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1974-08-09 第73回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和四十九年八月九日(金曜日) 午前十時四十六分
開会
—————————————
出席者
は左のとおり
委員長
寺本
広作君 理 事
大谷藤之助
君 林 ゆう君
上田
哲君 鈴木 力君 委 員 岡田 広君 源田 実君 戸塚 進也君
中村
太郎君
中村
波男
君 野田 哲君 秦 豊君 太田 淳夫君 峯山
昭範
君 河田 賢治君 内藤 功君
中村
利次君
国務大臣
国 務 大 臣 (
総理府総務長
官)
小坂徳三郎
君 国 務 大 臣 (
行政管理庁長
官)
細田
吉藏
君
事務局側
常任委員会専門
員 相原
桂次
君
説明員
人事院総裁
佐藤
達夫
君 人 事 官 島田 巽君
人事院事務総局
給与局長
茨木 広君
人事院事務総局
職員局長
中村
博君
行政管理庁行政
管理局長
木下 薫君
労働大臣官房長
青木勇
之助君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
国家行政組織
及び
国家公務員制度等
に関する調 査 (
一般職
の
職員
の
給与
についての
報告
並びにそ の
改定
についての
勧告
に関する件)
—————————————
寺本廣作
1
○
委員長
(
寺本広作
君) ただいまから
内閣委員会
を
開会
いたします。
国家行政組織
及び
国家公務員制度等
に関する
調査
のうち、
一般職
の
職員
の
給与
についての
報告
並びにその
改定
についての
勧告
に関する件を
議題
といたします。 まず、
人事院
から
説明
を聴取いたします。
佐藤人事院総裁
。
佐藤達夫
2
○
説明員
(
佐藤達夫
君) 先般の
給与勧告
につきまして、
説明
御聴取の
機会
をお設けくださいましたことに対しまして、まず厚く感謝をいたします。 私、お配りしてあると存じますけれ
ども
、「
給与勧告
についての
説明
」という、これを見ながら申し上げますので、お手元にございましたらごらんになりながらお聞き取りを願いたいと存じます。
人事院
は、昨年の
報告
におきまして、
官民比較
についていわゆる
総合較差主義
、これの変更について
検討
したいということを明らかにしたのでございますが、その後慎重に研究を重ねました結果、結論として、
官民給与
の
比較
は
官民双方
の大部分を占める
職種
、すなわち
公務員
については
行政職
、
民間
にあってはこれに
相当
する
職種
の
職務
に従事する者の
給与
についてこれを
比較
することが適当であると認めました。 その結果、
公務員
に関しては、
行政職俸給表適用者
の本年四月における
給与
、なお
民間
につきましては、やはりこれに対応いたします
事務
・
技術
、技能・
労務関係
の
職務
に従事する者の四月分に
給与
、これを調べまして、つき合わせて
較差
を算定いたしました次第でございます。 その結果、本年の
官民給与
の
較差
は一八・六二%であることが明らかとなりましたので、この
較差
を埋めるため
給与改定
を行なう必要があると認めたわけでございます。 なお、いま申しました
官民給与
の
較差
の算定の
基礎
になりました
行政職俸給表適用者
の
給与
の
月額
には、本年五月の
勧告
によって
改善
いたしました一〇%の
引き上げ分
を含んでのものでございます。したがいまして、その一〇%の
改善
をのけてその前の形で
比較
をいたしますというと、
官民給与
の
較差
は二九・六四%ということに相なります。 次に、本年の
給与改定
にあたりまして、特に
俸給表
に
重点
を置いたことは当然でございます。しかし、諸
手当
につきましても種々の
配慮
を加えることにしております。 まず、
俸給表
の
改善
につきましては、全
俸給表
の全
等級
にわたって
改善
を加えましたが、特に
初任給
及び
中位等級
の
改善
について
重点
を置きました。
初任給
については、
民間
との均衡を考慮いたしまして、
一般
の
事務
・
技術系
の場合につきましては、
大学卒
の場合七万円といたしました。
高校卒
の場合五万九千二百円といたしたわけでございます。 なお、試験による
採用者
の最初の
昇給
につきまして、その
昇給期間
を三カ月短縮することができるようにいたしたいと
考え
ております。 次に、諸
手当
の
改善
でございますが、
扶養手当
につきましては、
配偶者
以外の
扶養親族
についての
手当額
の定め方を改めました。と申しますのは、御
承知
のように現在は
配偶者
に
幾ら
、子のうち二人についてそれぞれ
幾ら
という形をとっておりますが、今回は子供を
特別扱い
をするというような形をやめまして、単純の
順位制
に改めて、しかもそれぞれ
配偶者
は五千円とか、あるいは
配偶者
以外の
扶養親族
のうち二人はおのおの一千五百円というようにその額を
引き上げ
ております。 右のように
順位制
に改めました結果といたしまして、従来、
父母
というような者については一人当たり四百円ということになっておりましたけれ
ども
、
順位制
に改めました結果、
父母
を養っております
関係
につきましても、
父母
が結局千五百円もらえる、あるいは三千五百円の場合と千五百円の場合と、まあ詳しいことは省略いたしますけれ
ども
、結局五千円
父母
の分としてもらえるというような形になりましたことが大きな
改善
であると存じております。要するに、
独身者
が
父母
を扶養しているような場合について、
相当
優遇される結果になるわけでございます。 次に、
住居手当
でございますが、これは従来の家賃、間代を支払っておりまする
職員
に対する
手当額
を
改定
いたしまして、これを
引き上げ
ております。と同時に、長年の懸案でございました
自宅居住者
についての
住居手当
の
支給
ということを初めてここに踏み出した次第でございます。その
内容
は、みずからの所有にかかる
住宅
に居住する世帯主である
職員
に対しましてこれを
支給
する。
支給
の
月額
は千円。なお、これに加えまして、
住宅
を新築、購入した
職員
については、その
住宅
を取得後五年に限り千五百円を加算するということにいたしたのであります。 次は、
通勤手当
でございますが、これも
交通機関等利用者
の
関係
及び
自転車等
の
交通用具使用者
についても、
民間
の
支給状況等
を考慮して
改定
いたしました。
交通機関等利用者
の場合につきましては、
全額支給
でとらえて申し上げますと、従来の
限度額
五千円でありましたものを今回八千円に
引き上げ
たわけです。なお、
加算額
その他の場合の
最高支給限度額
についても
改善
を加えております。
自転車等
の
交通用具使用者
につきましても、
片道
十キロメートル
未満現行
千百円のものを今回千三百円に
引き上げ
るというようなことで、以下
片道
十キロメートル以上につきましての、あるいは通勤不便と認められる者の場合についての
措置
、
手当
というようなものをそれぞれ
引き上げ
ております。 なお、
交通機関
と
自転車等
の
併用者
についても同様といたしております。 次に、
宿日直手当
でございますが、これについては
支給額
をそれぞれ
引き上げ
ております。通常の
宿日直勤務
については一回について千三百円、
更生援護施設等
における特殊な
宿日直勤務
につきましては一回について二千円、
矯正施設等
における特殊な
宿日直勤務
については一回につき二千六百円、
常直勤務
につきましては、
月額
でございますが、これは九千円に上げております。なお、
矯正施設
におきます
監督当直
の補助を行なう
勤務
などにつきましては、
勤務
一回について二千円の
手当
を
支給
することといたしております。 次に、
期末手当
につきましては、結局
民間調査
の結果〇・四月分ふやす必要を認められました。その結果、六月の
支給割合
を一・四月分といたします。十二月の
支給割合
は二・一月分といたします。さようにいたしまして、結局、
期末勤勉手当
の
年間支給割合
は現在の四・八カ月が今回五・二カ月分になるわけでございます。 次に、
医師
及び
歯科医師
に対しまして
初任給調整手当
を現在
支給
しておりますが、そのうち、従来から非常に高い
手当
を
支給
しておりました
医療職俸給表
(一)の
適用
を受ける
人々
、この
人々
に対する
初任給調整手当
の
支給月額
を、さらに
限度額
を
引き上げ
まして今回十三万円といたしました。 次に、これは新しい
措置
でございますが、
医療職俸給表
(一)以外の
俸給表
の
適用
を受ける
医師
及び
歯科医師
、たとえば
医系
の教官などがそれに含まれますが、これらの
人々
につきましては、従来普通の
技術系
の
初任給調整手当
を
給与
しておりましたのを改めまして、これを
相当
に
引き上げ
まして、
初任給調整手当
の
支給月額
の
限度
を二万五千円といたしまして、これを二十年の間に漸次減らしていくということにいたしております。 なお、
特殊勤務手当
につきましても、たとえば
看護婦
の
夜勤手当
の増額その他につきまして、
手当額
の
引き上げ等所要
の
改善
を行なうこととしております。 以上のうち、
官民
の
給与
の
比較
の
基礎
となる
行政職
の
給与
についての
改善
は、
俸給
で一五・八七%、諸
手当
で一・八五%、その他で〇・九〇%、計一八・六二%、
平均
二万一千三百八十五円となります。 次に、昨年の
報告
で言及いたしました事柄につきまして申し上げますと、まず
給与
の
支給手続
について言及したのでありますが、これについては、
給与
の全部または一部を
口座振り込み
によって支払うことができることにいたします。その場合は、
職員
が休職にされた場合、遠隔の地に
勤務
する場合、その他
相当
と認められる場合で
職員
から申し出があったときはこの
口座振り込み
にすることができるというようなことにいたすつもりでおります。なおもう一つ、
職員
が
死亡
いたしました場合におけるその月の
給与
の
支給
について、その
死亡
の日までの
日割り計算
によっておりますのを、従来そうなっておりますのを改めまして、その
死亡
の日の属する月の
給与
の
全額
を
支給
することといたしております。 なお、かねて
検討
を続けてまいりました
調整手当
の
支給地域区分
の問題、
俸給
の
調整額制度
及びその
適用
の
適正化
につきましては、なお引き続き
検討
することといたしております。
実施月
につきましては本年四月一日といたしております。ただし、
宿日直手当
及び
期末手当
については本年九月一日からということにいたしております。 なお、昨年触れました
週休
二日
制等
の問題でございますが、
民間
における
勤務
時間及び
週休制度
の実態についてさらに今年も引き続き
調査
いたしましたところ、この一年間に
週所定勤務
時間の
平均
は約一時間短縮されておること、同時にまた
週休
二日
制実施事業所
の
割合
が、去年に比べまして約一・六倍に増加いたしまして、結局五八・八%にのぼっておることが明らかになりました。
職員
の
週休
二日
制実施
につきましては、昨年の
報告
において
も本院
の
考え
を明らかにするとともに、
関係
諸
機関
と協議を続けてきたのでございますが、その結果、現在なお多少
検討
を要する分野が残ってはおりますけれ
ども
、一方、上述のとおりに
民間
における
普及状況
は顕著なものがございます。本院としては、当面、時間短縮を伴う隔週または月二回を基準とする
週休
二日制の
実施
を
目途
といたしまして、
行政サービス
の維持その他の諸
条件
に留意しながら、
テスト——試行
についての計画を策定いたしますなど、
関係
諸
機関
との緊密な連携のもとにさらにその
具体化
のための
検討
を進めるつもりでおります。 以上御
説明
を一応終わりますが、なお一言つけ加えて申し上げたいと思います。 今回の
勧告
につきましては、
人事院
としては、かねて
参議院選挙
後の
臨時国会
のありますことを想定いたしまして、
民間調査
の締め切りを繰り上げますなど、
早期勧告
の
決意
をもってその作業に臨みますとともに、さらには当
委員会
の御決議もありました。われわれ、
ほんとう
に死にもの狂いの
努力
を続けてまいりました。その結果、従来の実績に比べますというと二週間ないし三週間早く
勧告
を申し上げることができたのでございます。 かくして、
勧告
に際しましては、その
早期
の
実現
について
総理大臣
その他
関係
の向き向きに
格段
の御
配慮
を
お願い
し、また
総裁談話
でもそのことを強く要望したのでございますけれ
ども
、御
承知
のような事情によりまして、その
実現
の
機会
を得ませんでしたことば返す返すも残念に存じます。
民間企業
の
従業員
がすでに大幅の
引き上げ
を享受しております今日、
公務員給与
がこのまま据え置かれるということは、私
ども人事院
の
立場
としてはとうてい忍び得るところではございません。本年五月一〇%の
暫定措置
はいたしましたけれ
ども
、それを加えましても、何
ぶん国家公務員
の
平均年齢
は約四十歳弱、三十九・六歳、そしてその
平均給与月額
は十一万、十二万程度にすぎないのでございます。現下のきびしい
生活条件
のもとにおきまして、そのままこれが年末まで放置されるというようなことになっては、私
ども
としてこれはたいへんなことだと
考え
ます。 つきましては、ぜひ
国会
及び
内閣
の
格段
の御
配慮
によりまして、本
勧告
が一日も早く
実現
いたしますように、この
機会
に衷心から
お願い
を申し上げる次第でございます。
寺本廣作
3
○
委員長
(
寺本広作
君)
速記
をとめてください。 〔
速記中止
〕
寺本廣作
4
○
委員長
(
寺本広作
君)
速記
を起こしてください。
—————————————
寺本廣作
5
○
委員長
(
寺本広作
君)
行政管理庁長官
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
細田行政管理庁長官
。
細田吉藏
6
○
国務大臣
(
細田吉藏
君) 私、去る七月十六日、
保利茂
前
行政管理庁長官
が突然辞任になりまして、後任として任命を受けました
細田吉藏
でございます。 本日は、
内閣委員会
の貴重なお時間をお与えいただきまして、たいへん恐縮に存じております。
行政管理庁
の
仕事
は、もちろん私初めてでございまして、
国会
に出ます前に二十年ばかり
行政官
としての
仕事
をしてまいったのでございますが、もう
ほんとう
に新しい
仕事
に取り組まなければならない。しかも、私
ども
の
行政管理庁
の
仕事
は、
行政管理
の面といい、監察の面といい、こういう時代に
国民
のサイドに立って
行政
の姿勢を正していくという非常に大切な
仕事
だというふうに
考え
ておるわけでございまして、至って非力でございますし勉強も足りない点が多々あると思いますが、最善の
努力
を払いたいと、
ほんとう
に真剣に取り組んでまいりたいというふうに
考え
ておる次第でございます。 どうぞ、
委員長
はじめ与野党の
内閣委員会
の諸
先生方
の格別の御指導と御鞭撻をちょうだいいたしますように
お願い
を申し上げる次第でございます。どうぞよろしく
お願い
いたします。 ありがとうございました。(拍手)
寺本廣作
7
○
委員長
(
寺本広作
君) 暫時
休憩
いたします。 午前十一時四分
休憩
—————
・
—————
午前十一時三十三分
開会
寺本廣作
8
○
委員長
(
寺本広作
君) ただいまから
内閣委員会
を再開いたします。
小坂総理府総務長官
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
小坂総理府総務長官
。
小坂徳三郎
9
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
小坂徳三郎
でございまして、
総理府総務長官
を拝命いたしております。今後またよろしくひとつ。 なお、本日は
閣議
に引き続きまして
経済閣僚会議
がございまして、そのために当
委員会
に
出席
がおくれましたことをおわび申し上げます。
—————————————
寺本廣作
10
○
委員長
(
寺本広作
君)
休憩
前に引き続き、
一般職
の
職員
の
給与
についての
報告
並びにその
改定
についての
勧告
に関する件を
議題
といたします。 これより
質疑
を行ないます。
質疑
のある方は順次御
発言
を願います。
上田哲
11
○
上田哲
君
参議院選挙
が終わりまして、直ちに
国民
の負託にこたえるべき熱い
議論
がかわされるべきであった
臨時国会
にい
所信表明
も行なわれず、また何の
審議
も行なわれなかったということは、はなはだ遺憾なことであります。私
ども
も初めて
閣僚
とここに接することになりますので、
主務委員会
への
立場
で御
出席
をいただいている
総務長官
から、この点についての御所見を一言承りたいと思います。
小坂徳三郎
12
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
参議院選
後の
国会
の
運営
につきましては、それぞれ
各党
においていろいろと御
折衝
があったと承っておりますが、その
会期等
につきましても、また、
会期
の中における
各党
それぞれの
問題処理
にあたりまして、私も十分には
承知
いたしておりませんけれ
ども
、
国会運営
につきましての今後の
あり方等
については、なおいろいろと反省すべき点もあったやに
考え
ておる次第でございます。
上田哲
13
○
上田哲
君 そこで、非常に具体的に問題になるのは当面の
人事院勧告
でありまして、時間の制限もつけられておりますし、また
同僚議員
からもこまかく
内容
については
質疑
が行なわれるので、大綱についてだけ承っておきますけれ
ども
、せっかく
国会開会
中に提出された
人事院勧告
に基づく
公務員
の
給与改定
が、このままじり押しになっていくということは、あげて
政府
の責任であると思います。
総務長官
としては、ある
意味
ではこれまでになく思い切ったとも言われている
勧告
について、当然
完全実施
、しかもすみやかにこれを行なうという
決意
を
表明
されなければ、いま申された
臨時国会
に
審議
を行なわなかったという、国務に停滞を来たしたということに対する責めは免れないだろうと思うわけであります。この
人勧
について
完全実施
、しかもすみやかにこれを行なうという
決意
を、具体的に
表明
いただきたいと思います。
小坂徳三郎
14
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
人事院
の
勧告
を七月の二十六日にわれわれは受領いたしました。七月三十日の
閣議
におきまして、私から
内容
についての
報告
をいたしました。直ちに同日、
給与関係閣僚会議
を開催いたしました。
人事院勧告
について、
担当関係閣僚
から自由な
意見
の
討議
をいたしたわけでございます。その
時点
において、すでに
国会
の
会期
も
決定
されておりました
関係
もありまして、私、きわめて個人的にはいろいろ
考え
を持っておりましたけれ
ども
、この
給与法案
についての今
国会提出
はとても時間的に不可能という判断をいたしまして、同時にまた、
給与関係閣僚会議
におきましても、今回の
人事院勧告
については、
相当
に大幅であるし、しかもまたその影響するところも大きいというような
意見
が多く出されました。
財政措置
その他についてもいろいろな
意見
が出されたことは事実でございます。しかし、結論的に申し上げるならば、私はじめ
政府
は、誠意を持って
人事院
の
勧告
に対処するという
基本方針
は、従来とは変わっておりません。またそうしたことを踏まえまして、同時に
国会
の
会期等
の
関係
も
考え
ますると、この
給与関係閣僚会議
におきまして、大幅な
勧告
であればあるほど十分な
議論
を尽くすのが、また将来の
人事院勧告
に対する
政府
の対処の
基本
にもいい影響があると私は
考え
ております。しかし同時に、だからといってこの
閣僚会議
の
決定
をずるずると引き延ばす
意思
は全くございません。また各省におかれても、非常に精力的に現在問題を詰めておると聞いております。そうした二とを踏まえまして、できるだけ早く
給与関係閣僚会議
をさらに開催をしてもらいまして、これは
官房長官
が主催いたしますが、開いてもらいまして、そして
決定
がなされるならば、
閣議決定
にまで直ちに持ち込み、
法案
を作成し、そして
国会
に提出する、
国会
の
会期等
について、またそれぞれ党の御
折衝
の中で
決定
される時期を待つというふうに
考え
ております。
上田哲
15
○
上田哲
君 ただいまの御
答弁
は、
完全実施
、すみやかな
実施
という点についての積極的な
意欲
の
表明
と受け取ってよろしいわけですか。
小坂徳三郎
16
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) そのとおりでございます。
上田哲
17
○
上田哲
君 そうしますと、この問題についての
次期国会
の見通しはどうなりますか。
小坂徳三郎
18
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) この
国会
の
開会等
につきましては、やはり党のほうで主導的に
決定
されるものだと
考え
ておりますが、もちろん、ただいたずらに長く延ばしていくということは私は期待するものではございません。何らかの形における
公務員諸君
の
給与改定
というものが
早期
に
実施
されるということは、当然これは
国会運営
の中においても十分
配慮
されてしかるべきものというふうに
考え
ております。
上田哲
19
○
上田哲
君
国会
の信頼の回復ということが、今日全院を通じての急務であると思っておりますし、この点では
小坂長官
のステーツマンシップの高さに大いに期待を持ちたいところでありますが、
総務長官
という
立場
で、つまり
内閣
の大番頭という
立場
も含めて、単に
人勧
問題に限らず
次期国会
がどのような段取りでいつを
目途
とするのかというような、何らかの
意思表示
がなされることも
二つ
の
意味
であろうと思います。それらも含めてもう一言承りたい。
小坂徳三郎
20
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) いまこの
時点
で、はっきりしためどを申し上げる
用意
はございませんのでお許しをいただきたいと思います。
上田哲
21
○
上田哲
君 時期はともかくとしても、これを
完全実施
、すみやかな
実施
ということが積極的な
意欲
であるというふうにお認めになる以上、
財源措置
というものはどういうふうにお
考え
ですか。
小坂徳三郎
22
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
財源措置
につきましては、昨日も衆議院の
内閣委員会
におきまして、
大蔵大臣
よりいろいろと
答弁
されておりました。私はそうした
議論
の中から見て、
財源
についての
用意
はなし得るし、また
補正予算
を組む段階において、十二月以降それが成立するならば可能というふうに
考え
ております。
上田哲
23
○
上田哲
君 あえて繰り返しますけれ
ども
、私はこうした重要な
勧告
、あるいは
内容
の重要さを持っている
勧告
が出された場合の、たとえば閉会中の
特別措置
というようなものについても、
