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1975-06-13 第75回国会 衆議院 決算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年六月十三日(金曜日)     午前十時六分開議  出席委員    委員長 井原 岸高君    理事 唐沢俊二郎君 理事 森下 元晴君    理事 吉永 治市君 理事 綿貫 民輔君    理事 久保田鶴松君 理事 原   茂君    理事 庄司 幸助君       赤澤 正道君    三池  信君       安井 吉典君    田代 文久君       坂井 弘一君    塚本 三郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      松澤 雄藏君  出席政府委員         行政管理庁長官         官房審議官   川島 鉄男君         行政管理庁長官         官房会計課長  關  言行君         行政管理庁行政         管理局長    小田村四郎君         行政管理庁行政         監察局長    大田 宗利君         文部省体育局長 諸沢 正道君         気象庁長官   毛利圭太郎君  委員外出席者         大蔵省主計局共         済課長     岡田 愛己君         通商産業省機械         情報産業局電子         政策課長    佐藤 和宏君         郵政大臣官房経         営企画課長   永岡 茂治君         郵政省人事局審         議官      仲松 次郎君         労働省職業安定         局雇用政策課長 小粥 義朗君         会計検査院事務         総局次長    鎌田 英夫君         会計検査院事務         総局第一局長  高橋 保司君         参  考  人         (森林開発公団         理事長)    松岡  亮君         参  考  人         (水資源開発公         団副総裁)   小林 誠一君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団総裁)  石岡  實君         参  考  人         (畜産振興事業         団理事長)   岡田 覺夫君         決算委員会調査         室長      東   哲君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和四十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十七年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十七年度政府関係機関決算書  昭和四十七年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十七年度国有財産無償貸付状況計算書  〔総理府所管行政管理庁)〕      ————◇—————
  2. 井原岸高

    井原委員長 これより会議を開きます。  昭和四十七年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、総理府所管行政管理庁について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、参考人として森林開発公団理事長松岡亮君、水資源開発公団副総裁小林誠一君、日本鉄道建設公団総裁石岡實君、畜産振興事業団理事長岡田覺夫君の御出席を願い、その意見聴取いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 井原岸高

    井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの意見聴取委員質疑により行いたいと存じますので、さよう御了承を願います。     —————————————
  4. 井原岸高

  5. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 昭和四十七年度における行政管理庁関係歳出決算について、その概要を御説明申し上げます。  行政管理庁歳出予算現額は七十一億五千三百三十六万円余でありまして、支出済歳出額は七十一億一千六百七十六万円余、不用額は三千六百六十万円余であります。  支出済歳出額の内訳は、人件費三十一億五百一万円余、事務費等五億二千九百二十三万円余、統計調査事務地方公共団体委託費三十四億八千二百五十二万円余であります。  不用額を生じました主な理由は、退職手当の支給が少なかったので、退職手当を要することが少なかったためであります。  以上をもちまして、行政管理庁関係歳出決算概要説明を終わります。
  6. 井原岸高

  7. 高橋保司

    高橋会計検査院説明員 昭和四十七年度行政管理庁決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
  8. 井原岸高

    井原委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  9. 井原岸高

    井原委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がございますので、順次これを許します。吉永治市君。
  10. 吉永治市

    吉永委員 私は、行政機関における電子計算機使用について、行政管理庁、それから郵政省通産省検査院等関係当局者に質問を申し上げます。  行政管理庁昭和四十七年度決算審査に当たりまして、行政機関における電子計算機利用上の問題について質問してまいります。  行政機関における電算機導入は、昭和三十三年度、初年度四十七台であったものが、年々増加一途をたどりまして、昭和四十九年度には設置台数が二百三十台にふえております。その設置金額は、買い取り額に換算をいたしますと約八百三十七億円に達しております。また、運用経費も年額約三百二十一億円に上っております。これだけ多額の国家資金が投入されて、その規模も年々拡大していく一途であります。このコンピューター効率的な利用は、そういう意味でこれからも軽視できない重要な課題であろうかと思うのでございます。  行政機関電子計算機導入状況を見ますと、その大部分レンタルによるものであります。二百三十台中百七十九台がレンタルで、その比率は約八〇%に及んでおります。買い取りは少なくして、年間のレンタル料は、四十九年度におきまして総額約二百十一億円にも上っております。しかし、各省庁における使用の実情は、使用料最低料金時間、レンタル基準時間と申しておりますが、月約二百時間、これが一つの標準でございますが、この二百時間に満たないものがやはり約六十九台、全体の約四〇%を占めております。中には百時間に満たないものが八台、百五十時間に満たないものが十八台など、稼働時間のきわめて低いものが含まれております。もちろん、稼働時間だけで利用の効果を図るというその基準はないにいたしましても、何とか機能の効率的な、効果的な利用を図ることが必要だと思われますが、この辺の事情に関しまして行政管理庁ではどのように見ておられるか、また、どんな改善方向考えておられるか、その見解をまずお伺いしたいと思います。
  11. 小田村四郎

    小田政府委員 御指摘のとおり、電子計算機利用は毎年非常に進んでまいりまして、今後もますます盛んになっていくであろうと考えられるわけでございます。  そこで、ただいま御指摘になりました稼働時間の問題でございますが、行政機関平均で二百五十四時間ということになっております。これは毎年向上してきておるわけでございます。ただ、お話のございましたように、稼働時間のきわめて少ない電子計算機も中に見られるわけでございまして、こういう点につきましては今後も改善努力が必要であろうと思うのでございます。  そこで、どういうものが稼働時間が非常に少ないのかということを調べてみたわけでございますが、百五十時間以下の計算機について見ますと、一つ導入が非常に新しい場合、たとえば四十八年の集計で申しますと、四十八年の四月に導入したとかあるいは十月に導入したとか新しい機種につきましては、やはりその慣熟の程度がございまして、ある程度時間がたちませんとその稼働率がよくならないわけでございます。そういうものが一つと、それからもう一種類の方は主として試験研究機関試験所あるいは研究所等におきます電子計算機でございます。これは中型あるいは小型が多いわけでございますけれども、こういうところにおきましては、やはりどうしても研究室あるいは研究者の必要に応じてその都度使う、それもある程度、非常に技術的なものが多いために、恒常的な計算業務というものが、いわゆる行政実務に使っております計算機に比べて比較的少ないという問題があるわけでございます。そういうような関係で非常に稼働率の低いものが見られるわけでございますが、各省の御努力によりまして、二百時間以下のものでもかなり、百八十時間であるとかあるいは百九十時間であるとか、二百時間に近いものになってきております。  今後の方向といたしましては、できるだけ計算機利用効率的にしていただきますために、必要な業務につきましてはその計算機を極力利用してもらうようにすることが一つでございますけれども、もう一つは、少なくとも一つの役所の中におきましては共同利用というものをできるだけ進めていくということが必要であろうかと思います。試験研究所等におきましては共同利用はなかなかむずかしいわけでございますけれども通信回線が進歩してまいりますとか、あるいは、たとえば筑波研究都市におきますように、一つのブロックがそこに集中するということであれば、そういうようなところで共同利用を推進していただくというようなことによりまして、できるだけ稼働率を高めていくように努力してまいりたい、かように考えております。
  12. 吉永治市

    吉永委員 ただいまのお答えで、稼働率平均二百五十四時間、だとすれば、これは非常に良好な成果だと思いますが、いま局長お話の中に、新しい機器を導入した直後はそれになれるまでのかなりのロスがある、こういうような御説明でございましたね。そのことは当然考慮に入れたこの平均稼働の時間だろうと思いますけれども、先般、私、ドイツに参りまして、電算機にかかわる閣僚の会議、それから各省庁部課長会議を傍聴いたしましたが、いまあなたがおっしゃったように、相互交換方式とか統一使用方式とか、あるいは一貫作業を各省庁が連携をしてやる方式とか、そういうことを非常に真剣に討議しております。ああいう情景から想像しますと、やはり何か日本のやり方の中にまだすき間がある、ロスがあるというような、そういう考えの中に何か親方日の丸的な国費のむだ遣いというようなものが潜在するのではないか、そういうことも考えられますので、なおよく御注意を願いたいと思います。  第二番目に、昭和四十七年度の会計検査院検査報告では、郵政省電波研究所使用中の電子計算機に関して、長期継続的に使用する場合は、レンタルによるよりか購入による方が経済的であるとの指摘があっております。一方、行政管理庁実態調査報告によりますと、警察庁昭和三十九年度の導入、防衛庁の四十二年度の導入労働省の四十年度の導入のものなど、相当期間にわたってレンタルを続けておるものがございます。また、最近の傾向では、レンタルの比重がますます高くなってきておるというように考えられます。レンタルによるか購入によるかの選択について、行政管理庁検査院当局はどのようなお考えを持っておられるか、このことをお伺いしたいと思います。
  13. 小田村四郎

    小田政府委員 レンタル買い取りとどちらが経済的であるかという点でございますが、御指摘になりましたように、一つ機種長期使用する場合には当然買い取りの方が有利になるわけでございます。通常、大体四年を超えて使用するという場合には買い取りの方が有利になると一応考えられるわけでございますが、その場合なぜそのレンタル方式を用いるかという点につきましては、利用者といたしまして、その機種の更新が非常に著しいという問題、したがって、新しい機種に更新いたします場合にはレンタルの方が有利であるという場合があることが一つでございます。  それから、この電子計算機システムをいろいろ研究発展させていくという場合に、その容量等の問題がございまして、初めから大きな容量のものを使用するということは必ずしも経済的でございません。そういうシステム自体発展の問題、あるいはその使用いたしました買い取り機の場合、これを廃棄あるいは払い下げするわけでございますけれども、それがなかなか円滑にいかないというような問題もあるようでございます。  したがいまして、その導入の当初におきまして、まあレンタルの方が無難だということでレンタルにしておるという面もあるかと思いますが、しかし、それが結果として四年を過ぎ、五年を過ぎ、ただいま御指摘になりましたような、十年近くも同じ機種を使っておるということではきわめて不経済でございますので、私どもといたしましても、各省予算要求等におきまして電子計算機導入の御要求がありましたときには、このレンタルにするか買い取りにするかという点につきましてさらに十分慎重に検討をして、適当な方法が必要であれば各省ともお話し合いを申し上げたい、かように思います。  また、すでに古い機械で依然としてレンタルで使っておるというものにつきましては、実態調査いたしまして、それをなるべく経済的な使用方法に切りかえるように各省とも御相談をしてまいりたい、かように考えます。
  14. 吉永治市

    吉永委員 いまのレンタルの問題で通産省に伺いますが、私の調査によりますと、いまほとんど八割以上の対象をJECCという会社にゆだねておる、任しておるというような状態でございますが、この辺の事情通産省当局から御説明を願いたい。
  15. 佐藤和宏

    佐藤説明員 いま御指摘ございましたように、現在コンピューター販売額のうち約七割ぐらいのものがレンタルで行われていると思いますが、その相当部分は、先生がおっしゃいますとおりJECC日本電子計算機株式会社を通してレンタルされております。  これは御案内のとおり、コンピューター販売というものが、IBMがレンタル制度というものを始めまして、全世界的にその形になっております関係上、後発といたしましては、販売していくためにはやはりレンタルにせざるを得ないということでございますが、レンタルにつきましては、御案内のとおり、当初非常に資金がかかるという点がございまして、これをバックアップするというためにJECCという会社をつくりまして、これに毎年開銀融資をいたしまして、それに基づきまして国内の電子計算機販売を行っておるわけでございますが、できますれば、私ども立場から申しますれば、なるべく売り切りと申しますか、これをふやしていきたいと思っておるわけでございますが、これはやはりユーザー選択の問題でございまして、そういうユーザーレンタルに対するニーズがある限りにおいては、何らかの助成をしてまいりませんと日本コンピューターの外国のコンピューターに対する競争力が落ちるという観点から、現在JECC制度が推進されておるわけでございますが、現在の状況からいたしますと、まだしばらくはこの制度を推進していく必要があるのじゃないかと感じておる次第でございます。
  16. 吉永治市

    吉永委員 これに関連して会計検査院もお答え願いたいのですが、ただいまのJECCという会社、これは日本電算機メーカー六社か七社が共同出資でつくっておる会社でございますが、私ども調査によりますと、開発銀行から六百億を少し出ておる金額融資現況で受けておるというように聞いております。このような方式、もちろん、情報産業というものがこれからの経済社会あるいは国際社会に占める分野というものは非常に大きいし、競争の激甚なことも、これはほかに類例を見ない状況だと思いますが、それだけに、国家の保護が特別に厚過ぎたり、あるいは国家にゆだねるようなそういう姿勢になってしまったりというようなことがありはしないか。資本の面においてもそういうきらいがありはしないか。やはりうんと競争さして、できるならば単一メーカーからも競争の上に納入させる、導入する、そういうようなシステムをとっていくことも必要ではなかろうかと思っておりますが、いかがなものでしょう。
  17. 鎌田英夫

    鎌田会計検査院説明員 まず、先ほどのレンタル購入かという問題について、検査院からお答え申し上げます。  レンタルがいいか購入がいいかという問題は非常にむずかしい問題でございまして、私ども会計検査院といたしましてもコンピューター導入以後、これが十分検査できるように、職員を大学にあるいはいろいろな講習などに派遣いたしまして鋭意実力を養成してまいったわけでございまして、当初、調査それから検査というふうに実力増加とともに、だんだん綿密な調査検査をしているわけでございます。  一般にそういう状況でございまして、レンタル購入かという問題についていろいろ過去において分析しておるわけでございます。     〔委員長退席森下委員長代理着席〕  先ほど先生が御指摘になりました昭和四十七年度の郵政関係のところ、それから四十六年度にも同じようなケース国鉄関係について御注意申し上げる、さらに四十六年度には、これは検査報告に載せておりませんけれども、いずれが有利であるかということにつきまして政府出資法人に対しまして、これは検査のときに注意した、こういうような例があるわけでございます。  ただ、それはやはりケース・バイ・ケースで私どもが判断いたしまして申し上げているわけでございますが、電算機につきましても、これを一般に全体的に見てレンタル購入かということよりも、それが業務用に使われるのか研究用に使われるのか、そういうような分析も必要かと思います。業務用になりますと、やはり二年、三年先にデータ量の増大がある、あるいは適用業務の拡大に伴ってより上位の機種に置きかえる、そういう必要性可能性も出てくるというので、やはりレンタル方式導入しているというところが多いようでございます。一方、研究用では、データ量も少なくて、周辺装置最小構成でいいというような観点から、購入でやる。これはパーセンテージで見ますと、四十七年度末、四十八年度末、四十九年度末にちょっと検査院の方で調査、統計したものがございますが、業務用では、レンタル比率が四十六年度末では五三・七%、それが四十七年度末では四五%、それから四十八年度末では三八%というふうに、だんだんレンタルの面が業務用では減ってきている。これは、私ども考えますのに、ある程度見通しとかそういうものが、コンピューターシステムといったものに対する認識が深まって、そういうような必要な可能性がどうあるべきか、どうすべきかということを考えた上での傾向であろうかと思うわけでございます。  したがいまして、そういう傾向にありつつ、これが現在の時点でどちらがいいかということになりますと、やはりこれは利用する側、供給する側の問題があろうかと思いますが、利用する側におきましては、先ほど申し上げましたように、研究、工夫をこらす余地がまだ多分にある。また、購入するについては非常に資金を必要とするというような、それぞれの要素がありまして、これは購入する側の予算上の御都合、そういうようなことがあろうかと思います。  したがいまして、きわめて概念的な言い方で申しわけないのでございますけれども、やはり長期にわたって同一の機種効率的に利用できる見込みが確実であれば購入の方が有利ではないか。そうでなければ、つまり短期間しか使用しないで使用をやめるというような、そしてまた、先ほど申し上げました、その中途でもっと容量の大きいもの、もっと小さいものに切りかえるということが見込まれる場合には、賃借の方が小回りがきいて、すぐ転換できていいんじゃないか、こういうようなきわめて概念的な御返事で申しわけないのでございますけれども、そういうような見解を持っております。  それから開銀融資の件でございますが、そういう会社に対しまして開銀融資、これは政府方針でやっておられることでございます。そういうものに対する融資というものは、やはり開銀担当検査局におきまして十分検査いたしておるわけでございます。検査に当たりましては、やはり国家的な要請政策、そういったものを十分勘案いたしまして、国の要請に沿っているかどうかという見地からまず検査に入っていくわけでございまして、その点は十分検査をするという立場にございます。ただし、融資先につきましては、会計検査院といたしまして直接これを検査することが権限的にできません。したがいまして、開銀におきましていろいろな資料を徴しまして、あるいは側面的に私どもも、この電算機発展に伴う契約がいろいろあるわけでございますので、そういったものを総合勘案して検査していく、こういう立場にあるわけでございます。  以上でございます。
  18. 吉永治市

