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1975-03-18 第75回国会 衆議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年三月十八日(火曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 木部 佳昭君    理事 加藤 六月君 理事 佐藤 守良君    理事 西銘 順治君 理事 増岡 博之君    理事 太田 一夫君 理事 金瀬 俊雄君    理事 三浦  久君       石井  一君    大竹 太郎君       佐藤 孝行君    關谷 勝利君       徳安 實藏君    丹羽喬四郎君       三原 朝雄君    綿貫 民輔君       久保 三郎君    兒玉 末男君       梅田  勝君    石田幸四郎君       松本 忠助君    河村  勝君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 木村 睦男君  出席政府委員         防衛庁参事官  菅沼 照夫君         運輸省航空局長 中村 大造君         運輸省航空局技         術部長     中曽  敬君  委員外出席者         防衛庁長官官房         防衛審議官   渡邊 伊助君         防衛庁防衛局運         用課長     友藤 一隆君         外務省アメリカ         局外務参事官  深田  宏君         運輸省航空局監         理部総務課長  小野 維之君         運輸省航空局管         制保安部長   松本  操君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ————————————— 委員の異動 三月十八日  辞任         補欠選任   北山 愛郎君     石橋 政嗣君     ————————————— 三月十七日  鉄道敷設法の一部を改正する法律案内閣提出  第五四号) は本委員会に付託された。 同月十八日  北陸本線能生駅の貨物取扱存続に関する請願(  高鳥修紹介)(第九六二号) は委員会の許可を得て取り下げられた。     ————————————— 本日の会議に付した案件  航空法の一部を改正する法律案内閣提出、第  七十一回国会閣法第八八号)  北陸本線能生駅の貨物取扱存続に関する請願(  高鳥修紹介)(第九六二号)の取り下げの件      ————◇—————
  2. 木部佳昭

    木部委員長 これより会議を開きます。  この際、請願取り下げの件についてお諮りいたします。  本委員会に付託になっております北陸本線能生駅の貨物取扱存続に関する請願につきまして、去る十四日、紹介議員高鳥修君より取り下げの願いが提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木部佳昭

    木部委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
  4. 木部佳昭

    木部委員長 航空法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。
  5. 久保三郎

    久保(三)委員 航空法改正について二、三お尋ねいたします。  一つは、先般全日空機自衛隊機雫石上空における衝突事故、この判決が一応出たのでありますが、判決については、自衛隊側責任ありということで有罪の判決が出たことは御承知のとおりでありまして、これに対して、第一点にお伺いしたいのは、自衛隊の二人が責任を問われた原因は、言うならばジェットルート11でありますか、これを定常飛行中の全日空機自衛隊機がその注意義務を怠って衝突したということであります。この判決を土台にして、これからの航空管制なり、飛行方法についての規制というか、あり方を規定するとするならば、やはりこの判決のとおりに一つは考える必要があると思うのですね。その前提に立って言うならば、定常飛行中の民間航空機飛行に際して優先権ありということが一つだろうと思うのですね。  それからもう一つは、民間航空路に近接した自衛隊訓練空域は、民間航空機にとれば危険な存在を近くに置くという状態でありますから、それを意識して、自衛隊機注意義務を一層厳重にしなければならぬという結論になろうかと思うのであります。  それからもう一つの点は、航空中における操縦士任務は、今度の改正法によりますれば、それがいかなる飛行機であろうとも、いかなる任務を持とうとも、同じように見張り義務があるわけですね。同様にあるわけです。同様にあるが、この判決の精神を踏まえていくならば、回避義務衝突事前見張りをして、これは危いと、ニアミスですね、そういう場合の回避義務民間機にはなくて、これを回避しなければならぬ義務を負うものは、この場合は自衛隊機である。いわゆる軍用機にある。こういう解釈が一つ出ると思うのです。  それから、三点目には、民間のいわゆる一般運送事業をしているその航空路における飛行機とその他の飛行機自衛隊機を除いた飛行機の相互の義務というのは、これはどういうふうにそれならば解釈するのか。単純にどちらも同じ見張り義務があるのか、あるいはニアミスの場合には回避義務はどちらが優先的にしなければならぬのか、そういう問題についてどんなふうに考えているかお答えいただきたい。
  6. 木村睦男

    木村国務大臣 雫石事故につきましては、先般判決が出たわけでございますが、われわれといたしましては、あの事故刑事責任がいずれにあるかということの前に、むしろ、あの判決の中にも指摘されておりましたが、運輸省航空行政というものがどうあるべきかということについて、あの事故にかんがみまして十分反省しなければいけない、かように考えておるわけでございます。     〔委員長退席西銘委員長代理着席事故の直後、そのための委員会を設けましたり、あるいは航空専門家のいろいろな貴重な御意見を参照いたしまして今回の航空法改正に踏み切って、御提案を申し上げたわけでございます。すでに三年も経過をいたしておりますが、幸いに継続審査の形で今回御審議をいただき、一日も早く成立することを希望しておるわけでございます。この航空法改正の成立を機会に、さらに一層全般的に航空行政そのものも逐次見直しながら航空行政の完璧を期したい、かように決意をいたして努力をいたしておるところでございます。なお、御質問の各点につきましては、専門的な問題が多うございますので、事務当局の方から御答弁申し上げます。
  7. 中村大造

    中村(大)政府委員 御指摘の点でございますけれども、いわゆるジェットルート航空路を飛んでおります民間航空機自衛隊機との間で優先権があるかどうかという御指摘のようでございますけれども、これは飛行機同士衝突をしないように予防する方法というのは八十三条で規定をいたしておりまして、この具体的なルールというものは規則で決めておるわけでございます。したがって、そのルールに関する限りにおきましてはどちらが先でどちらが後ということはございませんで、そのときそのときの位置、針路等によって優先が決まってくるわけでございます。ただ先生の御指摘趣旨は、航空路あるいは管制区というふうなところを高速で飛んでおりますジェット機民間航空機とそれから自衛隊機とが、訓練飛行とかあるいは曲技飛行というふうないわゆる異常な飛行方法といいますか、そういうものをする場合にどのような安全確保方法がとられるか、こういう御趣旨だと思っておるわけでございますので、そういう趣旨に関する限りにおきましては、たとえば今度の改正においては管制区または管制圏におきましてはいわゆる曲技飛行、こういうものを原則として禁止する。いわゆる巡航速度でもってルートを飛ぶものはこれは差別はございませんけれども、そういう曲技飛行というものを禁止する。それからいわゆる訓練飛行等につきましても、これは自衛隊であると何であるとを問わず、この管制区、管制圏においてはこれを禁止する、こういう措置をとることにしておるわけでございますので、その限りにおいてはいわゆるルートを飛んでおります航空機の安全は確保される、こういうことが言えようかと思います。それからその他特別管制区域というものが設定されておりますけれども、その中ではいわゆる有視界飛行で飛ぶ飛行機についてもすべて管制を受ける、こういうことになっております。  それから、先生指摘のようないわゆる見張り義務を課す、こういうことで、通常でない飛び方をする航空機との関係においては十分安全が保たれるように措置をされておると言うことができるのではないかと存じます。
  8. 久保三郎

    久保(三)委員 非常にむずかしいというかややこしいお尋ねを突然したので、お答えにくいのかもしれませんが、判決文中心にしてもっと単純にお尋ねした方がいいかもしれませんが、判決の要旨を見ますと、被告人見張り義務ということでジェットルート近くの空域動きの大きな編隊飛行訓練を行おうとしたものであるから、より一層慎重な見張りを実施する必要、義務があった、だからおまえはけしからぬ、こういうことになっているわけですね。そうだとするならば、少なくとも今度の法改正の中にはそういうものはないんですね。特別に慎重に見張りをしなければならぬというようなことは格別はない。曲技飛行というか動きの大きな飛行、その改正はございますが、これと見張り義務というか他との関係については何ら規定がないんですね。だからできるならば、これは当然その辺に挿入されるのが一番いいのではないかというふうに思うんです。もっともこれは自衛隊というか防衛庁はきらうかもしれませんね。大体この判決の中を流れている思想は、決まったルートを飛んでいる飛行機は少なくとも優先だ。民間機とはあえて言いませんけれども、それは優先だ。周りでくるくるやっているのは、これは特別におまえ注意しなさいというのが思想だと思うんですね。そうだとすれば、その辺の条項の改正はどういうふうにするのか、これはどうですか。
  9. 中村大造

    中村(大)政府委員 先ほど御説明申し上げましたようにいわゆる曲技飛行でございますけれども、これは一般的に管制区または管制圏においては禁止をされることになったわけでございますけれども、そういう仮に曲技飛行を行おうとするときにその航空機操縦を行う者は、当該飛行によって付近にある他の航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがないかどうかということをあらかじめ十分確認をしてからやりなさい、こういうことが今度の改正の九十一条の第二項で挿入されておるわけでございまして、そこで事前確認をしてやるといういわゆる確認義務が出てきておるわけでございますので、これと一般注意義務、こういうものによって安全の確保をする、こういうことかと存じます。
  10. 久保三郎

    久保(三)委員 九十一条の二項でなるほどおっしゃるとおり大体なっておりますから、それはそれでいい。それでは回避義務の方はどういうふうになりますか。いわゆるニアミスの場合ですね。これはしちゃいけないとか、確認しなさいと言うんだが、これをやっていればそんなことはあり得ないのでありますか。今度のような場合はあり得る。その場合の異常接近の場合の回避義務というか、そういうものはあまり関係はございませんか。
  11. 中村大造

    中村(大)政府委員 これはやはりあらかじめ安全に影響があるかどうかを確認してやるわけでございますが、あとはいわゆる見張り義務、こういうことでございまして、具体的なケースの場合にどちらが回避するかということはやはり八十三条の規定に基づく施行規則でございますけれども、これの原則に従っていくのではないかというふうに思います。
  12. 久保三郎

    久保(三)委員 いま手元に施行規則がないので、それじゃ局長の答弁がそのとおりなら信用していきましょう。しかしいずれにしても、もっとも速度のかなり速い航空機のことでありますから、ニアミス回避義務をどっちに置くかとかいうようなことを決めても、実際には役に立たないのかもしれませんね。しかしその問題についても一応検討する余地はあろうかと思うのであります。  それからもう一つは、ジェットルートの問題がマスコミなどでも議論されております。当委員会でも議論されたと思うのでありますが、これについてはどんなふうな措置をとられますか。いわゆる点と点を結ぶ線、それに幅九キロぐらいのものをつけるということでありますが、これをもう少し法的に位置づける必要がこの際ありはしないかと思うのですが、それはどういうふうに考えられておりますか。
  13. 中村大造

    中村(大)政府委員 最近の傾向といたしまして普通のジェット機、いわゆる民航機でございますけれども、これは大体二万四千フィート以上の高高度を飛行しておるのが多いわけでございますけれども、この区域につきましてはほとんど日本の全土を覆っていわゆる管制区に指定しておるわけでございます。その管制区の中でいわゆるジェットルートというものを設定しておるわけでございます。管制区についてはいわゆる法律によりましていろいろな規制が行われておるわけでございます。したがいまして、いわゆるジェットルートというものを法律によってたとえば航空路と同じように告示をする必要があるかどうかという点についてはいろいろな考え方があるわけでございます。私どもといたしましては当面考えましたことは、いわゆる管制官管制間隔を保持するためにジェットルート両側に八・七マイルというふうな保護空域を設けて管制をいたすわけでございますので、したがって、その限りにおいてはそのジェットルートというものを飛行情報において公示をいたしますれば、民間航空の安全については支障がないのではないか。     〔西銘委員長代理退席委員長着席〕 このジェットルートとの関連におきまして、いわゆる訓練空域というようなものは、緊急対策要綱に基づきまして十分な間隔をとって設定するわけでございます。また、今回の法律改正によりましてそういうふうな管制区の中では訓練飛行とか曲技飛行というものは原則としてできない、こういうことになっておりますので、そういう限りにおいてはジェットルートというものを法律的な措置を講じて告示をするということのメリットは、現実の問題としては余りないのではないかというふうな判断をしておるわけでございます。ただ、航空路との関係におきまして統一を図る意味においてこれを告示すべきであるという御意見もあるわけでございますので、この点につきましては引き続き検討をさせていただくということにいたしたいと存ずるわけでございます。
  14. 久保三郎

    久保(三)委員 いまのお話でありますが、現在では法律的に幅を持たせた、幅というのは物理的な幅ですが、それを持たせた航空路と同じような措置をとることが余りメリットとしてはないかもしれませんが、後から申し上げますところの最近における軍用機ジェット機高速化あるいは性能の高まりというか高度化、そういうものに応じて考えてみた場合、もはやフリーにしておくことはいかがかと思うのですね。と申し上げますのは、いまのところ訓練空域なり演習空域というものはおおむね海上に押し出しておくわけでありますが、それも最近の自衛隊ジェット機性能からいくと非常に鼻がつかえるという話も聞いているわけですね。そうなると、どうも侵しがちである。この間の雫石の問題も、見ようによってはそういうものも原因一つとして数えられるかもしらぬということだと思うのですね。そういうことでありますから、当然この問題は航空路と同じように扱って、日本の空は立体的にもきちんと整理しておいた方が安全であるというふうに思いますので、検討をお願いしておきたい。  時間の関係もありますから先に参りましょう。要望だけしておきます。  もう一つは、この法律改正ができるできないにかかわらずでありますが、管制一体化というのは従来からも当委員会で皆さんからも数多く指摘されてきたわけであります。今回もそのことがあったと思うのでありますが、そこで、自衛隊の持っているバッジシステムレーダー、こういうものは大体日本全国を覆って余りあるわけですね。多少問題もあるようでありますが、そういうものといま穴があいている運輸省レーダーと、そういうもので大体二元的に空の様子を見ているわけです。今後運輸省レーダー装置日本全国をカバーできるように早急にやるのだろうと思うのです。またやらなければいけませんけれども。それと同時に、両方でやるよりは両方性能を一括して一元化するということは大変有意義だとだれも思うのですね。これについてどういうふうに思うのか。軍の機密ということがあるいはあるのかもしれませんが、軍の機密にはいろいろあって手前どもには推測がつきかねるものもあるかと思うのでありますが、いずれにしてもバッジシステムはいわゆる国籍不明機というかあるいは領空侵犯機というか、そういうものに対する要撃の中心にいるわけでありますから、国籍不明機の監視並びにこれの追跡ということだと思うのですね。しかしそれは全体の飛んでいる飛行機を監視しなければどれが国籍不明機でどれがどうであるかわからぬから、一様にやっているのだろうと思うのですね。そういうものを一元化してやることの方がより的確ではないかと私は思うので、これは先に防衛庁に聞いた方がいいと思うのですが、あなたは好みますか好みませんか。
  15. 菅沼照夫

    菅沼政府委員 いま先生の御指摘でございますが、確かにバッジシステムというのはいま先生指摘のような目的であるわけでございます。運輸省の方からも航空自衛隊バッジシステムについて利用できないのかというようなことを前に御検討なさったことがあるかと思いますが、そのときには何か技術上のいろいろな問題があるというように私どもお聞きしております。いま先生申されましたように、確かに防衛庁機密も存在するわけでございますけれども運輸省の方から御依頼があればできるだけ協力するように検討いたしたいというように私ども考えております。
  16. 久保三郎

    久保(三)委員 運輸省はどうですか。
  17. 松本操

    松本説明員 ただいま防衛庁からのお答えがございましたように、雫石事故の直後、防衛庁レーダーをそのまま使うことができないのかということでかなり突っ込んだ技術的研究を私どもいたしました。その結果、ただいま防衛庁の方からの御返答にもございましたような機密保持上の問題というようなことももちろん中に入っておったわけでございますが、そのほかの技術上の問題といたしまして、どうも防衛庁レーダー使い方と私ども使い方が違っております。その点が一つ。  それから防衛庁がいま使っておりますレーダーは、技術的になって恐縮でございますが、通常トランスポンダーに反応するわけでございますが、聞くところによりますと防衛庁は何かもっと最新式と申しますか、トランスポンダーを使わないでも高度を見つけるようなものをいろいろとお考えにもなり、整備にもなっていらっしゃる。ところが私どもの方はもっぱらトランスポンダーに頼って、特にこの法律改正でもお願いをしておりますが、モードCトランスポンダーに頼って高度を見つける、それから飛行機識別するというふうなやり方で全体の管制組織を動かしていくというようなことを実は考えておるわけでございます。  そこで直接的に結びつけるということは非常にむずかしくなりまして、その間に何らか技術的な細工をいたしませんと両側レーダーを結び合わせることが非常にむずかしい。そのように途中にいろいろと細工が入りますと、故障あるいはふぐあい等が起こりました場合に生の状態に戻して見るということが困難になってまいります。現在管制官レーダー管制をいたします場合にいろいろ仕掛けを通しますが、いざとなったら生のレーダーに戻して見られるように実は私ども考えているわけでございます。その点が非常に技術的にむずかしくなってくるというふうなこともございまして、実はちょっといまのところ、直接的に防衛庁レーダーと組み合わせるということについては一応別にして、少なくとも基本的な数だけは私どもレーダーを置いてまいりたい、こういうふうな線で鋭意努力しておるところでございますが、御指摘のように、いろいろとカバレッジに穴があくという点もございますので、再度またそういう点については技術的な詰めを今後とも続けてまいりたい、こういうふうに思っております。
  18. 久保三郎

    久保(三)委員 技術的な相違についていまお話がありましたが、自衛隊というか、防衛庁にちょっとお聞きしたいのですが、トランスポンダーをつけて運輸省の方はレーダーでキャッチするわけですが、おたくの方は国籍不明機中心ですね。日本自衛隊飛行機はとらえないのですか、どうなんですか、このレーダーで。
  19. 友藤一隆

    友藤説明員 お答えいたします。  自衛隊レーダーサイトレーダーにおきましても自衛隊航空機は全部キャッチをいたしております。
  20. 久保三郎

    久保(三)委員 そうすると、その識別はどういうふうにするのですか。自分のところで揚げているというか飛ばしている飛行機がどことどこに何機あるかわかるから、それからマークがなくてもわかるということなんですか。それで、こいつは余計だなということで、余計なものは不明機ということで追跡ということになるのですか。
  21. 友藤一隆

    友藤説明員 自衛隊航空機には敵、味方識別装置というようなものが装着されておりまして……(久保(三)委員トランスポンダーじゃないか、それ」と呼ぶ)トランスポンダーも現在航空局の方で御計画になっておられますタイプのものの整備については現在検討いたしておりまして、逐次装着をするように努めております。
  22. 久保三郎

    久保(三)委員 わかりました。なかなか技術的なことでありますから双方に意見もあるし、いま特に航空局からお話しの、自衛隊のものに穴があいているというような話もちょっと、穴があいていたのじゃ用が足りないかもしれませんので、この辺のこともよく研究されて、とにかく管制は一元的に運営されることが一番安全だと思うのですね。空は一つですから、そこにはいろんな飛行機が入ってくる。それでとらえるレーダーもそれぞれ別々ということでも、これも困るだろうと思うのです。そういう意味で、これは運輸大臣並びに航空局長にもお話ししておきますが、一体化について早急にもう一ぺん検討を始めてみたらどうだろうかという提案であります。  それからもう一つは、米軍との問題でありますが、米軍が何がしかの航空管制をやっている飛行場はどことどこでありますか。
  23. 松本操

    松本説明員 米軍地位協定に基づきまして、管制、私どもこれは運輸大臣の行う管制とは考えておりませんが、事実上の行為としての管制をしておりますのが、横田基地がございます。それから岩国基地がございます。それから沖繩へ参りまして、まあ小さな滑走路一本のようなものを除きまして嘉手納、普天間、これが米軍が直接的に管制業務を行っている空港でございます。
  24. 久保三郎

    久保(三)委員 いま部長おっしゃったのは、事実上やっている。地位協定に基づくものではないのですか、これは。
  25. 松本操

    松本説明員 ちょっと私の言い方がまずかったのかとも思いますが、地位協定に基づきまして米軍が、非常にかた苦しい言い方でございますが、事実上の管制行為を行っている。つまり私ども運輸大臣が行っております管制業務というふうなものそのものではない、事実上の管制業務である、こういう理解でございます。
  26. 久保三郎

    久保(三)委員 横田米軍航空機だけですね。わが方の民間航空機は一切入りませんね。
  27. 松本操

    松本説明員 通常横田基地に出入いたしますのはもっぱら米軍航空機でございます。
  28. 久保三郎

    久保(三)委員 岩国はわが方の定期航空便が発着していますね。岩国への離着陸、あるでしょう。
  29. 松本操

    松本説明員 現時点におきましては岩国にもわが方の定期便は離着陸しておりません。
  30. 久保三郎

    久保(三)委員 そうしますと、もうどれもない。これはどんな管制業務をしておるのですか。
  31. 松本操

    松本説明員 まず横田につきましては、横田における、先生おっしゃいました横田基地に出入いたします航空機、これは主として米軍機でございます。これの飛行場管制。それから横田中心にいたしまして入間とか厚木とか立川とか、こういうふうないずれも提供施設あるいはかつて提供施設であったもの、供用施設、こういうふうなものがございますので、これらを一括いたしました空域の進入管制、これも事実上の進入管制業をいたしております。岩国におきましては、岩国基地に出入いたします米軍機に対する飛行場管制業務と、それから非常に接近いたしましてわが方の松山空港がございますので、松山空港の進入管制業務岩国の方で行っております。それから嘉手納につきましては御承知のとおり嘉手納、普天間、那覇、この三空港がこれまた非常に近接しておるというふうなことから、嘉手納の飛行場管制業務、普天間の飛行場管制業務のほかに嘉手納の進入管制所が那覇空港の進入管制についても暫定的に行っております。
  32. 久保三郎

