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宮澤国務大臣 一昨年の暮れに日韓閣僚
会議が開かれましたときに、ちなみにこの時点は、いわゆる石油危機というものの影響がこれほど深刻になるとは予測し得なかった時期であったわけでございますが、この閣僚
会議の席におきまして、
韓国経済も大分いわゆるテークオフの体制に入ってきたのであるから、従来のような
政府ベースの大きな援助はだんだん民間に切りかえていくべきではないかという話が出ておりまして、これはそのとき初めて出た話ではなくて、
韓国経済が実際そのように強くなってきておりましたので、ごく常識的にそういう
判断が出得るような体制であったわけであります。そういうことがございました。非常に厳密な
意味ではありませんが、そうであろうかというような雰囲気であったようでございます。しかし、その後に石油危機の影響というものがかくのごとく深刻なものであるということがはっきりいたしてまいりました。ことに
韓国につきましては相当深刻のようでございます。
そのような認識に立ちまして今年、
韓国の援助を担当しておりますところの国際的なグループ、IECOKと呼んでありますグループでございます。これは世銀のかさのもとにあるわけでございますけれ
ども、ここで石油危機以後の
韓国経済の現状というものの分析がございまして、まあ当分、毎年二十億ドル程度の長期の資本を必要とするのではないかというような
判断が国際的な場でなされております。
そういうこともございまして、
韓国側から、ただいま
堂森委員の御
指摘になりましたような、純粋に民間ベースの援助だけではちょっとここ何年か経済運営が非常に困難であるという
お話がございました。それに対して私は、IECOKの結論もあることであるので、
韓国側のそういう御主張は全く身勝手なものとは思わない、確かにそういう
状況はあるであろう、しかし、かと申して、
わが国が具体的にそれではどうしましょうというようなことは
約束はいたさずに帰ってまいったわけでございます。
それから閣僚
会議につきましては、
韓国側はなるべく早い
機会、できれば九月の初旬ないし中旬ということを、今回は
韓国側で開かれますので、招請国として
わが国に、そういう招請が私に対してなされたわけでございますが、私としましては、いろいろ閣僚の海外出張、あるいは事によりますと臨時
国会ということもあり得るのかもしれない等々も
考えまして、
日本政府で協議の上、いずれ
外交ルートを通じてお返事をいたしますということを申しまして帰りましたような次第であります。