国会
が機能的な
運営
を果たすためには何らかの考慮がなされてしかるべきだというふうにも思っているわけですが、このことはあえて差し控えましょう。いずれにしても、いまのかなり前向きであると理解をすべき御
答弁
をそのとおり受けて、
完全実施
、すみやかな
実施
、そのための
財政措置
を講じつつ、
臨時国会
に積極的に、
意欲
的に取り組むのだというふうに重ねて受け取ってよろしいわけですね。
小坂徳三郎
24
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
上田委員
のただいまの御
発言
どおり受け取っていただいて差しつかえないと思います。しかし、一言だけ申し上げたいのでございますが、昨日の
大蔵大臣
よりの
答弁
を聞いておりましても、今度の
財源措置
というものは、
国家公務員
並びに
地方公務員
を含めますと、実に二兆をこす
財源措置
を必要とするということもございます。したがって、また今後の問題等踏まえて、現在、各
閣僚
の間でこの問題について
十分討議
をなされる時間を、この現
時点
においてもう少しいただくということは、将来のためにも非常に必要なんではないかというふうに、私個人的に
考え
おりますことを御了解いただきたいと思います。
上田哲
25
○
上田哲
君 わかりました。
財政措置
については
関係方面
とのさまざまな、慎重な
討議
も必要であるけれ
ども
という前提の上で、
政府
としては、この
勧告
について可及的すみやかに
完全実施
という
立場
で全力を尽くすという御
答弁
が前向きに得られたことをたいへん了といたしまして、今後の御
努力
を特に要請をしておきたいと存じます。 時間の
関係
が、非常に当初予定したものより狭められておりますので、ぼんぼん飛ばなきゃならぬということと、それから、
内閣委員会
も多岐にわたっておりまして、
総務長官
にもいろいろとお聞きしなきゃならぬので、ひとつお答えを
お願い
いたしますが、最近の報道によりましても、
総務長官
の御提案で、
総理府
の中に
物価安定懇談会
、
物価問題調査会
の
二つ
の
諮問機関
が設けられることになったと、これは四十四年の五月二十日の
閣議決定
に基づいて
物価安定政策会議
が設置されているわけでありますが、ここにこうした
二つ
の
機関
が設けられるということになりますと、まあこれは狂乱の物価高でありますから、あらゆる
立場
からこの問題の鎮静にアプローチされることはけっこうでありますけれ
ども
、どうもこれまでのものとこの
二つ
の
機関
との
関係
がわからない。決して水をかけるつもりはさらさらありませんけれ
ども
、屋上屋を重ねるというようなことになるのでは
意味
もないし、その辺がどういうふうな具体的な機能を発揮されようとし、どのような成果をもくろんでおられるのか。最終的には、大ぶろしきを広げてくれとは言いませんけれ
ども
、具体的にこの物価問題に対して、これまでにない
政府
機能としてのどのような活動が期待されるのかということをひとつ御
説明
をいただきたいと思います。
小坂徳三郎
26
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) ただいまの御質問の件でございますが、これは
内閣
としてこの物価問題に対して、十分これからの
努力
を積み重ねていかなければならないという一つの大きな
意思表示
でございます。また同時に、
国会
が開催されておらないという段階の中で、新しくこの際、
政府
が主導権を持った形で
二つ
の懇談会と
調査
会を置くということ自体も、もちろんこれは
国会
が開かれておればその場で十分御
説明
申し上げるわけであったのでありますが、一面には
国会
がないというようなことを踏まえて、しかし早急にこの物価問題に対しての
政府
の具体的な姿勢を明確に出すべき必要にわれわれは迫られているという認識に立っておるものでございます。それで、ただいまも御質問ございましたが、中山伊知郎先生を中心にする物価の安定
会議
、これと、今度のわれわれのつくりました懇談会は、
物価安定政策会議
のメンバーを中心にその
会議
をつくりまして、そこでおもに——今日まで提案されてきた幾つかの提案があると思います。ところが、これが提案だけに終わっておって、それがなぜできないかというところまで踏み込んだ
議論
はなされておらなかったわけであります。
国会
等におきましても常にその問題が論議されておりましたが、しかし、これをやはり
国会
の場だけの
議論
にほうっておいてはいけないし、またこの安定
会議
そのものの権威の問題もあるでしょう。またそこにおられる多くのりっぱな委員の方々のお気持ちもわれわれはそんたくする必要があるし等々から、そうした場で、いままで提案されたがなされなかったということについての徹底的な追求をこの懇談会ではひとつやってもらいたいということが一つでございます。同時にまた、各方面における非常に高い知性を持たれた委員の方々でございますので、あわせてこの段階における物価政策というものについての高度の御提案を出していただくということでございます。これはやや政策
会議
とダブるような感じがいたしますが、今度は、私の根本的な
考え
は、物価政策についての提案はもう山ほど出ているわけでありまして、これを早く
閣僚
レベル、
政府
レベルの具体的な活動に結びつけたいということで、この
閣僚会議
にそれをくっつけてしまうということが一つのねらいでございます。 それから、同時にまた、私が中心になって
考え
ておりまする
物価問題調査会
でございますが、これはきょうも
閣議
で
内容
をちょっと
説明
しておったわけでありますけれ
ども
、たとえば、
国会
における野党の方々からずいぶんいろんないい御提案なり、またきびしい注文をいただいておるわけですが、これが
国会
の
答弁
だけで済んで、
会議
が済めばそれで済むというようなことはたいへんまずいことだと思うんです。その中で、やはりわれわれとしましては、こうした御提案を最終、できるのかできないのかというところまでをむしろ
政府
が追求していくということも非常に大事なことだというふうに思います。
国会
での
議論
が、そこの場だけで終わってしまって、あと
政府
はそれが済めばいいという態度は、これは物価問題に関する限り私は非常にまずいと思うわけで、そうした御提案を取り上げたいし、またマスコミその他でもずいぶん物価に対する提案をたくさんしております。また、その他
民間
の諸団体におきましても、物価対策というものをたくさん提案しておるわけであります。われわれいまこの場所において重要だと思うことは、そうした提案を全部ひっくるめて、そうしてその中から取捨選択をして、どうしても提案の中で
実現
したいというものについては、各委員の総力をあげて研究してもらいながら推進をしていくと、そしてその結論を、同じように物価
関係
閣僚
懇談会に上げて
政府
の大きな姿勢にしてしまうということも
考え
ておるわけでございます。問題は、要するに行動する
委員会
、
調査
会というものをつくるというふうに御理解を賜わりたいと思っております。 たいへん長い
説明
になりましたが……。
上田哲
27
○
上田哲
君 おっしゃることは私はよくわかりますよ。現に、すべての
国務大臣
はいま
国民
生活安定緊急対策本部の本部員ですね。長官もその一人であられるわけで、もしそういう機構図からのみながめるならば、この
二つ
の
機関
をつくることは、まさにこれはもう機構いじり、屋上屋を重ねるのではないかということにしかならないだろう。聞くところによると、総理は、これはいままでの物価対策活動に活を入れるんだというふうに言われたというんですけれ
ども
、確かに私なんかの思うところは、平たく言うならいまの狂乱のインフレというのは打ち出の小づちや魔法のつえを使うんじゃなくて、普通のことを普通にちゃんとやればいい。値上がりをゼロにすることはできなくても、たとえば、いうところの先進工業十カ国であるとか、少なくともイタリー、イギリスのレベルまではまあ鎮静化することは本来ならできる。これがどこかに片寄ったり、おかしなことをしているだけじゃないかというところに問題があると思うんです。長官の
目途
とされるところがそういうところであれば、またひとつ大いに着目をする理由があろうと思うんですが、そこでひとつフレッシュな御見解をそういう
意味
でも承っておきたいのは、今後の物価動向をどう見るかということがやっぱり一つバロメーターになるだろうと思いますね。いろいろありますけれ
ども
、たとえば日本経済研究センターの物価予測、これはことしの十月から十二月で二五・六%の消費者物価の上昇を予測している。まあ昭和五十年以降でないと一三%台に落ちないし、まあ二けたを切ることはないだろうというのが出ているわけです。この種のものは
幾ら
でもありますけれ
ども
、これはこれまでの過去の予測はたいへん、まあずれていないというような実績も踏まえて言いますと、ここらあたりをどう見ていくかということは、いまおっしゃるような、要は実行であると、動くんであるということになるときの最大緊急のバロメーターがこの辺に一つあると思うんです。この辺をどうお
考え
になっておられるか。
小坂徳三郎
28
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) 私は、物価に関しては統計局の資料を通じてのみの一応限定されたことになると思いますが、ただいまの御質問に対して私の個人的な見解をお許しいただくならば申し上げたいと思います。 第一点は、やはり消費者物価は鎮静するまで
相当
長期にかかる、私はやはりこれが一年やそこらではまだだめだと思います。最低一年半はかかって、非常な
努力
を傾けていって、いわゆる前の物価の上昇テンポと申しますか、年率四%とか五%程度の値上がりというそのテンポにおさまるのが一年半はこれから今後かかる、それまで
努力
を続けなければ直らないというふうに、非常に私は控え目な
考え
方を持っております。したがいまして、そうした状態の中で、前年同月比がやはり二〇%を割る時期というものは、これは計算上で
幾ら
でも出ますけれ
ども
、非常に率直に申し上げると、来年になれば一応その辺に落ちつく、二〇%を切る前年同月比の上昇率になる。これはもちろん前が狂乱物価でございますからそういうことになりますが、しかし、そこに一つの二〇%を切るという目標をぜひ立てて、それを早く
実現
していくということが、
国民
が安心する、やや安心してくれるということにつながるのではないかと、こういうふうに思います。いずれにいたしましても、それを撹乱する要素というものが非常にたくさんあることも十分わかっておるつもりでございますし、また農産物価格等につきましても、もうすでに値上がり、国際的に上がっております。石油な
ども
、いわゆる中近東問題の
会議
がうまくいかなければ、いつまた狂乱のやつをやられるかわからないというような非常に不安定な要素がたくさんございますが、そうしたことを予見しながら、予測しながら、十分にその国内の消費者物価水準というものを狂乱的なはね上がりを示さない
努力
を、公共料金を含め、すべて思い切った抑制的な姿勢を続けるということを私はすべきではないかと
考え
ます。同時にまた、たいへん関心のあることは、実質賃金の状態でありまして、今日やっと、前回の春闘の結果でございましょうか、やや、マイナスの実質収入がプラスになってきていることは非常に喜ばしいのでありまして、問題は、
一般
の勤労者家計において実質賃金がマイナスにならぬということを、何とかして達成するということがやはり大きな政策のポイントになるのではないか、そのように
考え
ております。
上田哲
29
○
上田哲
君 やはり長官のこれまでのキャリアからされても、お話は実があっておもしろいと思うんですよ。その辺の、私見と断わられましたけれ
ども
、見解や、あるいは同じことであっても、そこへ切り込んでいく姿勢を私はひとつぜひ手がかりとして実のある
議論
が行なわれなければならぬと思いますし、ぜひここのところを深めていきたい気がしますけれ
ども
、時間が十分でありません。 もう一点だけ伺っておきたいのは、いまも実質賃金の低下なんということは云々というようなお話もありましたけれ
ども
、まさに勤労者の側からすればこの狂乱は殺人物価ですから、また、今回の長官が牽引される
二つ
の
機関
でも賃金問題というのがやはり
議論
されているというふうに伺っておりますけれ
ども
、となれば、いまここで詰めてお伺いしておきたいのは、第二春闘ということばがすでにプログラムされているわけです。まさにこの狂乱物価が引きずり出した第二春闘だと私
ども
は理解をしますけれ
ども
、このいわば当然な要求と
考え
られるべき第二春闘が、もし物価抑制ということの大なたの中で、最も冷遇されると言いましょうか、犠牲にされるというような政策態度ということになることに一つ大きな不安があります。まあ古典的な所得政策云々という
議論
にここで直ちに引き戻すつもりはありませんけれ
ども
もついでにひとつ、所得政策的な
配慮
というものが、こうした第二春闘を見る目にはならないであろうということも含めて、いまの経済見通し、物価見通しの中での近づくプログラム上にもう載っている第二春闘について、どういう御見解をお持ちか承っておきたいと思います。
小坂徳三郎
30
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) 非常に困難なむずかしい問題の御質問でございまして、私十分にお答えできる自信はございません、率直に申し上げますと。ただ申し上げたいことは、この段階で日本の経済成長が実質一%程度、四十九年度は落ち込むことはもう明らかではないかと思います。しかし、この一%程度の経済成長の中で、石油の値上がりから始まる諸原料の値上がりと賃金の大幅なアップというものが、一体どのようにコストの中へ消化できるかという問題がやはり私は非常に重要だと思います。やはり経済成長というものがある程度ありまして、その経済活動の中で賃金やあるいは原料代の値上がりというものを吸収していくという
努力
がやはり忘れられてはならない面でございまして、やや、いま現在行なわれているいろんな
議論
の中には、一方的に賃金の上昇だけが物価騰貴の原因であるというふうな指摘にはやり過ぎている面もあるように思います。同時にまた、全然そういうことは
関係
ないんだという
議論
も非常に激しくやられていると思います。私はこの第二春闘ということばは、またそして年に二へんにも及ぶ賃上げということ、これは私は、平たく言えば年末のボーナス闘争じゃないかと思うんでありますけれ
ども
、それを第二春闘という名前で呼ぶあたりに、非常にここにわれわれとしては困るものがございます、率直に申し上げると。私はやはりそのような形のものでなしに、もう一つ広い
立場
で多くの方々の御協力をいただきながら、やはり経済成長そのものが実質一%ということは、ほとんど見ようによってはマイナスになるわけです。同時に、現在は非常に在庫が各メーカーに一ぱいたまってきております。これは四十六年の最も不況な時代における在庫とほぼ匹敵するような在庫が各メーカーに出ております。もちろん、各企業は現在非常に大幅な力を持っておりますから、四十六年当時の経営とはたいへん違うと思いますが、しかし在庫量だけから申しますとそこまできている。しかし、これはまだまだなお景気の総需要抑制をする限りにおいては、私は、景気は急にはよくならないわけでございますから在庫はまだふえるでございましょう。そうしたこととダブルに効果がきいてまいりまして、やはり賃金の上昇と資材の値上がりというものを吸収する生産活動そのものが、ここでまた非常に、一段と今年の十月以降年末にかけてまた萎靡するようなことがあっては、これはやはりむき出しのコストアップにつながると私はおそれているわけであります。やはり、そういうような問題を踏まえながらのやはり勤労者たちの生活の防衛という問題の提起であるならば、
幾ら
でもわれわれはお話し合いができるのではないかと思いますが、やはり、そうでない一方的な
考え
方の中での春闘といいますか、闘争というようなことになりますと、非常に、ここにお互いの理解もコンセンサスも得られないままに、むだな力と力の対決の問題に発展することを非常に私はおそれるわけでございます。そうしたような理解をお互いに得るような環境をつくるということ、私は、これは
議論
やイデオロギーの問題を離れて国の非常に私は危機的要素があると思うのです。いずれにいたしましても、そうした大げさなことを私もここで申し上げるつもりはないのでございますが、何とか、そうしたこれからの日本の生活といいますか、
国民
全体の生活ということを
考え
ながらの大きな
意味
での合意と申しますか、大きな
意味
でのお互いの自由な話し合いと申しますか、そういう場を提供する
努力
を
政府
もしなきゃならぬし、また
国会
等におきましても、十分そうしたことを公的なところで進めていただけるならば、非常に私はいいのじゃないかというふうに思います。 非常にむずかしい問題を御提案いただきまして、御提起いただきまして、少し
答弁
がしどろもどろだったと思いますが、しかし私の思っておりますことは、やはりこの一%の経済成長ということがいかにおそろしいものであるかということ、それが勤労者の生活にも、また国全体のすべての
運営
にも強烈なインパクトを与えるんだということを認識しながら、それをどの程度直すことによって全体にある程度の安定を得るかというようなことを中心に
議論
が進められることを私は非常に大切なことではないかと
考え
ております。
上田哲
31
○
上田哲
君 もう一言だけ言わなきゃならぬのは、強烈なインパクトということばをそのままいただくなら、いまの長官の御
発言
は、第二春闘に対してたいへん強烈なインパクトになるだろうと思うんです。やはり、第二春闘を、おことばのように年末
手当
のかさ上げであるということになるかならぬかということの分かれ目は、やはり第二春闘側がそのプログラムにおいてどう戦うかということだけではなしに、要求として、別個なやはり第二春闘要求というものが出てくるのではないかという趨勢だと思っているわけです。それをただ、この際できるだけ大局的に話し合いでと言うにしては、もう狂乱の物価は先へ行き過ぎているということがあるわけですから、もし円満な解決ということを希求されるのであれば、それはやはり、たとえば先ほどたいへん前向きな御
答弁
はいただいたけれ
ども
、この
勧告
を、完全、しかもすみやかに
実施
されるというような姿勢も一方では具体的に示されつつ、やはりこの第二春闘という勤労者の生活保障をさらに受けて立つということでなければならぬと思うのですが、いまの大局的なお話とは言いながら、ことばの端々承ると、困却されている部分は理解するとしても、やはり受けて立たぬという感じになってはたいへん困ると思うんですが、やはり大いに胸を開いて受けて立つべきであると思うんですが、いかがですか。
小坂徳三郎
32
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
上田委員
のただいまのお話も私よく理解できます。何もそんなに私も張り切っているわけじゃないのでございまして、問題は、そうしたようなことが平穏のうちに進み得るような施策をわれわれとしても積極的に講じていく必要が非常にあるということについては全く同感でございます。
上田哲
33
○
上田哲
君 まことに、時間の苦しさがありますので、もう一つ話を飛びますけれ
ども
、長官、聞いていただいて最後に一言承ればいいんですが、七月二十六日に第三次定員削減計画が
閣議決定
されております。これによりますと、削減率が三%になっているんですが、当初は四%と言われておりました。このパーセントの違いはどこから出てくるのか。それから、この削減率は全省庁で二万六千、これが各省別に割り当てられることになるわけですけれ
ども
、この算出根拠あるいは方式についてもこの際伺っておきたい。これは行管になると思うのですけれ
ども
。
木下薫
34
○
説明員
(木下薫君) お答え申し上げます。 去る七月二十六日の
閣議決定
で、昭和五十年度以降の定員管理についてということが
決定
されました。その
内容
は、公務能率の向上あるいは
国家公務員
の定数の増加の抑制ということをねらいといたしまして、五十年度以降三カ年間に、四十九年度末定員を
基礎
として三年間で三%……
上田哲
35
○
上田哲
君 いや、それはわかっているから、ちょっと簡単にやってください。
木下薫
36
○
説明員
(木下薫君) 第一次、第二次とも三年五%ということで実行してまいりました。その経緯を見てみますと、第二次は三年五%でございましたが、実質は三年四・五%ぐらいでございました。ところが、最近の経済情勢あるいは各省の定員管理の現状から見ますと、非常に苦しい事態も出てまいっております。そういうところを勘案いたしまして、当初三年四%程度でどうであろうかということで
事務
的に各省庁と調整を進めておったわけでございますが、最近の各省庁の離職の状況が非常に悪いということ、あるいは省によりましては年齢構成等から見まして退職者がきわめて少ない、そういうことを勘案いたしますと、先々の定員管理で無理を生ずるおそれもある。しかも、この定員削減は、出血整理というものは全然伴わないという大原則のもとにやるとなれば、三年四%はまだきついんじゃなかろうか、そういう点も勘案いたしまして各省庁と御相談いたしました。
実施
いたしますのは各省庁でございますので、行管といたしましても、
政府
全体として足並みをそろえてやらなければいかぬという
立場
から、三年三%という形に落ちついたわけでございます。
上田哲
37
○
上田哲
君 だから、そんなところはいいから、これからの各省庁への基準と方式というやつを簡単に言ってください。
木下薫
38
○
説明員
(木下薫君) これからの個別の、各省庁別の削減目標数につきましては、各省庁からの要望等もいただきまして御相談申し上げて、作業を進める予定にしております。
上田哲
39
○
上田哲
君
答弁
にならないよ。よけいなことを時間ばかりかけて、大事なところはこれから相談するというんじゃ、これはあなたひどいな。そんなんじゃ各省庁困っちゃいますよ。ないということですか。算定基準と方式というのはまだないということですか。
木下薫
40
○
説明員
(木下薫君) 一応、第二次定員削減計画では、各省庁別の削減目標数を定めるために、一応全
職種
を四分類に分けて
考え
ておりましたが、原則としてはその
考え
方を
適用
して各省庁の各
職種
を十分
検討
いたしまして、それに削減率等を勘案して各省庁ごとの数字をこれからつくっていきたい、このように
考え
ております。
上田哲
41
○
上田哲
君 それはいつやるんです、いつまでに。
木下薫
42
○
説明員
(木下薫君) 一応今月一ぱい、下旬には何とか各省庁の御同意を得てまとめていきたい、このように
考え
ております。
上田哲
43
○
上田哲
君 なれない話で、これ急いでやってくれと言っているつもりはないけれ
ども
、そんな中身のないことでもって、なたばかりふるわれるみたいな話で、しわ寄せが
国民
のところへきては困るということを私は言いたいんですが、たよりない話ですな。もうちょっとひとつ勉強して、きちっとした
答弁
ができるようにしてください。 そこで、ではこの問題はじっくりやりますから。じっくりやりますけれ
ども
、まさに時間の
関係
で私は一つのセクションだけ例をとって——労働省来てますか——労働省の例をとって問題を提起しておきますから、次の
機会