    久保(三)委員 いまのお話で特徴的なのは、米軍機だけの出入り、特に横田基地ですね、こういうものは進入管制までやることでありますから、これは見よう考えようによっては、国民的な感情は別として、まあまあ、なるほどという考えも出るわけでありますが、安全の面から言って果たしてそういうやり方がいいかどうかという問題について、これはどんなふうに考えておるか。管制業務が、本来ならこれはわが方に一手に返還さるべき筋合いのものでありますから、返還されて当然だと思うのですが、それでもなお、それはいいとしても、それはおいても、安全上の問題からいって、飛行場管制は別としても進入管制まで米軍の手にゆだねることについては疑問がある。横田基地にしても。特に松山については——松山というか、松山は岩国米軍によって進入管制を一括してもらっている。これは何の協定に基づいてやっているのですか。これなども民間航空機との関係でこれは困るわけですね。これは一元化してもらわなければいかぬ。それから嘉手納については、これはこの前ここで聞いたと思うのですね。長い説明があって時間切れでなんでありますが、きょうは問題点だけ御答弁いただきたいのでありますが、嘉手納については沖繩返還時においての日米合同委員会の協定というか合意によって、当分というか暫定措置として嘉手納の基地米軍が那覇空港の進入管制まで実施する、こうなっています。時間がありませんのでそれらについて説明をいただきたいのでありますが、最後の嘉手納の進入管制、那覇の進入管制については、協定文によりますれば、日本管制を実施するまでの問、しばらくの間米軍がやる。これはやる能力がないのか。あるいはそれとも、米軍の立場から米軍が一手に引き受けてやりますということで、調停というか合意書の文言としてはいわゆる日本がこれを実行するまでの間しばらくの問米軍がやるというふうにさらっと流しているのか。だから本来ならば、言いたいのは、いつ日本がこの那覇空港の進入管制までできるのか、いつの時期にできるのか、できることになればアメリカはスムーズにこの進入管制からは手を引くのか、この点もひとつあわせてお伺いしたいのであります。岩国の問題について、同様ですね。以上……。
  33. 松本操

    松本説明員 ただいまの先生の御質問をまず順序を追って分けて御返答申し上げたいと思いますが、まず岩国横田、これの二つの基地におります米軍が進入管制を行っておりますこと、及び嘉手納の米軍が進入管制を行っておりますこと、いずれも基本的には一番根っこになってまいりますのは地位協定であるというふうに理解をいたしております。ただ横田岩国につきましては昭和二十七年及び三十四年に日米合同委員会の合意を得ました両国間の航空交通管制に関する合意、これが根っこになっております。それから那覇におきましては、いまおっしゃいましたように沖繩の返還に基づいて発効いたしました沖繩における航空交通合意、これが根っこになっておる、こういうことでございます。  次に安全であるかどうかという御指摘がございましたが、いずれの合意書におきましても、米軍が行います実務上の管制業務というものはICAOの基準に準拠して行うということをうたっておるわけでございます。御承知のとおり国際民間航空というものはICAO条約と呼ばれております条約に基づいて幾つかできております付属書というものがございますが、この付属書にあります技術的な基準というものが、ICAO加盟国約百三十国くらいかと思いますが、そこの航空管制及び航空保安業務のすべての基準になっております。基準は同一の基準を使っておる。したがいまして、安全上特段に支障があるというふうなことはないというふうに私ども考えておりますし、さらにまた進入管制というものは航空路管制飛行場管制との中継的なものでございますので、われわれが行っております飛行場管制の側からあるいは航空路管制の側から見ておりまして、その進入管制のやり方について問題があるというふうなことがもしございますれば、それは両管制所の方から十分な注意を喚起するというふうなことで確実に対処ができるというふうに考えておる次第でございます。  次に岩国について特に御指摘がございましたが、実は岩国はかって広島の空港につきましても進入管制を行っておったわけでございますが、広島につきましては、私どもの方で空港レーダーを設備いたしまして、これと同時に岩国空域を削りまして、広島は現在直接みずから進入管制業務を行っております。したがいまして松山につきましても、これは地形的な接近度及び滑走路の方向、これが岩国と松山とで管制技術上非常にぐあいの悪い形にはなっておりますが、いずれ松山に空港レーダーを備えつけまして直接われわれの手で進入管制ができる方法はないか、そのためにはどこにレーダーを置けばよろしいかということについて、予算もいただきましてこれからまずレーダーをどこに置いてどういうふうに空域を分離したらよろしいかという研究を始めようという段階に現在参ってきております。  それから最後の嘉手納の問題につきましては、先生おっしゃいましたように、あそこにございます三つの空港が接近し、かつ滑走路の方向が入り組んでおりますので、やはりどこか一カ所で管制をいたしませんとむしろ安全上不安がある。そこで、しかもこれをノンレーダー、つまりレーダーなしでいたしましたのでは非常に問題がございます。レーダー管制で三つの空港を統括的にやらなければならない、こういうことになりますと、実は正直申しまして私どもそういう経験が全くございません。そこでそういったような三つの空港をレーダーを使って統一的に管制する、コモンーFR方式と私ども呼んでおりますが、このコモンIFR方式というものにつきまして私どもがまず技術を開発いたしまして、必要な機材も設備をいたしまして、さらにまたこの管制のために必要な管制官あるいは機材の整備に必要な無線技術者、こういうふうなものも養成していかなければなりません。そういうふうなものが準備が終わりました時点、われわれがやれるということになりましたときには、まさに協定の文言を挙げて先生指摘なさいましたように私どもこれをテークオーバーするということをいま考えておる次第でございます。
  34. 久保三郎

    久保(三)委員 いまの最後のお話から一言申し上げますが、それじゃいまの管制部長のお話だというと、大体これを開発しなければいけませんね、そういう方式を。開発についてはどういうふうにやっているのか。それから設備、それから要員養成、そういうものの計画はおありなんですか。それとも全然おありでないのか。なかなかむずかしいお答えになりやしないかと思うのですが、いままでのお話聞くと、何かあしたあたりにできそうな話でありますが、そうではなさそうに思うのでありまして、その辺はっきりしてもらいたい。  それからもう一つは、松山については予算もついているからやるという、これはそれでいいでしょう。  しかし全体として航空管制の一元化、いまICAOの方式によってやっているから問題ない。それはICAOの統一した方式でやらなければ大変なことでありますから当然な話です。だからICAOの方式でやっているから安全だというのじゃないのです。これはそういうふうにやる以外に方法はないからやっているのですよ。安全なのはやはり一元的に運営するというのが一つだと思うのですね。一元的に一人の人が、一つの指揮命令系統に従ってこれを操作するというのが一番正しいと思うのです。だからさっき言った防衛庁レーダー、そういうものと一体になって研究したらどうだろうかと言ったら、研究しますというのはやはり一つにした方が安全であるということだと思うのですね。掌握しやすい。だからあなたがおっしゃるICAOの基準に従ってやっているから安全でありまして支障はございませんというのは、これはどうかと思うのですね。むしろ航空管制の一元化を、あなたは当然主張しなければならない立場でありますので、これは強く要望しておきます。そういう考え方は修正してもらいたい、こういうように思う。  いずれにしてもこの嘉手納、いわゆる那覇の航空進入管制については前後をやって、航空路管制飛行場管制、こっちでやっているから、間違ってくればチェックできるし連絡もできるという話ですが、そう簡単なものじゃないと私は思うのですね。だからいま言ったような用意があるのかないのか。  それから外務省、来ておりますか。——外務省は技術的なことは別としまして、技術的なことはいま部長がおっしゃるとおりでありますが、この日米合同委員会の合意というか、これはいつまで続けるつもりで大体話をまとめたのですか。
  35. 深田宏

    ○深田説明員 これは久保先生先ほども指摘のとおり沖繩返還の際の合同委員会の合意でございまして、これは暫定的な期間、それにつきましてこういう説明がございます。「日本国政府がこれら飛行場レーダー進入管制業務を行なうまで暫定的に」という表現になっております。したがいまして、先ほどから運輸当局の方で御説明いただきましたようなもろもろの準備が整いますれば、日本側が一括的にこれを引き受けるというふうに了解しておりますので、私どもの方で具体的にどのくらいの時間あるいは期間ということは考えておりません。
  36. 久保三郎

    久保(三)委員 それじゃ部長、あなたのところの準備ができ次第だと言っているのですよ。日本語で読むとそのとおりになっているのです、実際は。外務省、そのとおりとおっしゃるのだから、この準備をどこまでやるのか、いままだ何もおやりになっていないと思うのですが、どうなんです。
  37. 松本操

    松本説明員 鼻先ほどの私の御説明、非常に多くの事柄をはしょって申し上げましたので、確かにおっしゃられたようにあすからでもできるようにおとりいただいたとすると私の舌足らずでございました。運輸省といたしましては、いま事故の問題もございますし、第二次五カ年計画で全般的に保安行政の近代化ということに取り組んでおります。そのために先ほど御指摘のございましたような長距離レーダー整備を初めVOR、DME、ILSその他あらゆるものの整備をしてきているわけでございますが、残念ながらどうも予定よりは多少おくれておる、こういう状態でございます。そこでまず、これをどうしても早急に完結をいたしまして、日本の保安業務というものをまず一応のレベルまでそろえるということを何としてもやらなければならない。これは非常に大事なことではないか、こういうふうに考えております。  それと前後いたしまして、先ほど私の御説明とも関連するわけでございますが、成田の関連におきまして、成田が開港してまいりますと当然成田というものを中心にして成田、羽田の組み合わせとか成田、百里の組み合わせとかいうふうなことで、先ほどちょっと私が触れましたコモンIFRというふうなものもそう遠くない時点でこれをやらなければならない、こういうことになってまいります。ここにおいてもまた相当の技術開発と努力ということをしなければなりません。  また一方、先生確かに御指摘のとおり、米軍が暫定的にもせよこういうふうな状態にあるということは決して好ましいとは申せないかと思います。嘉手納における管制のあり方等をも十分に考慮に入れながら、一方ではこの二次計画を完成させ、さらに成田関連の関東空域の問題も早期に解決して、そこで十分な技術を開発し、そしてそれらのものの応用という形でこれらに取り組んでいきたい。それも、ただ漠然とではなく、なるべく計画的に取り組むようにしてまいりたい、このように考えております。
  38. 久保三郎

    久保(三)委員 御答弁は、漠然としてじゃなくて計画的にと言う。しかし、そうおっしゃるけれども、やはり答弁は漠然としているわけですね。これは運輸大臣にも後からお答えいただきますが、もう少し、漠然としたお答えじゃなくて、きちっとして、日本の空は日本の主権によって管制するというか、コントロールするのが当然だと思うので、早急にやってほしい。  それからもう一つは、米軍でなくて、防衛庁にというか自衛隊管制を任せている空港がありますね。たとえば千歳もそうですし、そういうものの考え方についてはどういうふうに思っていらっしゃるのか、航空局としては。  それから、時間がありませんからもう一つだけ聞きます。  もう一つは、那覇の空港からP3が撤退することになるそうであります。かねての念願どおり撤退することになりますが、撤退すればあの飛行場はもっと使いよくなると思うのでありますが、まさかかわりに自衛隊が入ってくるようなことは、もっともいま一部入っているようでありますが、何か別なものが入るというか、そういうことはないのでしょうね。その点どうなのか。  それからもう一つ最後に、これは防衛庁にお尋ねした方がいいのかね。  この間、雫石判決が出ましたが、これに対して、国として承服してその善後措置をとるのかどうか。その辺のことはどうなっておるか。以上三点お伺いします。
  39. 中村大造

    中村(大)政府委員 自衛隊が管理いたしております飛行場につきましては、その飛行場管制自衛隊に、運輸大臣防衛庁長官に委任しているわけでございます。これにつきましては、いわゆる運輸大臣の統制権というのがございます。また、自衛隊の行います管制管制官の資格等につきましては、運輸大臣がこれを試験をして資格を決める、こういうことになっておるわけでございますので、いわゆる自衛隊管理の飛行場について管制を委任しておりますけれども、実態的には管制の一元化というものは保持されておるというふうに解釈いたしておるわけでございます。  それから、P3地区でございますけれども、これは近く返還が予定されておるようでございますが、運輸省といたしましては、この跡地の利用については、いわゆる民間航空のために優先的にこれを使用したいという希望を持っておるわけでございまして、関係方面ともいろいろ折衝しておる段階でございますが、海洋博が非常に近づいておりますので、さしあたり海洋博中にどういうふうにこれを使用するかということ、それから、今後のP3地区以外の地区の返還計画との関連もございますので、それを含めての整備計画ということも総合的に考えまして、今後の点もよく協議をして決めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  40. 菅沼照夫

    菅沼政府委員 私から第三点目の雫石の問題についてお答えしたいと思いますが、雫石の事件が起こりまして以後、安全措置については防衛庁といたしましていろいろな措置を講じてまいっておりますが、ただいま御提案になっておりますように、法的な措置につきましては航空法の一部改正ということで措置をされるようになっておりまして、先ほど航空局長からもお話ございましたように、緊急対策要綱並びにそれに基づく覚書によりまして、民間航空機とわが方の訓練空域の分離というふうなこともなされてまいっておりますので、今後は十分に安全につきましては措置されるというように私ども考えております。  それから、判決の問題につきましては、これはあくまで刑事事件でございまして、隈、市川両被告が控訴をいたしておりますので、防衛庁としては、間接的には関係ございますけれども、直接的には、ただいま申し上げましたように安全措置等の面で十分な配慮をしているという状況でございます。
  41. 久保三郎

    久保(三)委員 なるほど、二人が控訴しているから一応その先の上級審になるんだろうと思うのでありますが、ただ問題は、国家賠償の問題が、判決を認めてやるのかやらぬのか。これは判決関係はありますが、一〇〇%関係あるとは私どもは思ってないのですが、これはどうなんですか。国家賠償についてはどういうふうにお考えであるのか。
  42. 菅沼照夫

    菅沼政府委員 ただいま先生が御指摘の点につきましては、民事訴訟の関係だと思いますが、雫石事件に関連いたしまして現在民事訴訟が係属中でございまして、そこで裁判所の公正な判断が出てくるというように私ども考えております。
  43. 久保三郎

    久保(三)委員 もう一点、これは航空局長にお伺いした方がいいと思うのですが、新しい年度から、騒音対策の財源として特別着陸料というのを徴収して財源にされるという説明がありました。当然これは本院で予算案が審議中にお尋ねするのが筋でございましたが、機会を得ませんので逆になりましたがお尋ねするのですが、この特別着陸料というのは、言うならば財政法の第三条にかかわる課徴金の一種じゃないかと思うのですが、課徴金の一種だとするならば、この第三条に書いてあるように、法律または国会の議決によって決めなければならぬ、こうなっているわけなのであります。これは、事飛行場における着陸料ばかりじゃなくて、今後予想されるいろいろな問題にひっかかってくると思うのですね、あるいは鉄道、あるいは道路とかそういうもの。航空だけに取っても。そういうものにかかわる騒音対策というか、公害対策というか、そういうものに対する費用の財源の見つけ方によっては関係してくると思うのですよ。これはどういうふうに考えられているのか。財政法三条によりますれば、「財政収入と国会の権限」という第三条では「租税を除く外、国が国権に基いて収納する課徴金」は「法律又は国会の議決」と、こうなるのですが、これはどんな形で取られるのか、いまも着陸料というのはありますが、これもどうなのか、ですね、どんなふうにお考えですか。
  44. 中村大造

    中村(大)政府委員 私ども、この騒音対策に要する費用の一部を確保する意味で新しい財源を考えておるわけでございますけれども、これはいわゆる空港の管理権に基づきます広い意味の空港使用料ということで、空港を利用する者、要するに航空会社でございますけれども、これから徴収する、こういう考え方に立っておるわけでございまして、したがいまして、個人から、お客から直接騒音料とかなんとかというかっこうで国が取る、こういう考え方をしてないわけでございます。いずれにいたしましても騒音の対策というものが、今後は空港を維持していく上でもこれが必要不可欠な要件になっておるわけでございます。したがって、空港の必要経費というものの中には当然そういう騒音対策費というものが入ってくるわけでございますので、その費用を空港使用料というかっこうでいわゆる第一次的な利用者である航空会社から徴収する、こういうかっこうに考えているわけでございます。これを最終的にはいわゆる利用者にどのように負担させるか、こういう問題があるわけでございますが、したがいまして、これは事の性格上どのように各利用者から取るのか、いわゆる公平の原則というものにかなうかどうかという点があるわけです。これについては今後いろいろな細かい方法論がございますので、慎重に検討して決めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  45. 久保三郎

    久保(三)委員 終わりますけれども、いまのお話で個人から取るんじゃなくて航空会社からお取りになるから、だから問題ないようなお話でしたが、法律には個人とか法人とか区別していないのでありまして、そういうことからいくというとやはりこれは課徴金の一種であろうというふうに思うんです。たとえば燃料税ですね。これは目的税として租税として取るわけですね。これは上がったものを道路改良に使うということでありまして、たとえば今度お取りになる特別着陸料も単なる使用料じゃなくて騒音対策にお使いになるということでありますから、使途は明確だと思うんです。そうなれば財政法第三条で決めていかれるのが当然ではないかと思うのですが、まあ予算案向こうへ行ってしまったから何でありますが、これは後で問題になると思うのですよ。できますればこれはそれぞれの措置をとられることが当然だというふうに思うので、一言申し上げて、時間でありますから質問を終わります。
  46. 木部佳昭

    木部委員長 金瀬俊雄君。
  47. 金瀬俊雄

    金瀬委員 大臣が時間があまりないようでございますので、最初に大臣に質問いたします。  昭和三十五年の改正以来本格的な改正が行われないまま現在に至っており、航空機の大型化及び高速化が急速に進み、かつ航空交通量の著しい増大といった最近の情勢に対応した航空安全対策を実現するためには法制上不備な点が少なくないということで、昭和四十六年航空法改正検討委員会が設置され、この提案された法案というのはこの検討委員会から生み出されたものであるというふうに言われておりますが、さよう考えてよろしゅうございますか。
  48. 木村睦男

    木村国務大臣 今回御審議を願っております航空法の一部改正につきましては、いま金瀬委員指摘のように、たまたま雫石のあの惨事が起きまして、これを契機といたしまして、長年にわたって航空法のごく一部的な改正はやっておりましたけれども、たとえば航空法の中の特に重要な航空安全という角度からの全面的な改正というふうなものはなかったわけでございます。そこで、あの事故にかんがみましてその機会にぜひとも航空法の中で、しかも安全に直接関連のある項目をあの事故の結果を検討しながら改正していこうということで改正検討委員会を設け、専門の方々の御意見も徴して現在の改正法案をまとめたものでございます。したがいまして、もう長きにわたっての航空法でございますから、そのほかの点でも実情に合わないというふうな個所も相当あると思います。ただ、われわれといたしましては、すでに三年前にこの改正法案を提案をいたしまして、当時の気持ちとしてはすぐにでも改正法として成立をさせていただいて、航空安全のために努力をしたいということでございましたけれども、残念ながら今日まで引き続いたという結果でございますので、われわれといたしましては、航空法全般の改正につきましては今後とも引き続き検討いたしてまいりますが、この際はひとつせっかく三年前につくりました安全に焦点をしぼったこの改正法案を早く成立をさせていただき、そしてこれを役立つようにさせていただいて、そうして同時に並行して今後の全面的な改正検討をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  49. 金瀬俊雄

    金瀬委員 そこで、同委員会の第一回から第九回に至る議事録を参考にしながら、改正案について質問をいたします。同委員会では航空法のほかに、航空事故調査委員会設置法案も審議の対象になっております。ところですでに成立しておるこの法案は、四十八年の十月十二日に公布になっております。これは政府提案の原案がかなり修正されております。この修正されたことについて運輸大臣はどのように考えておるか、御説明願いたいと思います。
  50. 木村睦男

