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田口委員 では、今後検討してい
ただくために、私はいろんな具体的な数字を持っておるのですが、ひとつ
代表的な例だけを申し上げたいと思います。
確かに
公害裁判で、
四日市以外にも水俣病であるとか、イタイイタイ病であるとか、その他ございます。ところが、いまおっしゃったように全損書をてん補をするという意味合いからいった場合に、
四日市の
公害判決は多少、多少というよりも相当趣を異にしておるのじゃないか。そういったところから私は一人の、具体的な名前はあげませんけれ
ども、裁判の
関係で七人いま存命中なんですが、そのうちの一人で、四十九年に八十歳になる方がみえるわけですね。御存じのように、あの
四日市判決は、就労可能年数を六十三歳として押えておりますから、この八十歳の方については、もう就労可能年数というのは、以降全くない、ゼロということになるわけであります。そこで、本法の障害補償の金額、それからこれも御存じだと思うのですが、
四日市で
協力財団をつくりまして従来支給をしておりましたけれ
ども、そういった金額を勘案いたしますと、同じ
四日市の磯津という狭い地区に住んでおる同年輩の方がみえるのですが、裁判の患者のこの八十歳の方は
昭和五十年度になればもうゼロになってしまう、三割という、ランクが一番下になっておりますから。ところが、同じ年齢の方が、今度発足いたしましたから月額三万九千六百五十円相当額を障害補償費としてもらう、こういう矛盾があるわけですね、同じ狭い
地域内で。
こういった
考えから、私はもう時関の
関係でこまかい数字はやめますけれ
ども、大ざっぱに言いますと、裁判の患者の場合にはあの判決の趣旨からいって、当時の賃金計算ですか、その金額によって年代ごとに数字をはじき出しておりますから、当然に今度の施行令にうたっておる障害給付の金額、それとの差というものが出てくる。たとえば七千円程度の差が出てくる人も四、五人おるのですけれ
ども、そういった差というものも、九月一日から当然にその差額だけ埋めていく、こういった
考え方も
一つできるだろうと思います。ところが自主交渉の場合には、計算の方式はつかみ金的な性格も一部あるものですから、さらに財団で救済をされた多くの方については、九月一日以前の分ももらっております。
そうすると、この法律を厳格に施行した場合、てん補されたんだから、裁判のほうは、十三条の解釈は前向きに検討するとおっしゃってはおるのですけれ
ども、もし厳格にやっていこうとするならば、財団からもらった人、自主交渉の問題については——よく私は公務員給与の
関係で、定期昇給延伸方式ですね、前に百万なり二百万なりもらっておったのですから、その金額を今度の障害給付が毎月毎月支給されるものとして、百万を費消してしまった時点で新たに——スライドは別ですよ。スライドは一応別として、その時点から障害給付をする、こういうことも
考えられるでしょうけれ
ども、この七名の判決の患者については、賃金政策で毎年毎年の金額をはじき出して逸失利益を出しておる
関係上、今日の障害補償の金額とその差を埋めていくといった二段がまえということにもなってくる、こういう計算が成り立つわけでありますので、どうかいま
局長がおっしゃったように、前向きで検討する、それをひとつ早い時期に
結論を出してもらいたい、こういうことを最後に申し上げたいと思います。
この機会に、もう時間が参りましたから二点だけ要望しておきたいのですが、これも昨年の本
委員会の審査の際に公述人が二度にわたって参りまして、
四日市に隣接をする楠町というところがあるのですが、そこはもらい
公害というような表現をしておりますけれ
ども、これは今度の施行令で指定区域から漏れております。
地元のほうでは一体どうなったんだという懸念をしておりますが、時間的な
関係もあったのだろうとは推察をいたしますけれ
ども、こういった隣接区域の指定区域への組み入れば一体どのようなことになっておるのか、これが
一つ。
それからもう
一つは、先般国政
調査でおいでになった際に、もう時間がないからあれしますが、
四日市単独で救済しておった者が二十二名いたわけであります。この内訳は、特別措置法、旧法に準じて市がやっておった患者ですね。その二十二名のうちで先般八名だけ本法のほうに移したということを聞いたのですが、残った十四名については、幸いといいますか、なお
協力財団が存続をしておりますので、そのほうで救済をしていくやに聞いておるのですが、財団のことでありますので、法律ができたらもうわしのところは
関係がないのだと言いかねません。そういう意味合いから、本法に乗らない市単独救済患者についても、この財団のほうで引き続きやっていくような指導というものを
環境庁のほうからやってもらいたいということを要望いたしますが、その点についてのお
考えを承って
質問を終わりたいと思います。