活用することによって、そういうことのないように十分配慮しながら進めていく必要があると痛感しているところでございます。
  75. 北側義一

    ○北側委員 そういう大きな買い占められた土地がない、ばらばらにあるというようなお話ですが、いずれにいたしましても、私、これが施行された場合に、やはりそういうところは間違いなく区域の中に入ってくると思うのですね。それはもう私が土地を持っておったら手をたたいて喜びますよ。これは現在開発できないんですから。ここらに、私、この法律案に対して何らかの形のものをここでひとつやはり手を打っておかなければならないんじゃないかと思う。実際問題として、いま銀行あたりで土地を担保に入れて借っておりますね。その金利でアップ、アップ言っているんです。これは間違いなく値下がりする土地なんです。それが、宅開公団が行って買収することによって、買い占めた価格が非常に安い場合には、うんとぼろもうけになっちゃう。これじゃ買い占めた人が非常に得をして、一般庶民のマイホームを持つ人たちはいつまでたったって、何というんですか、泣かされるというんですか、そういう姿が出てくるんじゃないかと思うのです。  特にまた、たとえば宅開公団が五百ヘクタール近い開発をする。そうしますと、都計法では御存じのとおり二十ヘクタール以上は民間デベロッパーが開発していいことになっておるんです。これをぴしゃっととめられますか。たとえばそこへ企業が、引き続いて市街化をやる場合に、仮にその周辺をいわゆる調整区域にしたところで、調整区域の二十ヘクタール以上はいけるんですからね、都計法では。その人もまた非常に喜ぶと思うのですよ。そんな悪い人を余り喜ばす必要はないんじゃないかと私は思うのです。そういう点で、それに対する対応策がなければこの法律案というものはむしろ廃案にしたらいいんじゃないか、こう考えております。それについてはどのように考えておられるか。
  76. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 御指摘の点はわれわれも非常に問題点として考えておるところでございまして、大体二点あると思いますが、その都市計画区域としてこの公団の施行区域として決めました周辺への波及ということをまずどのようにして食いとめるかという問題が一つであります。それからもう一つは、その区域の中に入っている法人の土地取得することによって、法人が、不当とは言わないまでも、救済されるということでございます。  第一の点につきましては、周辺への波及がないようにいたしますための一つの方法は、先ほど言いましたように、与件の変更が起きたのは、その宅地開発公団という公団の使命といたしまして大規模な大量供給を行うためにそこが必要になったということでございますから、それ以外のところは必要がないわけでございますから、その周辺部は調整区域等で残しておくということであります。そこで、その中で二十ヘクタール以上のものが開発され得る余地は現行都市計画法上ございますけれども、これにつきましては都市計画法上は二十ヘクタール以上のものであれば許可しなければならないことにはなっていないのでありまして、これは許可しないこともできるのでございまして、この運用、つまり波及、スプロールということを極力防ぐという姿勢をわれわれは強く堅持していかなければ、これが核になってその周辺部に波及していくというようなことになるようでは、これがスプロールのまた原因になるということを考えまして、都市計画開発としてはきわめてまずいやり方になると思いますので、その点は十分留意いたしたい。  それからその中に含まれている法人の土地等につきましては、これは法人たると個人たるとを問わず、適正な価格によりまして公示価格を中心としてこれを取得するわけでございまして、この点につきましては法人の譲渡益の税制等の強化等によりまして十分対処いたしたいと思いますし、それにつきましても、この税制の問題というのは今後の一つの課題でございますので、今後とも様子を見ながら、この税制措置というものを十分にこれが強化の方向考えていくべきであろうというふうに考えております。
  77. 北側義一

    ○北側委員 都市計画法ができてから今日まで一体この二十ヘクタール以上の開発というのは何件で何平米、どれだけ許可なさっておられますか。
  78. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 いますぐ資料で調べますので、しばらくお待ちください。
  79. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 ちょっと私、資料ができるまで……。  先ほどから北側先生お話しなさっている問題、私ども宅開公団によって大規模な宅地開発をするときに一番実は心配しておる問題はそれなんですよ。せっかく土地がいま鎮静化しているときでしょう。またこういうことをやり出しますと、逆に土地の値上げを招くのではないか。これは国土庁長官も見えておりますが、非常に問題になり、閣議でもそのことが非常に強く心配されておる問題であります。いわんやいままで土地転がしをやってもうけたのが、いまどうも先細りだからいまのうちに早く売ったらいい、早く買うてくださいということになって、それをまた買い上げるというようなことがあるとすれば、結局鎮静化しつつある宅地がまたどこかで歯どめをしてむしろ高値安定というかっこうになっていきますから、これはよほど厳重に注意をしなければならぬ、そういうふうに私どもは思っております。そういう意味から、この開発公団ができて大規模な開発をやるためにそのことが土地の上昇につながらないように、万全の措置を講じなければならぬ。幸い国土利用計画法もできておりますし、許可制度を考えるとか、あるいは都市計画法による区画制度ですか、そういうもの、いろいろな制度を活用して、とにかく土地の暴騰を避けてやらなければならぬということは、これは私ども一番大きな課題だ、かように思っております。
  80. 北側義一