    木村国務大臣 四十八年に成立をさせていただきました事故調査委員会の設置法でございますが、当時やはりこれも雫石事故等にかんがみまして、この事故調査委員会の設置法を提案をさしていただいたわけでございますが、草々の問でもございましたし、提案者の政府側におきましても十分検討をし尽くし得なかった面もあろうかと思いながら、しかし早くやらなければいけないということで提案をいたしたのでございますが、幸いに委員会におきまして金瀬委員初め皆さん、非常に専門的な立場でいろんないい御意見のもとにいろいろな点の修正をしていただいております。大変われわれとしては感謝をいたしておるところでございまして、このような有意義な修正でございましたので、今後の航空事故調査に非常に寄与するところが大きい、かように確信をいたしておる次第でございます。
  51. 金瀬俊雄

    金瀬委員 大臣にもう一つ。同委員会では航空法のみならず、航空法制全般を全面的に再検討する必要があるということで意見が出されておったわけですが、この件についてはその後どういうふうに再検討しているか、お答え願いたいと思います。
  52. 木村睦男

    木村国務大臣 そういう御意見が出ておることも承知をいたしておりますが、先ほど御答弁の中で申し上げましたように、当時といたしましては航空の安全ということに焦点をしぼっての今回の改正法案、まずこれを通過をさして、しかる後に全面的な改正をやろうという段取りで実はおったわけでございますが、この改正法案の方が実は三年もたったものですから、といっていま今日の段階でそれじゃこの改正案を引っ込めて全面的な改正案ができ上がるまで待つかということになりますと、かえって当面の航空の安全の問題を処理するのには妥当でないということで、この改正案は三年越しになりますが、一刻も早く成立をさせていただいて、同時に全面的な改正につきましては今後十分に検討をし、早い機会に成案を見たい、こういう計画でおるわけでございます。
  53. 金瀬俊雄

    金瀬委員 それでは大臣結構でございます。  航空局長に質問いたしますが、改正案では主として航空管制及び操縦者についての規定が対象にされていますが、航空安全確保については全般的な観点に立って、全体的なバランスの上で法改正というのを行わなければならないと思いますが、そういう点についてはどうですかな。
  54. 中村大造

    中村(大)政府委員 確かに法全体のバランスということが必要であることは先生指摘のとおりでございます。今回の改正点につきましては、その改正個所が法全体との関係でどのようなバランスを保ち得るかという点については、当然でき得る限りの考察をいたしまして、このような案をまとめた、こういうふうに存じております。
  55. 金瀬俊雄

    金瀬委員 航空法の安全面の問題については防衛庁の空幕で出した飛行安全監察関連報告というものがあるわけですが、その中で航空法の矛盾について述べた部分が参考になるということを、その委員会の席上で井上委員指摘していますが、この資料はいただけますか。
  56. 友藤一隆

    友藤説明員 ただいまお尋ねの文書につきましては、四十八年の暮れに廃棄処分にいたしておりますので御要望にはちょっと沿いかねると思います。
  57. 金瀬俊雄

    金瀬委員 廃棄処分にしていると言うが、ここにある。
  58. 友藤一隆

    友藤説明員 概要程度のものは残っておろうかと思いますが、正文は廃棄になっております。
  59. 金瀬俊雄

    金瀬委員 これは当時の議事録で一回から九回までこうしたものがあるのですよ。検討して運輸省にも方々に配られておる。ちょっと来て見てください。
  60. 友藤一隆

    友藤説明員 文書そのものはただいま申し上げたとおり廃棄になっております。概要程度のものは参考のためにいま残っておりますが、正式の文書としてはちょっと御提出は無理かと思います。
  61. 金瀬俊雄

    金瀬委員 丹羽喬四郎さんが運輸大臣のときに航空局長がそういう資料を持っておるということで説明しているのですよ、その会議に出て。ですからそれがないわけはないし、現に私のところにこうして来ているところを見ると——何かこれ秘密書類ですか。
  62. 友藤一隆

    友藤説明員 特定監察報告書は外部には公表しないのがたてまえになっておりまして、本件は実は提出されましたのが事故直後でございまして、その事故が起きました後、防衛庁といたしましては全く観点を新たにいたしまして、政府で作成されました航空交通安全緊急対策要綱というようなものにものっとりまして、あるいはまた部内で根本的に総見直しをやるということで総点検を実施して諸般の対策を関係各省とも連携をとりながら実施をいたしておりまして、今般の航空法改正でございますとか、訓練空域の分離でございますとか、あるいは航空局との覚書でございますとか、こういったものをその後逐次実施をいたしておりまして、大体その内容にほとんど取り込まれておるということで、その意義が大半失われたということで廃棄になったと私どもは聞いております。
  63. 金瀬俊雄

    金瀬委員 これは廃棄処分にしたかどうか後で一度捜してみてください。
  64. 友藤一隆

    友藤説明員 一度捜してみます。
  65. 金瀬俊雄

    金瀬委員 航空局長に質問いたします。  管制区とか管制圏などという空域における管制能力、たとえば単位時間の飛行機の処理能力について客観的にどういう基準を設けているか、特に安全確保の面からどういうことになっているか、それを説明願いたいと思います。
  66. 松本操

    松本説明員 大変申しわけないのですが、先生のただいまの御質問に直接的にお答えするような基準というものは実は私ども持ち合わせていないわけでございます。と申しますのは、たとえば管制区ということをとりますと非常に大きな広がりを持った空域でございますので、その中で一体何機扱えるのかということになりますと、実は非常に見つけにくい。そこでおっしゃいました安全の確保のためにどのような手段をとっておるかという方から御説明申し上げますと、管制のための安全間隔というものを設定いたしまして、そしてたとえばレーダーを使わないで管制をする場合、前後の間隔は十分または十五分置かねばいけないとか、あるいはそれが海の上を飛ぶときには二十分だ、レーダーのときは五マイルあればよろしい、こういうふうな基準をつくっております。そういう基準に当てはまる範囲内において措置をする。その基準でさばき切れなくなった場合には飛行機を飛ばすわけにまいりませんので、別途の方法で便数制限をするなりあるいは流れを制御する。フローコントロールと申しておりますが、そういう形で航空交通の流れを制限するというような手段を使っております。
  67. 金瀬俊雄

    金瀬委員 たとえば一時間にどのくらい飛行機を飛ばす能力があるかとか、一日にどのくらい飛行機を飛ばせるかという基準が何かあるはずですよ。それで羽田空域においてはいま一日に何機飛んでいますか。
  68. 松本操

    松本説明員 羽田空港におきましては羽田空港の処理能力というものを定めてございまして、一時間当たりが三十四機でございます。それから一時間だけで押さえますと非常にピークが出てまいりますので、連続三時間当たりの機数を八十六機。それからさらに集中率というものを考慮いたします。これが一応、ポアッソン分布による理論的な裏づけと実験的な調査の両方から一日当たりは四百六十機、こういうのが羽田空港における便数の制限値でございます。
  69. 金瀬俊雄

    金瀬委員 これは管制能力から来ると思いますが、飛行機の高さは頭へ入れておかなければならないわけですね。飛行機というのは映像に映るのは平面的なものでしょう。そうすると人間の頭には限度があるから、高さというのを入れておかなければならないわけですね。ですからそういうことになりますと、自然と能力、基準というのがあるはずなんですよ。たとえば一日にどのくらいかということになると、それは滑走路の能力を基準にするか、空が広いから空へ揚げておけば幾らでもいいかということになると思いますが、そういう基準が必要なんじゃないかと思うのですが、その基準というのはどういうことになっておるかということです。
  70. 松本操

    松本説明員 金瀬先生最初におっしゃいました飛行機の高度というものを管制官が記憶していないと管制ができない、これが現在のマニュアルの方法及び普通のレーダー方法でございます。したがって、これは運航表というものにメモを書きまして、それによって措置をしておりますが、それでもやはりおのずから記憶の限度というものがございますので、現在羽田と大阪におきましてはレーダーのデータをコンピューターに入れまして、そしてレーダーの上に飛行機の高さを教字で荷札のようにつけてしまう、こういうふうな形のレーダーを入れることにいたしまして、現在設備を終わって試験に入った段階でございます。したがいまして、先生指摘の、飛行機の高さを逐一記憶に頼らねばならないという点は大幅に改善されるわけでございますが、それとは別に、確かにそういった限度がございますので、先ほど申し上げましたように、羽田におきましては一日四百六十機というふうに押えておるわけでございます。これはどちらかと申しますと、滑走路の能力で現在の羽田は制限をされております。
  71. 金瀬俊雄

    金瀬委員 エンジンの騒音の発生源を規制することに今度の法案はなっていますが、この法に適合しないものは改造するということになっています。運輸大臣が認定した型式の航空機ということになっていますが、現用の航空機では運輸大臣の認定した航空機というのに何が該当するか、ひとつ説明願いたいと思います。
  72. 中曽敬

    ○中曽政府委員 ただいま日本に入っている飛行機を例にとりまして御説明を申し上げたいと思いますが、先生の御指摘の点は、いわゆる第二十条の三の第一項第一号の認定に当たる飛行機であろうかと思いますが、これに該当いたします飛行機といたしましては、現在ダグラスDC8それからボーイング707、それからイギリス製の飛行機でございますが、BACのスーパーVC10というのがございます。それからソ連製の飛行機でイリューシン62、こういった飛行機が一応改造することが困難であるという認定を予定している飛行機でございます。
  73. 金瀬俊雄

    金瀬委員 現用機で騒音基準に適合しないものが改善が困難であるということであっても、可能な限り改善する必要があると思うのですよ。それはどういうふうになっていますか。
  74. 中曽敬

    ○中曽政府委員 先生の御指摘のように、現在は基準に合致しないけれども、改造の結果適合するようになる可能性のある飛行機につきましてはそのような認定はいたしませんで、改造するための若干の期間というものを置かなければなりませんけれども、そういう期間を置いた後には今度の騒音証明制度を適用する、こういうことになろうかと思います。こういった部類の飛行機といたしましては、現在日本に来ております飛行機あるいは日本の国内でエアラインが飛ばしておる飛行機といたしましては、ボーイングの737、それからボーイングの727、それからいわゆるジャンボですが、ボーイングの747と称します機種の初期の段階に日本に入ってまいりました飛行機、このような飛行機はただいま申しましたように今度この法案が通りました際に、われわれが予定いたしております、これはICAOの基準でございますけれども、ICAOの基準と同等の基準を設定した場合には、その時点ではこの基準に合致いたしませんけれども、改造ができます。改造することによって、何がしかの期間を置いて基準に合致させることができる、こういうことになっております。
  75. 金瀬俊雄

    金瀬委員 コンコルドは、騒音はどう考えていますか。
  76. 中曽敬

    ○中曽政府委員 コンコルドは、いわゆるSSTと称しますところの超音速の飛行機の一種でございますが、このSSTの騒音基準につきましてはICAOの場におきましていろいろ論議がなされております。いろいろ論議の結果、現在の時点におきましてはICAOとしての基準は設定されていないのでございます。そこで、今度この法律が成立いたしました暁には基準をつくらなければいかぬわけでございますけれども、その基準をどうするかという問題があるわけでございます。一応われわれの考え方といたしましては、われわれの基準はICAO基準に準拠してつくるという方針になっておるわけでございますけれども、ただ私どもの方の法律と、ICAOが現在システムとしていろいろと論議してまいっております内容とは若干違う点がありますのは、われわれの方の予定しております基準は、たとえばでございますが、あらゆるジェット機について適用していこう、こういう考え方でございます。それに対しましてICAOの方は当面亜音速のジェット機については全面的にこの基準を適用していくけれども、超音速のジェット機については基準を適用していかないというふうな考え方、つまり逆に申しますと、私どもの方が、日本の方の基準が一歩進んだ考え方であるということになっておるわけでございまして、したがいましてこの辺の問題をどのようにしていくかということは、SSTを日本に飛ばしてくるかどうかという問題、いわばもう少し別途な面から考慮しなければならない問題とからみ合いまして、いろいろ今後検討を要する問題であろうかと思うわけでございます。
  77. 金瀬俊雄

    金瀬委員 アメリカではコンコルドが飛んでくることを認めたわけですね。アメリカでは認めましたな。そうなってくると、日本航空がコンコルドを予約しておりますね。予約注文しておる。そうすると、将来成田へこれが飛んでくるということが予定されるわけですが、そう考えてもよろしゆうございますか。
  78. 中村大造

    中村(大)政府委員 これは一応予約いたしておりますけれども、今後どうするかということはまだペンデイングでございまして、したがいまして、将来コンコルドがわが国に飛んでくることになるか、あるいは日航がこれを使用することになるかということは、すべてこれは将来、今後の問題でございます。われわれといたしましては、このコンコルドの問題はやはり諸般の状況というものを勘案いたしまして慎重に対処しなければならない、こういうふうに考えております。
  79. 金瀬俊雄

    金瀬委員 そうなってきますと、コンコルドは成田へ来ないと考えてよろしゅうございますか。
  80. 中村大造

    中村(大)政府委員 先ほど申し上げましたように諸般の事情をよく勘案いたしまして、これは慎重に検討をしなければならない問題であるというふうに考えております。したがいまして、いまだどうこうということを決定はいたしておりません。
  81. 金瀬俊雄

    金瀬委員 これは日航はすでに予約をしていますね。それからアメリカではこれを許可しているということになると、コンコルドが日本の国へ飛んでくるとすれば、この法律はまた改正しなければならないということになるわけですね。そう考えてよろしゅうございますか。
  82. 中村大造

    中村(大)政府委員 どのような事態にもこの法律は対処し得るようになっております。
  83. 金瀬俊雄

    金瀬委員 そうなってくると、コンコルドは騒音基準に合うということですか。この騒音、大丈夫だということですか。
  84. 中村大造

    中村(大)政府委員 この騒音のいわゆる基準を今後、省令でもって決めることになるわけでございます。現在ICAOで適用いたしておりますものについてはICAOの基準をそのまま適用いたしておるわけでございます。コンコルドについては、ICAOにおいては現在のところまだ適用いたしておりません。したがって、これの騒音基準というものがまだ設定されてない、こういう状況でございます。
  85. 金瀬俊雄

    金瀬委員 だからICAOで、これは騒音基準に合ってないものですよ。ですから、それを日本へ将来飛ばしてくる、飛んでくることを許可する気持ちがあるかどうかということです。
  86. 中村大造

    中村(大)政府委員 SSTについてはICAOにおいて適用を除外いたしておるわけでございます。したがって、SSTについての騒音基準というものが設定されていないということでございます。
  87. 金瀬俊雄

    金瀬委員 いや、いま設定されてないのでしょう。だから、いまのうちは成田へ飛ばしてくるということは考えられないというふうに受け取ってよろしゅうございますか。成田が将来開港した場合にSSTを持ってくる、コンコルドを持ってくるということは考えられないというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
  88. 中村大造

    中村(大)政府委員 この改正法案が成立いたしました後におきまして、この騒音基準というものを運輸省令で決めるわけでございます。その後におきまして、このSSTというものについて、わが国の法律の中で騒音基準を設定するかどうか、決めるか決めないかということも含めまして、今後慎重に検討いたしたい、こういうふうに考えております。
  89. 金瀬俊雄

    金瀬委員 それでは、この問題については将来の課題として受け取っておきます。  その次に、計器航法による飛行というのと計器飛行というのとはどういうふうに違いますか。
  90. 中曽敬

    ○中曽政府委員 御指摘の点でございますが、まず計器飛行は第二条の十四項というところに書いてございます。「この法律において「計器飛行」とは、航空機の姿勢、高度、位置及び針路の測定を計器にのみ依存して行なう飛行をいう。」つまり、四つの要素がございます。航空機の姿勢でございます。それから高度。それから位置、現在どこにいるかという位置。それから針路でございますね、北々東あるいは西南西というような針路。そういったものの測定を飛行機に乗っけてございます計器オンリーに頼りまして行う飛行をいうというようなことでございます。  それに対しまして計器航法による飛行と申しますのは、三十四条の一項の二号に書いてございますように、先ほど申しました計器飛行以外の航空機の位置と針路と、この二つの要素の測定を計器にのみ依存して行う飛行ということでございまして、運輸省令で定めますところの距離または時間を超えて行うものというふうな定義書きがしてあるわけでございます。
  91. 金瀬俊雄

    金瀬委員 航空機操縦練習については、操縦教員は必ず練習者の乗る航空機に同乗するという前提で操縦練習についての各種の規定が定められているかどうかという問題についてお答え願いたいと思います。
  92. 中曽敬

    ○中曽政府委員 結論から申し上げますと、航空機操縦練習につきましては、教官が必ず同乗してやらなければならないんだということではなくて、いわゆる監督と称しまして、もちろん監督の中には同乗も含みます。同乗も含みますが、同乗しない状態で地上におりまして、いわゆる事前操縦練習生に対しまして種々必要な注意事項を与えまして、そうして、こういうふうにやれ、ああいうふうにやれというふうな指示を与えまして、先生の、教官の監督のもとにやる、そういうふうなやり方もあるわけでございます。そういうふうなやり方につきましても、この航空法の中には事細かく定めがございまして、適用されておるわけでございます。
  93. 金瀬俊雄

    金瀬委員 改正案の第七十一条の二で操縦者の見張り義務について規定しておりますが、編隊飛行をしている場合に見張り義務についてはどのように考えていますか。編隊飛行の場合に、だれが見張り義務の最高責任者か。
  94. 中曽敬

    ○中曽政府委員 編隊飛行の場合に、いわゆる完熟いたしました、何と申しますか編隊長機、並びにその編隊長機の隷下に入りますところの編隊機、そういったいわゆる完熟された技術のもとに行う編隊飛行と、それからもう一つは、この間の雫石事故のように、編隊長はいわば完熟した操縦者であるけれども、編隊の練習生の方はそれほどでもないというふうな状態、いろいろの状態があるかと思います。しかしながら一般的に見張り義務というのは、それぞれの航空操縦者が見張りはやらなければならない、ただその場合に編隊長機、特にその編隊練習の際における編隊長機と申しますか、そういった航空機操縦者は全体の編隊のあり姿というものを十分見つつやっていかなければいかぬということは当然のことであろうかと思います。しかしながら、そういった練習生といえども、あるいは編隊長の隷下に属しますそれぞれの編隊機といえども見張りをやらなくてもいいのだということでは決してない、これはそれぞれのケースに応じましてそれぞれ見張りはしていかなければならないというふうに理解しておるわけでございます。
  95. 金瀬俊雄

    金瀬委員 改正案七十一条の二の義務違反についての罰則ないし処分についてはどのように考えておるか、これは事故が起きたときだけの処分なのか、そのことについてお答え願いたい。
  96. 中村大造

    中村(大)政府委員 七十一条の二の見張り義務に対しましては、罰則を設けていないわけでございます。したがいまして、いわば非常にモラル的な規定になっておる、こういうことでございます。見張りを怠って、その結果事故を起こしたという場合のいわゆる責任関係ということになりますと、これは刑法ないし航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律というのがございますけれども、これの適用を受けると、こういうことに相なろうかと思います。
  97. 金瀬俊雄

    金瀬委員 そうしますと、見張り事故を起こさなければ義務を怠っても処分されないということですね。見張り義務は怠っておっても事故を起こさなければ処分をされないと、そう考えてよろしゅうございますか。
  98. 中村大造

    中村(大)政府委員 この見張り義務そのものについてのいわゆる刑事罰の適用はないと、こういうことでございます。
  99. 金瀬俊雄

    金瀬委員 それはまた後の課題として残しておきまして、その次に改正案第七十五条で、機長の最後に退去すべき義務規定を取り去ってしまってありますが、この理由はどういう理由ですか。機長が最後に退去するという理由。
  100. 中曽敬

    ○中曽政府委員 これは数年前に「かりふおるにあ丸」という船が野島崎沖で沈没いたしました。このときに非常に社会的な問題になったのが、船員法第十二条の規定に、やはりもとの七十五条と同じように、船長がすべての仕事を終わりまして、そして最終的に船をおりますときには、船長のほかにはだれもいてはならぬ、と言いますと言い方は悪いのですけれども、要するに最後退船義務というのが船員法の規定にあるわけでございます。これはそれと同じような規定でございますが、そういったことがございまして、船員法の改正が昭和四十五年の五月になされております。それに合わせまして、航空法の方もこのような改正をやろうということになったのかと判断しております。
  101. 金瀬俊雄

    金瀬委員 これは機長が飛行中、最高の責任者でない、権限者でないというふうに考えてもよろしゅうございますか。
  102. 中曽敬

    ○中曽政府委員 機長は航空機の運航中の最高責任者でございます。したがいまして、当然ながら航空機が危難にぶつかった場合には、必要な措置を講じまして、そして乗っている乗客の安全を確保してやらなければならないということは当然のことでございます。したがいまして、そういった意味合いでは、航空機における最高責任者であるというふうな言い方はできるかと思います。
  103. 金瀬俊雄

    金瀬委員 そうすると、さっき質問しました機長は最後に退去すべき義務規定を、今度は受けないわけだね。それとどういう関係にありますかな。機長は最後まで責任を持たなくてもいいということになっているのですか。
  104. 中曽敬