にでも、いま御所見を承ったあとでひとつ具体的にもっと詰めていきたいと思います。 こういう程度の基準も方式も明確にされないままの、しかも実情の反映を持たないままの削減計画というのが非常に混乱を起こしている。すでに、労働者あるいは災害防止や被災者に対する補償の面なんかでも、かなり、つまり一律にやるものだから、十人以下のところでは一人減るということになるとがくんと大きなマイナスになりますからね、そういう問題がたくさん出ているわけです。ちょっと労働省にしぼってデータを集めてみたんで、そこのところをかいつまんで三つ四つ話しておきますから。たとえば労働基準監督官が不足しているために、臨検ができなくて作業現場に災害が発生したという例、まあ最近の例ばかりをとってあるわけですが、六月の六日、この六月の六日の午前十時に、長野県大町の土砂崩壊事故、これは別荘地造成のための道路開設工事現場で、山どめ用の擁壁のコンクリート打ちの作業中に、約千立方メートルの土砂がくずれ落ちて作業員三人が生き埋めとなった事故ですけれ
ども
、これはもう事前に監督官が臨検していれば、崩壊予防の具体指導ができたものだということが指摘されています。こういうことが起きるには、大町労働基準監督署の監督官が三人で、何と
適用
事業所数が四千二百五十五である。労働者数は四万五千百人ですけれ
ども
、つまり
適用
事業所総数が二百六十九万七千に対して、監督者数が二千九百七十四人だと、つまり監督官一人当たりの
適用
事業所数が九百七だというような状況の中で、こういうところへこの削減が機械的に基準もなしにいくというようなことが引き起こす例ですね。 あるいはもう一つ、去年の九月の東京大田区の窯業工場でじん肺患者の発生した例ですけれ
ども
、これも過去七年間に三人がじん肺症にかかって
死亡
しているんだけれ
ども
、これについても、この大田労働基準監督署管内では、
適用
事業所数二万五千に対し、労働者数三十三万二千に対して、監督官が十五名というような状況、これはもう中小企業の典型的ななおざり
行政
というふうになると思うんですけれ
ども
、それから出かせぎ労働者問題、これもまあ労働省御存じだろうから、その項目だけにしておきましょう。 それから四番目に、新しい職業病の多発に伴う労災保険の補償
事務
が非常にふくそうしているわけですけれ
ども
、この補償費の支払いがおくれたり、職業病認定を含める問題のトラブルが非常に起きている。まあ愛知県なんかでは集団陳情で一人倒れたというようなのも、つい最近のできごとのようですね。あるいは監督署
職員
の不足が原因で、事業所から届け出されている就業規則の審査が行き届かないために問題が起きている例、まあいろいろたくさんありますから切りもありませんけれ
ども
、いま大まかなところを五つほどですか、出しておきました。 こういう状況がどんどん起きているわけですね。これはまあ、ある
意味
では労働省が困るということになってしまうのかもしれないが、それじゃ話が違ってくるので、やはりいま大体労働基準監督署なんかを例にとりましたけれ
ども
、この窓口に集まる
人々
というのは手厚くされてされ過ぎることはないわけであって、その部分がたいへんぽこぽこ落ちていく。さらにこういう先ほどの御
答弁
にあったあやふやみたいな形の中で行なわれる一律的、機械的削減というようなものが、さらにこの状況を深めていくだろうということは想像するにかたくない。データいろいろありますから、これはじっくりやりますけれ
ども
、まさに時間が切れますから、この問題についてはまず労働省、どのように把握をし、理解をしておられるか伺っておきます。
青木勇之助
44
○
説明員
(
青木勇
之助君) お答え申し上げます。 ただいま
上田
先生御指摘の事例等につきましては、確かにそういう事態も発生しております。労働省といたしましては、第一次、第二次の定員カットでかなりの
職員
が削減されております。そういう
関係
で、私
ども
といたしましては、行管に対しましては、特に労働
行政
というものは対人業務及び足でかせぐ業務である、ただいま先生御指摘になりました監督官が臨検するというのも、一人一人の監督官が足でもって回って歩いて一カ所一カ所チェックしていく、こういう業務であって、
一般
の
事務
業務とは性格が異なる。そういうような実情等もるる御
説明
をいたしまして、できる限り今後行なわれます各省別の
折衝
の段階では、その実情を御
説明
して、実態に合ったカット数にしてもらいたいと、こういうふうに思っております。 なお、増員等につきましても、限られたワクでありますけれ
ども
、その中でできる限り増員を認めていただく、そういう施策を通じまして、対
国民
、勤労者に対するサービスに間違いのないように
努力
いたしていきたい、こういうふうに
考え
ております。
上田哲
45
○
上田哲
君 最後に。長官、お聞きのような実情もありまして、実情ということの中には行管があの程度にたるんでおるということも含めてですね、これが今日の実情のまま、この削減が結局は零細中小企業、弱い部分等々に、窓口を通じてしわ寄せがいくというような可能性が非常に心配されているわけです。労働省だけをいまそういう観点で例にとりましたけれ
ども
、いろいろほかの例もとってみたいと思いますし、当局でもその
調査
をしていただきたいと思うんですが、ひとつ元締めの
政府
として、七月二十六日の削減計画というものの今後の運用について、こうした問題を吸い上げる形の中で、十分に御
配慮
をいただきたい。こうしたマイナスがどんどん多発をするための計画であってはならないということは言うまでもないわけでありますから、そうした面について、万遺漏のないように御
配慮
をいただくということについて、今後私も、きょうは時間の
関係
もありますから、もう少しいろんなデータをあげて
議論
をしていきたいと思うのでありますが、
政府
としてのその面についての御見解を
基本
的に承っておきたいと思います。
小坂徳三郎
46
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) いまの定員削減の問題でございますが、これはやはり
上田委員
も御
承知
と思いますが、やはり
政府
が
行政
能率をあげていく場合に、あるいは能率をあげるという単にそれだけではなしに、組織をもっと簡素化するとか、いろんなことをやる場合に、やはり何かものさしがないと困るという実情は十分おわかりだと思います。そうしたときに、この定員削減というようなことが従来とられてまいってきておって、また今回もそれが三年計画としてもう一回提案されているわけでございまして、私はその
内容
等につきましても、十分
承知
をいたしておりますが、しかし、いま
上田委員
の言われたように、この
実施
にあたっては特に行管が各省と十分連絡をとって、無理のないことをするように、またそういう方向であることを行管長官も繰り返し言明をしておられますので、十分、いま
上田委員
の御指摘の点については、今後、心していくということを申し上げることができると思います。
野田哲
47
○野田哲君 先ほどの
公務員給与
の問題について
上田委員
からの質問に対する
総務長官
のお答えで、
人事院
の
勧告
を
完全実施
をする方向についての積極的な
意思
というものはほぼ受けとめられたわけでありますが、重ねてこの問題について
総務長官
にお伺いしたいと思うわけですが、いま
公務員
、そしてその家族は、昭和四十五年から定着をしておる
完全実施
という問題が今回後退をするというようなことは、おそらくだれ一人として
考え
ていない、懸念を持っていないと思うんです。問題は、いま一番切実に知りたいと思っておることは、
政府
がこれをいつの時期に制度化して、法律改正を行なって、
改善
された
給与
が何月から支払われるか、このことを一番切望しておると思うわけであります。その
実施
時期の問題については、残念ながら
総務長官
のほうから明確な答えが得られなかったわけでありますけれ
ども
、おそらく近々
給与
関係
閣僚
協議会で協議をされた上で
閣議
の
決定
が行なわれると思うのでありますが、その
閣議
の
決定
にあたっては、
内容
と同時に、いつ
給与
法の改正をどのような点で行なうかということについても
決定
をされなければ
意味
がないと思うわけでありますけれ
ども
、この点について
総務長官
、どういうふうに
考え
ておられますか。
小坂徳三郎
48
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) 先ほど
上田委員
に私からお答え申し上げましたその気持ちや実情について、十分御理解いただいた御質問だと
考え
ますが、ただいまの
閣議決定
の問題でございますけれ
ども
、もちろん私といたしましては、
決定
するからには、いつからやる、どのような方法でやるかということも含めて、当然
決定
をしなければ無
意味
なことだと
考え
ております。
野田哲
49
○野田哲君 問題は、ことしの場合、七月の下旬から
臨時国会
が開かれるということで、先ほど
人事院
の総裁も
説明
のときに特に強調されたように、そしてまた例年の
勧告
時期を半月以上も早めて
努力
をざれた。そのことは、今度の
臨時国会
で
給与
法の改正が行なわれることを強く期待をした上で時期を早められた。結果的にはそれが裏切られて、
改善
された
給与
がいつから支払われるかということが全く見通しが立たない状態に全国の
公務員
が放置をされているわけであります。一番の制度上の問題というのは、
公務員
の
給与
の
改善
が、
国会
の開催時期あるいは
国会
の
運営
によって左右される、そのために一年間の
公務員
の生活設計が成り立たない、こういうところに制度上非常に大きな問題があると思うわけであります。
人事院
の総裁も、かつて、でき得れば
勧告
を行なったときにはその直後に
給与
法改正だけの
臨時国会
を開く制度を慣行化してもらいたい、こういうようなことも公的の場で触れられたことがあるわけでありますけれ
ども
、たまたまことしは七月に
国会
が開かれる、それに間に合わそうとして
人事院
も
努力
されたけれ
ども
これが裏切られた。これが例年の例でいきますと、
幾ら
人事院
が早めて
努力
をされても、七月、八月ごろ
国会
がない、こういうことになると、毎年
公務員
の
給与
の
改善
は、いつ
給与
法の改正が行なわれるかということがきわめて不安定な状態で、十一月あるいは十二月ごろまで放置されなければならない、こういう制度になっておると思うのです。したがって、抜本的な解決については、これは労働
基本
権の問題等とかね合わせて根本的な制度改正を行なわなければこの問題は解決しないと思うわけでありますけれ
ども
、そういう点について、
総務長官
としてはお
考え
があれば聞かせてもらいたいと思います。
小坂徳三郎
50
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) ただいまの御提案でございますが、やはり十分今後そうした問題を
配慮
していく必要があるというふうにいま私思っております。しかし今度の場合には、七月の二十六日に出していただけたことはたいへん私はタイミングよかったと思って喜んでおりましたが、その後の情勢の変化で、すっかりどうも、せっかく出していただいてもどうにもならぬというのが実情でございます。しかし、こういうことが、また
国会運営
というものが、われわれの意図とはまた違った面でよくいろいろと動くものですから、そうしたことの結果が、ちょうど今度は悪いのが
二つ
重なってしまったものですから、たいへんに御期待に沿えなかったと思いますが、いまのような、しかし
人事院
の
勧告
だけのために
国会
を開くということがはたして可能かどうか、
検討
は十分いたしてみますが、本来はそういうことでなく行なわれるのが一番いいのではないか。むしろ、そうなれば
人事院
の
勧告
はもっとうんと早く出してもらえるようになればいいのじゃないかとさえ思いますが、十分ただいま野田委員のお話の筋道を
考え
てみたいと
考え
ます。
野田哲
51
○野田哲君
人事院
の茨木
給与局長
に伺いたいと思うのです。
勧告
の中で
調整手当
の問題についてですが、地域の指定については、これは昭和四十五年に
改定
を行なって以来手をつけられていないわけであります。今度の
勧告
では「引き続き
検討
を重ねる」、こういうふうにだけ触れられておるわけであります。この「引き続き
検討
を重ねる」という
意味
は、地域指定をさらに
検討
していくという
意味
なのか、あるいは
調整手当
制度そのものを何か抜本的に変えていくというような方向で
検討
するという
意味
なのか。この「
検討
を重ねる」という、その
考え
方について伺いたいと思います。
茨木広
52
○
説明員
(茨木広君)
調整手当
の問題についての今後の
検討
の問題でございますが、
二つ
の
考え
方がございます。いまおっしゃられましたように、今後、地域の指定なり指定がえなり、あるいはそのパーセンテージを変えていくというような方向で、従来たどってきたような方向でやっていくべきだという
考え
方が一つと、それから、いま御
意見
がありましたように、従来、昔とっておりましたように、それぞれの地域の差がだんだんなくなるような動向であれば整理をしていくというようなことも一つとしては
考え
られるという問題点もあります。で、今回見送りました理由といたしましては、たいへん物価あるいは
給与
が変動しておる時期でございますので、そういうような
意味
の根本資料をやはり得るということは、ことしの状況としては困難であろうということで見送った次第でございます。
野田哲
53
○野田哲君
調整手当
の問題については、昭和四十五年以来、非常な広域な都市合併が行なわれた、あるいはまた、地域によっては都市化が非常に進んでいる。こういう状態の中で現在の制度は
相当
矛盾を起こしている。この点は
承知
されていると思うのです。たとえば静岡と清水という
関係
で
比較
してみると、静岡市の場合には、長野県、山梨県境まで町村合併を行なって静岡市の区域に入っている。片面、隣接している清水市は非常に都市化が進んでいる。こういうような矛盾、あるいはその他岐阜あるいは福山等、非常な都市化が進んで物価も上昇を続けている、こういうようなところもいろいろあると思うのです。そこで、この「引き続き
検討
を重ねる」ということになっておりますけれ
ども
、いつどのような形の作業を行なって、いつごろ結論を、
検討
の結論を出されるのか、この点をお伺いしたいと思うのです。
茨木広
54
○
説明員
(茨木広君) 一応四十八年のときの
報告
では、当時の状況としては、パーセンテージ等は動かす必要はないけれ
ども
、若干の官署指定を行なう必要があるというようなことで、その他は引き続き
検討
ということの一つの見解を昨年度は出したわけでございます。先ほ
ども
申し上げましたような今年度の状況でございますので、いまおっしゃられましたようなことは、
相当
時系列的に見ませんと、年によりましてはあまり差が出ません年もございます、そうでない年もあるというようなことでございますので、いま、これからいつまでに結論が出るかということは、現段階ではまだ申し上げかねるような状況でございます。 御指摘になったような地域についても問題があるということはよく
承知
いたしておりますが、たとえば静岡に、すぐわきである清水を入れますというと、その他あとで御指摘になったような都市あたりも類似のところとして問題になってくるような可能性もございます。そういたしますというと、昔たいへん地域のそれぞれ格上げ競争をやったような状態を再現しかねないという問題もございまして、その辺がたいへんむずかしい問題になっておるものでございますから、なかなかいまこの段階で見通しをつけられない、こんなところでございます。
野田哲
55
○野田哲君 次は
中村
職員局長
に伺いたいと思いますが、
週休
二日制の問題について
勧告
の中に含まれておるわけでありますけれ
ども
、この中で、「現在なお
検討
を要する分野が残されている」、こういうふうに言われており、それから「試行についての計画を策定する」、こうなっているわけです。「
検討
を要する分野」というのは一体どういう分野が
検討
を要する分野なのか、こういう点と、それからもう一つは「試行」、ためし行なう、こうなっているわけです。
公務員
の
勤務
制度について「試行」ということばがここに出てきておるわけでありますけれ
ども
、「試行」ということは一体どういう
意味
なのか、これは要するに
実施
可能なところから部分的に見切り発車のような形でやって状態を見る、こういう
意味
なのかどうか、その点を伺いたいと思います。
中村博
56
○
説明員
(
中村
博君) 御質問の第一点、まだ
検討
を要する分野、これは先生御
承知
のように、教育
公務員
の分野もございますし、それからまた交代制部門がございます。ですから病院とか気象台、刑務所、航空管制官、そういった
国民
サービスに直結するところで、過去一年の
検討
においてもなお
国民
サービスにいささかも欠陥なく
実施
できるという自信がない、そういう分野でございます。 それから、試行の問題でございますけれ
ども
、私
ども
のこの
報告
で申し上げました
考え
方は、とにかく今回の
報告
で、昨年と比べて
勤務
時間短縮を伴う
週休
二日制を当面の目標とせいということを言っているわけでございます。そのように、まあ一つの方法を示して、そして
週休
二日制のあり方について一段と前進したわけでございますので、そのような前提のもとに
国民
サービスにいささかも欠落なく
週休
二日制を行なうにはどのようにしたらよいか、いままで各省とともに
検討
してまいりました机上プランだけではだめだ。そこで
関係
諸
機関
と十分お話しし、また
職員
団体の御
意見
も聞いて、そしてその程度、規模、
実施
時期、
内容
、そういったものを十分詰めて、そしてそのような
実施
か
国民
生活にどのような——いや失礼、
国民
生活に何らの影響なく
実施
できるかどうかということをまさにトライアルしてみたい、こういう
意味
合いでございます。
野田哲
57
○野田哲君 そういたしますと、試行計画をつくるということになっておるわけでありますけれ
ども
、この問題については、試行というか、
実施
に入るということになると、
相当
前もって世間に対するPRも、あるいはそのための準備も要ると思うんですが、いつをめどに、
実施
の開始の時期はいつごろというふうに
考え
ての試行計画を立てられようとしておるのか、その点を伺いたいと思うのです。 もう一つは、いまなお
検討
を要する部分が残っているということになると、私の受け取る感じといたしましては、
実施
困難な
職種
と
実施
可能な
職種
とあって、そして
実施
可能な
職種
でまず試行といいますか、
実施
に入っていった、こういう形になっていったときには、
実施
できない
職種
については一体どういうふうに、
実施
した
職種
との間のバランス、まあ、端的にいえば、金でペイしていくのかどうか、そういう
考え
方もいろいろあると思うんですけれ
ども
、その辺のことを伺いたいと思います。
中村博
58
○
説明員
(
中村
博君) 先ほどの御
質疑
の中にもございましたように、
公務員
のあり方は直ちに
国民
生活に非常な影響を持つわけでございます。したがいまして、単にペーパープランだけではできない分野がある。それから、なるほど先ほど先生御指摘のように、私
ども
のような官執
勤務
ならばすぐできる分野もあるわけでございます。しかし、こういった官執部面におきましても、
週休
二日制の
実施
が
国民
生活に影響を及ぼすことは、これは避けられないわけでございます。いわんや、全日的なサービスを提供しておる交代制の部門においてはなおさらのことでございます。それから、さらにまた
公務員
の
勤務
条件
の
改善
という面からのみは律しられない分野もあるわけでございます。したがいまして、そのような観点を
考え
つつ、実は
実施
困難な部面についてこれを
実施
するときに、主として
国民
サービスへの影響を
考え
つつどのような体制がとり得るかということで、その試行をしてみたいということでございます。したがいまして、
国民
サービスに何らの欠落なく、そのような困難な部面において
週休
二日制が
実施
できる手だてを探るための一つの手だて、それを試行と
考え
ておるわけでございます。 それからいま一つは、じゃ、その時期ということでございますけれ
ども
、いま申し上げましたような
考え
で試行というものを
考え
てございますので、先ほ
ども
申し上げましたように、そのような観点から
関係
諸
機関
と十分御協議をし、あるいは直接かかわる
職員
団体とも十分なお話しを申し上げて、そしてこの計画を練ってまいりたい。したがいまして、時期はいつかとおっしゃられれば、そのような
条件
が成熟したときと、こういうふうに申し上げるのが一番正しいのではないかと思います。
野田哲
59
○野田哲君 ではもう一回、
人事院
の茨木
給与局長
に
勧告
の
内容
について伺いたいと思います。 この
人事院
の
勧告
にあたって、
初任給
をきめるにあたってはどのような要素をもとにして
決定
をされておられるのか。先ほどの
説明
では、
官民比較
ということで単純に
初任給
をこうするというような
内容
になっているわけでありますけれ
ども
、もう
官民比較
だけでそれ以外に一切、
初任給
の
決定
にあたっては他の要件は要素に入れておられないのかどうか、伺いたいと思います。
茨木広
60
○
説明員
(茨木広君)
初任給
の
決定
につきましては、
報告
書の別表第二に、「
民間
における
初任給
の対前年
比較
」が出してございますが、これを
基礎
に、ただし
公務員
と
民間
との間に、男女構成の比率とか、そういうものが違っております。そこで、
公務員
ベースにそれを全部置きかえまして
初任給
を
決定
するという方式を従来ともとっております。したがって、今回もそういう方式をとりました結果が、ここに出ております五万六千百九十一円というよりも三千円ばかり高い五万九千二百円というところが八の三のところに姿をあらわしておるわけでございます。その他の要素を考慮していないのかというお話がございましたのですが、
官民比較
を根本といたしております
関係
上、
初任給
のところはいま申し上げましたようなところで合わしていくという方式でございます。
野田哲
61
○野田哲君 いま、
官民比較
によってという
説明
があったわけでありますけれ
ども
、
公務員
と一番類似といいますか、
関係
の深い——
公務員
であるわけですけれ
ども
、別の
給与
の
決定
の
条件
を持っている五現業、現在五現業との間で約九千円ぐらいのことしの場合に
初任給
の開きが出ております。たまたま
公務員
になって、たとえば農林省へ入った場合に、その配属が特別会計の林野庁に配属をされる、ある一人は
一般
会計の対象になる畜産とか、あるいは水産とか、そういうところへ配属をされる。同じ
公務員
の資格によって、
勤務
の場所が五現業の扱いを受けるところと、そうでない扱いを受けるところと、配置によってたちまち九千円
初任給
の開きが出てくる、こういう状態が現に起こっている。こういう点については一切、
人事院
は
初任給
をきめるにあたっての考慮の対象にしていないわけですか。
茨木広
62
○
説明員
(茨木広君) ただいま御指摘の点は、たいへん私
ども
といたしましても頭の痛い問題だというふうに申し上げざるを得ないわけでございます。たてまえは御案内のとおり、国の経営する企業に
勤務
する
職員
の
給与
等に関する特例法の中に、国営企業のほうの
職員
の
給与
については、
一般職
の
職員
の
給与
法の
適用
を受ける
国家公務員
、すなわち私
ども
のほうの
関係
の
給与
法の
国家公務員
「及び
民間
事業の
従業員
の
給与
その他の事情を考慮して定めなければならない。」と、こういうふうに規定されておりますものですから、
立場
が、こちらが
基本
になりまして、私のほうのを参考にして、それに
民間