    ○北側委員 国土庁、そういうことでこの宅開公団事業を実施する場合に、問題は国土法で規制区域にする、これはわかるのです。わかるのですが、その場合やはり知事が一応やるようになりますね。それは当然、これをやる場合には地方自治体と協議をなさり、話し合いをなさってやられると思うのですが、そこらの問題がなければ、これはやはり地価上昇の一つの引き金となっていくような傾向が出てくるのではないか、これを一番私は心配しておるわけです。そこらの国土庁側としての考え方、これをお聞きしたいと思うのです。
  81. 金丸信

    ○金丸国務大臣 土地の値上がりという問題は、住宅政策の一番のガンになるところであろうと私は思います。そういう意味で、また国土庁自体といたしましても、土地の騰貴という問題が再び起こるということになれば国土庁存在の意義もないというふうに私は思い詰めておるわけでございますが、そういう意味で、もちろんいま土地は総需要抑制とかあるいは金融引き締め、こういうことによって、また国土利用計画法の施行ということによって鎮静化しておるけれども、国土庁としては神経を非常に細やかに配りまして、実は先般の閣議においても、土地の投機的売買が行われるということについては、融資の面については十分のチェックをしてほしい、抑制を強力にしてほしいということを閣議でお願いをいたしたわけであります。なお本日、私は、総需要抑制の摩擦の中で緩和するという建設関係の企画庁長官の発言の後を受けまして、関連で、金融関係各機関に大蔵省の銀行局から通達を出していただいて、厳にこれを戒めていままでどおりやっていただきたいというお願いもいたしたわけでありますし、また各都道府県には、都市局長の名のもとに本日通達を出して、国土利用計画法の中で土地規制という問題を、いわゆる土地が投機的に扱われるというような状況になってきたならば、これを速やかに活用するというような考え方を持っていただきながら、土地というものに十分な監視を続け、また十分な国土庁との連絡の中でやってほしいという通達を出し、あらゆる努力をして土地の値上げができないように、ひとつ最大の努力をいたすわけでございますが、先生方の御協力も心からお願いを申し上げる次第であります。
  82. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 市街化調整区域内における開発許可の状況につきましては、四十八年度の資料しかございませんが、四十八年度におきまして、十号のイというので二十ヘクタール以上の開発を許可いたしましたものが二十九件、千二百六十七ヘクタールでございます。これは全体で調整区域の中で開発許可をいたしました二千七百九十八ヘクタールの約四割強ということになっております。一番多いのは一号という日常の物品の販売業、店舗等の目的、これらの件数が多うございまして、九百二十九件の千二百九十二ヘクタールに次いで、二十九件でありますが千二百六十七ヘクタールでございまして、工業団地、住宅団地あるい大学、木工団地等がそのおもな内容でございます。
  83. 北側義一

