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参考人(
八田桂三君) ただいま
委員長から御指名いただきました
環境庁
中央公害対策審議会大気部会
自動車公害専門委員会の
委員長をしております
八田でございます。本職は東京大学の宇宙航空
研究所の教授でございまして、飛行機や
自動車の
エンジンの教育や
研究に携わってまいりました。本日は
自動車公害専門委員会の
委員長としてお呼び出しを受けたものと存じますので、昨夜八時ごろようやくまとめました五十一年度
自動車排出ガス規制についての
審議の経緯を簡単に申し上げたいと存じます。
委員会のメンバーは私を含めまして十名でございまして、先ほどお話がありましたように、片山
委員という方、一名の
委員以外は、四十七年十月にいわゆる和製
マスキー法などと呼ばれております
自動車排出ガス許容限度長期設定方策についての中間答申といたしまして五十年度、五十一年度の
自動車排出ガスの許容限度の
中公審答申の原案をつくりました
委員会のメンバーと変わっておりません。その
中公審の四十七年に答申いたしました時点において五十年度、五十一年度の
目標値といいますか、
規制値がその時点で具体的に
技術的
可能性があるということは
考えておりませんでした。しかし、高い
目標を立てまして、それに対して企業
努力及び国家の
努力をするということは非常に有意義であり、かつ、そうしなければこういう問題はなかなか進まないというような意味で、特に五十一年
規制については、私個人から申し上げますとほとんど不可能だと
考えておったのでございますけれ
ども、とにかく全然不可能であるということは証明もできませんし、そういう意味であのような答申をいたしました。
そして四十七年十月五日に告示されました五十年度及び五十一年度に関する
自動車排出ガス量の許容限度の
方針のうち五十年度の分は四十九年の一月二十一日に正式に許容限度としてそのまま告示されることになりました。これは先ほどの
マスキー法的発想と申しますか、そういう高い
目標を立ててやったことが非常にうまくいった、企業も非常に
努力されたと思いますが、そういうことで非常によくできたと私自身は評価いたします。ところが、五十一年度の許容限度につきましては、
環境庁で各
自動車メーカーの
技術開発の状況を聞かれた結果、
規制値達成は困難だという答えが返ってきましたために、四十九年の八月三日に
中公審の大気部会に再検討をはかられました。それによりまして、われわれの
委員会で八月の九日から
技術開発状況などについて
審議を始めた次第でございます。以来、トヨタ、日産、本田三社の現地
調査を含めまして十六回にわたる
審議を行ないました。そして、昨夜おそくようやく大気部会に提出する
報告を取りまとめた次第でございます。その間に東京都や大阪府の
窒素酸化物低減計画の御説明や御要望を承ったり、
窒素酸化物が原因物質の
一つであります光化学スモッグについて
専門家の
方々から
日本の現況を承ったりしながら、
還元触媒や
各種の防止
技術について検討してまいりました。先ほど
西村先生のおっしゃいました七大都市
調査団とも討議をいたしました。それからまた、五十一年度から〇・四グラム・
パー・キロメーターの
NOx値が可能だということを発表されました
東洋工業の方にもおいでいただきまして直接そのお話を伺いました。そのようなことを踏まえまして、一昨日の四日には朝九時半から夜七時ごろまで、まあそのときはおもに
技術評価の問題について取りまとめを行ないまして、昨日また朝から夜の八時ごろまでかかりまして、
規制案の検討と決定を行なった状態であります。これはもちろん
規制案といいましても、大気部会に対する
報告でございます。
で、現在私
どものいろいろ調べましたり、勉強いたしました結果、五十一年
規制目標値を
実験室的に満たすといいますか、一番近いところにあるものはトーチ
点火方式、あるいは副室成層燃焼と申してもよろしゅうございますが、それにあるいは
EGRをかける
——かけない場合もありますが
——かけるとか、
EGRというのは先ほどどなたか御説明ございましたが、
排気を再循還して吸気のほうに入れてやることでございます、それから、サーマルリアクター、これは
排気ガスを高温に保っておきまして、それで
COとか
ハイドロカーボンとか
一酸化炭素を燃やしてしまう
装置でございます。あるいは、そのサーマルリアクターのかわりに酸化
触媒をつけてもよろしいと思います。とにかくそういうような
方式、それが