その他の事情も考慮して先方さんがおきめになると、こういうたてまえに、逆になっておるわけでございます。そこで、そういうたてまえになっておりますものとの間におっしゃられるような開きがただいま生じてまいったと。今度逆に、こちらのほうがまたそちらを参考にするということになりますというと、くりっくりっと回転、回ってくるわけでございまして、その辺のところのたてまえの相違といったものがございものですから、たいへん苦慮していると、こう申し上げざるを得ないんです。向こうのほうのたてまえが現業でございますものですから、どうしても
事務
職員
系統の場合の
給与
の
決定
方法とは違いまして、やはり体力のある者のほうが働きが多いというような感じがございまして、そこにやはり若年とあれとの
関係
が出てくるんじゃなかろうかと思いますけれ
ども
、配分方式も、いろいろ交渉方式を通じてやるということで異なっておりますし、そんなところからじゃないかと思いますが、そんなところで差が出てまいりましたので、たいへん苦慮していると、こういうことでございます。
野田哲
63
○野田哲君 いま、たいへん苦慮しておると言われたわけですけれ
ども
、これは苦慮するだけでは問題が解決をしないと思うんです。いま
給与局長
のほうでは、言わんとされておるところは、若年層のほうは低いけれ
ども
、中年になってくると
一般
公務員
のほうがよくなっているんだということを言わんとされているんだろうと思うんですけれ
ども
、私
ども
が
調査
をしたところでは、中年層にも確かに不満はあるんだけれ
ども
、これはむしろ
給与
の上げ幅によって解決をする解決策よりも、そうではなくて、
給与
の格づけのほうによって
改善
をしていくことのほうが、むしろ具体的な解決策になるんじゃないかと思うんです。そういう点を引き合いにしながら、若年層の非常に低い、九千円も低いというところを、中年層のそういう点を引き合いにしながら、これは納得をさせようとしても、これはちょっと納得できるしろものではないと思うんです、千円や二千円ならともかくとして。片一方は、今度の場合五万九千円ですか、
初任給
、高卒で。片一方は六万八千円。これはどう見たって問題にせざるを得ないと思うんです。そういう点で、一応、
人事院
のほうの
勧告
説明
を見ると、三カ月短縮等考慮すると、こういう形で、
人事院
規則でその辺について若干の手直しをされる
意思
があるやにうかがえるわけでありますけれ
ども
、これでは抜本的な解決にはならないと思うんです。また、そのことだけでは、このことしの
初任給
の部分のところだけを
昇給期間
を三カ月短縮したとしても、今度は前後の
関係
でまた新たないびつな状態が起こってくると思うんです。そういう点は、やはり制度的にもう少し
検討
をされることが私は望ましいと思うんですが、いかがでございますか。
茨木広
64
○
説明員
(茨木広君) 先生はたいへん事情をよく御存じでおっしゃられておられますが、私のほうの場合も、まあその配分の問題だけで問題が片づけられるかというと、必ずしもそうではないんで、先ほど申し上げましたような結果、こちらのほうの
初任給
でも
民間
と比べてみますと、大体四分の一位、下から七五%程度のところで
国家公務員
の場合も位置をしておるわけでございます。いま
比較
されました三公五現のところまでいくということになりますというと、これは第十分位と申しますか、上から一、二%のところの、非常に高いところに
初任給
が位置してしまうというようなことに実は相なってしまいます。そういうことが
公務員
の
給与
として、
国民
全般の
立場
から許されるものかどうかというようなところについても、やはり
国民
の納得を得られるというような点で考慮をしなきゃならぬ問題があるんではなかろうかというようにも
考え
ておるわけでございます。その辺のところもございまして、なかなか、その差を簡単に詰める名案がなかなかないというようなところで苦慮しているわけでございます。
野田哲
65
○野田哲君 この問題について島田人事官に、総裁はおからだの
関係
で退席されたので伺っておきたいと思うんですけれ
ども
、やはり今度の問題で
初任給
の問題というのは、あまりにも、いま
給与局長
とやりとりをした
関係
でも目立ち過ぎておると思うんです。そこで、一応
勧告
の中には、三カ月の
昇給期間
の短縮等について考慮すると、余韻が残っているような表現を使われているわけでありますので、この点については、さらに今後
検討
をしてある程度幅をもって対処をしていく、これは
勧告
のこの給料表を動かすとかなんとかというようなことではなくて、
人事院
規則で処置していく
内容
でありますから、幅をもって対応をしていくという
考え
方をとってもらいたいと、こういうふうに思うんですが、いかがでございますか。
島田巽
66
○
説明員
(島田巽君) 人事官の島田でございます。
佐藤
総裁が退席いたしましたので、本日、かわって御
答弁
申し上げます。 いまの
初任給
の
決定
についての、ある幅を持たしてと
勧告
の中にあるのではないかと、確かに
昇給
短縮の問題なぞは規則できめられる問題でございますけれ
ども
、いま野田先生の御指摘のことは、そういうふうな
初任給
、試験を通って新しく採用された者だけでなしに、たとえばその周辺の者などにも及ぶんではなかろうかというふうな
意味
を含めての御質問だと思いますが、三カ月短縮というものをそういうふうに周辺に及ぼしてまいりますと、
俸給表
上非常に
技術
的な混乱が起こるということもございますので、大体その辺のところには、私
ども
ある程度の、額は御不満かもしれませんけれ
ども
、ある程度の
手当
をしているというふうなことでございまして、あの
措置
にさらに幅を持たしてどうこうするというふうなことは、現在私の
承知
しているところではないと存じます。
野田哲
67
○野田哲君
昇給期間
の短縮等の
措置
は、これはいまの
人事院
の
考え
ておられるような形で
初任給
のところだけああいう
措置
をとったとしても、やはり周辺との
関係
、来年新採用の人たちとの間、あるいは現にその周辺におる一号、二号、三号上位におる人との間にどうやったってそこには矛盾が出てくるんです。ですから、これはその
措置
をとる限りは、やはり矛盾は避けられないと思うんです、制度上の矛盾は。問題はやはり少なくとも八
等級
から七
等級
、あるいは次の
等級
へ、七
等級
から六
等級
へというような形で上がっていく中での一定の区切りをした、切りのいいところでやはり在職者の調整を行なわなければ、これはやはり
初任給
の
改善
をした
措置
ということにはならないと思うんです。その点はぜひ
検討
してもらいたい、こういうふうに思うんです。
茨木広
68
○
説明員
(茨木広君) その点、あそこに書きますまでの間についてもたいへん吟味を重ねたわけでございますが、今後の問題といたしますと、ことしの方だけそういうふうにというわけにはまいらぬことになるんではないかと思っております。したがって、来年度のそういう新規試験
採用者
についても、同じような制度を今後はとっていかなければいかぬことになる。ただ在職者調整といたしまして、過去にさかのぼらせる必要があるかどうかという問題については、逆転を生じますということになりますというと、ほうっておかれぬわけでございますけれ
ども
、その点は今後の問題として割り切っていかざるを得ないのではなかろうかというところが、あのときの事情であったわけでございます。
野田哲
69
○野田哲君 最後に、もう一回だめ押しのような形で要望しておきますけれ
ども
、これはやはり
人事院
のほうでも、幸い給料表を書きかえるなんということでなくて、これは
人事院
規則で
措置
することでありますから、これはやはりそうかたくなな態度でなくて、ある程度幅を持って対処するという形をとられないと、せっかく皆さん方が時期を早めて
政府
と
国会
へ
勧告
を行ない、そうして、またそれぞれ
関係
者が集まって、できるだけ
早期
にこれは法律改正を行なって、一日も早く
改善
された
給与
で
公務員
に支払いができるようにしていこうというときに、いままでの長い間の慣行といいますか、
公務員
の
職員
組合、
職員
労働組合の組織と
人事院
との間、あるいはまた
政府
と
公務員
との
関係
、せっかくここまで来たものがこの問題だけで非常にぎくしゃくしていくと、こういうことになると思うのです。その点は重ねて、これはもうあとでさらに私
ども
も
検討
していきますけれ
ども
、お答え要りませんけれ
ども
、柔軟な態度で、この点はぜひ
関係
者の
意見
を聞くと、こういう態度を持っていただきたいと思います。
寺本廣作
70
○
委員長
(
寺本広作
君) 午前からの
質疑
はこの程度にとどめ、午後二時再開することとし、
休憩
いたします。 午後零時五十五分
休憩
—————
・
—————
午後二時八分
開会
寺本廣作
71
○
委員長
(
寺本広作
君) ただいまから
内閣委員会
を再開いたします。
休憩
前に引き続き、
一般職
の
職員
の
給与
についての
報告
並びにその
改定
についての
勧告
に関する件を
議題
とし、
質疑
を行ないます。
質疑
のある方は順次御
発言
を願います。
太田淳夫
72
○太田淳夫君 それでは、今回の
人事院勧告
につきまして若干質問したいと思います。 今回の
勧告
は、例年よりも半月も早くこれが出されたこと、非常にたいへんな
努力
がせられたということを評価いたしております。しかし、昨年末からの狂乱物価、インフレの高進の中で、
公務員
の方々の生活をお守りするためにこの
勧告
が出されましたけれ
ども
、
参議院選挙
か終わりまして、
臨時国会
で
審議
をされるその
審議
時期を
考え
てこの
勧告
が
勧告
されたと思いますけれ
ども
、残念ながら、この異例
国会
と申します
臨時国会
では
審議
されませんでした。この点について、まず
人事院
の所感をお伺いしたいと思います。
島田巽
73
○
説明員
(島田巽君) お答え申し上げます。 もちろん、
人事院
が
早期勧告
いたしましたにつきましては、
参議院選挙
後の
臨時国会
での成立をぜひともという気持ちがあったことは確かでございます。御
承知
のような事情でおくれましたが、同じ
早期
実現
、
実施
という観点は今日も強く持っておりますので、
内閣
と並びまして、
国会
に対して御
報告
、
勧告
申し上げました筋合いもございますので、何とぞ一日も早く
実施
していただきたいというのが私たちの心情でございます。
太田淳夫
74
○太田淳夫君 それでは、
臨時国会
で
審議
されなかったことに対しまして、田中
内閣
の
閣僚
としての
総務長官
、どのようにお
考え
になりますか。
小坂徳三郎
75
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) 七月の二十六日に
人事院
の
勧告
をいただきまして、三十日の
閣議
に
報告
をいたしました。同日、
給与関係閣僚会議
を開きまして、
内容
について
審議
をいたしたわけでございますが、この
勧告
をいただきましたその
時点
において、すでに前
国会
の
会期
が
決定
されておりましたし、また、その後の
政府
の内部的な取り扱いに、ただいま申し上げたような
閣僚
協議会並びに
閣議決定
、直ちに
法案
の作成という一連のことを
考え
ますと、とても前
国会
の
会期
中には提案はできないというように
考え
まして、残念ながら提案をいたさなかったわけであります。
太田淳夫
76
○太田淳夫君 そうしますと、ここに労働省の資料もございますけれ
ども
、労働経済指標によりますと、名目賃金は四月度におきましては二四・六%上昇をしております。実質賃金、同じ四月ではマイナス〇・三%、こういう実態でございます。こういうような実態になりますと、やはり
給与
で生活をされている方々の生活というのは、非常なこれは困窮な状態になります。このまま
勧告
の
実現
がおくれますと、
公務員
の方々は物価の上昇に対して生活が追いついていけないあるいは貯金が目減りをするという、そういった犠牲がしいられることになると思います。その点について
総務長官
、その実態をよく御存じのことと思いますが、いかがでございますか。
小坂徳三郎
77
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) 太田委員の仰せられるとおり、やはりせっかくの
勧告
もございましたわけでございますので、なるべく早く
国家公務員
の諸君にもこのような
給与
改善
が
実現
されなくてはお気の毒であるという気持ちはあなたと同じでございます。したがいまして、そうした
意味
合いにおきまして、現在
関係
閣僚
協議会で、なお問題を持ち帰っていろいろと各省で討論、
議論
をしておりますが、なるべく早い
機会
にこれをまとめて
閣僚会議
の決を出すべきだと
考え
て、そのように今後も私は行動してまいりたいと思っております。
太田淳夫
78
○太田淳夫君 なるべく早くというお話でございますが、
公務員
の方々の
給与
だけが、実際一〇%増額されたということだけでいま据え置かれておりますけれ
ども
、
民間
とかあるいは三公社五現業の賃上げというのは
実施
されております、実際。このまま秋または年末まで据え置かれることになりますと、十月になりますと国鉄運賃値上げあるいはガス料金、消費者米価、そういった公共料金が軒並み値上げになってまいりますので、そういった軒並みの値上げによる家計への圧迫というものは、ますますこれは大きくなってくると思いますので、その点、早急にこれは
実施
されなければならないと思いますが、大体いつごろにそのめどを置いてみえますでしょうか。
小坂徳三郎
79
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) いま、この
時点
で明確にいつということが申し上げられないことは非常に残念でございますが、しかし、われわれといたしましては、できるだけ早く
閣議決定
もいたして
法案
を作成し、いつでも
国会
の要請に応じての提案のできる態勢は
政府
としてはとってまいりたいというふうに
考え
ております。
太田淳夫
80
○太田淳夫君 そうしますと、
国会
の
開会
ということになりますが、
臨時国会
で
審議
をする、そうして
給与
法を
改定
して
引き上げ
をはからなければならない。これは早急に
臨時国会
を私たち開くべきことを要求をいたしたいと思いますけれ
ども
、なぜその
臨時国会
が開けないのか、何か理由がございましたら。
小坂徳三郎
81
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
国会
の
開会
につきましては、もちろん
政府
も提案する
法案
が準備されておれば当然
国会
の
開会
を要請する
立場
にあったと思いますが、当時におきましては、提案すべき
法案
が一件もない状態であったわけであります。したがって、私のほうのこの
給与
法につきましても、ただいま御
説明
申し上げたとおり、
勧告
があり、それが
閣議
で
決定
され、そうして、さらにどんなに急がせましても一カ月近く
法案
作成の日時を要しますので、あの
時点
におきましての
政府
としては提案すべき
法案
を準備してなかったと、持っていなかったということのために
国会
を積極的に開くということについて
政府
としては消極的であったことは御
承知
のとおりでございます。他の理由等につきましては、これは党対党の
関係
の中でいろいろ処理されたと思いますので、そちらは別に私からお答え申し上げることはないというふうに思います。
太田淳夫
82
○太田淳夫君 いま
法案
がないというお話でございましたが、やはり
人事院
としましても、この
勧告
を
臨時国会
で
審議
をどうしてもしてほしいと、
公務員
の方々は、やはり一日も早くこの
人事院
の
勧告
によって
給与
の
引き上げ
が
実施
されることをまた望んでおられると思います。そういった、やはり
公務員
の方々の希望というものを
考え
るならば、
総務長官
として、責任者としまして、田中首相に対しまして
臨時国会
の
会期
の延長ということも、それではどの程度まで主張されたか、お聞きしたいと思います。
小坂徳三郎
83
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
臨時国会
の
開会
の期日、また期間等につきましては、私は総理に対して別に
意見
を申したことはございません。
峯山昭範
84
○峯山
昭範
君 大臣、ちょっと補足して質問しますけれ
ども
、要するに、
人事院
から
勧告
が出まして、大体その
法案
作成に一カ月かかるという
考え
方は、大臣、あなたは
公務員
の人たちの要求を一体どう
考え
ているのか。
人事院
が一生懸命十五日というのを死にもの狂いでやったという
答弁
があったでしょう、先ほどから。それに
法案
が一本もないから
国会
を開くことはできない、しかもその上に
法案
作成に一カ月もかかる。今回の
会期
は一週間じゃないですか。たった一週間しかない
会期
の中で、一カ月も
法案
がかかるという
考え
方は、もともと
法案
そのものを
実施
する気が全然ないからでしょう。そんなばかな、そういうふうな
考え
方でおってどうするんですか。あなたが
公務員
の
給与
の元締めじゃないですか。元締めである大臣であるならば、少なくとも
人事院
がこういうぐあいに苦労して
勧告
が出てきた、あなたは自分のところの
職員
に対して早く
法案
をつくれ、一日も早くつくれと督励をして、そして、さあ
法案
ができたから今度の
国会
で
審議
しようじゃないか、こうあなたは総理に言うべきでしょう。ところが、そういうことも全然一言も言わなかったなんということは一体どういうことなんですか。
小坂徳三郎
85
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) お答え申し上げます。 たいへんにきびしくおしかりをいただきましたが、実は
人事院
の
勧告
をわれわれが手にいたしました
時点
において、
国会
の
会期
はすでに
決定
されておった時期なんであります。したがいまして、それの、
国会
の
会期
の
決定
ということは、
政府
だけの意向でもちろんきまるものではございません。
各党
の中での話し合いが最も有力な
条件
を
決定
するものだと私は思っております。先ほど一カ月かかると申し上げましたが、それはずいぶん急がして、昨年の場合の実績が約一カ月かかっておるわけであります。つまり、
人事院
の
勧告
を
政府
が了承し、
閣議
で了承いたしまして、それを
事務
方で
法案
に作成するのに、昨年度はいままでになく早くやったようなわけでございますが約一カ月近くかかっております。もちろん、この一カ月かかる理由は、それぞれ
事務
的な、もっと時間を短縮するということはもちろん不可能なことではございませんが、そうしたことを、たとえ非常な能率をあげたといたしましても、これが三週間程度は最低かかることはどうにもならないことであります。特に防衛庁
職員
関係
の
給与
、また特別職、判検事の
俸給表
等につきましては非常に時間がかかるわけでございます。そのような事態のためで、
総理府
といたしまして、この問題についてきわめて消極的に、むしろ
法案
の作成を故意におくらしたという事実は全くございませんので、誤解なさいませんように
お願い
したいと思います。
峯山昭範
86
○峯山
昭範
君 もう一点だけ話しておきますけれ
ども
、大臣、毎年
勧告
がありますと、
政府
は大体その即日にこれは必ず
閣議決定
をいたしておりますね、大体。昨年もそのはずです。ことしは大臣も御存じのとおり、要するに
公務員
に対する締めつけのほうだけは即日
閣議決定
をいたしておる。これは、先ほどお話がありましたように、五十年度以降の定員管理についてという、こういう問題については、
人事院勧告
のあった即日にこれは
閣議決定
をしています。ところが
給与
そのものについては、いまだに
閣議決定
をしていない。あなたはこの
閣議決定
を早くしろと。何ぼこちらのこの
委員会
で、あなたは、先ほどから聞いていますと、一生懸命やっているような、これは態度は見せてはおりますけれ
ども
、やっぱりこれは早く
閣議決定
をして
実施
するという方向でいかないと何にもならないと私は思うんです。そこら辺のところを、やっぱり
閣議
でも本格的に、本気で取り組んでいらっしゃるかどうかという大臣の姿勢そのものが私は問題だと思う。そういう点は、やはりこの問題については、本気になって取り組んでもらいたいと私は思います。以上です、私は。
太田淳夫
87
○太田淳夫君 それでは問題を変わります。
総務長官
は、今回の
勧告
にあたりまして、
公務員
の諸君においても、
一般
と公務能率の増進と
行政サービス
の向上につとめられるよう強く期待すると、こういう談話を発表されておりますが、具体的にはどういうことをお
考え
になっておられますでしょうか。
小坂徳三郎
88
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) やはり
国家公務員
は、その
給与
の源泉はわれわれの
一般
の人たちの払う税金が主体でございます。したがいまして、これは
国家公務員
に対する
国民
の
一般
的な通念としては、最も勤勉に、しかも最も能率的に、かつまた最も有効な
仕事
ぶりを
国民
のためにしてくれることを期待していると私は思います。そうした
意味
におきまして、今回の
人事院勧告
を受けましたのを
機会
に、やはりもう一回
国家公務員
の諸君にも、そうした
国民
が
国家公務員
に対してどのような
考え
を、感じを持っているかということを思い返して、そして今後の
努力
を
お願い
したいという気持ちでそのようなことばを使ったわけでございます。
太田淳夫
89
○太田淳夫君 それで、
勧告
がこう出ますと、それに関連しまして、いつも特に
行政
機構の簡素化あるいは余剰人員の合理化について問題になります。
行政管理庁
は、三年間に四%の定員削減を
考え
ていると、こういうことでございましたけれ
ども
、
閣議
で、各省庁の反対で三%に削減されたと、こういうふうに報道されておりますけれ
ども
、この三%削減されたというその理由はどういうものでございましょうか。
細田吉藏
90
○
国務大臣
(
細田吉藏
君) お答え申し上げます。 第一次が、御
承知
のように五%の削減でございまして、四年間でございまして、第二次が引き続く四十九年まで三年間で五%でございました。今度は実は五%というわけにはどうしても実情まいらないということで、四%で一応作業を進めたわけでございます。しかしながら、いま
閣議
で各省の反対というような御
意見
がございましたが、実はそういうことではございませんので、四%を目安でいろいろ進めたわけでございますけれ
ども
、この第一次、第二次、第三次ともそうでございますが、各省の全部御賛同を得て、これは
閣議
できめてやるという仕組みにしておるわけでございまして、実際に第一次、第二次でいろいろやってまいりました実情を
考え
ますと、なかなか四%ではちょっと無理がいく。その一番大きな理由は、実はこの問題は
一般
的にはこれは
議論
があると思いますけれ
ども
、一次、二次、三次とも、いわゆる出血整理というのは行なわないということにしておるわけなんです。そういう前提で
考え
ておるものでございますので、これは四%で強行すると出血整理しなくちゃいかぬという省が何省か出てくると。これは人事の年齢構成ですね、
職員
の年齢構成がちょうちん型になっておりまして、ピラミッド型に必ずしもなっていないために、これは出血整理を行なわなきゃならぬというところが何省か出てくるということになりまして、ところが理屈を言っていけば、省別に変えていけばいいじゃないかという
議論
も成り立つわけでございましょうと思うのでございますけれ
ども