    吉永委員 先ほど行政管理庁担当局長から、これからの使用方式として、努めて共同利用を図る方針であるということを言われた。非常にいいことだ、そうなくちゃならぬと思うのでございますが、現況考えてみますると、同じ省庁内におきまして部局別機種の違う電子計算機が別々に導入されておるというのが、実際は少なくないのです。これが利用互換性を欠いておる。したがって共同利用を図る上での非常に大きな障害になっておる。その障害というのは、この機械は普通十年間はもつものでありますが、部分品というものが、機種が違えば当然違う、故障があればお互いに融通し合うなんということはもちろんできない、そうした不能率状況が同じ省庁内にとられておる。これは考えなければならぬ。経済的にも、機械化効率の面からも、検討を要するものじゃないかと思いますが、時間の関係もあります。結論をお答えください。
  19. 小田村四郎

    小田政府委員 御指摘のとおりでございまして、私ども、非常に遠隔な研究所等は別といたしまして、一つの建物の中に所在しております省庁の中の共同利用というものはできるだけ促進してまいりたいということで各省とも御相談いたしまして、ただいまでも、たとえば警察庁でございますとか大蔵省通産省等におきましては、機種を統一する方式で実施しておるわけでございます。今後もできるだけその方向努力いたしたいと考えております。
  20. 吉永治市

    吉永委員 郵政省関係にお尋ねをします。  コンピューター昭和五十年度以降におけるオンライン計画は、法務省、建設省、郵政省など、三十システムが予定されております。将来のライン需要考えますると、これまでのようにばらばらにデータ伝送網を設置していくと、政府全体という立場から見て大変不経済になるおそれがございますが、通信回線利用効率の向上につきましても、長期的な展望のもとに、もう少し抜本的な対策をお考えになる必要がありはしないかと考えますが、いかがでございましょう。
  21. 永岡茂治

    永岡説明員 お答えいたします。  いま先生指摘のように、郵政省におきましては、簡易保険業務及び郵便貯金振替業務につきましてオンライン化を現在計画しております。簡易保険業務につきましては、昭和五十一年度末サービスイン目途に、現在着々とシステム設計端末開発等をやっておりますし、また為替貯金業務につきましては、昭和五十二年度末を目途に準備を進めております。したがいまして、いま先生指摘のように、郵政省において簡易保険及び貯金業務、それぞれオンライン化します場合に、通信回線共同利用等につきましては、郵政省としても現在いろいろ検討しております。具体的に申しますと、一昨年、昭和四十八年の八月二十七日に、郵政省の中におきまして電子計算機利用に関する連絡協議会というものを設置いたしまして、そういった場を通じまして省内におけるコンピューター共同利用、とりわけ通信回線共同利用可能性追求等、現在検討しておる次第でございます。  郵政省におきます共同利用、特に通信回線共同利用の問題でございますが、貯金保険、同じ郵便局端末機を置いてセンターと結んでやるわけでございますが、技術的な面、非常にむずかしい問題がございまして、現在、日本電信電話公社に共同利用可能性の技術的な面、経費的な面を委託調査研究をさしておりまして、近くその結論を得るという段階でございますので、さよう御了承いただきたいと思います。
  22. 吉永治市

    吉永委員 行政管理庁通産省に、同じ問題でございますが、一つは、陳腐化した機器、中古品ですね、それを活用できる他の機関、たとえば学校あたりにできるだけ転用して機器の有効な活用を図ってほしい、図るべきものだと思っておりますが、現在、そうした陳腐化した中古品はどのような処置をしておられるのか、具体的な事例で御説明願いたいこと、それが一つ。  いま一つは、機種メーカーのメーカー別の内訳を見ると、大型機百八台のうちにユニバック三台、IBM一台の外国機器がありますが、これは特別な事情があるのかどうか、そのことの御説明。  もう一つは、電子計算機導入に当たって事前にメリットの評価を当然されておると思いますが、そのメリットの評価というのが、電子計算機導入した直後また仕事がふえる、仕事の量、質、いろいろ多様に変化することは十分承知をしておりますけれども、それなりにメリットが、人事の上にあるいは経済の上に、経費節減の上にどのような効果を及ぼしたか、これを結論的にお答えを願いたいと思います。
  23. 小田村四郎

    小田政府委員 初めの、陳腐化した計算機の処理とそれから外国機の問題につきましては、通産省の方からお答えいただくことにいたしまして、電子計算機導入のメリットの御質問でございますが、これは毎年度予算要求に際しまして、私どもとして定員の審査あるいは行政能率の向上という観点から、果たして計算機を入れることによって効果が上がるかどうか、費用対効果の分析等を行いまして、そのメリットが上がるものについてこれを導入を認めるということで毎年審査を行っているわけでございます。  ただ、これを数量的に、それではどの程度の人員、経費が節約されたかということを分析いたしますのはなかなか困難でございまして、たとえば業務量がどうなるのか、あるいは業務量を一定とするとか、あるいは熟練度がどうなるとかというようなことについての仮定を置きませんと、なかなか計算がむずかしい問題でございます。ただ単に人員、経費の効率だけではなくて、行政サービスの面、たとえば国勢調査計算が非常に時間がかかっておりましたのが、電子計算機利用することによりましてそれが迅速化される、速やかに結果が国民に報告される。あるいは職業紹介でございますとか失業保険の通年計算でございますとか、そういうものが非常にスピードアップされるということで行政サービスの面におきまして非常な効果があることも、これは計量的な、計数的な問題のほかにそういうメリットがあるということがございますので、その点をひとつお含みおきいただきたいと考えております。
  24. 佐藤和宏

    佐藤説明員 いまの中古電算機の問題でございますが、これは私どもレンタルバックと申しておりますけれども、原則的には、耐用年数を過ぎたものにつきましては廃棄するということでございますが、それ以前に返ってくるものにつきましてはさらに再販をするという形になると思います。この問題につきましては、メーカーによりましてはそういう中古機の販売会社を特別につくりまして、さらに販売促進を図っているところもございます。  先生がおっしゃいますように、これの有効活用という観点は非常に重要な観点であるとわれわれも思っておりまして、現在中小企業庁に補助金がございまして、全国の商工会議所それから商工会の連合会でそのコンピューター化を図っているところに補助率五〇%の補助金を交付いたしまして、言うならば中小企業の団体のコンピューター化に寄与するという形の政策がとられておりまして、これが四十九年度七億、本年度九億円の予算をもちまして実施するという形で推進しております。
  25. 吉永治市

    吉永委員 あと五分の時間でございますが、最後に、松澤大臣に総括的にお伺いを申し上げます。  いままで申し上げました、コンピューター関係にきわめて概括的な、きわめて簡略な質問でございましたが、この中で特に痛感されることは、行政管理庁の総合調整の役割りと権限についてでございます。第一番は利用効率の問題、第二番は先ほど議論に出ました共同利用の問題、第三番目は、先ほどもちょっと私ドイツの問題で触れましたが、統一研修の問題、その三つの問題など、いずれを見ましても、現在の関係省庁課長会議等でやってはおりますけれども、本質的な推進や改革はとうてい望めない、そういう現況にあると判断されるわけでございます。西ドイツの状況を申し上げましたが、もっと的確に真剣に、しかも各省庁が特殊事情をぶつけ合って、持ち寄って、本当に緊密な省議のもとに実施をされております。そういう事例から見ますと、非常に虚隙が、すき間があり過ぎるというような気がするわけでございます。行政情報処理の推進の決定権限と申しますか、そういうお立場におられる大臣に対して、今後のコンピューター利用の拡大を考えると、その管理体制について刷新の方向をどのようにお考えになっておりますか、その点をお伺い申し上げたいと思います。
  26. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 政府部内の電子計算機利用の促進とその利用の高度化を図るための管理体制としては、昭和四十三年の閣議決定として「政府における電子計算機利用の今後の方策について」に基づきまして、行政管理庁関係省庁の技術的協力を得つつ総合調整に努めてきたところでございます。しかし、御指摘のように、政府部内の電子計算機利用については改善を要する課題もあり、電子計算機利用の進展に応じて今後とも体制の整備を図ってまいる所存でございますので、御了承していただきたい、かように存じます。
  27. 吉永治市

    吉永委員 終わります。
  28. 森下元晴

    森下委員長代理 原茂君。
  29. 原茂

    ○原(茂)委員 質問に入る前に、いま大臣の概要説明をお聞きした一番最後に、「不用額を生じました主な理由は、退職手当の支給が少なかったので、退職手当を要することが少なかったためであります。」御丁寧な結びなんですが、これは役所用語でこういうことはやはり使わなければいけないのですか。これはどういう意味なんですか。
  30. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 御答弁申し上げますが、実はその点に対しまして、私自体も当初は不思議に思ったぐらいでございました。ところが、前例から見まして、何年間も同じような要領でやっておるものですから、それじゃ仕方ない、こういうことで、そのとおりに実は読み上げたわけでございます。御了承願います。
  31. 原茂

    ○原(茂)委員 長官まで不思議だと思って、前例があるから踏襲したというのは、どうも尊敬する、最も親しい松澤さんにしては、せっかく就任をされても改革の意思がないと思うのです。こんなもの、日本人の用語としておかしいですよ。こいうのは、前例があったって構わないから、ぶっこわしたらどうですかね。今後ひとつ、こういうようなものをどんどん簡潔に改めてもらったらどうかと思うのです。どうです。
  32. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 ただいまの御質問のように、率直に申し上げて、私自体も、訂正をするとかあるいは何とかということにしたいというような気持ちを持っておったのでございます。そうなりますと、退職手当の支給が少なかったのであります、こう書いてしまえばそれで終わりなのです。そういうふうにしていきたいと思ったのですが、長年の間こういうふうにやっているのだ、こうなりますと、私のときにそういうようなことを改正していいのかどうか、皆さん方の御了承も得なければいかぬのではないか、こういうふうに考えたものですからそのような御答弁を実は申し上げたわけですが、もしも研究してみろというなら私の方でも研究してみたい、かように存じます。
  33. 原茂

    ○原(茂)委員 これは研究の余地のないほど、長官の気づいたとおり、おかしいですよ。われわれは賛成しますから、自今改めるように、よくしておいた方がいいのじゃないか、こう思います。  本論に入るのですが、第三期の行政監理委員会が勧告を出しましたのをもとにして、まず第一にいろいろ細かくお伺いをしてみたいと思います。最初に長官にお伺いしたいのですが、この四月の十五日に三木首相から、行政改革本部を招集して結論を出すようにという、公務員の定年制などそういうものを含めて特別の指示があったというふうに報道されていますが、その事実はおありかどうか、それが一つ。それから、何を一体指示されたのか、もうちょっと詳しく。それから、四月中にはこの行革本部を開いて審議をするということが言われていますが、四月中に審議をなさったかどうか、これをひとつ。
  34. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 今般の提言は、総理からの要請にこたえて、「今後における行政改革の課題と方針」について行政監理委員会の五人の委員意見を取りまとめたのでございますが、その概要を簡単に申し上げますと、まず、「当面措置ないし検討すべき事項」として、第一に、内閣機能の強化のための内閣参与制の実現。それから第二としては、財政硬直化に関連する緊急の課題として、国の行政機関の定員の管理の再検討、並びに特殊法人の整理再編成及び合理化。それから三番目といたしましては補助金などの整理などを挙げるとともに、次いで「引き続き検討すべき課題」として、行政機構の合理化、法令の整理あるいは各種政府事業の民間移譲または整理。四番目といたしましては、国と地方の行政事務の再配分と機関委任に伴う事務の整理というものでございます。  総理から、行政改革本部長としての私に対しまして、御提言のありました財政硬直化に関連し、速やかに検討する問題が含まれているので、行政改革本部においてその処理方式について検討するよう指示がありました。すでに、御提言の各項目についてその検討のスケジュールを、検討を行うという担当省庁について行政改革本部決定を行ったところでございます。財政硬直化に関連する項目についてはなるべく速やかに結論を得るよう、今後とも推進していきたいものだ、かように考えておる次第であります。
  35. 原茂

    ○原(茂)委員 一番大づかみな、結論的なことを先にお伺いしておきますが、やはり五十一年度の予算編成に間に合うようにこの種の結論を出して、実行できるものはやはり予算を伴って来年通常国会に、必要な改正がもしあるなら改正案を出すというようなことがきちっとした目安としてなければ、ただ、いままでと同じように、ここがいけない、こうしたらどうだ、審議をしました、こうしたいと思います、だけでは、せっかく総理の指示に基づいた本部長としての決意でおやりになっても意味がないと思う。だから、五十一年度予算編成を目安にしてこの問題の結論を出す、そして来通常国会には必要なものがあるなら改正その他の案を提案するという目安を持っておやりになるかどうか。
  36. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 率直に申し上げまして、財政硬直化に関連する項目等につきましては、そのように実施して速やかな結論を得るようにいたしたい、かように考えております。
  37. 原茂

    ○原(茂)委員 それが欠けていると何にもなりませんから、財政硬直化に関係して云々ということばかりではなくて、やはり原則としては、この種の問題は予算編成に、五十一年度に間に合わせるという目安でぜひひとつ取り組んでいただくように、いまの決意を実行に移すようにお願いをしたいと思う。  そこで、行政監理委員会の設置されました経緯は申し上げませんが、三十九年の臨調の答申を受けまして、そのあと引き続いて行政監理委員会が設置され、決められた任務に従って今日まで一期、二期、三期とやってきた、こういうことになります。  一つここでお伺いしたいのは、行政管理庁と行政監理委員会の勧告との関係は一体どんなものかということなんです。抽象的に聞いて恐縮ですが、やはりある意味では監理委員会には権限はありません。これを受けた行管庁が、これを実際取り上げ、取り入れ、各省庁に対してその勧告を行い、その回答を見て実際に実行されるまで監督指導をするというようなところまでいかなければいけないと思うのですが、なかなかそうはいかないでしょうが、少なくとも監理委員会の勧告に対しては、行管庁というものはそれを受け取ってどういう責任を持っているのか、どういう責任上の関係を持っているものなのか、これをまずお伺いしたい。
  38. 川島鉄男

    ○川島(鉄)政府委員 お答えいたします。  行政管理庁の付属機関、諮問機関の性格を持つものでございますが、行政監理委員会というものがございます。正確に言えば諮問機関という性格でございます。したがって、行政管理庁の長官からこの諮問機関に対して、行政管理庁の抱えております問題のうち重要なものについては御諮問、あるいは独自に委員会として問題があるということでお考えになりましたようなテーマにつきましては御意見をちょうだいするということになっております。  そこで、そういう諮問に対しての答申、最近の運用では、大体長官から諮問を申し上げまして、そして答申をいただいているわけでありますが、その答申をちょうだいいたしますと、行政管理庁長官といたしましては、これは監理委員会の設置法の中にも明らかにうたわれておりますが、その御意見を十分に尊重して、その実現に当たらなければならないという姿でございます。そういう形になっておりますが、これの実施につきましては当然行政管理庁長官の責任といたしまして別途——事柄の内容が政府全体で考えなければならぬというものが多々ございます。特に行政改革の関係のテーマがそうでございますが、そこで行政管理庁長官は、別にそれを政府として受ける器として行政改革本部というもの、この行政改革本部の長は行政管理庁長官でございますが、そこで比較的管理的な性格を持っている省庁、あるいは内閣サイドからは、たとえば内閣審議室とかあるいは法制局とかいう機関からも御参加を得て組織を持っておりますが、そこで実現についていろいろと御相談もし意識の統一を図る、こういうやり方で進めております。そして大体成案を得ましたなら、それに基づきまして閣議決定というようなものにまで持ち込みまして、政府全体としてこれの実施に当たるというような運営にいたしております。  あらましそういうことでございます。
  39. 原茂

    ○原(茂)委員 いまおっしゃったように行政改革本部がこれを受けて、ある程度権限を持った各省庁からその本部員となって構成されているその場において実施に対する結論を出す、結論が出たら閣議に報告して閣議決定に持ち込む、こう解釈していいんですね。
  40. 川島鉄男

    ○川島(鉄)政府委員 テーマによりますけれども、そういう全省庁をもって事に当たらなければならないというものはそういう手続でやらせていただいております。
  41. 原茂

