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上田耕一郎君 いまの道路
局長の答弁で大体
調査が三十八年から始まったという答弁がありました。それで、この
調査は三十八年に始まったけれ
ども、ここに長岡都市
計画の略図というのがありますが、この略図にも明らかなことなんですけれ
ども、実際上この地域に、大体路線がここにきまると、橋は大体この地域に通るということは、実は
関係者の中ではほぼ明らかなことであったろうということを推定できる根拠があります。というのは、このバイパスの長岡市街地部分、これは長岡の都市
計画の中で、もうすでに決定路線でありまして、
昭和三十六年八月に路線決定がされているという事実があります。そうしますと、このバイパスを通すのは、どうせ市街地を通さなければいかぬと、しかもその路線は、その東側にバイパス国道十七号線が通る予定がありますから、国道十七号線とつなげなければならぬ、そうすると、当然三十六年八月に決定されていたこの路線につなげる以外に大体道がない。しかもすでにある蔵王橋、長生橋の中間あたりでありますから、だから
調査は三十七年から始まっているけれ
ども、大体だれが考えてもここを通るということはきわめてあたりまえのことです。それから県や市の
関係者とは当然
建設省もこういう問題についてはいろいろ打ち合わせをして進めるということでありまして、こういう点から申しましても新堤の
建設計画、八号線バイパスの位置並びに長岡大橋がどこにかけられるかということは、新潟三区の選挙区であり、また大蔵大臣である田中角榮氏にとってはもうすでに十分承知の上のことであったと、そう思われます。そうして、大体三十八年ごろから、越山会を中心にいたしまして
堤防送り出し期成同盟というのが結成されまして、つまり
堤防を前に送り出して、そしてここを廃川敷に将来してしまおうじゃないかという運動が起きていくわけであります。それで、三十九年の九月五日を最初にして四十年の三月までの間に農民から土地をごっそり買い占めていくという事態が起こりました。この点で私は非常に重大な疑惑を持たざるを得ないのは、三十九年から四十年にかけてのこの買い占め行為——堤の
建設は四十年から始まったわけですから、まだ堤の影も形も見えない時期であります。ところが、買い占めた土地は実にみごとに将来堤ができる範囲内だけを買ってありまして、堤の、川の内側になる部分についてはほとんど買っておりません。これは国土地理院から出していただきました航空写真であります。(写真を示す)これは見えませんけれ
ども、
昭和三十七年のこの航空写真を見ますと、ここが問題の
河川敷なんですが、これは全部もちろん境も何もない畑地あります。ここで長岡市の八割の野菜が生産されておりました。次に、このかすみ堤が
建設されていった
昭和四十二年の航空写真でありますが、かすみ堤の
建設が途中まで進んでおります。このかすみ堤が一体どこにつくられるかというのは、室町産業が買い占めを始めた時期にはまだだれもわからないはずであります。ところが、田中首相が自分の証言でも自分がつくった会社だと言っている室町産業の買い占めた土地は、みごとにかすみ堤の範囲内だけを買い占めた。わずかに外側に少しありますけれ
ども、これは一筆でつながっているので、しょうがないので買ってしまったというのがあるだけであります。ですから、私はこういう事態を
説明し得るものは、田中角榮氏が超能力をもって何か透視能力があったか、あるいは地位利用をしてどこかにかすみ堤が引かれるかという路線決定図あるいはそれに近いものをきちんと持っていた、それに従ってこの範囲内の七十三ヘクタールに及ぶ土地のすべてを買い占めたに違いないという疑惑を持たざるを得ません。そして、そういう地位利用の疑惑は非常にもう濃厚ですけれ
ども、しかも許すことができないのは、自分はかすみ堤の場所も知っている、将来それがどうなるかも大体知っている、バイパスがどこを通って、橋がどこにかかるかも知っている、しかし農民に対してはそれを一切話さないで、次のような
説明をして農民から土地を買い占めていったという事実であります。私は今回
現地に行きまして農民にも会いました。共産党は前からこの問題について調べておりますが、農民のテープをも私持っておりますが、当時越山会の幹部とか越後交通の庭山康徳、片岡甚松氏らがこの農民に対するいろいろ
説明会をやってくれた。そのときの話は、ここは
河川敷で三年に一度水びたしになる、ひとつ私
どもに売ってくれれば
水害が起きたときのめんどうも見る、耕作もずっと続けさせる、地代も要らない、しかも、将来もし
建設省のものになってしまったらおまえらの手に入らないぞ、という
説明をした。農民は当時、こんないいことはない、地代は要らない、耕作はさしてくれる、
水害のときはめんどうを見てくれる、しかも坪五百円というのは当時値段としてはそれほど安いと思わなかった。しかも信頼している田中首相の
関係のある人々の動きであり、田中角榮氏が先頭に立っているということはよく知っているわけで、そして、これを売るということを承知してしまったということであります。
ひとつ
建設大臣にお伺いしたいのは、こういう自分の地位を利用して路線その他国の
建設計画についての知識を前もって知ることができ、それを利用して、売る農民に対しては詐欺同然の手口で手に入れるという事態が起きた、この事態について一体どう考えるのか。田中首相の地位利用の疑惑、これが非常に私は明白だと思いますけれ
ども、こういう問題についてそういう地位利用の疑惑はないということを
建設大臣として責任をもって言明できるかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。