、とにかく一律ということでやるということになると、三%にすることが妥当ではないかというふうに判断したわけでございますので、一、二新聞紙上等で伝えられておるように、圧力で、これが非常に何か
行政管理庁
が引っ込んでしまったと、こういうことでは必ずしもございません。そういう言い方はあるかもしれませんが、実はそうじゃないのでございまして、出血整理を行なわないという前提でやってまいりましたので、本来から言うと、私
ども
の役所のたてまえから言うと四%にしたかったわけでございますけれ
ども
、実情に合うようには、こうするしか、しかたがなかったということでございますので、御了承いただきたいと思います。
太田淳夫
91
○太田淳夫君 そうしますと、まだ三%削減については調整ができていない、各省間。できていますか。
細田吉藏
92
○
国務大臣
(
細田吉藏
君) そうではございませんので、四%については、そういうことでございましたので三%で御了承いただいて、二十六日に
閣議決定
を見たわけでございます。ですから、三%については異存はございません。
太田淳夫
93
○太田淳夫君 そうしますと、三%については異存がないということで、これから調整をされるわけですね、各省間。
細田吉藏
94
○
国務大臣
(
細田吉藏
君) 各省庁別には三%で一律に削減をいたすわけでございます。おそらく、まあちょっと私はそういうことを言っては何ですが、今後の調整云々ということは、これは各省の中で、
職種
によりまして非常に窮屈なところがあるわけでございます。特にやかましく言われておりますのは国立大学の問題でございますとか、あるいは医療
機関
の問題でございますとか、そういうところは非常に減らすことがむずかしいという問題を言われておるわけでございますので、そういう、中の調整ということを大体おそくても今月一ぱいぐらいに、各省とわがほうとで調整をいたすということにしておるわけで、三%そのものではございません。その中身でございます。
太田淳夫
95
○太田淳夫君 いまお話がありましたけれ
ども
、やはりこういった人員の配置につきましては、
国民
の
行政サービス
の要求に応じて、いろいろと、そのサービスの向上を
考え
てきめのこまかい体制づくりが大事だと思います。いまやはり
国民
の側から要望を出されておりますのは、いまお話のあった大学
関係
あるいは病院の
医師
、
看護婦
の問題、あるいは身体障害者の施設で働いてみえる特殊な勤労者の方々、税務
職員
の方々、そういう方々の人員の確保あるいは処遇の
改善
と、これはたいへんな急を要する問題だと思います。この点につきまして、具体的にどのような
努力
をされているか、あるいはこういう方々に対しても一律に三%削減をされていくわけかどうか、そのことをちょっとお聞きしたい。
細田吉藏
96
○
国務大臣
(
細田吉藏
君) いまおっしゃったような点につきましては、実は
閣議決定
の際にも
関係
の大臣から特に注文がついておるわけでございます。これまでの第一次、第二次におきましても、そういったお
仕事
については、これは特に、何といいましょうか、見ておるわけでございます。まあ一例を申し上げますと、これは第二次ですが、これは五%というのが、実は
一般職
員には九%になります、ということは、業種別にいろいろ調整します
関係
で。ところが
医師
、
看護婦
等の病院医療
職員
については一%でございます。それから光明寮等の障害者の施設ですね、こういうものについては三%ちょっとでございますね。それから税務
職員
については三・五%というふうに、
相当
何といいましょうか、差をつけておるわけでございます。ですから、これは当然必要なところには、これは
仕事
があろうがなかろうが何でも無理やり削ると言ってみてもこれは始まらぬことでございますから、ですから、これはやっぱり当然それぞれの所管省と私
ども
が相談をして
考え
ると、こういうことでございまして、具体的な点については十分遺憾のないように御相談をしてまいると、主管省もなかなかそういう点については
承知
は簡単にいたしません。われわれのほうも、十分その実情も聞きながらやってまいりたいというふうに
考え
て、目下それをやっておる最中でございます。
峯山昭範
97
○峯山
昭範
君 それでは、私は今回の
人事院勧告
に関する諸問題について、すでに何人かの方から質問ありましたので、できるだけダブらないように質問をしたいと思います。 まず、総裁がいらっしゃいませんけれ
ども
、人事官のほうから、
国家公務員
法の二十八条の
人事院勧告
に関する条文がございますが、これに対する
人事院
としての所見を初めにお伺いしておきたい。
島田巽
98
○
説明員
(島田巽君) お答え申し上げます。
国家公務員
法二十八条の第一項には、これはおもに
給与
、
勤務
時間その他
勤務
条件
に関する
基礎
事項については、
国会
によって社会
一般
の情勢に適応するように、随時これを変更することができると、そしてその変更に関しては、
人事院
は
勧告
することを怠ってはならないということで、御
承知
のとおりでございます。第二項で「
人事院
は、毎年、少くとも一回、
俸給表
が適当であるかどうかについて
国会
及び
内閣
に同時に
報告
しなければならない。」「
給与
を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるときは、」
人事院
は
国会
及び
内閣
に適当な
報告
並びに
勧告
をしなければならないということでございまして、私
ども
この精神に従いまして、
民間
給与
との厳密な突き合わせを行なった結果、百分の五以上の差がありますときには、毎回御
報告
並びに
勧告
をいたしているという次第でございます。
峯山昭範
99
○峯山
昭範
君 ただいまの二十八条の第二項の問題について二点だけお伺いしたい。 まず第一点は、少なくとも一回以上という条項がございますが、これは要するに一回ということじゃなくて、最低一回でございまして、場合によっては二回
勧告
しても三回
勧告
してもいいと、こういうことでございますな。どうですか、これ。
島田巽
100
○
説明員
(島田巽君) お答え申し上げます。 もちろん「少なくとも一回」ということは、文字どおり一回きりではないということを含んでいることと、こういうふうに
考え
ます。
峯山昭範
101
○峯山
昭範
君 ですから、したがって終戦直後、あの物価が非常に高騰いたしましたときに、
公務員
の
給与
が年に二回ないし三回
改定
されたことが現実にございます。そういう点からいいましても、私は当然、法の精神からいいましても、年に一回だけじゃなくて、物価が非常に上がるときには二回ないし三回でもいいと、こういうふうに条文は解釈して私はいいと思っております。いまの人事官の
答弁
もそのとおりだと私は思います。 さらにもう一点、このいわゆる
改定
するときの
条件
としまして、
給与
を百分の五以上増減する必要があるとき、こういうのがありますな。これは現在の体制からいくと、
官民給与
のいわゆる格差を
比較
するということでございますけれ
ども
、
官民給与
の
比較
をするという
比較
の差の問題と、それから物価の問題と、両方これはあるわけでございます。
官民
の
給与
の差が非常に開いてくるということは、これは
民間
の
給与
が上がっているあるいは下がっているということと関連があるわけでございますけれ
ども
、それらの
給与
の増減というのは、これは当然私は物価の、特に消費者物価の増減に
関係
があると思うのですが、これらのところはいかがお
考え
ですか。
島田巽
102
○
説明員
(島田巽君) 私
ども
の
考え
といたしましては、
民間
賃金を精密に
調査
するということの中には、
民間
賃金そのものは非常にきびしい労使の話し合いというようなものでぎりぎり最後のところで決着を見ている数字だというふうに理解いたしまして、その中には、もちろん当時の物価情勢などが正確に反映されて、そして
決定
されたものというふうに解釈いたしまして、民官間の賃金をとらえます場合には、全部とは申せないかもしれませんけれ
ども
、そういう要素が
民間
賃金の中にすでに含まれているというふうに解釈いたしております。
峯山昭範
103
○峯山
昭範
君 そうしますと、さらにもうちょっと違う観点から申し上げますと、消費者物価が、たとえば私の手元にあります資料によりますと、これは皆さんのほうから
報告
してもらってもいいのですけれ
ども
、昭和四十年からずっと四十へ年までのいわゆる日本全国の
平均
的な消費者物価の上昇は、いわゆる二けたになった時代はまだほとんどないわけですね。毎年、四十年が九・九で非常に高いですけれ
ども
、その以外の年は四十一年が四・七%、四十二年が三・一%、四十三年五・二%、四十四年四・六%、こういうぐあいで、四十七年度が四・九%、四十八年九・四%、こういうぐあいにずっと見てまいりますと、それぞれ大体まあ一〇%以下のいわゆる消費者物価の上昇なんです。ところが四十九年にかけては二四・九%というような、これは想像を絶するような物価の上昇が行なわれている。少なくともこれは二、三年分と言っても過言ではないぐらいたいへんな物価の上昇が行なわれているわけです。ということは、
人事院
としては、いわゆる
人事院
ができて二十年にもなるわけですが、非常に長い間たつわけですが、実際問題として
人事院
は、私は
人事院
に対するいろんな
考え
方というのは、きょうは総裁はいらっしゃいませんけれ
ども
、ちょっとマンネリになっているんじゃないか。
人事院
は、今回の
勧告
は十五日間早くしたとか、血の出るような思いをしてと、一生懸命おっしゃっていますけれ
ども
、ちょっとマンネリになっているんじゃないか。
人事院
のいわゆる設置規定の
基本
的な
考え
方から言いましても、もっともっと社会情勢というものを見きわめて、
勧告
の問題についたって一回だけじゃなくて、二回なり三回なりやるぐらいの気合いを持って
人事院
が
仕事
に当たらないといけないのじゃないか、そういうような年にことしは現実に当たっているんじゃないか。たった十五日ぐらい早くしたからと言ったって、隣の長官は
法案
をつくるのに一カ月かかると言っている。一カ月かかるのに、あなた
国会
の
開会
中に出して
審議
しろなんて無理じゃないですか。先ほど総裁は、私は一生懸命やりました、何となく
国会
が
審議
しないのがまずいような言い方をした。あなた、そうでしょう。ところが
法案
をつくるのは、あなた方は一カ月かかるというのはわかっているんですか、
人事院
は。私たちは、
勧告
はしたのにやってくれないほうが悪いんだ。私はやらないほうが悪いと思います、悪いと思っているんです、私は。思っていますけれ
ども
、そういうことも含めて、
人事院
は私は
政府
となれ合いになっているんじゃないか、
人事院
そのものが。
人事院
はいままでずっと八月十五日の
勧告
でした。そういう点からいきますと確かに半月間は進んでおります。しかしながら、私たちがいままでこの
内閣委員会
で、もっと早く
勧告
を出せ、最近はコンピューターも出てきたじゃないかとずいぶんやってきました。そして半月間たった縮められた。それで血の出るような思いをしてやっているなんて言われたんじゃ、それは
ほんとう
に
公務員
の皆さんもかわいそうですよ。それなら
人事院
つぶしちゃって労働
基本
権全部与えたほうがいい、こういうことになります。これは当然ですよ、私は。そういう点から
考え
ても、
人事院
は、この
勧告
の回数の問題にしても、あるいはこの消費者物価の問題にしても、どこから見たって私は
人事院
の現在の姿勢というのは批判されてもいいんじゃないか、こう思っていますが、どうですか。
島田巽
104
○
説明員
(島田巽君) お答えいたします。 もちろん、八月——ことしは七月
勧告
でございますが、この七月
勧告
のような大規模な、ほとんど半年がかりぐらいでやっております
勧告
を、そうたびたび出すということは、これはなかなか困難かもしれないと思いますが、先ほどのお話にございました、ただ手をつかねてこの七月
勧告
だけを早めたと御叱責がございましたが、御
承知
のように、私
ども
といたしましても、この異常な経済情勢のもとで昨年来からたびたび
勧告
をいたしまして、たとえば昨年末の特別給の繰り上げ
支給
あるいはこの四月の初めの
期末手当
の
支給
の
勧告
、あるいはまたこの五月末にとりあえず一〇%の
俸給
月額
のアップを、これは両院の
内閣委員会
の御決議もありましたし、そういうことにつきましてすぐ手を打ちまして、そのたびたび御
審議
をいただいて御
決定
を願っている。これは
人事院
二十年の歴史にない非常に情勢に適合してやったという点は、ささやかなことかもしれませんけれ
ども
お認め願いたいと、こういうふうに存じます。
峯山昭範
105
○峯山
昭範
君 私はすぐ、この間の衆議院でもそうですが、一〇%
勧告
のやつを早く出して——五月でしたね——それをすぐ持ち出してきて、
人事院
は一生懸命やっているなんということにならない。当然私は、この法の精神からいっても一回だけじゃないんですから、もっと本気で取り組んでもいいんです。そして、しかも今回はあなた方どう
考え
たんですか。あなた方が
勧告
を出して
法案
ができるまでどのくらいかかると
人事院
は
考え
ておったんですか。
島田巽
106
○
説明員
(島田巽君) 私
ども
、非常に正確に何日かかるというはっきりした数字は存じませんが、私
ども
のむしろ
考え
は、少なくとも
臨時国会
の
開会
中までに提出して、そして、できればその
会期
中に御
審議
いただけるような
国会
であれば——あとから
考え
ればだめだったわけでございますけれ
ども
、
会期
がまさかあれほど短期間であったということが私
ども
の思わぬことであったということでございます。
峯山昭範
107
○峯山
昭範
君
人事院
は、要するにあなた方は、
会期
が思わぬなんておっしゃっていますがね、あなた。今回の
臨時国会
、二十四日に
開会
されている。あなた方
開会
されてから出しているわけです。三十一日に終わるんです。あなた方はもっと前から出す準備はしておられたでしょう。いまのあなたの
答弁
聞いておりますと、今回の
国会
はもっと長いであろう、もうちょっとあとのほうで召集になるかもわからない、こういうようなつもりであなた方はいまものを言っているわけです。しかしながら、現実には今回の
勧告
は、
国会
が始まって
会期
の中で
勧告
をしているわけです。それであるならば、
会期
もきまっているわけです。
会期
中に
審議
してもらいたいなんという、もしことばが出てくるとするならば、二十六日から三十一日までのもう五日か六日しかありませんよ。この間に
法案
ができるとあなた方は判断されたんですか。
島田巽
108
○
説明員
(島田巽君) 私
ども
そこまで的確に、短くできるということは存じておりませんし、それから先ほど申し上げました、
国会
かもし
会期
が長かったらという点は、もし私の
発言
が不当でございましたら取り消させていただきます。
峯山昭範
109
○峯山
昭範
君 ということは、そんなに早くできるなんて思っていなかったと
人事院
がおっしゃっているとすれば、
人事院
は、二十六日に
勧告
はしたけれ
ども
、今度の
国会
で
審議
してもらうのは無理だともう初めから思っていたということになりますね、これは。あなたのことばを詰めていくとそうなりますよ。ですから私は、こういうふうな、いわゆる
実施
できないような時期にあなた方がもう
政府
とべったりで、
会期
のまつ最中に、しかも、とてもじゃないけれ
ども
無理なときに出して、そして延ばしたと、こういうぐあいに勘ぐられてもしようがないじゃないかというんです。そのためには、やっぱり
人事院
が本気になってこういうふうな問題に取り組んでもらいたいし、——私はこれだけで言っているんじゃないんです。まだほかにも一ぱいあるんです。——そういうような
意味
では、この
給与
の問題についてはもっともっと真剣に取り組んでもらいたいと私は思う。きょうは時間の
関係
ありますので、あまりこればかりやっているとほかの問題がやれませんのでこれくらいでやめますけれ
ども
、いずれにしても、この問題については、
人事院
としては
ほんとう
に本気でこの問題については取り組んでもらいたい。ことしは、現在の物価の上昇の観点から
考え
てみましても、ことしの四月からずっと物価の上昇、もうあなた方わかっています。去年以上の物価の上昇が予想されています。そうしますと、来年はどうなるかというのはいまからある程度のめどはつきます。そういう点からいきますと、来年はどうするかということは重要な問題です、これは。その点にも思いをはせて、
人事院
が本気に取り組んでいかないと、私は
人事院
の存在価値を失うと思う。そういうところも
考え
合わせてもう一回
答弁
をいただきたい。
島田巽
110
○
説明員
(島田巽君)
人事院
のあるべき姿勢について非常に貴重な御
意見
伺いまして、十分銘記して、これからの事態に対処していきたいと思います。 また、おことばを返すようなことではございませんが、私
ども
決して提出の時期を延ばして、そのために今度に間に合わないような意図的なことは、これは絶対に毛頭ないことを御理解願いたいと存じます。
峯山昭範
111
○峯山
昭範
君
総務長官
、私は先ほどからずっと
総務長官
の
答弁
を聞いておりまして、
総務長官
のことばの中にこういうことばが出てきました。
人事院
の
勧告
だけで
臨時国会
を開けるかどうかというような
意味
の
発言
をあなたは先ほどいたしました。もともと私は、この
人事院
の
勧告
が出たら、
政府
としてはそれを受けて直ちに私は
臨時国会
を開くべきだと思うんです、
基本
的な
考え
方としてはそうあるべきだと思う。現実に
給与
国会
というものが前にも開かれたことがあるんです。そういう点から言いましても、
総務長官
自身が、この
人事院
の
勧告
というものをどういうふうに
考え
ておられるのか、受けとめておられるのか、これはどうですか。
小坂徳三郎
112
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) 申し上げるまでもなく、われわれはこの
人事院
の
勧告
というものに対して、第三者がこのような形で
勧告
をわれわれにしてくれておるわけでございまして、この
勧告
に対しては誠意を持って対処をしていくという
考え
方は少しも変わっておりません。
峯山昭範
113
○峯山
昭範
君
総務長官
は、誠意を持って対処していく気持ちには変わりはないと。しかし、誠意というのは具体的に何かあらわれないとこれはわからないですよね。そういう点からいきますと、ことしの
勧告
の様子なんというものを見ておりますと、
政府
の誠意なんというのはまるっきし感じられない。いつもの年ならば、
人事院
の
勧告
がありましたらすぐ
閣議
の
決定
がありますよ。ところが、今回はいまだにされてない。これはやっぱり、そういう点から
考え
てみても私は誠意があるとは言えない。一体
閣議決定
はいつごろ行なわれるんですか、その見通しはそれならどうお
考え
なんですか、そして、あなたはその問題について
閣議
でどう主張されているんですか。
小坂徳三郎
114
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
人事院
から
勧告
をもらいましたのは二十六日で、三十日の
閣議
にこれを
報告
いたしまして、それから三十日の
給与関係閣僚会議
においてこれを一応
討議
をいたしました。 で、ただいまの御質問でございますが、私がその間においてどうしたということでございますけれ
ども
、私は、この
人事院
の
勧告
を即時
実施
をしていくという
考え
でありますけれ
ども
、
給与関係閣僚会議
におきましては、それぞれの担当
国務大臣
が、今回の
人事院
の
勧告
に対して、きわめて高率であるとか、あるいはまた、この
財源措置
であるとか等々いろいろな問題を提起されまして
議論
がなされました。私は、この今回のような高額の
勧告
に対しましては、担当
閣僚
がそれぞれの自分の
立場
に立って
議論
を戦わせていくということは、これは本質的に
人事院
の
勧告
をただうのみにするということよりもはるかにいいのではないかと思って、したがいまして、こうした各省の
検討
というものが、ただ、のんべんだらりと時間をつぶすという
意味
でなしに、十分に
検討
し、真剣な
討議
を
閣僚会議
でなされるということこそ、
人事院
の
勧告
を今後長きにわたって尊重していく基盤をつくるものではないかと私は
考え
ております。そうした
意味
でございますが、繰り返して申し上げますが、ただいたずらに時間をとるというような
会議
をわれわれは主張しているわけではございません。昨日も衆議院の
内閣委員会
におきましても、
大蔵大臣
からそうした問題について、自分の
発言
がたいへん誤解をされておるように思うけれ
ども
、そんな
意味
ではない、合計して二兆数千億に達する今回の
人事院勧告
というものは、そう簡単な財政の運用によって可能なことではないということも踏まえながら、十分に
検討
して、それに誠意を持ってこたえるということを申しておりまして、七月三十日の当時の
議論
からははるかに進んだ感覚が昨日の
答弁
の中には出ておったように私は思います。 そのようなことでございますが、われわれもこの
人事院
の
勧告
を、ただ
関係
閣僚
の間でたらい回しにしておっても解決はいたしませんから、そうしたことが一日も早く
閣僚会議
において合意のなされるような方向で
努力
をしていくということ、これが私の気持ちであり、今後の方針でございます。
閣僚
協議会が済みましてから
閣議
に
報告
されて、
閣議
でも、他の
閣僚
から何らの異議がなければこれが
決定
されるわけでございますが、一人でも異議があるとこれはなかなかきまらないということになるわけでございまして、ただいまもたいへん御熱意のある御
発言
をいただきまして、
総理府
といたしましてはたいへんありがたいと思いますが、そのような事情と実態を踏まえながら着実に前進をはかってまいりたい、このように
考え
ておるのでございます。
峯山昭範
115
○峯山
昭範
君 私は、総裁——総裁はいませんけれ
ども
、
総務長官
のいまの
答弁
を聞いておりますと、これは
人事院
の存在価値が疑われますね、これは。私は、いま
総務長官
がおっしゃるように、
人事院勧告
というもののその重みというものはまるっきしないのじゃないかと私は思う。人事官どう思いますか。
政府
は
閣議
において、
総務長官
がおっしゃるように、この
人事院
からなされた
勧告
を、その
内容
についても一生懸命
討議
をする、そして
人事院
からなされたとおり、いわゆる
完全実施
をするために何とか資金の確保をする、そのために一生懸命
議論
をするのならぼくはそれはそれなりに
意味
があると思う。
人事院
がたいへんな思いをして
調査
をした。そうしてそれに基づいて、たいへんな資金が要る、だからその資金を集めるためにこれはもうたいへんだということで
政府
が一生懸命
議論
するのならいい。ところが現実はそうじゃない。今回の
人事院
の
勧告
が高過ぎる、そして
人事院
のその現在の
勧告
の中身、これがいろいろな角度から
議論
をされている。
議論
をすることはいいでしょう。しかし、われわれが新聞報道や何やかやで見る限り、またあるいは政務次官やそういうふうな
会議
で出た
内容
を見る限り、これは
人事院勧告
に対するたいへんな干渉であり、結局
公務員
のいわゆる労働
基本
権と差しかえにしたいわゆる
人事院
の
勧告
という
考え
方ですね、だいぶこれは問題があると私は思います。現実に、人事官、これは皆さん御存じのとおり、最近
給与
がそうでしょう。
政府
主導型になっているのじゃないですか。たとえば、先般あの人材確保法による教
