○沖本
委員 海員
組合のほうでも、「外国人船員が日本国旗を掲げる船に乗り込んでいるのは
海上運送法でも認めてある。裸で外国に貸して、再び日本の
船主なり業主なりに用船しているが
運輸省でもこの実態をつかんでいない。」こういう
指摘も、海員
組合から出している「船員しんぶん」という中に討論という形で出ておるわけですけれ
ども、そういう点、先ほど申し上げたとおりですから、あらためて海員
組合の
意見もよく聞いて、こういう問題に対する対処をしていっていただきたい、こういうふうに
考えたいわけです。
それから、
東京湾で
事故が起きたわけですけれ
ども、すでに水島でも大型船が入るのは、船腹ばいというふうな状態の中で水路を渡って、危険が一ぱいだという
事情もあるわけです。港湾
局長さんは、こういう問題に対して、だんだんと臨海工事地帯の造成なり何なりというものに対して、これからはもっとやっていきたいというようなお話が先ほどあったわけですけれ
ども、たとえば、
東京の埋め立て地が、最も泊地に近いところを埋めてしまっておる。船には非常に都合の悪いような内容で、いま埋め立てが進められておるというふうな現状だということもあるわけなんですね。そういう点で、この問題ももう
一つ検討してもらわなければならないし、海上
交通法ができたからといって、ずいぶん検討されてこの
法律はでき上がっていったわけなんですけれ
ども、こういう問題が起きてみると、もっと検討しなければならない、こういうことになりますので、
運輸省のほうとしては、これを機会に洗いざらい問題を検討していただいて、港がだんだん狭くなっていくというふうな現状に合わせてやっていただきたいと
考えるわけです。
これはあとで次官に、これからの所信を伺いたいと思いますが、同時に、先ほ
ども消防艇のお話が出たんですけれ
ども、私は以前から、この問題やかましく申し上げているはずなんです。「ひりゅう」
一つしかないというのはけしからぬということもすでに申し上げて、来年か再来年もう一隻できますと、こういうことなんですが、先ほ
ども御
指摘があったとおりに、たとえば堺でバルブの締め忘れからオイルがブローしてしまって火災になったというときには、大阪の消防艇がかけつけて消火に当たって、堺の臨海工業地帯には一切そういうものはなかったという現実があるわけです。
その辺に消防庁と
海上保安庁との守備
範囲ですか、そういうものの食い違いがあるのかということになってくるんじゃないかと思うのですけれ
ども、海上のいろいろな
災害に対しては、それにあうような船は、お互いに共同し合って防止に当たっていくという、ぴしっとした慣行があるわけなんですね、台風が来たりしたら、タグボートも出ていって同じように働いて船の安全をはかっていくというようなこともあるし、港はできるだけ協力して船をつないで、しけから守るというようなこともあるわけなんですけれ
ども、そういうふうな内容から
考えていくと、この港の中で起きる
事故あるいはそれに近いところで起きるいろいろな船の
災害に対しての防災というものが全くしり抜けじゃないかと、こういうふうに
考えられます。
そして、これだけ科学的な船ができて現実にこれだけの大
災害が起きたわけなんですけれ
ども、写真なんかで見ると、たくさんの船が行って消火には当たっておりますけれ
ども、その守備
範囲なりが
海上保安庁だけにとどまっておるという点に、まだ大きな問題がたくさん残っていると思うのです。ですから、化学消防艇ももっと十分
準備しなければならないし、いろいろな条件の
災害に合うような防災体制を海の上でもつくってもらわなければならない、こういうふうに
考えます。これはLPGのタンカーが起こした
事故で、燃えてしまえばそれなりだということで、幸いに炎なり
災害が飛び火しないような状態に守れたわけですけれ
ども、大型タンカーで、もっと原油を積んでおるとか、あるいは
重油を積んであるとか、あるいはクリーンであるとかいうような場合に及ぼしてくる
災害というものは、もっとその
範囲が広がっていって、そして思いもしないところに
事故を起こすという危険性が十分あるわけなんです。
そういうものに対するきちっとした防災体制というものが、あるいは防災体制というものに対して具体的な内容のものが整っていないことも、これまた現実の事実なんです。そういう点について、昔から盛んにこういわれるんですね、
事故が起きたあとで大騒ぎやっていると。天災か人災かということが議論されるわけですけれ
ども、これは全くそういう点がまた大きく問題になるおそれが十分あるわけです。おそれておったことが起きたということができているわけなんですから、そういう点についてどういうふうな
対策をお
考えなのか、これは海上と陸上から、両方からお
考えいただきたいと思うのです。