    ○北側委員 これは相当数ある。私も資料をちょっとあそこに置いてあるのですが、探すのが邪魔だからもう探しませんが、相当数あるんですね。果たしてこれは許可しないこともできるとこうおっしゃるんですが、そこらを明確にしなければ、やはりそういうところがじゃんじゃん開発されてやっていくような、そういう危険性があるわけです。  ここだけの言葉では許可しないこともできるという一言で済むんですが、しかし実際そうなった場合に、これは果たして二十ヘクタール以上ずっと周辺部が開発されていくようになりますと、また大変なことになってくると思うんですよね。そうなりますと、いままでの三大首都圏のいわゆる周辺部、通勤距離内、これはもう当然どこでもデベロッパー全部ねらうのです、通勤距離内ですから。二十ヘクタール以上の開発やったら。しかも調整区域は非常に安いですから全部がねらうのじゃないかと思うのです。そういう危険性をどうはっきり食いとめるかということですね。たとえば都計法をちゃんと改正するとか何らかの措置がとれるのかどうかということです。ここらを明確にしなければ、やり方いかんによっては将来非常に問題を残していくんじゃないかと思うのです。できたらこの面のいままで二十ヘクタール以上の開発をされた、そういう一覧資料を一遍出していただけますか。
  84. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 先ほど四十八年度の件数について申し上げましたけれども、ちょっと追加いたしまして、四十五年以降現在までの二十ヘクタール以上の総開発件数及び面積について申し上げますと、先ほど四十八年度二十九件と申し上げましたが、全体では八十一件、面積で三千百七十ヘクタールでございます。いま先生がおっしゃいましたように、これらの二十ヘクタール以上の開発につきましては、特に大都市圏の周辺では非常に拒否反応が出ております。それから、施設がないところでございますから非常に負担がかかる。そういう意味から極力これを抑えるというような方向でやっておりまして、許しましたものは真にやむを得ないものに大体限定されております。そしてさらに、これは開発審査会という県に置かれました審査会にかけまして、公の場で十分論議されてやむを得ないものとして許可されるような手続を経ておりますが、さらに加えまして、先生のおっしゃいますように、特にこういった大規模開発の周辺というものが開発の余波、波及効果を持たないように、計画面におきましてもそういう配慮をすることが必要である。すなわち、つながり得るようにするから開発の波及が及ぶのでありまして、そこは地形等を利用いたしまして遮断的な地区を選ぶとか、新住宅市街地開発事業法律をつくりますときにもそういう趣旨で、そういう地区選定の要件を決めたような次第でありますが、いずれにしましても周辺に波及いたさないような措置を十分に配慮いたしたいと思います。  いま申し上げました資料に付随いたしまして、先生のおっしゃいましたような資料は早急に出します。
  85. 北側義一

    ○北側委員 この事業実施区域というのは、先ほど来話がありますとおり、三大都市圏の周辺部、こうなっておるわけですね。通勤距離内の三大都市圏の周辺部、いわゆる首都圏で五十キロ、中部圏で三十キロ、近畿圏で四十キロ、こうなっているわけですね。こういう大規模開発をやる場合に、先ほど申し上げましたとおり、交通ラッシュ、水、足、果たして地方公共団体が受け入れるであろうかという心配ですね。そこらの考え方は、たとえば話し合い等できておるのでしょうか。
  86. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 実は事務的には調査をし、折衝という言葉は語弊がございますけれども、事務的な検討をいたしておるということは申し上げられます。こういう五十キロ圏、四十キロ圏、三十キロ圏というところは現在増加率が非常にふえているところでございますので、これをいまにしてそういった大規模開発で受けとめなければ、放置しておいてもじわじわとそういう趨勢が進行しているところでございますので、十分地元の公共団体と共同体制においてこれを整えて、そして地元との協力のもとにこれを進めることが必要だと考えまして、今回提出しておりますこの公団法の中にも地元との協調のための配慮を種々いたしておるところでございます。
  87. 北側義一

