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藤井説明員 お答えします。
もう十年たっておりますので、十年もたったら少し老化したじゃないか、きわめて常識的にはそういうことが言えるのですけれ
ども、十年たったら一体どういう形になって老化したとおっしゃるのかということになりますと、
車両のごときは、毎度申し上げますけれ
ども、足回りとか何とかの減るところは取りかえていっているし、神経系統のごときものは異常があればすぐ取りかえる、異常が起こりそうなものは取りかえるというようなことで、おまえそういばっているけれ
ども、しばしば
列車はとまって
お客さんに迷惑をかけているじゃないかということに対しては、言いわけができないのでございますけれ
ども、それは毎度申し上げているように、
新幹線は二百キロの
ハイスピードで走っておりますので、それが直ちに
事故に発展しないにしても、異常があったらまずとめる、そしてその異常がどういう異常かをさがして直して走らすというたてまえをとっております。これが現在線のようなシステムになっておれば、おそらくまたとまった
新幹線ということには決してならないで、あの半分もとまらないと思います。そんなようなことなんだが、
ハイスピードだからやはりとめて調べるということになります。
それから、この間の十二旧の
事故は、これはわれわれがATCというものは確実なものであるというふうに
考え、あれにしたものが確実じゃなかったということで、これは私
どもも非常に驚きまして、一昼夜半くらいあらゆる
技術陣を動員して調べて、再現試験をやってその原因をつかんで、その
対策を打って、二度と再びこういう同種の
事故は起こらぬようにした。あくる日も、何かしらん機器、メインの変圧器と称するものが割れまして、それが爆発して
架線の電流を切った。異常が起こったから電流が切れた。これは
事故があったら電流を切ることになっていますから、それで
列車がとまるという
事故です。
それから、最後に
先生が御
指摘になった、またどこかでレールが折れた、こう申しますが、これは午前中も御
説明申し上げたのだが、テルミットというものが最初は使われて、これは折れやすいから添え木をやっているのだが、それがまた折れた。そうしますとレールが離れるので、赤信号が出て
列車をとめる、こういうことになっておるので、とまったことはけしからぬのだけれ
ども、
考えようによっては、それによってそこを走ったら起こったかもしれぬ
事故を防げましたということも言える。しかし、レールの折れたのは、添え木も入っておりますので、赤信号なんか実は要らぬおせっかいかもしらぬけれ
ども、信号電流が走っているのでとにかく
列車をとめるということになっております。こう言うと、
事故ばかり起こしておまえ一向
心配しておらぬじゃないかということになりますが、本質的なこの間の十二日のごとき
事故、こういうものはぜがひでも、昼夜兼行で解決した。鳥飼でもやっているじゃないかとおっしゃいますが、
事故の信号電流の記録なんかもちゃんとあって、これも当時の、私はいなかったのですけれ
ども、技師長を団長にして、
技術陣を動員して調べましたら、これはATCそのものの
事故じゃなくて、レールの摩耗を防ぐために油を塗ってあった、ATCがきいて車輪をとめたのだけれ
ども、車輪がとまったままですべっていった、したがって脱線したということが、これが九〇%くらい正しい。ということになって、これは私
どもはそう
心配しなかったのだが、この間の
事故だけはまことに申しわけないと思って根治をした。こういうことは申し上げられます。