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佐藤(文)
委員 この問題に関して
質問を終わりたいと思いますが、空港整備なり航空路整備の進捗度の調整とか、人件費を含むいろいろな維持運営費の再検討というようなことは、精力的に航空
局長お願いします。これをやることが今後の航空再編成の基盤になるような気が私はいたします。これをやらないで出先の航空三社のダブルトラッキングとかあるいはトリプルトラッキングとかというような問題は片づかないと思いますので、この問題を十分ひとつ検討するということをお願いしておきます。
それから、第二点に移ります。航空再編成の問題であります。現在、三月より東亜の幹線乗り入れ、それから東京−釧路線のダブルトラッキングの問題あるいは東京−大村の東亜の乗り入れ等、こういう問題がいま静かに起こりつつありますね。これは四十七年度の
大臣示達の航空行政の指針に従ってのやり方と思って、これなりに私は賛意を表しております。だがしかし、問題があると思うのです。その問題点だけを私はここで四、五点申し上げたいと思います。
その第一点は、こういつたような昭和四十七年の、あれは七月だったですか、
大臣示達によって、日本の航空三社、日本航空はこういう任務ですよ、全日空はこれですよ、東亜はこれですよ、日本航空と東亜国内との合併は一応これでピリオドを打ちますよ、しかしそれは閣議の了解事項をよく認識して両社協力して今後の共存共栄を図りなさいというような
内容で、それぞれのシェアを決めて一つの示達を出したことは生きていると思います。しかし、その当時の
状況と現在の
状況とはもう変わってきておる、非常に変化しておることもこれもまた事実である。私の
調査では、その当時、東京からの乗客数と大阪の乗客数と調べてみるというと、東京の方が多くて大阪が少なかった。しかし、現時点では大阪の方が多い、東京の方が少ない、こういう変動も起こっておるという。それからだんだんローカル空港の変化というものもあらわれてきて、
鹿児島空港なんというのは、もう国際線としての任務を果たしつつある。幹線という言葉があの中に載っていますけれ
ども、北海道と東京と大阪と福岡が幹線である、こう書いてあるが、幹線というものは何かということもまた、ローカル空港がだんだん充実してくるというと幹線の
内容も違ってきますね。そういうような点から、やはり果たしてトリプルトラッキングというそういうものが今後永続していくのがいいんだろうかどうだろうかという、再検討の時期が、ある時期に来るんじゃないかというおそれが反対論者の中にありますね。これは私はやはり航空行政上、耳を傾けて聞く時期が来ていると思います。この問題が一点。
それから第二点の問題は、日台路線という問題が依然としていま横たわっておる。私はこれは日中共同声明のあの趣旨の範囲内において鋭意努力していくという姿勢をお願い申し上げたいと思います。
可能性がある、こういう私の信念のもとに、日台路線は、これは慎重にその復活に御努力をお願いしたい。九十億円の減収という、これは経済ベースのみならず政治的な面においても大切な路線であると私は思います。こういう問題も、その再開の時期、日中平和友好条約との
関係、そういういろいろな微妙な
関係がございますので、私は日台路線の復活については慎重に、
大臣、
状況判断されて準備をされていくような御決意があるかどうか、こういう問題についてお聞きします。
第三点は、日航と全日空との間に、あの
大臣示達の中に、近距離国際定期問題が横たわっていると思いますね。要するに、全日空というのは近距離のチャーター便でいくんだが、しかし不定期路線までいくのかどうか、そういう問題点も含まれておりますので、国際情勢を十分把握されていく必要が私は再編成問題の根底に流れていると思いますので、これも十分配慮してほしい。
さらに国際
関係で、もうすでにパンアメリカンの株の五〇%をイランが買収したという情報も私に入っております。パンナムとTWAの合併論も入っておるし、BOACという伝統的な航空会社もBEAと合併してBACという名前で羽田に入っておる。日本とイギリスとの航空協定のトラブルが昨年暮れありました。それによって四十五便が三十九便になり、ある時期には二十九便まで減ったといったような変動も起こっておるし、インドネシアの航空交渉の
過程においても東南アジア諸国の国益対等論も台頭しておるし、アラブの国では昨年一年間で七億ドルというのですから二千百億円ぐらいの予算でアメリカから民間機を購入して成田開港のときには乗り込み準備をしているというような情報も入っている。
このような国内と国際のいろいろな問題が加味されたときに航空再編成の問題がやがて起こるわけでございますので、以上の問題点を十分に把握して航空再編成問題に取り組んでいただきたい。その
調査なりその準備体制に取り組んでいかざるを得ない方向にございますので、以上の問題を私はあえて申し上げて、
大臣あるいは航空
局長の再編成問題についてのお考えを聞きたいと思います。