○有住
説明員 いまの御
質問に対して簡単に
お答え申し上げたいと思います。
いま
先生からもたいへん予報はよくなったというようなおことばを聞きまして、非常にうれしく思うのでございますが、私
どもといたしましては、誠意、予報精度をあげるために
努力いたしております。
いまコンピューターのお話も
先生からございましたけれ
ども、現在非常に大型のハイタックの八八〇〇、八七〇〇という機械が入りまして、ただいまそれを運用させていただいておりまして、いままでの予報に比べますと、非常にデータを豊富に使いまして、かついままで格子点と申しておりますが、天気図の上を碁盤のような目に分けて予報しておるわけでございますけれ
ども、その各点ごとの値を計算しては予報をするわけですが、その格子点の距離というのが従来は三百キロあまりでございましたが、それを今度大型の計算機を入れていただきまして、百五十キロのメッシュにしまして、そういうことで、雨域の予報などにつきましてもいままでよりは非常によくなったというふうにわれわれ考えております。
先生方の御支援のおかげでそういうコンピューターも整備されたわけでございます。ラージスケールのものにつきましてはそういう考え方をとっております。
それより少しこまかいスケールのものにつきましては、レーダー網を整備させていただいております。レーダー観測所というのは二十カ所現在ございまして、そのデータを利用するためにレーダー電送の電送網というものを整備させていただいております。四十九年度で大体機械のほうはつきまして、五十年度に人の問題が若干残っておりますけれ
ども、ほとんど整備さしていただいたような状態で、これにつきましても、二十カ所のレーダーの情報というものが、スケッチをし、コメントをつけた形のものが、テレファックスの形で各地台に配られまして、地方気象台でそれをもとにして予報を出させるようになっておりまして、その点でも非常に進歩したように思っております。
しかし、雨につきましては、さらにこまかい情報が必要でございますので、それにつきましては、現在
計画テスト中でございますけれ
ども、約九百カ所の地点につきまして自動的に観測いたしまして、それを東京にございます大型コンピューターに自動的にデータを集めまして、さらにそれを必要の地方気象台に配るというシステムがいまテスト中でございます。これが十一月一日からは正式に運用されます。それで、これも格段にわれわれにとっては役に立ちまして、テスト中でございますけれ
ども、非常に役に立つということがわれわれわかってきております。
さらに、五十年度におきましては、雨だけではなしに、気温、日照、風向、風速というようなものにつきましてもデータを集めたいということで、
計画を立てている次第でございます。
そういうものが入りますと、毎時ごとにデータが大型の東京の計算機に入りまして、それを自動的に集配信いたしますので、毎正時の二十分後にはデータが各地方気象台には集まるというふうになっております。
そういう
意味で警報、注意報等におきましても出しおくれのないよう
努力いたしておりますし、これからもよくなるというふうにわれわれ思っているわけでございます。警報、注意報はできるだけ早く出さないといけないわけでございますけれ
ども、技術的な諸問題その他がございまして、どうしても一日前とか半日前とかいうふうな速さでは出せないと私
ども考えております。ですけれ
ども、できるだけ早くしたいということで
努力はいたしておるわけでございます。
それから、非常に大きなスケールのものにつきましては、静止気象衛星というものを五十一年度には打ち上げたい。これは財政的な諸問題もございますので問題はいろいろございますけれ
ども、
計画といたしましては五十一年度には打ち上げたい。これは地球からは三万六千キロの距離にございますが、静止しておりますので、地球と同じ速度で自転しておりますので、地球上から見ますと静止していることになりまして、そこから常時日本付近の気象
状況を監視いたしまして、その写真を地上に送ってくる。これが入りますと、
台風の移動その他が時々刻々つかめるというので、将来においては、さらにこれが有努な武器になるだろうと私
ども考えております。
そういうようなことで、スケールの非常に大きなことから小さいものまで、鋭意、警報、注意報を出しおくれないよう出すように
努力いたしております。よろしく
お願いいたしたいと思います。