職員
の
給与
が
改定
になりました。あるいは先般から教
職員
や
看護婦
以外の
職員
についても、いわゆる教員以外の
給与
についても
人事院
に対するいろいろな——これはいろいろ問題はありましょうけれ
ども
、各省庁からいろいろな要望がなされる、それに基づいて
人事院
がどういうぐあいに左右されているか、こういう問題にも関連をしてきます。そうしますと、最終的には私は
人事院
はもう必要ないのじゃないかということになる。こういう点から
考え
てみましても、私はこの点については非常に重要な問題があると思う。
人事院
、これはこういう問題についてどうお
考え
ですか。
島田巽
116
○
説明員
(島田巽君) お答え申し上げます。 私は、
給与
関係
の
担当関係閣僚
会議
の御
意見
がどういうことであるか、
内容
を全部伺うわけにはまいりませんし、
総務長官
のお話によって、真剣なそれぞれの
討議
がなされておるということでございますから、その結果を注目して見守っておる段階でございます。ただ、いつの場合でもそうでございますけれ
ども
、私
ども
が
勧告
を出しましたときに、一つの面からは、今度の
勧告
は大型でとてもこんなことをやったのでは日本経済はたまらないという、高きに過ぎるという御批判と、それからまた一方の側からは、こんな低い
勧告
で一体食えるかという、常に両方からの御比判がある。私は、まあこれは総裁も常に漏らすことでございますが、
人事院
の中立
機関
としての宿命と申しますか、私
ども
としてはどちらからか非常に喜ばれるというふうなことになるというふうなことでなしに、中間で、中間と申しますよりも私
ども
の信念に基づいて正確な
勧告
を出しているわけでございますから、それに対する御批判はいろいろな面からあってもやむを得ないのじゃないかというふうに
考え
ます。 それから
政府
主導型じゃないかというお話がございますが、人材確保
法案
にいたしましても、私
ども
かねがね教員
給与
の
改善
ということにつきましては、できるだけのことをしたいと思っておりまして、ただ、ああいう総合
較差
方式の中におきましてはなかなか思い切った
改善
ができないというふうなこともございまして、人材確保法の成立によって、今度のようなかなり思い切った
改善
ができるというふうな、そういういろいろな面で、また
看護婦
の方々その他の
改善
にいたしても、私
ども
のほうから、
改善
をしたいからあらかじめ通常予算の中に
改善
費を見込んでおいていただきたいというふうなことを申して、決して、ただ他動的な御要求に基づいて動いているということでは決してないことを御理解願いたいと思います。
峯山昭範
117
○峯山
昭範
君 もう私に与えられた時間が非常に短くなってまいりましたので、もうたくさん質問できませんが、きょうは行管庁長官お見えになっておりますので、一言お伺いしておきたいと思います。 やっぱり
行政管理庁長官
としては、本
内閣委員会
ではきょう初めてでございますので、先ほどごあいさつをいただきましたが、私は、この
行政
改革という問題は、非常に重要な問題であります。今回も
給与
の改正とあわせてこの定員削減の問題が出てまいりました。やっぱり
行政
改革の
基本
的な
考え
ですね、
行政管理庁
の長官として、いま何を根幹にして
行政
改革を推し進めようとしていらっしゃるのかというのがまず第一点。 それから、先ほ
ども
お話がありましたように、この三年間で三%削減の
決定
をいたしておりますけれ
ども
、先ほど
同僚議員
が質問いたしましたが、これは大臣、三年三%で各省庁、
閣議決定
をいたしました。しかしながら、これをどういうぐあいに配分をし、どういうぐあいに、どこの省庁のどこが何人ずつ減るかということになってくると非常にむずかしい。その基準は何かということが非常にいつも問題になるわけです。先ほ
ども
ちょっと問題になりました。それで、局長はちょっとだけ口をすべらせまして、
職種
を四種類に分類してその配分をするんだというような
意味
のことを
発言
をされました。これは一体どういうことなのか、これはあとで局長から資料でも何でもけっこうです、あとで一ぺん教えていただきたいと思います。大臣からは、私が申しましたいまのいわゆる三年三%削減の問題の中でも、大臣は先ほど非常にものわかりのいい話をいたしましたが、たとえば病院のお医者さんとか、そういうようないろんな問題、足りないところがございます。そういうようなところにはそれなりに
配慮
してという話がございましたけれ
ども
、そういうところまで現実には削減の手が伸びてきておる。現実にどうしても必要なところが人員を減らさなきゃならないというはめに現実におちいってきている。そういうようなところは一体どうしていくのか、やっぱり大臣の強烈な政治的手腕を問われるところだと私は思います。そういう点から、やっぱり
基本
的な
行政
改革のあり方というものを抜本に定めて、それに基づいてやっぱり
行政
改革を推し進めていくという
考え
方でなければ私はいけないと思うんです。そのバックボーンとなるものは一体何か、これは一ぺん、きょうは大臣にこのことを一言お伺いしておきたいと思います。 それからさらに、
総務長官
にもついでに質問して私の質問終わりますが、
総務長官
、いろいろこれは
議論
は一ぱいあります。ありますけれ
ども
、現実の問題として、今回の
給与
が
完全実施
されるであろう。これはされるであろうと私は思いますし、まあされるであろうと確信を持っておりますが、実際これ、これからのいろんな時期の問題もございますが、一体、いつごろ——これはいわゆる
臨時国会
開いてやるんでしょうけれ
ども
、そのめどとしては、やっぱり
総務長官
、いつごろにはどうしようというある程度のめどがないといけないと思うし、
総務長官
はやっぱり主張をしないといけないと思いますね、やっぱりね。そこら辺の一つの大きなめどといいますか、それはある程度、いつごろということだけでも教えていただかないと、われわれ、きょう質問した値打ちがないわけです、ほんま言うたらですね。そういうような
意味
で、大体いつごろにはこの
給与
、この差額の分はもらえるのか、ここら辺のところはやっぱりちょっと教えていただきたいと私は思います。この
二つ
を最後に質問をして、私の質問は終わりたいと思います。
細田吉藏
118
○
国務大臣
(
細田吉藏
君) たいへん大きな問題でございまして、私も目下いろいろ勉強いたしておりますから、お答えがまとまったものになるかどうかわかりませんが、
考え
ておりますことの概要を申し上げたいと思います。 総需要抑制とか、あるいは先ほど来のお話のように、
公務員
の
給与
もこれはもう低いですから、これは上げていくというような問題もございます。
民間
に対していろいろ
政府
側から御要請を申し上げたりしていることもありますから、やっぱり
政府
がいわゆるチープガバメントと申しますか、
ほんとう
に能率の高い、そうして
国民
に親切な
行政
でなきゃならぬことはもう当然だと思います。ですから、いつの場合でも、私
ども
行政
の簡素化、合理化、これはもう何んでもかんてもぶった切るという
意味
ではなくて、必要なところに
行政
が行き届いて、それからやっぱり時間の経過の間で
比較
的手薄、
仕事
が少なくなるとか、まあ必要がないということを申すところはないと思いますが、そういうところがございますので、これはもう絶えず私
ども
やっていかなきゃならぬ問題だと思っております。
基本
的には、三十九年にいただきました臨時
行政
調査
会の答申というものがきわめて部分的にしか
実現
できておりません。これにはいろんな事情がございます。たとえば、
内閣
法一つにしましても、いま
国会
で
審議
中でございますが、
政府
が
法案
としてつくって出してもおらないというような、答申の中にはそういうもの、つまり、手がついておらないというようなものもございます。あるいは地方
事務
官制の問題等につきましても、これは答申いただいてもうずいぶんだっているわけですが、手がついておりません。ですから、
基本
的には臨時
行政
調査
会の答申というような大きな一つの指針をいただいているものと私は
考え
ております。しかも、その答申の中にございまして、実際には私
ども
のほうに
行政
監理
委員会
というものができているわけでございます。これはこの答申によってできたものでございまして、臨時
行政
調査
会をむしろやや恒久的に、答申の
実施
を監視し、それから新たないろんな問題に対応するためにできておるものでございます。これは毎週一回いま開かれておるわけでございますが、そこで臨時
行政
調査
会の答申もやれたものもございます。様子が変わったものもございます。そういうものは、
行政
監理
委員会
の中で、新しい時代に対応していろいろ
行政
改革の
仕事
をやっていくと、こういうことでなければならないと思っております。 で、これはもう言うまでもございませんけれ
ども
、原則的に申しますると、新しい
行政
需要がどんどん起こっておりまするので、忙しいところはべらぼうに忙しいわけでございます。しかし、先ほど申し上げますように、ややまあ惰性になっているといいましょうか、これまでの、つまりいろいろ問題になったときには非常に重要であったけれ
ども
、もういまはしかし情勢が変わってそれほどでもない、もう少し
仕事
を簡素化してもいいんじゃないかと、そういうところがあるわけでございまして、そういうものについて絶えずひとつ私
ども
気を配ってまいりたいというふうに思っておるわけでございます。ただ、この問題は、なかなか各省庁、特に役人の、何といいましょうか、非常な強い抵抗といいますか、というものがございます。また、政治的にもかなりこれは、やや抵抗になってあらわれる場合もございますので、なかなか困難だと思っておりますが、総理の政治力も大いに期待をいたしたいと思っておりますし、私
ども
もひとつ勇気を持ってこの問題、対処してまいりたいというふうに
考え
ておるわけでございます。 なお、私は特に、もう何といいましょうか、法律や政令で
仕事
ができておるもので、時代が変わってこれを変えなきゃならぬというようなものもあるのじゃないかというふうに思っております。ですから、そういうものについては、やっぱり法律や政令も新しくできますと、どうしてもそれば必要があってできることでございますから、人間がふえるほうの側でございまして、やっぱりやめていただくのも立法府でいろいろ
考え
て、こういうものは簡素にしようじゃないかというようなことをぜひお
考え
いただくように、私
ども
も研究してまいりたいというふうに
考え
ております。
基本
的な線はそういうことでございます。 それからなお、先ほどちょっと
答弁
の中で誤解があるといけませんので、私ちょっと補足さしていただきたいと思いますが、あとのほうの御質問に関連することでございますけれ
ども
、三%というのは一応各省庁が全部御了承いただきましたが、先ほど申し上げましたような、また太田先生の御質問にお答えしましたように、またいまもお話がございましたように、減らせないというようなものが出てきておるわけでございますから、そういうものについては、三%に各省別に見ましての上のせをする、つまり、厚生省なら厚生省の中でまかない切れないという部門については、他の省庁で持ってもらうというような場合もございまして、各省別三%と申しましたのは、原則的な三%は御了承いただいておる、こういう
意味
でございますので、多少誤解があるといけませんからそういうことで御了承いただきたいと思います。 それから基準の問題につきましては、こまかい点については局長からお答えをさせていただきたいと思います。
峯山昭範
119
○峯山
昭範
君 あとでけっこうです。
小坂徳三郎
120
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
総理府
といたしましては、できるだけ早く
関係
閣僚
間のこの問題についての理解、了解、合意、こうしたものを早急に
実現
するように
努力
をいたしますとともに、
閣議決定
の後には直ちに
法案
の作成に入って、いつでも
国会
に対応できる万全の
措置
をやってまいりたいと
考え
ております。
内藤功
121
○内藤功君 まず、
人事院
茨木
給与局長
にお伺いをしたいと思います。 現在
審議
をされております
人事院勧告
というのは、言うまでもなく、
国家公務員
の
給与
に関するきわめて重要な
勧告
であり、またこれは
地方公務員
、自衛隊、警察などの
職員
、さらには
政府
関係
の各種法人の
職員
などの労働
条件
にも、直接間接に影響を及ぼすものであります。これがまた、憲法でいう生存権あるいは団体行動権の代償である、こういうことも最高裁の判例その他でも指摘をされておるところであります。私は、必ずしも争議権の代償という評価には賛成はしませんけれ
ども
、きわめて重要なものである。私
ども
は、この
公務員
の
給与
は本来、これはイギリスあるいはフランスの
公務員
において行なわれているように、団体交渉とさらに団体行動というものを
基本
にして
政府
担当
機関
と
公務員
の労働組合の間で交渉によってきめられていくのが本筋である。
人事院
の
勧告
制度そのものの当否についても問題を投げかけているわけでありますけれ
ども
、しかし、
人事院勧告
ができて二十年間、この間にきわめてわずかではあるけれ
ども
、
改善
されている点もあることは率直に評価をできる点もあります。 そこで、私はかねがね
人事院勧告
の中の特に、少しこまかい話になりますが、
勧告
策定作業というものの中でこういう点はどうであろうかと思っておる点がありますので、約三点ばかり、多少こまかい質問ですので資料を御提示願う場面もあると思いますが、なるべく詳細にお答えを願いたいと思うのであります。 まずその一点は、昭和四十九年
職種
別
民間
給与
実態
調査
、これを
実施
されるにあたって、当然
人事院
では、
民間
の各
職種
の
平均
支給額
を
調査
されるに際して、本社とか支社、支店あるいは出先
機関
など、いわゆる組織区分ごとに
平均
支給額
を
調査
あるいは算出をされたと思うんですが、これはいかがでしょうか。
茨木広
122
○
説明員
(茨木広君)
民間調査
をやります際に、本社、支社等の組織別の問題でございますが、これは層化無作為抽出法によって抽出いたしましたというふうに
報告
申し上げておりますように、一応規模別に千人以上でございますとこれはほとんど悉皆になると言いますし、五百人以上、百人以上と、これは抽出率を若干変えておりますが、そういうことで抽出をしてまいりますが、抜いてまいりましたものは、各会社なりあるいは支社別にというような
意味
のグループ別に集計をするということはいたしてございません。これは参考資料として御配付申し上げておりますような形で
調査
を
民間企業
として出してもらうわけでございます。
内藤功
123
○内藤功君 同じく部長あるいは課長あるいは係長と申しましても、
民間
会社では本社のそれと支社、支店のそれとは、その
職務
責任なりあるいは
給与
の額においても非常に顕著な違いがある場合が多いと思うんですね。で、この区別をつけて
調査
をし、あるいは算出をするということ、正確に
官民
の
較差
を調べるというのが
人事院勧告
作業の第一歩なんですから、こいつが狂ってしまえばすべての
人事院勧告
が、うまい作文つくったって何にもならない。精密、いわゆる前の総裁が言われた万邦無比、正確だと言うんならば、当然そういう
調査
をなさっておられるものと思ってお伺いしているわけですが、こういう
調査
はしてないですか、もう一ぺん伺います。
茨木広
124
○
説明員
(茨木広君) このお手元に配付いたしております参考資料の後半が
民間
の
調査
になっておりますが、その備考欄あるいはその次の対応
等級
というのがございます。そこのところに、やはり規模別に五百人以上とか五百人未満とかいうようなことがそれぞれ書いてあるのがございます。で、やはり……
内藤功
125
○内藤功君 いや、それはわかっているんですよ。それを聞いているんじゃない。本社、支社、支店別のはあるかどうかというんです。
茨木広
126
○
説明員
(茨木広君) そういう
意味
では、ここに支店長と、たとえば本店の場合とはというようなふうな、そういう類似のところの
等級
段階の切り方をやっておりますが、本社は本社だけ、支店は支店だけというふうなグループ別にはいたしてございません。
内藤功
127
○内藤功君 つまり同じ課長といっても、本社の課長はこのくらいで
公務員
の何
等級
に当たる、支店の課長はこのくらいで
公務員
で言うと何
等級
に当たると、こういう区別は調べていないということですか、現在では。
茨木広
128
○
説明員
(茨木広君) そういうことでございますと、それはこれに載っておりますように、対応のところをちゃんときめていたしてございます。そうでないと、大体類似のところをつかまえてきたということにならないものでございますから、これは御
意見
のとおりにしてございます。
内藤功
129
○内藤功君 対応というのは、単に
事務
係長あるいは
事務
課長という形でやっておって、本社、支社、支店別のはないと、こういうことで伺っておきます。よろしいですね。
茨木広
130
○
説明員
(茨木広君) はい、よろしゅうございます。
内藤功
131
○内藤功君 一方、
公務員
のほうですが、国家
公務員給与
等実態
調査
というものをおやりになっておるわけですが、この中ではいかがです。各
職種
ごとに、たとえば本省庁、管区
機関
あるいは府県単位
機関
、地方出先
機関
あるいは出張所というようにこの組織区分を分けて、そして課長は、本省の課長はこれだけあるいは地方出先
機関
の課長はこれだけ、こういうふうな区別をして、この実態
調査
の際に
平均
給与
を区分して
調査
しておりますか。
茨木広
132
○
説明員
(茨木広君)
公務員
関係
は、いまの参考資料の前半部分が
公務員
関係
になっておりますが、これは御案内のように、各
俸給表
別にそれぞれ
等級
がございます。で、この
等級
のところで同一
等級
のところに、本省の課長補佐が、ある
等級
に入り、地方の出先
機関
の課長も同じ
等級
に入るというようなふうに、その
等級
のところで同等のところの評価を一応いたしてございますものですから、ここで
俸給表
別、
等級
別にそれぞれの
報告
ができ上がっておりますが、そういうっかまえ方をいたしてきております。
内藤功
133
○内藤功君 その場合に、いまの御
説明
では少しことばが足りないと思うんですが、どういうふうな分け方をしますか。本省と本省でないものというふうに分けているのか、あるいはもう少しこまかく管区
機関
とか府県とか地方出先
機関
、出張所というふうにこまかく分けておるのか、その点の分け方、どうなっています。
茨木広
134
○
説明員
(茨木広君) この
官民給与
比較
の
基礎
になります
給与
調査
といたしましては、
等級
別に一本に集計してございまして、本省あるいは管区あるいは
機関
というふうに別々な、別グループに集計をするといういたし方はいたしてございません。
内藤功
135
○内藤功君 たとえばですね、これは私が聞くのは職業安定所、これは労働省の
関係
ですが、職業安定所の課長というのはこれは何
等級
になりますか。
茨木広
136
○
説明員
(茨木広君) 府県単位
機関
になりますから、そういたしますというと、四
等級
、五
等級
等にこの課長は該当すると、こういうことになります。
内藤功
137
○内藤功君 そうしますと、四
等級
の職業安定所の課長の場合、これは五百人以上の規模の企業では
職種
は何に当たりますか、係長ですか、課長ですか。
茨木広
138
○
説明員
(茨木広君) 五百人以上でございますと係長でございます。
内藤功
139
○内藤功君 これは
職務
と責任ということを
人事院
は常におっしゃっていますが、職業安定所の課長と、それから五百人以上の規模の企業の係長ですか、係長とおっしゃったですね、この係長とが、
職務
と責任の上においてまさに対応する合理的な理由があると、こういう点についてはいかがでございますか、そういうふうにお
考え
なのかどうか、また吟味をされたかどうか。
茨木広
140
○
説明員
(茨木広君) これはちょうどその五
等級
のところは、まず
公務員
内部で申し上げますというと、本省庁のやはり係長ないし主任にこれは
相当
するわけでございます、本省に持ってまいりますとですね。で、五百人以上のいま係長と申し上げましたのは、大体出先でなくて本店の場合が多いと思いますけれ
ども
、本店のところで
比較
いたしますというと、やはり係長のところがちょうどそこに対応するというふうに
考え
られますという評価をいたしておるわけでございます。
内藤功
141
○内藤功君 その場合でも、やはり五百人以上の規模の企業の係長というけれ
ども
、それが本社の係長である場合と、出先
機関
、支店、出張所などの係長である場合とは、おのずから違ってくるだろうと思うんです。この点はこれ以上
答弁
求めませんけれ
ども
、もう一つ局長にひとつ聞いておきたいんですが、このように、同じく部長とか課長とかいってもいろんな、本店、支店、出張所というものによって
職務
と責任も違い、またその
給与
実態
調査
をなさる場合の
平均
給与
額の違いがあろうと思うんです。私は正直のところ、そういう
調査
しておりましたと、しかし資料がそろわなかったと、こういう御
答弁
があるかと思って実は予想しておったんですが、
調査
をしていないという御
答弁
、そういう数字が出ていないと。これはぜひ正確な
調査
をなさる上において、
官民給与
の適正な
較差
を打ち出す上において、私はずばり提言ですけれ
ども
、この本社、支社、支店別の数字を出しておられなかったのは非常にこれは
調査
としては不十分だと思います、率直に言って。これをおやりになるように私は提案をしたい。即答ができればけっこうだが、即答ができないのであれば研究課題にして、すみやかにこれについての
検討
をしてもらいたい。きょうは第一回ですから、これからときどき同じこと聞きますから、ひとつそれを研究しておいてほしいということを要望いたします。
茨木広
142
○
説明員
(茨木広君) たいへん貴重な御
意見
を拝聴させていただきましたが、いろいろこの対応
関係
についても、絶えず私
ども
といたしましても研究を重ねておるところでございますので、よくその際にまた
検討
いたしたいと思っております。
内藤功
143
○内藤功君 これだけじゃないんですね、問題は。大体この対応ということが、対応
職種
が何であり、そしてその数字が正確かどうかが、繰り返して言うけれ
ども
、
人事院勧告
が、労働者のストライキ権を奪っておって、それでこれに従えと言うからには、やっぱりそれだけの厳密さがなくちゃいかぬという問題で申し上げておるわけですから。 もう一つ申し上げておきたいのは、今度の
人事院勧告
、いわゆる
勧告
のこの文書の
報告
のほうの部、表紙を入れて五枚目の二行目に、「
俸給表
については、
民間
給与
の傾向等に照らし、
初任給
の引上げはもとより中堅層
職員
の
給与
の
改善
に
重点
を置」くんだと。
初任給
の問題は詳しく他の委員からも聞かれたんで、私は主としてこの中堅層
職員
という問題についてお聞きをしたいと思う。これがいま一番役所の中でも熟練しており、法規、慣例にも精通しており、また
国民
の信頼も得ることができるし、一番大事な人であります。ところが必ずしも厚遇していないです、いまのやり方。これについて私はお伺いしたいんですが、「
改善
に
重点
を置き」というのですが、まずあなたのほうから、具体的にいうと中堅層
職員
とは、これは念のための質問ですが、行(一)でいうと何
等級
をおさしになっているのかということをまず念のために聞いておきたい。
茨木広