    ○中曽政府委員 最後退去義務は、確かに外されたわけでございますけれども、七十五条に書いてございます、前の方の条文がございます。「機長は、航空機の航行中、その航空機に急迫した危難が生じた場合には、旅客の救助及び地上又は水上の人又は物件に対する危難の防止に必要な手段を尽くさなければならない。」ということで、依然としてこういった何といいますか、人命の安全の確保義務と申しますか、そういったことにつきましては、依然として責任があるということでございます。
  105. 金瀬俊雄

    金瀬委員 最後に、改正案第八十二条の二項などについて、第四回航空法改正検討委員会で、飛行機の便数の規制管制能力の限界から便数の規制が必要であるとの指摘がされておるわけですね。だから現実はどの程度に便数の規制というのが行われているかということです。たとえば羽田はこのくらい。それから大阪空港はこのくらい、板付はこのくらいという規制があるわけですね。それは行われていますか。それはどのくらいにするか。
  106. 松本操

    松本説明員 IFRで飛びます場合には当然管制を受けますので、したがって、IFR機が非常にふえました場合には、管制官のワークロードというものがふえてまいります。しかし、これに対処する方法といたしまして、先ほども申し上げましたようにレーダーをコンピューターで処理する方法とか、あるいは管制部におきましてはセクターをふやし、管制官の数をふやして、一人当たりの管制官のロードをふやさないでおくとかいう、種々の方法がございます。したがいまして、将来の見通しとして、計器飛行がどの程度まで日本の国の空の中で飛び得るかということになりますと、現在のところ私ども明確な見通しを持っていないわけでございますが、当面の問題といたしましては、施設の近代化と、必要によって設備、人員をふやしていくということによって、当面の計器飛行のフライトに対しては対処していくというふうに考えておるわけでございます。
  107. 金瀬俊雄

    金瀬委員 いま東京空域というのがありますね。関東でもいいですよ。そこで一日に飛ばすことのできる飛行機というのは何機ぐらいなのか。下の方の滑走路とか何かの工合を見て、滑走路の広さとかいろいろのものを計算してみて、常時飛行機が何機ぐらい関東の上空を飛べるか、それはわかりますか。
  108. 松本操

    松本説明員 非常にむずかしい御質問で、大変申しわけないのですが、現在関東空域でどれだけの飛行機が飛べるかという計算は、正直、やったことございません。なぜやったことがないかと申しますと、先ほどお答えいたしましたように、羽田で四百六十機、そのほかに百里の基地とか、下総の基地とか、横田とかちょぼちょぼとした数字がございます。これを全部足しましても恐らく七百機とかそこら辺の数字だろうと思う。これをさばきますのに、東京管制部と羽田の管制所と二カ所で分けてさばいております。したがって、全体的に一体どこまでこなせるのかということになりますと、まだまだ、いまいろいろな施設をつくっております。むしろ容量的にはゆとりがあるのではないか。いまのままではいずれいっぱいになるかもしれません。将来施設を増備していくことによって、容量的にはゆとりがあるのではないかというふうに考えられますものですから、さしあたって当面何機で関東の空がいっぱいになるかというふうなことまでは実は計算する段階に至っておりません。
  109. 金瀬俊雄

    金瀬委員 許容限度というのがあると思うのですよ。どのくらい飛ばすことができるのか。将来成田空港のこともありますので、東京上空あるいは関東上空、自衛隊飛行機あるいは米軍飛行機、そういうものを含めまして、どのくらい飛ばせる容量があるのか、能力があるのかということを十分検討していただきたい。  さように最後に要望して、質問を打ち切ります。
  110. 木部佳昭

    木部委員長 本会議終了後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時十七分休憩      ————◇—————     午後一時十九分開議
  111. 木部佳昭

    木部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。三浦久君。
  112. 三浦久

    ○三浦委員 空法の一部を改正する法律案について質疑をいたしたいと思います。  まず最初に、私は昭和四十九年二月十二日の十二時三十四分ごろに岩国の西方約二十マイルの上空で東亜国内航空の七百五十三便、これと岩国基地に帰投中の在日米軍戦闘機二機編隊とがニアミスを起こしたという事件についてお尋ねをしたいわけですが、これはその後、大変不可解な処理の仕方がなされているわけであります。  四十九年の三月二十八日に交通安全対策特別委員会でもってこの問題が論議されまして、平田議員の方からの質問で、運輸省の方は「この飛行機は緊急状態を通報しておって、岩国に入ってきた。そしてその内容としましては、操縦系統の故障であったという特別な事情がございます。」こういうふうに発言されておられるわけですね。  ところが、七月に航空局が処理した内容を見てみますと、これは一方的に米軍が悪い、そういう形で処理されているわけです。この辺で何とも釈然としないものがあるわけなんですが、まずこの飛行機は緊急状態を通報しておった、こういうふうに答弁されていますが、果たして本当に緊急状態を通報しておったのかどうか、これをお尋ねしたいと思います。
  113. 中村大造

    中村(大)政府委員 先生指摘のように、この米軍スカイホークは福岡の管制部に対して緊急事態を宣言いたしまして、岩国飛行場へ直線進入のためのレーダー誘導の要求をいたしてきました。
  114. 三浦久

    ○三浦委員 そしてその後調べたら、その飛行機操縦系統の故障であったということが判明したというのですが、どういう故障だったのでしょうか、その内容についてお答えをいただきたいと思います。
  115. 松本操

    松本説明員 詳細については、私いま手元に資料を持ってはおりませんが、私の記憶によりますれば、フライト・ディフィカルティー、つまり操縦困難であったというレポートをアメリカのセイフティー・オフィサーの方から受け取ったように記憶しております。
  116. 三浦久

    ○三浦委員 そういう操縦が非常に困難であるという通報を受けた場合に、日本航空交通管制部としてはどういう措置をとらなければならないのですか。
  117. 松本操

    松本説明員 当時この航空機から緊急事態を宣言する、岩国のタカンに真っすぐに行きたい、こういう要請がございました。そこでこれを受けましたのは福岡の管制部でございます。したがって、福岡管制部といたしましては岩国管制所に対して——これは米軍管制所でございますが、岩国管制所に対してこの航空機が緊急状態にあるということを言っておるので、真っすぐ岩国タカンに行きたいど言っておる、それを許可する、こういう措置をとっております。
  118. 三浦久

    ○三浦委員 そうしますと、これは航空路はグリーン4ですね、東亜国内航空が通過しておったのは。そういう飛行機に対して、こういう緊急状態飛行機がおるのでということで交通を制限するというような措置はとらないのですか。
  119. 松本操

    松本説明員 先生御承知かと思いますが、岩国空域というものはグリーン4の部分を除いてございます。非常に複雑な形をいたしておりますが、グリーン4は福岡ACCが直接管轄する空域ということで、岩国進入空域の中から除いてございますので、わが方は岩国管制所が持っておる空域の中で処理すべきである、こういう考え方をとっております関係上、グリーン4については特段の措置というものはいたしておりません。
  120. 三浦久

    ○三浦委員 しかし、この東亜国内航空がグリーン4をずっと進行してきておるわけでしょう。そうすれば、それを突っ切って飛行機が通っていくということであれば、そういうことが予想されれば、その飛行機についての交通制限をするということは当然なことじゃないのですか。それで私は非常に不思議に思うのは、そうすると、これは二機編隊だというんですが、二機とも同じような故障を同時に起こしたんですか。
  121. 松本操

    松本説明員 当時二機編隊で飛んでおりましたが、緊急状態を通報してまいったのは一機であるというふうに承知しております。
  122. 三浦久

    ○三浦委員 そうすると、ニアミスを起こしたのは何機ですか。
  123. 松本操

    松本説明員 その緊急状態の通報をしてまいりました一機とグリーン4を通過しておりました七五三便との間でございます。
  124. 三浦久

    ○三浦委員 それは間違いないですね。二機が同時に岩国基地に着陸しているということはないんですか。
  125. 松本操

    松本説明員 岩国基地にどのような着陸をしたかについては調査しておりませんが、私どもといたしましては、緊急状態を福岡管制部に通報してまいりましたその飛行機と、それから東亜国内七五三便との間において問題が生じたという点をとらえて調査をしたわけでございます。
  126. 三浦久

    ○三浦委員 それじゃ、それはわからないじゃないですか。もう一機の方が、緊急状態を通報しなかった飛行機岩国にどういうふうに飛んでいったかわからない、いつ岩国基地に着いたかわからないというのであれば、一機だけがニアミスを起こしたのか、二機がニアミスを起こしたのかということはわからないじゃないですか、どうなんですか。
  127. 松本操

    松本説明員 当時の七五三便の機長からの報告によりますと「岩国を通過後前方を米軍機と思われる飛行機が二機通過した、横切って通過した。」こういう報告を受けております。
  128. 三浦久

    ○三浦委員 そうすると、それは本来であれば横切っちゃいけない空域なんでしょう、ジェット、米軍機にとっては。それはどうなんですか。
  129. 松本操

    松本説明員 そのとおりでございます。
  130. 三浦久

    ○三浦委員 そうしたら、二機がニアミスを起こしたということじゃないですか。あなた、緊急状態を通報した一機だけだと、こう言うけれども、二機と東亜国内航空飛行機とがニアミスを起こしたということじゃないんですか。
  131. 松本操

    松本説明員 機長からの報告によりますと「二機発見した」ということになっておりますが、最も接近した状態において、つまり東亜国内の機長の方から「ニアミスではなかったか」という報告をさせるに至った原因となりましたのは一機であった。その一機が、ただいま先生おっしゃいましたように、本来入るべからざる空域に間違って入ってきてしまった、こういうことであると思います。
  132. 三浦久

    ○三浦委員 しかし、それは二機とも本来入ってはいけない空域に入ってきたんじゃないですか。編隊を組んで一緒に通っていったのでしょう。そうじゃないんですか。それは飛行機は別々だから同じ位置にいるということはそれはできないですね。しかし少なくとも編隊飛行のまま国内航空飛行機の前を通過していったというのは間違いない事実なんじゃないですか。それとも編隊は崩しておったんですか。
  133. 松本操

    松本説明員 私がいま手元に持っております調査資料では、七五三便の機長からの報告によりますと「前方より接近してくるのを発見した」、こういうふうになっておりますが、調査の結果によりますと、そのうちの一機が識別不能の定期航空便を、逆に向こうでも認めておる。そこでその二機の、つまり東亜国内機と問題を起こしました一機の相互関係というものがここで正確につかめたわけでございますが、先生指摘になっております、編隊を組んでおりましたいま一機がどのような行動をとっておったかという点につきましては、緊急発信をしてまいりましたのは、編隊の状態で緊急状態であるということを通報してまいってきておりますが、調査によれば、そのうちの一機がそういう事態にあったということでございますので、他の一機については、つまりニアミスの直接的な原因にならなかったというふうなこともございまして、詳細な追跡調査がなされておりません。したがいまして、二機がどういう相関関係で通っていったのかという点については、いまの時点では必ずしも明確でないということでございます。
  134. 三浦久

    ○三浦委員 それを調べてもらわなければ困るでしょう。たとえば、二機が両方とも操縦困難になったという状態であれば、両方ともニアミスを起こしてもやむを得なかったということは言えるかもしれない。しかし、一機だけが緊急状態であったというのであれば、それじゃもう一機は航空管制に従って運航しておったのですか。どうなんですか。一機は緊急状態飛行機で、一機はちゃんと航空管制を受けて運航しておったのですか。どうなんですか。
  135. 松本操

    松本説明員 問題の七五三便と接近をした状態に陥りました航空機は、管制機関に適切な通報をしないで、指示された経路を逸脱した、それがグリーン4の中に迷い込んできてしまった原因である、こういうふうにわれわれは考えております。
  136. 三浦久

    ○三浦委員 もう一機はどこへ行ったのですか。そのときもう一機は航空管制に従って運航されておったのですか。計器飛行しているんだろう、これは。
  137. 松本操

    松本説明員 多少の推測が入る点をお許しいただければ、この二機は編隊飛行をしておったというふうに七五三便の機長は認めておりますから、一機が緊急状態にあり、他の一機はエスコートと申しますか、監視するといいますか、付き添っていたと申しますか、そういう状態にあったのではないかと思います。
  138. 三浦久

    ○三浦委員 その推測を交えてということなんですが、そういうことをはっきり調べてもらわないと困るわけですね。かなりの乗客が乗っておつて、一瞬の差でもつて大変な惨事になるようなニアミスでしょう。その原因を徹底的に調べてほしいと私は思うのですよ。  それで、航空局が四十九年七月十五日に出した、ニアミスについての調査結果についてというものがありますが、資料としていただいておりますけれども、これでは、「本件は米軍戦闘機が指示された経路を逸脱し、それを管制機関に通報しなかったために起ったものである。」こういうふうに書いてあるわけですね。すると、緊急状態にあれば、指示された経路を逸脱するのはあたりまえじゃないですか。そうすれば、当然そういうことを予想して一定の区間に他の航空機が進入しないような交通制限をする、そういうことになっているんじゃないですか。そういう交通制限はされたんですか。されていないんでしょう。
  139. 松本操

    松本説明員 原因は、まさにいま先生がおっしゃいましたとおり、米軍機航空管制の指示に適切に従っていなかったためでございます。いなかったということが米軍機の側において起こった、したがって、米軍機がこの問題の原因になっておる。しからば、どういう状態に本来はあるべきであったかと申しますと、岩国空域として岩国管制機関にあらかじめその空域の中で航空機を処置するように与えてあります空域の中を通す、ここを通して岩国のタカンに持っていくという方法岩国管制官の方は航空指示をした、管制指示をした、おそらくこういう趣旨であったろうかと思います。しかるに、この航空機がそのとおりに飛んでいなかった、こういうことでございます。
  140. 三浦久

    ○三浦委員 それは、管制のとおり飛んでいなかったというのは、緊急状態操縦が困難なんだから、やむを得ないじゃないですか。そういう緊急状態のときには、ちゃんとあなたたちの管制方式基準というのがあって、とるべき措置というのは決められているんじゃないですか、どうですか。
  141. 松本操

    松本説明員 このような場合でありましても、管制機関はその機と、直接最終的なコンタクトをとりましたのは岩国管制機関でございますから、岩国管制機関が機長とコンタクトをとりまして、かつ、当然、当時岩国レーダーを持っておりましたので、レーダーによってこれを引っ張るということができたはずでございます。しかるに、たまたまこの事故のときには岩国レーダーが故障で動いていなかった。そのために、レーダーを用いませんままの方式で、単なる無線の通告によってこの問題の航空機を誘導しようとした。その結果パイロット側と管制官側との間に意思の疎通を欠いてこのような事態が起こった、こういうふうに私どもは理解しています。
  142. 三浦久

    ○三浦委員 そうすると、こういう緊急状態が通報されたときに、福岡の航空交通管制部というのは何の措置もとらなくてもいいということなんですか。どうなんですか。
  143. 松本操

    松本説明員 福岡航空交通管制部の空域の中で処置をしなければならない航空交通につきましては、当然先生がおっしゃいますように福岡でやるわけでございます。しかし、この飛行機岩国の進入管制空域に申し送ったわけでございますから、岩国がその与えられた進入管制空域の中で最も適切な措置をとる、こういうふうにあってしかるべきだと思います。
  144. 三浦久

    ○三浦委員 それはでたらめじゃないですか。操縦が困難なんだから、どこへ行くかわからないんですよ。そうでしょう。あなたは通常の場合を想定して言っているんで、操縦が困難なんだから、どこへ行っちゃうかわからないんだから、緊急状態飛行機なんだから、そうすれば、それに対してしかるべき措置をとらなければいけないのですよ。ちゃんとここに管制方式にも書いてあります、読み上げませんけれども。私は、これを言いたいのは、もしかあなたたちのような言い分であれば、責任は福岡の航空交通管制部にあることになってしまうんですよ。何の措置もとっていないんだから、それでニアミスが起きているんだから。しかし、二機が同時に故障するというのもおかしいし、結局、緊急状態だということを通報して、そして、そこのけそこのけでもって米軍機岩国基地に帰投したんだとわれわれは考えているんですが、だから、あなたたちが「本件は米軍戦闘機が指示された経路を逸脱し、それを管制機関に通報しなかったために起ったものである。」と言って、その責任米軍のパイロットにあるんだということをはっきりここで報告しているわけです。そして「同種事例の再発防止のため在日米軍は次の措置をとった。」とこうなっていて、「当該操縦士に本件の重大性について警告した。」とか、そういうことが三つばかり書かれてあるわけでしょう。そうすれば、これはパイロットが悪いということじゃないですか。そうすれば、これは緊急状態という状態を悪用して、というよりも、わざとつくり出して、偽って、緊急状態だということを偽りの通報をして、それで岩国基地におり立ったということなんです。その事実をあなたたちが調査した結果、その事実をきちっと認めて事実そのとおり報告しなければ、国民の安全というものは一体どこへ行くんですか。そういうことじゃないですか。どうですか。あなたたちの調査の結果、この調査結果についての報告を出しているけれども、その結果は、やっぱり米軍が緊急状態だといううその通報をして、そして着陸をしたんだと、そういう結果が判明をしたんでしょう。どうなんですか。
  145. 松本操

    松本説明員 まず、この問題を起こしました航空機が福岡管制部に通報をしてまいりました時点においては、緊急状態を宣言する、岩国タカンに直行したい、これだけでございました。操縦困難とか、そういうふうなことは申しておりません。そこで、岩国に直行したい、こういう要求に対しまして、福岡管制部は、当時のトラフィックの状況等を勘案し、進入管制空域が非常に近うございますので、直ちに岩国にこれを引き継いだわけでございます。岩国は進入管制空域の中を使って岩国タカンに直行させる方法があるわけでございますので、当然そのような指示をすべきであり、またしたというふうに米軍側は申しております。しかるに、このパイロットは指示されたとおりの方向で飛んでいなかった。そこに問題があったわけでございますので、もしそのときに岩国管制所が何らかの方法によって、この飛行機操縦困難であって、たとえばどっちかに曲がれない、右に曲がれないとか左に曲がれないとか、こういうふうなことが明確であったといたしますれば、直ちに進入管制所は管制部に調整をとりまして、かくかくしかじかの事態であるから他の空域をあけてほしいということを申し入れ、それによって管制部は措置をとる。これは通常の手続であろうかと思います。したがって、この事件におきましては、通常方法、緊急事態を宣言いたしました航空機に対する通常方法で進入管制所にこれを申し送った。進入管制所もまた、たまたまレーダーが動かないという点はあったにせよ、通常方法によってこれを誘導しようど試みた。しかるに、パイロットはこの指示に従わず、かつそれを逸脱したことについて、これを管制機関に自分が逸脱してしまったということを通報しなかった。これが問題の原因である、こういうふうに考えます。
  146. 三浦久

    ○三浦委員 そうすると、その緊急状態だというような通報を受けた、さあ、どういう緊急状態かわからない、こういう場合には航空交通管制部というのは何にもしなくていいのですか。ただ岩国の進入管制業務の方に引き渡した、それだけでいいのですか。たとえば、いろいろ緊急状態飛行機が発生したときに交通制限の措置をとることが書かれてあるでしょう。これは義務的にやらなければいけないことじゃないのですか、どうなんですか。
  147. 松本操

    松本説明員 先生おっしゃいますように、管制方式基準には、緊急事態のときにとるべきいろいろな手段が書いてございます。この場合、この問題を起こしました航空機が、福岡管制部を呼んでまいりましたその位置、そのときに通報してまいりました位置、その位置から直線的に真っすぐ進めば問題を全く起こさず、つまり他の航空交通とトラブルを起こさないで岩国の進入管制空域の中に入る、こういうふうに当時のACCとしては判断をしたわけでございます。したがって、これがおっしゃいますように、先生指摘のように、何かほかの航空路を横切らなければ入れないというふうな状態にあります場合には、私は福岡管制部は当然そのような適切な措置をとった、こういうふうに考えます。
  148. 三浦久

    ○三浦委員 しかし、真っすぐ行くべきところを行かなかったから事故が起きた、こういうのだけれども、そもそも緊急状態を通報している飛行機なのですよ。それでこの管制方式基準のところには、「優先的取扱」というのがあって、「b」ですね、「航空機が発動機の故障等により緊急状態にある旨を通報し、かつ、優先的取扱いを要求した場合」というのがあって、そしてその交通制限をするものとするということが書かれてありますよ。細かくいろいろ書かれてありますけれども。だからこういう措置をとらなかったということは、正しいことなのですか。私は、こういう措置は当然とらなければならないはずだと思うのですね。しかし、全然この責任が、運輸省責任というものは何にも触れられていないというのは、あなたたちが調査した結果、やはり米軍がそういう虚偽の通報をして、そして岩国基地に入っていった。そういう結果だと私は見ているのです。それは間違いですか。私はそれが大体真実をついている見方じゃないかと思うのです。そうであれば、あなたたちの調査した結果というものはやはり正式に出すべきだと思うのですね。そしてもっと米軍に対して厳重な抗議をするとか厳重な措置を要求するとかしていかなければ、米軍の思うまま、勝手気ままな飛行に任せておったのでは、われわれ空の安全というのは保てないのですよ。その点どうですか。
  149. 松本操