    ○北側委員 先ほど住宅局長ですか、お話しになっておられたとおり、いま大体都心というのはドーナツ化現象でだんだん人口が減ってきておるわけですね。いま盛んにふえておるのはそういう大都市周辺なんです。そこで、こういう宅地開発公団法によって三大都市圏の周辺部に大規模な宅地造成がなされる。ますます人口が急増してくる。将来計画考えてみた場合に、そういうやり方は果たして正しいのだろうかという疑問を私、持っておるわけなんですよ。たとえば市街化区域を振り返って、東京都内にしたってまた大阪市内にしたって非常に過密であると言われておりますが、実際は他の外国の都市と比べましても人口的にはそう過密じゃないのですね。非常に居住水準が低いというのですか、そこに住宅難の一つの大きな問題点が出てきているのじゃないかと思うのです。そういう面から考えると、そういう周辺部へ持っていくのではなくして、環境のいいもっと高密度に住めるような都市をつくっていくという方が非常に重要な問題ではないか、こういう考え方も私、持っておるわけなんです。いずれにいたしましても三大都市圏の方は非常に住宅難が激しい、そういうところからこういう問題が出てきておるわけですが、やはり都市の中心部に対する再開発——いまの再開発はとてもじゃないが住民は納得しないと思うのですよ。たとえばあそこの江東区にしましても大阪の阿倍野区にしましても、いまでも反対する人が非常に多い。そこらはやはり改良しなければならないのですが、そういう都市の再開発、こういう方向に持っていくのが本当は正しいのじゃないかという考え方を私自身は持っておるわけなんです。それについてこういうやり方が将来計画の上で果たして正しいのかどうか、こういう疑問を持っておるのですが、それについてはどうでしょうか。
  88. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 御指摘のとおり、都市の中の再開発ということは非常に大きな現下の急務である。特に江東地区等の防災都市計画というのは、時間はかかりますけれども、いまから一生懸命やらなければならない課題でございますが、現在、先ほど来申し上げましたように、周辺部への人口の波及というのは率的にも非常にふえております。ですからこれは、片や地方分散を積極的に進めるという基本的姿勢をとりながら、しかし現実に最近は自然増の方がふえてはきておりますけれども、いずれにしても人口の増加というのは三大都市圏で非常に大きいものがあります。これを放置することなく外周部において計画的な大規模開発の中にこれの歯どめをしていこう、ここで食いとめよう、こういう形は従来からとってきました地価対策閣僚協議会等におきます一つ宅地開発の柱でございます。もちろんこれだけで十分対処し得るものではないので、公共施設が比較的整っておる既成市街地の近間のところも開発することが必要である。これらを合わせて再開発及びその周辺部の整備及び最終的な周辺部、フリンジと申しますかにおける高密度な形成と先生がおっしゃいましたけれども、そういうところが現在は都市施設が不十分でございますから、最初から高密度なものにすることば不可能かと思いまして、大規模開発宅地開発公団におきましてはやはり環境のいい市街地を形成していかなければならない。いずれにしましても、これらを合わせまして総合的な対策として大量供給を両々相まって進めていくというのが基本的な姿勢ではなかろうかというふうに考えます。
  89. 北側義一

    ○北側委員 今日までは宅地供給は日本住宅公団がずっとなさってこられたわけですね。こういう新公団をつくってやるより、むしろそういう権限とかあらゆるものを全部日本住宅公団に与えてやった方が、かえってすっきりいくんじゃないかという考え方を持っているわけです。たとえば新しい公団ができる。その場合に、新公団の上層部はすぐできると思うのです。ところが実際実務をやる下の人はなかなかできぬですね。やはり、宅地開発公団については日本住宅公団の宅地部あたりを引っ張ってきてやるような形になるのじゃないかと思うのですね。めんどうくさいことをやらぬで、いっそのこと全部日本住宅公団にいままでやってきた実績を見て権限を与えて、そうしてやった方がかえってすきっといくような感じを私は受けておるわけなんです。たとえば宅開公団の場合五百ヘクタールのそういう大規模開発を三大都市圏の周辺でやっていく。そんな、いつまでもやれるものではないと私は思うのです。そういう考えを持っている。これに対してどうでしょうかね、私の考え方は間違っていますか。
  90. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 先生のお説は決して間違っているとは私、考えません。しかし、現在の住宅公団は、先ほど申しましたように、大都市地域においてこのような膨大な、しかも社会問題となっている緊急の住宅難を解決するための大規模開発の実施主体ということとなりますと、いま限界に来ているというのがわれわれの認識でありまして、それにはいろいろな理由がございます。それは、一方では地方公共団体の拒否反応、それはその財政負担等に基づくそれ相当の理由があるわけでございます。  いずれにしましても、そういう新しい隘路に逢着していることは事実でございまして、新しい事態に対処いたしますためには、強力な権限を持たせ、それに専念する、住宅公団は上物も建てなければなりませんので、まず宅地造成をして市街地を良好な環境で大規模につくり上げるという専門の機関をつくるということが必要ではなかろうかということに動機をもちまして、今回の提案をしておるわけでございまして、もとよりその人員はこれから確保するわけでございますから、御指摘のように、その技術者を大量に集めるということについてはきわめてむずかしい問題がございます。したがいまして、住宅公団等の熟練した一部のそういう人たちをこれに割愛していただくというようなことを当然まず最初に考えるのでありますし、あるいは地方公共団体のそれぞれの熟練した職員をこれに鋭意充当していただくというようなこともあわせ考えまして、いずれにしましても、新しい権限を持った新機構として人員を充実するように今後鋭意努力いたしまして、この発足を早急にいたしたいというふうに考える次第でございます。
  91. 北側義一