一つございます。これはまあ本田さんのCVCCとか、日産さんのNVCCとか、何かそういうようなものがそのほかにもあると思いますが、そういうような範疇に属するものでございます。
それからもう
一つは、先ほど東洋さんがおっしゃいました成層燃焼型の
ロータリーエンジンにこれも
EGRをつけたりつけなかったりいたしますが、まあ
EGRをつけるならつける。それにさらにサーマルリアクターかまたは酸化
触媒のようなものをつける
方法、これも非常に近いところにきておると思います。それからもう
一つは熊谷
エンジンと先ほど
西村さんがおっしゃいましたが、われわれの仲間の熊谷君が発明いたしました。非常に過濃燃焼のシリンダーと非常に希薄燃料が非常に濃い気筒と、それから燃料が非常に薄いといいますか燃料が空気に対して非常に少ない気筒、そういう二つの気筒で燃焼いたしまして、それから出てくる
排ガスをサーマルリアクターの中でまぜまして、それで両方ともまぜたあとは空気過剰のような形になってきれいになってしまう。そうして非常にリッチの場合も
——リッチというのは非常に燃料が濃い場合でございますが、そういう場合も、非常に燃料が薄い場合にも、両方とも
NOxの生成が少ないものですから、それによって
NOxを減らしていく。そしてあとの混合によって
ハイドロカーボンと
COというようなものをなくしてしまおうとそういう
エンジンでございます。
それからもう
一つはツー・サイクル・
エンジンでございます。これはあまり大きくなると問題があるかと思いますが、一〇〇〇ccクラスまででしたら
NOxに関しましては十分
可能性がございます。現在でもあると思います。これはそのかわりに
ハイドロカーボンや
COが多いのでございますが、これもまあ送気
方法とかいろいろな
改善をいたしまして、そしてさらにそのあとにアフターバーナー、要するにあとのきたないガスを燃やして取ってしまうわけでございますが、あるいはさらに先ほどの酸化
触媒あるいはサーマルリアクターでもいい場合もあると思いますが、そういうものであとの
排ガスをきれいにしてしまう、そういうようなもの。それからもう
一つはデュアルベッドと言っておりますけれ
ども、要するに
還元触媒をつける、
エンジン本体は、それでも
NOxというのはなかなかたいへんむずかしいものでございますから、
エンジン本体には
EGRといいます、先ほど
排気を
もとに戻すということを申し上げましたが、その
EGRをかけまして、さらにサーマルリアクターをちょっとつけたりもいたしますが、そのあとに
還元触媒をつける。そのあとにちょっとつけるというサーマルリアクターが必ずしもいいとは限りません。それからその
還元触媒のあとに二次空気を噴射いたしまして、それで酸化雰囲気にして、あとに酸化
触媒をつけてそれできれいにしてしまう。これ二つ、その
還元触媒と酸化
触媒と二つ要るものですから、デュアルベッド
方式などとよく言われております。あるいは
還元触媒方式と言っておいていいかと思っております。
それからもう
一つは三成分処理
触媒というのがございます。これは理論混合比というちょうど完全燃焼するガソリンと空気との混合比のちょっとまあリッチという、ちょっと燃料濃い辺ですが、大体その理想的な完全燃焼する値とお
考えいただいたらけっこうだと存じますが、その辺のところでプラスマイナス一%ぐらいの非常に狭い範囲に燃料と空気の混合比をいろいろな
運転条件でも常にそういうふうにするというようなことをいたしまして、ある種の
触媒をいたしますと 一ぺんに
ハイドロカーボン——炭化水素と
一酸化炭素と
NOxが全部なくなってしまいます。そういうためには先ほど申しましたようにある混合比にプラスマイナス一%のガソリンと空気の割合を一緒にするというようなことが必要なものですから、現在の気化器だとか普通の
方法ではとてもできません。それで、そのようなものの上にさらに、O2センサーと言っておりますけれ
ども、
排気ガス中の酸素を常に計測器で分析しまして、それをその出力で燃料の供給を、あるいは空気の供給をコントロールして、先ほど申し上げましたような狭い範囲に実行できるようにするということでございます。で、まあこの
方法、これら全部をどのものも
初期値におきましてはまあほとんど五十一年の値あるいはそれに非常に近い値、たとえば先ほど東洋さんは成層燃焼の
ロータリーエンジンで〇・三ということをおっしゃいましたが、まあさらに御
研究になればもう少しいくんじゃないかと思いますが、そういうようなものでございます。その中で、まあ現在一番早く
耐久性がありそうなものは、一番
最初に述べましたCVCCなどのようなトーチ
点火方式と、それから先ほど東洋さんの成層燃焼