    ○原(茂)委員 行政改革本部というのはいままで正式に開いたことがありますか、会議を持ったことがありますか、何年かの間に。——時間がかかるから申し上げますが、ここ七、八年来、会議を持っていないでしょう。持ち回り形式でもって何かを決めただけじゃないですか。今度三木首相の指示があって初めて持つようになったので、久しぶりに持ったので、いままで長い間休眠していたのじゃないですか。
  42. 小田村四郎

    小田政府委員 回数で申しますと、幹事会も含めまして四十数回開いておりますけれども、これは持ち回りが主でございまして、御指摘のとおり、正式に本部員を集めて開きましたのは、最近ではこの四月が久しぶりでございます。
  43. 原茂

    ○原(茂)委員 長官、いまのようなことを、前の方、どの局長さんかわからなくて申しわけないが、ああいう説明をさらりとされていますが、その一番大事な急所になる、受けてこれに対する実施を決めるというようなことを含めた大事な行改本部の会議の開催というものがこの四月に初めて持たれたということは、これから申し上げることを中心にして、私どもは、どうも行政改革に対する熱意が非常に薄いのじゃないかという感じがしてならない。というのは、三十九年の臨調の答申を受けて行政監理委員会というものが発足しましたその主な任務は何だというと、ちゃんとここに書いてありますように、「委員会設置の由来にもかんがみ、臨時行政調査会答申の実現の推進におく。」これが主たる任務なんですね。三十九年ですよ。その後、第一期、第二期、第三期の監理委員会までが、いろいろと答申を出したり意見を出していますよ。その間に、それを受けて実際に急所的な役割りを果たすべき行政改革本部というものが、持ち回りの形式でやっているだけで、実際の会議を全部テーブルについて開いていないというようなことがあるというのは、どうもこの臨調の答申に対する軽視じゃないか。せっかくこういうものを主たる任務にしながら、監理委員会をつくっておきながら、一期、二期、三期、大体三年間の任期でやってきたものを、いろいろ取り寄せるとずいぶんたくさん勧告なり意見が出ていますけれども、それに対する実際の実行というものが微々たるものしかできていない理由はそこらにあるのじゃないか。したがって、もっと真剣に、総理から言われたからじゃなくて、行政改革本部長としては、答申のあるたびごとにやはりテーブルにつかせる会議を正式に持つような習慣をこれからつけないとまずいのじゃないか、こう思うのですが、長官どうですか。
  44. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 ごもっともな御意見でございまして、ただし、ただいまの件は、必ずしも総理というふうなことではなくて、私自体から率直に実は申し上げたものでございまして、その結果として、ぜひやっていきたいものだというふうなことから、過般、各方面の事務官とかあるいはまた監察局長とかといったような方々に集まっていただいて、るる説明をしてきたのですが、その後私自体としては、内閣においての立場もありましたり、あるいは委員会等の立場もございましたために出席はしておりませんけれども、しかし、いまのお話のように、実際問題として御趣旨ごもっともだというふうな点もありますので、ぜひこれを開いて、今後とも継続して、できるだけ早目にあらゆる問題等を出しまして、それを私自体がまとめまして総理の方に提言するというふうにしていきたいものだ、かように考えておる次第でございます。
  45. 原茂

    ○原(茂)委員 結構です。ぜひやらなければいけないと思います。いままでのような休眠状態に置くなんというのはもってのほかだ。長官が就任されてようやく緒についたわけですね。大変ありがたいと思いますし、そうしなければ行政改革は進まないと思います。  そこで、これについてもう一つだけお伺いしておきたい。それは、委員会の当面の運営方針というのが決められています。その一番末尾の方へ行きますと、「行政監理委員会の設置と任務」、「機構・定員に関する審査基準については、単に「機構の新設・定員の増加は絶対に(あるいは原則として)認めない。」というような基準では十分でないので、早急に具体的基準を確定する。」こうなっているのですね。具体的基準が確定されていますかどうか。
  46. 川島鉄男

    ○川島(鉄)政府委員 いま先生お読み上げになりましたのは、第一期の行政監理委員会が、その運営をやっていく上に当たりましてどう持っていくかということで、第一期の委員会の問題として決定されたものでございます。そこで、いま先生読み上げられましたところの、機構の新設、定員の増加は絶対に、あるいは原則として認めないというような基準では十分でないという、その認識をお持ちになっておられたということは事実かと存じます。  ただ、現在そういう意味で何か基準を持っているかということにつきましては、その基準というものが生きるような姿の基準というものにはなじまないテーマではないかと存じます。機構の問題でもあるいは定員の問題でも、背景にはそれぞれ各種の行政がございまして、行政の質によっていろいろと違う問題がございますので、簡単にはそういう基準というものは定立しがたいのではないかと存じます。そういう意味におきまして普遍妥当的な基準というものはないと申し上げていいかと思います。ただ、いろいろの判断に当たりまして全く判断の基準がなくてやっておるかということになりますと、これはそういうことはないと申し上げられるかと思いますが、そういう一般的な基準は持ち合わせてない、また、そういうようなものをつくることはかえって実質的ではない、こういうふうに信じております。
  47. 原茂

    ○原(茂)委員 現在各省庁には、具体的と言えるかどうか知りませんが、一応の基準はあるのでしょうか。
  48. 小田村四郎

    小田政府委員 定員及び機構の審査についての基準、こういう御趣旨かと思いますが、定員につきましては、先生御承知のとおり昨年の七月に第三次の定員削減計画というものを閣議決定いたしまして、各省はそれぞれの省におきます目標数字というものを持っております。その決定に基づきまして定員削減をすると同時に、他方、増員の要求を概算要求においてするわけでございますが、これは特に基準と申しますよりも、そのときどきの行政需要に応じまして増員の御要求をなさるということでございます。これを審査いたしますときには、私どもとしては極力定員の増を抑制する、こういうたてまえでやっておりまして、一律の基準というものは特に持ってはおらないわけでございます。  それから、機構につきましても同様でございまして、部局の増設につきましてはスクラップ・アンド・ビルドという原則に基づきまして、その膨張を抑えるという方針で進んでおりますけれども、これも各省の御要求の場合にはそういうものはございませんで、予算査定に際しまして、私どもあるいは大蔵省におきましてそういう原則で予算編成に臨んでおる、こういうことでございます。
  49. 原茂

    ○原(茂)委員 やはり定員、機構に対してこれをいじろうとする、増減がありますが、そういうときの具体的な基準行政管理庁として、やはり各省意見を聞きながら取りまとめておく必要があると私は思うのですよ。そういうものがなくて、いろいろ答申が出ていますが、それをどう処理しようかと考えたときにも、物差しがやはりもう行政管理庁にあっていいのじゃないか、そういうものをつくるための作業をすべきではないか。すでにこういうような方針が、監理委員会としては第一期の委員会の任務として出ているわけですから、こういうものも参考にして考えていただく。これまでずいぶん長い間たっているのですから、一応こういう重要な具体的な基準らしいものは、各省に対して意見を聞きながらも、やはり最終的には行管で指示をすることができるようにしないといけないのではないかという感じがいたします。  これに関連して、公務員の週休二日制の問題についてお伺いしたいのですが、これも基準はもちろんないし、週休二日制を実行するということになりますと、恐らく、ある部門はいやでも増員をせざるを得ない。現在はそうでなくても合理化、削減、民間の企業なんかはもう人をふやすどころではないというような状況の中で、公務員だけが増員というようなことが許されるかどうかという問題もあると思います。あると思いますが、しかし、週休二日制というものは、少なくとも七〇年代における豊かな生活を推進するという大きな政治目標の一環としてはすでに推進をされていて、民間においては六〇%以上がもうすでに——隔週というのもありますし、完全実施というのは約九%くらいはある、あるいはまた月に二回というようなものも五二%くらいは推進されているというように、民間は平均して約六〇%はすでに採用、実施しているというようなことになりますと、これはやはり各省が、いろいろ各委員会でも答弁をされているようですが、やるという方向は決まっている、実施するということはもう決まっている。それに対して行政管理庁としてはやむなく、たとえば警察ですとか病院ですとかというような、交代制勤務のどうしても必要な部門に対しては増員を認めざるを得ないだろうという意見をお持ちのようです。現在のいろいろな経済情勢なり財政硬直化等を考えた地方財政などを考えたときに、なおさら、これに対する反論といいますか時期尚早ではないかというような意見も出てくるわけですが、しかし、何といっても公務員の一番大事なことは住民に対するサービス、サービスを増進するということは、これは基本的な方針でなければいけないのですから、週休二日制をやる、手が足らなくなった、住民のサービスが落ちた、欠落したということは許されないということになれば、週休二日制のやり方、たとえば隔週もあるでしょう、月二回もあるでしょう、あるいはその他いろいろな工夫もあるでしょうが、しかし民間六〇%という推進の現状を見ると、公務員に対してもいつまでもほっておけない。したがって、行管庁としては、これはやるべきだ、五十一年度の予算編成に間に合うようにとにかく作業を進めるというようなお考えがあると聞いているのですが、私の申し上げているようなお考えのもとに週休二日制というものにまともに取り組んで、しかも現在作業が進められ、それが来年度予算編成に間に合うように、あるいはこのことは結果的には総定員法の改正に及ぶのは間違いない、したがって総定員法改正案として国会にも提案をする作業をしている、こういうふうに想像もし、あるいはいろいろ仄聞をしているのですが、私の申し上げたとおり、週休二日制に対してそうお考えであるかどうかを簡単にひとつ答えていただきたい。
  50. 小田村四郎

    小田政府委員 お答え申し上げます。  実はそういう検討はまだ着手しておりません。公務員の週休二日制の問題につきましては、一昨年の人事院の報告におきまして週休二日制に触れられまして、また昨年の報告におきましては、人事院が施行計画の策定をするというようなことで検討を進めていきたい、こういう御報告があったわけでございますけれども、その後人事院とされましては、施行計画の策定についていろいろ検討を進めている段階であるというふうに承っております。これが将来どうなるかという問題につきましては、社会経済全般に影響を及ぼしますし、また国民感情等も十分考慮しなければいけない問題であろうと思われますので、私ども直接の担当ではございませんけれども、人事院の御検討の結果をまちまして、それから対処すべきものではないだろうか、かように考えております。  したがいまして、行管といたしましては、まだ週休二日制の問題を具体的に検討する、特に定員とのからみにおいて検討するという段階には至っておりません。おりませんが、仮に週休二日制が実施されるというような場合の一般論として申し上げますと、そういうような場合におきましても、既存の組織、制度等についての十分な見直しを行いまして極力合理化をしていただく。したがって、そういうような結果によって、原則として既存の定員で対処していただく。そういうことでないとなかなか国民一般の御納得が得られないのではないだろうかという感じを持っております。ただ、この問題につきましての現在の段階はいま申し上げましたような段階でございますので、この具体的な検討というものはまだ一切手をつけておらないわけでございます。
  51. 原茂

    ○原(茂)委員 それで、この問題を行政監理委員会に近く諮問をする方針ですか。
  52. 小田村四郎

    小田政府委員 行政監理委員会の前回の御提言がございまして、定員管理の問題については、たとえば新規採用の抑制であるとか定年制の導入であるとか、そういう問題を含めて検討せよ、こういう御提言がございます。そこで、ただいま行政監理委員会におきまして、国家公務員の定員の問題につきまして現状がどうなっているか、あるいは各省でどういう問題を持っておられるかということにつきまして御検討をいただいておる段階でございます。ただ、週休二日制の問題は、ただいまの人事院の検討段階あるいは政府におきますところの対処の方針というようなものがまだ詰めの段階に入っておりませんので、近いうちに監理委員会にこれを御検討いただくというところにはまだなかなかまいらないのではないだろうかというふうに考えております。
  53. 原茂

    ○原(茂)委員 これはもう早急に結論を出すような、必要なら諮問も行うというように推進をしなければいけない問題だと思います。  この問題だけで時間をとるわけにいきませんが、そこで第三期の行政監理委員会の答申について、今度は具体的に少しお伺いをしてみたい。  その前に、私は今度初めていろいろ調べてみまして、行政監察のテーマというものを、これはどこが一体発案し、決めていくのでしょうか。私はやはり国民の要望に沿った適切なテーマというものを選ぶ必要があるなということを、いろいろと答申なりその他を読んでいる間に感じたのですが、現在までのテーマというのはどういうところでどうやって選ばれて、決められてきたのでしょうか。私の聞いているのは、現在までをどうのこうのというのは参考意見であって、やはり国民の側が強く要望しているものをテーマとして選ぶようなことが適切に行われなければいけないという感じがしましたから、その意味でお伺いしているのです。
  54. 大田宗利

    ○大田政府委員 お答えいたします。  行政管理庁では、現在年間計画と四半期計画がございます。それから、それよりもより長期的なものとして、大体今後の三カ年計画というものをつくっております。基本的には、その三カ年計画の長期計画の中から年度計画を選ぶということで考えております。  そこで、その三カ年計画というものはどういうふうにして出てくるかといいますと、まず、行政管理庁の支分部局でいろいろ地方的な監察をやっております。その件数は、年度によって違いますけれども、大体三百件くらいございます。これは主といたしまして現地で改善するということが目的でございますが、その中で、地域的な問題だけではなくて全国的な問題であるというものにつきましては、その三カ年計画の中に入れるという方針をとっております。  それから、行政相談といたしまして年間十三万件ぐらいございます。その中で、これは一個人の解決ということではなくて、基本的な制度その他の問題があるというものにつきましては全国的に改善する必要がある。また、そうしない場合にはやはり基本的に改善できない。一つの事例だけを改善しても、やはり全国的にまで発生する余地がある。そういうものにつきましては、そういう事案につきましてやはり長期計画の中に一応入れておくということにしております。  それからその他、新聞その他で情報をとる場合もございます。そういう場合で、これは監察として必要だというものにつきましてはやはりその長期計画の中に入れておくということで、その他たとえば長官の指示もございます。あるいは総理の要請という事例もございます。そういうものを含めまして三カ年計画をつくりまして、その中で緊急度の高いというものを選ぶという方針を立てております。たとえば今年度につきましては、人命安全の問題だとかあるいは物価の問題だとかという、大きく分けますとそういう分類の中でその三カ年計画の中から選んでくるというふうな考え方でつくっております。  また、この年度計画につきましては行政監理委員会の意見も聞くことになっておりますし、また審議対象にもなっております。そこで、そういうテーマを監理委員会に出しまして、そして監理委員会の御意見を聞いて、その御意見に基づいて訂正すべきものは訂正するということで、最終的には長官の御決裁を得て決めるというふうなことでやっております。
  55. 原茂

    ○原(茂)委員 これは私の提案ですが、長官、私は、この程度の予算では管理庁はとてもやれないかもしれませんから予算もふやさなければいけませんけれども、やはりテレビなりラジオを通じて一度全国民に、行政管理庁として、一体皆さんは国家的な見地からいってどんなものを監察してもらいたいかというのを年に一遍くらいとってみたらどうでしょうか。三年間の長期計画の中のこれやあれやと、いまのお話だと大体わかりますけれども、そうでなくて、一度は国民全体にひとつ、出したい者は意見を出してくれと言って、期間を決めて、行政監察をやってもらいたいという意見を出さしたら、私はずいぶんいいものが出てくると思いますよ。     〔森下委員長代理退席、綿貫委員長代理     着席〕  私なんか、いまの出ているものよりもっと違ったものをたくさんやってもらいたいなと思うものがあります。これは一国民として言うのですが、やはり管理庁あたりは、住民の側、国民の側からいって一体どんなことを希望しているかというそのテーマを一遍募集する。ラジオ、テレビはどのくらい金がかかるか知りませんよ。そのかわり、続けて一週間ぐらいやらなければ、一回ぐらいではだめですが、それをひとつやってでも、あすのいわゆるテーマというものをつかんでおく必要があるのではないかな、そう思いますが、どうですか。
  56. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 ただいまの御意見、本当にごもっともでございまして、私自体もさように思いたい気持ちでいっぱいでございます。過日も新聞や何かにちょこっと出ました。あれは共産党が提案したということになっていますが、実はあれ自体を私自体も考えていないわけではなかったのです。というのは、信濃川の問題ですが、あの信濃川の問題等も、現実の問題として私の方としてはどうしようかというふうな気持ちがないわけじゃなかったのです。そうではございましたが、御質問を受けたというふうな立場から、国民に不安の念を与えておるようなことでございますから、ぜひやってみようという気持ちになって、やることに決心をして私が指示をしたということにしてあるのでございますが、いまのお話のように、各方面なり、国民個人個人と言っちゃ何でありまするが、各県ごとにでもいろいろな問題がたくさんあるだろうと思います。そうでございますから、そのような方面の問題等を極力取り上げるというふうな方式をとりたいものだ、どうすれば一番いいのかというふうな気持ちまで持ってそれとなく検討をしておるというようなことでございますが、しかし、先ほどの事務当局お話のようなことからいたしましても、即座に取りかかれるというふうな段階までに至っていないということでございますだけに、まだ内閣も始まりましてから六カ月ぐらいでございますだけに、まずいまのところは検討という立場考えておきましょうと、こういう気持ちになって、いまのお話に対する回答にはならぬかもしれませんけれども、率直な私の気持ちだけを申し述べたわけでございます。とにかく考えて、そして早目に全国的な御意見というものをまとめるような気持ちに立ってやってみたいものだというふうな気持ちは持っております。
  57. 原茂

