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1974-10-24 第73回国会 参議院 商工委員会資源エネルギー対策小委員会 閉会後第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十九年十月二十四日(木曜日) 午前十時十分開会
—————————————
昭和
四十九年八月七日
商工委員長
において本小委 員を左のとおり指名した。
剱木
亨弘
君
斎藤栄三郎
君
竹内
藤男
君 吉武 恵市君 阿
具根
登君
小柳
勇君
対馬
孝且君
桑名
義治
君
須藤
五郎
君 藤井 恒男君 同日
商工委員長
は左の者を小
委員長
に指名した。 阿
具根
登君
—————————————
出席者
は左のとおり 小
委員長
阿
具根
登君 小
委員
剱木
亨弘
君
竹内
藤男
君
小柳
勇君
対馬
孝且君
桑名
義治
君
須藤
五郎
君
事務局側
常任委員会専門
員 菊地 拓君
説明員
科学技術庁原子
力局長
生田 豊朗君
大蔵省関税局企
画課長
松尾 直良君
資源エネルギー
庁長官
増田
実君
資源エネルギー
庁石油部長
左近友三郎
君
資源エネルギー
庁石炭部長
高木 俊介君
資源エネルギー
庁公益事業部長
大永 勇作君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
資源エネルギー対策
に関する件 (
総合エネルギー対策
に関する件) (
朝日炭砿
に関する件) (
北海道瓦斯
の
熱量変更
に伴う
ガス中毒事故
に 関する件)
—————————————
阿具根登
1
○小
委員長
(阿
具根登
君) ただいまから
資源エネルギー対策小委員会
を開会いたします。
資源エネルギー対策
に関する件を議題といたします。
増田資源エネルギー庁長官
から発言を求められておりますので、これを許します。
増田長官
。
増田実
2
○
説明員
(
増田実
君) それでは、最近の
資源エネルギー
問題につきまして最近の
情勢
と、それから、私
ども資源エネルギー庁
で今後とろうといたしております
政策
の概要につきまして御
説明
させていただきたいと思います。
エネルギー
問題につきましては、昨年十月に
中東戦争
が勃発いたしまして、そのあと十月の十六日及び十七日に
OPEC
の大幅な
価格
の値上げ並びにいわゆるアラブの
石油輸出国
によって構成されております
OAPEC
の
石油
の
輸出禁止
、
輸出削減
が行なわれたわけでございまして、この
影響
は、
日本経済
にとりましても大きな傷あとを残したわけでございます。その打撃は、
世界
的に非常に深刻でありまして、これを
契機
といたしまして、
資源エネルギー政策
につきまして、その
あり方全般
につきましての再
検討
が要請されておる
状況
になっております。 ここで若干、昨年の
石油危機
の
内容
について申し上げたいと思いますが、ただいま申し上げましたように、十月の十七日に
OAPEC
の一部
石油
の
禁輸
及び
石油
の
輸出削減
というのが行なわれたわけでございますが、
現実
に昨年の十二月におきまして、
OAPEC
の
石油
の
輸出
は、同年の九月に比較いたしまして二二%減っておるわけでございます。ただ、
わが国
に対します
影響
につきましては、この
OAPEC地域
以外のいろいろのスポットものといいますか、各市場での
石油
の入手に
努力
いたしました結果、全体といたしましては、大体七%ないし八%の
削減
であったという結果になっております。この
数量
につきましては、その後、この
禁輸
が解除されまして、現在、御承知のとおり、むしろ過去に
輸入
契約いたしましたものが
世界各国
から
日本
へ到着いたしまして、かえって過剰のような状態に現在においてはなっておるわけでございます。 しかし、この
石油危機
を
契機
といたしまして、最も
影響
の大きかった点は
石油価格
の上昇でございます。これは
皆さん御存じ
のとおりのことでございますが、四十八年の一月の
CIF
の
価格
は、
日本
の
到着平均価格
でございますが、二ドル五十八セント、
バーレル当たり
になっておりまして、五千円当時の
為替レート
で換算いたしますと、一
バーレル
五千円でございまして、九月、すなわち中近東におけるこの
動乱勃発
の前月におきましては、
CIF
が三ドル三十一セント、まあ一月よりは相当
値上がり
はしております。円換算いたしまして、五千五百円ということになっておりましたが、これがことしの七月の
数字
で申し上げますと、十一ドル三十七セント、
バーレル当たり
。さらに最近の
数字
では、これは十一ドル五十セントをこえているということでございますが、円換算いたしまして二万円か二万一千円、あるいはそれ以上という
数字
になっております。これによりまして、
石油価格
は去年の
価格
に比べまして四倍以上になっておりますし、また、
昭和
四十五年の
石油価格
は
CIF
で一ドル八十から一ドルでございました。四千円ないし四千二、三百円というところでございますから、その
意味
では、この四年間あるいは五年間に五倍の
値上がり
をいたしたと、こういうことになるわけでございます。 最近の
石油情勢
につきましては、先ほど申し上げましたように、
数量
につきましては相当到着いたしておりまして、現在のところは、
供給
につきましては支障がない形になっておりますが、
価格
の問題につきましては、今後の
動向
がまだきわめて流動的でございます。先般
OPEC
の
会議
が開かれまして、十月以降若干の
値上がり
というものがきまったわけでございますが、これがさらに来年の
価格
につきましては、現在、
OPEC
におきまして
検討
中であります。
インフレ条項
をつけるとかいろいろの問題が出ております。
石油
の
価格
の
値下げ
につきましては、
消費国
におきましていろいろな
努力
がなされておりますが、現在のところでは、この
石油
が
価格
の値下がりするという見通しはついておらないという
状況
になっております。また、
中東
におきます政治問題は必ずしも順調に進展しておりませんので、再び
動乱
が起こるという
可能性
もなきにしもあらずという
状況
でございます。そういう
意味
におきまして、
石油
の
安定確保
をいかにするかということにつきましては、非常に困難な問題があるわけでございます。 現在の
消費国
の
動向
について申し上げますと、各
消費国
におきましては、
価格
の
値下げ
を
目標
にいたしまして、大幅な
需要
の
削減
というものを
政府
が
提唱
して行なっておるという
状況
でございます。 幾つかの例を申し上げますと、フランスにおきましては、一九七五年の
原油輸入量
を五百十億フランに押えるということで、まあ一割以上の
削減
を行なう。この五百十億フランという
制限
を設けまして、それの範囲内でしか
輸入
いたさないという方策を打ち出しております。また、
配給統制権限
を
政府
に付与いたします新しい
法律
を九月に
国会
にかけておりまして、
現実
には
家庭用
の
暖房
につきまして、その
温度
の、
最高温度
につきましての
制限
その他を実施するという
エネルギー節約
、ことに
石油
の
輸入数量
の
削減
につとめておるわけでございます。 また、
アメリカ
におきましては、十月八日に
フォード大統領
が新しい
経済政策
を発表しておりますが、その中に
エネルギー
の問題につきましては、一九七五年末におきましては、従来の
輸入
に対しまして一日
当たり
百万
バーレル
の
輸入
を
削減
するという
目標
を掲げ、これを
達成
するために
石油燃料
の転換、あるいは自動車の
燃料効率
の向上、
国民
に対する
暖房
その他の
節約
の呼びかけをいたしております。 まあ、このような
状況
はほかの国にも見られるところでありますが、また一方、国際的な動きといたしましては、この九月の末に
ブラッセル
におきまして、緊急時における国際的な
融通対策
が一応案ができたということでございます。これは近く
OECD
の決議にかけまして、来月に実施されるという予定になっております。 大体いま申し上げましたようなのが、
わが国
における
エネルギー
の事情と諸
外国
における
動向
を申し上げたわけでございますが、
わが国
の
エネルギー
につきましては、本日お配りいたしております
資料
の中に、
総合エネルギー調査会総合部会
の「
中間取りまとめ
」がございます。これをつくりましたのは、今後の
日本
の
エネルギー
の
使用
がどういうふうに推移するか、また、
エネルギー
の
供給
の
限度
というものがどういうものであるかということにつきまして、本年の二月から
関係
の
専門家
の方々の知識をかりましてできたものでございます。 これによりますと、一次
エネルギー
の総
供給量
は、
昭和
四十七年度におきましては、
石油換算
で三億四千万キロ
リッター
でありましたものが、
昭和
六十年度における
供給可能量
は、同じく
石油換算
いたしまして七億三千万から九億二千万キロ
リッター
で、その間の
平均伸び率
は五・九から七・八%ということを示しておりますが、この
数字
は
日本
に対する
エネルギー供給
の
限度
をむしろ示したわけでございます。これから見ますと、従来のようなGNPの高度の成長というものは
エネルギー
の面からも制約が出るということでございます。また、この作業におきましては、
石油
の
依存度
をできるだけ減らすということで作業いたしておりますが、結果的には、現在一次
エネルギー
におきます
石油
の
依存度
というものが七五%になっておりますが、これはほかの
エネルギー
の
供給増
にいかなる
努力
いたしましても、やはり六〇ないし六五%は
石油
に依存しなければならないという結果が出ておるわけでございます。 以上のような背景のもとに、私
ども資源エネルギー庁
が
昭和
五十年度の
重点施策
というものをつくりまして、現在
関係方面
と折衝いたしておるわけでございますが、その大綱について簡単に申し述べたいと思います。 まず、今後の
資源エネルギー政策
といたしましては、第一に、総合的な
資源エネルギー政策
を
推進
するということでございます。その
内容
といたしましては、省
資源
、
省エネルギー
に関する
広報活動
を展開するということでございまして、これは先ほど申し上げましたように、諸
外国
も省
資源
、
省エネルギー
に向かって
努力
をいたしておるわけでございます。ことに
日本
は
エネルギー
の
海外依存率
が大きいわけでございますから、他の国よりもさらに省
資源
、
省エネルギー
の
努力
をいたさなければならないということで、これに関しまして
国民
全体の運動として盛り上がるようにということで、その
広報活動
を展開いたしたいということでございます。 それから、いまの
総合施策
の中の第二番目といたしましては、
エネルギー使用合理化対策
を行ないたい、
エネルギー
の
高率使用促進
をいたします措置を行ないたい。このためにあるいは
法律
が必要ではないかということで、現在、私
ども
のほうで法案の
作成準備
をいたしております。案ができ上がり次第、この小
委員会
に御
説明
申し上げたいと思っております。 それから次には、
国際情報
の迅速な把握を行なうということをいたしたいということでございます。先般の
石油危機
を経験いたしまして、
世界
の
情報
というものを直ちにつかんで、これに対し迅速、的確な
対策
を打たなければならないということで、この点の強化をはかりたいと思っています。 それから、
政策
の大きな柱の第二番目でございますが、
原子力産業政策
の
推進
を行ないたいと思います。本日お配りいたしました
資料
の中に、
総合エネルギー調査会原子力部会
の「
中間報告
」がございますが、この
報告
を踏まえまして、第一には
核燃料事業等
の
確立
、
推進
、第二番目には
発電用新型炉等
の
実用化調査
、三番目には、海水に含まれておりますウランなどの
希少資源
の
回収システム技術
の
確立等
、その他
原子力
に関します
政策
を
推進
いたしたいと
考え
ておる次第でございます。 次に、
石油政策
といたしましては、これもお配りいたしております
資料
、
総合エネルギー調査会石油部会
の「
中間取りまとめ
」ということで、七月の二十三日に取りまとめたものでございますが、
石油開発
の
促進
を行なうということが第一でございまして、それから第二番目には、
石油備蓄
につきまして、現在六十日水準になっておりますが、これを九十日まで持っていきたいということでございます。昨年の
石油危機
を経験いたしまして、
石油
の
備蓄
というものが相当量あれば、昨年のようないろいろな混乱を
国民経済
に招かなくて済んだんではないかというふうに思われるわけでございまして、また、今後の
石油情勢
というものが、先ほど申し上げましたようにきわめて流動的でございまして、やはり
資源
を大幅に
外国
にたよっている
わが国
といたしましては、この
備蓄
の増強を一日も早くはかって、あらゆる
事態
に備えるというような体制を整えなければならないということを痛感しておるわけでございます。 それから、
石油政策
といたしまして、
政府
間取りきめに基づきました
原油
の
取引促進対策
というものを行ないたいということでございます。 従来、
わが国
の
石油供給
はメージャー、いわゆる
国際資本
の
石油会社
から
供給
を受けておったわけでございますが、現在の
情勢
では、これらの
国際石油会社
に対しまして
産油国
のいわゆる
パーティシペーション——事業参加
が大幅に進んでおりまして、その
意味
で、
産油国政府
との間の直接
取引
というものが年々ふえていくという趨勢にあります。これの
安定供給
をいかにしてはかるかという
対策
を
推進
していきたいと思っております。 それから次に、
わが国
の貴重な
国内資源
であります
石炭
につきましては、これは
昭和
四十七年六月の
石炭鉱業審議会答申
と、それから、それを受けました七月の
閣議決定
の線に沿いまして、現在は四十八年度から五十一年度までの第五次
石炭対策
を
推進
しておるわけでございます。これに基づきます所要の助成を行ないますとともに、特に現在の新しい
エネルギー情勢
に対応しまして、
石炭政策
の
あり方
を見直しながら
石炭需要
の
確保
、
安定供給
の
確保
をはかりますとともに、
鉱害対策
、あるいは
産炭地振興対策
を強力に
推進
してまいりたいと
考え
ております。 次に、
電力政策
といたしましては、七十二
国会
におきまして成立いたしました
発電用施設周辺地域整備法等
、いわゆる
電源
三法に基づきまして
電源立地
の
円滑化
をはかりますとともに、
わが国
の貴重な
エネルギー資源
であります
地熱発電
の
開発
にも一そう力を尽くしてまいりたいと
考え
ております。 そのほか
鉱物資源
につきましても、
深海鉱物資源
の
開発促進
、精密な
地質調査
、あるいは
探査技術
の
開発促進等
の
鉱業政策
の
推進
につとめてまいりたいと
考え
ております。 以上申し上げましたのが、
昭和
五十年度におきます
資源エネルギー政策
の
重点項目
でございまして、この
エネルギー委員会
の諸
先生方
の御指導と御鞭撻によりましてその
達成
をはかりたいと思っておりますが、よろしくお願いいたしたいと思います。 また、最後にここで私からおわび申し上げなければなりませんが、先般
北海道瓦斯
に
人命事故
が起こりまして、はなはだ遺憾な
状況
が出たわけでございます。私
ども
も今後監督を十分にいたし、こういうような
事故
が再び起こらないようにつとめてまいりたいと思います。
阿具根登
3
○小
委員長
(阿
具根登
君) これより
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御発言願います。
小柳勇
4
○
小柳勇
君 いま
長官
の
エネルギー政策
をるると聞きましたが、
文章
としてはたいへんごりっぱだと思います。ただ、過去ここ十年ばかり私も
商工委員会
に列してまいっておりますが、たとえば
石油開発公団
ができ、あるいは
動力炉事業団
ができましたそのころからのここ七、八年の経過を見ましても、言うはやすく行なうはかたし、その実績というものはほとんどあがっていない。
昭和
四十二年にあの
法律
ができましたとき、
大臣
や
局長
が
説明
されたのがもうそのまま現在の
情勢
です。あの当時の実情ですね。したがって、いま言われたことに対しましても、
文章
はりっぱでありまするが、それを具体的にどういうふうにやっていくのかということ、ほんとうに国をあげて
対策
を
考え
ませんとたいへんなことではないかと思います。根本的な問題は、また
予算委員会
で各
大臣
並べてやりまするが、いま、
長官
のこれからの
方針
なり
考え
を聞きました率直な感想はそうでありますから、参考にして今後ひとつ取り組みを願いたいと思います。 それで、いまの御
説明
で具体的に質問いたしますと、けさのテレビでも、
石油消費国会議
に
日本
が参加することを
閣議決定
するようです。で、
アメリカ
を中心にする
消費国会議
のこの
グループ
に入りまして、
産油国
を牽制しながら
石油
の
輸入
を
確保
していこうという
考え
だと、それはわかります。ただ、あまりにも
キッシンジャー構想
、
アメリカ
に引っぱり回されておるという
感じ
が強いわけです。食糧問題がそうであるし、
石油
問題がそうであるし、
アメリカ
はそういうのを戦略の
武器
として使ってる。それに
日本
を抱き込んで、彼らが、
アメリカ
が
エネルギー
も食糧もそれを
武器
にしながら国際的に
主導権
を持っている。そういうものに
日本
が参加することについては問題がありはせぬか。以前、
中曽根通産大臣
は、
産油国
と
消費国
が一国一国で話し合って、完全に
原油
、
重油
が
輸入
できればいいではないかという
構想
