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和田静夫君
大蔵大臣、もうちょっと時間残っておるんですが、官房長官ちょっと限られた時間ですから、官房長官の質問入れますが、この
田中内閣ができた、そうしてその内閣と与党自由民主党の裏舞台を竹下さんずっとささえられてきた、そしていま官房長官になられました。きょうは私はあらゆる面にわたって実は多くのやりとりを用意をしていたんですが、どうしてもあなたの時間とれないということで、わずか五分間ということにならざるを得ませんでした。非常に残念ですが、端的に質問いたします。
まず第一に、昨日
田中総理は辞意を表明されました。あなたの代読という形で
国民にその決意が表明されました。これを聞いた
国民は異口同音に、ついにというような形で
考え込み、そしてむなしさを味わったわけでありますが、私はこの一ヵ月間本
委員会を舞台に展開された、いわゆる
田中さんをめぐる金脈問題と金権政治、この中で失われた日本の政治と
政治家に対する不信というものについて、お互いが真剣に
考えて、その反省の上に今回のできごとを日本の民主政治の発展と
国民生活の回復のために教訓として生かすことがなかったならば、あまりにも日本の政治史の上から見て、政治史的に犠牲が多かったということにしか私は後世ならないと思うんです。よって、今回の一連の中からどうしてもくみ取り、改善をし、制度化しなければならないものが選挙制度なり、あるいは政治資金など多くあると
考えますが、時間がなくなっていますから、そのうちの
一つだけを述べて、私は竹下官房長官という若い未来のある
政治家に決意を実は促したいのであります。
その前に二つだけ申し上げますが、第一に、これは私の基本的
考え方の
一つですが、
田中さんの金脈問題について、
田中さんに公式の場で実は釈明の機会を与えてやらなければいけない、私たちもまた
国会議員として、そういう場所を
国民の前に用意をすることを
義務づけられていると私は一貫して思っています。
大平大蔵大臣にも十月二十五日、こういう趣旨のことを申し上げました。竹下さんも、申告したものは自分で公表できる云々、
財産公開の方法を模索中であると、最近まあある雑誌で述べられています。本
委員会への
参考人の招致問題が、実は本来なら昨日から
参考人がお
見えになってわれわれやりとりもしている形ですが、与党の理事のことばをかりれば、
田中さんが釈明された後ということが理由の
一つに実はなっているのであります。そこで第一に、釈明の時期と方法、これを官房長官としてはどうお
考えになっているのですか。第二に、役人のいまの
守秘義務との
関係はもう少しあとで
大蔵大臣と煮詰めますが、この
関係において、総理の税財
関係資料を秘密会で回覧するとかも方法であると官房長官は外で述べられていますが、
国税庁はこれを断わり続けているわけです。これはいまあなたと基本
論議をするというつもりではありません。私はやらなければならないことは高度な政治的
判断の問題であると
考えています。そこで、あなたは、外におけるあなたの発言に責任を持つという、そういう意味で秘密会への
資料提出を支持するという意思で述べられたものであるのですかどうですか、あなたのお
考え方だけをきょうはお聞きをしておきたいのであります。
最後に、私のあなたに対する提言でありますが、今回の事態から選び出す教訓の
一つとして、どうしても私はいま
国民的要望と今日なっていると書ってよい国家的要職につく者の
個人資産並びに
関連資産形成の公表ということ、これはどうしても私は制度化すべきであると
考えます。したがって、公的機関による資産
調査委、この資産の
調査、そういう受理
義務を総理など国家的要職につく者に対して制度化するおつもりはありませんか。私はぜひおやりになるように官房長官に提言をいたします。これはもしあなたの官房長官としての
立場が今日はたいへん短命なものでたとえばあったとしても、私はあなたの
仕事として日本の政治制度改革の基本に残るものであると実は信じます。
田中総理の今回の悲劇の中から、
田中さんの強大なささえのお一人であった竹下官房長官なるがゆえに私は政治的教訓としてくみ上げてやり遂げるべきだと実は
考え、全くの善意で私はその実行を促したいと思うんですが、いかがですか。