○植木国務大臣 まず最初に、私、このたび
総理府総務長官並びに総合交通
対策担当の国務大臣となりました植木でございます。よろしく
お願い申し上げます。
ただいま御指摘がありましたように、交通遺児の方々、たいへん困った境遇の中で御苦労をされているわけでございまして、いま総理府の
調査の結果、あるいはまた育英会での想定の模様などをお伺いいたしましたが、厚生省が昨年
調査いたしましたものによりますと、全母子家庭数六十二万六千二百世帯のうち、
交通事故世帯は五万五千世帯である、こういうふうになっております。
そこで、この遺児に対する
対策でございますけれ
ども、これは原則的に申し上げますと、先ほど室長のほうから申しましたように、交通遺児以外の災害遺児及び母子家庭遺児というのがたいへん多いわけでございまして、したがって、現行の社会保障諸施策の中でこの交通遺児
対策も行なわれなければならない。同じような非常にお気の毒な境遇に、それぞれあられるわけでございます。
ただ、交通遺児に対しましては、御
承知のとおり
自動車交通に関連のあります基金を財源といたしまして、これを何とか御援助していこうということで、現在も自賠責の特別会計の
運用益を財源といたしまして昨年十二月
運輸省において、特殊法人
自動車事故対策センターを設立いたしまして、義務教育終了前の交通遺児に対し育英資金の貸し付けを行なわせております。また、
民間の育英団体であります交通遺児育英会に対しましても補助を行なっている
現状でございます。この補償をさらに厚くすることは重要であると
考えておりますので、御
承知のとおり、昨年の暮れには自賠責保険の保険金限度額を五百万円から一千万円に上げたわけでございますけれ
ども、これをもっと上げるという努力をいたさなければならないと
考えているのでございます。
なお、いま育英問題について
お話がございましたが、この交通遺児育英会におきましては自賠責特別会計から今
年度は一億円補助いたしまして、同時に
民間から三十億の寄付を受けまして、高校生、大学生の交通遺児四千人に対しまして月額五千円から二万円の育英資金を貸し付けております。また特殊法人の先ほどの
事故対策センターには、これは自賠責特別会計から十五億五千万円の補助をいたしまして、義務教育終了前の交通遺児に対しまして、約千九十人でございますけれ
ども、一時金六万円、月額五千円という育成資金の貸し付けを行なっているという
実情でございます。これらは、いずれも対象となる遺児の方々が、まだまだおられるわけでございますので、その対象の人員をもっと増加しなければならない、このように
考えております。