を述べておられた。通産省としては私は、その
方針
をいまも持っておられると思う。ところが急速度に転回をして、
日本
の
政府
が
消費国グループ
の
会議
に入って、そして
協定
も調印するようでありまするが、そういう変わり方は一体どういうところにあったのか。
長官
は諸
外国
を見てお帰りのようでありまするが、国際的な感覚なり
感じ
なりを御
報告
願います。
増田実
5
○
説明員
(
増田実
君) ただいま
石油
の
緊急融通スキーム
と申しますIEPにつきまして
小柳先生
からの御
指摘
がございました。これにつきまして、これが
米国寄り
ではないか、あるいは
産油国
に対して挑戦的な
組織
ではないかという点について問題を提起されたわけでございますが、私
ども
がこの問題につきまして参加するかいなかを
考え
ましたときの一番最
重要問題点
はその点であったわけでございます。
御存じ
のように、ことしの二月にワシントンで、
キッシンジャー国務長官
の
提唱
によりまして、いわゆる
世界
の
消費国会議
が行なわれました。その
世界
の
消費国会議
におきまして、一応の
結論
といたしましては、
一つ
には、緊急な
事態
が生じた場合に、その融通する
システム
を
世界
的に
消費国
間でつくり上げようというのが第一点。 それから第二点は、
代替燃料
の
開発
を
国際協力
のもとに行ないまして、
石油依存
を低減するというのが第二点でございました。 それから第三点は、これは
日本
その他からの
提唱
で
結論
として出たわけでございますが、
産油国
との間の
対話
を行なうということであったわけでございます。 以上の三点につきまして、その後、
ブラッセル
におきまして、
調整グループ
という
各国
十二カ国が参加いたしまして、ただいまの三点につきましての
具体化
をはかるということで、その
協定案
が九月にできたわけでございます。これに
日本
が参加いたしましたときに最も強く
主張
いたしました・のは、
産油国
に対しましてこれが敵対的な性格を帯びないということでございまして、ことしの六月から九月、八回の
会議
が
ブラッセル
で行なわれたわけでございますが、その
会議
におきまして一貫して
日本
の
主張
は、
産油国
との
敵対関係
をつくらない
協定
というものにするということであったわけでございます。 具体的に申しますと、この
協定案
の中にも、ただ緊急時に
石油
を融通し合うという
システム
だけではございませんで、今度の
協定案
の一章をさきまして、「
産油国
及び他の
消費国
との
関係
」という章がございまして、この中で、今後
産油国
と
消費国
が
対話
を行なうと。そのためのやり方というものを規定いたしたわけでございますし、また前文におきましても、
消費国
、
産油国
の間で
協力関係
を結ぶということをうたうことにいたしたわけでございまして、これも、
日本
をはじめ
消費国
の一部からの強い
主張
で入ったわけでございます。 それからもう
一つ
、これは先ほど
中曽根大臣
の
考え
方も御
指摘
あったわけでございますが、こういう
システム
をつくるにあたりましては、
アメリカ
が主導してそして別個のこういう
機構
ができるということではなくて、
国際機関
の中にこういう
緊急システム
ができるという形にいたそうということで、これも
日本側
が非常に強く
主張
いたしまして、結果的には
日本
の
主張
が通りまして、
OECD——経済協力機構
の中のその
ワク組み
の中でこの
組織
が運営されるということになったわけでございます。そういう
意味
におきまして、これは
国際機関
の
活動
の一部として行なうということで、
アメリカ
が
主張
いたしました特別の
組織
ではなくて、既存の
国際機関
の中の
一つ
の運用としてこの
スキーム
が行なわれるということにいたしたわけでございます。まあ、国際的な
消費国
間の
流通スキーム
、
緊急事態
が起こった場合の
流通スキーム
につきましては、
日本
が最も
輸入
に大きく依存しておりますし、また、
エネルギー
につきましての国際的な
脆弱性
が一番大きいわけでございまして、私
ども
といたしましては、これが
産油国
を刺激し、その反対を買うような
組織
であれば、これは入るべきではございませんが、そうでなければ、
日本
が最もこの
スキーム
によって利益を得るものであるというふうに
考え
ておるわけでございます。 ただいま申し上げましたように、
先生
の御
指摘
のように、
産油国
との
関係
に最も留意しながら、また、
日本
の
主張
を通しながら、ようやく九月に
結論
に達したということでございます。
小柳勇
6
○
小柳勇
君 基本的な問題ですから、
予算委員会
の問題でありましょうが、もう一点具体的な問題で、九十日の
備蓄
だけでもたいへんな問題でございますが、この
グループ
に入るが、九十日
備蓄
の
タンク
の建設の
土地
の
確保
とか、あるいは
備蓄
する
可能性
ですね、そういうものについて
一体見当
がついているのかどうか。それから、たとえばこの
アジア地域
における
重油
、
原油
の
貯蔵地
に
日本
がなるような
危険性
はないのか、この点いかがですか。
増田実
7
○
説明員
(
増田実
君) 今回のこの
国際スキーム
の中にも、九十日の
備蓄
を
目標
とするということで掲げられておるわけでございます。これにつきましては、現在、
欧州各国
は九十日ないし百日以上の
備蓄
を持っておりますが、
日本
は残念ながら六十日しかないということで、この
備蓄
の
数字
についてできるだけ早期に増強するということになっております。ただ、
備蓄
の九十日の
達成
時期につきましては、今後新しい
スキーム
が発足いたしまして、
OECD
の中にその
機構
ができました後にきめるということになっております。 それから、ただいま御
指摘
になりました九十日の
備蓄
を
日本
で行なうにあたりまして、その資金的あるいは
立地
的な
問題点
でございますが、これにつきましては、確かに
日本
にとりましては非常に大きな負担でございますし、また、非常な困難な問題があると思っております。このために、私
ども
といたしましては、先ほ
ども
重点政策
の
一つ
といたしまして、
石油
の
備蓄
を六十日から九十日にふやすということを掲げておるわけでございますが、具体的には
昭和
五十四年度米に九十日に
達成
いたしたい。そのためには、現在
予算要求
といたしましては
石油備蓄公団
をつくりまして、一部は
公団自身
が
土地
を取得し、
タンク
を設置いたしまして
石油
の保管をする。それ以外に、各
石油会社
におきましても、現在六十日になっておりますのを七十五日ぐらいまでふやすということで、それに対する
資金援助
をするということになっております。残りの七十五日から九十日分につきましては、先ほど言いましたように、
石油備蓄公団
が保管する、こういう形になっております。 その
立地
につきましては、現在いろいろの問題がございますが、私
ども
といたしましては、やはり
日本
の
エネルギー
の
海外依存率
の非常に高いことから、あらゆる
事態
に備えて
備蓄
を
達成
しなければならない、
日本経済
が安定的に発展し、また
国民
生活に
緊急事態
の起こったときに、破滅的な
影響
を及ぼすことのないように
備蓄
を進めたい。それにつきまして、地元の方々に十分御納得をいただきまして、この
備蓄
基地を建設いたしたいということで
努力
いたしたいと思っております。
小柳勇
8
○
小柳勇
君 基本的な問題は別に譲りまして、今度はいまの
石油
の問題
原油
の問題に入りましょう。
原油
の問題、
備蓄
の問題は別にいたしまして、
昭和
四十二年に
石油開発公団
ができますときにも、私ちょうど商工
委員
で、本
会議
でも
委員会
でも質問してまいりました。で、
石油開発公団
が発足するときの
一つ
の大きな前提条件は、
昭和
五十年度ぐらいでは三割ぐらいの
原油
を
日本
で
開発
したいということで発足しておる。その後一向に自主
開発
というものができない。もちろん、ボーリングして当たらなきゃなりませんから、たいへんな問題だとは思いまするが、やり方が中途はんぱで
原油
の
開発
までは手が届かない。言うならば、もう中途はんぱだもんですから捨て金が多いということではないか。国内外の
原油
開発
の実態については一体どうか、これから一体どうしようとするのか、見解を聞きます。
左近友三郎
9
○
説明員
(
左近友三郎
君) いままでやってまいりました
石油開発
のほうがどういうふうになってきたかということ、それからいま御
指摘
のように、今後どうやっていくかということについてお答え申し上げたいと思います。 この
石油開発
につきましては、
昭和
三十三年にアラビア
石油
が発足いたしまして、アラビア
石油
は探鉱に成功し、
開発
をしたわけでございますが、その後多くの
開発
企業が設立されたわけでございまして、現在約五十社ございます。そのうち
開発
に成功しておりますのはアラビア
石油
あるいはアブダビ
石油
、インドネシア
石油
資源
開発
等々がございますが、現在の現況は、
昭和
四十八年度で申しますと、いわゆる自主
開発
原油
の
輸入
量というのが大体二千四百五十六万キロリットルということでございまして、昨年の全
原油輸入量
の八・五%ということになっております。したがいまして、
先生
御
指摘
のとおり、われわれが希望し、かつ、予定しておりました三〇%というのにはなかなかまだ達していないというのが、残念ながら現状でございます。 そういうふうな現状でございまして、この
開発
企業を援助するという
意味
において、お話がございましたように、四十二年に
石油開発公団
を設立いたしまして、探鉱資金の投融資、あるいは
開発
資金の債務保証ということによって、積極的な
促進
というものをはかってまいったわけでございます。四十二年から四十八年までの間に、公団が探鉱の投融資に出しました金が大体八百八十億ぐらいでございます。今後この投融資については、いま飛躍的に拡大させたいということで
考え
ておりまして、四十九年は大体八百億の予算規模がついております。今後飛躍的に増大させたいということで、また来年の予算も
考え
ております。 それから、国内における
石油開発
につきましては、
昭和
二十九年から五カ年計画を積み重ねてまいりまして国内
開発
を
促進
しておるわけでございまして、現在は第四次の五カ年計画ということで、
昭和
四十五年から四十九年というものをやっておる段階でございます。この結果、陸域におきましては
石油換算
で千四百万キロリットルの可採埋蔵量を発見したということでございます。現在の生産は、八十二万キロリットルの
石油
と大体二十六億立米の天然ガスというもの、これは
石油換算
では三百四十二万キロリットルでございますが、を生産をしております。量としては、非常に全体の
原油
の消費量からいえば微々たるものでございますが、やはり国内にこういうものがあるということには、相当な
意味
があるというふうに
考え
ております。 なお、海域いわゆる大陸だな地域でございますが、これに対しては、新潟県の阿賀野沖で大体
石油換算
で八百三十万キロリットル程度の埋蔵量があるだろうという
石油
ガス田を発見いたしまして、
昭和
五十年の十二月には本格的な生産開始の予定で進めております。また、常磐沖におきましても有望な油ガス田を発見して、これはまだ
開発
をどう進めるかという調査中でございますが、こういうふうな形でやっております。こういうふうな事業に対しまして、国といたしましては基礎調査のほうを分担してやっております。そうして、こういう
資源
の埋蔵の
可能性
を国として把握いたしまして、そして、それに企業が積極的に企業の探鉱を進め、
開発
を進めるという誘因をつくっておるわけでございます。これに対しまして陸域については、企業の探鉱については探鉱の補助金、海域の探鉱については
石油開発公団
の投融資、
開発
に移行しましたプロジェクトにつきましては開銀による融資というふうなことをやっておるわけでございます。 以上のような現状でございますが、御
指摘
のとおり、まだまだわれわれとしては十分なものとは
考え
ておりません。 それで、先ほど
長官
も申しましたが、総合
エネルギー
調査会の
石油
部会の
結論
も、今後
開発
というものを飛躍的に進めていくべきであるという
結論
でございます。ただ、
世界
の
情勢
は、
産油国
の
石油
利権に対する要請が非常に強くございますので、従来のような安易な態度でなかなか
開発
が進められない。相当何といいますか、自分の負担も覚悟しながら
開発
を進めていくというふうな
情勢
になってまいりますので、今後は、さらに一そう国の援助なり、国自身の
開発
に対する乗り出しというものを大きくしていかなければならないというふうに
考え
ております。
小柳勇
10
○
小柳勇
君 いまの最後におっしゃったところ、これから国が乗り出し、
開発
していかなければならぬとおっしゃった点を聞きたいわけです。
石油開発公団
の資本金は、四十九年一月末で一千三十四億五千万ですね。四十二年に発足したとき四十億
政府
出資で、あと
石油
資源
開発
から百二十八億、百七十億くらいで出発して、四十八年末で累計一千五十億使っているわけです。これであと民間が動いていますから、一体何のために
石油開発公団
があるのかという疑問があるわけです。発足のとき、あとでちょっとこれ読みますけれ
ども
、
問題点
を本
会議
でも私、代表質問しています。ちょうど発足のときに私が
問題点
として
指摘
いたしました。党の
方針
を私が代表して質問しているのですけれ
ども
、その問題がそのままいま残っているわけです。これだけのばく大な国の費用を使いながら、もうここ二、三年のうちには約三割ぐらいが事業を
開発
するということで発足した公団が、ほとんどその
意味
をなしていない。だから、思い切ってこの際やらなければ、国内の
開発
も国外の
開発
も民間ベースではできぬのじゃないかという危惧があるわけです。 さっきの
長官
の
説明
によりましても、これから
消費国グループ
と
産油国
グループ
で対決しながら
石油
の産出は、
石油
の
輸入
は
確保
したいとおっしゃっておるが、その苦労をもっと実質的にこういう国内の力に結集していかなければならぬのじゃないか。しかも、聞くところによると技術陣も足らぬといわれている。いままで六年間、一体何しておったのか。技術屋の養成ぐらいは
政府
がやるべきじゃないか。この公団の総裁とか副総裁とかという名前も、一ぺん
検討
していただかなければならぬことでしょう。もっと実質的に拾て身でやるような、そんなことでやっていかなければ、金を集めておいて、これを民間に貸しておいて模様を見るぐらいのものでは何ともならぬのじゃないかと思うのです。
石油危機
の問題は、四十二年の中近東の
動乱
のときからすでにもう起こっているわけです。昨年末の
石油危機
は
産油国
がもうけるためにやったのだけれ
ども
、いままた中近東
動乱
がないとは言い切れぬでしょう。したがって、さっき最後におっしゃいました、
政府
がもっと乗り出していくべきだと、このことに対して一体どういう
構想
があるのか、お聞きしておきたい。
左近友三郎
11
○
説明員
(
左近友三郎
君)
先生
も十分御存知のことでございますが、繰り返しになって恐縮でございますが、
石油開発公団
を設立した当時は、民間のいわば
石油開発
に対するバイタリティーを活用しながら、公団がこれを支援するということが一番適切であろうということで発足いたしまして、
石油開発公団
は民間の
活動
に対して、先ほど申しました投融資をする、あるいは債務保証をするというような形にとどまっておったわけでございます。このような
考え
方をさらに強化するということをどうやっていったらいいかということが現在の問題になっておりますが、先ほど申しました総合
エネルギー
調査会の
石油
部会においても、基本ラインとしては、やはりそういうラインを持っていくべきであるというふうな答申が出ております。 しかしながら、先ほ
ども
申しましたように、
石油開発
をめぐる国際
情勢
というのが非常にむずかしい形になっておりますし、しかも、そういう利権取得等々については非常にタイミングが重要でございますので、その交渉に時をむだに費やしておる間にチャンスを逸するというようなこともございます。しかも最近の民間の活躍というものも、やはりいろんな状態からすぐに進出がむずかしいというような
事態
も出ております。したがいまして、必要な時期に、必要な
契機
をとらえて、
産油国
と交渉をして利権をとるというふうなことを機動的にやるためには、やはり
石油開発公団
自身が乗り出すという必要があるのではないかということを
考え
ておりますし、
石油開発公団
も、四十二年発足以来、相当経験を積みましたので、海外におきましても、公団というものに対する知名度、あるいは交渉に対する信頼度というものも高まってまいりましたので、そういう音一味からいっても、直接の利権取得というものが可能なようにいたしたいというように
考え
ております。 ただ、利権を取得いたしまして、将来
開発
をどんどん進める、具体的な営業
活動
に入りますと、これはやはりそれぞれの企業が責任を持ってやっていくという体制のほうが望ましいというふうに
考え
ておりますので、当初利権を取得いたしまして、民間企業がそれをやるようになるまで持っておる、そうして民間企業につないでいくというふうな形にやってみたらどうだろうかということを
考え
ておりまして、
昭和
五十年度の
予算要求
に、そういう民間企業へのつなぎを前提とする、利権取得というものに対する要求をしておるわけでございます。ただ、これは当面の要求でございまして、将来の問題につきましては、
世界
の
情勢
を見ながら、さらに国が積極的に乗り出せるようなことも
考え
てみたいというふうに
検討
をしておる
状況
でございます。
小柳勇
12
○
小柳勇
君
備蓄
公団の設立についてまた
考え
てあるようでありますが、公団の性格自体ももう少し