    ○原(茂)委員 ぼくは、長官はもう少しずばずば答えるかと思ったが、いままでと違ってなかなか慎重になったんで、いま驚いています。私も慎重な方だけれども、まあやはり、そのお気持ちがあるなら思い切って全国民に一度、どういうものをテーマにしたらいいかということをお聞きになった方がいいと思いますよ。その方がずいぶん先取りじゃありませんか。あしたの問題が出てきますよ。そして後から追っかけたり、ほじくり返されてつつかれたりというのはなくなるでしょうね、行政管理庁がしっかりすれば。一遍そういうものをとるべきだと思いますね。ぜひやってください。やりますか、ぜひやりますか。
  58. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 ただいまのお話等でございまするが、ぜひ私はやりたいと、こういうふうに思っております。しかし、先ほどのようなお話等も申し上げましたとおりでございますだけに、速急に直ちにやるというふうなことの、委員会等においてあるいは国会等において、変な話でございますがお約束というわけにはいきませんけれども、信濃川の例をもってしても一応御理解いただけるんじゃないか、かように思っております。
  59. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで、この第三期の答申の中の主なテーマとして特殊法人の整理統合というものが言われているわけですが、これは臨調でも、三十九年にもそのことは強く言われてきた。今回また、そのことが主要なテーマの一つとして出されてきた。整理統合すべき特殊法人というのはどういうものを言っているのか、それをちょっと、主なものだけでいいですから。
  60. 小田村四郎

    小田政府委員 提言では、整理再編成につきましてこういう法人を検討したらどうかということで、考え方としまして四つの点を指摘しておられます。具体的に申しますと、一つが、おおむね設立目的を達成し、または存続の意義が薄れたので整理再編成を促進する必要があるということで世上論議されている法人、それから二番目が、高度成長から安定成長への移行に伴いまして縮小ないし整理の必要があるということで世上に論議されている法人、三つ目が、職員がきわめて少ない、少数であるということのために類似の法人と統合できる、統合の可能性について検討する必要があると認められる法人、それから四番目が、臨時行政調査会あるいは第一期、第二期の行政監理委員会から指摘を受けまして、しかしまだ未措置になっておる法人、特に指摘の当時と比較して顕著な事情変更がないようなもの、この四つのような点に着目してひとつ特殊法人の検討をしてもらいたい、こういう提言があるわけでございます。ただ、この提言におきましては、もちろん御審議の途中において個々の法人の名前が挙がったことはございますけれども、提言自体におきましては具体的な法人の名前というものは例示しておられないわけでございます。
  61. 原茂

    ○原(茂)委員 審議の過程で出た名前を私の方から言います。  第一のケースですね、おおむね設立目的を達成し云々。電力用炭販売株式会社日本硫安輸出株式会社日本原子力船開発事業団、八郎潟新農村建設事業団。  第二のケース、高度成長から安定成長へ云々。日本鉄道建設公団、本州四国連絡橋公団、地域振興整備公団。  第三のケース、小規模な、数の少ない、五十人以下、五十人よりちょっと上回ったというようなもの。漁業共済基金、清酒製造業退職金共済組合、地方団体関係団体職員共済組合、北方領土問題対策協会、消防団員等公務災害補償等共済基金、奄美群島振興信用基金、社会保険研究所、日本硫安輸出株式会社日本蚕糸事業団、数がまだあります。  それから第四のケースで言うと、いわゆる一期、二期の指摘があったにもかかわらず、あるいはその前の臨調にすでに指摘されていた、しかもまだ措置をしていない。森林開発公団日本蚕糸事業団、畜産振興事業団、糖価安定事業団、漁業共済基金、東北開発株式会社、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、その他、大分あります。  大体、審議の過程で出た名前として、合っていますか。
  62. 小田村四郎

    小田政府委員 名前が出たことは事実でございます。ただ、これはまあ例示としてそういうもを検討してはどうかということで、それ自体が整理ができるじゃないかというところまでのお話ではございません。
  63. 原茂

    ○原(茂)委員 まあ、一番最後によけいなことをくっつけたけれども、これは整理統合すべき特殊法人としての例を示されたわけですから、最後の、そんな意味じゃないなんということにはならないのです。  そこで、きょうは鉄道建設公団からもおいでいただいているのですが、それから森林開発公団畜産振興事業団、水資源開発公団からもおいでいただいていると思います。水資源開発公団に関してそういう例示が臨調のときにあるんですね。今度の三期にはないのです。三十九年臨調のときにはあるのです。  いま御答弁のありましたような第一、第二、第三、第四のケースの、第二のケースの中に鉄道建設公団がある。高度成長から安定成長への移行に伴い縮小ないし整理の必要がある法人だと例示をされた。順次お答えをいただきますが、鉄建公団としてお考えになって、この第三期行政監理委員会の例示として挙げられました第二のケースの中に当たるから整理統合などを考えたらどうかということに賛成か、いやそうではない、現在こういう状態にあるからこの監理委員会の指摘とは違った見解を持っているというのかを順次お答えをいただきたい。  森林開発公団は、臨時行政調査会や第一期、第二期行政監理委員会から指摘を受けて未措置の法人だ。畜産振興事業団も同じですね。水資源も臨調で受けている。順次、いま私が前段に申し上げたような立場でお答えをいただきたい。
  64. 石岡實

    石岡参考人 お答えを申し上げます。  いまの行政監理委員会の御提言、新聞などでは拝見はいたしておりますけれども、正式な文書として、それをどういうふうにするかという意味合いにおきましては運輸省からまだ御指示がないわけでございますし、私ども公団としての立場で軽々しく意見を申し述べるのは、実はやや僭越ではないかと思っておる次第でございます。ただ、いまの公団実態などから見てどうかというふうなことのお話もございましたので、きわめて簡単に、発足から現在までの状況を御説明申し上げます。  公団は、三十九年の二月に公団法に基づいてできたわけでございます。そのときは政府、国鉄からの出資金百八十三億円、定員が八百九十五名でございました。その当初の事業の内容は、いわゆるAB線と言われますところの地方開発線、地方幹線、及び主要幹線、大都市交通線、いわゆるCD線の建設と、青函トンネルの調査でございました。その意味におきまして、一番初めは建設費の予算は三十九年八十四億円でございました。青函トンネルは、昭和四十六年の九月から本格的な建設に入っておるものでございます。  昭和四十五年の五月には、全国的な新幹線鉄道網の整備を図るため、いわゆる全国新幹線鉄道整備法が制定されまして、国鉄とともに新幹線鉄道の建設に当たることになって、現在努力をいたしているところであります。  さらに、四十七年の六月からは、大都市及びその周辺部における民営鉄道の輸送需要の増大に対処するため、既設線の複々線化、地下鉄直通都心乗り入れ、あるいは大規模ニュータウンへの新線建設の事業を行っておるものでございます。  現在まで、国鉄新線につきましては三十三線七百十六キロ、民鉄線につきましては二線二十キロを完成させておるものでございますけれども、現在、上越新幹線などを含めまして国鉄新線五十三線三千三百キロ、民鉄線十一線八十五キロメートルの建設を進めておるものでございます。  そういうふうな、公団ができましてから現在までの状況でございます。  私どもは、公団法の第一条で決められました重大な使命にかんがみまして、一同努力をする決心でございます。
  65. 原茂

    ○原(茂)委員 ごめんなさい、時間がありませんので……。いまの鉄建公団にしましても、こういう理由で統廃合あるいは考えなければいけないんだといって指摘されているのを、この種のものを公団が見ていないとは思わないので、ごらんになっているだろう。三十九年の臨調だろうが第三期の監理委員会の答申だろうが、見ているだろうという前提です。  しかし、結論だけ、一点だけずつ申し上げますと、鉄建公団に対しては、公団の財源の過半を政府出資に切りかえるんじゃなければ公団の設立の趣旨は失われていると思う、だからこれは考えなければいけないんだよというのが一番の結論。これは私も同感なんです。鉄建公団の出資を見ると、もうよけいなことは言わなくてもいいですが、政府出資がわずかで、国鉄の出資が大半で、あと借入金が少しあって、というのが大体現状ですよね。そうして鉄建公団で新線をつくる。新線をつくったものに対しては、その出資は国鉄が主にやっておきながら、しかも今度は買い取るか、高い借り賃を払って使わしてもらう。二重に国鉄が金を出すんですよね。こんなばかなことは、確かにあってはいけないと思う。基本だと思うのです。これはいいことを言っていますよ。現在の性格で言うなら、政府がその資金の過半というものを賄うのが原則じゃないか。そうでない、こんなへんぱな、まる二重に国鉄が投資するような、こんなばかなことをやっているような鉄建公団ではいけないという厳しい指摘なんですよね。だからこれに答えてください。——ちょっと待ってください。時間がないんで一緒に申し上げます。  それから森林開発公団に関しては、やはり結論として、第一に、「国有林と民有林の区分は林野行政上の配慮に基づくものではなく、所有権の歴史的な帰属に基づくものであった。従って保安林の造成に関しては、一元的な施策が必要であることに変りはないこと。」「現実には国有林野特別会計の剰余金の二分の一を特別積立金として積み立て、これを一般会計を経由して森林開発公団に出資しているので、財源上は、林野特別会計と森林開発公団は、明確に区分さるべき性格のものではないこと。」これが一つの問題点ですね。「更に現行の国有林野事業の所掌範囲を弾力的に解釈すれば、これを森林開発公団業務と本質的に区分すべき積極的理由は少なく、また、政府関係機関等の濫立による分割損も無視しえないこと。もちろん、現行の国有林野事業は予算、人事管理等運営上の問題点が少なくないが、将来当該事業の検討にあたっては、森林開発公団の吸収をも含めて総合的な保安林対策の確立を検討すべきものと考える。」それがゆえにこういう指摘がなされたのですから、これに対する見解をお聞きをしたいのであります。  それから水資源開発公団に関しては、河川法の一部改正がこの間行われましたが、その趣旨は私が言わなくてもわかると思いますが、その趣旨に沿ってやはり問題をいまも指摘できるわけですが、たとえば水資源の開発を総合的に推進するためには、何か総合開発庁のようなものを主務官庁として、水資源開発公団を再編成すべきだと考える。理由は、河川法の改正後の国の権限に対応し、主要河川全体にわたる水資源開発事業を一貫的に行うことに河川法改正の意義があったはずなんだから、したがって、いまのように何か新しい総合開発庁のようなものができて、そこにやはり再編成されていかなければ、全国各水系、各河川、この水源全体を一貫して管理、あるいは河川法の精神に従って運営することはむずかしいという意味では、どうも水資源開発公団というものが少しへんぱだ、かたわだ、こういう指摘ですが、これに対してどうお考えか。  畜産振興事業団に関しては、これは食肉、鶏卵等畜産物の価格安定対策は、その性格上全国的規模で広域的に実施しなければ十分な効果を期待できないものであり、貿易の自由化とともに外国産畜産物との関連において施策を要求されるケースが近ごろ増大している。価格調整機構の規模を拡大し、またその稼動率を高めていくためには、農水産物全般についての総合的な価格調整機構であることが望ましいことはすでに魚価安定基金の項で述べたとおりだ。結論的には、むしろ府県商工部で行う制度融資と重複しているきらいがあるので、効率上一本化の検討も必要ではないか。たとえば乳業者の経営資金の調達なり債務保証等について、そういうことを一本化しなければいけないんじゃないかということが指摘されて、結論は、したがって、農水産物全般についての総合的な価格調整機構を設置し、当該事業団をこれに吸収しなければだめだ、なお、債務保証及び交付金に係る補助及び出資の業務は地方公共団体に委譲する方向検討する必要があるから、ということが主な理由で指摘を受けているということですから、どうぞこれに対して、思ったままにお答えをいただきたい。
  66. 石岡實

    石岡参考人 お答え申し上げます。  公団に対する国鉄の出資が多過ぎるのじゃないか、こういう御質問であったと存じます。  公団発足後、資本金として毎年受け入れます出資金は、四十一年度までは国鉄からの出資が大半を占めておりましたけれども、四十二年度からは政府の出資額が国鉄の出資額を上回るようになりまして、さらに四十七年度からは国鉄から出資はなくなり、政府出資のみとなっておるわけであります。そういうことの結果、現在の資本金総額は二千七百十九億円でございますけれども政府の出資金は千九百九十二億円となっております。総額に対して約七三%の割合となっております。現在のような状況を続けますとさらに政府の出資の比率が多くなる見込みでございます。
  67. 原茂

    ○原(茂)委員 だから、いま第三期行政監理委員会の指摘した統合整理の対象にされることはどうだこうだという意見を言ってもらいたい。
  68. 石岡實

    石岡参考人 少なくとも国鉄出資との関係において、そういう問題について現在監理委員会から御指摘のありました点について十分努力されておるものと思いまして、そういう必要はないのではないかと考える次第でございます。
  69. 松岡亮

    松岡参考人 森林開発公団について申し上げます。  最初に、臨時行政調査会の答申がございました当時と比べまして、当公団のやっております仕事は大分変わっております。新規の事業が相当ございまして、そのために組織も定員もはるかに多くなっております。ふえました事業といたしまして、まず林道関係で、臨時行政調査会は三十九年度でございますが、四十年度から発足いたしました特定森林地域開発林道、この仕事がございます。それから四十八年度から発足いたしました大規模林業圏開発林道、これが目下本格的な仕事の段階に入っておるのでございます。当時から継続されております水源涵養保安林の造成事業でございます。  そこで、御指摘の一般会計から出資さるべきではないかというお話でありますが、これについては、公団ができました当時はアメリカの援助の見返り資金を使うということでありまして、発足当初は違っておりますが、その後一時——一時と申しますと不適当でございますが、国有林野特別会計の積立金に相当剰余ができておりましたので、それを活用するという意味もありまして、お話のとおり一度一般会計へ入れて、一般会計から出資するという形をとっておったのは事実でございますが、ところが国有林の資金は余ったり足りなかったりするということもございまして、また仕事の趣旨が御指摘のように一般会計でやるべきであるということから、四十八年度、四十九年度、これは全く一般会計の原資でございます、出資されております。ただし、五十年度につきましては、御承知のような公共事業の非常な圧縮がありまして財源が非常に窮屈でありましたので、たまたま国有林の方に剰余金の積み立てができましたので、そちらを原資としては使われましたけれども、今後も一般会計出資というたてまえでいくべきものと考えております。  なお、国有林の組織を使ってはどうかというお話がございますけれども、これにつきましては政府の方でお答えをいただく筋合いだと思いますが、実際問題として、事業を実施いたします地域は、国有林の地域とはむしろ別な地域になっている。現実に山の労務事情は非常に窮屈になっておりますけれども、いまの国有林の定期作業員の組織などを使いましてはとうてい事業は実施いたしかねると私ども考えております。
  70. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長代理 参考人各位に申し上げますが、なるべく簡略にお答え願います。
  71. 小林誠一

    小林参考人 お答えいたします。  昭和三十九年の臨調から御意見をいただいたことは存じております。その際に、当時ございました愛知用水公団を統合すべきだという意見も同時にいただいたかと存ずるわけでございます。  愛知用水公団でございますけれども、実はこれは昭和三十年から事業をやりまして、三十六年からさらに豊川事業をやったわけでございますが、大体昭和四十二年に事業が完成しまして、後はその施設の管理、償還という段階に入ったわけでございますので、昭和四十三年十月に統合いたしまして、現在中部支社ということになっておるわけでございまして、さらに中部支社は、木曽川水系におきまして相当新規の事業をやっておるわけでございます。     〔綿貫委員長代理退席、吉永委員長代理着席〕  なお、全体の総合的な開発を推進するため河川全体についての一貫施行が必要である、ことにまたその範囲を相当広げるべきじゃないか、こういう御趣旨の御質問かと存ずるわけでございますけれども、この臨調の御意見をいただきましたときに公団でやっております水系、これは水資源開発法に基づきます水系指定が前提になるわけでございますが、その当時は淀川、利根川の二川でございました。臨調をいただきました後、筑後川が三十九年に水系指定がございまして、木曽川が四十年、吉野川の水系が四十一年、さらに昨年の十二月でございますが荒川の水系指定をいただきまして、相当大きな河川につきましては逐次その事業を拡大しておるわけでございまして、今後とも行政庁の指導によりまして、そういう事業につきましては御命令がございますればどんどん拡張していきたい、かように存じておる次第でございます。
  72. 岡田覺夫