ロータリーエンジンのようなもの、それから熊谷
エンジンのようなもの、この辺のものはまあ比較的早く
耐久性があって五十一年
規制にミートする
可能性が非常に高い
ポテンシャルを持っているかと思います。
それから、しかしながら、あとで申し上げました
触媒、
還元触媒のほうも、三成分処理
触媒及びそれに必要なO2センサーというものも、急激に非常な進歩をしております。現在五十年
規制車に採用されようかとしております酸化
触媒でも、初めはとても使えそうもないと思っておったのが今日では完全に使えるということになったように、先ほど
グールド社の方が非常な進歩をしているとおっしゃいましたが、
グールド社のものも、私
どもはお話を伺いましたけれ
ども、非常に確かに現在そのようなものが、
グールド社の方も先ほどおっしゃいましたように、すぐ
自動車として完全に使える
システムとしては完成していないと思いますし、まだまだいろいろな問題がございます。
耐久性についても私
どもが拝見いたしました
データでは耐久運転の途中にいろいろな調整をしておられたりいたしまして、ほんとうの意味の
耐久性ではございませんけれ
ども、私
どもが拝見した
データはございませんけれ
ども、それにしてもいままでの
還元触媒に比べましてべらぼうにまあ
耐久性が伸びてきておる。これは一
グールド社だけではなくて、ほかのほうにもそういう情報が、詳しいことはわかりませんけれ
ども、いろいろひんぴんと入っております。
そういうような意味で、今後そういうような
還元触媒とか
触媒系統のものがもしできれば、これは初めのほうのトーチ
点火とか成層燃焼とかそれから熊谷
エンジンとかというものは、
エンジンの中だけで
NOxを減らしてしまって、あとでは
NOxを減らす
方法がございませんので、みな要するに非常に希薄な状態で、燃料が少ない状態で、酸素が多い状態というふうなもので
排気が出てまいりますものですから あとで処理することが非常に困難です。だけれ
ども、したがって
エンジンの中でそれは初めから取ってしまわなければいけない。そういう意味で、もし
還元触媒あるいは三成分処理
触媒と申し上げたようなものが使えるようになりますと、これは
燃費も
エンジン性能も何も変わらないで非常にいいものになるわけでございますが、初めのほうのものはまあ
燃費の低下とかというものは五十年
規制の範囲においては非常にいい値を示し得ると思いますけれ
ども、五十一年
規制になりますと、要するに
窒素酸化物は温度を下げなければしようがないというようなことがございまして、
燃費なんかはかなり悪くなるだろうと思いますし、それから
自動車としてのいろんな
性能、
運転性と申しますか、そういうものにも影響があるんだろうと思います。いずれにしましても、いま申し上げたようなものが現在非常に近いところにきているとは思いますけれ
ども、いずれの
システムも現在のところそれが
実用品として完全に今日
耐久性まで含めて完成した
システムとしては存在していないという状態でございます。
一方、五十一年の
規制値というものは五十一年から量産を可能とするものでございます。それで、ちょうど一年半か二年前のきょう今日において運輸省の認定を受けて、それをパスし得るというような状態になっていなきゃいけないわけでございますが、運輸省の認定と申しますのは認定期間だけでも約四十ヵ月ぐらいの期間がかかります。そして、それが告示なんかは、われわれがいま議論しておりますのは
平均値の値を論じておるわけでございますが、
平均値に
生産上のばらつきその他を入れまして
最高値というようなものを行政的なほうでいろいろ調べられて出されまして、その
最高値が告示になるわけです。したがって、
最高値以下の車は道路を走っていけないというのが規則でございます。ところが、さらに
平均値というようなものがございますので、運輸省の認定の場合には、要するに新車といいますか、それほど走っていない車と、それから三万キロ
——これも運輸省がこういう走り方をしなさいという指定をした状態で三万キロ走ったあとの車、その二つの車を持ってまいりまして、二つともが、いま私
どもが言っております
平均値を通らなければいけません。それから
平均値を通らないとその車をつくって売るわけにはいかないわけです。そのときは
最高値でございません。それからさらに、そのあと
生産に移りますと、量産した車を、これは
一つの測定に非常に時間がかかりますから全車やるわけにいきませんけれ
ども、このテンモードとかイレブンモードとかいう完全な測定は、
生産量の一%以上のものを統計的な手法で抽出いたしまして、その車が全部