    ○北側委員 どう話を聞いても何か重複しているような感じを私は受けるわけです。  次に進みますが、新公団開発する宅地について、その住宅のいわゆる張りつけにつきましては、一戸建てとか集合住宅とか、いろいろあろうと思うのですが、これについては大体どのような考えに立っておられるのか、それをまずお伺いしたいと思うのです。
  92. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 宅地開発公団の造成いたします宅地の譲渡につきましては、当初これを計画決定いたします際に、それぞれ集合住宅地区であるとか、あるいはこれは個人分譲の地区であるとかというような、新しい健全な都市としての構成が成り立ち得るように、当初から計画的にこれを配慮するわけでございますが、具体的にはその場所、位置、規模等に応じて違いますけれども、過去の住宅公団等の比較的大規模な団地の例等で申し上げますと、たとえば大阪の泉北とか千里とか、こういったところの例で申し上げますと、面積的には、そういう周辺部でございますから相当余裕を持って、面積的には個人分譲的な低層のものの占める面積が、大体六対四で、六を占めて広いのでございますけれども、たとえば駅の周辺であるとかあるいは中心商業地の周辺であるとか、そういうところには、それぞれにふさわしい中高層の住宅団地をつくりまして、その戸数といたしましては、泉北、千里の例で言えば七対一三と、逆に賃貸の方が多くなっているような現状でございます。こればそういう特殊な場所の例でございますから、これが直ちに模範とはなりませんけれども、大体、面積的には低層的なものが過半を占めるのではなかろうか。そして戸数的には、これはモデルで申し上げますと、賃貸住宅的な集合住宅の方が多いような構成になるのではないかというような、一つのモデルとしてわれわれは想定しております。
  93. 北側義一

    ○北側委員 これなんかも結局、一応集合住宅それから二戸建て、配分的にはそれが一番いいんでしょうが、私思いますのに、地方自治体で実際の問題として、公共関連施設等、今度は新公団がなさるわけですが、それにしても、これは地方公共団体の負担が出てくるわけですね。そうしますと、賃貸の集合住宅というのは、地方自治体はみんないやがるのですよ。たとえば千葉県あたりでも、賃貸住宅計画の戸数を減らしてもらいたい、いま知事をやめられたのですが、おっしゃっていますがね。実質上、これができた場合には、いわゆる賃貸の集合住宅というのは非常に数が少なくなるという心配があるのですよ。そうしますと、結局、宅地造成をやって宅地をそのようにやられても、貧乏人、一般の本当に住宅に困っている方はそう大きな恩恵をこうむらないというような心配が出てくるのじゃないかと思うのです。そこらはやはり、地方自治体と協議なさるわけですから、それで地方自治体の意見を聞かれるわけですから、そうなると、地方自治体の意見はどうしても一戸建ての方が当然強く来ますよ、いままでの状況を判断しますと。そこらをどう対処するかということですね。これは非常に重要やと思うのです。そうしなければ、せっかくそういう宅地開発公団で宅地を造成しても、一部の人しかそういうあれは利用できないことになってくるのじゃないかと思うのです。それに対して考え方はあるでしょうか。
  94. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 最近の多摩の例等に見ましても、集合住宅と申しますか、そういった賃貸住宅の戸数を減らして、できるだけ分譲の、しかも大きなものを要求するというような傾向は、御指摘のとおりございます。これはやはり大都市圏における需要の実態にあわせて——町づくりでございますからいろいろな階層の者が入る必要がありますので、一概に賃貸住宅を非常に多くすると言ってみても、それが現実に地元の情勢なりあるいは需要の実態に合わなければ、これは実現不可能だと思います。  そこで問題は、宅地開発公団がつくりました宅地を、住宅公団なり公営住宅なりあるいは公社なり、それぞれに分譲いたしますから、その公団住宅あるいは公営住宅あるいは公社住宅等が、従来の賃貸住宅が二DK中心であったというようなこともあります。これを質的に改善いたしまして、今後の第三期の住宅計画の課題でありますが、もっと質的に良好なものをつくっていくというようなことが一つの今後の住宅政策の方向となるのではないか。そういうこととあわせ考えまして、集合住宅を拒否するというようなことが主として財政上の収入の問題から起きていることを考え合わせますと、一にかかって地元負担の軽減あるいは収入の確保ということにあろうかと思いますので、それはどのような住宅市街地をつくっていくかということと同時並行的に、そういう規格の問題、規模の問題あるいは地方の財源の問題というようなものを考える必要があると思いますので、われわれも関係省とともに地方財政上の手当て等を一緒に考えていかなければならないものだというふうに考えます。非常にむずかしい問題ではありますけれども、しかし需要の実態にこたえるということのためにはそういうバラエティーのある需要に適確にこたえることが公団の使命であるということには変わりございません。
  95. 北側義一

