○野村
政府委員 先ほど
先生の御指摘のとおり、昨年の十一月にローマの世界食糧
会議というものが国連の主催で開催されたわけでございます。この世界食糧
会議は、現在及び将来の世界的な食糧問題を解決するために、食糧の増産とかあるいはまた援助の問題備蓄の強化というふうな重要な分野につきまして、今後の国際協力の進め方というような問題につきまして、基本的な幅広い合意というものが得られたわけでございまして、そういった意味で非常に有意義であったというふうにわれわれ考えておるわけでございます。
その中の、特にいま
先生の御指摘のございました備蓄の問題でございますけれ
ども、この問題につきましては、すでに国連の世界食糧農業機構というところでいろいろの検討がなされておりまして、
各国が自発的な努力によりまして在庫の増加を図るというふうな、世界食糧安全保障という構想がかねがね出されておったわけでございます。その後、先ほど申し上げましたとおり世界食糧
会議におきましては、その備蓄の問題につきましてさらに主要
貿易国で話し合いをしたいというふうなことがございまして、特にアメリカ
政府の考え方に基づきまして、ことしの二月の十日、十一日の両日にロンドンにおきまして、備蓄に関しますところの主要国の
会議が開催されたわけでございます。この備蓄に関しますところの
会議におきましては、今後とも輸出国及び輸入国ともそういった備蓄を持ちまして、将来あるべきいろいろな事態に対処しようというふうな構想に立っておるわけでございますけれ
ども、このローマにおきますところの備蓄の
会議におきましては、必ずしも具体的な提案というふうにはまだ煮詰まらないわけでございまして、単に意見の交換というふうに終わっておるわけでございます。
わが国といたしましては、基本的にはこの穀物の需給安定というためには、第一義的には世界の生産増大ということが必要でございますけれ
ども、同時に、それによりまして輸出国が在庫水準というものを回復するということが重要であるわけでございます。これを補足するものといたしまして、たとえば
日本のような国も含めまして、
各国の在庫の積み増しの可能性が探求されるというふうなことでございまして、そういった輸出国の在庫の積み増しという問題とも絡めまして、いろいろ検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。