○安斉
説明員 お答えいたします。
沖繩におきます米軍
関係の事故でございますけれども、全般的に問題をお話し申し上げますと、四十七年の五月十五日に沖繩は復帰したわけでございます。それからことしの七月三十一日まで、二年半ばかりでございますけれども、この間に起きました事故がトータルで四千四百六十件でございます。これは復帰前、
昭和四十三年、四年、五年、六年という四年間の全体の平均に比べますと、月平均にいたしますと半分以下、四七%でございますが、半分以下に減っておるというのが事実でございます。
そこで、この復帰後の四千四百六十件、これの中身を見ますと、交通事故が八六%、それからその他のものが、刑事
関係と申しますか、それが一三%というようなことになります。したがいまして、大部分が交通事故であるということが言えます。
そこで、この事故が起こりましたときの
処理のしかたでございますけれども、事故が起こりますと、
警察なり市町村なりが直ちに発見をするわけでございますが、防衛施設庁のほうに
通報がありまして、係官も
現場に急行するということになります、ただ、わりあいに大きな
事件になりますと参りますけれども、
一般の交通事故の場合には
警察だけでお願いしているというのが事実でございます。
そうして、これの
処理でございますけれども、これを性質別に分けまして、公務上と公務外とに分けられるわけであります。公務上というのは、地位協定の合意がありまして、こういうものが公務であるというような合意があるわけでございますが、特別の場合は争いがありますけれども、通常は、これは公務である、公務外であるということはすぐにはっきりするわけでございます。
そうして、公務上になりますと、防衛施設庁としてはその
申請を受け付けまして、被害者とよく話し合った上で支払いになるわけですが、その間に米軍と十分話し合いをいたします。したがいまして、
一般の
国内的な事故の
処理よりは時間がかかると思いますが、通常は、公務上の場合、三ないし三カ月半ぐらいで平均的には
処理が済んでおります。ただ、特異なものはなかなか長引くというものがございます。
そのほか、公務外になりますと、これが非常に多いわけでございますが、先ほどの四千四百六十件を公務上と公務外に分けてみますと、公務上が九百八十九件、公務外が三千四百七十一件、こういうふうになります。したがいまして三対一ぐらいの率になるわけですが、公務上は九百八十九件、この復帰後の全体の中で、すでに解決しておりますのは七百三十五件ということでございます。
それから、公務外になりますと、これは先ほど申しましたように自動車の衝突とかいうようなことでございまして、示談といいますか、当事者間で話し合いがついてしまうというケースが多いので、施設庁のほうにはあがらないというケースがございます。
施設庁といたしましては、この事故につきましてはすべて手紙
——往復はがきでありますけれども、被害者側にこれを出しまして、
申請主義ですから、問題がありますならば
申請してくださいということで出しますが、返答のありますのが三〇%ぐらいしかない。
あとのものは来ない。ということは……(
稲葉(誠)
委員「どっちから来ないのですか」と呼ぶ)被害者側から返答が来ません。ということは、おそらく示談その他で解決されているのではないか、あるいは
申請をまだ出さないでいろいろ考えていらっしゃるか、そういう
状態ではなかろうかと思います。
そして、全体に申しますと、ただいま手持ち
案件の数は、
申請書が来ておりましてまだ解決してないとか、話し合い中というのが現在百十七件でございます。したがいまして、これはもちろん公務上も公務外もございますけれども、この百十七件についても
処理を進めております。先ほど申し上げましたように、大体三カ月ないし四カ月で終わるのですけれども、非常に特殊なものだけはだんだん
処理がたまっていってしまうという傾向にはございます。非常に長いもので、かなり昔のものが相変わらず解決しないというのが確かにたまっております。しかし、通常のものは三カ月ないし四カ月でケリがつくというのが現状でございます。
次に御質問の復帰前の
状態でございますけれども、御承知のように、いわゆる施政権下と申しますか、講和発効から復帰に至るまでの、
昭和二十七年の四月二十八日から
昭和四十七年の五月十四日までがいわゆる施政権下にあったわけでございます。この施政権下におきましてのこのような事故につきましては、いわゆる
外国人請求法というのがございます。この
外国人請求法によりまして米軍が
処理をしていたわけでございます。これによって大部分が
処理されていたということになるわけでございますけれども、なお不十分であると申しますか、却下をされたとかいうような
案件がございまして、琉球政府当時、琉球政府に
申請がありましたが、アメリカ側から却下をされて補償がなっていないんだというような
案件があるようでございます。私のほうの手持ちにはただいま琉球政府当時の資料があるわけですが、その資料につきまして施設庁といたしましてはこれを
調査をしまして、いずれは補償の方向に持っていくべきものは持っていくわけですが、はっきり申し上げまして、復帰前の人身事故
関係、財産
関係についてのいわゆる
請求権問題と申しますか、復帰協定の四条にあるわけでございますが、この
請求権問題につきましてはまだ国の中で
処理すべき所管がはっきりきまっておりません。当面防衛施設庁で
調査はする。しかし、
調査の結果に基づくこれの処置については、内閣審議室でいまどちらでやるかというような検討をしておるというのが実情でございます。