検討
しなければならぬと思っております。いまの
石油開発公団
の問題は、これからの
日本
の
石油開発
の基本的な問題として、
予算委員会
でうんと論議しますから、庁内でも十分ひとつ将来の
構想
について練っておいてもらいたいと思う。
長官
に質問いたしますけれ
ども
、さっき
長官
は、
原子力
エネルギー
についても発言されましたけれ
ども
、現在の
原子力
の研究体制については科学技術庁が主管庁のようでありますが、
エネルギー
全般、総合
エネルギー
を所管している
長官
として、何も不便を
感じ
ぬのですか、その点だけ聞いておきたい。
増田実
13
○
説明員
(
増田実
君) 総合的な
エネルギー
体制の中におきます
原子力
の
推進
ということでございますが、この
原子力
の行政につきましては、私
ども
のほうは産業化されました
原子力
を所管しているということで、主として
原子力
発電を中心といたしまして行政を行なっておるわけでございます。これと別に、科学技術庁は
原子力
に関します研究を担当いたしておるということでございますし、また、
原子力
委員会
では、
原子力
の規制の問題も担当いたしておるということで、行政的には、一応私
ども
のほうと科学技術庁との間の連携によって
原子力
行政を担当いたしているということでございます。 ただいま
小柳先生
からの御
指摘
がありました、不便があるかということでございますが、私
ども
といたしましては、科学技術庁と十分な連絡を取り合いながら進めておるわけでございます。全く問題はないかということでありますと、いろいろ細部にわたりましては問題はないわけではございませんが、しかし、大局的に申しますと、科学技術庁と私
ども
との間で十分緊密な連携をとりながら
原子力
産業の
推進
をいたしておるということで、お答え申し上げるのは、ほとんどまあ問題はないということでございます。
小柳勇
14
○
小柳勇
君
原子力
の問題はまだ研究問題がたくさんあるから、科技庁のほうが主管になっておると思うのですけれ
ども
、ほんとうなら、
エネルギー
庁がぴしっと持っていなければ
総合エネルギー対策
なんて立たぬでしょう、そういうものは役所の皆さんが一番詳しいのだから。だから、もちろん連携とっておられると思います。思いますが、片や通産省の
エネルギー
庁でしょう、片や総理府の科学技術庁でしょう。完全な連携といったって、同じ省内にあったほうがいいことはわかっている。そのほうがベターですね。だからそういうものも、これはやっぱりまだ
日本
の
原子力
エネルギー
に対する過渡期の
一つ
の産物でありましょうから、基本的な問題としてまた論議いたしましょうが、
原子力
局長
に質問をいたします。 総合
エネルギー
の中で、
昭和
六十年度では約六千万キロワットを
原子力
でまかなうような
構想
だが、現在のように廃棄物処理の問題
原子力
発電所の温排水の問題、最近の「むつ」で見られるような安全審査体制の問題など、
国民
は非常に不安に思っている。ところが、もう
原子力
発電は実際動いている。この
原子力
発電は動いておるにもかかわらず、
原子力
に対する
国民
の不安、不信、こういうものをどういうふうに払拭して納得させようとされるのか。なお、この
原子力
エネルギー
の研究体制なり
開発
体制について一体どうか、まず、ひとつ総括的に
説明
を願います。
生田豊朗
15
○
説明員
(生田豊朗君) ただいま
先生
の御
指摘
の点でございますけれ
ども
、特に今般、たいへん御心配、御迷惑をおかけいたしました
原子力
船「むつ」の問題が端緒となりまして、私も現地に約三週間おりまして、その折衝の一担をになわせていただいたわけでございますけれ
ども
、
先生
御
指摘
のような問題が非常に浮き彫りにされてまいりまして、これから代替
エネルギー
のいわば本命でございます
原子力
を、さらにその利用を拡大、発展させてまいります上に、やはり
国民
の理解と協力をいかにして得るかというところに、従来よりもさらに力を尽くしていかなければならないという点を痛感したわけでございます。 具体的に申し上げますと、従来、私
ども
もできるだけ
努力
はしてまいったつもりではございましたけれ
ども
、ともすれば、われわれの
考え
ていたことを押しつけるような傾向がなかったかといいますと、その点、私
ども
もいろいろ反省する点があったと
考え
ております。もう少し、その地域の住民だけに限りませんで、
国民
全般がこの
原子力
の必要性、
エネルギー
としての必要性だけではございませんで、その安全性につきましてもその理解を十分できるような、理解できなければそのまま走ってしまうということではなくて、理解と協力が十分得られるようなしんぼう強い
説明
、あるいはPRと申しますか、そういうものを積み重ねてまいることが必要であると
考え
ております。多少時間はかかるかもしれませんけれ
ども
、いわば急がば回れという
感じ
でございまして、その点に十分時間をかけることが、結局は
原子力
平和利用の拡大、安定につながる非常に重要な点であろうということを痛感した次第でございます。 それから、研究
開発
の問題でございますけれ
ども
、現在、
原子力
発電の主力となっております軽水炉につきましては、これは米国の技術を導入しましてつくったものが大部分でございます。一方、その
原子力
、特に原子炉の技術
開発
は、
世界各国
がかなり急テンポで進展しておりまして、
わが国
もそのテンポにおくれないように、国内技術、国産技術の
開発
を進めることが非常に重要でございます。
原子力
基本法の三原則は、
先生
御承知のように、自主、民主、公開ということでございまして、その民主と公開の原則につきましては、いろいろ御論議もあり、御
指摘
もいただいているわけでございますが、その自主という原則があるわけでございまして、特に
原子力
のようないわば複雑な
システム
産業のような技術につきましては、技術導入をする部分がございましても、それに対応するような国産技術の蓄積がないと技術導入が十分生かされない。特に安全性の問題についてもその点が問題かと思いますので、今後とも国産技術の
開発
には十分力を尽くしてまいりたいというように
考え
ております。
小柳勇
16
○
小柳勇
君 けさの新聞でも、原子炉の亀裂の問題など発生してきておるようですが、たとえば国鉄の新幹線が亀裂などあって、半日休んで点検するようなことも
考え
たようですが、いま運転中の
原子力
発電所も、運転を休止して点検するぐらいのことを
考え
ておりますか。
生田豊朗
17
○
説明員
(生田豊朗君) ただいま御
指摘
の問題につきましては、米国で沸騰水型の原子炉の溶接部分にひびが入るという問題が発見されましたので、それと同じ型式の
わが国
の原子炉につきましては総点検を行ないまして、昨日、新聞に発表しまして、ただいま
先生
おっしゃいましたような二つの原子炉につきまして多少問題がございますので、これは
アメリカ
で発見されたものより、はるかに軽微なものではございますけれ
ども
、運転を停止いたしまして、さっそく修理に当たらせる。ほかのものにつきましては問題がないので、運転を再開あるいは再開を準備しているという段階でございます。 安全に十分
努力
することは当然でございますけれ
ども
、現在のところ、すべての発電用の原子炉を停止いたしまして総点検しなければいけないというほどのことは
考え
ておりません。しかし、今回とりました措置のように、何か問題がありました場合は、それをそのまま見のがすことのないように、今回と同じような措置をとりまして、総点検を随時行なっていくという体制で進んでまいりたいと
考え
ております。
小柳勇
18
○
小柳勇
君 もう一問。
昭和
六十年度では、約一一%ぐらいの
エネルギー
を
原子力
で持とうという
構想
のようですが、いまのような
情勢
で一体やれるのかどうか、それが
一つ
。 それから
動力炉事業団
など、せっかく公団ができておるが、フル運転しているのかどうかという問題があるんですが、いかがですか。
生田豊朗
19
○
説明員
(生田豊朗君) 第一の御
指摘
の点でございますが、
昭和
六十年度に六千万キロワットの
原子力
発電が実現いたしますと、その場合、一次
エネルギー
の約一〇%に相当するということでございまして、この
目標
を
達成
すべく、通産省と協力いたしまして
努力
しているところでございます。ただ、安全性の問題、あるいは核燃料サイクル全般の問題につきましていろいろむずかしい点がございます。現在のまま手をこまねいていれば、その六千万キロワットが実現するというようには安易に
考え
ておりません。いろいろ問題が出てまいっておりますので、その点を通産省あるいは
関係
の企業とも協力いたしまして問題の解決に当たってまいりませんと、六千万キロワットは決して簡単に
達成
できる
目標
ではないというように
考え
ております。 それから第二の、動燃事業団でございますが、これは
先生
十分御承知のことと思いますが、現在三つのおもな事業をやっております。
一つ
は再処理工場の建設でございます。それから第二は新型動力炉の
開発
でございまして、第三はウラン濃縮でございます。この三つを大きな柱として動燃事業団は進めております。 まず第一の再処理工場につきましては、東海村に建設中でございまして、当初の計画よりも若干おくれておりますが、明年には運転に入るという
目標
で現在進めております。それから新型炉につきましては、高速増殖炉、それから新型転換炉と二つの炉の建設を進めておりまして、これも当初の計画よりも若干おくれておりますが、高速増殖炉につきましては、実験炉が明年臨界に達する予定でございますし、新型転換炉につきましても、これは原型炉の建設を進めておりまして、やはり近く運転に入れるという見通しでございます。ウラン濃縮のほうは、遠心分離法によるウラン濃縮の技術を、これはやはり純国産で
開発
いたしまして進めております。現在パイロットプラントの段階でございますが、残念ながら、欧米において進められておりますウラン濃縮の技術とはかなりの格差がございます。しかし、この点も濃縮ウランの
確保
というのがやはり
原子力
発電のためには
一つ
の重要なポイントでございますし、なるべく濃縮ウランの
供給
源を多角化してまいりたいというように
考え
ておりますので、引き続きまして、やはり国産技術による濃縮工場の建設ができますように技術
開発
を進めてまいりたい、かように
考え
ております。
小柳勇
20
○
小柳勇
君
石油開発公団
と同じような質問になりますけれ
ども
、
政府
みずからが
原子力
エネルギー
の
開発
なりあるいは実用化に乗り出していく、公団が金を貸して民間にまかせるというようなことでなくて、みずから
原子力
の
開発
に乗り出し、かつ、
国民
に納得させなきゃいかぬですね。現在のところでは、十年ぐらいは
原子力
エネルギー
を
日本
の総合
エネルギー
として実用化することについては不安であるといわれている。その不安がなくなって、一〇%は
原子力
エネルギー
ですと、ぱっと経済計画に入れるような体制をとらなきゃならぬと思うが、その体制についてはどうですか。
生田豊朗
21
○
説明員
(生田豊朗君) 御質問の点でございますけれ
ども
、
国民
が納得できるような体制ということでございましょうか、その点が私
ども
は非常に重要な点だと
考え
ております。特に、今回のむつの問題につきましても、たとえばPRをこのくらいやった、その後パンフレットを何冊つくったとか、何種類つくったとか、講演会を何回やったとか、そういうたとえばパンフレットの量であるとか、講演会の回数であるとかいうことが、
国民
あるいは地元の漁民を納得させるものではないのだということをいろいろ
感じ
たわけでございます。やはり
国民
の全般が何と申しますか、ほんとうに
原子力
の代替
エネルギー
としての必要性を理解し、それから安全性につきましても、これはよくわからないけれ
ども
政府
がやるんだということではなくて、
国民
に十分心の底から納得していただくような粘り強い
努力
の積み重ねが必要であると
考え
ておりますので、今回の問題の教訓をよく踏まえまして、そのような体制を早くつくってまいりたいということでございます。 田中総理の御指示もございまして、
原子力
行政の全般につきましての基本的な
考え
方、あるいは行政
組織
についても、有識者の方にいろいろ御
検討
いただこうということで、そういう体制を、
一つ
の
組織
をつくることも
政府
の中で
検討
されておりまして、昨日も各省事務ベースで大体の打ち合わせをした次第でございますので、今後、
先生
御
指摘
のような方向で
努力
してまいりたいと
考え
ております。
小柳勇
22
○
小柳勇
君 もう一問。これは私見でもいいんですけれ
ども
、
原子力
局というのが科学技術庁にあるから、研究
開発
というのが先入観で
国民
の頭の中に入る。これが通産省に入っちゃって、
エネルギー
として、どうしてももう総合
エネルギー
として
原子力
エネルギー
は重要部分であるという体制をとれば、
国民
の協力体制なり、納得体制なり、学者動員なり、あるいは金を使う面なり、そのほうがベターではないかと思うが、
局長
の見解はいかがですか。
生田豊朗
23
○
説明員
(生田豊朗君) その点たいへんむずかしい問題でございまして、先ほど
資源エネルギー
庁長官
がお答えになりましたように、私
ども
と通産省、
資源エネルギー
庁とは密接な連絡をとっておりまして、この通産省所管の
原子力
発電を中心にいたします問題につきましては、現在までのところ特にそういう、つまり、行政が二元化しておるために特段の問題が出たということはございません。ただ、
先生
の御
指摘
のような問題もございますし、現在まで問題がなくても、二元行政ではないかというような御
指摘
も各方面からいただいております。 研究
開発
についても、その研究
開発
の段階によりましていろいろの問題がございますので、今後
原子力
の行政
組織
をどうするかということは、先ほど申し上げましたような内閣での集まりと申しますか、会合を通じまして基本的に洗い直されていくものだと理解しております。その結果を見まして、これは必ずしも
原子力
は通産省だけではございませんで、
原子力
船ということになりますと運輸省ということにもなっておりますし、各省にまたがる問題でもございますので、その点
関係
各省と十分御相談いたしまして慎重に対応してまいりたいと、かように
考え
ております。
小柳勇
24
○
小柳勇
君 最後は、
石炭
特別会計の財源
確保
の問題でございますが、現行の原・
重油
関税率を維持して、産炭地域における諸施策に要する財源の
確保
をはかってもらいたいという陳情が、産炭地域自治体から出ております。問題のある関税でございますが、現在の産炭地域振興なり、あるいは産炭地の鉱害復旧なり、たいへんな問題がありますから、現行を延長してもらいたいというのが陳情の趣旨でありますが、この点に対する通産省と大蔵省の見解を聞きたいと思います。
増田実
25
○
説明員
(
増田実
君) 原・
重油
関税率につきましては、現在、関税率審議会におきまして
検討
が行なわれておりますが、私
ども
は、五十年度の予算につきましては現行原・
重油
関税率、つまり、キロ
リッター
当たり
六百四十円を前提にいたしまして、
石炭対策
費につきましても千二百五十五億円の
予算要求
を行なっております。いずれにいたしましても、第五次
石炭政策
を
推進
するために
政府
としての必要な財源
確保
措置を講じていきたい、こういうふうに思っております。
松尾直良
26
○
説明員
(松尾直良君) 原・
重油
関税、
先生
御承知のように、来年の三月三十一日までの暫定税率ということで、
原油
につきましてはキロリットル
当たり
六百四十円という暫定増税、基本税率より高い税率を張っておるわけでございます。で、
昭和
五十年度以降におきましてこの関税率をいかにするかということは、昨年、関税率審議会からも、一年間
総合エネルギー対策
の
あり方
等を含めて十分に
検討
せよという答申をいただきまして、関税率審議会におきまして、来年度の関税改正の諮問が先般大蔵
大臣
からなされました。この重要項目の
一つ
として、最近その
検討
が始められた段階でございます。で、原・
重油
関税の
あり方
につきましては、この国際
石油情勢
あるいは
石炭対策
、
石油
対策
の
あり方
、その財源をいかにするかというような問題を含めまして慎重に
検討
中であるというのが現在の段階でございまして、私
ども
といたしましては、できるだけ早期に
結論
を得たいと思っておりますが、関税率審議会の審議もございますので、目下鋭意部内におきましても種々の観点から
検討
を進めておる、かような段階でございます。
小柳勇
27
○
小柳勇
君 まあ、理屈はたいへんいろいろありましょうから、審議会で十分審議していただくんですが、願わくば地方自治体の苦境も御賢察あって、善処してもらいたいと思います。 以上で質問を終わります。
対馬孝且
28
○
対馬
孝且君
北瓦斯問題と
朝日炭砿
の件に関しましてお伺いいたしますが、簡潔にお答えを願いたいと思います。 まず最初に、
北海道瓦斯
の
熱量変更
に伴う
ガス中毒事故
について通産省の
考え
方をお伺いをしたいと、こう
考え
ます。 北瓦斯の
供給
ガス熱量アップのために、札幌市内で瞬間湯わかし器などの不完全燃焼で一酸化炭素が発生をいたしまして、十月の十六日より十月の二十二日までの七日間に七件の中毒
事故
が発生し、七名の死亡者を出し、四名の中毒患者を出すに至りました。まことに痛ましい
事故
が発生をいたしておるのであります。しかも、現在ガスを
使用
いたしております十五万世帯の札幌市民は、不安と恐怖の中におののかされております。 私はまず、本件の
事故
がきわめて重大であるということはもちろんでありますが、人命無視であり、社会問題であるという立場に立ちまして、単に私企業ではございません。明らかに公益事業であるという観点に立ちますならば、当然通産省としてこの
事故