    岡田参考人 畜産振興事業団の理事長岡田でございます。  ただいま御質問の点についてお答え申し上げたいと思いますが、臨調の答申につきましてはよく存じております。それについての意見を申し上げさせていただきたいと思うのでございますが、先生も御承知のように、畜産振興事業団は昭和三十六年の十二月に、畜産物の価格安定等に関する法律に基づきまして設立されたわけでございますが、わが国の畜産は、御承知のように終戦後から新しく始まったと言っても過言でないわけですが、昭和三十年代に入りまして非常に発展をしてきたわけでありますが、規模が大きくなってまいりまして、生産と消費の事情によりまして価格変動が非常に激しくなった、これは何とか価格変動をとめて一定のところに安定させる必要がある、生産をふやすためにも消費を安定させるためにも必要であるというふうなことに基づきまして、畜産振興事業団を設立するに至ったというふうに理解しておるわけでございます。  畜産振興事業団ができます以前におきまして乳製品の価格安定の役割りを果たしておりました酪農振興基金というのが、乳業者に対する債務保証をいたしておったわけでございますが、これも乳製品に対します価格安定の一環ということで、畜産事業団ができますときに吸収をされまして、畜産振興事業団の業務の一部となったわけでございます。  たしか臨調は昭和三十九年に答申をされたと思いますが、その後畜産振興事業団の業務というものは非常に著しく拡大いたしまして、設立いたしました当時におきましては、主要な乳製品に対する価格支持、これは異常に価格が下がったときには畜産振興事業団が買い入れて、高くなったときに売り渡すという制度をとっておったわけでございます。それからもう一つは、豚肉につきましても、御承知のようにビッグサイクルというのがございまして、三年ないし四年を周期といたしまして非常に激しい価格変動があるわけでございまして、これは単に日本だけでなく、世界的にあるわけでございまして、これを一定の安定帯の中に抑えようということで、乳製品と同じように、安くなりますと事業団が買い上げまして、高くなると売り渡すというふうな形をとっておったわけです。  それに関連をいたしまして、鶏卵につきましては生産者団体が調整保管いたしまして、それに助成をするというようなこともいたしたわけでございますが、その後法律が改正になりまして、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法というのができまして、これによりまして、牛乳に対しましては不足払いをいたしますと同時に、乳製品につきましても買い入れ、売り渡しをするというふうな形になってまいりますと同時に、一元的に輸入を事業団がいたすということになったわけでございます。  そのほか、牛肉がその当時から非常に問題になりまして、国内の価格安定をするためには事業団が牛肉を輸入しなければいかぬということになりまして、牛肉の輸入の権能を与えられたわけでございますが、それをもってしても必ずしも十分ではないというので、ことしの国会におきまして畜安法の改正が行われまして、牛肉の国内の価格安定制度というのが、豚肉と同じように安いときに買って高いときに売るというふうなことになりますと同時に、輸入の牛肉につきましては一元的な運営ができるような措置をするようにというふうな条文ができたわけでございます。  そういう形で、だんだんと畜産が発展いたしますにつれまして価格安定なり価格支持をする範囲が非常に広まってまいってきておるというのが現状でございまして、畜産事業団ができました当時は予算が九十億ぐらいであったわけでありますが、現に千三百億を超すというふうな予算になってまいっておりまして、価格の安定とそれから生産の振興ということに対して畜産事業団の果たす役割りはかなり大きくなってまいっておると存じておるわけでございます。  そこで、農産物、畜産物、水産物については一本の価格安定機構をつくってその中に吸収したらどうか、こういうふうな御提言があるわけでございますが、現在農産物、畜産物、水産物について価格安定なり価格支持の制度をとっておりますものは非常に多いと思うのです。農産物、畜産物、水産物というのは、一言に言えば農林省の所管の物資ということでございますけれども、それぞれにつきまして生産形態、流通形態というものが非常に違っております。価格支持のやり方も、その物に即応しまして非常に違った形態をとっている。したがいまして、これを一本にしてやるということは、私は非常にむずかしいのではないかというふうに思います。単に寄せ集めということに終わるのではなかろうかというふうに思われますことと同時に、大変な規模でございますから、これを一人の理事長なり、また何人かの副理事長なりが全部を見渡して、総攬をして、適切な価格安定を行うということは、私は非常にむずかしいというふうに思っております。現に、私のところで畜産物の主要なるものは大部分やっておるわけでございますけれども、大変売り買いが伴う関係から非常に忙しい。いまの私の体験からいたしましても、農、畜産、水産物を全部含めて価格安定制度をやるということはまず困難ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。  それからもう一点の、保証業務は地方に委譲したらいいではないかというふうな御意見だったと思うのでありますが、この保証業務も、先ほど申し上げましたように、畜産振興事業団ができますときに現にあったものを吸収いたしまして、価格安定制度の一環であるというたてまえから畜産振興事業団の業務の中に取り入れられた経緯がございます。したがいまして、これを切り離して地方にやるということは価格安定制度の一貫性をやや乱すおそれがあるというふうに考えて、どうも賛成いたしかねるというふうに存じております。  簡単でございますが、以上でございます。
  73. 原茂

    ○原(茂)委員 長官、いまお聞きのとおり、私はこの問題を「方針」に沿って調べてみて、あながち整理統合という言葉に当たらないものがいっぱいあるのじゃないか、こんなことをむやみにこの監理委員会の答申どおりに推進したら大変だというようなものがたくさんあることを逆に発見したわけです。それできょうは、お気の毒ですが四人の参考人に御出席をいただきました。いまお聞きのとおりです。ところが私が、例示で鉄建公団があります、森林開発公団が入っています、何が入っていますとわかるくらいですから、職員はもちろんわかっている。関係する農民もわかっている。地域住民にわかっている。国民にわかっている。この種のものが出たときには、いいものもあるでしょうが、ある種の不安を与えるおそれがある。いろいろな面で、内外に非常に大きな不安を与える。したがって、行革本部は大至急にこれに対する結論を出す。監理委員会が言ったから全部正しいのじゃない。かくかくの理由でこれはだめ、これはまだもっと強化してやるべきだというようなものがあるとかないとかいう結論を早く長官としてはお出しになる必要があるということが、実は言いたかったわけであります。最後にそのことに対して御意見をはっきりお聞きして、終わります。
  74. 川島鉄男

    ○川島(鉄)政府委員 大臣からお答え申し上げます前に、ちょっと御説明申し上げたいと存じます。  行政監理委員会の今回の提言でございますが、総理から、監理委員の任期を終わる直前であるけれども、いろいろと行政について御勉強いただいたその蓄積から、適当なサゼスチョンと申しますか、提言をいただきたいという御要請がありました。それは実は二月の二十七日だったと思いますが、御提言をいただいたのは四月の二日でございます。途中の期間が非常に短うございます。  そこで、監理委員会としては、総理からの御要請にこたえるべく鋭意いろいろと作業をされたわけでございますが、いずれにしましても期間が大変短うございます。そこで、見過ごすわけにはいかない問題というようなものとしても特殊法人の問題も取り上げるべしというお考えがあったわけでございますが、これこれしかじかの公団は問題ではないかというような式の御検討をされる暇がございませんでした。したがって、物の考え方として、先ほど管理局長から御説明しましたような四つのタイプをつくりまして、こういったものに当たるものを検討してみたらどうか。また御提言の中にありますが、具体的な検討あるいは推進は第四期の監理委員会でお願いしたい、と書いてございますように、必ずしも、これらのものが問題であるということで御提言があったのではないということでございます。個々の公団が特に名前が出なかったというのは、そういうことで、当然でございます。御提言はタイプで分けて、こういった方向考えてみたらどうか、それに当たるものとかいうものについては四期で具体的に検討してくれということになっておるということを、ちょっと御説明申し上げさせていただきました。
  75. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 ただいまの原さんの御質問に対しまして、よく検討いたしまして、御趣旨に沿うような方向努力してみたいと思います。
  76. 原茂

    ○原(茂)委員 終わります。     〔吉永委員長代理退席、委員長着席〕
  77. 井原岸高

    井原委員長 庄司幸助君。
  78. 庄司幸助

    ○庄司委員 まず気象庁長官にお伺いしますが、気象庁設置の目的、大筋で結構ですから、骨だけひとつ簡単に述べていただきたいと思います。
  79. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 気象庁は、気象業務法によりまして防災、自然災害の防止、交通の安全、産業の興隆、国際協力等を目的といたしまして業務を行っている役所でございます。
  80. 庄司幸助

    ○庄司委員 きょうは気象庁の定員削減の問題でお伺いするわけですが、気象庁の定員削減に当たって、行政管理庁の長官として気象庁の任務はどのようなものかという御認識、簡単で結構ですからお伺いします。
  81. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 行政運営に当たる国家公務員の数は必要最小限にとどめることを基本とすべきものであると考えておりますが、このため定員管理のあり方といたしましては、社会経済情勢の進展などに伴う新しい行政需要に即応し、行政運営に支障を来すことがないように所要の人員の増員を行う一方、行政事務の合理化などを積極的に推進して、可能な限り既定の定員の縮減に努める必要があると考えておるものであります。  このような見地に立って、昭和四十三年度以降、三次にわたりまして定員削減計画を作成してきたところでありまして、この計画の実施を通じて、定員配置の合理化や行政の効率化に努めているところでございます。
  82. 庄司幸助

    ○庄司委員 時間がむだになるのですが、長官、私が伺ったのは、そういう人員の配置の合理化を進めるに当たって——私どもは削減と言っておりますが、気象庁の場合、気象庁の任務は一体どういう任務なのか、その点長官としてどういう御認識でいるのか。気象庁の任務について簡単でいいですから、ひとつお伺いします。
  83. 小田村四郎

    小田政府委員 定員削減の問題でございますが、今回の第三次——第一次、第二次も同じでございますけれども……
  84. 庄司幸助

    ○庄司委員 気象庁の任務をどう認識されておるのか。
  85. 小田村四郎

    小田政府委員 定員削減に当たってのという御質問でございますので、定員削減について御説明いたします。  運輸省全体といたしまして何人という目標を閣議決定いたしております。第三次で申し上げますと、運輸省の削減目標数は一千五十九名になっております。五十年度の削減総数は四百二十四名でございます。この運輸省の削減数の中でこれをどこの部署からどういうふうにどの程度削減するかということは、運輸省自体にお任せしておるわけでございまして、各省庁とも、いずれも同じようなやり方で進めておるわけでございます。
  86. 庄司幸助

    ○庄司委員 それじゃ前の国会答弁と違うのですね。あなたの方の前任者の行政管理局長の答弁だと、気象庁の削減に当たっては、防災上欠くことのできない人員については十分確保する、むしろ増員も考える、こういうことをおっしゃっているわけなんです。ですから、運輸省が何名とか、あと運輸省の判断に任してあるとか、そういうことはこの間も答えてないし、私のお願いする答弁というのも、気象庁の任務はこういうものだから、定員削減に当たってはそういう任務の本来の遂行からいって十分合理的にやるべきである、こういうふうに考えられるのが私は当然だろうと思うのです。もう時間がありませんから、これは繰り返しません。  そこで、私まず第一番目にお伺いしたいのは気象庁長官ですが、二月五日に私と参議院の岩間議員があなたのところを訪ねまして、福島県の小名浜測候所の定員削減の問題でいろいろ申し入れあるいはお話し合いをしたわけです。その際、地元の了解を完全にとってくれ、地元の了解が前提だ、このことを強調したわけです。それから三月二十五日には長官が私の部屋へ参られまして、この問題でやはり話し合いいたしました。地元の了解の問題でも話しております。そのほかの問題でも、定員削減に伴ういろいろな不安の問題もお話ししました。  また、三月二十五日に参議院の運輸委員会が開かれておりますが、この際、岩間議員に対して気象庁長官は、地元の了解を得た、こういう答弁をされておりますね。「たとえばレーダーでございますとか、アメダスの方々の観測点を利用することによりまして十分いい情報、予報、注意報、警報を行うことができるということを漁業関係の方にお話し申し上げまして、ただいまのところでは漁業関係の方々の御了解を得られたと存じております。」こういう御答弁です。これは本当に了解を得られたのかどうか、御答弁願います。
  87. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 小名浜の地元の御了解を得ます件でございますが、われわれといたしまして、小名浜測候所の業務の変更に伴います地元の御了解を得ますためにはいろいろ努力を重ねました。特に小名浜におきまして、地元の方といたしまして気象に特に関係の深い漁業関係の方々に対しまして、先ほど先生がおっしゃいました時点並びにその後も継続いたしまして、仙台管区気象台並びに福島地方気象台、小名浜測候所関係官がいろいろと漁業関係の方にお会いいたしまして、気象庁の小名浜測候所の業務変更に対します御了解を得られるように努力し、御了解が得られたわけでございます。そのような状況におきましてわれわれは業務の変更を行ったわけでございます。
  88. 庄司幸助

    ○庄司委員 それが得られていないのですね。これは私も現地で確かめてきました。小名浜漁協の大高参事という方がいらっしゃいますが、この方は、説明は受けたが了解はしていない。それから福島県漁連の渡辺総務課長さん、この人も、説明は受けたが同意はしていない、縮小はとんでもない、こう言っているわけです。だから、これは長官が、あなたの足で確かめた了解じゃなくて、仙台管区気象台の話をうのみにして了解を得られた得られたと、こういうふうに信じ込んで国会でも答弁なすったわけです。しかし、これは明らかに事実と違うので、偽りの答弁を国会でなすったということになるわけです。この点、長官どう思われます。
  89. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 申し上げます。  漁業関係者とのお話につきましては、二月の二十二日に小名浜漁業協同組合役員会に説明をいたしまして、御了承を得られております。二月の二十四日、漁業無線局との話し合いによりまして、従来十四時、十九時、二十時の実況を知らせておりましたものを、九時、十二時、十五時、十八時、二十一時の実況に変更することにつきまして御了解を得ました。二月二十六日、福島県まき網組合長にお話をいたしまして、協力を得られる旨御了解を得ております。同じく二月二十六日、福島県漁連専務理事の方にお会いいたしまして御了解を得ております。この御了解によりまして、われわれは漁業関係の方の御了解を得たと判断いたしたわけであります。
  90. 庄司幸助

