○
伊江説明員 お
手元の「
国鉄の
貨物営業について」という
資料をごらんいただきたいと思います。
恐縮でございますけれども、一ページに入ります前に、一番
最後の参考の
資料をお開きいただきたいと思います。
これは
国鉄の現在の
営業規模というものをあらまし御
説明申し上げてから中身に入りたい、こういう趣旨でございます。
これをごらんいただきますと、四十八年でございますが、
輸送量が大体約五十五万トンの一日
平均能力を持っている。
内訳としましては、
コンテナ五万トン、
車扱い五十万トンということでございます。それで
輸送力は
列車キロであらわされるわけでございますけれども、一日五十四万
キロ、
列車本数一日五千四百本、それから貨車約十四万八千両、
コンテナが五万四千八百個、
貨物取扱駅が千八百五十九駅、これは四十八
年度末でございますが、御
承知のとおりいろいろ
貨物の取り扱いの少ないところの集約をいたしておりますので、現在は約千七百駅ということに御
承知おき願いたいと思います。
平均収入は一日に八億円、こういうことでございます。
一ページに戻っていただきまして、これは
先ほども御
説明が
運輸省からございましたけれども、三十五年から四十八
年度に至る
シェアの推移ということでございまして、特に詳しくは申し上げませんが、三十五年に三九%の
シェアを持っておりましたのが、ただいまにおきましては一七%でございます。これは上のカーブをごらんいただきますと、そこに
トラック自家用とそれから
営業用との
シェアが書いてございますが、逐年伸びていってまいりまして、後ほどまたこれは御
説明申し上げますけれども、この
シェアは全体の
国内輸送トンキロの中で
トラックの占める
自家用が二〇%、六百七十六億
トンキロ、非常に大きな
シェアでございます。
営業用トラックは二二%、こういうことで陸上の
シェアはこちらの右の欄にごらんいただきますように、
国鉄は
私鉄を含めまして二九%の
シェアである、こういう姿でございます。
それから二ページに入りますと、まずこのハッチングいたしております
シェアが
国鉄の
貨物輸送、
トラックとの
シェアの
キロ地帯別の大体
シェアはどうなっておるかということでございまして、百
キロ以下の
シェア、これが
トラックその他に比べますと一%、
トン数にして五千四百万トンということでございます。それから百一
キロ以上、これはずっと百一
キロ以上、六百
キロ以上までを含めた
数字でございますが、一億二千二百万トン、この
シェアが二九%ということでございます。したがいまして、上に
数字で書いた一番下の行に
国鉄総
輸送トン数は一億七千六百万トンであったということは、この百
キロ以下と百一
キロ以上、これを足していただきますと一億七千六百万トンという
数字でございます。したがいまして、百一
キロ以上を百
キロごとに区切って
内訳をずっと累計していきますと、右の欄のような
かっこうになりまして、五百
キロ以上というものでやっと
国鉄と
トラックとの
シェアが反転する、こういうことで、
長距離輸送というものに
国鉄が使われているという姿が出ております。
それから三ページでございますが、
先ほども御
説明申し上げましたように、一体
トラックの
シェアがどうなっているのかということを三十五
年度末と同じく四十八
年度末を比べてみますと、
営業用の
トラック、これが三十五
年度末では百七十七万台であったわけでございますが、それがずっとふえてまいって、そして四十八
年度末には五百二万台、こういう
かっこうでございます。三百二十五万台ふえております。最も特徴的なのが
自家用トラックの
ふえ方であるということでございまして、ごらんいただきますように、
自家用が千二百九万台あったのがここでは六千五百五十六万台。しかも、
トラックと称するものの
シェアは、
営業用よりも
自家用の方が非常に大きくふえている、こういう
かっこうでございまして、まさに
貨物輸送が
トラック、
船舶に移転しているというものの、
トラックの中の大きな
シェアはやはり各自
自家用を持って自分の荷を取りおろしをし、運んでおる、こういう姿が非常に顕著にあらわれている、こういう姿をこれは物語っているわけでございます。
それから、それでは船はどうなっているかというのが次の四ページでございます。
これはごらんいただきますように、四十一年九月末と四十九年三月末の
比較でございますが、この中で
貨物船は
一般貨物を運ぶものと