に対してどのように受けとめているかという基本的な態度についてまずお伺いをしたい、こう
考え
ます。
大永勇作
29
○
説明員
(大永勇作君)
先生
御
指摘
のように、十六日から二十一日までの間に六件の中毒
事故
がございまして、七名の死亡者が発生したわけでございまして、われわれといたしましてはまことに遺憾であり、残念であるというふうに思っているわけでございます。この
熱量変更
につきましては、最近、導管の布設あるいはガスホールダー等の布設がだんだん困難になってまいりまして、一方で
需要
が増加しておりますために、全国各地で熱量の変更が行なわれる傾向になってまいっておるわけでございます。幸いにして従来は
事故
がなかったわけでございますけれ
ども
、今回、不幸にも先ほどのような
事故
が起きたわけでございます。 それで、実情につきましては、現在われわれとしてもまだ十分な実態をつかむ段階に至っておりませんので、係官を現在現地に派遣いたしまして、実情の聴取等に当たらしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、まことに遺憾な
事態
でございますので、今後、今回の教訓を肝に銘じまして、監督体制の強化につきまして
検討
してまいりたいというふうに
考え
ておる次第でございます。
対馬孝且
30
○
対馬
孝且君
私は、今回の事件発生に伴いまして二つの
問題点
があるということを
指摘
をしなければなりません。それは、北瓦斯に七月の十六日に札幌通産局が認可をいたしているわけであります。つまり、八月の一日から十月の十五日までに調整作業の期間を設定いたしました。この中で私は
問題点
は、
一つ
は、この調整作業を行なうために正社員を使うのではなくて、いわゆる関連業者のサービス
関係
の従業員を動員をしたり、しかもはっきりしましたことは、学生アルバイト二百二十人を使ってこの調整作業に当たらしているということが問題の第一点であります。 それから第二点目は、労働組合が労使協議会におきまして再三にわたって、八月一日から十月十五日までの間における調整作業の中で、この作業期間中は無理がある、むしろそういう
意味
では東京瓦斯なりその他の
関係方面
に協力を願って、いわゆる
専門家
の動員を願わない限り、かなり
危険性
が伴うのではないかということを、労使協議会で
指摘
をいたしております。特にアルバイトを使うに至ってはきわめて問題がある、こういう点について労使協議会、あるいは団体交渉を通じまして会社側に対して三たび
指摘
をされておるわけであります。ところが、会社側はこれに対しまして、一向に労使協議会の意見を取り入れるとか、あるいは実際に作業に携わっている作業員の意思反映というものについては全然無視をされている。この二つがやっぱり起こるべくして起きた今回の重大な事件につながっている、こう私は
指摘
をしなければなりません。 したがいまして、この問題は簡単に申し上げますならば、まさに目的
達成
のためには手段を選ばずというような北瓦斯の経営者の独善性、こういった態度、それが如実にあらわれましたのは、先ほど申しましたように、ただ人を寄せ集め、作業集団さえつくればよろしいと、こういうやり方ですね。こういう問題の結果ということに対しまして、私は当然、主務官庁として、しかも公益事業である北瓦斯に対して出先の通産局としてどういう保安上の指導を与え、そうしてこの責任についてどう
感じ
ているのか、この点は基本的な問題でございますから、
長官
にひとつ基本的な態度として私はお伺いをしたい、こう
考え
ます。
増田実
31
○
説明員
(
増田実
君) 現在、この
事故
の発生につきましては、司直の手によりましても原因究明中でありますし、また、通産局もこの原因を調査し、本省からも係官を派遣しておる次第でございます。ただ、ただいま
対馬
先生
から御
指摘
ありましたように、アルバイトの
使用
が非常に多かった、また、そのアルバイトに対します教育がどうであったか、また、そのアルバイトに対する監督がどういうふうであったか、これらの問題につきまして私
ども
十分調査をいたしたいと思っております。いずれにいたしましても、カロリー変更いたしますときには、これは十分な注意をもって行なわなければなりませんし、これによりまして
人命事故
が起きたということにつきましては、私
ども
通産省といたしましても、その監督につき十分反省しておりますし、また、今後こういう
事故
が再び起こらないように万全の措置を講じたい、こういうふうに思っております。
対馬孝且
32
○
対馬
孝且君
いま
長官
からきわめて遺憾であり、十分に反省をして今後対処をいたしてまいりたいということですから、そんなように受けとめたいと私は
考え
ます。 きょうは時間もありませんから、具体的な事例をもって答えを求めようとは思いません。したがいまして、私はただ
一つ
ここではっきりしてもらわなければならない点がございますのは、いま
長官
も申されましたように、現地では不安がいまなお解消しておりません。それは、
現実
に調整作業が行なわれた二十日現在で一人中毒患者ができ上がっておるわけであります。ただ、もう市民は北瓦斯を信頼しておりませんよ、はっきり申し上げて。調整作業は終わりました、だいじょうぶでございますと言ったとたんに、二十日の午後八時にまた再び湯わかし器によって起きているわけです。私はこの点についてやっぱり
問題点
は、当面直ちに通産行政としてやることは、まず総点検をすみやかに指示をすべきじゃないか。それから、大量にいま不安が出てきておりますから、一日も早く十五万世帯に対して調整作業のチェックをきちっと制度としてやる、同時に完了させる、こういう行政指導をまず進めてもらいたい、これが第一点であります。 それから第三点目は、具体的な問題として、きわめて今回の問題は北瓦斯の経営者の独善性にあるということは、私はさっき強調したとおりであります。北海道では、北電の次は
北海道瓦斯
、これはもう北海道ではかってない横暴をきわめ、独占企業として行なってきたということは事実であります。また、これに対して通産当局も、北電であれば、北瓦斯であればということでかなり柔軟な姿勢で対処したことも事実であります。私は前の通産
局長
に
指摘
した例がございます。したがいまして、今回の問題については、私はこれは小
委員長
のほうで取り扱っていただきたいと思うんでありますが、国政レベルの段階でも、これだけの七名の犠牲者を出すに至った今時点を判断をした場合に、調査団を派遣をしてすみやかに現地住民の不安にこたえる必要がある。また、国政レベルでもこの問題発生に至った原因の明確化を明らかにして、市民の不安を解消する、こういう点について、一任をいたしますので、ひとつ小
委員長
のほうで取り扱っていただきたい。そうして、すみやかに国政レベルの調査団を派遣をしていただきたい。同時に、先ほど言った点について
長官
からもう一度今後の具体策、当面
対策
についてお答えをいただきたいと
考え
ます。
増田実
33
○
説明員
(
増田実
君) ただいま
対馬
先生
から、この
事故
後、非常に市民の不安が生じておる、これは放置できない
状況
にある、直ちに総点検を行なうべきだという御
指摘
がありました。現在、総点検を行ないまして、二十八日までに全部終了するという予定になっております。また、東京瓦斯からも飛行機で八十人及び翌日八十人と、合計百六十人のこういう調整作業いたしました技術者を派遣いたしまして、総点検を行なわせるようにいたしておるわけでございます。また、
北海道瓦斯
に対する通産省の監督の規制というものについて御
指摘
ありましたが、私
ども
といたしましては、大企業、小企業によりまして、それに対する公益事業の監督につきまして差を設けていたことはございません。厳格な態度をもちましてこの公益事業に対する監督を行なっております。また、今後も行なう所存でございます。 それから、ただいまの
事故
の原因究明、
事故
の実態調査のために本
委員会
の諸
先生方
が調査されるということにつきましては、私
ども
も国政調査としておいでになる場合には、できるだけの準備その他をいたしたいと思いますが、この件につきましては、
委員長
とも十分御相談いたして取り計らしていただきたいと思っております。
阿具根登
34
○小
委員長
(阿
具根登
君) 私に対します
対馬
君の要望につきましては、あとで各
委員
の御意見も承りますが、
商工委員長
と十分協議の上、実現するために
努力
いたしたいと思います。
対馬孝且
35
○
対馬
孝且君
以上をもちまして、
北海道瓦斯
の問題につきましてはきょうの段階では終わりたいと思います。 それでは次に、
朝日炭砿
の問題につきまして簡単にお伺いをいたします。 高木
石炭
部長を中心にいたしまして、
朝日炭砿
の今日までの諸
対策
につきまして
努力
を払わられておりますことにつきましては敬意を表します。そこで問題は、閉山提案以来約五カ月にわたっているわけであります。すでに北海道では十一月ということになりますと、もうすでに雪がちらちら散らついて、人心も動揺する、こういうふうになっております。したがって、やっぱりこの
朝日炭砿
のすべての問題は十月末に決着すべきではないか、またしなければならない。このまま推移いたしますと、かなり人心が動揺して、これを野放しにすると暴動が起きかねないという
事態
に至らしめるのではないか、私はそういうふうに
感じ
てきました。実は私も現地へ行きまして、現地の組合員と接触もいたしまして、家族とも会いましたが、非常にいら立ちの高まりを見せております。そこで、炭労は明日ストライキを行なうという態勢にあるわけであります。したがいまして、明日のストライキを目の前にしてのきょうですから、私は、次の点だけ基本的な
考え
方を含めてぜひ対処してもらいたいということを、二点ひとつお伺いをしたいと
考え
ます。 第一の問題は、いま言ったように十月末をもって、まああすストライキですから、いずれは今晩からあすにかけて北海道の段階でも知事との間にかなりの大量動員がなされ、あるいは対道交渉な
ども
持たれております。現地の岩見沢市長も相当心配をされて上京していると聞いております。したがいまして、
一つ
は、
朝日炭砿
の八月三十一日
協定
後の
問題点
としては、新鉱の問題がございます。十月十四日に至って、
朝日炭砿
の野村宗一郎会長、伊藤社長を中心にいたしまして新鉱
開発
は断念をしたいという通告に組合側は接しました。そこで組合側としましては、会社の態度は明らかに八月三十一日の労使了解事項に違反をしたものであることは当然であります。同時に私は、通産当局としましても
政府
案として認可をした限り、新鉱
開発
はこれをやめるというような態度を経営者がとられるとするならば、これはやっぱり通産行政としてもこの経営者の態度を認めるということはできないのではないか。これは当然のことだと私は思うのであります。 したがいまして、いま何といっても北海道の炭鉱労働者が見守っておりますのは、
朝日炭砿
の解決が一体どうなるのだということに非常に関心を持っております。これはひとり
朝日炭砿
だけじゃございません。北海道の産炭地に携わる者、そうして炭鉱労働者はもちろん真剣に
考え
ております。それは先ほど来
増田長官
が、
石炭政策
を見直してまいりたいという決意を申しておりますけれ
ども
、
朝日炭砿
ぐらいの炭鉱が見直されて救うことができなくて、何で
石炭対策
が見直すことができるのか。これが素朴なやはり炭鉱労働者の感情であり、また、北海道の道民の感情であります。したがいまして私は、第一点としましては、八月三十一日了解事項に基づく新鉱
開発
計画につきまして、通産行政としてぜひ
協定
の精神を順守してこれを貫いてもらいたい。これをひとつ経営者側に対しまして再度指導行政を発揮をしてもらいたいということが第一点であります。 第二点の問題は、閉山退職後の諸条件の問題であります。この点につきましては、すでに高木
石炭
部長も
努力
をされておりますので、私も了としておるわけでありますが、答えはいまなお上期の期末手当をもらっていないのであります。これは、会社の提案は五万円、組合は二十万円、こういうことですから、結果的には上期の期末手当しか払われていないということについて、非常に組合はいきり立っております。しかも、会社側の労務
政策
の手段として、係長以上は支払いをして、係長以下の一般の組合員には期末手当が払われていない、こういう差別待遇をしたようなやり方に対しては、やはり私は非常に野村
政策
というものに対しては憤りを
感じ
ております。こういう
意味
では、びた一文こういう者には金をやりたくない、国の金を使わせたくないという気持ちは私はありますけれ
ども
、しかし、泣くのはしょせん労働者が泣かなければならないわけであります。 そういう
意味
で私は、閉山後の退職の条件として、まず第一には上期、下期の期末手当の支払い、それから退職金の諸
協定
に基づく支払い、もちろん、特別加給金というものはいままでの炭鉱閉山に伴う
一つ
の慣例としてもあるわけですから、これはひとつ払ってやらなければならない。それに予告手当、こういった財源が、実は
現実
の問題として野村宗一郎は、この問題結着にあたって解決をしようとする腹はないわけであります。これは
政府
としても迷惑なことなんですけれ
ども
、しかし、そう言ったからといったって、先ほど申しましたように、冬空を控えて泣かなければならないのはしょせん働く労働者である、こうなれば、私らもやっぱり道民、
国民
の一人として生活権を守ってやらなければならない、こういうことになるわけであります。したがいまして、国だけでこの責任を負えとは決して私は申し上げませんけれ
ども
、この際、通産
大臣
が行政指導のひとつ能力を出していただいて、
石炭
部長の段階でも
努力
していただいて、国、会社、北海道庁、それから地元の岩見沢市、こういう四者が何らかの財源をお互いに出し合って、そうしていま
朝日炭砿
のこの寒空を控えての労働者の要望にこたえていただけないか、こたえてもらいたい、こういうのが私の第二の質問でございます。 したがいまして、率直に申し上げて、もうほんとうに暴動一歩手前という
感じ
もいたしましたし、阿
具根
小
委員長
も現地に行っておりますけれ
ども
、時間の問題が迫っておりますので、あすのストライキを迎えてきょうでございますから、ともあれ十月——今月末にはこの問題の一切の解決を見たい、こういう段階を迎えておりますので、いま申し上げました二点の問題について、ひとつ
石炭
部長なり
長官
からお答えを願いたい、こう思っております。
高木俊介
36
○
説明員
(高木俊介君)
先生
御
指摘
のとおり、
朝日炭砿
がこういう結果になっているわけでございますけれ
ども
、
政府
といたしましては、
朝日炭砿
の自然条件の悪化、あるいは生産炭量の枯渇ということ等を予測いたしまして、地域経済、労働者等に及ぼす
影響
、また、国内炭の
安定確保
という点から、北炭の一部でございます鉱区の租鉱権をあっせんいたしまして、当
朝日炭砿
にかわる新鉱
開発
の道を開くべく
努力
してきたところは、ただいま
先生
からのお話しのとおりでございます。 御高承のとおり、労使間で期末手当、退職条件等の話し合いを数回にわたりやってきた次第でございますけれ
ども
、不幸にして、現在解決を見ていないというのが実態でございます。 なお、ただいま
先生
から御
指摘
のとおり、冬場を控えて、今月末までに解決ということは当然のことであろうと思います。私
ども
といたしましては、野村会長に対し、その新鉱の
開発
が不可能になったという話を今月の十一日に聞きましたので、そのとき、再度
考え
直してくれというようなこともいろいろ申し上げたつもりでございます。ただし、現時点におきましては、冬場、いわゆるもう雪が降っているような状態でございまして、十一月からの、あるいは十二月からの新鉱への着手というのは、時期的に少し無理な点が出てきたのではなかろうかという点で、残念に思っているような次第でございます。これも野村会長としましては、十月十日までに北海道電力と契約をかわし、電線の現場への導入を完成した上で新鉱へ着手したいということで、最後の決を下さざるを得ぬようになったというのが、現在のところの実態のようでございます。 なお、断念していただかないようにということでも要請しておりますし、ことしは無理にしましても、来年度、三月以降の雪解けに、再度そういう点も要請できるんではなかろうかと。なおその間、何かつなぎができるんじゃなかろうかというようなことで、きのう、おとといも野村会長のほうに連絡はしている次第でございます。できるだけ、引き続き新鉱というものを存続していきたいというふうに
考え
ておりますので、
先生方
の御意思も承りましたので、もう一ぺん強く会長のほうには要請をしたいというふうに
考え
ております。 なお、現在の退手あるいは期末手当等の問題でございますけれ
ども
、先ほど御
指摘
のとおり、会社側のほうからはいい回答は出ておりません。ただ、先ほど非組合員、組合員というような問題で、非組合員のほうに二十万円というのは、これはきのう確かめてみましたところ、組合員のほうには炭労さんが中心になりまして、いわゆる労働金庫から十二万プラス三万円、十五万円を貸し付けをしたということでございまして、それに対しまして非組合員のほうが、自分らには何らの金も用意してくれないのかといういろいろな問題がございまして、非組合員のほうに対しましては、貸し付けという形で二十万円を支出しているのは事実のようでございます。その点、いろいろ組合員、非組合員の間で問題はあろうかと思いますけれ
ども
、
現実
はそういうようなことになっているようでございます。 なお、退手、期末手当の問題でございますけれ
ども
、ただいま通産
大臣
あるいは道、市長というようなこともお話が出たわけでございますけれ
ども
、市長もこの点心配されまして、先週あるいは今週も、現在上京しておられ、いろいろ仲介に立ち、何か自分としてできることがあるならば、市民の立場から仲をまとめたいというふうに
努力
