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大出委員 いまの点は私も同感でございます。つまり、この
条約を批准をするその根底にある
日本政府の物の
考え方、そうして
アメリカなりソビエトなりの物の
考え方、これをたたいてみる必要がある。つまり、九十二カ国かそこらふえてまいりましたが、この
条約を結ぶことあるいは批准を求めることそれ
自体に
意味はない、どんどん逆に動くんだから。そうではなくて、これを批准する根底にある、
日本政府なら
日本政府の物の
考え方が、どうしても核軍縮を進めるんだ、
拡散は防ぐんだ、そうならばそのために一体
日本という国は何をするのかというところにぶつかる。何をするのかなしにこれを出したら、まさにあなたがおっしゃるように
意味がないことになる。私
どもの党の
立場があるからそれ以上私は言わないんだけれ
ども。
そこで、
一つだけここではっきりしておきたい問題がございます。
外務大臣と
防衛庁長官とお二人に承りたい。
非核三
原則というものは、これは最近の新聞によりますと、連合審査その他を控えて、朝鮮半島への
米軍直接発進、
日米安保の問題ですね、あるいは
非核三
原則の問題あるいは
非核国の
安全保障の問題あるいは不使用宣言提唱を拒否云々とこうありますが、核軍縮の問題あるいは原子力の
平和利用の問題、ここいらの詰めが足らぬなんということを新聞に書いてありますが、私はその個々の詰めというよりは、さっきから申し上げておる全体、総合的にとらえなければならぬ。韓国問題
一つとらえてもだめです。やはりまず
日本がこの
条約批准を求めるなら一体何が根底にあるのかということ、国際的にそれをどういうふうに進めるのかということ、そうでなければ
意味がない。
そういう
意味で、個々に触れていないのでありますけれ
ども、ただ
一つだけはっきりしておきたいのは、
非核三
原則の
前提になっているのは
安保条約なんですね。これは私が佐藤元総理に
質問をいたしましたときに、言うならば四
原則だという言い方をされた。
非核三
原則の
前提に
安保条約がある。そこでこの
安保条約というものは核と切り離して
考えられない。その
意味では世上言われる核安保であろう、私はこう思っているわけであります。しかも、その核というのは、
戦略核のみならず戦術核を包含しなければ存在価値は全くない。なぜならば、
アメリカの核
戦略というのは、
戦略核と戦術核というのは連動するシステムができておるからであります。そうだとすると、今度はその連動する相手方はどこだと言えば
日本の自衛隊だ。
じゃ、
日本の自衛隊というのは一体どうなっておるか。例のナイキ訴訟のときにも法廷で細かく
質疑がされておりまして、山田昭さんという方がその席上でお答えになっております。三矢図上研究の基礎研究の第四「
日米関係の項」というのがあります。これは三矢小
委員会で出されている資料であります。これは
アメリカの戦術核を使って、当時は北朝鮮を目しまして、「険しき道の竜」という作戦であるとか「雪の中の竜」という作戦、これは初歩的な戦術核を使った作戦。当時はまだこんなにえらくやかましくないですからラフに表に出てきた時代、三十六、七年から七、八年、「険しき道の竜」「雪の中の竜」これは山岳戦を想定している。また北の雪の事態を想定している。それらは全部戦術核を使っての戦闘
計画であります。つまり、それらのものを
日本の自衛隊がイエスと言って受け入れるのか受け入れないのかという扱いがきわめて詳しく書いてある。振り返ってこれは実は
防衛庁から改めてこの資料をお出しいただきたい。つまり三矢研究の基礎研究第四「
日米関係の項」この項だけ、これは一体どうなっているかという点、これが
一つ。
それから「科学防護操典」これは
防衛庁にございます。この防護操典の中に核防護という点がきわめて細かく書かれている。ここに
一つ、私はめんどうくさいから資料をいっぱい持ってきませんでしたが、「核
防衛に直面する陸上自衛隊秋季大演習を見て」、東京新聞です。いま私は三十六、七年と言いましたが、三十六年十一月十二日、これは核防護の演習をやっている。細かく書いてあります。写真も載っております。ヘリコプターの写真まで全部載っております。これは実は当時余り
質問されていない。したがって、核防護教範、「科学防護操典」ですね、この中の核の問題、それから「特殊武器防護」、これは六七年の八月に陸上自衛隊の教範にした。これもいまあればお出しをいただきたい。
それから「野外令」、これは私持っておりますが、念のためにお出しをいただきたいのですが、この野外令の中に「特殊武器防護に対する訓練」というのがあります。
それから一九六五年、統幕会議による「昭和四十年度統合
防衛計画の作成のための統合年度
戦略見積もり」これ、いまあると思うのですが、お出しをいただきたいのであります。この中に「作戦実施の場合に必要なときには核戦力の支援を得るものとする。」というのが入っております。
それから次に「化学
情報資料」第一号、六七年五月十五日、陸上幕僚監部化学課長島田典夫一等陸佐、この方が書いております。自衛隊のCBR、つまり化学、生物、核、この使用を述べている。
それから
防衛研修所の所員でございます永野茂門一等陸佐「核
戦略に関する一考察」というのがございます。これが六八年三月号の「
防衛論集」こういうわけであります。これはだんだん発展していきまして、
最後には
アメリカの核防に関する資料を訳しまして取り入れたものまでございます。
この一連の動き、つまり
安保条約と申しますものは核安保である、切り離すことはできない。そうだとすると、一番
最後には米空軍の「ベーシックドクトリン」これを「四十八年四月二十日から使用を開始する」、航空幕僚長の空将の石川貫之さんですか。つまりここまで深く核とかかわり合っている
日本の自衛隊、
戦略、戦術両核を除いては自衛隊の戦術は成り立たない、こういう結果になっているわけであります。その
日本の
立場で果たして
アメリカに対して核軍縮と言えるのか。その
日本の
立場で
アメリカの核について核軍縮と言えるのか。つまり
非核三
原則は独立して存在をしていない。あなた方矛盾しないと言っているが、果たして本当に矛盾をしないのか。
非核三
原則と
アメリカの核と自衛隊の関係、どうお
考えでございますか。