○庄司
委員 大臣から、わが党の「赤旗」を高く評価いただきまして、ありがとうございます。それで、実はその論議は枝の論議ですから、そういう論議はやらないでまいりたいと思うのです。
それで、私が申し上げたのは、確かに、責任がどうのこうのという問題じゃきょうはなくて、現実に苦しんでいる地方公営企業、これを現時点でどういい知恵を出して解決していくかという点が論議の中心なわけです。その点で確かに大臣もおっしゃったとおり、人口の都市集中、これがやはりいまの水道
事業を非常に苦しくしていった相当大きな原因になっている、これは私も認めます。あなたの言うとおりです。しかし、これはここでまた論争はしませんけれども、実は新全総あるいはその前の全総あるいは経済社会発展計画、これは歴代のあなた方の政府がお立てになった計画で、地方自治体を指導してこられた理念なんですね。先ほど例に挙げた仙台市なんかも東北の管理中枢都市である、こういう位置づけですね。しからば、管理中枢都市になるならば当然水の需要も大きくなってくるだろう。また現実に人口もふえてきたわけですね。そういう結果、水源を相当遠くにまで求めなくちゃならないという結果がやはり出てきているわけです。
そこで、生活環境
審議会、これは厚生省の所管でありましょうけれども、ここで「水道の未来像とそのアプローチ方策について」というのを四十八年十月三十日付で出しているわけですね。この「水道
財政のあり方」、その中で「
建設費の負担のあり方」について答申が述べられております。ちょっと読んでみますと、「国民に等しく、均衡のとれた負担で、同質のサービスを受けられる状態を目標に、その生活に必要な水道水を確保供給するために
建設財源、未給水地区の解消、料金差の是正等高次の視野に立って対処していかねばならない課題が生じている。水道用水に対する需要の著しい増大により遠隔地に水源を求めざるを得なくなったため、必然的に拡張
事業費が急激に割高となっており、新
施設の生産原価は旧
施設の数倍にも達している。しかし、現行制度のもとでは、大部分を借入金によってまかなうほかなく、その元利償還のため料金を急激に上昇させざるをえない。水道料金の急激な上昇は水道が生活に不可欠の
施設である点からみて避けるべきであり、わが国の健全な社会発展、国民生活の安定のため水道の
建設財源について特段の配慮が払われるべきである。」として、その後のくだりで「
財政面の助成」の問題が出されているわけです。
それから、日本水道協会、これが五十年四月に「水道
事業の独立採算制について」という、提案を発表しておりますが、ここでも「目標等達成のための公費導入」、これは公費は国とそれから
市町村と両方ありますが、「前項で述べた水道の目標等は、
市町村が個々に独立採算制のもとで水道経営をおこなっていくかぎり、これを完全に充足し、実現することは到底不可能である。」まず独算制について否定的な見解を示し、批判的な見解を示しております。その後で「水道の独立採算制の合理的範囲を定め、それを超える部分については、公費を導入するという明確なルールを確立していかなければならない。」この「公費導入をおこなうにあたり、その
財源をどこに求めるか、つまり、国税か、地方税かの問題が生じてくる。」その点で「現状の税配分の下では、最終的には国の
財源措置によらざるを得ないと考える。」若干飛びますが、「特に水道にかかる
経費については、
地方公共団体の
基準財政需要額のなかには、消火栓関係費の一部を除き殆んど見込まれていないからである。したがって、将来的課題としては水道の
経費を含め、国と
地方公共団体との間における
事務と租税配分の適正化を期していく必要がある。」と述べているわけであります。
若干、この裏づけになる具体的な問題点を申し上げてみますが、水源がだんだん遠くなる。いままで仙台市の場合は、約四万トン程度で二十二万の人口を間に合わせていたわけです。それがその後の人口急増によりまして、大倉ダムというのをつくりまして十万トン、これは多目的ダムでありますが、十万トン取水している。これは現在動いております。それからその後、先ほど申し上げた計画の釜房ダムというところでまた十万トンですね。これも工業用水その他の多目的ダム。こうやって三十四万トンまで伸ばしてきたのですが、これでもまだ足りなくなる。それで今度の第五次拡張計画をつくっているわけですが、これだと、五十キロくらい離れた白石川というところがあるのですが、そこの七ヶ宿、ここにダムをつくって水を引かなければならない。これが約千四百億円ぐらい現時点でかかるだろう、こう
計算されておるのですね。この五十
年度の元利償還だけで料金
収入の六七%になってしまうのですね。五十三
年度末になりますと、累積赤字は百十三億円と予想される。
その点で、これは料金改正にも限度があるわけですから、この辺で抜本的な対策、これは国々としてもぜひ考えてもらう段階だろうと思うのですが、ひとつこの厚生省の生活環境
審議会の意見なりあるいは水道協会から出ている意見、この辺はどういうふうに対処されてきたのか、この意見に基づいて。
自治省、厚生省、それぞれお答え願いたいと思うのです。これまでこういう答申が出て、その後どういう対処をなすりてきたのか、これをひとつお願いしたいと思います。