をいただいているような状態でございます。なお、北海道のほうも、副知事のほうにきのう電話連絡いたしまして、不幸なことになった場合の、最後の、いわゆる期末手当あるいは退職手当というところにつきましても、ぜひ十分考慮していただきたいということは要請いたしております。 なお、通産といたしましては、現行の制度におきますいわゆる閉山交付金という制度がございまして、交付金のできるだけ
限度
一ぱい見るということで、すでにその点につきましては、合理化事業団とうちとの間で一部かさ上げの条項もつくっておりますし、これは労使の
協定
ができさえしますれば、そういうことで金額のほうは増額で出せるという状態をしいておるような状態でございます。 なお、一部そういう原資に充てるために、いわゆる安定補給金というのを、過去の生産に対しまして、トン六百円前後の金を出しているわけでございますけれ
ども
、これも当然労使の、組合のほうに回るべく
努力
いたしまして、実はこの山が、会社が、六月二十四日でございますけれ
ども
、返すべき金を返さなくて不渡りというような状態になっておりますので、普通の状態でいきますと、ここに金を出すわけにいかぬのでございますけれ
ども
、会計検査院その他等々ともいろいろ話をいたしまして、安定補給金の一部も出した、なお、七、八、九の生産に対しましても出すようにしたいというふうに
考え
ております。通産としましてもできるだけ現行制度の内で出すように、できるだけ労働のほうに金が回るような原資をつくるということで
努力
しているような次第でございます。 なお、自治省のほうから閉山地区に対して、過去、特別交付金という金で出した例があるようでございますけれ
ども
、この金がはたして労働のほうに回るのか、あるいは疲弊した産炭地域の復興というほうに回るのか、その点、少し研究しなくちゃならぬ点がございますけれ
ども
、自治省のほうとも十分連絡をとりつつ、できるだけ労働者の方々に迷惑をかけぬような体制をしいていきた、こういうふうに
考え
ております。
対馬孝且
37
○
対馬
孝且君
いま高木
石炭
部長から、第一点の新鉱
開発
の問題に関しましては、再度ベストを尽くすということですから、了といたします。 それから、諸条件の問題についてお答えなかったわけでありますけれ
ども
、会社側に対して、やっぱり通産当局としても、本来なら会社が一番犠牲を負うべきですよね、しかし一向に、野村宗一郎はまさに社会的な経営責任を
感じ
ていないということに、腹立たしさを全く私
ども
感じ
ます。しかしその点、まあ行政指導の立場でやってもらう以外にございませんので、労働組合としてはストライキ以外の最高のものはございませんし、したがって、いま言ったように、国、道、会社、岩見沢市を含めて組合側が
提唱
しておる財源
確保
のためにひとつベストを尽くしてもらいたい。お答えは要りません。要望を申し上げて、私の質問は終わります。
桑名義治
38
○
桑名
義治
君 私は、
石炭
問題についてお伺いをしておきたいと思います。
御存じ
のように、
石油
が非常な
値上がり
、異常な
値上がり
を示したわけでございまして、
石炭
が
日本
に残された新しい
資源エネルギー
として見直しの段階に入っているわけでございますが、この
日本
全体のいまからの
エネルギー
対策
に対する
石炭
の位置づけというものを、長期的にどのように見ているか、まず、
長官
から伺いたいと思います。
増田実
39
○
説明員
(
増田実
君) ただいま御
指摘
のありました
石炭
鉱業につきまして、現在の
エネルギー情勢
に基づいてどのように見るか、その位置づけについて通産省はどのような見解を持つかという御質問でございますが、これにつきましては、去る十月一日に
石炭
鉱業審議会に対しまして、新総合
エネルギー政策
のもとにおける
石炭政策
はいかにあるべきかという諮問を、
中曽根通産大臣
より
石炭
鉱業審議会の会長であります稲山氏に対していたしたわけでございます。今後、来年までかけまして
関係
の方々と一緒に慎重に審議を進めまして、長期の
石炭
に関します見直し及びその位置づけということを行ないたいと思います。その具体的方向につきましては、現在審議中でございまして、その結果を待ってきめていきたい、こういうふうに思っております。
桑名義治
40
○
桑名
義治
君 いま
長官
のお答えを要訳しますと、大体
石炭
鉱業審議会の答申を待って、その後に
考え
たいというようなお話でございますけれ
ども
、審議会は審議会としての
考え
方がありましょうし、通産省は通産省としての
考え
方もございましょうし、あるいは積算もございましょうし、そうやった立場から、現段階における位置づけを通産省としてはどういうふうに
考え
ているかということをお尋ねしたわけでございまして、審議会の
内容
についての私の質問じゃございませんので、その点についてお答えを願いたいと思います。
高木俊介
41
○
説明員
(高木俊介君) 現在の
石炭政策
は、五次策で遂行いたしまして、五十一年度までが
対策
期限となっておるような次第でございます。五十一年の生産量を二千二百五十万トンというようなことで、昨年の十二月七日の日に審議会の総合部会から答申いただきまして、その線に沿って現在進んでおるわけでございますけれ
ども
、実は今回の
エネルギー
危機、そういうものに遭遇いたしまして、
石炭
関係
で五十一年度までしか見てなかったものを、もう少し長期的に展望を明示すべきであるというような要望もございまして、当然そういうふうに持っていくべきであるということで、実は、昨年から引き続きこの審議会で御審議いただきまして、本年度の七月二十二日に一応五十五年度、六十年度の見通しということで、二千万トン以上という国内炭の
供給
は可能であるというような審議結果をいただいております。 これは五十五年度あるいは六十年度の長期展望でございますけれ
ども
、当然それにつなぐ来年度
対策
あるいは当面
対策
といたしましては、いろいろな問題をかかえております。これに対しましては、来年度の
予算要求
におきまして、すでに必要な項目につきましては、現在
予算要求
をして、その予算の獲得をベースにいたしまして、問題の
内容
に山を持っていきたいというふうに
考え
ておりますし、なお、先ほど
長官
からお話ございましたように、五十一年度以降の具体的な案につきましては、ただいま審議会のほうに諮問しておりますので、その具体策を持って必要な項目があれば改正もし、いろいろな予算措置も今後していきたいというふうに
考え
ております。
桑名義治
42
○
桑名
義治
君 そうしますと、現段階における
日本
のいわゆる経済ベースに乗った埋蔵量というものが大体どのくらい見込まれているのか、なるべくならごく最近のデータでお願いしたいと思いますが。
高木俊介
43
○
説明員
(高木俊介君) 全国的埋蔵量の炭量調査は、
昭和
三十一年に実施されまして、当時は、理論埋蔵炭量ということで二百億トンという
数字
が出ております。これは炭たけ三十センチ以上の炭で、ボーリングも、一応きめました規格によりまして、何平米に一本というような形で掘ったボーリングの結果の
数量
でございまして、この二百億トンがすべて掘れるというわけではございません。 それでその後、昨年度は、数年前、当時七千五百円のコストで掘れる炭は幾らかというのも一回試算しておりますけれ
ども
、現時点におきましては、
エネルギー
の高騰化ということで、
石炭
の価値も出てきたということをベースにいたしまして、現在の時点で一方五千円で掘れる炭は幾らあるかというのを試算したわけでございます。その結果は、現有鉱及び事業団が保有しております鉱区あるいは消滅鉱区、これは全部データが事業団のほうにございますので、事業団と——合理化事業団でございますけれ
ども
、合理化事業団と役所のほうで、これは一部は業界のほうにもお願いしておりますけれ
ども
、そういう
資料
をまとめました結果は、約一万五千円で掘れる炭は、現時点で十億トンという
数字
になっております。
桑名義治
44
○
桑名
義治
君 そうしますと、次にお尋ねをしておきたいことは、先ほど
長官
からのお話によれば、
石油
がこの三年間で約五倍に上がったというお話でございます。この一年間で約四倍に
値上がり
しているわけでございますが、まあそういうことで、まず、
石炭
がなくなったから
石炭
産業が斜陽になったということよりも、
エネルギー
革命による消滅である、こういうふうに
考え
たほうが私は適当ではなかろうかというふうに思っているわけでございます。まず、その
エネルギー
革命というものが、
石油
のほうが
石炭
よりもより安いというところに、生産ベースから
考え
た
政策
というものがこういう
石炭
産業を斜陽化したという大きな原因である、こういうふうに
考え
ているわけでございますが、そういった立場から
考え
まして、現在
石油
の
値上がり
したこの時点と、それから現在の
石炭
との値段、いわゆるそれが
使用
された場合のコストにはね上がる、そのコストの比較というものはどういうふうになっているか、そこからもまた
石炭対策
というものを見直していかなければならない面もあると思いますので、そこをお尋ねしておきたいと思います。
高木俊介
45
○
説明員
(高木俊介君)
石炭
には原料炭と一般炭と両方ございますけれ
ども
、まず原料炭から申し上げますと、前の油の安い時代でございますけれ
ども
、この時期から国内原料炭は海外の原料炭、これは、大体国内の原料炭は豪州の弱粘に匹敵しておりますので、豪州炭の
価格
というものと比較いたしますと、国内炭のほうが約二千円高かったのが事実でございます。今回、油の値上げ、あるいはその他によりまして海外炭も相当
値上がり
いたしました。国内炭のほうは今回三千円の値上げをさせていただいたわけでございますけれ
ども
、これは原料炭、一般炭ともにでございます。三千円値上げをさせていただきましたけれ
ども
、国内炭の値上げをしたあとの現在の値段でございますけれ
ども
、これはトン一万一千四百五十円というような
数字
になっております。これは国内の原料炭でございます。これに対しまして豪州の
輸入
弱粘結炭でございますけど、九千四百円でございます。約二千百円ぐらいまだ国内炭のほうが割り高であるということでございまして、これは需給
関係
によってもきまるところでありましょうし、いろいろなファクターを備えておると思いますけれ
ども
、現状はそういうふうになっております。 なお、一般炭につきましても、これはいままで油との
関係
におきまして、国内炭の一般炭のほうが高かったわけでございます。これを今回油の
値上がり
によりまして、
石炭
のほうも一応同じく三千円値上げをさせていただいたわけでございますけれ
ども
、かりに五千五百八十カロリーの一般炭をとってみますと、これは八千百十円に現在なっております。カロリー
当たり
に直しますと一円四十五銭というような
数字
になりますし、これと比較いたしますC
重油
の
価格
が、これは九千八百カロリーで計算いたしますと、キロ
リッター
当たり
約一万六千円でございますので、カロリー
当たり
一円六十三銭というようになろうかと思います。こういう点から見ますと、現在、カロリー
当たり
では国内炭のほうが低いんでございます。ただし、
石炭
を使うデメリット、いわゆる灰捨ての問題、あるいは人手を余分に食うというような問題いろいろそういうデメリットもございます。 なお、現在ずっと使っているところにはそういう問題はないかとも思いますけれ
ども
、新しくかりに発電所なり何なりを建設するとしますと、建設の上におけるコスト高と、
石炭
をたくためのコスト高という点もございますので、そういうことを一応試算の中へ入れますと、まあとんとんではなかろうかと。ただし、東京電力なんかで使っておられますC
重油
でも、いわゆるS分の少ない
重油
になりますと、これは相当値段が高うございますので、そういうものとの比較におきましては、
石炭
のほうが割り安ではなかろうかというふうに
考え
られます。
桑名義治
46
○
桑名
義治
君 いまの
石炭
部長のお話によりますと、現在の段階では、
石油
を燃料として使うよりも国内炭を、一般炭を使ったほうがむしろコストは安くなる、あるいはとんとんであるというようなお話がございました。また、埋蔵量につきましても、
現実
に現時点におきましては、もちろんこれは推定ではございますけれ
ども
、経済ペースに乗る埋蔵量を見ても十億トンの埋蔵量がある。こういうことになりますと、これは再度
石炭
を当然見直してこなければならない、これがまた非常に今後の
日本
の
エネルギー
対策
の中では重要な位置を占めざるを得ない、こういうふうに解釈をしていいんではないかと私は思います。 そこで、いま
石炭
部長からお話がございましたように、その他のメリット、デメリット、これは当然あります。
石炭
は、公害問題が一番中心になって閉山をしたところがございます。たとえば福岡県の日炭高松あたりも、これは九州電力の発電所が、
石炭
に硫黄分が多いということで購入をストップされた。そこに大きないわゆる閉山の原因があったわけでございますが、そうやった
意味
から、いまから
石炭
を見直すという立場から
考え
た場合には、どうしても公害問題と切り離しては
考え
られない、こういうふうに私は
考え
るわけでございますが、そうやった立場から
考え
て、はたしてこの公害防除問題について、技術
開発
をどの程度いま皆さま方が熱意を持って進められているか、そのところをちょっとお尋ねしておきたいと思います。
高木俊介
47
○
説明員
(高木俊介君) ただいま
先生
から御
指摘
がございましたとおり、今後炭鉱を存続するため、あるいは
開発
するためという点につきましては、公害問題も大きな要因でございます。そのほか労働問題あるいは保安問題というのもまた見のがすことのできぬ大きな実態ではなかろうかと思います。公害問題に対しましては、たとえばサルファの除去あるいはNOxの除去という問題につきましては、現在サルファ分につきましては、九州の三池の三井アルミの自家発電のほうで、これはすでにもう完成いたしまして、いい結果も出ております。これは今後発電所を建設されるところには適用できるのではないかということは、はっきり言えるのではなかろうかと思います。なお、NOxについては、これはいろいろ技術上の問題がございまして、まだ解決するまでに至っておりませんけれ
ども
、現在、電力会社その他をはじめ研究しているというのが実態でございます。 なお、深部問題につきましては、通産内部でもこれは
立地
公害局のほうでございますけれ
ども
、深部
対策
委員会
というようなことで、今後、山がだんだん深くなるということは当然でございますので、これに対する地圧問題、坑内
温度
の問題、あるいは坑内湧水の問題等について研究を重ねて、そういう研究をベースにしながら、
事故
のないように採掘していきたいということで、鋭意研究を進めているところでございます。
桑名義治
48
○
桑名
義治
君 いまから長期的な、安定した
石炭
の採掘をするという上におきましては、いまのままの炭鉱を持続する場合には、非常に困難が伴っていくのではないかと思います。そうしますと、新鉱の
開発
なり、あるいはまた閉山をした炭鉱をさらに
開発
をする、再
開発
をするという手だてしかないと思うのですが、大体どちらの方向をとろうとなさっていらっしゃるのか、そこをちょっとお尋ねしたいと思います。
高木俊介
49
○
説明員
(高木俊介君) ベースになりますのは、現在の山をできるだけ長く維持するというのが根本思想でございます。しかし、そういたしましても、有限の
資源
を採掘する
石炭
鉱業でございますので、炭量の枯渇というような点から、いずれは閉山しなくちゃならぬ時期が出てくるというのもまた事実であろうと思います。そういう点、少なくとも国内の有益な
資源
でございますので、できるなら掘れるものは掘りたいという気持ちはございます。そういう点で現在までに閉山した山のあと、いわゆる事業団が保有している鉱区、あるいは消滅鉱区という点も、来年度十分これを調査いたしまして、再
開発
に耐えられるかどうか、また、現に消滅した鉱区内では露天掘りというようなことは、これは安易にできるところも現在ございます。ただし、これは
法律
的にすでに一回消滅しておりますし、閉山交付金その他を受け取っておりますので、現在直ちにというわけにはまいりませんけれ
ども
、こういうところを対象にしつつ、閉山鉱区、あるいは消滅鉱区もある程度の経済性のあるものはぜひ
開発
したいということで、来年度でそのための調査費を六億
予算要求
しているような状態でございます。
桑名義治
50
○
桑名
義治
君 現段階における出炭量を
確保
するということは、これは現在の操業しておる炭鉱をそのまま持続させるということは当然でございますけれ
ども
、しかし、これを持続させるためには、いま
説明
がございましたように、必ず炭層の枯渇ということが
考え
られるわけです。そこで、私も筑豊炭田のほうをずっと回ってみました。三井山に行ったときに、通産省からも確かに再開してはどうかというお話もございました、私の返事は、少なくとも再開をするためには、百億のお金を投入をしてくれるならば再開しましょう、こういうふうに私はお答えをしました、こういう話がございました。そのように現在炭鉱が完全閉山をした場合、これは再開することにはばく大なお金がかかる。その融資金をどうするかという問題も残るわけでございます。 それと同時に、いわゆる露天掘りにつきましても、鞍手郡の貝島炭鉱あたりの露天掘りを見ますと、これはもう住民に対するばく大な被害が起こっておる。それと同時に、今後鉱区を広げていくという上におきましても、住民との話し合いがあまりうまくいってないような
状況
にある。むしろ、昔の力
関係
の中でごり押ししているというような、そういう事柄が見られるわけでございまして、非常に困難な問題を控えております。その半面、新鉱としては三井が新しい鉱区を、坑道を掘りまして、これがいよいよ再開をされている模様でございますが、いずれにしましても新しい炭層を発掘し、そこに新しく操業をするという、新鉱を始めるということにつきましては、これはいまから先、労働問題がまた大きなネックになってくると思います。 そういういろいろな問題を
考え
てみたときに、もう
石炭
の
対策