最高値以下でなければいけない。四半期分の間の統計をとりまして、その四半期分の
平均値を出します。その全部のものが当然
最高値以下でなければいけませんし、四半期分の
平均値が、われわれがきめました
平均値を越えてはいけない。そういうようなきつい
規制をやっておられます。ところがラインオフと申しますか、ちょうど
エンジンの
生産の一番終わりに出てきたときにはまだすり合わせ運転ということが済んでおりません。まだつくりたてのほかほかで、あちらこちらざらざらしていると申し上げていいかもしれません。それで、それをしばらくならし運転いたしますと、中の
エンジンの摩擦馬力が減ってまいりますので、グリーン車といいますか、そのラインオフのときには
NOx、要するに
規制値全部が大きな値に出てくる、非常に悪く出るわけです。その悪く出るような状態ではかったものが
最高値と
平均値以下にならなきゃいかぬというきつい
規制をしておられます。
それから、そのほかに、五十年
規制から
触媒とかサーマルリアクターとかいろいろなものがございますが、そういうものは非常に高熱のもので、高温、要するに
排気のところでそういうものを燃やすわけですから、いままでの
自動車に比べまして
排気まわり、あるいはカタライザーまわりというのは非常に高温になります。したがって床のほうも熱くなってくる。床が熱くなりますと床が弱くなりますから そういうときにそういうのを熱害というようなことばで言っておられますが、そういう熱害を防止するために、たとえば床とそういう高温部の間には特別な防熱板を入れる。あるいは、そういう車が急に走ったあとで枯れ草のあるような芝生の上へでも入りますと芝生が燃え出して火事になりかねない。それで、そういうことに対する、枯れ草に対しても防熱板をつける。そういうような、そのほかたくさんございますが、そういう高温になるということに対しまして構造規定というようなものを運輸省さんはいま一生懸命につくられて、それも全部パスしなきゃいけないということになっております。したがって、そういうようなものが現在の時点で三万キロ走れるという自信があって、しかもそれが
自動車全体としてバランスした形でまとまったものがいまないと五十一年から量産することはできません。したがって、私
どもの
考えましたのは、そういう意味で、現在そういう
システムがあるものでなければ五十一年の
規制値はできないということで、そういうような
考えで五十一年の
規制値の
考えをしてまいりました。
そうしますと、先ほど非常に近いものというものをたくさんあげましたけれ
ども、それはみなもう少したてば〇・二五の
目標値あるいはそれに近い〇・三というようなものを
達成できると思うんでございますけれ
ども、現在のところでは、五十年
規制のすぐ一年あとでございますから、五十年
規制車に小
改良を施して何とかできる範囲しか
可能性はないだろうと判断いたした次第でございます。そうしますと、従来の在来型
エンジンといいますか、うしろにカタライザーをつけたりサーマルリアクターをつけた
エンジンでは、
EGRといいますか、
排気再循環の
排気を、もう一ぺん空気を返すわけですけれ
ども、それにいろいろ制御
装置をつけて非常に複雑な
排気再
循環装置をつくるわけでございますが、それがどこまでいくかということですが、その
排気再
循環装置の
排気効果
改良によってできる範囲と、それからCVCCや
ロータリーエンジンのほうになりますと、今度は
NOxを減らすために混合比を薄くするというようなことをやります。特にCVCCなんかはそうしないと
NOxが減りませんが、そうすると、すぐまた
ハイドロカーボンや
COが出てきます。したがって、このほうもそういうあとのサーマルリアクター、リアクティーブマニホールドと本田さんは言うていらっしゃいますが、そういうものをさらに強化されまして、そういうような範囲で処理する範囲じゃないと先ほど申し上げたような意味では間に合わない、そういうふうに
考える次第でございます。
それからまたその上に、先ほど軽の
自動車の話がございましたけれ
ども、車の重量と
エンジンの行程容積、
エンジンの大きさでございますが、その大きさの比が大幅に変わらない範囲では大体車の目方、しかも、そういういま申しましたカタライザーに
EGRを強化していくとか、それからCVCCとか
ロータリーエンジンとかいう範囲におきましては、要するに将来
還元触媒ができたときにはそういったことはなくなるんですが、
還元触媒や三成分処理
触媒ができない現在においては、大体そういうような車の重量と
エンジンの大きさの比が大幅に変わらない範囲では、車の重量が重くなるほど苦しくなる、要するに