    松本説明員 航空交通の安全につきましては、先生おっしゃいますようにわれわれも常日ごろ努力をしてまいっておるつもりでございまして、この場合の航空機、この問題を起こしました航空機が最初にACCを呼んでまいりました時点、そのときに福岡ACCがクリアランスを出しました時点、さらに岩国アプローチがこれを引き継いだ時点、それから岩国アプローチが岩国タカンに向かって下しました進入経路、許可をいたしました進入経路、これはグリーン4とは全く関係のないルートで、他の航空交通のない空域を使って入れるような空域にあったわけでございます。したがいまして、確かに先生がおっしゃいますように、仮にこれがグリーン4を横切らなければどうしても入れない、あるいはグリーン4でなくてもよろしゅうでございますが、他のIFR機があるところを通らなければ入れないという状態でありますれば、まさに先生おっしゃるような措置が当然福岡管制部においてとられなければならなかったと私も思います。しかし、この時点におきましては、私どもが調査した限りにおいて、グリーン4を何ら障害することなく、岩国タカンにこの航空機は直接入るということが可能であった状態にあったわけでございますから、したがって、その指示に従わなかった米軍機というものに問題がある。そしてそれがどのようなエマージェンシーであったかということについては、私ども米軍に対していかなる理由によってエマージェンシーをコールしたのかということの調査を求めた結果、それは先ほど申し上げましたフライト・ディフィカルテイーであった、こういうことを報告してまいった、こういう経緯でございますので、確かに先生の御指摘になっておりますような諸般の手続というものがございます。またそれを守らねばならないときには当然守らなければならないわけでございますが、本件に関しましては、先生おっしゃるように福管としてそれを承知の上であえて行ったということではなくて、十分な手続をした、そしてこの米軍機はやはりどこかぐあいが悪いところがあった、しかしそれと、経路を誤ったということとの間の直接関連性はない、ないからこそ、われわれが注意を喚起したのに対して、米軍としてもこのパイロットに対して厳重な注意をした、こういうことのいきさつであったように理解をいたしております。
  150. 三浦久

    ○三浦委員 この米軍の問題について非常に遠慮しがちな調査の結論を出していると私は思いますけれども、それはまた後日追及することにして、別の質問に移ります。  この航空法の第九十九条に基づいて、必要な航空情報を提供しなければならないということになっておりますけれども、この航空情報の種類はどんなものがあるのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
  151. 中曽敬

    ○中曽政府委員 九十九条に言いますところの航空情報、この中にはまず第一番にAIPと称するものがございます。航空路誌と訳しておりますが、それから航空情報サーキュラー、さらに第三番目といたしましてNOTAM、この三種類が、航空情報の中身でございます。
  152. 三浦久

    ○三浦委員 AIRAC・NOTAMというのはないのですか。それはNOTAMの一種ですか。
  153. 中曽敬

    ○中曽政府委員 NOTAMの中の一種でございます。
  154. 三浦久

    ○三浦委員 じゃNOTAMの内容についてちょっと説明してください。
  155. 中曽敬

    ○中曽政府委員 NOTAMには第一種NOTAMとそれから第二種NOTAMというのがございます。このうち第一種NOTAMというのはテレタイプ回線によりまして配布される情報でございます。第二種NOTAMは文書によって配布される情報であります。先ほど先生指摘のAIRAC・NOTAMというのは第二種NOTAMの一種でございます。
  156. 三浦久

    ○三浦委員 第一種と第二種の違いをもうちょっと詳しく言ってくれませんか。たとえば時間的な余裕がどうなっているのかですね。
  157. 中曽敬

    ○中曽政府委員 第一種NOTAMは、先ほど申しましたように、形といたしましてはテレタイプによりまして通報する形をとりまして、第二種は文書による形をとるわけでございますが、要するに第一種の方は、そういうふうなテレタイプ回線を使います関係は何がそういうことをなさしめておるかと申しますと、時間が非常に緊急を要する場合、たとえば飛行場のある航空保安施設がこわれまして、緊急にこれをとめなければならぬという場合に、直ちにテレタイプを使いまして通報する必要があるというふうな場合に使いますのがこの第一種NOTAMでございます。それからあらかじめある程度予定が、たとえば飛行場を閉鎖をするというふうな場合、これは大分前から予定がわかるわけでございます。そういうものにつきましては、あらかじめそういう文書による通報は可能なわけでございますから、一応七日間という限度を設けまして、七日間の公示期間を置いて文書形式でやりますのを第二種NOTAMというふうに言っております。
  158. 三浦久

    ○三浦委員 それからたとえば空域制限をしたような場合、こういう場合はやはりNOTAMを出されるわけでしょう。どうですか。
  159. 中曽敬

    ○中曽政府委員 そのとおりでございます。
  160. 三浦久

    ○三浦委員 あなたの方で第一種、第二種の運用の仕方が余りよくないということで行管から勧告を受けたことがありますね。たとえば昭和四十八年の九月の二十八日に勧告を受けて、四十九年の二月八日に回答を出していますね。ちょっと読んで見ますと、「航空情報のうち、ノータム発出状況について見ると、本来、第二種ノータムあるいはAIPによって発出すべきものを第一種ノータムとして発出しているもの。」ということで、情報伝達が適正でないから適正化しなさい、こういうことが言われていますね。これは間違いないですね。
  161. 中曽敬

    ○中曽政府委員 そのとおりでございます。
  162. 三浦久

    ○三浦委員 そういう勧告を受けてどういう措置をとりましたか。
  163. 中曽敬

    ○中曽政府委員 行政管理庁の勧告を四十八年の秋に受けまして、それに対しまして私ども内部的に検討いたしまして、翌年四十九年二月、去年の二月でございますが、回答しております。これは勧告の線に沿ってNOTAMを含みますところの航空情報を的確に発出するという旨のことを回答しております。
  164. 三浦久

    ○三浦委員 昭和四十九年度の自衛隊の総合演習が行われましたね。このときに演習は、これはグリニッジ標準時間ですけれども、十一月の十日の二十二時から十一月十五日の八時まで行われたわけですね。ところが、あなたたちからいただいた資料を見ますと、航空情報を出しているのは十一月の六日十五時二十三分なんですね。これは間違いないですか。
  165. 中曽敬

    ○中曽政府委員 そのとおりだと思います。
  166. 三浦久

    ○三浦委員 そうすると、これはグリニッジ標準時間に直してみましても、わずか五日間の余裕しかないんですよ。それで、これは第一種NOTAMの形式で出しているんですね。これは何日前に演習というのはわかったんですか。四、五日前にしかわからなかったんですか。そんなことないでしょう。
  167. 中曽敬

    ○中曽政府委員 防衛庁からの口頭によります相談と申しますか、これはかなり前からございました。
  168. 三浦久

    ○三浦委員 そうすれば、第二種NOTAMで出せるような状況にあったんじゃありませんか。
  169. 中曽敬

    ○中曽政府委員 私どもといたしましては、でき得れば第二種NOTAMで出したい、このように思っていたのでございますけれども、実を申しまして、この総合演習につきましていろいろあちこちで協議を要する問題がございましたので、もちろん防衛庁との間に私どもの希望はこうである、防衛庁の希望はこうである。若干の食い違いの点もございましたし、さらにまた、これはいわゆる雫石事故におきます航空交通安全対策要綱に基づきますところの異種交通機関の分離という基本原則、そういった基本原則を守らなければならない。そのためには当時の緊急対策要綱を出しましたところの総理府の意見もあわせて聞く必要があるというふうなことで、いろいろとあちこちと相談を続けた結果、かなりの時間をかけまして、結果的に第二種NOTAMで出すことができないで、第一種NOTAMで終わったということであります。
  170. 三浦久

    ○三浦委員 しかし、こういうことはいま私が申しましたように行管から注意をされているわけでしょう。それにもかかわらず、また同じようなことをやっているんですね。やはり第一種NOTAM、第二種NOTAMという区別を設けているのは、それぞれ事項の重要性とかそういうものに基づいて区分けをしているわけですからね、第二種NOTAMを出さなければならないものについては第二種NOTAMをぴちっと出さなければいかぬでしょう。これはICAOではどういうふうになっておりますか。
  171. 中曽敬

    ○中曽政府委員 私どもが現在採用しております第二種NOTAMの形は、あるいは第一種NOTAMの形は、ICAOの基準に準拠してやっておるわけでございます。
  172. 三浦久

    ○三浦委員 そんなこと聞いているんじゃないですよ。自衛隊の演習の場合に空域制限をしているわけだから、それについてはICAOではどういう規定になっているのかと聞いているんです。
  173. 中曽敬

    ○中曽政府委員 特にそういった内容につきましてのICAOにおきますところのきちっとした基準と申しますか規定と申しますか、そういったものはないというふうに私どもは承知いたしております。
  174. 三浦久

    ○三浦委員 あなた、第二種NOTAMで出すべきだったところを第一種NOTAMでやむを得ず出してしまったんだと、こういうことを言われましたね。ところがAIRAC・NOTAMの規制方式というのがありますね。ICAOの第十五付属書ですよ。ここではちゃんと書いてあるんですよ。たどえば「付録3に列記されている状態に関するノータムは、運用上の考慮から実行不可能でない限り、規制された方式で作成されなければならない。」そしてこれは二十八日ごとにちゃんとAIRAC・NOTAMを出さなければいけないでしょう。少なくとも二十八日前には出さなければいけませんよ。どんなことがあっても二十八日前には出さなければいけませんよというのが国際民間航空条約の第十五付属書に書かれてあるわけです。そしていま読んだ「付録3に列記されている状態に関するノータムは、」この付録3というのは、この中には「軍の演習」というのがちゃんと入っているんですよ。そうすると、自衛隊というのはこの場合に関しては軍隊でしょう。軍の演習でしょう。軍の演習をやる場合に、ちゃんとAIRAC・NOTAMでもって通報しなければいけないようになっているじゃないですか。これをどうして守らないのですか。
  175. 中曽敬

    ○中曽政府委員 付録3のAIRAC・NOTAMで通報すべき情報の中に第1部と第2部に分かれておりますが、先ほど先生おっしゃいました軍の演習というのは第2部の方に出ておるわけでございますね。この第2部というのはいわゆる勧告という部類に属するものでありまして、勧告という部類に属するものはいわゆる二十八日ごとに、決まりました日にちごとに通報するというシステムではなくて、別な日にやってもよろしいというふうなことが許されておる範疇に属するものであるというふうに私どもは考えております。
  176. 三浦久

    ○三浦委員 それはどこに書いてあるのですか。第1部と第2部の違いは二十八日ごと、決められた日にちじゃなくてもいいんだというようなことをどこに書いてあるのですか。勝手な解釈じゃないの。
  177. 中曽敬

    ○中曽政府委員 私がいま手元に持っております「国際基準及び勧告方式 航空情報業務」と称します本の5・2というところの規制方式、十六ページの一番末尾に5・2・1・2の勧告と書いてございます。この十六ページから十七ページにかけて書いてございます勧告のところでございますが、「規制方式(AIRAC)はまた、付録3の第2部に記された状態の、設定及び撤回、またあらかじめ考えられる重要な変化に関するノータムの公布のため使用すべきである。」、勧告のところに書いてございます。
  178. 三浦久

    ○三浦委員 そうするとこれは守らなくてもいいということなんですか。
  179. 中曽敬

    ○中曽政府委員 勧告でございますので、リコメンデーションでございますので、守った方がいいには違いないのでございますけれども、それぞれのケース・バイ・ケースの状態によりまして、これはいわゆる決まりました日にちに出さなくてもよろしいというふうにわれわれは解釈しておるわけでございます。
  180. 三浦久

    ○三浦委員 それではお尋ねしますけれども沖繩にSR71という飛行機がありますね。米軍飛行機です。そしてそれに空中給油をする場合に、給油空域というものを設けているわけですね。これはやはり空域制限に該当すると思うのですが、これについては航空情報を出しているんですか。
  181. 松本操

    松本説明員 先生がただいまおっしゃいました沖繩空域における空中給油のための空域というものは、パーマネントに永久的にセットされたものではございません。管制上の都合によりましてその空域を使うというだけのことでございますから、NOTAMを出すというふうなことをしておりません。
  182. 三浦久

    ○三浦委員 そうすると、永久的な空域じゃなければNOTAMを出さなくてもいいということですか。
  183. 松本操

    松本説明員 二万四千フィート以上の空域は高高度管制区になっております。おおむねこの空中給油というものはそれより高い高度で行われるわけでございますので、管制の手段といたしまして管制官がそのときにその高さ幾らから幾らまでを何時から何時まで制限するという形で、他の計器飛行との間の問題が生じないように管制上の措置をとる、こういうふうにいたしております。
  184. 三浦久

    ○三浦委員 しかしこれはちゃんと空域を設定しているじゃありませんか。そうでしょう。そしてその日にちも限定がないし、やはり永久的な危険な区域だ、また制限空域だと見るのが当然じゃありませんか。もしかあなたのように、その都度その都度の管制でやるというのであれば、何もあらかじめ給油空域を決めておく必要はないじゃありませんか。それは詭弁じゃないですか。やはりちゃんと空域を設定しているんでしょう。それは日にち限ってありますか。それはちょっと私は詭弁だと思うんですよね。どうですか。
  185. 松本操

    松本説明員 詭弁と受け取られましたら大変申しわけないのでございますが、その都度決めます場合には非常に管制上もお互いさま手間ひまがかかりますので、これを使うということをあらかじめ相互に関係者の間で承知しておくということは、管制の都合上便利であるというだけのことだというのが私どもの考え方でございます。したがいまして、給油を行われていないようなときには、当然その空域は完全にあきっ放しでございまして、何ものをもさえぎるものではございません。
  186. 三浦久

    ○三浦委員 そうすれば、空中給油が行われている場合にはどうなんですか。その一定の空域飛行機が入れないんじゃないですか、どうですか。
  187. 松本操

    松本説明員 当然ある空域をブロックしております場合には、そのブロックした中には他のIFR機が入ることのないように管制上十分な配慮をいたします。
  188. 三浦久

    ○三浦委員 それはやはりアメリカ軍とあなたたちの間で、ここは空中給油空域ですよというふうに設定しているからじゃありませんか。それをただ管制上の問題だというふうに言いかえるのはおかしいです。そんなことがあればみんなそうじゃありませんか。たとえば自衛隊の場合だって、訓練空域設定しますね、何時から何時までと。そうすると今度それを一時使う。たとえば仮に朝の十時から夜の十時まで使う。しかし夜の十一時まで使うときもあるという場合には、これはちゃんとたまにそう使う場合だって航空情報として出すんじゃないですか、どうですか。
  189. 松本操

    松本説明員 いま先生例にお引きになりました自衛隊訓練空域のごときものは、これはまさに制限空域的な色彩を持っております。制限空域ではございませんが、そのような感触でとってもまあそう大きく外れないという感じの空域であろうかと思います。空中給油を行う空域と申しますものは、そういうふうな制限空域的なものでは全くございませんので、その都度ある一定の空域をブロックをいたしまして、他のIFR機との間に管制上の保護措置をとる、これだけのことでございまして、終わればまたただのもとの広々とした空域に戻ってしまう、こういうことでございます。
  190. 三浦久

    ○三浦委員 それであれば、なぜあらかじめ空域を設定しておくんですか。その都度その都度管制上いろいろ指示して、そこの中には危ないから入れないようにするんだというのであれば、何であらかじめ米軍との間にここは空中給油空域というものをちゃんと設定しておくんですか。おかしいじゃないですか、そんな言い方は。詭弁ですよ、そんなことは。そんなことが通用すると思っているんですか、あなたは。実際アメリカべったりですよ、けしからぬ話ですよ。なぜそれだったら、空中給油空域というものをあらかじめ設定する必要があるんですか。ないじゃありませんか、どうなんですか。
  191. 松本操

    松本説明員 先ほど私申し上げましたように、管制の便宜上あらかじめそういう約束事をしておきますと、その都度どこからどこまで、どこからどこまでというふうなことを一々詳しく言い合う必要もございませんので、全くそういった便宜上の問題としてそういう措置をとったどいうだけのことでございます。
  192. 三浦久

    ○三浦委員 制限空域というのは、じゃどういうことを言うのですか、ちょっと教えてください。制限空域とか危険空域というのはどういうことを言うのですか。でたらめだよ、実際もう言うことが。
  193. 松本操

    松本説明員 航空法の八十条に「飛行の禁止区域」というのがございまして、「航空機は、運輸省令で定める航空機飛行に関し危険を生ずるおそれがある区域の上空を飛行してはならない。但し、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。」、こういう規定がございます。
  194. 三浦久

    ○三浦委員 答弁になっていないじゃないですか。危険区域とか禁止区域というのはどういう定義なんですかと聞いているのですよ。あなたたち専門家でしょうが。このICAOの第十五付属書によれば、ここに定義というところがあるのですよ。禁止区域、「国の陸上地域または領海の上空で、航空機飛行が禁止されている、限られた大きさの空域。」これが禁止区域。制限区域というのは「国の陸上地域または領海の上空で、航空機飛行が、ある特定の条件に従って制限されている、限られた大きさの空域。」それから危険区域、「特定の時間に航空機飛行に対して危険な活動が存在する、限られた大きさを持つ空域。」こうなっておるわけですよ。そうすれば空中給油をする場合には大体こことこことここでいたしますよというふうにあらかじめ設定しているのですから、その区域というのは普通の空域と違うじゃありませんか。そういう意味では、このいわゆる航空機飛行に対して危険な活動が存在するそういう限られた空域だということははっきりしているじゃありませんか。どこでやってもいいというのじゃないのだから、そこの限られた空域でやりますよ、こういうことなんですから。そうすれば当然危険空域または制限空域というふうになって、それを航空情報として出さなければならないのは当然じゃないのですか。どうなんですか。——返事ないのですか。
  195. 松本操

    松本説明員 ICAO的にICAOの定義として先生いまお読み上げいただきましたところは、確かに危険区域ということで掲げられておりますが、私が先ほど来御説明申し上げておりますように、この空域というものは管制の都合上できたり消えたりするものである、一定の限られた空域という概念ではない。なるほど確かに場合によってはあらかじめ符牒のようにして決めてあることを私あえて否定はいたしませんけれども、しかし管制技術上の問題としてできたり消えたりする空域であるというふうな考え方をわれわれとっておりますので、これをNOTAMをもってあらかじめ公示しておく必要はないのではないか、こういうふうに考えております。
  196. 三浦久

    ○三浦委員 ごまかしの答弁ですよ。永久的な危険空域じゃなくたって、一時的なものであっても、その都度その都度でNOTAMで出さなければいけないようになっているじゃありませんか。そんなこと常識でしょう。永久的なものしか制限空域、危険空域というのは航空情報として出さないことになっていますか。そんなことはありませんですよ。  たとえばさっき言った付録の3ですね。AIRAC・NOTAM方式でやらなければいけない場合だって、この第2部ではちゃんと「一時危険区域」というふうになっている。  それからまた、このICAOの第5章のNOTAMという項がありますが、この本だと十五ページに、「禁止、制限、危険区域の設定、中断または状況の変更。」、こういうものはNOTAMしなければならないというふうに書いてあるじゃないですか。アメリカ軍だけなぜそういう例外的な取り扱いをするんですか。AIRAC・NOTAM方式でやるか第一種でやるか第二種でやるかはまたそれぞれの状況によって違うかもしれないけれども空域制限をした場合、そういう場合には必ず航空情報として出さなければならないようになっているんですよ。——答えはないのですか。そんなでたらめな答弁じゃ困るんだな。委員長、何か善処してください。
  197. 松本操

    松本説明員 先生のおっしゃいますのは、確かに一つのおっしゃるような形がICAOの形としてあることはあるわけでございますけれども、私どもがいままで考えておりました扱い方というものは、何度も繰り返すようで大変恐縮でございますが、一つ管制上のテクニックとしてやっているにすぎない、こういう考え方をとってまいっております関係上、これを逐一NOTAMをもって公示するというふうな措置をとってきていないわけでございます。
  198. 三浦久

    ○三浦委員 そうすると、ICAOではそうなっているけれどもおれたちはそうはしない、こういうことですか。そういうことだね。ICAOではそういうふうにNOTAMしなければならないようになっているけれども、この場合はしないのだ、こういうわけですか、どうですか。
  199. 松本操

    松本説明員 このNOTAMを出します場合についてのいろいろなことがICAOに書いてございますが、この中で——つの考え方としましては、ICAOで言うところのこの定義にぴったり当てはまるものであるかどうかという議論が一つございますし、もう一つはそのICAOのやり方について……(三浦委員「議論があるかどうかじゃない、あなたの考え方を聞いているのだ」と呼ぶ)私どもといたしましては、ICAOの規定についていろいろ書いてございますが、管制上の技術的な問題からやっておる問題としては、これには適合しないのではないか、したがって逐一NOTAMを出す必要はないのではないか、こういうふうに考えております。
  200. 三浦久

