○二宮
文造君 ただ残念なのは、この問題が提起されて、私は
先ほどさいが投げられたと、こう言いました。しかし、それに対する公式の
見解が全くない。だから、冒頭に申し上げましたように、さもありなんという空気がいまや固定化しつつあります。これは重大問題です。で、私がいま
総理個人ももちろんのこと、
政府も
国会も各政党もと、こう
立場をそれぞれ分けて申し上げたことは、
大蔵大臣も
先ほど来、いわゆる税は法のもとに厳正に行なわれなきゃならぬ、こう再三繰り返しております。私も当然だと思います。
しかし、それでは
先ほど和田委員の御
質問のときに、こういう問題が提起されて、しかも、
衆議院の
段階で
質疑があったときに
国税庁の長官の
答弁があった。それはどういう趣旨で
答弁をされたのかと言えば、従来の
姿勢を、いままでの
姿勢をそのまま述べたにすぎませんという次長の
答弁であった。しかし、問題は投げられたわけです、あらためて。済んでないわけです、あらためて投げられた。ところが、税の秘密保持という
立場で、その問題については一切お答えできませんということになりますと、これを聞いている
国民は、一方では重税に苦しんでいる人がいます。あしたもうすぐ、本日ただいま滞納処分を受けている人もおります。
そういう人
たちから言わせれば、あんなに堂々と問題を提起されながら、やはり
総理大臣というのは力があるんだなあ、われわれではどうしようもないことが。逆に今度は、
総理大臣の場合は守り刀に使われてしまう。
国民はやはり
納税意識を低下するでしょう。また別の面から言いますと、
先ほども須原委員からお話があった国有
財産、きょうも田代委員が国有
財産の払い下げの問題について、公園に指定されたものがいつの間にか大
企業にくらがえしてしまっている、まことに残念なことだ、こういう趣旨での
質問がありました。
国民はほんとうにわが家がほしい、マイホームがほしい、一坪の土地でもほしい。そういう中で、国有
財産があの表を見ただけで、
田中さんの
大蔵大臣のときに膨大な払い下げを受けている。あれはいいとも悪いとも書いておりませんが、あのグラフを見ただけで
国民は何と受け取るでしょうか。ここにも税の問題についても、国有
財産の管理ないし払い下げの問題についても
大蔵省の
姿勢そのものを、
国税庁の
姿勢そのものを問われる要素があの
記事の中にあるわけです。しかも税の秘密だ、こういうことでほおかむりをされるんでは
国民感情としてこれは受け取れない。これは事実だと思います。
〔
委員長退席、理事小谷守君着席〕
また一方では、ほんとうに食うものも食わないようにしてせっせせっせと働かざるを得ない、そういう
国民の皆さんがたくさんいらっしゃる中で、とにかく御殿の中で数十万円というコイを放っているという優雅な生活をする、それは
個人の力ですからいいでしょう、世間的に
考えれば。しかしそれは、あらためて問題として提起されたときに、
国民は一体どういう感情で
総理あるいは
政治家、そういうものを見るでしょうか。
政治そのものを見るでしょうか。ならば、これはどうしても
政府も
国会も政党も、やはりこの与えられた
課題に対してはお互いが
責任を持ち、早急に究明をし、解決をし、
国民の皆さんの
疑惑に答える。もはや
総理のプライバシーの問題じゃありません、
個人の問題ではありません。
政治そのものの問題になってまいりましたし、そういう
意味でもう一度いわゆる税、これは方法はあると思うのです。
国税庁は
個人の
所得の
内容を発表できないとしても、たとえば四十八年度申告をこの三月にされました。
国税庁が発表できるのはあの総額だけです。しかし、もし御本人がみずからそれを
国民の
疑惑に答えるという
意味で税の申告の中身を発表されることには、これはもう法には何ら抵触をしないわけです。そしてこういうわけですと、それだけのことが、楽しみも苦しみも悲しみも分け与うと、こうおっしゃった
大平さんの助言によってそれが実現しないことは私はないと思う。それがまず
国民の皆さんに対する
総理自身が答える第一歩だろうと思います。はたしてその中身が正しいかどうかはそれからの問題です。こういうふうに
姿勢をしっかり、慎重にやるということは、事を大きくしないように慎重にやるのではなくて、投げられた問題に対して赤裸々にぶつかっていく、こういう
姿勢が慎重であり、解決の問題ではないかと思います。したがって、
大蔵省所管の問題について私の意見を発表いたしました。その件について
大蔵大臣の御
答弁をいただきたい。