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松本説明員 お答えいたします。
先生御指摘の
航空管制の近代化の一応のめどをどこに置くかという点につきまして、
雫石事故を契機とし、私
どもは
航空審議会に特にこの点を諮問をいたしました。当時
考え得る
技術上のあらゆる
可能性を含めて
検討をお願いしたわけでございます。
その結果、まず、問題になっておりますように、八つの監視レーダーで主要な
航空路をカバーする。次に、このレーダーで得られました
情報をコンピューターで処理をいたしまして、この処理をいたしました結果をレーダーの画面の上に出すようにする。それから次に、現在
管制をいたします場合にフライトプランというものを出しております。このフライトプランに基づいて
管制が現在行われておりますが、その作業が東京
管制部内だけはコンピューターで計算が行われております。しかし、そのほかの
管制部についてはいまだしでございますので、これを全国的に広げる、つまり札幌、東京、福岡、那覇の四
管制部すべてにつきまして、フライトプランをコンピューターで処理をするようにする、これが第二番目でございます。
次に、
管制をいたしますためには、
管制官がパイロットと絶えず無線で連絡をとりながら
管制をいたさなければなりません。ところが、その
事故当時の時点で申し上げますならば、
管制官とパイロットとの間の直接交信が必ずしも十分にとれないという空域が
日本国内に何カ所かございました。したがって、ここをカバーいたしますために、遠隔制御対空通信施設、やや長ったらしい名前でございますが、そういうものをつくる、それを使って
管制官はパイロットと直接随時交信ができるようにする、これにつきましてもこの計画の中に取り込んでございます。
それからさらに、先ほど申し上げましたように、
飛行計画、フライトプランというものが
管制のすべてのもとになりますので、これが迅速かつ確実に所要の
管制機関に配布されなければなりません。これも従来は機械的な中継装置あるいは手動の中継装置、こういうものを使っておりましたが、これを全面的に電子計算機を使った計算装置に切りかえる。
最後に、大きな空港におきましては、やはりレーダーをつけておりますが、このレーダーも同じようにコンピューターで処理をいたしまして、コンピューターで処理された、われわれ荷札つきと言っておりますが、荷札つきの映像をレーダーの画面の上に出す、こういうふうに持っていく、これが全体的な計画でございます。
そこで、先ほど来御指摘をいただいておりますように、この八つのレーダーという点についてはいささか予定がおくれまして、来年度中に五つ、五十一年度中に完成、こういうことでございますが、いまのコンピューターを使う諸般のシステムにつきましては、
技術的な難点はほぼ全部解決いたしました。現在、コンピューターを含め、これらの施設の
整備を行っております。ただし、これらの施設は現在の
管制部には入りませんので、新しく
管制部を建てる。これは那覇は新設で、すでに終わりました。東京は現在建築中でございます。福岡につきましてはきわめて近く入札に入る。札幌も同様でございます。
それから対空通信につきましては、ほぼ一応満足すべき状態にまで
整備を終わっております。
それから、ターミナルのレーダーをコンピューター化することにつきましては、すでに東京、大阪のターミナルレーダーにつきましてコンピューターのつなぎ込みを終わりまして、現在試運転の段階まで参っております。
フライトプランを電子計算機で通報するシステムにつきましては、ネットワークのうち、東京と福岡と大阪につきましては、ほぼ完了いたしました。あと那覇、千歳というところに追加的に設けたい、こういうふうな状況まで至っておるのが現状でございます。