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松本説明員 ただいまの
先生の御質問をまず順序を追って分けて御返答申し上げたいと思いますが、まず
岩国と
横田、これの二つの
基地におります
米軍が進入
管制を行っておりますこと、及び嘉手納の
米軍が進入
管制を行っておりますこと、いずれも基本的には一番根っこになってまいりますのは
地位協定であるというふうに理解をいたしております。ただ
横田と
岩国につきましては昭和二十七年及び三十四年に日米合同
委員会の合意を得ました両国間の
航空交通
管制に関する合意、これが根っこになっております。それから那覇におきましては、いまおっしゃいましたように
沖繩の返還に基づいて発効いたしました
沖繩における
航空交通合意、これが根っこになっておる、こういうことでございます。
次に安全であるかどうかという御
指摘がございましたが、いずれの合意書におきましても、
米軍が行います実務上の
管制業務というものはICAOの基準に準拠して行うということをうたっておるわけでございます。御承知のとおり国際
民間航空というものはICAO条約と呼ばれております条約に基づいて幾つかできております付属書というものがございますが、この付属書にあります
技術的な基準というものが、ICAO加盟国約百三十国くらいかと思いますが、そこの
航空管制及び
航空保安業務のすべての基準になっております。基準は同一の基準を使っておる。したがいまして、安全上特段に支障があるというふうなことはないというふうに私
ども考えておりますし、さらにまた進入
管制というものは
航空路管制と
飛行場管制との中継的なものでございますので、われわれが行っております
飛行場管制の側からあるいは
航空路管制の側から見ておりまして、その進入
管制のやり方について問題があるというふうなことがもしございますれば、それは両
管制所の方から十分な注意を喚起するというふうなことで確実に対処ができるというふうに考えておる次第でございます。
次に
岩国について特に御
指摘がございましたが、実は
岩国はかって広島の空港につきましても進入
管制を行っておったわけでございますが、広島につきましては、私
どもの方で空港
レーダーを設備いたしまして、これと同時に
岩国の
空域を削りまして、広島は現在直接みずから進入
管制業務を行っております。したがいまして松山につきましても、これは地形的な接近度及び
滑走路の方向、これが
岩国と松山とで
管制技術上非常にぐあいの悪い形にはなっておりますが、いずれ松山に空港
レーダーを備えつけまして直接われわれの手で進入
管制ができる
方法はないか、そのためにはどこに
レーダーを置けばよろしいかということについて、予算もいただきましてこれからまず
レーダーをどこに置いてどういうふうに
空域を分離したらよろしいかという研究を始めようという段階に現在参ってきております。
それから最後の嘉手納の問題につきましては、
先生おっしゃいましたように、あそこにございます三つの空港が接近し、かつ
滑走路の方向が入り組んでおりますので、やはりどこか一カ所で
管制をいたしませんとむしろ安全上不安がある。そこで、しかもこれをノン
レーダー、つまり
レーダーなしでいたしましたのでは非常に問題がございます。
レーダー管制で三つの空港を統括的にやらなければならない、こういうことになりますと、実は正直申しまして私
どもそういう経験が全くございません。そこでそういったような三つの空港を
レーダーを使って統一的に
管制する、コモンーFR方式と私
ども呼んでおりますが、このコモンIFR方式というものにつきまして私
どもがまず
技術を開発いたしまして、必要な機材も設備をいたしまして、さらにまたこの
管制のために必要な
管制官あるいは機材の
整備に必要な無線
技術者、こういうふうなものも養成していかなければなりません。そういうふうなものが準備が終わりました時点、われわれがやれるということになりましたときには、まさに協定の文言を挙げて
先生御
指摘なさいましたように私
どもこれをテークオーバーするということをいま考えておる次第でございます。