144
○
説明員
(茨木広君) これは数学的にはっきりどこからどこまでというふうには申し上げかねますが、七
等級
の半分ぐらいから六、五、四、三の一部という辺がやはり中堅をなすんじゃなかろうかと、いまの
職員
分布からいいましてもですね、そう
考え
ております。
内藤功
145
○内藤功君 そうすると、まあだいぶ中堅を広くおっしゃったが、それは別に異論はありません。そこでその
意味
での中堅層について、ここに書いてある「
改善
に
重点
を置き」というのですが、あなた方のほうで、こいつは見てもらいたいと、これは
努力
したんだというのは何と何ですか。
茨木広
146
○
説明員
(茨木広君) いま「
俸給表
について」というところで御指摘になりましたので、まあ例示的に申し上げさせていただきたいと思っておりますが、まず世帯を形成する層ということで、要するに家族持ちになるというところを大体二十七、八歳とお答えいたします。これは
関係
職員
のほうもやっぱりそういうところをたいへん大事に要望をいたしてきております。そういうところについて、これは大体七
等級
の四、五号俸程度のところになりますが、これはやはり八
等級
と同じような程度の——一〇%後の数字で申し上げさせていただきますけれ
ども
——やはり八
等級
と同程度の一九%の
引き上げ
をするというふうなところに一つ
考え
方があらわれておるつもりでございます。それから六
等級
のほうについて申し上げますというと、その前半の号俸についてもやはり大体一八%をこえる
改善
というふうにいたしてございます。それからその上のほうの三−五
等級
については、人員が大体集中いたしております中位号俸、
相当
年齢が高くなっておるものですから、初号よりもあとのほうの号俸のところに人員が集中いたしておるというきらいがございます。そこで中位号俸を中心に
昇給
間差額の折れ曲がり是正をいたすというような気持ちでそこに金額を入れさせていただいております。
内藤功
147
○内藤功君 いまの、数字はどうですか。
茨木広
148
○
説明員
(茨木広君) たとえば五
等級
の十五号俸の
引き上げ
額で申し上げますが、これは現在十一万九千四百円でございますが、これが二万二千九百円
引き上げ
てございます。この二万二千九百円というのは、大体十一万九千四百円というようなものと同じような金額をもっと上の
等級
の号のところで例を引きますと、二
等級
の一号俸のところが十一万九千二百円、ちょうど二百円足らずの金額になっておりますが、ここの二
等級
のほうの
引き上げ
額は二万二千六百円でございますが、この五
等級
の十五号俸のところは二万二千九百円ということで、三百円高に、むしろ五
等級
のほうの金額のアップの額のほうが高くしてございます。というようなところを一つの例として申し上げられると思います。また四
等級
のほうで申し上げますと、四
等級
のやはり中間以降でございますが、十二号俸、これが現行やはり十二万九千六百円でございますが、
引き上げ
額が二万四千六百円になっております。これに大体類似のところが二
等級
のところで例を引きますと、二
等級
の三号俸、これが現行が十二万九千九百円でございますけれ
ども
、このところの
引き上げ
額が二万四千百円と、これもやはり四
等級
のほうが五百円高い
引き上げ
額にしてあるというふうに、その辺のところの金額を、こころもちそれぞれやはり高くしてございますというふうなところで申し上げたいと思っております。
内藤功
149
○内藤功君 ところで、そのような例示でいま言われましたけれ
ども
、いわゆる中堅層
職員
というのは、三
等級
の一部から四、五、六、七
等級
、八
等級
の一部というお答えでしたが、これらの各
等級
の、つまり具体的に言うと行(一)の三から八まで、一応行(一)にしぼって、三から八までの各
等級
別の
平均年齢
が、あなたのほうからお配りになった参考資料にないので、お手元の資料でけっこうだが
答弁
願いたい。行(一)の総計は、この参考資料の一ページに
平均年齢
が三十八・六歳というので出ておるから、これはわかっておるんですが、この行(一)の各
等級
別の
平均年齢
をひとつ数字でお教え願いたい、次の資問に関連があるので。
茨木広
150
○
説明員
(茨木広君) ちょっと、いま数字をさがさせておりますのでお待ちをいただきたいと思います。——各
俸給表
によって若干年齢か違いますので、行(一)の
俸給表
で申し上げさせていただきたいと思いますが、いまのところで申し上げますと、三
等級
が四十九・六歳、それから四
等級
が四十八・一歳、それから五
等級
が四十五・〇歳、六
等級
が三十七・七歳、七
等級
が二十七・八歳というようなところでございます。
内藤功
151
○内藤功君 八
等級
もついでに。
茨木広
152
○
説明員
(茨木広君) 八
等級
は全部で二十二・二歳でございます。
内藤功
153
○内藤功君 こまかい数字で恐縮ですが、私の調べたところでは六
等級
が三十七・八となっていますが、どうですか。
茨木広
154
○
説明員
(茨木広君) 七でございます。
内藤功
155
○内藤功君 そうしますと、いま大体中堅層といわれる行(一)の三から八までの
平均年齢
が出たわけなんですね。そうしますと、はたして
官民
の対応作業というのをする場合には、この行(一)の四
等級
なら四
等級
に対応する
民間
の
職種
はどういう
職種
であるか、その
職種
は
平均年齢
が幾つであるか、これのつり合いもとれてなくちゃいかぬとぼくは思うんです。 そこでお伺いしたいのは、いま言われた中堅中の中堅というのは四
等級
だろうと思うのですが、四
等級
に例をとってみる。いまあなたは四十八・一歳が
平均年齢
だとおっしゃった。
給与
の面では若干の是正をしたんだと、こう言った。それではこの四
等級
に対応するのは五百人以上の規模の企業では何になります。係長になるんですね、これをちょっとお伺いしたい。
事務
係長及び
技術
係長がこの四
等級
に対応する
職種
ですね。
茨木広
156
○
説明員
(茨木広君)
事務
係長になります。それで、
一般
的にはいまおっしゃられましたような問題がございますので、そこで
民間
でつかまえてきました人数なり年齢なりが、それぞれこちらとびたっと対応いたしませんので、こちらのそのそれぞれ年齢のところを合わせまして、人数は今度はこちらの人数に換算、置きかえて、たとえば向こうは五人しかおらないと、こっちは二十人おるという場合には、こっちの二十人に
民間
の人数を置きかえまして、そこの
給与
額を、五人向こうがあったものをこっちの二十人の金額にウエートを置き直しまして集計をするというような方法をとってございます。
内藤功
157
○内藤功君 換算のことはまたあとでお聞きしたいと思います。大体こういう場合に換算をそう簡単にやっていいかどうか。しかも実際に
給与
を受ける側が十分に知らないでもって、かってにこっちの何人がこっちの何人というふうに換算をしていいかどうかが私は疑問だと思うのですが、その前に、私の質問の筋としてもとへ戻して聞きたいと思うんです。 それは行(一)の場合、四
等級
は四十八・一歳と、こうおっしゃった。それに対応するのは
民間
五百人以上の規模では
事務
係長と
技術
係長がこれに当たるんだと、こういういまの
答弁
だ。
技術
係長もそうですね、いまこれ落としたが、
事務
係長と
技術
係長。そこでこの
平均年齢
は、これは私のほうで申し上げます。あなたの資料で申し上げる。いいですか、
事務
係長は三十八・二歳、
技術
係長は三十八・八歳、さっき言うた四
等級
の四十八・一歳と比べると約十歳、九・九歳ぐらいの差があるんですね。つまり約十歳の差が四
等級
の場合ある。十もこれ違っています。なお、さらに三
等級
でもそうだ。五
等級
でも同じことが言える。一々ぼくは例をあげて、いま時間の
関係
で言わないけれ
ども
、どうですか。こういうふうに十も
平均年齢
の違うものを対応させているのはどういう理由ですか。
茨木広
158
○
説明員
(茨木広君) これは
平均年齢
がたまたま出してございますが、対応させますときには同じ
等級
対応の
職種
で、かつ同じ年齢の人数、
給与
をつかまえてきて、こちらの同じ対応の年齢のところの人数ウエートに入れるわけでございます。
内藤功
159
○内藤功君 いや、それがよくわからない。つまり、もう一ぺん質問を繰り返すようになりますけれ
ども
、四
等級
の四十八歳の
公務員
の方が、自分より九歳若い三十八歳なり、三十九歳の
民間
会社の係長と対応されて同じように
比較
をされるということについて、どういうふうな理由でこのような対応がなされているのか、これをもう一ぺんわかりやすいように
説明
してほしいんです、はしょらないで一つ一つ。
茨木広
160
○
説明員
(茨木広君) この
報告
書のほうは
平均
的な合計数でお示しをしてございますが、同じ
平均年齢
と申しましても、同じたとえば
事務
係長の場合でも、非常に若いうちに係長になっておる方もございますれば、ずっと年とってから係長になっておる方も
民間
にもございますわけでございます。こちらのほうにも
平均年齢
で何歳とこう出ますけれ
ども
、やはり若くしてなっておる方とずっと年とってなっておる方とございますから、同じ
職務
対応のところで、たまたま同じ年齢の人員が何名かやはり対応してございますわけです。その同じ対応の
職種
のところで、同じ段階の責任の度合いのところで、かつその同じ年齢の対応のところ、しかも同じ学歴というものの人数の対応のところで
比較
するわけでございます。
内藤功
161
○内藤功君 また繰り返しになりますけれ
ども
、四
等級
の
平均年齢
は四十八・一歳、それと、この
民間
五百人規模以上の会社の三十八・何歳というものと対応させている。これ、もちろん年齢だけじゃないと思うんですよ。あなたのおっしゃりたいのは年齢だけじゃないと、法律にもいうように、
職務
、責任、それから
仕事
の
内容
、学歴、そんなものを総合してやると、こういう
答弁
をなさるんならまたそれなりに私もわかる。ところがそうじゃなくて、三十八と四十八を同じ並列に並べているのがおかしくないと、強弁に聞こえるものですからね、もう一ぺん聞きたいんです、くどいようだけれ
ども
。
茨木広
162
○
説明員
(茨木広君) これはまあ、たいへんめんどうなあれになるわけですが、それで、コンピューターを通してやるわけでございますけれ
ども
、ここには結論的といいますか、その
平均
的な、結論的なものを御
報告
申し上げてあるわけですが、これのなまのものがそれぞれあるわけでございます。ですから、たとえば
平均
四十五歳、いま四十九歳なら四十九歳と出ましても、その中には五十何歳の方もおられれば、四十一歳の程度の人もおられれば、三十何歳の方もおられるというふうに、それぞれこの年齢の分布がずっと散らばっておるわけでございます、同じ係長、こっちのほうでいえば課長なら課長にしましてもですね。ですから、向こうのほうもやはり同じようにこう散らばっております。そこで、同じその課長なら課長と
比較
をするというふうになりました場合でも、同じ年齢の層が必ずあるんです、何人か。そういうものをその同じ年齢のところ同士でこう
比較
をするわけでございます。その
平均
をここに出して御
報告
申し上げているだけでございまして、これはもっと詳細なものがその原本としてはございますわけでございます。それで、その同じ
職務
程度の者で、同じ学歴で、それから同じ年齢の者、この
給与
をつかまえてきて、こちらの同じ年齢の対応のところの人数分にそれを持ってきて、そして全体の合計を出すと、こういう作業でございます。
内藤功
163
○内藤功君 それは早く昇進した人もいるし、
比較
的そうでない方もいらっしゃるから、そのいろんな分布している年齢層を
平均
して数字を出す、これはわかりますよ。しかし、その
平均
がいまここで問題になっていますね。あくまでこの
官民
の
較差
というものを論議する場合には、
平均
であなた方も
議論
しているからわれわれも
議論
しているのですね。その中でこういう十歳の
較差
が出ている、これは納得できないんです。で、まああなたはこのほかになまの資料があるんですと。それは何とでも言えるでしょう。裏にこういうものがあるんです。ああいうものがあるんです。しかしわれわれにこれは示してくれないですね。そういうものがあるのならば、当然、私は意地悪く言うわけじゃないけれ
ども
、
人事院
の資料の中になまの資料があるならそれを示して
説明
しなくちゃいけない。そういうふうに一番大事なものを出さないでおいて、実はこういうものがあるんですと言うんでは、これはやっぱり事前にわれわれに対する資料の配付の態度としては必ずしも正しいものとは言えないと思うのですね。今後その点は十分に御理解の上、こういう資料をわれわれに提供していただきたいと思う。なお、この点はさらに私のほうも
機会
を見て再び質問をしたいと思います。ただ、私たちはこの
官民
均衡論というものを非常に強調されている以上、この文書自体がわれわれ委員にわかるようなやはり資料を出さなければ、これはわれわれとしても納得いかない。そこで、これは
委員長
を通して要求することになると思うけれ
ども
、そのなまの資料というのは正確に何と呼んでいる資料か、それを私のほうに、委員各位に配付をされる御
用意
があるかどうか、この点を伺いたい。
茨木広
164
○
説明員
(茨木広君) 統計局のほうから出てまいりますその大きなカードというのは、量としますとやはりトラックに一ぱいぐらいのものがございまして、ずっとこの数字が書いてあるという、この大きなこういうカードでございまして、ですから、その見本的なものを一枚、同じこういう要旨のものでございますというものはできますと思いますけれ
ども
、実体のやつはなかなかこれはここに御配付申し上げるというふうには、そういう量的な問題ございましてできかねると思います。
内藤功
165
○内藤功君 次に、
給与局長
に別の問題でお伺いいたします。 中堅
職員
についてはいまのようなこの制度上の
改善
をひとつ、
改善
並びに
勧告
作業の
検討
を
お願い
すると同時に、私はこの中堅
職員
の方々の昇進昇格をもっと積極的に進める必要があると思うのです。特に経験度の高い主任、係長クラス、それから女子でも六
等級
の
職員
、こういう人の中には、二十年近くも働いていて
仕事
にも非常になれて有能な人が多いんですね。こういう人が多いんですが、頭打ちとなっておって、これらの
人々
の不満は非常に大きい。これは
職員
の声を聞いてみればすぐわかるのです。組合とまで言わなくたって、あなた方がなまの声を聞いてみればすぐわかる。こういう昇進昇格の問題こういう人たちの多くの人を昇進昇格させて、大きな力量を発揮して
行政
実務に当たってもらうことは非常に重要なことだと思う。 そこでお伺いしたいのは、去年一年間で、昨年度において、六
等級
から五
等級
へ昇格をした——昇格ですね——
職員
は何名おりますか、これは一応行(一)に限って。ついでにもう一つ、五
等級
から四
等級
へ昇格した
職員
は何名か。それから、それは前々年度ですね、その前の年度と比べてどうか。いまおさがしのようだからまとめてこれだけ。
茨木広
166
○
説明員
(茨木広君) 七から六
等級
に上がりましたのが七千三百三人でございます。それから六から五に上がりましたのが九千二十六人でございます。
内藤功
167
○内藤功君 五から四という質問もしましたが。
茨木広
168
○
説明員
(茨木広君) 五から四に上がりましたのが一万三十七人でございます。
内藤功
169
○内藤功君 その前年度はどうですか、その前の年の年度。
茨木広
170
○
説明員
(茨木広君) 前年度というのはちょっと無理でございますが、年々この
職員
の分布状況を見ながら上げておるわけでございますが、ここにまあ累積人員でございますが、十年間の姿で申し上げさせていただきたいと思いますが、四
等級
のところで申し上げますというと、四十年当時は、そこで二万八千七百五十九名四
等級
におったわけでございますが、それが四十九年の姿になりますというと、四万八千四十三人と、大体五割以上増員になって、ここのところに上がってきております。五
等級
のところで申し上げますというと、四十年の姿で七万五千八百六人おったわけでございますが、ここが四十九年で十二万九千三百八十八人という分布になってきております。六
等級
で申し上げますというと、十四万六百四十七人というのが四十年の姿でございますが、四十九年には十八万六千八百十四人と、こういうような姿に相なっております。
内藤功
171
○内藤功君 まだまだですね、私の聞いている、
調査
している職場のこういう中堅
職員
の方々の実態から見ると、これだけでも、この昇格数でもまだ足りないと思うんですね。今後この点について、これは
給与
局のおそらく昇進昇格は管轄の一つだろうと理解をするので、この点についてさらにあなたのほうでできるだけの
努力
をしてほしいと、これを要望しておきたいと思うんです。いかがですか。
茨木広
172
○
説明員
(茨木広君) 級別定数
関係
の
仕事
は、これから秋、予算期前に
実施
いたします。その辺のところを、いろいろ各省別にもそれぞれ問題の相違もございますので、よく
考え
ながら
努力
いたしたいと思っております。 それからなお、先ほど
答弁
申し上げました中でちょっと訂正をさしていただきたいと思います。最初に申し上げましたほうでございますが、七
等級
から六
等級
、六
等級
、五
等級
とそれぞれ上がりました人員を申し上げましたが、
等級
が一つ違っておったようでございまして、八
等級
から七
等級
に上がったのが七千三百三人と、それから七
等級
から六
等級
に上がったのが九千二十六人、六
等級
から五
等級
に上がったのが一万三十七人と、こういうふうに一つずれておりますので、たいへん失礼申し上げました。
内藤功
173
○内藤功君 では
給与局長
ばかり聞きましたから、今度は
職員局長
に
お願い
します。 最近、私のほうでいろいろと第一線の中堅
公務員
の方々の実情を調べましたが、定員削減計画のいろんな影響が、特に福祉面に、福利厚生面にあらわれてきておるように思うんです。すでに局長も御案内だと思うが、たとえばここにも労働省——労働省いないか——労働省の婦人少年室へ行ってみると、現在六人だけれ
ども
、第二次定員削減で三人室が十三室にも達しておってまともな
仕事
ができないと、こういうようなことを訴えています。登記所、この登記所では統廃合か進められて、業務の下請化がどんどん進められているという問題、通産省、特許庁あたりでは、残業が極端に多くなって病人が続出しておると、これは過労でなくなる方も出ていると、こういうような、まだまだ調べたのは一ぱいあるんですけれ
ども
、大体おわかりになるように、福利厚生面で非常な影響が出てきておる。
職員局長
は、
職員
の労働
条件
、健康管理、こういったものを扱う所掌だと思いますが、こういう定員削減が福利厚生に及ぼす影響、大きな質問になるけれ
ども
、どういうふうにお
考え
になっているか御所見を伺いたい。
中村博
174
○
説明員
(
中村
博君)
職員
の特に健康管理の面につきましては、私
ども
としましては、
人事院
規則で
相当
稠密にこれを行なっておるつもりでございます。特に女子
職員
の問題につきましては、先般労働省から示されましたものを直ちに規則化してこれに対応して、よりよき労働
条件
の、
勤務
条件
の確保をはかるというように、私
ども
の気持ちとしましては積極的に
措置
をいたしておるつもりでございます。 なお、いま御質問の点でございますけれ
ども
、定員削減に伴う
職員
の
勤務
条件
の問題は、定員削減は、先ほど来いろいろ御
議論
がありましたけれ
ども
、一つの国の要請かと存じます。しかし、その間に処しても、たとえば超過
勤務
なんかにつきましては、
民間
の労働者と違いまして、公務のため臨時緊急の必要があるときにはこれは超過
勤務
を命じ得る。
国民
サービスをいたします
公務員
であります以上当然なことでございますが、その際にも、健康については十分注意せいというように規則には書き込んでございまして、各省各庁に対して、私
ども
、予算、人員の許します限り常に稠密な監査を行なっておるわけでございます。私
ども
としましては、いま申し上げましたように、そのようなできるだけのことをいたしておるつもりでございます。
内藤功
175
○内藤功君
職員局長
、いま私が二、三、例をあげましたような、こういう職場の実態は心得ておられますか。
中村博
176
○
説明員
(
中村
博君) いまおあげになりました個々の例につきまして、個別的には存じておりません。
内藤功
177
○内藤功君 この第二次定員削減が、このような残業の増大あるいは
仕事
量の増大、こういうことになって非常にいま中堅
職員
、さらに第一線の
職員
の中に深刻な問題になっているんですね。個々の事実は御存じないということですが、ひとつ福利厚生の任に当たるあなたとして十分に
調査
をして、この定員削減というようなことが、個々の
職員
にどういう深刻な影響を与えているかということを、これは言うまでもないことかもしれないが、積極的に調べていただきたい、善処をしていただきたい、こういうことを要望しておきます。
寺本廣作
178
○
委員長
(
寺本広作
君)
速記
をとめてください。 〔
速記中止
〕
寺本廣作
179
○
委員長
(
寺本広作
君)
速記
を起こして。
内藤功
180
○内藤功君 いいですか、小坂
総務長官
に質問。 さっきから
人事院
の総裁なり人事官なりが、この
参議院選挙
後の
臨時国会
に間に合わせるように死にもの狂いの
努力
をして、二週間から三週間
勧告
を早めたと。さっきからいろいろ
議論
がありましたが、私はこれを一応額面どおりとっておきたいと思う、死にもの狂いでと。昨年来の物価高騰、物価狂乱、これに対して
職員
の切実な要求、
国民
の要求、さらに石油製品が上がる、電力が上がる、ガスが上がると、生活必需品が上がる、こういう中で
人事院
が死にもの狂いの
努力
をしたというのは、これが事実ならまさにそのとおりだと思う。それが当然の職責だと思う。ところが、小坂
総務長官
のお話だと、さっき峯山さんも聞いておりましたけれ
ども
、
人事院
から出た
勧告
に対して
法案
作成に一カ月かかる、急いでも三週間、しかし、これは私はお役所の
仕事
については表から見るだけですが、
勧告
の
俸給表
もちゃんとできているし、法律の文案なんというものは毎年同じものができるんだし、コンピューターもあるんだし、有能なスタッフもあるんだから、三週間なんというのは私はまず納得ができないということを申し上げておきたい。しかし問題は、それをいまあなたに聞くんじゃない。死にもの狂いの
努力
を
人事院
がやったというのであれば、しかも二十六日に
勧告
が出ているんですから、その後どのように、あなたはこの
人事院
の死にもの狂いというこのことばにこたえてどういう
努力
をしたのか、
人事院
は死にもの狂いだが
給与
担当大臣はいいかげんでいいということではこれは済まされないと思う。ストライキ権があるんならいいですが、ストライキ権は奪われている。ストライキ権は奪われてもストライキはありますけれ
ども
、やりにくいんですよ、非常に。こういう状況のもとで、あなたの先ほどからの御
答弁
は、私は
人事院
が死にもの狂いでやったというお答えに比べては、はなはだどうももの足りないように思うんですね。もう一つ、私は質問が重複することになりますが、あなたが今後
給与
担当の責任大臣として、このように死にもの狂いでやりたい、死にもの狂いということばは使わなくてもいいけれ
ども
、こういう
決意
でやりたいということを最後に御所見として伺っておきたいと思います。
小坂徳三郎
181
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
