○目黒今朝次郎君 時間がありませんが、これらの問題については見解をわれわれと若干異にするのでありますが、確かにいまハイタクの
現状そのままで問題点として摘出する点もなくはないと思っております。われわれとしてもその地域における最低の足を確保するために共同化であるとか、共同
企業体をつくるとか、そういうものをつくりながら、そこのタクシーとしての、私鉄、バスと違った意味での足の確保、そこに働く
労働者の条件をどう確保するか、そうして非常にタクシーの場合には刺激的な歩合制というのが多くの問題をかもし出して、これは
労働省も二・九通達で
指摘をしているところでありますから、そういう問題も含めて、ともに前向きにこの問題についても今後討論を進めていくという点で、この問題については時間の関係で
質問を打ち切ります。
最後に、
国鉄の関係にもう一回戻りまして、
運賃値上げの問題についてお伺いしたいと思うのであります。これは八月二十一日、
国鉄の監査
委員会から
監査報告がありまして、
赤字が四千五百四十四億、償却前でも二千二百二十四億、累積
赤字が昨年から四〇%ばかりプラスになって一兆五千九百五十五億と、こういう膨大な
赤字で、もう
国鉄の財政の危機というよりも崩壊の一歩前だという
指摘が監査
委員会から出ておるわけでありまして、その副題として、もう
運賃値上げについては自主決定をしてほしいとか、あるいは
合理化の問題についてはもっと強力にやってほしいとか、それから安全の問題についても努力すべきである、こういう幾つかの点があったわけであります。
私は、この監査
委員会がこういう報告を出しておる表面的な
現状については、これは否定する何ものもありませんから、これはこれとしてそれなりに
数字としては認めておるわけでありますが、しかし八月の二十二日ですか、この
監査報告を出した次の日、
財界の
調査機関である日本
経済調査協議会は一つの構想を発表いたしまして、
国鉄のローカル線約一万一千キロ、この問題については地方自治体に移管して、五年以内に自治体が受け入れなければ、それは廃止をするというような一つの構想を打ち出しておったり、あるいは
経済企画庁長官の研究機関である総合交通研究会というものが、ある中間答申を発表いたしまして、これは今後の交通体系はエネルギーの関係からいって車から
鉄道に移るべきであると、
鉄道集約型の交通体系に切りかえるべきであると、そのためには財政援助も含めて、
政府は思い切った手を打つべきであると、こういう構想などが発表されて、きわめて四面楚歌、はなばなしい議論がされておるわけであります。しかし、私はこの問題についてはいろいろ今後議論をするとしても、いろいろ今日まで
運賃問題が議論されてまいりましたが、ひとつ結論だけ申し上げたいのは、
国鉄の
運賃が閣議決定で凍結解除されて十月一日から上がると、こういう実情にあるわけですね、いまのところ。
〔
理事森中守義君退席、
委員長着席〕
で、私はこの問題については、もう
物価問題という観点と
国民生活の安定という点から、この凍結解除については再検討をしてもらいたいということを申し上げたいと思うのであります。
時間がありませんから……。ことしの一月以降、
医療費、五大ガス、
電力、大手私鉄、
国内航空、ずっと三割から四割引き続いて上がっておりまして、
一般物価のはね返りが約一・二、三%だと、こういわれておるわけであります。今後のことを
考えますと、いま言われた
消費者米価が十月一日から三二%、
国鉄関係が平均で二三%ないし四%ですか、それから地下鉄関係が、申請中で約三〇%、東京の
民営バスがこれも約三〇%、大阪瓦斯が五五・三六%、それから東京都営がこれも四十円から七十円に上がる。こういうことを見ますと、ほとんどこのとおり上がりますと、
経済企画庁の調べでは月平均二・六%程度は上がるだろうと、こう
経済企画庁は発表をしておるわけであります。
ところが、六月から七月にかけて一%上がるといった予報が、実際は二%強上がっておる。約倍ですね。だから二・六%というのは大体四%から五%上がるのじゃなかろうか、こういう予想をするわけです、
経済企画庁の見通しと実際の
物価の動向が。そうしますと、やっぱり
狂乱物価といわれた去年の十二月、今年の一月、二月の実数を調べてみますと、これは月平均ですよ、
狂乱物価の始まった十二月が三・六%、一月が四・四%、それから二月が三・四%、この
数字を見ますと、
狂乱物価といわれた十二月、一月、二月の月平均の伸びぐあいと、いま言った
米価、
国鉄などといった
経済企画庁の予報と実績を
考えますと、どうしてもこのままいくと第二の
狂乱物価が来る、来年を控えてなおさら。
いわゆる
公共料金の
政府主導型で再び
物価高がくるのじゃなかろうか、こんな予測をするのです、予測、予報。したがって、そういう点から
考えますと、私はいろんな諸
物価の中で、
公共料金の
物価の中で、
国鉄運賃だけが
国会が直接タッチできる
料金だと言っても過言ではないと思います、
国鉄運賃がですね。ですから、私は時間がありませんから、言いっぱなしになりますが、われわれとしては’そういう点から、
国民生活への
影響から
考えて、やはり凍結は解除しないでこのままいくべきだ。同時に、しかしそう言っても、全体の
物価政策からくる凍結のしわ寄せを
国鉄労使にだけにやるというのは酷でありますから、これは誤りでありますから、やはり
一般の
物価政策のために押えた、凍結をしている、俗に減収分があるわけですね、実際の減収分。この減収分については、私は
予算委員会なりあるいは
物価対策特別
委員会なりで議論を十分してもらって、たとえば今回の監査
委員会の報告書のイギリスの
物価政策に関する問題と
国鉄運賃の関係、一七七ページ、一七八ページから諸外国の
運賃料金制度というのがあります。ここにわざわざ親切に監査
委員会がつくってくれたんですから、これをずっと調べてみますと、やっぱりインフレで悩む
物価政策の段階では、たとえばイギリスの例で一九七二年は
物価政策による
運賃値上げの抑制が行なわれ、それによる減収分は特別法によって補償されたと、こうあるわけであります。
したがって、こういう問題などについてやっぱり
国鉄の財政について裏づけをするという高度な政治判断が必要じゃなかろうか、こんなふうに
考えて、そういうことを含めて、私はやはり凍結解除反対、したがって、そういうことをやりながら、
米価の問題今後来るいろいろな問題についての
物価の安定の方面に積極的な努力をしてもらいたいということを、時間が参りましたから言いっぱなしになりますが、一応見解として表明しておきます。以上です。