専用貨物船というのに大きく分類できるわけでございます。その
一般貨物船の
シェアがだんだん低くなりまして、
専用船に転移していっているということで、その
専用船の中でも特に
石油の
シェアが大きいということで、いまや
貨物船の
輸送のあり方は
一般貨物船よりも
専用貨物船的な運用が顕著に行われている、
シェアを占めているということで、ここに
シェアのパーセンテージが出ておるわけでございます。こういうふうに
貨物は
自家用トラックの進出が大きくなり、片一方、内
航海運におきましてはこういった
基礎資材が
専用船に転化していっている、こういう姿でございまして、後ほど出てまいりますけれども、やはり大きな
基礎資材の一次
産品というものがだんだん
国鉄の分野から減っていっているということの一つのあらわれが
船舶にも出ているということでございますし、また二次
産品につきましても
コンテナその他で一生懸命やっておりますけれども、
自家用トラックというものに相当に
シェアを奪われている、こういう姿がいままでの御
説明で申し上げたところであります。
五ページをごらんいただきますと、
国鉄の
輸送の
品目別の
依存度というものがあるわけでございます。
トラックに逃げあるいは
船舶に転移するという姿でございますけれども、こういった
鉄道依存度の非常に強い
シェアと申しますか、
品目が別にあるわけでございます。その中の主なものをここに摘録いたしたわけでございますが、その中で
化学肥料をごらんいただきますと、これは七五%を超えておりまして、
数字はここに書いてございません、まことに不親切な
資料になっておりますが、大体
化学肥料につきましては七七%という
数字でございます。それから
穀物、これは特に米が、大体
国内輸送の
需要の九一%は
米輸送でございます。この米の
需要は、九一%は
国鉄が運んでおるという姿でございますが、この
穀物は七六%ということでございます。それから紙・パルプは七〇%。それからセメントが五九%。以下、そういうふうに非常に
依存度の高い品物をずっと並べてございますが、最近は木材、
繊維工業品は少なくなっているという
状況でございます。これは大体
トンキロはこれの
合計になりますが、大体二百億
トンキロぐらいにこれではなる、こういうことで
日用品あるいは米、
化学肥料、そういったものは依然として
国鉄の方の
輸送シェアが大きいという姿でございます。
それから六ページでございますが、それをもう少し
輸送の実態的な面からとらえた姿でございまして、
先ほどもちょっと申し上げましたように、米につきましては
国鉄の
輸送割合は九一%を占めておるということでございます。以下、ミカン、
肥料等が非常に大きな
シェアでございます。石炭はまだまだ
生産量としては、ここに千二百五十四万トン、総
輸送トン数でございますが、
国鉄にかかるのはそのうちの約六〇%、こういう姿になっておるという
状況でございます。それから
石油は、これは御
承知のとおり
内陸向けの
石油輸送でございまして、これは主として
国鉄の
タンク車で運んでいる数量でございますが、九四%というものは
内陸部への
石油輸送の大きな
シェアを
国鉄が持っている、こんなような実情でございます。
なおこのほかに
引っ越し荷物は、いまやほとんど、八十万トン
程度は
コンテナの
輸送に依存しているという
かっこうでございまして、
コンテナ等は
規格包装品あるいは雑貨といった
引っ越し荷物に非常に適した
輸送の体系を逐次伸ばしつつあるという、後ほどまた出てまいると思いますが、そういう姿でございます。
それから七ページ、
国鉄は
貨物の
輸送においていろいろと先生から御注文があり、またいろいろ御指摘、御批判もございますけれども、しかし、やはり
国内輸送におけるところの
シェアは減りましても、非常に大きな力を持っているということをここにコメントしたものでございまして、もしこれを全部
国鉄の
輸送シェアを
トラックに依存した場合にはどうなるんであろうかというのがここに書いてある
数字でございまして、しかも、これは
営業用トラックで運んでおります物量の約八〇%に当たるというところから換算いたしました
数字でございます。必ずしも正確のものであるかどうかは別といたしまして、大宗としての御判断の材料にはなるかと存じます。
これによりますと、現在、
営業トラックは四十八
年度で五十万台でございました。これを仮にその八〇%が全部
国鉄から
トラックに転化するとしますと、なおかつ四〇万台近くの