    ○三浦委員 そうすると、さっき私が定義として言うたでしょうが。危険区域というのは「特定の時間に航空機飛行に対して危険な活動が存在する、限られた大きさを持つ空域。」という、空中給油であらかじめ空域を設定してここでやるのだということになれば、これに該当することは間違いないじゃないですか。それであなたたちICAOのこの「国際基準及び勧告方式」、これは守らなくてもいいというのはとんでもない話なんですよ。たとえばこのICAO第三十八条に「すべての点について国際の標準若しくは手続に従うこと」、従わなかった場合にはこうこうこういうふうに通告しなさいという手続までずっと決められているのです。だからこのICAOの第十五付属書というのはちゃんと条約の一部になっておって、加盟国はそれをちゃんと守らなければならないようになっているわけだ。守らなかった場合にはしかるべき手続をしてぴしっと通告しなければならないようになっているのです。それもしてないわけでしょう。それでこのICAOの基準をアメリカの空中給油空域の場合には守らないで無視してやっているというのはおかしいじゃないですか。  それでは、その点についての質問は保留しまして、次に移らせていただきます。(発言する者あり)答弁がないんだから保留させていただきます。委員長、次に進ませてください、時間が来ておりますので。
  201. 木部佳昭

    木部委員長 三浦君。
  202. 三浦久

    ○三浦委員 ではその点は保留して次に移らせていただきますけれども、SR71が超音速帰投をやる場合、これは大変な飛行方式なんですね。たとえば、嘉手納VORTACから百五十マイルのDMEの点に到着するまでに管制承認を求める。そして百マイルDMEまでに至るうちに承認を出さなければならない。承認を出しませんと、たとえば「七十五マイルDMEまでに何の許可も発せられない場合、帰投は有視界飛行でなされる。もし何の許可もだされず、そして有視界飛行状態が維持できない場合、SR71機は通信設定不能の方式に従うこと。」こうなっている。これは緊急状態で着陸するということなんですね。  そうしますと、これは管制承認を求められた場合にイエスかノーか言う権限は日本の国にあるのですか。ちょっとお聞きしておきます。
  203. 松本操

    松本説明員 ちょっと先生のおっしゃる御趣旨がよくわかりませんが、管制承認を求められた場合に、管制承認が出せないような状態であれば当然管制承認を出すことはできません。
  204. 三浦久

    ○三浦委員 しかし、管制承認を出さなかった場合、飛行機がそのままどんどん進んでくるわ、七十五マイルの点に来ても何にも許可がなければ、そのまま通信状態不能でずっと突っ込んでくる、こういうことになっているわけですね。そうすると、空がいっぱいだからその辺で水平飛行してちょっと待っていてくれ、こういうようなことは言えるのですか。
  205. 松本操

    松本説明員 管制承認の出し方にはいろいろございます。したがいまして、私がいま出せない場合には出さないと申しましたのは、イエスとは言わぬというだけのことでございまして、何にも言わないということではございません。したがいまして、どちらへ曲がれとか、高度を下げて入れとか、上げて入れとかということは当然違った形の管制承認でございます。だから管制承認を出しておるわけですが、先生の最初の御質問がノーと言えるのかという御趣旨でございましたので、相手の言いなりにいつでもイエスと言うことではございません、こういう趣旨でお答えしたわけでございます。したがって、異なった管制承認というものは出す場合もあり得ます。  それから次に、込んでいるから回っているか回っていないかということ。これは進入管制空域の中に入って生ずる問題でございます。御承知のように嘉手納空港の外側には進入管制空域がございます。したがって私ども、那覇ACCといたしましては嘉手納の進入管制所にある一定の特定の場所でこれを引き渡してしまう、それから先は進入管制機の中の一機として嘉手納の米軍管制所がこれを処理する、こういう手続になるわけでございます。
  206. 三浦久

    ○三浦委員 しかし管制承認を出さない、何も出さない場合には通信設定不能の状態で飛び込んでくるわけでしょう。これは間違いないですな。間違いない。そうすると、すでに管制承認を求められたときに、航空交通管制部としてはいろいろな措置をしなければいけないようになるんじゃないですか。どうですか。たとえば飛行機が込んでおった場合にはどんな処置をとるのですか。
  207. 松本操

    松本説明員 この航空機の取り扱いにつきましては、巡航速度が非常に速いあるいは上昇、下降速度が大きい、こういうふうに飛行機飛行性能がほかの飛行機とはなはだしく違っております。民間機でたとえるならばSSTに近いあるいはそれ以上の性能を持っております。したがって、これを処理するために通常の処理の仕方をいたしましたのではむしろ他の交通に危険をもたらすことになります。したがいまして、嘉手納の進入管制空域に移管するに当たりましても最もすいたところ、すいた空域を使って処理をしてしまう、こういう形を私どもはとっております。
  208. 三浦久

    ○三浦委員 あなた、この前梅田議員の質問のときには、SR71は着陸するときは普通の飛行機と同じスピードだ、こう言ったでしょう。そうなんですか。そうじゃないでしょう、いまあなたのお話を聞いていると。降下中にもスピードが非常に早いわけでしょう、だから特別な措置をとらなければならない、こういうことでしょう、いまのあなたのお話だと。
  209. 松本操

    松本説明員 多少舌足らずであったかと思いますので改めて申し上げますと、上昇、下降速度が大きいということは事実でございます。せんだって梅田先生の御質問に対しまして、着陸態勢に入った状態から以降においては通常航空機と変わらないマニューバビリティーを持っておるはずであると申し上げたのも、両方とも事実でございます。
  210. 三浦久

    ○三浦委員 そうですが。あの飛行機を見ると、着陸するときは後ろにパラシュートなんかつけてやっていますけれども、普通の飛行機と同じスピードだったらあんなことする必要ないと思いますけれども、そんなことを論争してもしようがないからやめておきます。しかし余り口から出任せなことを私は言ってもらいたくないと思うのですよ。あれは恐らく速いはずです。それでなるべくすいているところを通す、こういうことなんだけれども、すいてなかった場合どうするのですか。すいてなかった場合やはりそこのけそこのけお馬が通るでばあっと着陸してくるわけでしょう。いわゆる通信設定不能の状態というのは緊急状態だということなんでしょう。どうですか。
  211. 松本操

    松本説明員 通信設定不能の状態に陥りました飛行機につきましては、一般に一定の規定がございます。
  212. 三浦久

    ○三浦委員 緊急状態なんでしょう。
  213. 松本操

    松本説明員 緊急状態の一種であろうかと思います。
  214. 三浦久

    ○三浦委員 そうすると、そういうめったに起きないような緊急状態というものがSR71が来るたびに起こっている、こういうことになるわけですよ。緊急状態というのは、安全にとってはきわめて危険だから緊急状態というわけ。SR71がいることによって、ほかのところではめったに起きない緊急状態がしょっちゅう起きてくるということ。そうすると、これはやはり安全にとってはきわめてマイナスになっている、そういう意味ではこういうSR71なんというのは日本の国に置いておくべきではないと私は思う。  それからもう一つ、SR71が飛び立つ場合です。この「飛行計画は高度制限承認要求によって申し込まれなければならない。」こうなっておるわけですね。「高度制限承認要求」というのはどういうことなんですか。
  215. 松本操

    松本説明員 先生のおっしゃる「高度制限承認要求」というのは、私よくわかりませんけれども一般空域の一部を制限をいたしましてその中だけブロックしてしまう、ほかの航空機を通さないようにする、こういう手続が管制の手段としてございます。そのことであろうかと思います。
  216. 三浦久

    ○三浦委員 そうするとSR71が嘉手納の飛行場から飛び立っていくとき「高度制限承認要求によって申し込まれなければならない。」こうなっているのですが、それはそのとおりですか。
  217. 松本操

    松本説明員 SR71につきまして詳しいことは私も必ずしもつまびらかにしておりませんが、しかし多くの場合に空中給油を行うと聞いております。空中給油を行います場合にはいま先生のおっしゃったような手続が必要になることもあろうかと思います。
  218. 三浦久

    ○三浦委員 でたらめ言っちゃだめだよ、あなた。SR71のこの協定の問題については質問するということはきのうちゃんと言ってあるじゃないですか。それで、これは三月三日にも衆議院の予算委員会で金子議員が質問していることですよ。あなたたちがこの内容をよく知りませんなんて、どうしてそんな白々しいことが言えるのですか。そんなごまかしの答弁じゃだめだよ、あなた。アメリカに身も心も売り渡しているのかね、君は。日本国民としての誇りを持って日本国民の安全をどうやって守っていくかという観点でもって質問に答えてもらわなければ困るじゃないですか。この協定の存在はあなたたちも認められているわけですよ。SR71が飛び立つ場合、帰投する場合についての協定、これが存在することは認めておられる。その協定の中に「飛行計画は高度制限承認要求によって申し込まれなければならない。」とちゃんと書いてあるわけです。そしてそれを認めるようになっている、この中で。それはどうなんですか。認めるでしょう、あなた。SR71が飛び立つときには高度制限というものをして飛び立たせるわけでしょう、どうですか。
  219. 松本操

    松本説明員 ただいま私がお答えいたしましたように空中給油をするケースがございますので、この場合には空中の一定の空域をブロックしなければなりません。これが高度制限承認要求でございます。SR71が飛ぶすべての航空路について全部押えてしまうという趣旨ではないというのが私どもの考えでございます。
  220. 三浦久

    ○三浦委員 でたらめですよ。ここに「飛行計画・SR71機のすべての飛行作戦についての飛行計画は高度制限承認要求によって申し込まれなければならない。」と書いてあるじゃありませんか。あなたたちは英文の協定を持っているでしょう。こんなもの秘密でも何でもないのじゃないですか。あなたの言葉によれば技術的なものなんだから、これは。日米合意付属書に基づいてやっている単なる技術的なものでしょう。那覇の航空交通管制部と向こうの司令官との間に結ばれているものなんですから。こんなものの内容、何でそんなにあなた秘密にして言い張るのですか。だってこの中に書いてあるじゃありませんか。「SR71機のすべての飛行作戦についての飛行計画は高度制限承認要求によって申し込まれなければならない。」そしてまた「高度制限承認要求は出発予定時刻の少なくとも六時間前に伝えられなければならない。」そうでしょう。「すべての飛行作戦についての飛行計画」と書いてあるのであって、空中給油のところだけじゃないのですよ。それからあなたは、空中給油をやるときにはブロックすると言ったでしょう。さっきの言葉と違うじゃないか。いま一定の空域をブロックすると言ったでしょう。ブロックするということはだれも入ってはいけないということなんですよ。あなたのさっきの答弁と違う。こんな口から出任せな答弁をされたのじゃ質問できない。どうなんだ。
  221. 松本操

    松本説明員 私は決していいかげんな答えをしているつもりは毛頭ございません。まずブロックと申しましたのは、ついいつもの癖で管制用語を使っただけでございます。アルチチュードブロックという言葉を管制屋が使いますので、その言葉の端が出ただけでございまして、実態は先ほどもお答えいたしましたように一定の空域というものを、その中で空中給油をやるわけでございますから、そこをほかのIFRの飛行機と支障がないように一定の空域というものを押さえておく、こういうことでございます。  それからいま先生がおっしゃいました内容の問題でございますが、SR71は、先ほど来繰り返しお答え申し上げておりますように、空中給油をするわけでございますが、空中給油をする場合に、やたらとそこら辺を飛びながら空中給油をされたのでははなはだ航空交通の安全を阻害いたします。したがって、一定の空域に閉じ込めるということが必要になってまいりますが、飛行計画は通常三十分前に出せばよろしいわけですけれども、そういった付随的な問題が伴いますのでこれをなるべく早く出させる、そしていま申し上げました空中給油をする空域というものを決めまして、その中で空中給油をしてから出かけていく、こういう飛び方をしているわけです。
  222. 三浦久

    ○三浦委員 それでは飛行機がずっと飛び立っていくときですね、そのときには全然高度制限しないのですか。空中給油するときだけブロックするのですか。空中給油空域というものがブロックされているというのはちゃんと別にある。そうじゃなくてこれはSR71が飛び立っていくときのことなんですよ。やはり一定の空域をブロックするわけでしょう。そうじゃないのですか。協定にそう書いてある。
  223. 木部佳昭

    木部委員長 松本君に申し上げますが、先ほどの三浦君の保留部分を答弁してください。
  224. 松本操

    松本説明員 まず、いまの御質問にお答えいたしますが、先ほど来何回も申し上げておりますように、この飛行機が飛んでいくすべての経路をブロックするというふうなことは私ども実際にもしておりません。やっておりますのは、先ほど来これも何回も話題に出ております空中給油をする場合、この場合には空中給油をそこら辺でやられると困りますので、一定のところでやらせる。その一定のところというものをあらかじめ決めておいた方が相互に話が簡単であるので、ここはどういうところだというのを両者の関係者の間で決めてある、こういうことだけでございます。
  225. 三浦久

    ○三浦委員 ここに書いてあることは空中給油空域の問題と別なんですよ。それじゃあなたの方でこの協定を出しませんか。私の方の訳が違っているというのだったら英文を、本文を出しなさいよ。大臣、どうですか。これだけ問題になっているのですから、協定を出してください。秘密でも何でもないでしょう、技術的な問題なんですから。どうですか。
  226. 中村大造

    中村(大)政府委員 ただいまの協定があることは私どもも認めます。ただし、この協定の内容につきましては、この中身については、これはいわゆる合同委員会の関連のものでございます。したがいまして、これをお出しすることは差し控えさしていただきたいと思います。
  227. 三浦久

    ○三浦委員 大変秘密主義ですね。技術的なものだと答弁しておきながら、出さない。そんなでたらめな話はないと思う。そして協定の内容についていまお互いに意見が違っている。私が持っているものによれば、飛行計画は、さっきから何遍も言っていますけれども、高度制限承認要求によって申し込まなければならない。そしてそういうものを受けたら「那覇航空交通管制部はつぎのような方法で簡略化された承認をださなければならない。認められた高度制限飛行計画にそって許可される」こういうふうに承認しなければならない。イエスと言って全部承認しなければならないというふうになっているのですよ。そうすれば、すべての飛行計画は高度制限承認要求に基づいて行われているということでしょう。そうすればSR71が飛び立つたびにそれは制限空域になるわけだから、やはりちゃんと航空情報で出さなければならないはずなんです。安全のためにやらなければいけないのです。それをあなたたちは安全を無視してアメリカ軍だけ最優先措置をとってきているから、答弁に詰まるようなことにもなるわけです。条約に違反し法律に違反し、そして米軍優先権を認めて安全を犠牲にしているというやり方じゃありませんか。  委員長、これはさっき質問を保留していますし、もう時間がありませんので、協定が出るまで私はやはり質問を保留したいと思うのです。
  228. 松本操

    松本説明員 いまもおしかりを受けましたが、先ほど返答ができませんでしばらくお時間をいただきました点をお答えいたしますと、御指摘の点につきましては第2部の「勧告」編の中に入っておるわけでございますので、私どもとしてはこれが直ちに先生御指弾のようにICAOの条約の違反であるというふうなものになるとは考えていないわけでございます。  それから次に、ただいま御質問がありました点についてお答えいたしますならば、これはフライトプランを出してちゃんと普通の飛行機のように飛ばせるわけでございます。そのフライトプランを出しますときに、空中給油をするということがある場合には、先ほど来これも繰り返し御説明申し上げておりますように、一定の空間で、その中で閉じ込めて空中給油をやらせる必要がございますので、それに関連した情報を一緒に出させておる、こういうことでございまして、出発、進入につきましては通常航空機の出発、進入方式と変わることはございません。これは、私が前に着陸態勢に入ったら通常飛行機と変わらないと思いますというふうにお答え申したことと全く同じことでございます。決していいかげんなことを申し上げているわけではございません。
  229. 三浦久

    ○三浦委員 これは偽りの答弁をしているのですよ。承服できませんよ。だって、協定の中にちゃんとさっき私が何遍も読んでいるとおりのことがあるわけなんだから。簡略化した管制承認を出さなければならないということも書いてあるわけなんだから。それをあなたが勝手にただ、空中給油するときだけの問題でありますと言うのはおかしい。それからまた、いまあなたが、空中給油した、それは勧告であって従わなくてもいいんだ、こう言ったけれども、しかしそれは、ブロックした場合、空域制限した場合に確かにこのAIRAC・NOTAM方式でやらなければならない場合は一定限定されているかもしれない。しかし、第一種、第二種どっちかでは必ず出さなければならないのですよ。その点についての答弁がないでしょう。どうなんですか。空域制限したらAIRAC・NOTAM方式によるかよらないかにかかわらず航空情報として出さなければならないということは、ちゃんと技術部長がさっき答弁しているじゃないか。
  230. 松本操

    松本説明員 先生先ほどおっしゃいました、四十ページにございます「2・5一時危険区域、」云云というふうなものに私どもは該当していない、これも先ほど来繰り返し御答弁申し上げておりますように、管制上の問題の措置にすぎないというのが私どもの理解でございます。
  231. 三浦久

    ○三浦委員 付録3というのはAIRAC・NOTAMで通報すべき情報なんです。しかし、それ以外に第一種、第二種でも通報しなければならない情報はたくさんあるでしょう。その中に入っているじゃないですか、ちゃんと。そうすると、空域制限をした場合には、形態はともかくとして航空情報を出さなければならないということは認めるんじゃないんですか。認めないのですか。どっちなんですか。
  232. 松本操

    松本説明員 恒久的な制限空域として出してあります場合、あるいはそれに類似の形として出ております場合に、たとえば訓練空域のごときものについては当然NOTAMを出すべきであり、そのように措置がされておるわけでございます。
  233. 三浦久

    ○三浦委員 そうじゃないのです。明白に間違っているんだから。あなた、それ間違っていたら後で訂正するな。(発言する者あり)いや、冗談じゃないですよ、間違っているんだから。
  234. 木部佳昭

    木部委員長 局長から最終的に答弁してください。
  235. 松本操

    松本説明員 先ほど来同じことを何度も申し上げておるようで、大変恐縮でございますけれども、私どものやっておりますのは管制上の手段、方法としてとっておることでございますので、NOTAMをもってこれを公示すべきものであるというふうには考えておりません。
  236. 木村睦男

    木村国務大臣 私は技術的には非常に暗いんでございますが、三浦委員と私の方の事務当局との応答をずっと聞いておりまして、私はそう間違いはないように感じます。事務当局が申し上げておることも、事実をそのとおりに申し上げておるわけでございまして、若干御理解のいかなかったような点もあるようでございますが、その点はよく私の方でも検討はいたします。
  237. 三浦久

    ○三浦委員 時間が大分過ぎましたので質問をやめますけれども、やはりもっと質問に的確に答えてほしいと私は思うのですよ。問題はSR71というアメリカのスパイ偵察機が日本にある軍事基地を使って北朝鮮とか北ベトナムとかそういうところに行って侵略行動しているわけでしょう。そしてそれだけじゃなくて、そのことによって日本航空の安全というものがこんなに阻害されている状況が出てきている。それが航空法であるとか、国際条約であるとか、こういうものに真っ向から違反しているという事実が明らかになったと私は思うのです。松本さんが幾ら強弁をしても、そういういわゆる航空法であるとか、国際条約でもって万全を期さなければならない安全上の措置というものがおろそかにされているということははっきりしている。そういう意味では一幾ら航空法をちょこちょこちょこちょこ技術的にいじくったって、米軍の問題や自衛隊の問題というものをはっきり手をつけていかなければ、日本の空の安全は守れないということを私は強くここで断言をして、質問を終わりたいと思うのです。
  238. 木部佳昭