    ○庄司委員 いま長官の御答弁ですと、得られた、こう言っておりますが、現実に私の聞いた範囲では、了解していないと言っております。  それから小名浜の場合は、漁業気象の問題もありますが、同時に、あそこは公害の多発地帯であります。そういう点で、小名浜港を管轄しているいわき市当局も、やはりこの点では非常に疑問を持っております。あなたは地元の了解を得られたとおっしゃっておりますが、得られていないという情報もわれわれ持っております。その点で、地元の了解を得られないまま強行したんじゃないか、こういう考えを持っているわけです。  そこで次に移りますが、三月二十五日の参議院の運輸委員会であなたは、小名浜測候所の定員削減については、AMeDASであるとかあるいはレーダーの利用で充実した情報が得られる、情報とか予報とか注意報とか警報を出される、こういうふうに御答弁なすったわけです。ところが四月の十五日、定員を削減した半月後です。あの小名浜の湾口近くで、出港しようとした韓国船と、それから病人ができたために緊急入港しようとした第十五大手丸ですか、タンカー、これが濃霧の中で衝突したわけですね。衝突した時間は十六時三十八分です。ところが、海上濃霧注意報といいますか、これが出たのは十七時なんですね。濃霧の中でもうすでに現実に衝突が起こっている。その後二十何分かたってから注意報が出る、こういう事態が発生したわけです。その結果どういうことが起きたのかというと、第十五大手丸が積んでいた積み荷のA重油あるいはC重油、これが相当大量に流れまして、あの辺一帯、小名浜港一帯、それから遠くは茨城県の北茨城市までこの油被害が及んだわけです。あの辺の漁民は本当に惨たんたる被害をこうむったわけです。いまでもウニやアワビ、とれたものを試食いたしますと、油臭くて食えない、こういう状況があるわけです。しかも、あの辺一帯ではその前に、台湾坊主とわれわれ言っておりますが、春あらしの関係で、入港しようとしていたアデリナ号という便宜置籍船が座礁して、これでもって油を流しております。その点で漁民は、この小名浜測候所のいわゆる定員削減で漁民が危惧していた状況がこんなに早くあらわれるとは思わなかった、まさに定員削減というのはこういうふうに漁民に影響を及ぼすものだということをこもごも語っているわけです。  その点で、長官が冒頭に申されました気象庁の任務、これは防災だと第一番目に挙げられたわけです。こういう災害が発生した。しかも発生した場合、注意報が事故発生の二十二分後に出されている。この点については、わが党の岩間参議院議員も委員会の席上、あなたに御指摘申し上げたわけです。あそこは漁船の出入りが非常に多い。年間、漁船を含めて、商船も入れて三万九千隻も出入港している。しかも、きわめて危険な港である。こういうところで定員削減やって、観測回数を減らす、そうすれば事故が起きるおそれは十分あるからやめなさいと言ったはずです。私もあなたにお目にかかって、再三このことは申し上げたわけです。AMeDASの問題にしても、どなたか、議員がおっしゃいましたが、あれはAMeDASじゃなくて、だめだすと、こう言っております。霧には役に立たないということを私も再三申し上げました。こういうわれわれのたび重なる危惧の念あるいはおそれ、こういうことに対して、あなたはいわゆる耳をかさないで、定員の削減を小名浜で二名やられたわけです。それと注意報のおくれがどう関係するかは後で論ずるにしましても、防災を主な任務にしている気象庁の任務からいって、こういう事故が起きた事態、濃霧が発生して注意報が出ていない——一般的な注意報は出ていたんですね。朝の五時半ごろ、三陸全般にわたっての霧警報は出ていたようです。しかし局所的な予報、こういうものはおくれたわけです。このことについて長官どういう責任を感じておられるか、ひとつ率直に意見を述べていただきたいと思うのです。これは衆議院にしろ参議院にしろ、速記録を私ずいぶん持っています。防災上絶対御心配かけません、こういう御答弁を何遍もなすっているのです。それから、行政管理庁も同じような答弁をしているのです。しかし事故が起きて、そして注意報がおくれているという問題が現実にあるわけです。この点、長官どういうふうに責任を感じておられるのか、その辺まず伺いたいと思います。
  91. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 四月十五日の小名浜のタンカー事故のときの注意報のおくれの問題でございますが、当日、仙台管区におきまして、午前五時五十分に全般の海上濃霧警報が出ておりました。先ほど先生指摘になりました濃霧注意報と申しますのは、福島県の地方気象台でございます福島地方気象台におきまして、各地からの資料を集めまして情報を作成して、注意報を出すわけでございます。小名浜の業務の変更は、二十四回観測通報を行っておりましたものが八回の観測通報に変わったわけでございますが、これをAMeDASの器械によりまして必要な最低限の資料は得られるという状況になりまして、この観測通報されました資料は福島地方気象台に集まる。これは前からでございますが、福島地方気象台に集まりまして、福島地方気象台におきまして天気図あるいはレーダーの資料その他を勘案いたしまして注意報を出すわけでございます。その意味におきまして、当日霧が海上に、沖の方にはあったのでございますが、小名浜近くに来たということが、小名浜の測候所の観測によりまして十六時ごろからわかりまして、十六時半ごろには湾内に霧が少しずつ入ってきたという観測を福島の地方気象台に連絡したのでございます。福島の地方気象台におきましては、この小名浜からの報告によりまして注意報を作成いたしまして、十七時に濃霧注意報を出したわけでございます。  これは二十四回の観測が八回の観測になったということとは、私の解釈によりますと、そのことと注意報がおくれたこととは必ずしも一致しないのでございまして、注意報というのは、やはり天気図で広い範囲の状況を見ながら、これによりまして予報を行うことによりまして注意報を出すのでございますが、このように霧が非常に急激な変化をして湾内に入ってきたというようなことに技術的にちゃんとフォローできなかった技術上の不十分さがございまして、現在の判断によりますと技術的に、霧がこのように変化して湾内に入ってくるということの予報その他が十分に判断つかなかったために注意報を出します時期がおくれたというふうに解釈しております。  この点につきましては、先生指摘になりましたように、確かに漁業関係につきましても霧その他防災上重要な要素につきましては、われわれとしてはその現状の把握並びに予報につきまして極力今後も努力を重ねまして、霧の予報またそれに伴います注意報、警報などの出し方につきまして今後十分勉強いたしまして、技術的にちゃんとしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  92. 庄司幸助

    ○庄司委員 だから、霧については、もう技術的にいって処置なしだったということも、あなた、いま認められたわけです。いわゆる機械的な自動化では霧は捕捉できない。だから、常時目視、人の目で刻々と把握していなくちゃならない性格のものでしょう、霧の発生の問題は。それをわれわれ危惧して、何遍もあなたに申し上げたわけなんですよ。それを無視されてああいう強行をされた。だから私は、今後どうするこうするはいいですから、一体あなたは、われわれとのやりとりあるいは国会でのやりとり、これを通じてあなたも答弁されておりますから、その点でどういう責任をお感じになっていらっしゃるのか、これを端的に伺いたいと思うのです。くどいことは要りませんから、簡単でいいです。
  93. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 ただいま先生指摘になりました霧の監視の問題でございますが、二十四回観測通報を八回の観測通報に改めましても、常時監視の任務は小名浜測候所においても持っているわけでございまして、このときも、霧が変化する状況は小名浜測候所においても監視していたわけでございます。ただ、福島におきまして、この霧がどのように変化し、どのように動くかということにつきます予報そのものの技術が十分でなかったということにつきましては、確かにわれわれとしては反省いたしまして、今後こういう方面の努力を重ねたい、こういうふうに存ずる次第でございます。
  94. 庄司幸助

    ○庄司委員 福島の気象台、これは予報権を持っておりますから、ここでしか予報を出せない。現地の小名浜測候所じゃ予報を出せないんですね。こんな姿にだれがしたんだと言いたくなるような問題なんです。その点私は、予報権の問題は後で時間があれば論じますけれども、とにかく国会でも何遍も指摘され、私と長官との対談でも何遍も指摘して、それを振り切って強行された結果こういう事態が発生している。そうでしょう。濃霧の中で事故が起きたのは十六時三十八分、注意報が十七時、二十二分後に出ている。こんなあほくさい予報が一体ありますか。少なくとも、十六時三十分に予報が出ていれば、あの韓国船は出港しないで済んだんです。一方の第十五大手丸の方は、急病人を抱えていて、これは緊急避難ですから、霧があろうとなかろうと第一番目に入港させなくちゃならない船なんですね。あの韓国船を出港停止できなかった。これはまあわれわれが申し上げた結果、こういう事態が発生しているということ。何だかんだの言いわけよりは、私は、この起きた事故の事実そのものの重みというのは山よりも重いだろうと思うのです。しかも、きのうの新聞だと、今度は津波の警報が、これも津波発生後に出ている。こんな実態があるわけです。  それから、もう一つ申し上げましょうか。五月十六日です。私が全日空の飛行機に乗って羽田から仙台へ向かう途中です。全日空の飛行機は機内で何の放送もしません、その日は。普通なら、仙台空港が悪天候の場合は、悪天候の際は着陸できない場合引っ返すこともありますという予告はやるのですね。この日、何の予告もない。そうやってこの仙台空港に向かって着陸態勢に入ったら、物すごい濃霧です。空港が見えてきたのは、もう本当に五十メートルくらいの高度ですかね、このときやっと空港の手前の波打ち際がちらっと見えた。飛行機はそのまま進入路に入りました。そうしたら滑走路じゃないんですね。で、あわてて足を引っ込めて、また上りました。もしあそこに鉄塔が建っていたら惨死ですね。こういうことを飛行機に対して予報があったのかないのか、これは私はわかりません。二度目にやっと着陸している。これは事例の話ですから、問題があるなら、あなたの方で後でお調べになったらいいだろうと思うのです。しかも、この飛行場の雲の高さをはかる装置というのは、飛行場の真上しかはかれない状況でしょう。進入路についてははかれない。飛行場の雲の高さと進入路の雲の高さというのは違いますからね。そういうことが、ああいうひやっとさせられる一つの原因になるのじゃないかと私は思うわけです。  だから、そういう点で私は、気象庁の人員の削減なりあるいはこの機材の整備なりについてまだまだ解明すべき点があるのじゃないか。それを行管が至上命令だ至上命令だと言って運輸省に何名割り当てた、運輸省は運輸省の判断で気象庁に何名だと、こう言っているわけでしょう。こんな無責任な体制というのはないだろうと私は思うのです。国民の安全を守るべき気象庁が機械的な削減を受けている。これは私は大問題だと思うわけです。  その点で私がお伺いしたいのは、たびたびのこの国会答弁で、防災気象上の問題や住民サービスの問題で欠けることがないようにいたしますと、もう口が酸っぱくなるぐらい、何遍もあなた方は言っているのです。しかし、現に小名浜でああいう事故が起きている。そして今度は北海道沖の地震で津波が発生して、その後追いするようなあほみたいな予報が追っかけてくる。あれが、津波が軽微だったからまだいいんですよ。津波が五メートル、十メートルの高さだったらどうしますか。その点私は、根本的にこの気象庁の定員削減問題について、もっと科学的な見地から検討し直しをすべきだろうと思うのです。  これに対して気象庁ではまた、大変な文書を出しているのですね。これは昨年の十二月十九日と二十日に第三次業務整理等対策本部の会議があった、この議事の要旨が出ております。こういう中で東京気象台の管区の台長は、「一番問題になるのは測候所である。」いわゆる定員削減、「部外からの陳情もすでにきているが、圧力で引きさがることのないようにしてほしい。」なんて暴言を吐いています。何が圧力ですか。それから福岡の台長ですね。この方は「削減は通年化されてきている現状から対策は常にたてておくべきである。議員対策はできるところは本庁でやってほしい。」われわれ議員対策ですね。こういう意見も述べられている。それから、これは名前は出ていませんが、「地域サービスについて地元に説明する必要があるが、サービスの低下について反論しかねる。」こう言っています。それに対する答えは「地元への説得は理論でしなければならない。」なんて言っています。  そして理論というのは、おたくが三月十日に出した議員対策とらの巻、私はそう呼んでいますが、「昭和五十年度業務整理等に関する考え方 気象庁」というのがあります。「第三次定員削減に関して、国会をはじめ、地方自治体、各種団体、労働組合等から種々の意見や反対陳情等が行なわれている。これに対応するため、それぞれ、本庁各部、管区気象台等で説明しているが、今後もなお引き続き、このような状態は続くと思われるので、基本的な考え方や共通する事項については予め、対応資料をできるだけ整備しておく必要がある」と言って、その資料を出しています。二十四回観測を八回観測にした場合こういう機械があるから大丈夫だとか、いろいろな説明をやっております。  その点、私、長官にお伺いしたいのは、気象庁の長官は科学者でしょう。気象業務というのは最も科学的であらねばならないだろうと思うのです。それを地元の台長が、十分反論しかねるとかなんとかおっしゃっている。しかも、理論的に対応しなければならないなんという答弁もある。理論的な対応、結構です。しかし、この理論が現実を無視するような理論であってはならないだろうと思うのですがね。私は科学者のとるべき態度ではないだろうと思うのですが、長官、その辺どうお考えになりますか。
  95. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 申し上げます。  気象庁の業務は、先ほど先生が御指摘になりましたようにいろいろ技術的なことの多い役所でございまして、われわれといたしましては、このような定員削減という事態も一方に踏まえながら、気象庁の中におきまして新しい技術の導入、施設の改善などを図りまして、このような技術的な進歩、学問の進歩も取り入れました上で、われわれの業務がいままでと変わりなく、よりよくできますような技術、施設を導入することによりまして、場合によりまして変更すべき部分が出てまいりましたならば変更いたしますし、改善すべき部分が出てまいりましたならば改善いたしまして、人員的にも減少のできます部分あるいは人員的にふやさなければならない部分を総合的に勘案いたしまして、現在の第三次削減の方針考えているわけでございまして、ただいま先生が御指摘になりましたが、いろいろわれわれといたしましてこれを行います上に議論を重ねているわけでございますが、気象庁といたしましては、先ほど申し上げましたように、気象庁本来の業務を見失わないように、より一層ちゃんとした仕事ができますように考えながら、仕事並びに計画を立てて実施している状況でございます。
  96. 庄司幸助

    ○庄司委員 ですから、反省なすっているのはいいのですが、現実にこういう事態が発生したわけです。私二、三の例を申し上げました。こういうことに対して具体的な対応策なり見直しをやってもらわないと、住民は浮かばれないだろうと思うのですよ。私だって、うっかりすればあの世の人だったかもしれないのです。  その点、私、今度は行管の方にお伺いしますが、これは三月二十五日のやはり参議院です。前任者の加地さんとおっしゃる行政管理局の審議官、この方が岩間議員にこう答えています。削減について「具体的に申し上げますと、たとえばいま問題になっておる気象庁の問題で申し上げますならば、これはやはり予報とか、そういう気象業務の直接の業務に当たる場合には削減はないわけであります。むしろ増員という形でふやしていっておるわけでございます。」こんなうその答弁をしていいのですか。これはうそだということははっきりしています。削減はない、むしろ増員というかっこうでふやしていっているのだ。何が増員ですか。だから、これは長官、声を大きくするだけが能じゃありませんから、ひとつじっくりこの問題を、行管としてもやはり、一律に運輸省に何ぼ割り当てたのだから、後は運輸省の勝手だということじゃなくて、血の通った行政管理をやってもらいたいと思うのですが、いまやりとりをお聞きになっていて、気象庁の定員問題、これは一遍見直しをやっていただきたい、私はこう思うのです。私は小名浜の具体例を一つ挙げました。その点、長官どうお考えなのか、簡単にひとつお願いします。
  97. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 ただいまのお話ですと全くごもっともだと思いますが、ただいまのお話で、増員しているなんということはうそじゃないか、逆に低減をしているじゃないかと言わんばかりのお話でございましたが、その方は後ほど事務局の方で答弁させたい、かように思いますが……(庄司委員「それはわかっているのです」と呼ぶ)しかし、させたいと言っておるのに、わかってますと言われたのでは、おたくの質問に対する答弁ができなくなってしまうので申し上げるわけなんですけれども、現実の問題として、私といたしましては極力いまの御質問に合うような方向努力していきたい、それ以外に私たちとして考えていくべき筋合いのことが率直に言って、ないのでございますから、できるだけいまの御要望にこたえるような方針で進んでいきたい、これだけを二度も繰り返して申し上げたわけでございますが、申し上げておきたい、かように思います。
  98. 小田村四郎

    小田政府委員 簡単に増員のことを申し上げます。  気象庁の定員でございますが、四十五年度は六千百二十六人でございまして、五十年度は六千五百三十人、五年間に約四百人の増員をいたしております。
  99. 庄司幸助

    ○庄司委員 それで、気象庁長官、もう時間がないのですが、具体的な問題を私はいっぱい持っているのです。おたくの小名浜で定員二名削減してどういう結果になっているのか。たとえば気象情報を得るための電話だけでも一日何回かかってくるのか。そういうことに対して、定員削減で現場の職員がどういう苦労をしているのか。これは四月の日報を見ますと、一日平均五十七回電話がかかってきています。霧はどうだ、波浪はどうなんだと、百二十五分、電話の応答で費やされております。小名浜で二人減らしたわけですが、一人はどういう点で減らしたのか、それからもう一人はどういう業務を減らしたのか、これを簡単にひとつお願いします。
  100. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 ただいまの小名浜の二名でございますが、二十四回観測の業務並びに業務量に相当いたします人員と一日八回の観測、通報を行います業務との業務量の差がございまして、これによりまして二名を削減したわけでございます。
  101. 庄司幸助

