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佐々木国務大臣 皆様に御
心配いただいて、まことにどうもありがとうございます。少し
経過を正確に御報告申し上げたいと思います。
この前にも
お話し申し上げましたように、去年の秋、
青森県陸奥湾で「
むつ」問題が起こりまして、その決着を四
者会談でつけまして、それをもちまして
政府としても、それを了承するということになりましたことは御
承知のとおりであります。
その内容は、詳しい話は、もちろん本題でございませんから申し上げませんが、
一つは、
財政面等でお
約束の分を果たす。第二点は、「
むつ」を凍結するというその措置も完了いたしました。三番目には、第二
母港を四月の十五日、正確に言いますと十四日でございますが、ちょうど半年でございますから、半年の間に第二
母港を
政府としては決定する、そして二年半後を目途として本体を移す、こういう申し合わせになっておったことは御
承知のとおりであります。
それを踏んまえまして、三番目の残された問題に、私が就任いたしまして間もなく
推進本部をつくりまして、私の方と運輸省、それから
原子力船事業団、この三者で
推進本部をつくりまして、
片山政務次官を首班にいたしまして、専属にこの問題に取りかかりました。たくさんある、いわば机上的な適当な地点からだんだんしぼってまいりまして、お
約束どおり四月の十四日までには、私と
運輸大臣の間に一応の
合意を見て、そして、これでひとつできれば
折衝に入ろうじゃないかということにしておったわけでありますが、何せちょうど
統一地方選挙の真っ最中でございましたので、これを
地方選挙の最中に公表したりあるいは
現地との
折衝に入ったりいたしますと、
選挙妨害になりかねない
情勢でもございますので、あるいはまたできるものもできかねるということも考慮されましたので、まず契約の相手方であります
青森県側に了解を求めに参りまして、四月十五日までにはお
約束どおり決めますけれ
ども、しかし、机上で決めたからといってこの問題は通るというものではないので、
地方との
合意を見なければできません、その
地方との
合意を得るためのいろんな
折衝等は
統一地方選挙後にいたしますよ、そして正式な
交渉に入りました際には、
青森県に遅滞なく御
連絡いたしますから御了承ください、二年半後までに「
むつ」をその
母港に移転さすということは、これは絶対に変えません、こういう
お話をいたしまして、
現地の方も御了解いただいたものでございますから、それをもちまして
統一地方選挙の終わるのを待っておりました。
そこで、いよいよ四月二十七日でございますか、
統一地方選挙が済みましたので、それではすぐ下
交渉等に入ろうかしらんと思っておったのでございますけれ
ども、だんだん様子を見ますと、どうもまだ
地方選挙の終わったばかりで、県
議会も
市町村議会等も、いわば国会的な
発言をすれば、まだ全然院の構成ができておらぬわけで、御
承知のように、議長とかあるいはそれぞれの役職をきめるのに時間がかかっておったようでございまして、なかなかそういうことが手間取るようでございました。したがって、これはやはり
連休明けまで待つ以外にしようがなかろうというので、
連休明けまで待ちまして、いよいよ
連休明けになりまして、
現地との
交渉に入ろうかという
段階になったわけでございます。
そこで、
青森県側には、いよいよこれから非公式な
打診の
段階に入りますが、という
状況を
お話ししまして、ただ、
正式交渉には少し時間がかかりますという
お話をいたしました。(
石野委員「
大臣、スピーディーにやってくれ、時間がもう十分たっている」と呼ぶ)
そこで、
正式交渉に入る前の
打診でございますけれ
ども、これはどうしたらよろしいかということでいろいろ考えたのですが、やはり何といっても
現地の
当該県の選出した
国会議員の
皆様に対してある程度
お話も申し上げ、お願いも申し上げ、あるいは
実情を
お話しするというのが一番筋じゃなかろうか、
選出国会議員の知らぬ間に、その足元へ行っていろいろ
交渉を始めるということは、いかにもこれは
仁義にもとるという私
どもは
政治判断で、
関係筋とも相談いたしまして、そのサウンドに入ったわけでございます。
御
承知のように、
長崎県の
対馬が一番
最適地ではなかろうかということでございましたので、
長崎県の
国会議員の
皆様に
お話し申し上げました。まず自民党の
皆さんに
事情を話し、次いで
野党側の
皆様にも当然
仁義を切るべきだということで、
民社並びに社会党の
中村先生のところまで
お話を申し上げましたところ、それから二、三日でございますか、
対馬の方で、実は詳細な
お話の発表があったそうでございまして、私
ども非常に困却いたしたのでございますが、それを受けまして
現地の方では、そういう
議員に
打診があったということであれば、おそらくこれは真実に違いないということで、いろいろ
反対陳情がありました。
私
どもは前々から、
皆様の御
要望どおり、この問題は権力で、
中央で決めて
地方に押しつけるということは絶対いたしません、それから、
地方住民の
合意を得て円満に問題を進めたいということをお
約束済みでございまして、何遍となく
国会議員の
皆様からも御注文があり、私
どもはそういう
態度でございましたので、その
態度に沿うて問題を進めるためには、この際余り強引にやらぬ方がよろしい、
現地の
反対の御
趣旨等もよくちょうだいして、それからいろいろ問題の
進め方を考えればいいのじゃないかということで、いま、しばらく休んで静観しつつある
状況でございます。
そういう点も
青森県には、御
心配でございましょうから、五月二十一日に、私の方の
原子力局長から副
知事さんに、お
電話でございましたが、
電話を申し上げまして、
新聞で御
承知のようなことに
長崎県はなっておりますから、当分
正式交渉にはちょっと入りにくい、
事情を御了承くださいという御
連絡を申し上げて、
現地の
青森県では、早期に、しかも、
青森県で起きたような不幸な
解決の仕方でなくて、ひとつくれぐれも円満に
解決してもらいたいという副
知事の
お話がございましたので、さっき申しましたように、その
お話もちょうだいしながら、少し静観しておるというのが
現状でございます。
大変長くなりまして恐縮でございます。