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佐々木静子君 私もあまりいまの国際情勢から事を考えて御答弁はしいていただこうとは思わないのですが、いま
在日韓国人のことを
お尋ねいたしましたが、
在日朝鮮人に対する問題ですね、そういうことについて、やはりこれはもうすでに
韓国政府は一方的な
発表で被疑者としておる。そういうふうな微妙な国際情勢に立たされており、朝鮮総連のほうでは、もちろんとんでもない事実無根であるという
発表もしておられ、
本人からも全然
関係はないということを明白に断言しておられる。そういうふうな複雑な情勢の中で、これは
金大中事件のときもそうであったけれ
ども、
日本にとって全く降ってわいたような非常にむずかしい
立場に立ち一非常に朝鮮半島で起こっておる不幸な事態というものがそのまま
日本に持ち込まれて、いやでもおうでも踏み絵をしいられるというふうな
立場にいま
日本政府は立たされておると思うわけです。
これは非常に結論的なことを申し上げますが、私は今度の
事件を通じて、ここでやはり
日本政府がいまの
外務省の御答弁のような姿勢では、とてもこの問題の解決はできないのではないか。いまのような非常に
韓国の
出先機関であるかのごとき態度でいる限り、これは
日本の場においてたいへんな紛争が持ち込まれるのではないか。また、それによって今後、
在日朝鮮人あるいは
在日韓国人というものがどのような
立場に置かれるであろうかということを非常に懸念すると同時に、また、その問題に好むと好まざるとにかかわらず多くの
日本人が巻き込まれる。吉井さんが今度の
事件ではたまたまこういうことになっておるわけですけれ
ども、そういう
事柄だけじゃない、いろんな問題に巻き込まれる。しかも、それについていまの刑事局長のような御判断を示されておられる限り、これはたいへんな事態が起こってくるのじゃないかというようなことを非常におそれるわけです。
これはほかの委員からもまたその点について御
質問があると思いますので、私はそれ以上深くは申し上げませんけれ
ども、ともかくこれは橋本
先生も白木
先生も
大阪の御選出ですが、私もこの間から
東京と
大阪を往復いたしまして、
東京と
大阪は何と距離が離れているかということを痛感したわけです、非常に近いつもりであったところが。というのは、この
東京におりますと、全く机上の空論としてこの
事件が取り上げられている。正直言ってマスコミの方にしろ何にしろ、非常に理屈だけで感じておられる。しかし
大阪に着けば、これはあの人がこうなった、どうなった、あの人はいまあぶないんだ、ああなった、こうなったということで、たちどころに具体的な問題として、たとえば金大中対策
委員会などには連日千人からのデモが来る。殺してやるという通告がきておる。
私は、その言ってきておるほうのことはここでは言っておらぬわけですけれ
ども、これは
日本政府に責任があると思うのです。そしてもしそういう事態が起こったならば、
在日韓国人の中に犠牲者が出るということも私は非常に憂慮すべき
状態だと思うし、またそれとともに、関連している
日本人がどういうことになるかということも、やはり
日本政府はもっと考えるべき問題だと思う。のんきなことを言っておる
状態じゃないということ。
たとえば金大中対策
委員会につとめておった某氏などは、これは
文世光とはほとんどつき合いがないわけなんですけれ
ども、それでもその金大中対策の
仕事をしておったというだけのことで連日連夜押しかけられて、もう家にも全然おられない。ある店を出しているのに、店もずっと締めたままになっておる。
アジア局次長はのんきなことをおっしゃるけれ
ども、たいていの人は生活もかかっておるのですし、どうにもならないわけです。生野区などというのは、
日本人よりも
在日朝鮮人とか
在日韓国人の方のほうが多いわけです。そこで激しい二つの対立、それからあるいはこれは
韓国内部の二つの対立という考え方もできないではない。それらの対立の中に、
在日韓国人が困られるということももちろんのことながら、全然
日本人も無縁の
立場でおれるはずがないわけなんです。やはり
日本の外交はもう少し朝鮮問題について本気になって考えていただかないと、これはたいへんなことになると思うのです。
ともかく黙っておれ黙っておれ、言われっぱなしでもいい、何でもいい、みんな
日本が悪いのだと、それはそれで現地の
大使は御安泰でしょう。しかし、そういうことになったならば、
日本の国内に六十何万という
在日韓国人の方、朝鮮人の方がいらっしゃる。そこの中でどういうトラブルが起こるか。そしてまた、これは私は
日本人にそもそも歴史的に責任があることながら、反日感情というものはこれはぬぐい切れないものである。その反日感情というものが、この
事件を契機にして再び盛り上がるという危険もある。むろん、すべての方がそう思っていられるというのじゃ全然ないです。非常に友好的な考えをお持ちの
在日朝鮮人の方もあれば、
在日韓国人の方もある。また
日本人の中でも、これから非常に朝鮮民族の方と友好的な
立場に立ってやっていきたいとこいねがっている人が、
日本人のうちのほとんどすべてじゃないかと思うのですけれ
ども、それが、
日本外交が全く行き当たりばったりの精神分裂の
立場をとっているばかりに、たいへんな犠牲をみんながしいられている。
私は実は、
大阪の新聞社の記者の方々にきのうの夕方お会いして、深夜
東京の新聞社の方々にお会いして、こんなに
東京と
大阪とがほかの国のように離れていると思ったのは、これが初めてだということを申し上げたい。特にこの国会とかこういう建物の中にいると、またそこが非常にずれがある。そういう
意味において、
外務省は役所の中の机に向かって日韓
関係を考えている限り、これは
在日朝鮮人も
在日韓国人も、そして
日本人も含めて、不幸のどん底に追い込むことになるということ、第二第三のテロ
事件だって起こらないとは限らない。もっと真剣に考えてもらわないと困ります。
韓国に対する外交路線を一つの党利党略、自由民主党だけじゃない、そのうちの派閥の利益のために
韓国外交を推し進めることによって
日本国民を売り渡すようなことになりかねないわけです。もっと
外務省はしっかりしてもらわないと困ると思います。
これはいま私最後に申し上げようと思っていたことを先に申し上げたわけですが、これに関連して
警察庁にちょっとお伺いしたいのですが、拳銃の
事件というものがたいへんに、この拳銃が
日本の警官が所持しているものを盗まれたのだということから、これは
日本政府に責任があるし、ひいては
日本人が悪いのだということの最も重要な根拠の一つにされておるわけでございますけれ
ども、この捜査の
状態はその後どうなっているのか、わかる範囲でお答えいただきたい。