    ○庄司委員 二十四同時は現業日勤が三名だったのですね。一人が気象解説をやっていた。あとの二人は午前、午後交代で定時観測、あいているときはほかの仕事をやっていた。八回になったらどうなったのか。これは三名から二人に減らされて、一人は解説だ。観測は午前午後ずっと一人でやらなくちゃならない。しかも、一人減ったために仕事がたまって、あの事故発生の当日、定時観測以外の時間はテレタイプの整理をしていて、ずっと一日じゅうやる予定だった。ときどき観測塔に上がる状況だったというのですね。それからあともう一人何で減ったのだ。これは二月二十六日の予算委員会での答弁ですが、もう一人どこに減ったのかというと、農業観測、地震、それから検潮、沿岸観測、大気の観測、こういうもので一人減っている。  これじゃ住民サービス低下につながるのじゃないですか。しかも常時観測ができなくなっている。だから、霧が十二時半に発見されたが、この発見したのも、常時観測で発見しているのじゃないのですよ。あのみさきの公園に、ちょうど桜の開花時だったので、桜の開花状況を見に行った際その人が発見して電話しているという状況なんです。それから農業観測はだめになる。地震はどうなんだ、検潮はどうするのだ。それから沿岸の観測もやらない。水温の測定なんかもだんだん間引かれていく。あそこは海水浴場もあるのです。市民の要望から言えば、海水温度何度ということも、心臓麻痺を起こしますから、非常に関心の的です。こういうものがどんどん減らされていって、それで防災上差し支えがございません、住民サービスには支障がございませんと言ったって、これは始まらないのじゃないですか。その点で、ぜひこれは、行管の長官も検討されると言っておられますから、気象庁長官もひとつ勇気をふるってやってもらいたいと思うのです。とにかく、科学に従事している方はわりと政治に弱いなどといううわさもあるわけですから、やはり科学者の信念を貫いていただきたいと私は思うのです。  少し具体的な問題を最後に伺いますが、小名浜測候所の予報権の問題、これは相変わらず福島気象台に取り上げておいて、現地の予報権は持たせないつもりなのかどうか。  それから、港湾気象官というのがございますね、おたくには。重要港湾で置いているわけです。こういうものを小名浜にも置かれるのか置かれないのか。  それから、海水測定は今後やめるのかやめないのか。  それから大気汚染の関係です。これは新産都市で、非常に公害工場の多いところです。この大気汚染の関係調査官といいますか、これは東京とか大阪とか神戸とかそういうところには置いてあるでしょう。こうやってしゃにむに減らす減らすじゃなくて、もっと科学的な見地、住民の見地、防災上の見地に立って、勇断をふるってこういう実態をやはり改めていかなければならないんじゃないかと私は思うのですが、いま挙げたこの具体的な問題について、小名浜では二人減らすなどという乱暴なことをしないで、むしろもっとふやしてもらいたい、その辺の必要性があるんじゃないか、こう思うわけです。その点で長官、最後にひとつ御見解伺って、私の質問を終わりたいと思います。
  102. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 申し上げます。  第一点、先生指摘の小名浜の予報権、予報の出し方の問題でございますが、気象庁におきましては全国に約百の地方気象台と測候所がございますが、気象庁の予報のやり方といたしまして、現在、過去十年ぐらい長い間技術的な検討の末、地方気象台を充実いたしまして、地方気象台で予報官も充実いたしまして、資料を各県の地方気象台に極力集めまして、ここで必要な天気図の作製、解析、情報伝達、注意報、警報の発布、そういうことにつきまして十分できますような体制を努力してまいりました。このような方針は約十年前から続いてまいりまして、このような地方気象台におきます予報業務、予報作業の充実ということによりまして適切なる注意報、警報を出すように努力をいたしまして、各地にございます測候所にもこの注意報、警報、天気予報を連絡、伝達いたしまして、そこにおきましてその地方の特性を加味いたしました解説を行うという方針を決めて、十年ぐらい前から進んできております。この意味におきまして福島県におきましては、福島地方気象台を十分に充実いたしまして資料を集めます。また、これをなるべく適切に、技術的な進歩を図りまして適切な内容のものにいたしまして小名浜測候所にも連絡いたしまして、地元のサービスに十分努力したい、今後もこのように存ずる次第でございます。  第二点の港湾気象官でございますが、港湾気象官は、ごく少数でございますが、大きな港のところに現在配置してございます。今後、将来必要な個所につきまして、われわれとしてはこういう方面も要求をしていきたいと存じております。  第三点の大気汚染でございますが、現在、気象庁の大きな管区までは大体、大気汚染のセンターというものをつくることができました。現地に対しまして、あるいはその地方に対しまして大気汚染に関します協力業務、サービス業務を行っております。こういう方向も、できましたならば今後もさらに充実をお願いしてまいりたいというふうに存じております。
  103. 庄司幸助

    ○庄司委員 大変抽象的な答弁で納得いきませんが、私は、今後あらゆる機会をとらえて気象台の問題は追及したいと思っております。その点でぜひ両長官におかれて、国民の防災あるいは住民の安全、これを完全に遂行するため、ひとつ科学的な見地に立って、勇断をもって見直しをやり、さらに前進させるように強く要望しまして、終わりたいと思います。
  104. 井原岸高

    井原委員長 坂井弘一君。
  105. 坂井弘一

    ○坂井委員 わが国における各種のスポーツ施設の運営とその利用のあり方につきまして、元来、スポーツは積極的に振興すべきである、この立場を踏まえながら広くその施設を国民に開放するという方向、さらには社会的不公正の是正という観点から、その実態に触れつつ順次質問をいたしたいと思います。  なお、行政管理庁には、やりとりをお聞きいただきまして、スポーツ行政に対する監察、その実情の把握、さらには今後の具体的な方針等について、前向きに誠意のある御答弁をちょうだいしたいと思います。  まず、文部省に来ていただいておりますのでお伺いいたしますが、文部省所管の公益法人の中に、ゴルフ場をやっている法人が三十団体ございます。そのあり方につきましては、すでに国会でも問題になって取り上げられました。御承知のとおりであります。つまり一部に偏ったその利用のあり方につきまして、その後どうそれが改められたか、あるいはまた、改められようとしているのか、文部省におきましてはどういう措置をとられたのか、お伺いをいたしたいと思います。
  106. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 御指摘のように、現在、社団法人としてゴルフ場を経営しておりますものが三十ございます。  ところで、社団法人でございますから、その公益法人としての趣旨にのっとりまして、非営利性ということと公共性というその趣旨が貫かれておらなければならないわけでございますが、具体的にはどういう点に注意をすべきかということになりますが、私ども先般来、国会等でも御指摘を受けまして、その実態につきまして現在も引き続き調査中でございますが、今後そのあり方として考えていただかなければならないのは、一つは、その使用の料金につきまして、営利企業と異なるわけでありますから、維持、経営に必要な限度においてできる限り低廉、合理的な価格でこれを使用させるという趣旨で考えなければいけないと思うのであります。また、この使用の対象にいたしましても、メンバーの使用に重点を置き過ぎまして、いわゆるビジターと言われる方々に対して閉鎖的になりましては、これまた公益法人としての趣旨からいかがであろうかということになりますので、できるだけビジターの使用について機会を与える、そういう点について十分配慮をして今後考えていただきたい、かように思いまして、関係の教育委員会等を通じましてそのような点を御連絡申し上げまして、検討を御依頼しておる、こういうことでございます。
  107. 坂井弘一

    ○坂井委員 ただいまの答弁を了といたします。  元来、スポーツそのものは一般大衆に開放されなければならないし、また今日、スポーツの振興ということは、これはもう国民的かつ時代的要請でもあります。低廉な料金等の御答弁がございましたが、いま実態調査を進められているということでございますが、一般への開放につきましてはその後どうなったか。さらにまた、報告等を聴取されていると思いますけれども、それらにつきまして今日まで具体的に掌握された範囲で結構でございますが、特に一般への開放、これはどうなっておるかということにつきまして御答弁をいただきたいと思います。
  108. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 ただいまの三十の公益法人につきまして検討いたしましたところ、そのうちの二十五についてメンバーとビジターの使用割合がどういうふうになっているかというのが出ておりますので、御報告申し上げますと、二十五のうち、メンバーの方がビジターよりも使用人数の多いというものが十ございます。逆に、ビジターの方をよけいとっておるのが十五ございまして、その十五の内訳を申しますと、ビジターがメンバーの大体一・五倍あるいはそれ未満というのが八、二倍ないし三倍というのが四、三倍以上というのが三、こういうような結果になっております。
  109. 坂井弘一

    ○坂井委員 さらに文部省に伺いますが、わが国の体育スポーツ施設の現状はどうなっているかという件でございますが、施設の設置者別の数とパーセント、数字だけで結構でございます。
  110. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 わが国の体育施設の状況につきましては、若干調査時点は古いのでございますが、昭和四十四年の調査によりますと、全国で十四万八千ほどございますが、そのうち、いわゆる学校の体育施設と言われるものが、小中高校の分が十万一千六百、大学、高専の体育施設が五千七百二十でございます。そこで、あとの残りが社会体育施設と申しますか、そういうものになるわけでありますが、その中身を申し上げますと、公共団体が設けております公共社会体育施設、これが一万百九十三でございます。それから民間の企業と事業所の設けております体育施設が二万三千七百六十八、それから民間の非営利施設、つまり財団等の体育施設でありますが、これが二千五百二十二。次に、営利企業として体育施設を営んでおりますものがございますが、それが四千百八十四、こういうような数字になっております。
  111. 坂井弘一

    ○坂井委員 わかりました。  そういたしますと、学校関係を除きますと、公共社会体育施設関係は、パーセントにしますと二五%、事業所の体育施設につきましては五八%、民間の非営利施設、財団等でございますね、これが七%、それから営利施設につきましては一〇%、合計一〇〇%。つまり事業所の体育施設というものが五八%、約六割になんなんとする。非常に多うございます。  そこで、いまのこの設置者別の中で営利施設、つまり営利企業の例としてテニスを一例にとってみたいと思いますが、テニスをやっている企業というのは実は六つございます。ゴールデンスパ・ニューオータニ、あるいは成城テニスクラブ、関町ローンテニスクラブ、カウベルテニスクラブ、芦花公園テニスクラブ、善福寺公園テニスクラブ。いま申し上げました順序で、入会金、保証料、それから月別支払い料、ビジター料金、これを御参考までに申し上げますと、入会金が、ゴールデンスパ・ニューオータニ、三十万、保証料が九十万、使用いたしますと使用料が一万円、ビジター料金は、会員以外は利用はできない仕組みになっております。次の成城、これが三十万、七十万、五千円、ビジターにつきましては千五百円、これは会員の紹介者に限る。次の関町が十万、十万、四千五百円、それから千八百円。カウベルが十五万、二十五万、五千円、二千五百円。芦花公園、十万、五万、五千、二千円。善福寺、七万、十二万、三千五百円、それから千円、つまり入会金、保証料、これで、高いところは百二十万ということですね。大変な入会金あるいは保証料、これを実は支払わなければならぬ。しかも、使用する際に、会員も毎月使用料を払わなければいかぬ。あるいはビジター料金につきましては、会員と一緒に行かないとそれも使用できないし、別途上積みがある、こういう実態であります。つまり一般の人が、さて健康増進のためにテニスでもやりたいと思いましても、この種の営利企業にはとうてい手が出ない、会員になれないというのが実情であるようでありますが、そうした現状につきましては文部省は御存じでしょうか。
  112. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 民間の体育施設の使用状況等につきまして、個別にこれを把握しておるわけではございません。ただ、たとえば国が出資をいたしております国立競技場に同じくテニス場がございますが、これは一般に開放しておるわけでございまして、このような施設の使用状況につきましては把握しておるわけでございますが、その実態は、年間を通じて見ますと利用率が約九十数%ということでございますが、時期によりましては相当希望者が殺到いたしまして、毎週定例日に申し込みを受け付けるときに、早くから来て待っていなければなかなか順番がとれない、こういうような実態があることを私どもも承知しております。
  113. 坂井弘一

    ○坂井委員 これらの営利企業の施設等につきましては、全く高額所得者しか利用できないのが実情である。にもかかわらず、非常に繁盛しておるということも、これまた実情であります。大体、大都市において非常にスポーツ施設が不足をしているのではないかということが、この辺からもうかがわれるわけでございますが、なお一例として、たとえば公共団体が経営いたしますところのスポーツ施設、東京都の公共施設であります井の頭公園のテニスコート場、これの利用状況を見ますと、土曜、日曜、祭日は、前の月の第一日曜日に日別に抽せんをしておる。利用率は非常に高い。平日は、毎月第二週より先着順ということになっておる。一人、テニスコート一面に対しまして二時間という時間の制約がある。つまり、利用率が非常に高いので、そうした利用者が殺到するものですから、なかなか十分には利用できがたい。ただし、この料金につきましては、土曜、日曜、祭日ともに一面三百円、非常に安うございます。こういう実情。しかも、日曜日なんか、二日前から座り込んで場所取りをしなければいけない。二日前から座り込んでおります。あるいはまた、杉並区が管理しますスポーツ施設、これを見ましたけれども、これも土曜、日曜、祭日は前の月の第一日曜日に抽せんを行う、平日の申し込みは二カ月先までにわずか一日しか取れない、しかも時間はやはり二時間の制約がある。いずれにいたしましてもそうした大繁盛といいますか、裏返しに言いますならばなかなか利用できがたい、こういう実態であります。  したがって、需要に対しましていかに供給が不足をしておるかということを如実に物語っていると思うのでありますけれども、元来、スポーツに対しましては体育の向上等、あるいはまたスポーツ立国とまで言われるくらい、近時とみにスポーツに対する国民的な関心も高まり、また文部省も振興の方向に積極的に取り組まれようとしておるようでございますけれども、果たしていまのような状態で十分にスポーツが国民的なものになって、その施設等も利用されているかどうかにつきましては、実は私は、はなはだ疑問なしといたしません。  そこで、以下さらにお尋ねをしていきたいと思いますが、こうしたような現状につきまして、国の息のかかったスポーツ施設、各省が持っておりますそうした施設の利用状況がどうなっているかにつきまして、文部省では把握されたことがございますか。
  114. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 文部省所管の体育施設並びに一般の民間の体育施設等の利用状況につきましては四十四年に調査をいたしましたが、他省庁の所管する施設について調査をやったことはございません。
  115. 坂井弘一

    ○坂井委員 文部省所管の分につきましてはわかる、他の省庁については点検をしていないからわからない。後ほど行政管理庁にも同じような趣旨でお尋ねをしたいと思いますが、その前に労働省、あるいは郵政省、厚生省、大蔵省、おいでいただいておりますので、以下お尋ねをいたします。  まず、労働省の雇用促進事業団が持っておりますテニス施設につきまして、外部の利用方針とその状況に限って簡単に御説明をください。
  116. 小粥義朗

    ○小粥説明員 雇用促進事業団では、勤労者の福祉の増進を図るということで勤労者のための福祉施設を幾つかつくっておりまして、その施設の中にテニスコートを持っております施設が現在六施設ございまして、テニスコートで十四面ございますが、一つは整備中でございますので、使用中のものは十三面ございます。それで、六月二日から八日までの一週間の間に、これら十三面のテニスコートの利用者総数が延べで千三十六人となっております。これらの施設は、最初に申し上げましたように勤労者のための施設ということでございますが、コートに余裕がある場合には一般市民にも開放するようにいたしております。
  117. 坂井弘一

    ○坂井委員 一般への開放、一般の利用度に限ってはいかがでございましょうか。
  118. 小粥義朗

    ○小粥説明員 勤労者と勤労者以外の一般市民との仕分けをした利用状況の数字をまだとっておりませんので、その点お答えをいたしかねますが、勤労者が中心で利用されているわけでございまして、これは雇用保険法の雇用福祉事業として行われておるわけでございますが、法律上も、そうした勤労者以外の者にも、勤労者の使用に支障がない場合使用させることはできるということになっておりまして、その面での一般への開放もやっておるわけでございます。
  119. 坂井弘一

    ○坂井委員 では、大蔵省にお尋ねいたしますが、国家公務員共済組合連合会が持っておりますテニス場、野球場につきまして、その施設の同じく外部利用に限って、その方針なり状況の御説明をいただきたいと思います。
  120. 岡田愛己

    岡田説明員 お答えいたします。  委員指摘のとおり、国家公務員共済組合あるいは同連合会は、数多くはございませんが、若干の保健体育施設を持っております。これの内外部の利用状況でございますが、これも組合員が利用料金を払うというほかに、組合員の資金を出指してつくっているというような状況からして、一応組合員優先ということで利用をさせておりますが、しかしながら、そこは、あいているとか調整が可能であるという場合には、地域の方々を含めまして一般にも開放、御利用願うというふうな状態になっております。
  121. 坂井弘一