    ○北側委員 たとえば現実の問題といたしまして、宅地開発公団が宅地を造成なさる。それで、一戸建てのいわゆる一区画を買って自分のマイホームを建てよう、こういう人がおった場合に、一体そのシステムとしてどういう——大体ぼくが知りたいのは、どういう階層が入れるか知りたいわけですから、それを一遍具体的に示してもらえませんか。
  96. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 二戸建ての庭つき宅地分譲とよく言われますそういうものはどういう階層になるか。これは私見でございますけれども、収入階層と必ずしもバランスしない場合が多いと思いますけれども、一般的に言えば、収入階層とバランスして言うならば、第三階層以上の者にそういった一戸建て住宅といったものがふさわしい、供給対象として考えるべきではないかというふうに考えるものでございます。第三分類で申し上げますと、所得階層別に四十九年の総理府の統計の関東地方で申し上げますと、大体実収入として二百六十三万ぐらいになっております。第四分類が三百十二万というような階層でございます。こういった階層がたとえば三割、四割の頭金の蓄積をしておって、そして後の物が支払いやすいような形を講ずることによって、イージーペイメントと申しますか、そういう方法に合わせて宅地を購入できるように配慮していくつもりでございまして、そのために長期割賦分譲方式を強化するとか、あるいは減税とか、あるいはその宅地だけではだめなのでありまして、その上に住宅を建てるわけでありますから、住宅を含めまして金融公庫との結びつきを考えるとか、こういうあらゆる手法を講ずることによってできるだけこういった階層に重点的に振り向けられるように持っていくべきではないだろうか。階層論で言いますと、それ以下の者は、では買えないのかということになりますけれども、それ以下の者でも、私は持ち家というものは一種の財産の転化だというふうに考えますので、だから収入の長年の蓄積を転化するとか、あるいは遺産の相続によるとか、そういったことも考えられるのでございますが、いまは収入階層だけによって申し上げますと、大体その分類のところをねらうのが普通だというふうに考えております。
  97. 北側義一

    ○北側委員 これは階層的に資料をぜひ一遍つくってみて、出していただけますか。それによってまた判断していきたいと思いますので。  それから最後に一つだけ。これはちょっとこの問題とは外れるのですが、たとえば新築の建て売り住宅を購入する場合、地方税法の規定によって税金の減免措置があるわけですね。ところが不動産取引業の資格のない人がこれを売買した場合にはその規定から外されるわけですよ。そんなのが最近ずいぶん出てきているのですね。後から税金がきて、初めてあれは不動産取引業の資格がなかった人だとわかって、そうして税金を払わされる。そういう人がいっぱいおるわけです。そういう不動産取引業の資格がないにもかかわらず、そういう建て売り住宅を建てて売買しておる、こういう実態がずいぶん多いのですが、これについてどう考えておられるのか。これはずいぶんあるのですよ。いっぱいあるのです。だから、たとえば業法でそういう者を取り締まるようなものがあろうと思うのですが、これはずいぶんなされていますよ。うそだと思ったら一遍東京都で聞いてごらんなさい。いっぱいあるから。
  98. 大塩洋一郎

    大塩政府委員 そういう宅地、建物を取引したりあるいはそれを建てて売買するという行為は、宅建業法あるいは建設業法上の資格が必要でございますが、無資格で建設したり、それからそれを不特定多数の人に売ったりというようなことが行われるとするならば、これはそれぞれ宅建業法あるいは建設業法上の違反措置として罰則がございます。ただし、先生のおっしゃるのはもぐり的な売買が多いということだろうと思います。これにつきましては、われわれは普通の場合、被害者の方からの通告なりあるいは訴え等が直接の動機になりまして、日ごろからマークしている業者等を摘発するというような行為を定時的にもあるいは臨時的にも行っておりますけれども、そういうことのないように監督、処分を強めておりますけれども、そういうことが特にマンションあるいはそういう建て売り等について……(北側委員「建て売りに多いのです」と呼ぶ)建て売りについて多いということを、いまちょっと資料を持ち合わせておりませんが、よく実態を調べました上で善処いたしたいと思います。
  99. 北側義一

    ○北側委員 終わります。
  100. 服部安司

    服部委員長代理 次回は、四月十五日火曜日午前九時三十分理事会、午前十時連合審査会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十九分散会      ————◇—————