NOxがたくさん出てくる、そういうようなことがございます。
それで、それらを勘案いたしまして、これはずいぶん激論したりいろいろな
データをがたがたいたしましたが、結局昨晩おそく、先ほど
西村先生もおっしゃいました、等価慣性重量一トンを含めまして一トン及び一トン以下の車、それが現在のところ七〇%ぐらいのシェアを占めておりますが、それを〇・六グラム・
パー・キロメーターというような、これもかなりきつい値ですが、それが〇・六グラム・
パー・キロメーターというものを
達成するためには約〇・五グラム・
パー・キロメーターぐらいのものが、試作車といいますか、
開発車でできていないと、先ほど言ったように運輸省の指定がございますので余裕がないととてもできません。だから
平均値で〇・六のものではだめなんでして、
平均値で〇・五以下ぐらいのものが
開発されていないと〇・六グラム・
パー・キロメーターにはなりません。とにかく、そういう意味で非常にきついと思いましたけれ
ども、〇・六グラム・
パー・キロメーターというのが一トン以下。それから一トン以上といいますか、一トンは入りませんが、等価慣性重量で一トンをこえたものに対しては〇・八五グラム・
パー・キロメーター、これもまた非常にきつい値でございます。ただし
軽自動車はそれ以上また
——先ほど車の大きさが大きくなると
NOxがふえると申し上げましたが、これは車のウエートと
エンジンの行程容積の比が大幅に変わらない範囲だということを申し上げたんですが、
軽自動車はそれが非常に大幅に変わっちゃいますので、これについては特別な
——先ほどどなたかから御指摘がありましたが、〇・六というような値にはとてもできません。軽というものが国民的ニーズがある以上、それについては特別な配慮を行政面でやってくれと、その値を
詰める時間と余裕がございませんので、それは行政面でやってくれというような意味の要求を
——要求といいますか、そういう配慮をしてくれということを記入した次第でございます。
それから、そういう暫定値でいく期間は
昭和五十三年まで。五十三年には〇・二五グラム・
パー・キロメーターという
目標、そのときにはそれを告示する
方針で、現在の
方針を二ヵ年延ばした、そういうことでございます。それで、それとともに、さらに今後は、今度やりましたような
技術評価を絶えずやって、もし早くできるものがあればその時点で早くするし、どうしてもできないという
技術評価ができればさらに延ばすこともあり得る、そういうような
考えでございます。
それから、その上に二段階
規制になりますと、どうしても格差がございますので、二段階
規制のために〇・六と〇・九の間では、これはわれわれがきめるわけにはまいりませんけれ
ども、われわれのコメントとして、税制上その差をつけて〇・六のほうは優遇するということを必ずやってほしい。それから、それにしましても確かに〇・二五からは大幅に後退しておりますから、これだけですぐ現在の
環境が非常にきれいになるということに関しては、かなりの後退でございます。それで、だけれ
ども技術的には現段階でそれよりしかたがございませんので、現在トラックはまだかなり余裕のある
規制がされておりますので、ガソリントラック
——小型トラックですが、そういうもの、あるいはディーゼルトラック、ディーゼル車、そういうものの
規制を引き続き強化するように、これからやっていきたいということも
考えております。
それからまた中古車を含めましてユーザーがほんとうに低
公害車を使ったほうが有利なような体制、その中に税制もございましょうし、交通
規制のような問題もございましょうし、いろんなことがございましょうが、要はユーザーがそういう低
公害車を使ったほうがほんとうに現実的に有利になるような施策をしてください、そういうことをお願いしてございます。それにしましても、さらに交通制限とか、それからそういうことをやらないとなかなか大都市のひどい
環境はよくならないと思いますが、そういうことも人間のほうは少々不便でございましても、たとえば公共交通機関のようなものを大いにできるだけ使いやすくして乗用車のほうの運行は比較的しにくくなるような方策はとるといたしましても、トラックとかそういう物流のものは、新しい物流
システムを同時に
考えて都市改造及び物流
システム全体から
考えていっていただかないと不連続的に急激にそれをほとんど動かなくするということはできないと
考えておりますので、その辺のことを
公害の皆さんのほうでぜひ政治的にうまくやっていただきたい、そういうふうに御要望する次第でございます。
どうもありがとうございました。