というものは、
政府
自身が、皆さん方自身が全体の
日本
の
エネルギー
をどうするか、
石炭
エネルギー
というものの位置づけ、重要性というものをどの程度認識し、評価するかというところから
石炭対策
というのは新しい局面を迎えるのじゃないか、そういう
意味
では、もう一企業ではこれはどうしようもなくなってしまったという段階に入っているのじゃないかと思います。そうすると、当然ここで公営化、国有化という問題に入ってこざるを得ないと私は
考え
ておるわけでございますけれ
ども
、そういう思考というものは現在なされているのか、いないのか、それをお聞きしておきたいと思います。できるならば、これはちょっと問題が大きゅうございますので、
長官
からお願いをしたいと思うのです。
高木俊介
51
○
説明員
(高木俊介君) いま
先生
の御
指摘
のとおり、直ちに国有化がいいか、あるいは公営でやると、そういうことは現在のところでは
考え
ておりません。あくまでも現在の私企業ベースとして現在の山を維持していぐべきではないか、ただし、この前も
国会
のほうで御決議いただきましたように、今後の露天掘りの再
開発
の問題とか、そういうものについては国の責任でというようなことも御
指摘
になっておりますので、これは十分今後尊重し、
考え
なくちゃならぬ問題であろうと思いますけれ
ども
、現有の三井なりあるいは三菱なりというものを、直ちに国営でやれということがはたしていいのかどうか。あるいは、いろいろ企業のバイタリティーなりそれぞれの特色を生かしつつ、現在の企業の体制で採掘さしていいのじゃなかろうかという点もございます。いろいろその点につきましては、いま開かれております審議会のほうでも今後
検討
していただきたいというふうには
考え
ておりますけれ
ども
、私
ども
としまして、直ちに国営がいい、あるいは国有がいいというようなことも、断言はいまのところいたしておりません。
増田実
52
○
説明員
(
増田実
君) ただいま、私からも
考え
方をという
先生
からのあれですから申し上げますが、
石炭
につきましてその見直しを行ない、また、すでに閉山したものを再び動かすというようなことにつきましては、非常に金額もかかるし、これを私企業で行なえるかどうかという問題がございまして、相当
政府
というものが前面に出なければならないという点については、これは資金量の面から当然そういうことになると思います。ただ、その経営を
政府
がやるのか、あるいは企業が行ない、これに対して
政府
が全面的にバックするのがいいかどうか、この問題につきましては、ただいま高木
石炭
部長からも御答弁申し上げましたように、
石炭
鉱業審議会においてもこの問題を十分
検討
することにいたしまして、その
結論
を出したいというふうに思っております。
桑名義治
53
○
桑名
義治
君 私も、いま国営にしろとか、公営にしろとか、また、するのかしないのか、そういうことをお聞きしたわけではなくて、そういう指向があるかどうかということをお聞きしただけの話であって、早急にいま
結論
を求めておるわけではないんです。そういう
意味
で、通産省としては
考え
方の
一つ
としてそういう指向があるのかどうかということを御答弁願えればけっこうなんです。
増田実
54
○
説明員
(
増田実
君) 現在のところでは、私
ども
のほうで国営その他で
石炭
鉱業を行なうという
考え
はございませんが、ただ、貴重な国産
資源
でありますし、また、
エネルギー
対策
としても非常に重要なものでございますので、これについて相当国が全面的に出てこの
推進
を行なわなければならない、この行なう態様としていかにあるべきかということを
考え
ていきたい、こういうふうに思っております。
桑名義治
55
○
桑名
義治
君 そうしますと、現段階では国営、公営というものは
考え
ていないという
結論
でございますね。
増田実
56
○
説明員
(
増田実
君) はい。
桑名義治
57
○
桑名
義治
君
世界各国
の
状況
を見ましても、やはり
石炭
の
エネルギー
というものはいまから非常に大事なものであることは、これは当然のことでありますし、今回のような
石油
の問題が起こってくると、こういう
可能性
も十分にあります。ところが、
エネルギー
の固形化したものはいわゆる
石炭
だけでございますが、この
石炭
というものはまだ
世界
の中では相当埋蔵されている。そうすると、こういう現在起こってきた
石油
のような急激な変化は起こり得ないという観点があるわけです。そうやったような立場から
考え
、また、先ほどから企業ベースの問題やコストの問題、あるいは埋蔵量の問題いろいろなお話の中から、これは当然
日本
で残されたわずかな
資源
でございますので大事にしていくべきだと、そうなってくると、やっぱり国営、公営型の指向のほうがむしろベターではなかろうか、こういうふうに私は
考え
るわけです。まあ、現時点ではないということですが、ずばっと、ないということではなくて、
考え
方の
一つ
として、総合的にこの
考え
方を組み入れながら、今後の長期計画を立てていくべきではないか、私はこう思うんですが、全然これは余地ないですか。
増田実
58
○
説明員
(
増田実
君) 今後の
石炭
鉱業の
あり方
につきましては、先ほど申し上げましたように
石炭
鉱業審議会で、いかに
確保
し、今後これを持っていくかということを
検討
いたしますので、むしろその場でいまの国営、公営論というものを
検討
してもらうようにいたしたいと、こういうふうに思っております。
桑名義治
59
○
桑名
義治
君 では次の答申を待って、またこの問題はいろいろとこまかく論議していきたい、このように思います。 そこで、今度私は、鉱害復旧の問題や、あるいは産炭地の復興の問題について少しお尋ねをしておきたいと思います。 現段階におきましては、鉱害復旧というものは原形復旧にとどまっている。いわゆる改良復旧につきましては、地元の負担金、あるいは個人の負担金というものが課せられているわけでございますが、しかし、皆さん方も
御存じ
のように、産炭地というものは、昔、炭鉱が起こるまでは、これは純農村的なところが多かった。ところが、炭鉱ができましてボタ山にするとか、あるいはまた鉱害が起こったとか、いろいろな要因でその美田が全部つぶされてしまったわけでございます。ところが、こういうように閉山という社会
情勢
の中に置かれまして、あるいはまたその産炭地を含む周辺の都市の変化、社会環境の変化、そうやった変化の中で、当然原形復旧というものが少し無理になってきているんじゃないか。したがいまして、そうやった場合は、このように改良復旧したほうがもちろんベターであろうというふうに地元で、通産省でも何でもいいですわ、判断をした場合には、当然全面的に資金を出して改良復旧をするほうが私はいいのではないかというふうに
考え
ておるわけです。 なぜこういうことを言いますかと申しますと、皆さんも
御存じ
のように、この産炭地の閉山あとの市町村というのは、非常に財政的に逼迫をしております。そこに住んでいる住民の方々の経済状態も決して豊かではありません。たとえば、糸田町を例にとりますと、五〇%の世帯が生活保護世帯であるというような落ち込み方が実情でございます。こうやったことを
考え
ると、いまこそ産炭地の復興、あるいはまた、掘れ掘れと言われてどんどん掘り尽くされた、そして、そのあと住民が非常に困窮しているという、そういう立場から
考え
た場合には、改良復旧という面につきましても法改正をすべきではなかろうか、こういうふうに私は
考え
ておりますが、その点についてどうですか。
高木俊介
60
○
説明員
(高木俊介君)
先生
御
指摘
のとおり、臨鉱法に基づきます鉱害復旧の基本的な
考え
方は、
土地
物件が本来有していた効用を回復をするということになりまして、必ずしも現状回復を目的としているわけではございません。
御存じ
のように、九州の団地もございますけれ
ども
、ああいうところで農地を復旧して、そのまま農地でやらしたほうがいいか、あるいは団地造成したほうがいいか、いろいろ地元の御要請もお聞きしなくちゃならぬところでございますけれ
ども
、当然、地元の所有者の方々の御了承が得られるならば、むしろ団地造成等等に切りかえて、将来有効な活用をはかるべきであろうと思います。なお、臨鉱法におきましては、
石炭
会社の社有地あるいは鉱業用地は、原則としては臨鉱法による復旧の対象とはなっておりません。しかし、こういう点も同じく団地造成の中に入るような場合は、当然そういうものも対象にしつつ、大きな産炭地振興という
意味
での団地造成を
考え
ておるような次第でございます。
桑名義治
61
○
桑名
義治
君 次に、ボタ山の処理の問題でございますが、このボタ山の処理という問題をここに出してきたのは、結局、各閉山をした市町村の重要な、中心地になれそうなところにボタ山がどんと居すわっているというような状態で、非常に地域の振興を阻害をしておるという事柄が
一つ
あります。それと同時に、ボタ山には丘陵地のようなボタ山のつくり方と、とがったボタ山のつくり方と両方あるわけでございますが、とがったほうの、ピラミッド型になったボタ山については、いわゆる土砂の流出で非常な災害を巻き起こしている事例がたくさんあちらこちらにあるわけでございます。したがいまして、このボタ山の処理を一日も早く解消を、処理をしていかなければならない。また、することが、その地域の発展のためには大きな要素になるというふうに
考え
るわけでございます。 そこで、このボタ山の処理についてどのように
対策
を立てられているかということが一点と、それから、丘陵地のようなボタ山につきましては、現在一地域でございますが、これは田川郡の川崎町でございますが、住民運動としてこのボタ山を町に払い下げをしてもらいたい。もちろんこの所有は三井鉱山でございます。直接おたくのほうとは
関係
はないかもしれませんが、このボタ山を住民運動で町に払い下げをして、そして町で、これで住宅団地あるいは工業団地というものを計画をさしてもらいたい、そうすることがいわゆる町全体の
土地
を有効に使うことになる、こういう運動が起こっているわけです。この代表者たちが三井の鉱山の本社に行って多少交渉をして、
可能性
はあるということを私は聞いておるわけでございます。そういう問題で住民運動がさらに盛んになっていく模様でございますけれ
ども
、そうなった場合に、通産省として、直接払い下げろということはできないと思いますが、それに対する援助なりあるいはアドバイスなり、そういったものができるのかどうか、また、積極的に私としてはやってもらいたい、こういうように思っているわけですよ。それと同時に、その反面にまた、個人的に払い下げをしてもらいたいという運動も一部にあるわけです。そういうふうな対立
関係
になりつつあるわけでございます。 市町村が今度は払い下げを受けた場合ですが、それが可能になっても、現在のそういった閉山あと地の市町村というものは、それを買い取るだけの財源が非常に枯渇している、こうなってくるわけです。したがいまして、この資金の手当てが何らかの形でできるだろうかどうだろうか。通産省
関係
、もちろん自治省
関係
、両方にまたがるとは思うのですけれ
ども
、はたして起債のような形になるか、そこら辺の手当てができるかどうか、そこのところをお尋ねしておきたいと思います。
高木俊介
62
○
説明員
(高木俊介君) ボタ山の処理でございますけれ
ども
、できるだけボタ山を早く除去したいという気持ちがございまして、当然ボタ山の処理につきましては、鉱害復旧への利用の問題、あるいは産炭地域の振興のための団地造成への利用の問題等々で、ボタ山をできるだけ早く処理したいという
考え
方には変わりございませんし、また、現在そういうことでやっているような
状況
でございます。ただし、危険ボタ山につきましては、
立地
公害局のほうで防災工事を三分の二の補助を出し、三分の一を県または地元が負担し、その復旧したあとなりを地元に払い下げるという制度も新たに本年度から入れまして、いろいろ危険防止につとめておるところでございます。ただし、ボタ山には所有権の問題がつきまといまして、なかなかそれが簡単にいかぬというのが実態でございまして、せっかく防災工事なりあるいは除去なりをしようというかまえになりましても、所有権の問題で反対が出てくるというようないろいろな問題がございまして、そういう点、通産局をはじめ県等々にもお願いをいたしまして、できるだけ問題のないような解決のしかたでもっていきたいというふうに
努力
しておる次第でございます。 なお、三井鉱山のボタ山で、町への払い下げということは詳しくは聞いて、おりませんけれ
ども
、現在の制度でも町が買い上げ、あるいは公共用地にそれを
使用
するということであるならば、交付金なり何なりによって、あるいは地元の起債というようなことによりまして十分それは対処できるのではなかろうかと思います。また、この点につきまして、もし公共用地でお使いになるということがあるならば、三井のほうに十分その協力方を要請してもいいと思いますけれ
ども
、何かいまのお話では、いろいろ地元の方の個人所有ということでの動きがあるとなりますと、なかなかその点解決しにくい点があるのではなかろうかと思います。全部まとめて公共用地
関係
に町が
使用
するということであるならば、その解決も早いのじゃなかろうかと思いますけれ
ども
、もう少し具体的な問題として調査をさしていただきたいと思っております。
桑名義治
63
○
桑名
義治
君 では、実際にボタ山の処理問題で、いわゆるピラミッド型のボタ山の処理問題で防災工事が確かに多少行なわれておるのですが、これはくずれた底に防壁みたいなものをつくって、一定の道路または道路らしきものをつくっている、その程度でみんな終わっているみたいですね。だからその付近の住民は、もう一ぺん今度大雨が降ったら、完全に流されちゃうんじゃないかというような不安を持っているボタ山がたくさんあるのです。で、いまから先の
石炭対策
というものは、やはり新しく、どういうふうなかっこうで、
政策
で、方法でこの
石炭
の
確保
をしていくかということと、それから、もう
現実
にはどんどん閉山しておるわけですから、そのあと地をどういうふうに処理をしていくかという——確かにいままでなされているわけですけれ
ども
、それが不十分であるがためにいつまでも残っているというのが実情でございますから、その点を十二分に考慮した上で対処していただきたい。これは要望でございます。 次に、ちょっとお尋ねをしておきたい問題は、もう皆さんも
御存じ
になっていらっしゃると思いますが、有明海の海底でずっと三井が鉱区を広げているわけでございます。すでに廃坑になったところもあるのですが、この有明海の海底が、深い所で九メートルの陥没を起こしておるということで、海の底だから陥没したって何の被害もないじゃないかというように思われるかもしれませんが、場所によりましては、皆さんも
御存じ
のように、有明海というのは
日本
一のノリの養殖の盛んなところでございまして、それによる被害が起こっている、こういうふうにいま新聞にも報道されております。これは県会で問題になったものでございますけれ
ども
、通産省としてはどのようにお聞きになっているか、どのように認識されておるか、まず、そこからお聞きをしたいと思います。
高木俊介
64
○
説明員
(高木俊介君) いま
先生
の御
指摘
の読売の新聞記事は、確認いたしておりますし、通産局のほうにも、本件についてどういう対処のしかたをするのかというようなことで、いま問い合わせをしている最中でございます。 一応これで終わりまして、質問の
内容
があったらまた答弁さしていただきたいと思いますけれ
ども
。
桑名義治
65
○
桑名
義治
君 ここで一番問題になるのは、現在の鉱業法の中では、いわゆる海底が補償の対象になっていないというところに一番問題があると思うのですが、確かにいままで海底に鉱害が起ころうとも、これは別に直接住民の被害はないのだ、こういうように
考え
られるのが普通一般的な
考え
方だったと思います。しかし、いま残されている炭鉱といえば、九州では有明海の海底を掘っている炭鉱、三井の炭鉱がある。北海道あたりでは山場の炭鉱でございますけれ
ども
、しかし、いまから先、こういうふうに海底を掘っていくためには、こういう実害が起こり得る
可能性
が十二分にあるわけでございますが、鉱業法の中に、海底被害についても補償するという、いわゆる法改正をする意思がないかどうか、まずここからお聞きをしておきたいと思います。
高木俊介
66
○
説明員
(高木俊介君) 鉱業法と臨時
石炭
鉱害復旧法の二つの
関係
がまたがるのではなかろうかと思いますけれ
ども
、現在の臨時
石炭
鉱害復旧法の体系においては、海底沈下現象は、鉱害復旧の対象とはいたしておりません。また、今後において法改正を一応
検討
するといたしましても、海底の鉱害復旧ということになりますと、他の魚介類への
影響
等々、いろいろむずかしい問題があるのではなかろうかと思いますし、なお、技術的に見ましても復旧可能かどうかというような点も相当問題があろうと思います。ただし、現状におきましては、鉱害復旧の対象にはなってはおりませんけれ
ども
、鉱業法上の鉱害賠償責任というものは、これは当然鉱業権者のほうにございまして、いま
先生
の御
指摘
の有明海のノリの問題につきましては、鉱業権者たる三井鉱山が被害者側に対しまして、漁業補償というような形で金銭賠償をすでに数回にわたって実施してきているところでございます。 金額をちょっと申し上げますと、三十八年から四十九年までに二億四百五十八万円というような金額を、三井鉱山から被害者側へ金銭賠償というようなことで、実績上支払っているわけでございます。
桑名義治
67
○
桑名
義治
君 そうしますと、現段階では法改正は無理だということですか、
結論
として。
高木俊介
68
○
説明員
(高木俊介君) ただいま申し上げましたように、魚介類の問題とかあるいは技術上の問題とかいう点もございますので、なかなか困難ではなかろうかということでございまして、今後十分
検討
さしていただきたい。ただし、臨鉱法ではそういうあれでございますけれ