    木部委員長 松本忠助君。
  239. 松本忠助

    松本(忠)委員 航空法の一部を改正する法律案審議に当たりまして、問題点、大きくしぼって二点あると思います。その第一は、航空機の航行の安全の確保、第二が、航空機の騒音の規制となっております。そこで、私、前者の方に対して約十三項目、後者の方に関連いたしまして主として第三セクターの問題について約五項目ほど質疑を用意してございます。まことに限られた時間でございますので、全部終了することができるかどうか、やってみなければわかりませんが、非常に疑問でございます。いま共産党の三浦君が一時間三十五分というふうに大分超過をしておりますので、私もできる限り簡略にやりたいとは思いますが、全部完了するためには皆様方の御答弁の方もひとつよろしくお願いをいたしたいと思うわけでございます。  航空法の一部を改正する法律案のこの直接の動機と申しますか、これは四十六年七月の全日空機自衛隊機のいわゆる衝突事故でございます。私、この質疑を行うに先立ちまして、百六十二名というお気の毒な犠牲者に対して深甚な弔意を表するとともに、御冥福を祈るものでございます。  そこで問題は、去る三月十一日の盛岡地方裁判所の雫石事故に対する判決に対しまして、同日中に被告二名が控訴したという事実であります。もちろん、この被告二名が本人の意思に従って控訴するあるいはしないか、これを決定すべきはもちろん本人の意思でございまして、防衛庁の方の御意向がどうあろうとも、あくまで本人の自由意思で行わるべきことは当然だと思うわけでございます。しかしながら、判決のあった当日控訴を行ったということは、御遺族の痛ましいお気持ちを察するのには一かけらの良心もないといいますか、御遺族の感情を逆なでした残念な行動だと私は思うわけでございます。御承知のように、自衛隊機はパラシュートを持って脱出して生命の安全が保たれました。一方、百六十二名は実に無残な最期を遂げられたわけでございます。そうした点から考えましても、この事件に対して民間の人たちの持っている考え方というものは、いろいろの意味での反感があるわけでございます。私の知人からも、この御遺族のお気持ちを察してか、当日控訴したという事実を聞いて、この自衛隊の人たちが熟慮に熟慮を重ねた末に、控訴のできる最終の期限までぎりぎり待って行動を起こしたということならば理解もできるけれども判決のあった当日控訴をしたということは許せない暴挙だ、こういうふうなことを私のところへ訴えてくる人もあります。最近若い失業者が多くなりまして、自衛隊に入隊の希望者が非常に多くなって、いままでのいわゆる定員に満たなかったのを埋めることができるというところから、防衛庁当局では失業者の多いことをむしろ歓迎している、こういう話も聞くわけでございまして、これを聞いた中老の失業者が強いふんまんを漏らしているのであります。  これと同じようなことを——要するに、国民はこうした自衛隊の考え方に対しまして快く思っていないわけでございます。自衛隊側が、愛される自衛隊とかなんとか言いながら、これに逆行するような行動を起こしておることをあえてはばからないこの自衛隊の幹部、あるいはまた、休職中といえども今回の二人の被告の行動等、全く理解に苦しむものでございます。  そこで、大臣並びに防衛庁菅沼参事官に、大臣としてどのように今回の控訴の問題についてお考えになるか、防衛庁としてどのようなお考えをなさっているかをまず伺いたいわけであります。
  240. 木村睦男

    木村国務大臣 先般雫石事故に対する第一審の判決が出たわけでございますが、私も松本委員と同様に、当時犠牲になられた方々、またその御遺族に、改めて心から哀悼の意を表する次第でございます。  あの判決を見まして、刑事責任がどちらにあるかという問題は、その判決を受けた側の防衛庁の方でいろいろ御判断があると思いますが、運輸省といたしましては、あの判決の中に示されております、航空行政に対しての幾多の指摘があるわけでございます。私は、この航空行政に対する指摘について十分検討をいたし、また反省もいたしたい、そうして今後あのような悲惨な航空事故は再びあってはならないという気持ちで今後対処していきたいと思っております。  あの事故が起きて間なしに直ちに航空法改正に着手をいたし、当時検討委員会も設け、専門家意見もいろいろと徴しまして、特に安全の確保というところへ焦点をしぼっての航空法改正を国会に提出いたしたのでございますが、今日その法案の審議をお願いしておるのでございまして、私といたしましては、早くこの法案が成立をいたしまして、そうして航空安全確保のために大いに役に立てたい、また役に立つべくわれわれも努力をいたしたい。  なお、三年の期日を経過をいたしておりますけれども、この改正法案に盛られております中身につきましては、法案の成立をまたず、いろいろな行政指導でもって今日まで航空安全のためにいろいろと施策はいたしておりますけれども、何といたしましても、法律の成立が焦眉の急でございます。この法律の成立を見ました暁におきましては、引き続き航空法全般にわたっての検討もいたしまして、さらに一層万全を尽くしたい、かように考えておるわけでございます。
  241. 渡邊伊助

    ○渡邊説明員 お答えいたします。  防衛庁といたしましては、現在まだ判決全文につきまして検討をいたしておらない段階でございますので、まだその点についての御意見を申し上げる段階にはございませんけれども、いずれにいたしましても、ただいま運輸大臣からの御答弁もございましたように、航空行政上の問題ということの指摘がございました。防衛庁全体の問題といたしましてこれを受けとめて、安全管理体制等の問題について今後とも努力をいたしたい、こういう気持ちでおるわけでございます。  なお、控訴につきましてのお尋ねがございましたけれども先生ただいまおっしゃいましたように、これはあくまでも個人の問題ということでございまして、控訴いたしました事情につきまして、防衛庁といたしましては、その間の事情をつまびらかにいたしておりません。どういう点に不服があるのかということについては現在明らかになっておらないようでございまして、いずれ控訴趣意書というものが差し出されることになろうと思いますが、それに控訴の理由というものが記載されるはずでございますから、その控訴趣意書が提出されるまでは、いかなる点に不服があるのかということにつきまして、防衛庁としても知り得る立場にはございません。
  242. 松本忠助

    松本(忠)委員 大臣、控訴の問題についてお答えがなかったのでありますけれども、要するに、あの二人の被告が判決そのものを十分に検討したのかどうかということ、そして控訴に踏み切ったのかということです。事前にその判決が漏れる気遣いはないわけなんですから、少なくともその判決を読んで、そして控訴するんだと決定するまでには相当の時間がなければならないと私は思うのです。それをその日のうちに控訴をするということが、国民の感情、遺族の感情を逆なでするんだ、そういうことが本当は許されていいものかどうかということを私は言いたいわけです。もちろん本人の意思であって、防衛庁の何ら関知するところじゃないこと、またその判決の内容をこれから十分検討しなければいけないということは、いまあなたが言われたとおりです。それは当然だろうと思うのです。だから控訴の時日というものはある、控訴のできる期間というものがあるわけですから、その期間中十分の検討をし、熟慮をした上で控訴するのが当然じゃないかというのが、国民の声じゃないかと思うのです。その一点について、もう一遍ひとつ審議官……。
  243. 渡邊伊助

    ○渡邊説明員 先生のおっしゃることはよく理解できるわけでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、防衛庁といたしましてはその間の事情を全く存じておらないわけでございますので、恐らく被告二名の者が弁護人とよく相談した上で決定をいたしたものだろうと思いますけれども、どういう事情にあるかということは、私ども承知いたしておりません。
  244. 松本忠助

    松本(忠)委員 その問題はここへ被告の二人を呼んで聞くわけにもいきませんし、やむを得ないことだと思いますけれども、国民としてこの被告二人がとったいわゆる控訴の事実というものに対して、だれ一人快く思っていないということだけはよく念頭に入れておいていただきたいと私は思うのです。これは国民の声だと私は思いますので、この点をひとつ訴えておくわけです。  まず本題に入る前に、去る二月十四日に私が当委員会において航空事故調査委員会の問題で質疑いたしました。その質問の中で、最終段階におきまして私時間が超過しておりましたために、岡田委員長とそれから運輸大臣にごく簡単なお答えをいただいて終わりにしたわけでありますけれども、この質問の中でもうちょっとはっきりしておかなければならない点があったことを、会議録を見まして改めて感じたわけでございます。  それはモスクワのシェレメチェボ空港において発生したあのDC8の事故、これから約四カ月前にカナダのトロントで発生した事故についてお伺いいたしました。この事故はグランドスポイラーの誤作動によるところの乗客、乗員全員死亡という痛ましい事故でございましたが、この事故を調査した委員会が、DC8のグランドスポイラーは飛行中作動しないように設計されなければならない、かつ現用のDC8には危険防止のシステムの変更の必要があるというふうに発表しております。これは当然日本運輸省に通達があったと思うわけでありますけれども、これを受けたのか受けなかったのか、あの二月十四日の質問の中でお答えがなかったものですから、改めてお伺いするわけであります。
  245. 中村大造

    中村(大)政府委員 いまだ通報を受けておりません。
  246. 松本忠助

    松本(忠)委員 通報を受けていないからやる必要がないとおっしゃるわけですか。そのときに私申し上げたのは、結局そのときのカナダのトロントの事故というもの、DC8についての報告があって——私は当然なければならないと思うのです。それを受けて、それをまじめに実行していれば、あのシェレメチェボ空港の事故は起きなかったのじゃないかということを私申し上げたわけです。受けていなかったとおっしゃるのですか。その答えは誤りじゃございませんか。
  247. 中曽敬

    ○中曽政府委員 先ほど、先生の御質問は、二月十四日現在において受けておったかという御質問だったと思いますが、それに対しまして局長は受けていないというふうに申し上げたと存じます。  しかしながら、特にモスクワ事故の惨事にかんがみまして、私どもといたしましては、これはグランドスポイラーが原因であるかどうかということは、実は調査報告書にもはっきりうたっていたいのですけれども、もう一つの実は原因が並べて書いてございました。そのうちのいずれかであるというふうな調査報告でございますけれども、しかしながらグランドスポイラーが大きな原因をかしておる可能性があるということでございますので、グランドスポイラーの回収につきましては、むしろ私どもの方からアメリカ側にぜひ回収すべきではないかということも実は提案いたしました。その後いろいろ行ったり来たりがございまして、結果的にわが日本航空のDC8につきましては、現在ただいますべて回収は終了しております。
  248. 松本忠助

    松本(忠)委員 現在回収中だというんですか。
  249. 中曽敬

    ○中曽政府委員 回収はすでに終了しております。
  250. 松本忠助

    松本(忠)委員 大臣、私はこの辺非常におかしいと思うんですね。  FAAの勧告は四十九年の二月七日に行われているのです。これは運輸省は知っているか知らぬか知りませんけれども、日航の話を私確かめてみたところが、FAAの勧告のあった以前にダグラス社と協議をして、そして四十八年の十二月五日には第一号機の回収を完了している。そしてさらに、日航としては所有の四十九機全部を昨年の七月一日に回収は完了しているのですよ。問題は、日航の方はそれでいいのですけれども、その他の航空会社のDC8についてはどうなっているか御存じですか。
  251. 中曽敬

    ○中曽政府委員 日本ではDC8を持っておりますのは日本航空だけでございますので、先生の御質問は外国の航空会社はどうなっているかという御質問だったと思いますけれども、その点につきましては、すべてを私どもはキャッチしておりませんけれども、少なくともアメリカの航空会社の所有に係りますところのDC8につきましては、回収は完了しておるというふうに聞いております。
  252. 松本忠助

    松本(忠)委員 要するに、世界じゅうのいわゆるDC8を使っておるところは、ほとんど軌を一にしてやっておるわけです。そういう事実に対して運輸省があまりにとんちゃくしてないということを私は指摘しておきたいわけです。  そこで本題に入りまして、見張り義務の問題です。これを明らかに定めよう、明定しようということが今回の法改正の重点と言えると思うのです。この点についてはもうすでに同僚の議員から再三いろいろな質問がなされました。私も二、三お尋ねしたいわけでございます。  特に、大臣が参議院の運輸委員長をやっておられました昭和四十六年七月三十日に参議院におきまして参考人を呼ばれて事故調査のいろいろ意見の開陳を求められた。この会議録第一号というのはいろいろな参考人の方々の御意思というものが盛り込まれてあって大変有益な会議録でございますので、私しばしばこの会議録を読んでいるわけでございますけれども、そういう意味からも、大臣はこの日みずから委員会を主宰しておられたわけでございまして、御承知でございますので、よく聞いていただきたいと思うわけでございます。  そこで、今回の法改正で特に見張り義務を第七十一条の二として明文化しようとしておりますが、なぜこれを明文化することにしたのか。言うまでもなく、これは雫石事故を契機といたしまして行うということになったわけであります。しからば、いままではなぜ明文化していなかったのか。見張りをするということは空中衝突を避けるための当然のことであって、常識だという見解に基づいて明文化する必要がなかった、このように私は思うわけですが、この点についてはどうですか。
  253. 中村大造

    中村(大)政府委員 見張り義務につきましては、現行法の九十四条で「航空機は、有視界気象状態においては、計器飛行を行ってはならない。」とこういう規定がございます。要するにこの規定の解釈上、有視界飛行状態の場合においてはいわゆる見張りをしなければならないということがこの九十四条の規定から当然出てくるわけでございますけれども、しかしながらこの規定の仕方というのが非常に不明確でございます。したがって、もっとこの見張り義務というものをはっきりと明定した方がいいという趣旨でございます。それから、当然雫石事故の起こりました後の事故調査委員会の勧告の中にもそのような見張り義務というものを明定すべきだ、こういう意向もあったわけでございまして、逆にこういう規定を入れないことによりましてそういう見張り義務——本来これはあるいは法律以前のことかもわかりませんけれども、こういう見張りという最も基本的な義務がややもすれば軽視されることを防ぐ意味から言いましても明定した方がいい、こういう趣旨で今回入れたわけでございます。
  254. 松本忠助

    松本(忠)委員 そこでこの見張り義務というものを明文化するわけでございますが、これを法文化するに当たりまして、運輸省としましては防衛庁側と交渉をしたのかどうか。この点はどうでしょうか。
  255. 中村大造

    中村(大)政府委員 今回のこの改正のための委員会をつくりました場合に、この中には当然防衛庁の方も委員としてお入りいただいております。したがって、こういうふうな改正、この条文だけではなくすべての条文について、防衛庁とも十分な意思の疎通を図って見解を統一して、今回の改正をお願いしているという次第でございます。
  256. 松本忠助

    松本(忠)委員 いまの航空局長のお答えについて、防衛庁側ですが、このとおりでございますか。
  257. 菅沼照夫

    菅沼政府委員 いま航空局長がお答えしたとおりでございます。
  258. 松本忠助

    松本(忠)委員 その委員会なるものには民間のパイロットとかあるいはまた航空運送事業を営む者、こういう者も当然入っていたと思いますけれども、それらの点からも問題は全然なかったわけですか。この点を確認しておきます。
  259. 中村大造

    中村(大)政府委員 この委員会は十回会議を開いておるわけでございますけれども、その過程でいろいろの意見がございまして、その一つ一つについてはつまびらかにいたしておりませんけれども見張り義務ということについて、これが強い反対があったというふうなことは聞いておりません。
  260. 松本忠助

    松本(忠)委員 それでは一応航空関係者全部の意見としても、この見張り義務を法文化するということについての反対の意見はなかった、こう承知していいわけですね。  そこで第二条の定義でございますけれども改正法の14は、計器飛行の定義を改めようとしているわけです。第二条の一般の定義がずっと出ておりますその中で、改正法の14では、いわゆる計器飛行というものは「航空機の姿勢、高度、位置及び針路の測定を計器にのみ依存して行なう飛行」。これに当たるのは現行法の15ですが、「この法律において「計器飛行」とは、航空機外の物象を見て、これに依存することなく、計器にのみ依存して行う飛行をいう。」こういうふうな定義があるわけでございます。そこで新しい法律で「針路の測定を計器にのみ」と、特に「計器にのみ」というふうに、これに「依存して行なう」というふうになっているわけです。「のみ」という表現は、航空機外の物象を見てはならないということなのか。あるいは見たくとも見られない場合もあると思います。見てはならないということなのか。全く地上の物象を見てはならないということをはっきりと言っているのか。この辺はどうなんでしょう。
  261. 中曽敬

    ○中曽政府委員 「のみ」——これらの計器に頼ってのみ飛行してはならないということでございますので、当然地上物象、地上の一景一物を見て飛行してかまわないわけでございます。
  262. 松本忠助

    松本(忠)委員 ちょっとその辺が、「のみ」というのは、「計器にのみ依存して行なう」——計器にだけ依存して行うんだと言うんだから、それ以外のものは見てはならないんだというふうにわれわれはとるわけです。私のとり方が悪いのかもしれませんよ。だけれども普通こういう場合に、「針路の測定を計器にのみ」ということは、計器以外のものは見てはならないのだというふうに直訳してはならぬのですか。
  263. 小野維之

    ○小野説明員 計器飛行についてのお尋ねかと思いますけれども、これは計器だけでしか測定できない場合の飛び方を計器飛行という。たとえば外のものを見て姿勢とか高度とかいうのがわかります場合には、三十四条の方に出てまいります別の飛行状態というものを考えておるわけでございます。
  264. 松本忠助

    松本(忠)委員 私はその点の書き方がどうも非常に不親切のような気がするのですよ。これをこのまま読んでいきますと、たとえば二系統の計器があった、その二系統の計器がどっちも故障しちゃった、高度計も故障しちゃった。こういった場合に、要するに目の前に山があった、その山に衝突しそうになった、しかし、それを航空機外の物象を見てはならないという判断から、その条文のとおりいって、衝突しそうになるのを計器の方ばかり見ていてとうとう衝突してしまったというようなことになったのではならないわけだと思いますので、この条文で計器飛行ということをもう少しはっきりしておいた方がいいんじゃないかという気が私はするのです。  そこで、新法の七十一条の二、「他の航空機その他の物件と衝突しないように見張りをしなければならない。」という見張り義務のところですね。この「その他の物件」というのは一体どういうことなのかということなんですね。山が目の前にある、その山にぶつかる、この山は一体物件なのかどうか。そこで、物件というものの範囲をもう少し明確にする必要があるのではないかというふうに私は思いますが、この点はどうですか。
  265. 中村大造

    中村(大)政府委員 これは空中を飛行中もございますし、それから滑走路を走行中もございます。それで飛行中の場合には、ただいまお話が出ました山の場合もございますし、あるいは煙突とか鉄塔というふうなものがあるわけでございまして、やはり特定して表示するということは非常にむずかしゅうございますので、「その他の物件」、こういうふうに表示する以外にないんじゃないかと思います。
  266. 松本忠助

    松本(忠)委員 「その他の物件」というのを、あくまで「その他の物件」ということでいくのか、あるいはまた政令などで「その他の物件」というものをはっきりするのか、この辺はどうなんですか。「その他の物件」というのは、私は範囲を明確にする必要があると思うのですがね。
  267. 中村大造

    中村(大)政府委員 これはたびたび申し上げておりますように、見張り義務というものは罰則の適用がないわけで、したがって、とにかく見張りをいたしまして衝突を回避するといいますか、事故を防止する、そのために全知全能を傾けてこの見張りをするという趣旨ではないかと私は解しておるわけで、したがいまして、要するに航空機みずから以外のもので、しかもそれに衝突するおそれがあるものであれば、これはすべてのものがやはりこの中に入るのではないか、むしろこれを限定することが不適当ではないかというふうに思うわけでございます。
  268. 松本忠助

    松本(忠)委員 そうすると、さっき話したような山なんかも物件のうちなんですか。
  269. 中村大造

    中村(大)政府委員 物件の中に入ると思います。
  270. 松本忠助

    松本(忠)委員 そういう御解釈なれば、山も物件、なるほど。山も物件というのは、どうもちょっと通らないような気がしますけれども、大臣どうですか、目の前にある山が物件だと。
  271. 木村睦男

    木村国務大臣 本当を言いますと、これにあらゆるというのをつけた方が私ははっきりすると思いますが、御指摘のように、山から何から、およそ空気以外は全部物件だというふうに解釈した方が、この条文の趣旨を徹底するのには合理的な解釈になると思います。理屈の上では若干おかしい面もありますが、そう解釈した方が法の目的からしてよろしいかと思います。
  272. 松本忠助

    松本(忠)委員 条文をつくる場合に、余りにもむずかしい言葉で、目の前にある山もビルディングも、それからたとえて言うと、成田空港のあの鉄塔もみんな物件だと、成田の鉄塔なんかは物件ということは言えると思いますけれどもね。しかし、これはもう少し整理をする必要があるんではなかろうかと私は思うわけです。  そこで関連して聞きますけれども、新法の九十九条の二に「何人も、航空交通管制圏、高度変更禁止空域又は航空交通管制区内の特別管制空域における航空機飛行影響を及ぼすおそれのあるロケットの打上げその他の行為運輸省令で定めるものをしてはならない。」こうあるのです。ところがそこに(物件の設置及び植栽を除く。)、これはやっていいということなんですか。そっちの方の物件、この物件というのはどういうことなのか。こっちの方の山の設置及び植栽、この辺はずいぶんおかしな話になるんじゃないかと思うのですがね。(物件の設置及び植栽を除く。)とあるのですから、これはやってもいいというふうにとることができるのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
  273. 中曽敬

    ○中曽政府委員 現行の航空法におきまして、航空の安全を図るために、夜間にありましては航空障害灯であるとか、昼間にありましては昼間の障害標識を設置することが義務づけられておるわけでございます。したがいまして、航空機の場合におきましてはその物件の具体的な位置をあらかじめ予定することができるわけでございまして、そのために通常その存在を前提としてこれを避けて飛行することができると思われるわけでございますので、物件の設置及び植栽をこの条の規制対象からはずしたということでございます。
  274. 松本忠助

