○高島説明員 私から初めに
ベトナムの問題につきまして御説明いたします。
ベトナム民主共和国との間の
話し合いにつきましては大分時間がかかっておりますけれ
ども、その後双方誠心誠意、交渉の妥結のために努力いたしておりまして、現在、本年度無償供与として先方に提供すべき金額として八十五億円ということで大体話が詰まっておりまして、これの使途、使用手続等につきまして、細かい手続問題をいま詰めておるところでございます。私
どもこの場で見通しをはっきり申し述べるわけにはまいりませんけれ
ども、ほぼ大丈夫である、きわめて近い将来に妥結し得るという確信を持っております。
ハノイにおきますわが方大使館の設置でございますけれ
ども、この方も大分予定よりもおくれておりまして非常に遺憾に思っておりますけれ
ども、実はビエンチャンでの交渉にハノイ大使館で勤務すべき二人が直接参加いたしておりまして、この交渉が妥結いたしませんとわが方も人員を派遣する段取りになりませんので、この交渉の妥結次第一ハノイに大使館を設置するということで先方との間の話も進めております。
それからPRGとのいわゆる
外交関係でございますが、この方は先生おっしゃいましたとおり、やはり先方の態度にもかんがみまして、
外交関係正常化のための
話し合いというものも必要であろうと私
どもも思っております。現に西欧各国もそういうラインに従いましてそれぞれ
話し合いを進めておりまして、現在、四月三十日以降全部で十九ヵ国ございますが、かなりの国がそういう
話し合いをまとめております。
ただ、しかし
現状を申しますと、
話し合いがまとまったにもかかわらず、いかなる国もまだ大使館を設置しておらないわけです。そういう状況にまだサイゴンがなっておらないという点も事実であろうかと思います。しかし私
どもの方といたしましては、まずハノイとの
話し合いを詰めることを先決にいたしまして、これを基盤にPRGとの
外交関係についても何らかの手を打っていこう、こういうふうに
考えております。他面、現在なおサイゴンに約八名ほどの館員が残っておりまして、邦人の生命、財産の保護等につきまして先方の
関係当局との
話し合いは随時行っておりまして、そういう
関係では特別の支障を生じておりませんが、これにつきましては、このこと自体はまだいわゆる正規の
外交関係を先方が認めたものではないという態度は、私たちの方としてもよく
承知いたしております。
以上でございます。