ども
、鉱業法上は当然賠償責任はございまして、権者が被害者のほうに賠償金という形で金を支払っているのが事実でございます。
桑名義治
69
○
桑名
義治
君 まあそういうことでございますので、十二分に今後の問題として研究をしておいていただきたい、このように思います。 約束の時間が来たようでございますが、一言だけ、プロパンガスと都市ガスとの
関係
でちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。 最近の都市
開発
が非常に進みまして、都市のドーナツ化あるいは大都市周辺の
開発
といったことで、いままでプロパンガスを
使用
しておった家庭がどんどん都市ガスに切りかえている、あるいはまた新しい大きな団地ができれば、そこに都市ガスが引かれる、引かれたと同時に、その周辺の、いままでプロパンを使っておったような家庭も都市ガスに切りかえる、こういうような事例がたくさん起きているわけでございます。東京周辺におきましては、そういった都市ガス会社とプロパン業界との間にいろいろな和解策がとられているというふうに聞いておりますけれ
ども
、いま福岡県の中におきましては、そういうふうに西部瓦斯とそれからプロパン業界との間に、まだトラブルまではいきませんけれ
ども
、非常な不満が爆発しつつあるというのが現状でございますが、こういった問題に対して公益事業部長としてはどのようにお
考え
になっていらっしゃるのか、また、今後どういうふうに指導をしていこうとなさっているのか。まずその点をお聞きしておきたいと思います。
大永勇作
70
○
説明員
(大永勇作君)
先生
御
指摘
のように、最近、各地でプロパンガスと都市ガスとの競合問題が生じまして、トラブルが出ておるわけでございます。これもなかなかむずかしい問題でございますが、最終的にはやはり消費者の立場が最優先でございますので、消費者選択ということで、消費者の意向を尊重せざるを得ないものであろうと思います。ただ、実際転換されます場合には、ガス事業者とそれからプロパン業者との間で話し合いが行なわれるということは、これは望ましいことでございますので、そういった話し合いの場を設けることにつきましては、通産局等を通じましてあっせん、あるいは指導してまいりたいというふうに
考え
ております。 それから同時に、ガス事業者がガス導管の布設をするにあたりまして、消費者に対しまして過当な宣伝をしたり、それから行き過ぎた勧誘行為、あるいは工事自体について非常に乱暴な工事をするというふうなことにつきましては、そういったことのないように厳重に取り締まりをしたいと、こういうふうに
考え
ております。
桑名義治
71
○
桑名
義治
君 現在、東京周辺で、埼玉県あたりで、プロパン業界とそれから都市ガス会社との間に何か和解策がとられたのでしょう、具体的に。そういう事例がありますか。
大永勇作
72
○
説明員
(大永勇作君) これはいろいろなケースがあるようでございまして、たとえば、若干補償金といいますか、金を払うという場合もございますし、それから、プロパンを従来
供給
しておったプロパン業者が、ガス会社に対して今度はプロパンガスを納入するというふうなことで、和解といいますか、その場合もございますし、あるいは修理等につきまして下請になるというふうなこともございますし、いろいろさまざまな形での和解策がとられておりまして、必ずしも一義的にどうこうということではないようでございます。
桑名義治
73
○
桑名
義治
君 その方法については多岐にわたっているようでございますが、
資料
としていただけませんか。
大永勇作
74
○
説明員
(大永勇作君) 包括的かどうかは存じませんが、解決事例ということであれば……。
桑名義治
75
○
桑名
義治
君 それでけっこうです。
大永勇作
76
○
説明員
(大永勇作君) 御提出いたします。
須藤五郎
77
○
須藤
五郎
君 私も少し
北海道瓦斯
の問題で質問をしたいと思いますが、
北海道瓦斯
のカロリーアップに伴う中毒死事件について質問を始めたいと思います。 札幌市では、
北海道瓦斯
がカロリーアップを実施した今月十六日以後、私たちが確認したものや新聞で報道されたものも含めまして、すでに十数件の中毒
事故
が発生し、七人のとうとい人命が奪われております。通産省は、この
事故
の原因がどこにあり、責任はどこが持つべきであると
考え
ておられるか、まずそこから質問いたしたいと思います。 答弁者はだれ。
阿具根登
78
○小
委員長
(阿
具根登
君) 大永公益事業部長。
須藤五郎
79
○
須藤
五郎
君 きょうは
大臣
がいらしたら、私は
大臣
に聞きたいと思ったのです。だから、こういう質問に対して、
大臣
にかわるべき責任のある方が答弁してもらいたいと思うんです。
増田実
80
○
説明員
(
増田実
君) 今回の
事故
によりまして不幸な犠牲者が出ましたことについては、はなはだ遺憾に思っております。 御
指摘
の
事故
につきましては、すでに二十二日に札幌通産
局長
から
北海道瓦斯
株式会社の首脳部に対しまして、会社の不注意のため生じた
事故
の犠牲者に対する補償を十分に行なうよう、また、
事故
の原因究明を行なうということを強く要請しております。 今回の
事故
につきましては、現在、司直の手によりましても調査が行なわれております。また、通産局が中心になりまして、本省からも係官を派遣いたしまして、この原因について調査をいたしておる段階でございます。この
事故
の責任者、責任の所在というものにつきましては、ただいま申し上げました原因究明というものの結果が出まして、これによって明確にいたしたいと、こういうふうに思っております。
須藤五郎
81
○
須藤
五郎
君 司直の
結論
が出てからでないと責任がどこにあるということが言えないということは、私はおかしいと思うんですね。もうすでに七人の人が死んでいるという、これは事実ですよ。その事実をもとにして、これだけの人命がそこなわれたということに対して、やはりガス会社に責任があるということは言えるでしょう。だれが責任を持つかという、どこに責任があるかということを伺ってるんですが、死んだということを前提にすれば、もう当然そこに出てくると思うんですよ。なおそれでも通産省は責任の所在がまだわからぬというふうにおっしゃるんですか。それじゃ、この七人の人が死んだことに対して一体どうしようというふうに
考え
ておられるんですか。
増田実
82
○
説明員
(
増田実
君) 今回六件、七人の犠牲者が出たわけでございますが、それぞれの
事故
の態様につきましては、それぞれ相異なっておるわけでございまして、このすべて全部が会社の責任であるかどうかということにつきましては、やはり現状を十分把握いたしまして、その上で
結論
を出すべきものだと思います。ただ、今回の
事故
につきましては、
須藤
先生
のおっしゃられますように、この調整におきまして欠陥があったのではないかと私
ども
思っております。
須藤五郎
83
○
須藤
五郎
君 調整に欠陥があったというふうに通産省も
考え
ておると、こういうことですね。
増田実
84
○
説明員
(
増田実
君) この問題につきましては、やはり事実
関係
をはっきりいたしませんと、全部会社に責任があるかどうかということは、この席ではっきり申し上げるわけにはいきませんですが、ただ、私
ども
はカロリー調整にあたりまして、会社側がやったことについては欠陥があるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
須藤五郎
85
○
須藤
五郎
君 通産省の答えはどうもすっきりしない答えで、いま北海道に起こっておるああいう問題を目の前にしながら、なお責任の所在が調査を見ないとわからないというような、そんな不徹底な答えをしておって、それで死んだ人たちの家族が一体納得できるかどうかということですね。それじゃほかに原因があるとしたら、どういう原因を通産省はお
考え
になっているんですか。どこに責任があるというように、死んだ本人に責任があるということなんですか。通産省に責任があるということですか。ガス会社に責任がなければ、通産省に責任がある、死んだ本人に責任があるということなんですか。どこに責任を持っていこうとしているんですか。
増田実
86
○
説明員
(
増田実
君) このたびの痛ましい犠牲につきましては、私
ども
も監督の立場からその責任を
感じ
ておるわけでございますし、また会社側につきましても、先ほど
対馬
先生
から御
指摘
がありましたように、アルバイトを使ったという点につきましては、この取り扱いについて不十分な点があったんではないかというふうに思っておりますが、ただ、この問題につきまして、
須藤
先生
のお尋ねにつきましては、私
ども
はやはり事実
関係
をはっきりいたしまして、その上で御答弁申し上げるのが正しいんではないかということで申し上げたわけでございまして、決して責任のがれをしたり、また、会社の責任を免れさせようということで申し上げているわけでございません。
須藤五郎
87
○
須藤
五郎
君 今回の一連の事件は、
北海道瓦斯
の利益優先と人命無視の合理化強行に原因があるのは、私は明らかだと思うんです。 まず、準備の問題でありますが、カロリーアップを実施しているのは、
北海道瓦斯
のみでなく、東京では東京瓦斯も実施しておることは
御存じ
のとおりです。たとえば、東京瓦斯では、熱量切りかえの一年前から事前にPRを開始すると、こういうふうに言っております。が、
北海道瓦斯
の場合は、当初来年実施する予定のものを、会社の経営上の都合で急遽今年になったという経過もあるわけですね。また、調整する場合も、東京瓦斯の場合は半年も前から準備して、事前に各家庭のガス器具保有
状況
を調査して、それに見合う部品を用意して調整に当たっておるわけでございますが、
北海道瓦斯
は、函館で実施したときはそのような処置をとりながら、今回はこれを省略して実施しているわけであります。これは明らかに私は
北海道瓦斯
の手抜きではないかと思いますが、通産省は、こういう事実に対してどういう見解を持っていらっしゃいますか。
増田実
88
○
説明員
(
増田実
君) いま
須藤
先生
の御
指摘
したようなのが事実かどうか、これにつきまして、先ほど申しましたように、現在通産局を中心といたしまして私
ども
のほうで調査をいたしております。もし
先生
の御
指摘
のようなことが事実であれは、これは
北海道瓦斯
のこの調整については準備が不十分であるということを言わざるを得ないというふうに思います。
須藤五郎
89
○
須藤
五郎
君 もう
北海道瓦斯
のこの
事故
で人が死んでから幾日たちますか。一週間近くたつんじゃないですか。それなのにまだ通産省は調査ができないんですか、こういう問題について。これだけの簡単な問題について、通産省はまだ調査ができてないという段階なんですか。それは一体どういうことなんですか。
増田実
90
○
説明員
(
増田実
君) 私
ども
のほうも、この問題については非常に重要視しておりますし、また、ほかでは
事故
が起こらなかったにもかかわらず、
北海道瓦斯
においてはこれだけ多くの犠牲者を生じたということにつきましては、この問題を非常に重視しております。毎日通産局と連絡をとりまして、
報告
をそのつど受けておるわけでございますが、いまの
先生
の御
指摘
になりましたような点についても重点を置いて、現在調査中でございます。
須藤五郎
91
○
須藤
五郎
君 こういう重大な問題、人命に関するような問題を、一週間も調査して、なおはっきりした
結論
が得られないということは、私はおかしいと思うんですね。こんなことじゃ通産省の調査そのものに対して、私たちは信頼すらもできない、こういうことだと思うんです。これでは
国会
から調査団を派遣して、われわれの力で調査する以外に、通産省にまかしておけないということも私は言えると思うんです、
委員長
。その点、
委員長
で善処をされたいと思いますが、大体幾日間かかったらこんな問題が解決できるんですか。
増田実
92
○
説明員
(
増田実
君) 私
ども
に
報告
が来ております例で、これは現在まだその原因究明中でございますが、たとえば、十月十七日に起こりました
事故
につきましては、排気塔にスズメの巣があったために、排気が浴室に入って、そのために中毒になったんではないかということで、こういう点につきまして十分この原因を究明いたさなければならないということになっております。ですから、これらにつきましては、私
ども
は、やはりこの責任の所在をはっきりするためには、事実
関係
を十分に調べ、また会社のやりました措置その他について十分調べるということでやっております。もちろん、
須藤
先生
御
指摘
のように、こういう非常に痛ましい
事故
でございますので、できるだけ早く
結論
を出しまして、そしてこれに対する原因を究明いたしたい、こういうふうに思っております。
阿具根登
93
○小
委員長
(阿
具根登
君)
須藤
君から私に対します御要望は、御承知のように、先ほど
対馬
君からの意見がございました。みなさんのご意見もお聞きし、
剱木
委員長
とも相談いたしまして、すでに議運のほうに提出されております。ご了承願います。
須藤五郎
94
○
須藤
五郎
君 別にこれは混迷状態に入るような複雑な事件でもないんです。だから調査をすれば、私は簡単に究明のできる問題だと思っているんです。もう第一、人が七名死んだという事実は目の前にありですね。だからやる気になれば、一日、二日でも私は究明できる問題だと思っているんですが、一週間たってまだ
結論
が出ないというようなその通産省の態度に対して、私、はなはだ不満を持つわけなんです。こういうことは一日も早く
結論
を出して、そして二度とこういうことが起こらぬように処置をしていくというのが、行政家としてのやるべきことだと思うんですよ。まだできてないというのははなはだ不満です。早く急いでやってください。 次に、調整の実施体制の問題ですが、第一に、調整期間の問題ですが、八月一日から十月十五日までと、わずか二カ月半で調整をするということなんですね。対象世帯は十三万戸です。対象器具が四十万個以上の調整にふさわしい期間かどうかという点をひとつ答えていただきたい。 それから第二は、調整に当たった人員は約五百人と聞いていますが、その半分に当たる二百数十人は学生アルバイトなどを数日間研修させただけの、いわば間に合わせの技術者であります。こういうことが妥当なことかどうかということですね。 それから第三に、調整する器具に対する準備の問題ですが、器具を実際に扱っている
専門家
の話では、ガス器具というのは現在一千種類ぐらいあるのに、
北海道瓦斯
では三十種類ぐらい実際に調整試験をしただけで、あとは同じようなものだからということで、実際には調査をしていないということが明らかになっております。これも
北海道瓦斯
の手抜きではないかと思いますが、通産省はどういうふうにお
考え
でございますか。
大永勇作
95
○
説明員
(大永勇作君) 期間が適当かどうか、それからアルバイトを使ったのがどうか、器具の調整試験がどうかというお尋ねでございますが、そういう作業のやり方が適当であったかどうかということを全部くるめまして調査をしたいというふうに
考え
ておるわけでございます。非常に調査がおそいじゃないかというおしかりでございますけれ
ども
、当面は、実は会社のほうも、器具の再点検——とにかく、さしあたり
事故
をふやさないようにということが最重点でございますので、そちらのほうの作業に没頭しておりまして、なかなかこちらからも連絡がつかないというふうな
状況
でございます。現在、現地に二名ほど係官を派遣いたしまして調査に当たらせておりますけれ
ども
、まだ十分実態をつかむに至ってないというのが実態でございます。 それで、期間でございますが、これはほかの例も大体わかっておるのでございますけれ
ども
、期間につきましては、
北海道瓦斯
の場合、たとえば函館の場合でございますと、四十四年に行なったわけでございますが、七月二十六日から八月三十一日までかけて行なっております。それから旭川瓦斯につきましては、七月一日から九月十日まで、これは三万五千軒でございますが、昨年行なっておるわけでございまして、期間については短かったかどうかという点につきましては、それほど短いとも言えないんじゃないかと思いますが、いまおっしゃいましたアルバイトを多く使い過ぎたんじゃないか、それから、アルバイトの訓練のしかたがまずかったんじゃないか、あるいは、御
指摘
になりました、器具の試験その他が不十分だったんじゃないか、そういうふうな点につきましては、われわれとしても、あるいはそういう
事態
もあったかもしれないということで、今後の調査の対象にして厳重に調べてまいりたいというふうに
考え
ておるわけでございます。
須藤五郎
96
○
須藤
五郎
君 まあ、すべてむずかしいところは調査中だというふうにおっしゃるわけですが、二カ月半で十分な調整期間であるとは私は思わないんです。そういうふうに通産省が
考え
ておるとするならば、やはりその
考え
が今回の災いを起こしたもとだと、こう言って差しつかえないと思うんですね。こういう問題は人命に関する問題ですから、もっともっと時間をかけ、事前に準備をして、そして当たるべき問題だと思っておりますが、東京瓦斯を別に私は持ち上げるわけじゃないんですが、これで東京瓦斯がやっているほどのこともやってない。そういうところに私は問題があると、こういうふうに思っておるわけです。 それから、調整に当たった五百人のうち、学生アルバイトを半分も使ったということに対しては、この点はその非を通産省も認めておるわけですね。はっきり答えておいてくださいよ。 それから、ガス器具の種類に対しましても、通産省もこの
北海道瓦斯
のやり方は不十分だと思うと、こういうこともやはり事前調査をやってはっきりしておくべき問題だと思います。 それから次に、もう一点伺いますが、この調整作業後のチェックの問題ですね。調整期間があまりにも短かったために、数をこなすためにチェックの十分な余裕などがなかった、こういうふうに言われておりますし、調整にも来なかったということすらも言われておるんです。というのは、家族全部が昼間働きに出ておる、留守宅だという家庭があるわけです。じゃ、いつ調整をしたか、それで家族の目の前で調整をして、家族にいろいろな注意を与えたかどうか、こういう問題が起こってくるわけなんです。こういう点から