    松本(忠)委員 これは非常に難解だと思うのですが、時間の関係もありますから先に進みます。  では、大臣、局長に伺いますけれども見張り義務というのは一体何のためにするのかという根本からの問題なんですが、空と海とでは大きな相違があると思います。要するに船舶と航空機というのでは、おのずから違いがあるわけです。スピードの違いもあるし、あるいは波と空気の抵抗というような違いもある。それからまた飛行機の重量と船舶の重量では大変な違いだし、一方は空気の中、高空であれば、まずまず障害はない。ところが一方は海中で、いろいろな障害物がある。こういったことがあると思うのです。ですけれども、海上衝突予防法の中では、船舶が衝突しそうになったときには、どのような運航のルールがあろうとも、権利や義務を破っても何をおいてもまず衝突を避けるための行動を迅速にとるということが要求せられていると思うのですよ。衝突を避けることがまず本旨だ。そこまで航空機においてもやらないと、見張り義務ということは生きてこないと思うのです、見張り義務ということは、要するにまず空中衝突を避けるためのものなんですから。  ところが一方船舶の場合は、船橋において船長以下航海士その他、ずっと並んで見ているわけですけれども、船の場合と違いまして航空機の場合は、目の角度が非常に問題になると思うのです。空からきょろきょろ外ばかり見ているということになれば、計器を見るのがお留守になると思いますし、後方の見張りということは、現在の大型の旅客用航空機の構造では不可能だと思います。結局、勢い前の方だけの限られた一方の側しか見られないのじゃないかと思います。また気象の悪いときには除かれますけれども、気象のよいときは見張りをしろ、これでは能力に限界のある人間として不可能に近いことだと思うわけです。今回の見張り義務は、結局のところ、空中衝突があったときにパイロットにその責任をおっかぶせようという意図からこういうものが生まれてきたのじゃないかというふうな憶測を私はするのです。空の見張り義務というのは大変な状況の中で見張りをしなければならないわけですから、その辺のことで結局パイロットに全面的な責任をおっかぶせてしまうというような意図があるとしたら、これは非常に危険な思想じゃないかと思うのですが、この点はどうでしょうか。
  275. 中村大造

    中村(大)政府委員 むしろこの衝突回避のための基本的なルール、そういうものを定め、また航行援助施設その他の施設の整備を図り、また航空機の機能の向上を図り、あらゆる措置を総合的に講じましても、最終的には操縦をする人の注意というものをやはり無視することはできないわけでございまして、したがって、この義務法律的に課することによってパイロットの責任を加重するということではなくて、先ほどから申し上げておりますように、あらゆる具体的な措置の基礎、前提としてこの見張りというものを置くことが必要であるという考え方でございます。     〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
  276. 松本忠助

    松本(忠)委員 空の状態がなかなか大変だということで、私、改めてもう一遍聞きたいことがあるのですが、それは、この間の三月十四日の質疑の際に、中曽技術部長の御答弁だったと思いますけれどもジェット機同士が相反航する場合に、十四キロぐらい先の物体をとらえることができる。この距離だと三十秒ぐらいでぶつかる。さらに、個人差はあるけれども、それを確認して回避する動作に入るのが早い人で五秒ないし七秒で、通常十四秒ぐらいあればできるというような御説明があったと思いますが、これは中曽さん、間違いありませんか。
  277. 中曽敬

    ○中曽政府委員 私ども事故調査報告書の記録としてございました調査書に基づきましてピックアップした数字でございますので、その限りにおいては正しいと思っております。
  278. 松本忠助

    松本(忠)委員 十四キロメートル、一万四千メートルですよ。私、そんなところまでよく見られるかどうか、まあ見たこともありませんのでわかりませんけれども高速で航行する航空機の中で、人間の肉眼で見る視角は地上と非常に違うんだということを聞いております。  先ほどちょっと引き合いに出しましたけれども、大臣が参議院の運輸委員長のとき、参考人を呼んでお聞きになったそのときの参考人の意見の中にも、楢林参考人が言っている意見がございますので、それをさらに私、確かめてみました。この中の数字とは若干の違いがありますけれども、計算をしてもらいましたところが、視角四十七秒角では一メートル角の日の丸をとらえて見る場合には四千三百八十七メートルしか見られない。一分角では三千四百三十七メートルで、非常に限定されている。中曽さんの言われるのは一万四千メートルも見られるということなんですが、この辺の違いを御説明してくださいませんか。
  279. 中曽敬

    ○中曽政府委員 私がこの間申し上げましたのは727でございます。いま先生おっしゃいました数字はどういう飛行機の数字か存じませんけれども、私が申し上げましたのは727でございます。
  280. 松本忠助

    松本(忠)委員 私は、こちらに出ている参考人の意見というものと中曽さんの数字の違いというものが一万メートルもあるというところに疑問を抱いている。まだこれはよく検討してみなければなりませんけれども、非常に不思議に思っているわけです。しかもお互いに音速で接近しているわけです。三キロ、四キロというような距離では十秒もかからないことになるのじゃなかろうかと思うわけです。そういう点から考えますと、見張り義務というものを否定するわけではありませんけれども見張り義務によってどの程度安全を抜本的に確保できるのか、私は非常に疑問に思うのです。肉眼だけでは幾らでも衝突するというか、あるいはまたニアミスの機会というものがあるのではなかろうか、こうも思います。また、パイロットによりましては軽視できない一つの問題点としまして、いわゆる操縦中に目まいをするということがある、あるいは疲労の度合いによっては、その変化が視力に来るということも考えられる。また、音速に近い飛行機がお互いに航路相反航する場合に、太陽光線が雲に反射した場合などは大型機からは小型機はまことにとらえにくいし、一方、小型機からは大型機の方を見ることはたやすいというようなことも聞いております。さらにどちらも小型機の場合など、肉眼ではなかなか確認しにくいということも聞いておりますけれども、こうした点から起きた事故というものの一つの例があります。  それは、一九七一年の八月四日にアメリカのロサンゼルス国際空港の付近で起きた空中衝突事故ですけれども、これは旅客機がコンチネンタル・エアライン所属のボーイング707です。一方はセスナです。練習機です。これも灯火に惑わされて空中接触をして、セスナの操縦者と訓練中の二名が墜落して負傷した。一方ボーイング707の方は死傷者がなかったという事故です。これはもうはっきりとした事故であります。  それから、これは現在私が調査中のところでは発生の日時がちょっとまだわからないのですが、アメリカの大型ジェット機、ボーイング707の空中衝突事故がもう一つありまして、これはどちらもボーイング707ということなんですが、一機は高度が一万フィート、もう一方は一万一千フィートで同じ航路を反航していた。で、この両方飛行機の中間に、やや下方に雲があって、太陽の反射光線のぐあいで下方の飛行機からは相手の飛行機が同じ高度にいるように見えた。そこで高度をとって避けようとしたけれども、相手の飛行機が気づくのが遅くて空中衝突して、両機ともに墜落した事故があります。  こうしてみると、見張り義務というのをパイロットに課しても、果たして安全なのかということは言いがたいと思うのですね。そういう点から重ねて私申し上げますけれども見張り義務というのはパイロットに何かこう過酷なことを強いているんではなかろうかというような気がします。そこで先ほども、このことについては防衛庁並びに一般パイロットあるいは航空輸送の会社等の方々も参加して、十分納得の上で決めたのかということを聞いたのはその辺にあるわけなんですけれども、こういう事故はいろいろの例があるわけでありまして、見張り義務を設けるからには、十分考えた上でこのようなことをなすったこととは思うのでありますけれども、その点について航空局長どう思いますか。
  281. 中村大造

    中村(大)政府委員 やはり気象状態を初めといたしまして、千差万別の状況の中での飛行でございますから、常時見張りをいたしておりましても、物理的に前方が視認し得ない場合があり得ることは、これはそのとおりでございます。しかしながらだからといって、そういうケース、があるからということで見張り義務をおろそかにすることは、やはり事故を未然に防止するためには適切ではないというふうに考えます。不可抗力の場合に見張りができなかったということは、これは法律的にやはり期待可能性がなかったわけでございますから、現実に事故が起こった場合の判断といたしましてはいろいろ判断がされるということでございます。  要は、この規定は、事故を防止するためにとにかくあらゆる限りの努力を払って見張りをするということを明文化しておるということでございますから、この規定をいわゆる看板どおりに受け取って努力するのが一番いいのではないかと思います。
  282. 松本忠助

    松本(忠)委員 努力することはわかるのですけれども見張り義務を履行していても回避することができなくて空中衝突した、こうなった場合もパイロットの責任になるわけですか。たとえば今度の雫石自衛隊のようにパイロットが一人しか乗っていなかった、こういう場合もあると思うのです。で、実際には見張りをしていなくても、見張りしていました、こう主張してもそれをうそだと言う人はだれもいない。こういう一人しか乗っていない場合に、見張り義務を履行していても回避することができないで空中衝突したような場合には、これもやはりパイロットの責任というふうになるわけでありますか。
  283. 中村大造

    中村(大)政府委員 これは具体的な場合に、パイロットが前方を視認し得る状態であったかどちかということはその具体的なケースケースで見なければわからないわけでございまして、当然客観的にそういう視認し得ないような状態であったということであれば、その限りにおいては過失の認定というものは不可能になるのではないかと思います。
  284. 松本忠助

    松本(忠)委員 その判定が非常にむずかしいと思うのですね。たった一人しか乗っていない戦闘機のような場合に、見張りしていた、こう言い張った場合に、それをそうでないと言う者はだれもいないわけでありますし、この辺が非常にむずかしいのじゃないかと思うわけですね。  そこで、雫石事故の調査委員会でも報告書の勧告の中で、接近警報装置衝突回避装置の開発、装備を行うことを主張しております。いろいろ私くどくどしく申し上げたように、人間の能力、肉眼で見る能力、それについては限界があると思うのです。そういうどころから、いま申し上げたような接近警報装置とか衝突回避装置というようなものの開発、装備をしなさいというようなことが事故調査委員会でも報告書の中に勧告として載っかっているわけですが、こうした機器の開発というものについてはどのようにお考えでありますか。
  285. 中曽敬

    ○中曽政府委員 この接近警報装置並びに衝突回避装置の開発でございますが、なかなかむずかしい問題であるのでございます。これは主としてアメリカとわが国におきまして開発が進んでおります。アメリカの方がわが国よりかより開発が進んでおります。ただいまの見通しによりますと、一九七七年ごろにはアメリカが開発しておる分は実用化の域に達するであろうというふうな見通しがなされております。一方、わが国において独自に開発しております分は、一九七七年、大体同じ年ごろでございますけれども、これは実用の域にはまだ達しませんで、試作試験を七七年ごろに終了することができるであろうというふうな見通しでございます。  なお、わが国で開発しております分につきましては、運輸省から試験研究補助金を支出しております。
  286. 松本忠助

    松本(忠)委員 やはり人間の目には限界がありますので、こういったものはできる限り早くやるべきではないか、それがやはり調査委員会の勧告の趣旨を入れることになると思います。  それから、改正法の六十条で「航空機の姿勢等を測定するための装置」が規定されております。さらに六十一条、六十一条の二等で、無線電話やレーダー等の装備が明確に示されております。これらの計器類や無線電話、レーダー等が航行中にいずれも故障したという場合が生じたとしたならばいかなる方法で着陸するのか。こうした不測の事故、故障こういうものが機内で発生した場合には、安全に着陸できないようではりっぱな操縦士とは言えないのじゃないかというふうにも考えられるわけです。私はこうしたことも起こり得ると思います。したがいまして、いわゆる曲技飛行とかあらゆるいろいろな練習というものを習得させておかなければならないと思うわけでございますが、航空機操縦練習中にこれに対してどういうふうな対策を立てているのか。全くその計器がだめになってしまった、あるいはいま申し上げたようないわゆる無線電話もだめになってしまったというような事故が起きないのだという保証は全くないと思いますので、こういう場合、いわゆる操縦の練習中にどういうことを具体的に教えているのか、この点はどうでしょうか。
  287. 中曽敬

    ○中曽政府委員 先生の御質問の趣旨が私にはよくわかりかねるのでございますが、曲技飛行をやります場合には、もちろんほかの飛行機に危ない影響を与えてはいけませんので、これは前にもこの席でお話が出ましたように、特に訓練空域というようなものを設けまして曲技飛行の訓練をやるということもありましょうし、あるいは曲技飛行それ自身につきましては、今度の新しい法律でも制限地域を広げまして、いままで航空路あるいは管制圏あるいは人家の密集した直上ではやってはならないということになっておったものを、航空路の部分をもう少し広げまして管制区というふうな表現にしておりますけれども、そういうふうなことを講じまして、つまりほかに迷惑を及ぼさないような状態において曲技飛行をやりなさいということになっておるわけでございます。  それから飛行中に何か機械が故障した場合、計器類が故障した場合にどうするかということでございますが、その場合には、これは結局緊急に着陸するというふうな手を打たざるを得ないと思いますけれども、大体曲技飛行をやります場合には、たとえば練習飛行でございますれば、それなりの教官がちゃんとついておる、いわゆる適宜な判断を行いまして、そしてケース・バイ・ケース、その状態に応じての措置を講ずるというふうなことをやるようにわれわれとしても指導しておるわけでございます。
  288. 松本忠助

    松本(忠)委員 それがなかなか指導だけでできる問題じゃないと私は思うのですよ。やはり練習中にある程度身につけさせなければいけないのじゃなかろうかと思うのです。  そこで曲技飛行の問題でございますが、この間、三月十四日にその問題について同僚議員からも質問が出ました。自衛隊曲技飛行を行っておりますけれども曲技飛行を練習させるという理由ですね、何のために曲技飛行をさせるのか、これはひとつ防衛庁側からまず先に聞きたいわけです。
  289. 友藤一隆

    友藤説明員 御案内のように自衛隊航空機は防空任務あるいは対地支援あるいは偵察、その他緊急時に防衛の用に供するということで特殊な任務を持っております関係上、戦闘行為あるいは防御行為等を当然行いますので、やはりこれに必要な操法といたしまして曲技飛行あるいはそれに類似の隊形についての訓練が必要になる、こういうことでございます。
  290. 松本忠助

    松本(忠)委員 やはり攻撃のために教えているのと違いますか。
  291. 友藤一隆

    友藤説明員 これはその局面局面をとらえますれば、不法に侵入してまいりましたものを排除するという目的のために戦闘行為を行うというような場合も当然あろうかと思われますし、それに対する防御行為というようなものも当然出てくるかと思います。
  292. 松本忠助

    松本(忠)委員 あなたにこれ以上聞いたって、決してそれは攻撃のためだなんて言いっこないわけでありますから、防衛庁の方はそれで一応いいとしまして、運輸省側に聞きますけれども、いわゆる操縦練習飛行のための曲技飛行については、運輸省側としてはどのようにお考えになっているのか。私はこういったものの十分な練習を行っておかない限り不測の状態に対抗できないと思うのです。たとえて言うならば、きりもみ状態に入ったときなど、そのきりもみの状態から脱出するためにはやはり実際上に曲技飛行というものをやっておかなければ、理論だけでは結局畳の上の水泳になってしまって現実にはできないのじゃないか、こんなふうに考えます。こういうような点について航空大学校あたりではどんなふうな指導をしているのか、聞いておきたいわけであります。言うならば航空機操縦というものは非常に感覚的な面が多分にあるんじゃなかろうかと思います。  そうしたことを考えてみたときに、曲技飛行に慣熟することも私は大切だと思います。したがいまして、曲技飛行操縦練習中にどれぐらい行っているものか、どの程度行った者に対して技能証明というものを交付するのか、これをひとつ一括してお答えを願いたい。
  293. 中曽敬

    ○中曽政府委員 現在航空大学校におきましては二年半の課程でございます。したがいまして、航空大学校を卒業いたしまして取得いたします技能証明は、事業用の操縦士の技能証明と、それから計器飛行証明、事業用の操縦士の技能証明は双発の飛行機の技能証明まで取得できるわけでございますけれども、そういうことで教育をやっておるわけでございます。  したがいまして、先生のおっしゃいますような曲技飛行の取得というふうなことも確かに必要なことかと思われますけれども、二年半の現在の修業年限の中におきまして、実は曲技飛行の取得まではやっていないのでございます。  ただし、やっぱり曲技飛行の体験はぜひともさしておく必要があろうということでございまして、曲技飛行のできます教官が各学生を一人ずつ連れまして、そして曲技飛行の体験飛行をやっておるというのが現状でございます。
  294. 松本忠助

    松本(忠)委員 そうすると、全くそういうものは教官に乗っけてもらって一遍経験をしておくというにすぎないわけでありますけれども、私はやはりこの曲技飛行というものをやる必要があると思うわけであります。  そこでいわゆる民間機の方は曲技飛行を行うことのできる空域というものの設定はなされていないように思いますけれども、この空域の設定を必要としないのかどうか。
  295. 中村大造

    中村(大)政府委員 民間用の訓練空域というものは現在三十二カ所設定いたしておりますので、その中でこのような曲技飛行は十分練習ができるというふうに存じます。
  296. 松本忠助

    松本(忠)委員 そうすると、特に指定はしていないけれども、三十二カ所の中なれば曲技飛行をやってもよろしい、こういうことですか。
  297. 中村大造

    中村(大)政府委員 曲技飛行等をやるための、いわゆる訓練空域というものを、これを自衛隊用とは別に民間用の訓練空域を設定しておる、こういうことでございます。
  298. 松本忠助

    松本(忠)委員 それでは時間もありませんけれども、第六十一条の二の三項のところでありますけれども、「航空運送事業を経営する者は、運輸省令で定めるところにより前項の装置による記録を保存しなければならない。」というふうに規定しようとしています。  問題は、ここでこれからこの法律が通って運輸省令が決められる段階に十分検討なされなければならない問題でありますけれども、いわゆるフライトレコーダーであるとか、ボイスレコーダーの保存の期間というもの、これをどのように決めようと考えているのか。運輸省令でいずれは定めなければならないと思いますけれども、このボイスレコーダー、フライトレコーダー、いずれにしても保存するということになると思いますが、この期間、保存の場所、こういったものについてどのようにお考えをしているのか、あらかじめこの点について伺っておきたいわけであります。
  299. 中曽敬

    ○中曽政府委員 フライトレコーダーとボイスレコーダーは保存の期間がやや違います。  まずフライトレコーダーでございますけれども、いろいろ方式がございまして、つまり一つのスチールのテープに刻印していくという方式と、それからテープがリングになっておりまして、エンドレスになっておりまして、そうしてずっと刻印していくというやり方と二通りございますけれども、いずれにいたしましても記録の保存期間は、時々刻々の飛行記録にさらに二十五時間分の飛行記録が追加されるまでの間保存をしなさい。それからボイスレコーダーにつきましては、大体これはエンドレステープになっておりますけれども、時々刻々の音声記録にさらに三十分間の音声記録が追加されるまでの間それぞれ録音しなさいというふうなことを運輸省令で決めたいというふうに考えております。  それからもう一つ、一たん事故が発生しました場合にこの飛行記録装置なり、あるいはボイスレコーダーの音声記録装置なりを回収いたしまして、そうして事故の調査をやるわけでございますが、その調査に当たりましての保存期間でございます。つまり、こわれた飛行機からピックアップいたしましていろいろ調査しますけれども、調査するために保存しなければなりませんが、その保存期間は六十日間または運輸大臣が指定する期間というふうにするつもりでございます。
  300. 松本忠助

    松本(忠)委員 もう一つ聞きたい点がありますが、これは十四日の日にわが党の石田議員も、それからまたきょう久保議員も聞かれたわけでございますけれども航空路の監視レーダー整備計画、これについて、あと残り完成するのはいつなのか、この点ちょっと明確にひとつおっしゃっていただきたい。
  301. 中村大造

    中村(大)政府委員 遅くとも五十一年度中には完成する予定でございます。
  302. 松本忠助

    松本(忠)委員 五十二年三月までには完成できるという確信があるわけでありますね。
  303. 中村大造

    中村(大)政府委員 そのとおりでございます。
  304. 松本忠助

    松本(忠)委員 いま心配するのは、この間石田委員の話にも、またきょうの久保委員の話にもございましたように、自衛隊バッジシステムというものが非常に優秀だけれども、これが使えないということになりました。したがいまして、運輸省としては運輸省自体のものをつくらなければならないわけでありますけれども、いわゆる総需要抑制というような見地からこれがいつも後回しになるわけであります。この点について大臣、確約をして五十二年の三月までに完全にできるということは言えますか。
  305. 木村睦男

    木村国務大臣 厳しい予算ではございますが、交通の安全ということは最優先に考えておりますので、お約束をしたとおりにやります。
  306. 松本忠助

    松本(忠)委員 これはどうしても早い時期にこれを完成しないことには、私ども非常に不安でたまらないと思います。これは是が非でも完成をしてもらいたい、こういうふうに思うわけでございます。  実は第三セクターの問題を当初申し上げましたように準備してございますけれども、若干時間もかかると思いますので、きょうは第三セクターの問題は次回に譲りまして、また日を改めてやりたいと思います。  ただ今度は騒音防止という問題がございまして、この航空機の騒音をいかにしてなくそうか、その規制にいろいろと努力されていることはわかるわけでありますけれども、問題は大阪国際空港のいわゆる第三セクターなるものが完全に動いているかどうかということ、この点について私ども調査をいたしました結果について詳しくきょう申し上げて、また御意見も聞こうと思ったわけでありますが、これは次回に譲りまして、きょうは一応航空法審議の方の部門だけで第三セクターの分は一応後に譲ることにして、きょうは終わりにします。
  307. 増岡博之

    ○増岡委員長代理 次回は、来る二十五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十九分散会