○秦豊君 わざわざ私がこういうことを申し上げましたのも、決して差し出がましいとか、よけいな領分ではなくて、あなたはいま十一月の二十一日、もう全部終わっちゃったと、これで終結だということをあらためて補足されたのだけれども、その点が明確でなかった。それで私が言い出したのは、あれほどの事件を起こし、伝えられるところによれば、あの狭い徳島の空から、およそ十億という金を両派にまたがってばらまいたと、あれほど露骨な、しかも計画的で、しかも末端の
違反の実態というのは素朴きわままる、まさに糸山派に共通するような
違反をおくめんもなく展開をし、これほど大規模な捜査の対象になった御当人が、またぞろ今回、おそらく来年の春または夏、秋を含めて予想されている解散——総
選挙にあたっては、またぞろ出馬をするというふうな動きを現実に示しており、それについて必ずしも否定的な妨害がないということ、こういうふうなことが伝えられているから、念のために伺ったわけです。このことは、これから
左藤政務次官や、お見えになれば
福田自治大臣に伺う。つまり政界浄化、
選挙公営、こういう問題と全部関係していくから、あえて伺ったわけです。
質問を続けますけれども、先ほど同僚
議員の
片山氏から、ここに
大臣がお見えでないということについて冒頭
意見の開陳があったわけです。私も同じような感じを持つんであって、確かにきょうは
衆議院の地行とか各種
委員会がまたがっている。ここは
特別委員会である。やっぱり常任
委員会優先、なおさら衆院優先というのは慣例化されている。このことははなはだしく、現在七議席差、しかもきのうの参議院本
会議が示したように、非常にシリアスな緊迫関係があって、
三木さんがうーんと言った、うなった。たとえば、
委員会段階では賛否同数なんだねと言った、あのようなドラスティックな展開のあった参議院のこの緊張の現状というのは反映されていない。あくまで
衆議院優位である。それは
大臣がお忙しいというのはよくわかる。わかるけれども、二、三日前にある
政府委員のアシスタントの方がお見えになって、まるで既定の事実のごとく、秦さん、
大臣は今度は二十四日の
委員会にはお見えになれませんよと、だれがそんなことを、君はよく知っているなと言ったら、
衆議院の
委員会が忙しいですから、何を君は言っているんだという
意味のことを
お互いに応酬し、直ちに戸田
理事に、このようなことは不見識ではないかと、
福田自治大臣就任第一回の公選法
特別委員会にお見えにならない、これはやはり何らか配慮をしていただきたいというので、わが党の戸田
理事が直ちに各派間折衝に入って、いろいろ申し入れに回った。その結果どうやら、内藤さんのところとうちと含めて、十五分ですか、ぐらいは
大臣があるいはお見えになるかもしれない、ならないかもしれない。このようなことは、私が冒頭申し上げたように、やはりわれわれの参議院の置かれている
状況を正確に反映されていないという
意味で、決してこれは
政務次官軽視論でないということを念のために申し上げながら、私の強い要請として、やはり、しかもあの方が
大臣として初めての
委員会というようなものは、儀式じゃなくて実質として大事にしていただきたいということを念のためにつけ加えてから質問に入りたいと思います。
いまさらではありませんけれども、たとえば藩閥政権の明治十八年から数えて三十九人目の
総理が
田中角榮前
総理であったわけです。まことにスキャンダラスな退陣のされ方をしたということは、私もまことにお痛わしく存じてはおります。しかし、たとえば、一
田中前
総理の退陣をもって一件落着とはまいりませんし、そのことは、私が先ほどから刑事局長に申し上げているように、一後藤田正晴氏にかかる捜査が終結をしたということをもって、またあるいは一糸山
議員もいけにえにされることによって、このどす黒い
選挙の実態とかあるいは
違反のありようが何ら解明されない。まさにこれは氷山の一角のようなものだと。一糸山氏を、一後藤田氏を、一
田中氏をいけにえにすることによって、あとはすべてよしとし、免罪にされるというわけではないからであります。たまたま本
委員会は、まさにそうした
政治と金、
選挙制度を論ずる主舞台であって、やはりこれほど内攻している
国民の皆さんの、七千六百万
有権者皆さんの
政治不信にどう答えていくかということを、うしろ向きにではなくて、少なくとも
各党ともそろった意向として、情熟として前を向いて
考えようと、振り仰ごうというような姿勢にある
委員会として大事にしたいと思うんです。その
意味で
左藤政務次官も、大事に、懇切にざっくり打ち割った答弁をお願いしたいと思うんです。しかもあなたは清潔で偽りのない
政治、信なくんば立たず、言ったことは必ず実行します、こういうことを標榜していらっしゃる
三木内閣の
政務次官であるという立場を踏みはずしていただきたくはないと思う。
そこで、これはもう積年の懸案である
政治資金規正の問題、
片山議員と関連の戸田
理事が聞きましたけれども、まさにこれは私
たちに与えられている絶好の機会ではないかという感じがいたします。大体私はそのような立場に立って幾つか時間のある限り御質問をしてみたいと思いますが、先ほどから伺っていまして気になりますのは、
左藤政務次官、われわれは
事務当局だと、やっぱり与党の中で、あるいは
総理との間で、これを待っているわれわれは受けざらにすぎないと。まあ事実そのようなものもあるでしょうけれども、やはりぼくは一方では自治省当局が、特に
福田自治大臣を先頭にして、
三木さんだと、今度は風が吹くかもしれないというので、なみなみならぬ意欲をお持ちとも仄聞しています。いままでとはさま変わりしているんでしょう。だから
政治資金規正に取り組む姿勢も当然違っていいと思うんだが、通常
国会には何が何でも
政治資金規正の
改正案を出したいというところは、これは間違いないでしょうな。