考え
ますと、チェックが十分ではなかったということは、やはり新聞にも報道されない中毒事件が、私たちが調査しただけでもかなりあるわけなんです。こういう問題のために中毒事件が起こったという事例があるわけなんです。
使用
者が比格的初期の段階で気がついて、
北海道瓦斯
に連絡して再調整したケースがかなりあります。このことは、調整作業それ自体がきわめてずさんであった、こういうふうに言わなければならないと思います。この点での
北海道瓦斯
の責任は重大だと私は思うんですが、通産省はどういうふうにお
考え
になりますか。
増田実
97
○
説明員
(
増田実
君) 今回の
事故
で、この起こった原因につきましては、先ほど申し上げましたように、現在その原因を究明中でございますが、やはりこういう結果が生じましたことにつきましては、私は
北海道瓦斯
のやり方について、やり方が不十分であったんではないか、こういうふうに思っております。調整期間がこれでは適当であったかどうか、それからアルバイトを使うにしても、それに対する監督がどうなっていたか、あるいは技術の訓練がどうなっていたか、また、そのアルバイトはどこまで使えるかというような問題につきましても、その点についてやはり会社側に手落ちがあったんではないかというふうに思っておりますが、先ほどからたびたび申し上げますように、現在その原因、事実の
関係
をはっきり究明いたしております段階でございますので、この事実
関係
をはっきりいたしまして、会社の責任、また、私
ども
にも責任があればその責任というものをはっきりいたしたいと、こういうふうに
考え
ております。
須藤五郎
98
○
須藤
五郎
君 次に、
事故
発生後の
北海道瓦斯
の対応の問題でございますが、いろいろありますが、ガスのカロリーの問題です。
北海道瓦斯
は、十月十六日から十八日まで四千八百五十キロカロリーのガスを送っております。この間に確認されているもので四件の
事故
が起こっております。さらに、十月十九日午前九時にカロリーを五千二十キロカロリーに上げております。そして、午後三時には四千八百五十キロカロリーに戻しております。この間に新聞報道では二件の中毒事件が発生し、三人死亡しております。この間に私
ども
が確認したもので、このほかに三件の中毒
事故
が発生しております。十月二十日以降は四千八百六十キロカロリーでガスを送っております。この経過は北海道通産局で確認されていると思います。 そこで問題になるのは、十月十八日までにガス中毒が発生しているのに、さらに十九日にカロリーを引き上げたのかということでございます。そして死亡
事故
をふやしているのか、まあこういうことになるわけですね。十六日以降
ガス中毒事故
が発生し、調整ミスなどの疑いがあれが、調整期間中の三千九百キロカロリーに直ちに戻して
対策
を立てなかったのか、こういう点でございます。三千九百キロカロリーのガスであれば両方の器具に使えるのに、これを怠った
北海道瓦斯
のやり方は、公益事業者としてあるまじき態度と言わなければならないと思いますが、通産省はどういうふうにお
考え
になりますか。
増田実
99
○
説明員
(
増田実
君) ただいま
先生
が御
指摘
になりましたように、十六日から四千八百五十キロカロリー、それから十九日の午前九時から五千三十キロカロリー、それから午後三時から四千八百五十キロカロリーということに変化しているというふうに私
ども
は聞いておりますが、これらにつきましては、先ほど申し上げましたようにいま現在調査中で、これらの事実について確認中でございますので、一応その確認をいたしましてからこの問題についての判断をいたしたい、こういうふうに
考え
ております。
須藤五郎
100
○
須藤
五郎
君 こんな簡単な事実を、確認しなきゃ確認できないんですか。すでにこれは、世間はみんな知っていることじゃないですか。こんなもう動かすことのできない事実を、何で通産省は確認ができないんですか。すべて、確認してから、確認してから。それは一体どういうことですか。そういう姿勢が通産省は疑われる原因なんですよ。もっとはっきりした姿勢をとったらどうですか。おかしいですよ。こんな明らかな事実が目の前にありながら、確認ができないから、それは言いのがれのようなものですよ。そういう態度は、私は了承できませんよ。
増田実
101
○
説明員
(
増田実
君) ただいま
須藤
先生
からおしかりございましたんですが、私
ども
といたしましては、責任のがれをしたり、また、この事実を曲げて行なうつもりはありません。ここにこういう痛ましい
事故
が生じました以上、これについてはもう厳重に事実をはっきり究明いたしまして、その責任も問うつもりでございます。ただ、先ほどから申し上げますように、七件の
事故
についてそれぞれ調べておりますし、また、この
事故
の発生の原因がいかなる点にあるかということを十分究明いたしまして、はっきりした見解を出したい、こういうふうに思っております。
須藤五郎
102
○
須藤
五郎
君
事故
の原因はともかくおくとしましても、この十六日から十八日まで四千八百五十キロカロリー、それから十月十九日には午前九時に五千二十キロカロリーに上げた。それから三時にはやはり四千八百五十キロカロリーに戻しておる。その間に、三件の中毒
事故
で三人死亡しておるということですね。私たちが調査したんでは、このほかに三人の中毒
事故
が起こっているんだが、この事実は認めますか、どうです。
増田実
103
○
説明員
(
増田実
君) いま
須藤
先生
のあげられました事実は、認めます。
須藤五郎
104
○
須藤
五郎
君 認めるね。——その事実は認めた。それじゃ、十月二十日以降は四千八百六十キロカロリーでガスを送っておる。この事実も、何でこういうふうに下げたのか。この経過は北海道——通産省も確認されておるものと思いますが、よろしゅうございますね、その点は。それから、十月十八日までにガス中毒が発生しているのに、さらに十九日にカロリーを引き上げたのかということです。その事実もお認めになりますね。お認めになりましたね。——はい。 そこで、あとは私の意見だということになります。十六日以降
ガス中毒事故
が発生して、調整ミスなどの疑いがあれば、調整期間中の三千九百キロカロリーに直ちに戻して
対策
を立てるということを、私は当然やるべきことだったと思うんです。そうしたら古い器具も使えるし、こういう悲惨なことが起こらなくて済んだんじゃないかと私は思うんですが、それをやらなかったということはどこに責任があるのか。
大永勇作
105
○
説明員
(大永勇作君) 十九日の午後三時から四千八百五十に落としたわけでございますが、なぜ四千八百五十に落としたのか、その辺については、その理由がちょっといまのところよくわからないわけでございます。それから、
先生
がおっしゃいました、三千九百になぜ戻さなかったのかということでございますが、これも、現地に行きましてよく聞いてみないとわからないと思いますが、われわれの聞いておるところでは、この中間ガスである三千九百を
供給
していた時点で、やはりガスがバックファイアといいますか、穴の中のほうで燃えるとかいうふうなことで、若干やはり消費者からいろいろ苦情もあったようにも聞いておりまして、あるいはそういうことが原因で三千九百に戻すことについてはためらったのではないかというふうに
考え
ておりますが、詳しい事情については、現在まだつかまえてない
状況
でございます。
須藤五郎
106
○
須藤
五郎
君 これまで従来、三千九百キロカロリーのガスを使っておったわけですね。そうでしょう。ところが、それを四千とか四千五百というふうにずっと変えたためにこういう
事故
が起こったんでしょう。そのことは皆さんも確認なさるでしょう、何で
事故
が起こったというのは。そうでしょう、確認されましたね。それならば、そのときに、これは前の一二千九百キロカロリーに落とそうと思えば落とせるわけです。何で前に落とさなかったかということなんですね。それを依然とカロリーの高いやつで送ったからこういう
事故
が起こったわけなんです。そういう措置は、当然公益事業であるガス会社が、人命に関する問題だから即座にとるべき
対策
だと、私はこういうふうに思うのです。その
対策
をとってない責任はどこにあるか。
長官
どうでしょう、とらなかった責任はどこにあるのか。
増田実
107
○
説明員
(
増田実
君) 私も
須藤
先生
の御質問で、こういう
人命事故
が起きた場合に、その原因である高カロリーを下げるというのがさらにその
事故
を防ぐ
一つ
のやり方ではないか、こういうふうに思いますが、まあ私自身もこの技術的な問題、それからまた、会社がなぜそれを下げなかったかという点についてはまだ聞いておりませんが、ただいま御
指摘
になりました
須藤
先生
のこの
問題点
について、私
ども
のほうからも十分今度の調査の中に入れまして、その原因を究明いたしたいと思います。
須藤五郎
108
○
須藤
五郎
君 私は、これは明らかに公益事業として人命に関する問題を扱ってる
北海道瓦斯
の手落ちだ、不注意だと思うんです。即座にこれを切りかえればこういうことはなしに済んだ、これをやらなかったという点は、やはり
北海道瓦斯
の責任を問われてもやむを得ない、こういうことだと思います。そうでございましょう、
長官
。そうでございますね。
増田実
109
○
説明員
(
増田実
君) こういう問題につきましては、やはり事実の究明ははっきりいたさなければならぬと思いますので、先ほど
先生
からも御要請がありましたように、私のほうでできるだけ早く迅速に事実をはっきりいたしまして、そして私
ども
の見解も明らかにいたしたいと思います。
須藤五郎
110
○
須藤
五郎
君 私がいままで取り上げました問題は、非常に狭い範囲に限られておるわけでございまして、ほかにも
問題点
があると思っておりますが、まあそれはこの際おくといたしまして、次に問題になりますのは、これは会社の責任だと思うのです。
北海道瓦斯
の今回のやり方を東京瓦斯と比較しながら質問してまいりましたが、この会社は、東京瓦斯の会長である安西浩さんが社長になっております。副社長も東京瓦斯と兼務です。つまり、同じ経営者が実施しながら全く別の結果が出るということになったわけです。これはこの経営者の経営姿勢と経営体制に問題があると思いますが、通産省はどういうふうにお
考え
になりますか。聞くところによりますと、
北海道瓦斯
の社長さんは東京におって向こうにいない、それから副社長も東京瓦斯と兼務で北海道にいない。そういう状態で責任が持てるのか。私は、今回のこの問題は、やはりこういう経営姿勢と経営体制に原因があると、こう思いますが、通産省はこういうことでよいとお
考え
ですか、どうですか。
増田実
111
○
説明員
(
増田実
君)
北海道瓦斯
の社長が東京瓦斯の会長と兼務になっておるということで、現地におって十分な経営の責任が負えなかったのではないかという
須藤
先生
の御
指摘
でございますが、私もこの
事故
が生じました原因につきまして、経営体制がどういう責任体制であったか、これについて十分究明いたしたい、こういうふうに思っております。
須藤五郎
112
○
須藤
五郎
君 それじゃもう
一つ
突っ込んでお尋ねしますが、今後
北海道瓦斯
がこういう経営体制を続けるとするならば、通産省はそれを黙って見ていらっしゃるんですか。それに対して通産省の
考え
を述べられて、こういう体制はやめさすと、こういうことでございましょうか、どうでしょうか。
増田実
113
○
説明員
(
増田実
君) 事実が明らかになりまして、やはり経営体制に欠陥があるようでしたら、これは人命に関することでございますので、通産省としては強い姿勢をもちまして、経営体制の改善を行なわせるということを行ないたいと思います。
須藤五郎
114
○
須藤
五郎
君 これら調整措置とその後の経過から見まして、
北海道瓦斯
の経営者には未必の故意による殺人の疑いが私はあると思います。通産省の見解はどうでございましょうか、こういう事実があらわれたら、未必の殺人として処理なさいますか、どうですか。
増田実
115
○
説明員
(
増田実
君) 先ほどから申し上げておりますように、やはり事実
関係
をはっきりいたしましてから私
ども
の見解をはっきりいたしたいと思います。これが刑法上の未必の故意の殺人罪になるのかということにつきましては、これは十分慎重に
結論
を出さなければならぬ点でございますので、先ほどから申し上げておりますように、事実
関係
を究明いたしまして、その上でこの問題に対する判断をはっきりいたしたいと思っております。
須藤五郎
116
○
須藤
五郎
君 こういう事実があった場合は、私は未必の殺人として処理されるものだと思っておりますが、こういう事実があれば、それは未必の殺人として処理されるべき性質のものだというふうに通産省はお
考え
ですか、どうですか。事実があってもそうじゃないとおっしゃるのでしょうか。事実があればそういうことをはっきり言えるんじゃないですか。
増田実
117
○
説明員
(
増田実
君) この刑法の解釈につきましては、通産省で申し上げるのはいかがかと思いますから、私
ども
といたしましては、ただいま
須藤
先生
の御質問に対しましては、むしろ法務省その他と相談して御返事申し上げるべきことかと思いますが、ただ、今回の事件は非常に不幸な事件でございまして、その責任の究明については、私
ども
は十分いたすつもりでございます。
須藤五郎
118
○
須藤
五郎
君 通産省は答えることができないとおっしゃるんですから、この点これ以上追及しても同じ答弁しか出ないものだと思いますが、こういう事実が明らかになれば、当然私は処罰されるべきものだと思っております。その事実が明らかになれば処罰されるということに対しては、通産省も私は反対はないと思うんですが、それでもなお反対をなさるんでしょうか、どうでしょうか。
増田実
119
○
説明員
(
増田実
君) 私は別に反対とか賛成を申し上げておるわけじゃございませんので、現在、もうすでに司直の手に移りましてこの刑事責任が
検討
されておるわけでございますので、これはそこで判断されるべきものというふうに思っております。
須藤五郎
120
○
須藤
五郎
君 この事件は、予定されている料金の値上げを含む合理化を早期に実施するために、人命を無視してカロリーアップを実施したために起こったものであることは私は明らかだと思います。いずれ、刑事責任も含めて
北海道瓦斯
の責任が追及されると思いますが、末端の作業者に責任を押しつけて経営者がほおかむりすることのないように、通産省も
政府
の一員として肝に銘じて対処してもらいたいと思います。また、不幸にしてなくなられた方や被害を受けた方々には万全の補償を行なうとともに、今後二度とこのようなことを起こさせないように、責任官庁としての通産省の責任ある答弁を私は求めて、これで質問を終わりたいと思います。
増田実
121
○
説明員
(
増田実
君) 先ほどから申し上げますように、今回の事件は、私は非常に深刻な事件だと思います。また、こういう事件が再び繰り返されることのないように、私
ども
としても十分な今後の監督をいたさなければならないと思っております。また、今回の事件につきましては、この事実
関係
をできるだけ早くはっきりいたしまして、これに対する監督上の問題、また、私
ども
の問題につきましても、はっきり
結論
を出していきたい、こういうふうに思っております。
須藤五郎
122
○
須藤
五郎
君 ちょっと答弁漏れがありますが、こういう責任は下の工事、現場の工事者とか、そういう者の責任にしないということですね。これはよく
考え
ていかないと、すべてこれまでの処理見ると、上の人は知らぬ顔しておって下の者に責任をかぶしていくと、こういう処置がされるわけです。アルバイトの学生を使って、それでアルバイトの学生に責任を負わしても、これは
意味
がないと思うのです。だから、そういうことじゃなしに、やはり責任の所在を明らかにして、そして責任ある立場に立つ人が責任をとるという、この姿勢が私は必要だと思います。それに対して通産省は異議のないことだと思いますが、異議ございませんね。
増田実
123
○
説明員
(
増田実
君) 責任の所在は、これははっきりいたしたいと思いますので、責任のない者が責任を押しつけられるというような事実
関係
の判断はいたしたくない、こういうふうに思っております。
須藤五郎
124
○
須藤
五郎
君 責任のない者が責任を押しつけられるのじゃなしに、要するに、アルバイトで未熟の工事者がかりに工事上ミスがあったとしても、その未熟の工事者に責任を負わすんじゃなしに、アルバイトにそういう重大な問題をさせたというこの責任はやはり当事者がとらなきゃ、私は会社の責任者がとらなきゃならぬことだと思っております。それを何とかかんとかへ理屈をつけて下の人に責任を押しつけてきたのがこれまでのやり方だと思うのです。そういうことのないように通産省として
考え
ていってもらいたいということです。 それから、犠牲者に対する補償の問題ですが、この問題をどういうふうにお
考え
になっていますか。十分に補償すべき問題だと思いますが、その点も答えておいていただきたい。
増田実
125
○
説明員
(
増田実
君) ただいま御
指摘
になりました補償の問題、これにつきましては先ほ
ども
申し上げましたが、二十二日に札幌通産
局長
から
北海道瓦斯
の首脳部を呼びまして、今度の
事故
の犠牲者に対する補償を十分に行なうように指示してございます。今後これがいかなる補償が行なわれるかにつきましても、私
ども
としてもその経緯を見守って、この不幸な犠牲者に対する補償というものが十分行なわれるようにしていきたいと思っております。
阿具根登
126
○小
委員長
(阿
具根登
君) 本件に対する
質疑
はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十八分散会