トラックが要る。現在の約倍に相当する
トラックを投入しないと
国鉄のいまの
貨物は運べないという
かっこうでございます。それから
燃料消費も現在四百七十万
キロリッターということでございますが、もしこれを
国鉄の
貨物を全部
トラックに転移いたしますと、この四十万台の
トラックの増備に伴う
運行その他計算いたしますと三百七十三万
キロリッター、これは現在
国鉄が使っております
燃料消費の約三分の一に当たる
数字になるかと思います。
そういうことで、
国鉄の運んでおります
シェアをもし
道路輸送に代替した場合には大変な混乱が起きるであろうということをここにあらわしております。
その次のページには、それじゃそういったものが動いた場合の
道路輸送はどうなるかというふうな観点がまた検討に値するものでございますので、八ページをごらんいただきますと、
トラックで代替した場合に
主要道路の
交通量の
増加というものの推算をいたしたわけでございます。
真ん中辺の一番大きな棒グラフをごらんいただきますと、
東名道路と、それから
国道一号線とありまして、現在こういう一日
平均の
運行交通量がございます。
東名でございますと五万五千九百、約五万六千台、それから
国道一号線が約二万七千四百、これで約八万台の
トラックが一日動いているわけでございますが、もし
道路に転化するといたしますと、東海道にかかるものだけでも約一万五千台の
増加、これは全体に対して約一八%ということでございます。そういう
増加が見込まれるということで、
東名の
道路の
容量と申しますのは、現在でも建設省の御計算によりますと、約二・一倍に、
道路容量を倍に使っているということだそうでございますので、これを足しますと、また相当に混雑し渋滞をするという
かっこうになるということで、これは七ページ、八ページを相関関連でごらんいただければ、大体どんなような規模のものが移転するのであろうか、その影響はどうであろうかということを御想像いただけるものと思います。
九ページに参りますと、それじゃ法律の面からいってはどうなんだということでございまして、ここに「各
輸送機関の資源効率」というタイトルで出ておりまして、コメントを読んでみますと、「単位当りのエネルギー消費量は、
鉄道に対して
営業用トラックは二・九倍、
自家用トラックは七・八倍、内
航海運は一・五倍となっている。また、従業員一人当り年間
輸送量は、
鉄道に対して、
トラックは、六分の一、内
航海運は三・四倍となっている。」こういうことで
貨物一トン
キロ当たりのエネルギー消費量というものを個々に計算しました姿でございます。
国鉄は
先ほど言いましたように
営業トラックの二・九分の一でございますので、非常に低いエネルギー消費量である。また従業員一人当たりの年間
輸送にいたしましても、やはり大量、長距離の
輸送の力を持っている
国鉄輸送は、一人で十トンないし十五トンを運ぶ
トラックに比べまして非常に効率が大きいということで、
トラックとは
比較にならない一人当たりの
輸送量の
生産量になる。内
航海運は
先ほど申しましたように
専用貨物船が多うございますので、御
承知のとおり大きな
輸送船も油運送船もございますので、一人当たりの
輸送にいたしますと乗組人員も少ないわけでございますので
生産量としては高い、こういうことでございます。
そういうことでございまして、大ざっぱに御
説明を申し上げましたことは、
国鉄の
輸送はやはり
一般生活に密着した物資を主に運んでいるということと、それから
シェアの面からいきますと、長距離の
輸送に非常に力を持っておるということと、エネルギー効率から言いましても、
鉄道の
輸送の活用というものはやはり社会資本の充実の上からいっても非常に効果のあるものであるということ、私どもとして申し上げたいということのこれは多少PRめいた
資料でございますが、大体実態の分析はそういうふうになる、かように存じます。
以上で
説明を終わりますが、
先ほど私、燃料の消費量につきまして大体約三分の一と申しましたのは、
旅客、
貨物全部含めまして年間の燃料の消費量が百十四万トンぐらいございます。しかし
貨物に使っております量は三百七十三万
キロリットルの約三分の一、こういうことでございます。訂正と言いますか補足をさせていただきます。かように存じます。
以上で私の
説明は終わらせていただきます。
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