○加藤進君 そういう不誠意な
答弁じゃ困りますよ。私
たちがなぜ教員研修の問題を積極的に提起しているのか理由があるのですよ。したがって、具体的な提案も必要だということで、
文部省を援助しよう、助けようと思っている。ところが、あなた
たちはいかにも無関心な状態で、万事うまくいっているような
答弁でしょう、こんな
答弁じゃ満足できませんよ。
そこで具体的に聞きます。いま教員の研修という名前をかりて、およそ研修ということにはふさわしくないようなことが現に行なわれておるという事実を御存じだろうと思いますが、私はこの具体的な例をいまお示しします。(
資料を手渡す)
いま写しを
文部大臣にお示しいたしました。その
内容はどんな
内容かというと、去る九月三日及び九月十日に日比谷野外音楽堂において開催され、また来たる九月二十四日、二十六日の両日も
東京で開催される予定になっている狭山裁判闘争決起集会、この集会に対して同和
教育研修会の名目で、埼玉県本庄市
教育委員会
教育長職務代理の名前で、各
学校に通知が出され、教員がこの集会に動員されているという問題であります。お示ししたのは九月二日付の通知ですが、これには本庄市
教育委員会の津久井
教育長職務代理名であります。各
学校に出されています。そしてその表題には「同和
教育研修会の参加について」となっています。しかもこれには主催団体は書いてありませんから、これは
教育委員会自身が主催する研修会であると読み取っても、これは読み過ぎではないと私は考えております。ところが、会場はどう書いてありますか、日比谷公園内です、研修会の会場は。日比谷公園の中ですよ。しかもこれにはちゃんと備考がついておりまして、どの会、毎回本庄発六時二十分発の電車を利用する、電車も指定してあります。部落解放同盟員と同行しないと会場に入れないことがある、一緒に行けとこういうのです。これほどまでに厳格ないわば強制的な通知なんです。研修
内容の
説明はどこにありますか、何を勉強するんです、これは。何もないですよ、研修
内容は。何もなくて
先生に行けというわけです。こんな研修を
文部省は認めますか。しかも月日は九月三日、五日、十日、二十日、二十四日、二十六日、十月三日、七日間です。これ、どういう日でしょうか、この日は。これらの日はすべて解放同盟の一部が
計画しておる決起集会が開かれる日なんです。日比谷公会堂、日比谷公園で決起集会が開かれるのです。
先生たちの決起集会でも日教組の大会でもないんですよ。こういう教員研修という名の集会に参加する点についてこんな問題も起こっています。
これは本庄市の上里
小学校で起こっておる、本庄市上里
小学校では、校長のほうから教員組合の分会に対して動員の問題について何とかできないかと言ってきたが、この件については職員
会議を開いてきめようということになった。席上行ってきた
人たちから、集会が美濃部知事と共産党攻撃ばっかりで不愉快だったということが
報告され、そんなところへ行く必要はないということになった。そこで校長は困ったんです。校長は、二十日には私自身が行ってくる、その上であらためてこのことについて検討してもらいたい、こういうことになったというんです。こんな研修ありますか。しかも、参加者数が厳格に各
学校に割り当てられておるんです。ここにちゃんとございます。参加者数全部割り当てられています。いいですか。お前の
学校は四十二名だな、だからいつ幾日には一人、いつ幾日には二人ずつ出せと出ていますよ。全部まるがついているんです。義務動員ですよ、これは。その別表によりますと、
小学校七、中
学校三というふうに動員数までちゃんと割り当てられています。一体どれだけの
先生がこれに参加するのかというと、総計は実に市の全教員の四分の一が全部これに動員されるんです。四分の一です。だれが行くかわからないけれども出せというわけです。そこで、各
学校では割り当てられた日の人数を確保するやりくりに懸命、参加した
先生はみんな現地に到達するまで研修会の
内容は何も知らされていない。参加したある
先生は、公園内に足を踏み入れたとたん中核派などのあの暴力集団がいてびっくりした――いたんですよ、事実――と言っており、集会の
内容も先ほど読みましたとおり、美濃部知事の悪口、共産党の攻撃ばっかりだったと
報告されているんです。
学校に残った
先生はどうなりますか。授業はかけ持ち、一部では子供に自習さしたところがあります。自習さしてやっているんです。
さらにもっと大きな問題は神川村、神泉村で起こったことです。
教育委員会の指示により九月四日狭山現地調査へ研修という名前で、小中
学校、
幼稚園を臨時休校にした。臨時休校して、病欠と日直者を除いて全員バス二台で動員されたんです。その行き帰りのバスでは何と共産党の反共攻撃、どういうこれ研修でしょうか。共産党攻撃のための研修でしょうか、これ。何も私ば共産党の攻撃を受けているからといってこの問題を
指摘するわけじゃないですよ。これが研修と名のつくものであるかどうかということを言っているんですよ。
こういうことまで起こっておりますが、それでは、これらの集会というのは一体どんな集会なのか、日比谷でやられた集会。中核派が参加していると私は申しましたけれども、五日の日の集会ではこういうことが起こっています。午前十時から裁判の経過
報告を含めて夕刻まで延々と演説が続き、その中で議長団からは支援団体としてトロツキスト暴力団が次々と紹介された。彼らは登壇すると、日帝に加担する共産党、差別主義者共産党、美濃部差別行政糾弾、口々にこう言って反共、革新都政の攻撃演説ばっかり。しかも、同公園の出入り口には何がやられておるかというと、警察――警備隊の放水車や、たてを持った機動隊て固められて一般の人々は立ち入りは夕刻まで完全に禁止。こうして事実上解同の一派とトロツキスト暴力集団によってこの会場は占拠されたも同様です。ここに
先生が動員されたんですよ、あんた。十日午後一時過ぎからデモ行進が始まりました。中核派などのトロツキスト暴力集団は覆面で顔をおおい、手袋をはめ、ナップザックを負い、ゲバスタイルの胸に日共、革マルせん滅などのゼッケンをつけて機動隊と小ぜり合いを繰り返してきたのです。
〔理事
小谷守君退席、
委員長着席〕
公園内でも、仲間でないと見られた場合には数十人が取り囲んで、身分を明らかにせよと、異常な雰囲気になったんです。
これが
一つ一つの集会です。これに
教育委員会の職務代理の名前で割り当て動員がやられた、こういうことですよ。この点について
文部省は一体こういう事実を御存じなのか。この事実があるとするならば、これについてどのようにお考えになるのか。一体こういうことを研修と言うならば、いままで
学校の
先生たちが自主的にやろうとしておる教研集会――教員団体の研究会等々に対して
文部省が喜んで積極的に応援したことありますか。出ろと言ったことありますか。そういう集会にはむしろこれを押えるような態度を今日まで取り続けてきた。その
文部省の指導行政のもとで今日下部の
教育委員会ではこのようなことが起こっている。どういうことですか、これ。
文部省が厳然としておれはこんなことは起こらないはずですよ。これは下部の
教育委員会の自主性にまかせますなどとは言えません。自主性にまかせるというなら、処分に対して内申書を待たずやれるなどということば言之れないはずですよ、自主性にまかせるなら。それほど自主性を尊重されるなら、もっともっと本気で尊重してもらいたい。これに対して行政指導を的確にやろうとするならやってもらいたい。この事実御存じですか、まず。
文部大臣御存じですか、これ。