    ○坂井委員 では、郵政省にお尋ねをいたします。  郵政省では中央レクリエーションセンターを初め、ほかにも十カ所ばかり、この種のスポーツ施設をお持ちでございます。特にこの中央レクリエーションセンターにつきまして、部外利用状況についてどうなっているだろうかということでもって、現地の実態調査を実は行いました。結論として申し上げますが、きわめて遺憾なことでございまして、外部利用は全くと言っていいくらいなされておりません。  この施設につきましては、杉並区の高井戸に所在いたします。施設の内容はテニスコート九面、野球場二面、プール、グラウンド、ゴルフ練習所、広場等々、実に豪華なものであります。民間の利用状況につきましては、ただいま申し上げました。つまり郵政省の職員の方々のみが利用される、ないしは家族の方が一部。ここ三年ほど前に家族の方が使ったという経緯があるようでございますが、そのときにも、どうもいろいろ、利用についてはやはり郵政省の職員に限るというようなことになったようでございまして、ここに管理人さんがいらっしゃいますが、ここ三年ほどの間は一般の人たちは使うことはまずありません。ところが「郵政省中央レクリエーションセンターのごあんない」、大変親切なこうしたパンフレット、これを出された。一般の人たちも利用できますということであります。ただし、申し込みは郵政省までおいでください。高井戸から郵政省まで行って申し込みをする、こういう、私から言わせるならばきわめて不親切な方法になっているようであります。現状は、一般にはほとんど利用されていない。一方においては、開放いたします、しかし現実は利用されない。  いま、その実情につきましてあらまし申し上げたわけでございますが、郵政省は、私がいま申し上げたことにつきましてお認めになりますか、それとも御意見がございますか、お伺いいたしたいと思います。
  122. 仲松次郎

    仲松説明員 ただいま御指摘のように、郵政省におきましては、職員の福利厚生のために設けられたスポーツ施設が全国で十カ所ございます。これは職員を優先として使用させておりますけれども、職員が使用していないときは一般の利用も認めております。  その利用状況でございますが、いま御指摘の中央レク・センターでございますけれども、この中央レク・センターを初め全国のレク・センターの利用状況、これの部内外別の調査を昨日からずっとしてまいったわけでございます。中央レク・センター、四十九年度、一年間におきまして三百八十名、部外利用がございます。それから、全国的に見まして全体の利用状況でございますが、部内利用が約十五万八千でございます。それから部外利用、いわゆる一般の市民の利用でございますが、一万七千ございます。約一割強の一般の利用状況になっております。
  123. 坂井弘一

    ○坂井委員 中央レクリエーションセンターに限って部内、部外、その利用状況についてお示しください。
  124. 仲松次郎

    仲松説明員 中央レク・センターにおきましては、部内二万三千五十七でございます。部外は、先ほど申しましたように三百八十でございます。
  125. 坂井弘一

    ○坂井委員 二万三千に対しまして部外がわずかに三百八十名、りょうりょうたるものであります。現実にこの中央レク・センターに参りまして、私もこのテニスコートを利用させてもらいたい、手続はどうしたらよろしいのでしょうか、こう尋ねますと、いやとんでもない、部外者はここは使用できません、こういう回答です。一応形式的には利用できるかのごとく、確かにこのパンフレット等を見ましてもなっておる。しかし、手続については郵政省まで行かなければわからない、できない、こういう仕組み。したがって、そういう仕組みから見ますと、一般の人たちがこれを利用しようと思ってもまず不可能に近い。その結果が、いま御答弁のありました数字になってあらわれているのではないか、こう言わざるを得ないわけであります。  郵政省等におきましては、郵便貯金あるいは簡易保険等、常に一般国民大衆とのつながりがあるわけでございまして、特に一般への開放ということは、郵政業務を遂行する上につきましてもきわめて大きな意味を持っているのではないか。しかも、これほどりっぱなスポーツ施設を持ちながら、一般への開放というものがまことに微々たるもの、りょうりょうたるものであるというところに、非常に大きな疑問、不可解を私は感ずるわけであります。したがって、重ねて郵政省から御答弁をちょうだいしたいと思いますが、いまのような利用状況、これでもってよしとしておるのか、もしまた、私がいま指摘いたします具体的な内容等につきまして、今後におきましてはこれを改めなければならないという考え方に立たれるのか、簡明に御答弁をちょうだいしたいと思います。
  126. 仲松次郎

    仲松説明員 お答え申し上げます。  この部外利用についてでございますが、いま御指摘のように、中央のレク・センターについては、全国的に見ましても数字が少ないという感じがいたします。ただ、各地方ごとのレク・センターの立地条件なり交通の便、不便、そういったものなどによって非常なばらつきがあるような感じがしますけれども、この数字につきましては、実はそういった分析をしたことはございません。いま御指摘ございましたけれども、もう少し分析しまして、まず第一としましては、これは職員がまず使って、そのあいているときに一般にも使用を認めるということになっておりますので、職員の勤務時間、これは交代制勤務でございますから、ウィークデーといえども勤務の差し繰りができるわけでございますが、この職員の勤務時間等とのかかわり合いはどうなっているか、それから各レク・センターの稼働率と申しますか、そういいったものももう少し分析して検討を進めていきたいと思います。
  127. 坂井弘一

    ○坂井委員 あえて私は、けちをつけるようなつもりで申し上げる気持ちはさらさらございませんが、少しまじめに、と言ったら言葉が過ぎますか、もう少し一般大衆なり地域の住民なりあるいは国民の立場に立って、郵政省——各省等においてもそうでしょうが、特にいま具体的な一例として申し上げております郵政省のこの中央レク等につきましては、ひとつ真剣な御答弁をちょうだいしたいと思うわけでございます。  事実、私が申し上げますように、一般の人の利用度というものは、利用ができないようなそういう実情にあるということ、現実にこれほど少ない部外の利用者であるということ。しかも、ここへ行きますと、身分証明書がないと立入禁止になっておるわけです。入れないわけです。このセンターに行きまして一般の人が申し込みをしようと思ったら、郵政省に行きなさい、ここ三年来一般の人については開放したことはありませんからまずだめですよ、こう言われるのです。それでもって、施設は広々として、実際の利用状況は——これはよくお確かめください。それは郵政省の方々がお使いになる、結構です。家族の方々がお使いになる、結構です。それでもうフルだ、満杯だというならば、それなりの意味は私はわかります。ずっと広々して、使われていない。そのままなんです。言うならば国民の税金でつくった施設じゃありませんか。一方においてスポーツの振興ということがやかましく叫ばれ、かつまた、一般大衆がスポーツを楽しもう、あるいは健康管理のためにと思って手ごろな施設をと思っても、公共施設は常に満杯である、一月前から申し込んで、しかも抽せんだ、日曜、祭日等には二日前から座り込んで席を取らなければいけない、こんな状態。マラソンやるんでも会費を払って参加しようというくらい、スポーツに対する認識、意欲というものが急激にいま高まりつつある、非常に私は結構なことだと思う。文部省もまた、特にスポーツに対しては力を入れなければいけない、こういう方針を明確に出されておる。そういう中で、さて実態として、国の息のかかった施設の状況はどうかということについて問題の提起をした。それに対していまのような現状では、これは本来的な国のスポーツ振興に対する意欲なり具体的な方針から、現実の国の関係のスポーツ施設についてはそれが十分利用、活用されていないという点を大いに反省をして、これから一般の利用度も大いに高めていきたい、こういう答弁が妥当じゃございませんか、いかがでしょう。
  128. 仲松次郎

    仲松説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、稼働率、要するにフルに利用されているかどうか、その点の実態をもう少し把握いたしまして、先生の御趣旨も十分わきまえておりますので、さらに検討を進めていきたいと思います。
  129. 坂井弘一

    ○坂井委員 行政管理庁から御答弁をちょうだいする前に、スポーツに対します官庁であります文部省から御見解をちょうだいしたいと思います。  私は幾つかの事例について申し上げました。さらに申し上げたいことは、たとえば銀行等、やはりりっぱなスポーツ施設をお持ちでございます。たとえば富士銀行等も行ってまいりました。なかなか豪華なものであります。決してこれをねたむわけではございません。大変結構だと思いますが、テニスコートが八面もあり、野球場、プール、ゴルフ練習場、サッカー場等々ございますが、一般の民間への利用度、これは全くゼロであります。その他三菱銀行、三井、住友銀行、まあ右へならえ、こういうことであります。これは企業が持っているのですから、どう使おうと企業の自由である。なるほど、私はそうかもしれないと思います。またしかし、やはり今日、企業の社会的責任、その役割りをいかに果たすかというようなことも、これまた、時代的要請であることには間違いはない。特に企業と地域住民との共存関係等を考えますときに、企業がまず地域住民の基本的人権を尊重するという大前提があって初めてその共存関係は成り立つ、私はこのように考えております。  したがって、そういう見地から、もはや、企業なりあるいはまた国のそうした施設等が単なるセクト主義の中で、自分たちのものだから自分たちがどう使おうとそれは勝手ではないかというような論理は、まかり通らないのではないか。言いかえますと、スポーツに対する需要はもっと喚起しなければいかぬ、そういう要請があります。それに対して供給すべき施設は少ないという、こういう現状があります。しかし、少ない施設の中でその施設が十分に利用されていないという、そういう非常に大きなむだがある。利用度が低い。これから新設もどんどんしていかなければいかぬでしょうけれども、少なくとも既存の施設をもっともっと広く門戸を開放して、利用度を高めるという努力をしなければいけない。その努力のあり方として、具体的に国が持っているものについては真っ先にやるべきではないかということを私は主張いたしたいわけであります。  したがって、文部省から見解を承りたいと思いますが、いかがでございますか。文部省が各省庁のことについていま云々することはおこがましいのだとおっしゃるかもしれませんが、スポーツ振興という立場に立つならば、文部省としても何がしかの見解がなければいかぬと思いますので、あえてお尋ねをする次第です。御答弁をいただきたいと思います。
  130. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 現在の日本のスポーツ人口といいますか、これがどのくらいあるかということをはかる目安といたしまして、日本体育協会に加盟しております三十八の競技団体それぞれの登録メンバーの数を見ますと、卓球、軟式庭球、柔道、剣道といったような団体の登録メンバーは非常に多い。五十万から七十万くらいあるわけでありまして、そのことは、とりもなおさず、これらのスポーツを愛好する国民が逐年ふえつつあるという証拠であろうかと思うのでありますが、一方、スポーツ施設の現状につきましては、先ほどお話し申し上げましたような数字でございまして、これは去る四十七年に保健体育審議会から文部大臣に答申されました、全国の市町村別、人口規模別に、おおよそこのくらいの人口の都市にはこのくらいの施設があればよかろうという基準に照らし合わせてみますと、まだまだ及んでいないのであります。  そういう意味で、私どもは施設の整備ということを急務と考えておるわけでありまして、そのためには、りっぱな施設でなくてもよいから、できるだけ数多く施設をつくってほしいということを常日ごろ関係者に要望いたしておるところでございますが、一番の問題は、特に大都市及びその周辺におきましては、用地を確保するということが非常に困難なことでございまして、このことは、いかに当事者がスポーツに熱心でありましても、現実に施設を増設する上の大きな困難となっておるわけでございます。  そこで、ただいま御指摘のように、国のスポーツ施設であるとか、民間の営利企業が持ちますところの体育施設であるとか、そういうものにつきましては、それぞれ、その設置されました由来において設置の目的、性格があるわけでございますから、これを一般に使用開放するというようなことになりますと、管理、運営上もいろいろと検討をしなければならない課題も当然出てくるかと思うのでございますけれども、一般的に申しますならば、いま申しましたような現状でありますから、本来の使用の目的に支障なしというような場合におきましては一般に開放していただくという点も御検討いただくならば、大層望ましいことではなかろうか、かように思うわけでございます。
  131. 坂井弘一

    ○坂井委員 行政管理庁にお伺いいたしますが、このようなスポーツ施設のあり方あるいは体育行政のあり方等につきまして、行政管理庁ではスポーツ振興というたてまえから監察をされたであろうと思いますが、監察をされておりましたならば御報告をいただきたいと思います。
  132. 大田宗利

    ○大田政府委員 お答えいたします。  行政管理庁では、スポーツの振興という目的で全国的な調査を実施いたしましたことはございません。ただ、青少年対策行政の監察をいたしましたときに、その中で青少年対策の一環といたしましてスポーツの振興、そのための施設の充実あるいは校庭の開放、そういう点について文部省に勧告いたしたことはございます。  また、ただいま申し上げましたとおり、本庁では全国的な調査は実施いたしておりませんけれども、現地ではそれぞれ、スポーツ振興という観点から地域的な地方監察を実施したことはございます。ただ、その内容につきましては、ただいま先生の言われましたいわゆる施設の利用向上あるいは開放という問題ではなくて、むしろ指導員の不足、それがまたスポーツ振興に非常に影響を与えているという点が主な内容でございます。
  133. 坂井弘一

    ○坂井委員 行政管理庁長官、大変遺憾ながら、行政管理庁においても、少なくとも各省庁が持っておりますところのスポーツ施設なりあるいはその施設の利用状況等について具体的な監察はなされていないようであります。あれば、そのことを明確に御答弁いただきたい。私はいま実態として一例を、たとえば郵政省の例をもって申し上げたわけであります。少なくとも行政管理庁設置法第二条の二号に、行政機関の機構及び運営の総合調整を行うということが明確に行政管理庁業務としてあるわけですね。いささかスポーツに対しましては行政管理庁も、まず最近までそれなりの意欲、関心をお示しでなかったのではないかという、実はうらみがするわけであります。この辺で積極的に、いま申しましたような、少なくとも各省庁のスポーツ施設等について行政監察をやられたらどうでしょうか。いかがです。
  134. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 いまのお話はごもっともでございますので、簡単に私から申し述べますならば、率直に申し上げまして、直ちに行政監察をやるというふうなことまでいかなくとも、何らかの形において促進をするようなことにいたしたいものだ。変な話でございますが、私自体がランニングや、また反面、柔道といった逆のようなことまでやってきた人間でございます。そうでございまするだけに、少しでもいまの御趣旨に沿うようなことにいたしたいものだ、かように考えておりますが、何分ともにいかんともしがたいような現況でございまするし、極力、各省あたりが持っておられるところの運動場といったふうな方面なりあるいはテニス場といったふうなところ、そういうところを大いに皆さん方で御活用願うというぐらいにしてもらうことが大切じゃないか。同時にまた、文部省あたりは十分にそのような方面を手にとるようにわかっていただけるというふうなことであるとするならば、そういうような方向で御努力を願いたいものだ、かように実は願っておるような次第でございます。  率直に言いまして、そのようなことまで申し上げていいのかどうかわかりませんけれども、私自体はそういうふうに考えておりますが、何分、私自体は、皆さん方御承知のように十二月九日に就任したとはいいますものの、率直に申し上げてどうかと思いまするが、体のぐあいも必ずしも芳しくなかったものですから、今日まで余り口出しはしておりませんけれども、極力そういうふうな方向努力するというふうなことに持っていきたいものだ、かように考えております。
  135. 坂井弘一

    ○坂井委員 時間が参っておりますので、松澤長官大変恐縮ですが、もう一言、長官の御方針、決意を伺いたいと思うのです。  実は、長官がいまおっしゃっていることは、決して行き過ぎでも何でもない。むしろ行政の総合調整の立場から、行政管理庁長官たる松澤長官がみずからの御決意として、少なくとも各省庁に対して、そうした国が持っておる施設等につきましては、これはスポーツ振興のたてまえからもっともっと利用度を高めるように、よくよくその実情を見て、そしてまた一般大衆にも開放できるような方向にせめて努力をしなさい、そういう行政指導ぐらいは松澤長官が音頭をお取りにならないと、文部省は直接の所管官庁ではありましょうけれども、しかし、むしろ行政監察という立場からスポーツ振興というものに対してうんと意欲を示されるならば、私がいま申しましたような実情から、これは積極的なひとつ長官の御発言として、各省庁に対してそのような方向に行政指導を行います、要請を行います、こういう御答弁はむしろ当然ではないかと私は思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。最後に一言、そうした前向きの御答弁をちょうだいして、質問を終わりたいと思います。
  136. 松澤雄藏

    松澤国務大臣 ただいま私が申し上げましたことは、私自体としては前向きに実は申し上げたわけなんでありますが、いまの御趣旨等に対しましても、各省庁等が、利用することができるというふうな範囲のグラウンド等をお持ちでございますならば、極力やっていただきたいという気持ちは十分以上に実は持っておるのであります。しかし、行政監察という立場になってまいりますと、率直に言って簡単にまいりませんので検討してみなければなりませんが、極力、文部省を中心とするようにしてやっていただきたいものだ、かように考えております。
  137. 坂井弘一

    ○坂井委員 終わります。
  138. 井原岸高

    井原委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十四分散会