人事院
が、今度の
勧告
に対して
佐藤
総裁以下非常な
努力
をされたことは深く敬意を表しております。しかし、たまたまこの
勧告
をいただきました
時点
において、非常に
国会運営
等についてはわれわれにとって不測の事態でございました。もちろん、われわれは前々からこのようなタイミングに
勧告
があることを予測しながら、十分
用意
をしながら、心の
用意
をしながら待っておったわけでありますが、非常に残念なことにタイミングが合わずに今度のような状態でございました。その点は非常に残念に思っております。しかし、この問題をただほうっておくわけにもまいりませんし、また
人事院
も非常に
努力
をしてくれたし、本日の
内閣委員会
におきましても、委員の皆さま方、口をそろえてこれの
完全実施
と
早期
実施
を要望されております。こうしたことを踏まえまして、私もさらに
努力
を重ねまして、閣内における本件の合意を早く取る
努力
と、同時にまた
法案
の作成に今後全力を傾けてまいりたいと思っております。
中村利次
182
○
中村
利次君 休会中に
委員会
を開いて
人事院勧告
に関する審査をやっておりますけれ
ども
、これは
国家公務員
の
一般職
にすれば、具体的に
給与
を
改善
するという答えがここで出るわけじゃないんですからね、ですから、まさにこれは全く実りのないことなんです、この
国家公務員
一般職
の人たちにしてみれば。どうしてこういうことになったかというと、これは皆さんからもうすでに指摘されておりますように、あるいはたまたま
小坂長官
もいまおっしゃった、
国会運営
が異常状態であった。私は、
人事院勧告
というのは、まあどういういきさつでこの七月の二十六日に——死にもの狂いの
努力
をされたということですけれ
ども
——
勧告
をされたかは別にして、あの臨時会でやっぱり決着をつけるべきであったということは、これは当然のことだと思うんですよ。ですから、あらためて私は、第五回の参議院通常選挙以降、
国会
では当然、これは
国民
の間にもやっぱり当然のこととして定着をしていた
所信表明
をやるというようなことも、一切そういうものはもう拒否してほっかむりで通し切った田中
内閣
の異常性というものを、あらためてここに指摘せざるを得ないと思うんですよ。 ですから、私はそういう
立場
からまず
人事院
にお伺いをしますけれ
ども
、五月に
暫定措置
の
勧告
があった。これは立法
行政
主導型の面もありましたが、
人事院
に言わせれば、
人事院
もその主体性に基づいてああいう
暫定措置
の
勧告
をしたんだということでありましたが、これはあらためてお伺いしますけれ
ども
、なぜ異例のああいう
暫定措置
の
勧告
をされたのか。
島田巽
183
○
説明員
(島田巽君) お答え申し上げます。 あのとき衆参両院の
内閣委員会
での御決議がございましたが、それと並行いたしまして、私
ども
としましては、やはり昨年の一五・三九%というベースアップのままで今度の
勧告
まで
公務員
がそのベースで生活するということでは、いろいろ生活上の支障が出てくるんじゃないかと、少なくとも一〇%ぐらいのものを上積みをして、内払いでもそれによって楽にしたいという気持ちからでございます。
中村利次
184
○
中村
利次君 けっこうです。そうすると、
人事院
はそういうお気持ちから、やっぱり本来ならば八月に
勧告
すべきものを十回通常選挙後の臨時会に間に合うようにと思って、同じ
考え
方から
勧告
を七月二十六日に早められたと、こう受け取っていいですね。
島田巽
185
○
説明員
(島田巽君) 非常に大幅なことをやりますと、まだ精密な
勧告
をやっていない段階でございますから十分なことはできないのでございますが、一〇%程度ならまず内払いとしても、その後の精密な
較差
が出てもその内払いはその中で終わるだろうという
考え
で一〇%ということにしたわけでございます。
中村利次
186
○
中村
利次君 いや、いま聞いているのは
暫定措置
の五月の
勧告
ではなくて、七月の二十六日に出された
勧告
ですね、これはやっぱり五月の
暫定措置
に関する
勧告
と同じような気持ちで、とにかく一〇%の内払いがあったんだけれ
ども
、この物価の狂騰なんというものはなかなかおさまらない。だから何とか臨時会で答えを出してほしいという気持ちで、また出すべきである、そういう気持ちでこの八月の
勧告
を七月に早められたと、こういうことですね。
島田巽
187
○
説明員
(島田巽君) どうも失礼いたしました。七月の
勧告
の場合も、まさに同一の気持ちでいたしました。
中村利次
188
○
中村
利次君 全くごもっともでしてね、やっぱり私は
国民
も同じ
考え
方、同じ
立場
に立っていると思うんですよ。そうなりますと、小坂
総務長官
ね、まあ担当大臣としてこれは私はある
意味
ではお気の毒だと思いますよ。それは長官がどうお
考え
になっても、田中
内閣
としてなかなか自分の思うようにいかないものもありましょうけれ
ども
、少なくとも、これはそうであっても、担当大臣としてのやっぱり責任があるわけでありますから、これは追及されても私はしようがないと思う。
人事院
のいまのそういう
立場
あるいは気持ち、かくすべきであるということは、
国民
的に言ってもこれは納得できることで、そいつをやらないという異常神経の持ち主は、そうなりますと田中
内閣
だけだということになるんですね。そうでしょう、これは
総務長官
。非常に長官にとっては過酷な質問になるんですけれ
ども
、やっぱり担当大臣ですからね。
小坂徳三郎
189
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) 異常な心理とかなんとかいうことについてはお答えは差し控えさしていただきますが、私はもうしかたがないから、この問題については大いに皆さま方に責められてがまんしております。そういう心境でございます。しかし、
考え
てみますると、あのわずかな期間の間でも、実は一つの案を立ててずいぶん
努力
をいたしましたが、非常に残念なことに
各党
間の話で問題にされなかったということも、非常に私は、いまだから申し上げますが残念でございます。しかし、いろいろ
努力
をいたしましたが、いまの
時点
ではなかなか急いでこれが進むという客観情勢でもございませんけれ
ども
、もう今週が過ぎ来週になりますれば、一つのまた前進への気分も閣内に生まれつつあると私は思っておりますので、さらに促進をいたしたいと思っております。
中村利次
190
○
中村
利次君 具体的な案を立ててというまあたいへん、それが
実現
するしないは別にして、
相当
前向きの姿勢をお持ちになっていたような御
発言
でございましたけれ
ども
、私はやっぱり、いまのこの経済状態といいますか、物価状態といいますかね、あるいはこれはもう全部そうですけれ
ども
、
民間
や三公社五現業は、とにもかくにももう新しい賃金でもって清算がついているんですよね。
国家公務員
一般職
だけなんですよ。一〇%の
暫定措置
だけで、
人事院
に言わしても、下級
公務員
はまさにこれは生活保護すれすれの状態にあるということでありますから、だから、それを本来なら、臨時会でそれこそ死にもの狂いになって
関係
法案
をそろえて、そして
勧告
に従った決着をつけるのが、これが筋目ですけれ
ども
、しかし
国会
の
運営
についてのいろんな問題があったとすれば、これはもう一方的なあれだけでもいかぬでしょうから、せめてやっぱりこの
人事院勧告
のワクの中での、それを絶対にはみ出さない
暫定措置
というものも、私はこれは
考え
られると思う。やろうと思えばできるわけですから。長官がおっしゃったのはそういうことを
意味
するのか、どうですか、その辺は。これは、もしそうだとすると私は納得しますよ。
小坂徳三郎
191
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) ただいま
中村
委員の仰せられたとおりのことをやっておったんでありますけれ
ども
、問題にならなかったわけであります。非常に残念に思っております。
中村利次
192
○
中村
利次君 これは、私はさすがやっぱり小坂
総務長官
は
努力
をされたと思って、これは担当大臣としての小坂
総務長官
にはそれなりの評価と敬意を表しますが、しかし、結果として、これはやっぱり
国家公務員
一般職
を野ざらしにしたということは、何としてもこれは遺憾千万なことでありまして、これはやっぱりもう各委員からも指摘され尽くされましたとおり、いつやるかということですから、これはいまたいへんお答えにくいようで、なまず
答弁
でございましたけれ
ども
、やっぱりこれは(「なまずじゃないよ、はっきり言ったんだ」と呼ぶ者あり)まあ、やるということはですね。そこで、時期の前に——したがって中身についてはこれはまた
法案
をそろえて私
ども
は審査を、十分な審査をする
機会
がたっぷりあるわけでありますから、この
人事院勧告
を
完全実施
をするというたいへん前向きな御
答弁
について重ねてお伺いしますけれ
ども
、ということは、よくも悪くもこいつをいじらない。閣内でもいろんな
議論
があるようですし、あるいは第二次春闘、あるいは来年の春闘等を踏まえて、所得政策まではいかないまでも非常に
議論
があるところだそうですけれ
ども
、また逆の
立場
から言えば、これは人事官もおっしゃったように、中身についてはまだまだたいへんな不満もある。ですから、どっちに向いてでも削ったり何かするようなことがなくて、完全にこの
勧告
を
実施
する
用意
があると、こういうぐあいに受け取っていいんですか。
小坂徳三郎
193
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君) 非常にお答え申し上げづらいのでありますが、私の気持ちだけを率直に申させていただきますと、
内容
を変更せずにこのままやりたいということでございます。
中村利次
194
○
中村
利次君 あんまりこれに突っ込んでいると、
上田委員
に失礼に当たりますからね、せっかく前向きの
答弁
を引っぱり出されたわけですから。 それでは、そういうことで、時期については、これは私は長官ここではっきりしたお答えは出ないでしょうけれ
ども
、何としてもこれは早くやらなきゃいけませんよ、とにかく。それが私はやっぱり
人事院
の
努力
だけではなくて世論だと思うんですね。それで、やっぱり
公務員
一般職
だってね、そのうらみを買うようなことをやっぱり田中
内閣
やっちゃいけませんよ。 そこで、
人事院
にお伺いしますが、臨時会で何とかする可能性を持って、その
勧告
を早められた点については私は評価します。ところが
週休
二日制については去年よりもことしは退歩しておるという印象を受けるんですがね、後退をしておるという印象を受けますが、後退をしているんですか、足踏みですか、前進ですか。
島田巽
195
○
説明員
(島田巽君) 私
ども
の表現では、決して後退ではなく、むしろ具体的な
措置
をさらに明示したというつもりでありますが、詳しいことは
職員局長
から。
中村博
196
○
説明員
(
中村
博君) いま人事官が申し上げましたように、この表現は私は非常に先生の御分類によりますと進歩のほうだと思います。と申しますのは、昨年
報告
で申し上げました点につきましては、その
考え
方を引っぱってきておるわけでございます。それと、いま人事官申しましたように、時短を伴う月二回制ということを明示して、その前提の上にさらに試行な
ども
含めて
検討
すると、
具体化
について
検討
するということでございますので、私
ども
は一つの大きな前進であろうと
考え
ておるわけであります。
中村利次
197
○
中村
利次君 しかし、去年は
報告
の中で
目途
が示されたんじゃないですか。
中村博
198
○
説明員
(
中村
博君) 昨年の
報告
では、御指摘のように、当面昭和五十年を「
目途
として」と、こうございました。それで
具体化
の
検討
をすると、こうなっておりましたので、ただいままで
具体化
の
検討
をしてまいったわけであります。その結果、この
報告
にもしるしてございますように「なお
検討
を要する分野」、それはいままでの御質問の中でも申し上げましたが、「分野が残されている」、なかなかむずかしい問題もございます。しかし、そういったことも含めて、さらにいま申し上げましたように月二回制、時短を伴う月二回制という当面の方策を明示しまして、その上に立ってこの問題は進むべきだ。そして、さらにそのために必要な試行を含めてのいろいろな手だてを講じて、
国民
サービスへの欠落なく、何とかしてこれが
実施
されるような手だてを見つけていこう。こういう姿勢でございます。
中村利次
199
○
中村
利次君 どうもね、このお役人の頭と
一般
の頭というのは違うものかどうか知りませんがね。やっぱり五十年を
目途
というのは非常にはっきりしているんですよ、五十年を
目途
にして
実施
に入っていこうという、そういう印象です。ところが、ことしのやつは、読みますとね、困難な情勢、困難な
条件
というのが非常に浮き彫りにされてしまって、普通の頭で普通の解釈をすると、後退だという印象になるんですよ、どうでしょう、その点。
中村博
200
○
説明員
(
中村
博君) 昨年の
報告
で申し上げましたのは
二つ
ございまして、一つは公務部内にも何らかの二日制を導入すべき時期に達したという判断と、それから、いま先生御指摘のように、そのような判断に基づいて、当面五十年を
目途
として
具体化
の
検討
をすると、こういう
二つ
でございます。 そこで、一つはその
報告
に基づきまして、先ほ
ども
ちょっと申し上げましたとおり、各省と、あるいは
関係方面
といろいろ
検討
を重ねてまいったわけですが、
実現
が近くなって、公務サービスの欠落なく
国民
の御同意を得て
実施
するということになりますと、いろいろな問題が生じてきておるわけであります。しかし、
民間
の動向その他の状況を見まして、やはり将来の完全
週休
二日制への布石として、当面取っかかりはまず月二回制であるべきだ、しかも、それは時間短縮を伴うべきだということのまあ確信を得て、その線に基づいて
週休
二日制度は公務部内に対して導入されていくべきだ。しかし、一年間の
検討
の結果、いろいろ率直に申しておりますように、なお
検討
を要する分野が多々あるわけでございます。この多々あるという認識は、やはり
実現
が近いという認識に立ちますので、公務サービスへのいささかの欠落なく行なうためには、乗り越えるべき障害が多いという一つのそういった事実の
表明
であります。したがいまして、その
意味
では
ほんとう
に
具体化
されるということを私
ども
望んでおりますので、なお、そのためには公務サービスの確保の観点から克服しなければならぬ諸問題があると、こういうことでございますから、私はプラスといいますか、そのような
考え
でございまして、決して後退ではない、かように
考え
ております。
中村利次
201
○
中村
利次君 そこいら辺がやっぱり微妙になってくるんですよ。公務サービスの欠落がなく、
国民
の理解と同意を得られるようなと。これはサービスなんかどうでもいいんだとか、
国民
の抵抗を排除してでもとか、そんなことは初めからお
考え
になっていないわけでしょう。そういう公務サービスの欠落なく、
国民
の理解と合意を得られるようなということがあくまでも前提になって、その上に去年の
報告
は五十年を
目途
と、こういうものが私は出てきたと思うのです。そこでこれは何とおっしゃっても、失礼ですが、これは後退の感がありますよ。なぜかということを
考え
てみますと、去年はやっぱり
民間調査
をやった、あるいは日本の置かれているいろんな環境等についても
配慮
があったでしょう。
人事院
の主体性を持って、五十年を
目途
にして
週休
二日はやっぱり
実施
をすべきだという、このお
考え
があったと思う。主体性を持ってそういうお
考え
があったと思う。ところが、いまもちょっと触れられたように、
関係
各省庁といろいろあれしてみたところが、やっぱり
行政
サイドにいろいろと左右されてなかなかこれがそうはいかぬのと、
人事院
の主体性で
考え
たようにはいかぬというような
条件
が出てきたんではないか、これは当然それ以外に
考え
られませんよ、これは。それは
人事院
が去年、五十年という
目途
を定められたときに、これはもうこの
週休
二日というのは絶対なんだから、公務サービスの欠落があろうと、ある程度の。まあそんなでたらめじゃないにしても、あるいは
国民
の中にある程度の批判があってもやっぱりしょうがないんだという
立場
じゃなかったと思うのです。そういうものを十分前提
条件
として踏まえた上で五十年
目途
というものが出たに違いない一そういう主体性が
人事院
にあったと思う。ところがやっぱりこの
行政
とのいろんな、この何ですか、作業を進める中で、どうもこれはむずかしいということになったんじゃないかと思うのですが、そのとおりでしょう。
中村博
202
○
説明員
(
中村
博君) 先生がおっしゃいました、まあいろいろ、ある一つの影響でということのおことばは、私はよくわかりません。私
ども
としましては、
人事院
の主体性を確保しつり
関係方面
と
ほんとう
にこの
実現
のために真摯に
検討
してきたつもりでございます。しかも、その
実現
が私
ども
の
考え
として間近になりますれば、やはり
ほんとう
に
国民
に対するサービスを欠落することのないようということに主眼が置かれるのは、私は事の手はずとして当然のことだと思います。そのように
考え
てまいりますと、先ほ
ども
申し上げましたように、たとえば教
職員
の方々の問題だとか、船員の方々の問題だとか、交代制
勤務
の方々の問題だとか、直ちに人をふやしても二年間の研修期間を要する分野があるとか、いろいろあるわけでございまして、そのようなものを各省
関係
諸
機関
との御
努力
によって一つ一つ破砕していく、その状態が完熟したときに
実施
が始まると、こういう認識に立たざるを得なかったという経緯があることは率直に申し上げたいと思います。
中村利次
203
○
中村
利次君 私は、こういうことで深追いをしませんよ。もしおっしゃるとおりだとすると、去年の五十年を
目途
としてという
報告
は、
人事院
としては軽率であってずさんであったと、その前提が。いまおっしゃるサービスの欠落も、これはあってはならない、
国民
の合意を得られないことがあってもならないということが大前提であるならば、実際にその作業にかかって
検討
を具体的にし始めてみたところが、やっぱり
相当
問題があったよというのでは、去年の
報告
はずさんだったと言わざるを得ない。これはいいですよ、それでね。 今度は別の角度から、これは
人事院
もおそらくそうであろうと思うんですが、今度のあれにもちょっとそういう
意味
に解されますけれ
ども
、時短を伴わない
週休
二日というものについてどうお
考え
になるか。
中村博
204
○
説明員
(
中村
博君) いまお答えを申し上げます前に、先ほど申し上げることを落としました点を補足させていただきたいと思いますが、一つは、昨年の
報告
では何らかの形の
週休
二日制ということでございまして、いま、まさしくその御指摘の面も広い
意味
では入っておるのでございます。そのようなことをいろいろ精査しました結果、この
報告
の文案にありますような当面
目途
が出てきたわけでございますので、その
意味
では一つの進歩であるという評価をなすっていただきたいと、私はかように
考え
ております。そのことは評価の問題でございますので、私もこれ以上は避けさせていただきますけれ
ども
。 まあ時短を伴わない
週休
二日制というものは、これは先生十分御
承知
で御
発言
のことと存じますけれ
ども
、地方公共団体で二、三やっておるわけでございます。これについては各方面からのいろいろな御批判があるという状況も私は
承知
いたしておるつもりでございます。私
ども
、今回時短を伴う月二回というものをここに書き上げました趣意は、
民間
の動向を見ますと、ほとんど大部分が月二回から完全へと進んでおる姿を示しておるというふうに、私
ども
の統計はさように読んでございます。したがいまして、やはり将来いつの日かの完全
週休
二日を
実施
しますためには、どうしても時短を伴う
週休
二日制の
実施
が、まさしくこの
報告
にもしるしてございますように当面これを
目途
とすることが一番妥当である、こういう
考え
方でございます。
中村利次
205
○
中村
利次君 私は
人事院
の
考え
方に賛成なんですよ。時短を伴わない
週休
二日なんていうものは、これは表現は悪いかもしれませんけれ
ども
、全くこれはインチキものであって、いま、しかし、
人事院
がそうお
考え
になっていても、やっぱりいろいろな、この何というのか、
条件
の中で、やっぱりそういう主体性なりそういう
考え
方というのが、だんだんこうやわっこくなっていってしまっては困ると思いますので、私はやっぱり
週休
二日というのは時短が伴うのは当然であるという
立場
で、強烈な主体性を
人事院
にも持ってほしいと思うのですよ、いいですか、そういうことで。
中村博
206
○
説明員
(
中村
博君) 私
ども
の
考え
は先ほど来申し上げておりますとおりでございますが、何せ、その私
ども
、
関係
各省の出先のことまでとうていわからないことがございますし、それからまた、
関係
諸
機関
のほうで十分な御
検討
を経なければこれは
実施
できないものでございます。その趣旨はこの
報告
に書き上げてあるとおりでございますが、私
ども
としましては、いま先生の御
発言
の意を十分体しまして引き続き
努力
を進めていきたいと、かように
考え
ておるわけであります。
中村利次
207
○
中村
利次君 これは行管にも関連してくるんですね、そういうあれを進めていきますとね。しかし、これは中身についてきょういろいろ質問をしたりあるいは
議論
をしたりするつもりはありませんから、
基本
姿勢だけでおしまいにしますけれ
ども
、そこで担当大臣としてのひとつ
総務長官
に、
週休
二日制について、
人事院
はそういう
基本
的なお
考え
をお持ちですけれ
ども
、長官の
基本
的なお
考え
をお伺いをして、それで重ねて質問する必要がなければこれで終わります。
小坂徳三郎
208
○
国務大臣
(
小坂徳三郎
君)
週休
二日制の問題につきましては、
人事院
が
報告
を申しているとおりで、私もその方向で、なおこの上はさらに具体的に十分
検討
して、
週休
二日をやるということについて、これは
一般
労働界では常識でありますけれ
ども
、やはり
国民
の目から見た場合の
公務員
といいますか、
国家公務員
というものに対しての見方もあるわけでございまして、そうした点を十分
調査
し調整をしていただいて、
人事院
からコンクリートな案が出されるならば、それを
政府
としても尊重してまいりたいというふうに
考え
ます。
中村利次
209
○
中村
利次君 それで、もうその問題については再質問はいたしません。これはやっぱり
週休
二日をやらなければならない環境ですね、これはまあここでは
議論
しませんけれ
ども
、そのことを
考え
ますと、何とかやりくりをした
週休
二日というのはあり得ないと思うんです。そういう
基本
姿勢というものは私はぜひ御堅持を願いたいということと、もう一つくどいようですけれ
ども
、この
人事院勧告
に基づく
給与改定
は、これは
総務長官
ぜひ一日も早く
実現
をして、そして多くの期待にこたえていただきますようくどいぐらい要望いたしまして質問を終わります。
寺本廣作
210
○
委員長
(
寺本広作
君) 本件に対する本日の
質疑
はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十一分散会