○
久保(三)
委員 海運に
関係して二つほどお伺いするわけですが、答弁をいただく方にお願い申し上げますが、全部で三十分でありますので、まとめて御質問を申し上げますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
一つは最近急激に低落をしてまいりました近海邦船の問題であります。中身については詳細に私から申し上げる必要はないと思うので、答弁される方は十分御
承知のはずであります。
そこで、この
近海海運対策というか、こういうものは従来
政策らしきものがなかったといっては失礼かもしれませんが、余りなかった。特に、集約をやりました際にもそうでありますが、オーナーに対しては余り、というよりはほとんど、対策がなかったままに来た欠陥というものが今日
一つはあらわれてきていると思うのです。それから、
近海海運では、特に南洋材の輸送というものが大手商社の投機の対象になっておりますので、一たん総需要抑制という声を聞くというと極度に輸送が低落してくる、そういう二番目の問題。それから、三番目の問題は、いわゆる念書船というものが、単なる念書船という形だけでありまして、実際は近海マーケットの中に念書船が入り込んできている、こういうことだと思うのです。
そこで、
近海海運の中で邦船の占める
シェアは半分程度なんですね。二分の一ぐらい、あるいはそれ以下になるかもしれませんが、大体その程度。あとは念書船を含めた外国船、そういうものがオペレーターの手によって運航されている。たとえば大体
近海海運は三百隻、二百五十万デッドウエートトンぐらいが適正船腹量であろうというのに対して、その半分、大体百二十五隻ぐらいが念書船を含めた外国船なんですね。そういうところに問題があると思うので、
一つはこの念書船を完全に排除するということを考えていかねばならぬと思うのでありますが、単に念書船で、念書をとって、近海には参りません、
日本の港には参りませんというだけであって、入ってきてもこれに罰則というか懲罰的なものはないのですね。しかも、この念書船の大半を持っているというか、かなり多数を持っているのは大手商社を
中心にしたものが多いのですね。荷主そのものが持っている、あるいはこれのダミー会社が持っているということでありますから、念書船の完全な排除を工夫せねばならぬと思うのです。もしもそういうことで入ってきたものについては、今後そういう荷主、オペレーターについては一切今後の建造は認めないというようなことも
一つだろうと思うのでありますが、そういう考えを持っているのかどうか。
それからもう
一つは、
日本船を外国へ裸用船をどんどんするわけですね、最近の傾向として。そういうものについての規制を強化できないのかどうかということです。
それから、先ほど申し上げたように、
近海海運のオペレーターに、いろいろ
事情はあると思うのでありますが、少なくとも
日本船、いわゆる邦船の使用を強制するというか、ある程度義務づける方法はないのかどうかというようなことが
一つだろうと思います。
もう
一つは、できれば総体的な適正船腹量というか、そういうものを策定して、輸入協議会ですか、そういうものとの間に適正な協定を結ばせてそれに応じて船舶の建造を許可していく、あるいは保有を許可していくということも
一つだろうと思うのであります。そういう
方向で船の安定を考える必要がありはしないか。
それからもう
一つでありますが、当面の措置として、
一つには倒産というか、どんどんやめていくものが出てくるわけですね。最近ではかなりやめてきているようでありますし、先般近海の船主協会は総撤退を宣言しているようでありまして、こうなりますと、安定供給ということの大義名分が全然邦船では立てにくくなってくるわけですね。だから、それらに対して
海運当局はどういう
方針でおるのか。将来の傾向としてそういう傾向が強いが、それを食いとめようとするのか、それともそうではなくするのか、これはどういうふうに考えるか。
それから、当面の措置として、これら経営困難なものに対しては、まず第一に金融の問題があると思うのですね。金融の問題は、長期の借入金を元本たな上げ、これは従来も外航船ではやりましたが、そういうもの、あるいは船舶
整備公団の使用料の返納というか、使用料を延期してやる。あるいは運転資金の緊急手配をしてやる。それから中金
関係の保証協会の倒産関連企業として指定をしてやって、そこから資金を導入するというような方法等々、金融の措置はどう考えておられるのか。
それから、最も深刻なのは乗組員である船員の問題であります。御
承知のように船は売られてしまうし、やめていくのでありますから、乗る船がなくなっていまう。そこに失業の問題が出てきて、大変な問題が出てくるのですね。ところが、これは保険庁に
関係がありますが、船員保険法の中で失業保険はあるわけでありますが、ただ問題は、最近おかの業種については雇用保険法が実はできているわけですね。これによってそれぞれ手当てをしているわけです。ところが海の方についてはこの部分が全然考慮されないままでいるわけです。これはおかの方では労働省が所管で雇用保険法をやっている。船の方は、船員問題は船員局が
中心だが、保険は保険庁でやっている。言うならば二つに分かれたかっこうになっているわけだが、そういう
関係もあって、実はおかのようにうまくいかないのではないかというふうに見ているわけであります。しかし、事態は深刻なので、船についても、船員についても雇用保険法と少なくとも同じ仕組みをこれは考える必要があるべきなので、漫然として今日までいるのかどうか、もし保険庁で所管するとするならば、保険庁は雇用保険法ができる際にいかなる態度と
方針を示したのか。そうでないとするならば、船員局はいかなる考えでいるのか。これは明確な答弁をもらいたい。そういう大体緊急の問題がございます。
それからもう
一つの問題は、同じような形になりますが、いわゆるカツオ、マグロの漁船の問題であります。漁業の問題であります。これはやはり外国船の、
日本に寄港して水揚げをどんどんやっていく。そのために市場を撹乱されて
日本のマグロ船が不振である。経営が成り立たなくなっちゃった。最近のようなことになりますと、資材は上がる、油は上がるということでありまして、そういう面からも言うならば魚価は低落するということで、実はあおりを食ってもうすでに二十一社ほどこのマグロ
関係の水産会社は倒産しているわけです。
関係の労働者は大体推定六百人失業しているだろうということです。これは深刻だと思うのです。これはそれだけにとどまらず今後拡大の見込みである。いま大体マグロ漁船は二千六百隻、
関係漁船員は約五万人、こういうものなのでありまして、そこでこれは水産庁に
中心としてお伺いしたいのですが、いままでも各方面から申し入れがあったように、外国の漁労船の本邦への水揚げを禁止する措置をとれないものだろうか。特にこれは韓国だと思うのです。それから将来――将来というか即刻水揚げ地を指定すると同時に、これは輸入数量をある程度規制する。それから魚価安定の立場からいっても当然だと思うのでありますが、これを野放しにしておいて、しかもマグロはやはり先ほどの南洋材と同じように商社の投機の対象に一部なっている。これも問題だと思うのです。そういう
意味からいっても、これを規制する必要がありはしないか。それから海外買船をやはりやって、その船がまたマグロを積んで帰ってくるということでありますので、買船の規制をもう少し強める必要があるということであります。それらについては特に外国、韓国が主だそうでありますが、水産庁は先般韓国との交渉を行い始めたというふうに聞いているのだが、それはいつからどういうふうになって、いまのような規制というか魚価安定、水産業の安定、そういうために韓国との交渉はどんなふうになっているのか、それを尋ねたい。
それから、先ほど申し上げたように、これについてもやはり雇用保険法というのは欠落したままでいるわけですが、これについても同じように答弁をしてもらいたい。
それからもう
一つは、これは保険庁だろうと思うのですが、船員保険法によるところの失業保険、これは御
承知のようにマグロ漁業は周年漁業として許可を受けてやっておるわけでありまして、これに乗り組む漁船船員も周年労働というか、遠いところは周年どころか二年も三年も帰ってこない者もあるわけでありますから、そういう者に対して失業保険の付保というかそういうものが十分でないために、失業者が出ても失業保険がもらえないということでありますが、その態度というか
方針を改める必要があると思うのだが、その用意があるかどうか。
以上が私の質問の要点であります。それぞれお答えいただきたい。