○渡辺(武)委員 おっしゃっておるように、確かに質的な向上をはからなければいかぬということも
一つの課題でしょう。だからそういう質的な向上をはかる、ことばで言えば居住水準の向上ということになるのかもしれませんが、そういうことを
考えれば
考えるほど、むしろこのアップの金額というのは建設
単価の上昇に見合う
程度になってしまうのではないか、何も質的向上なんというのははかられないのではないかと言うことができる。そのままの状態で落ちついておって、そして一挙に四五%アップさせたということであれば、ああこれは質的向上をはかったなと思うわけですけれ
ども、もともとが低い融
資金額で非常に
物価の
高騰が続いておる、そういう中でさらに国民的
要望である質的な向上というものを念頭に置いて
考えていった場合に、はたして四五%アップでこと足りるかどうかということになりますとたいへんに疑問が出てくる。これは
物価上昇分だけで見たって
相当な上昇をしているわけですからね。そうすると、そこへ質的な向上分を入れられるかどうかすら疑問になる、ましてや全体の建築費の三〇%ないし四〇%というものを法律が示しておるような八〇%近くまで持っていこうとする
努力があれば、これはもう全然
お話にならない金額になってしまう、こういうことでございますから、苦しいことはわかるわけですけれ
ども、やはりそこにはもう少し積極的な姿勢があってしかるべきではないであろうか。もう
大臣の三代ぐらい前の
大臣も、当時口約束では
相当な金額を言っておられたのですよ。ところが、今回
要求金額だけを見てみましても、そういう過去の経過から見るとたいへん低いのではないか。その中でほんとうの姿勢転換がなされるだろうか、こういう疑問を持ったものですから、その基本的な認識をお聞きをしたわけですが、いずれにいたしましても、国民的
要望の非常に強い
ワクでありますし、特にいまの社会
情勢の中では、他の
住宅ローンというのはたいへん高い
金利になっております。したがって、この
住宅金融公庫の融資というものが非常に重視をされて、この窓口に殺到しておるという事実であろうと私は思います。きょうの
新聞を見ますと、
大蔵省がある
程度財投の
ワクを広げようという決意をしたということでございますが、そうなりますと、すぐに総
需要抑制の観点からどうかという論議が巻き起こっておるようでございますが、まあ少々ぐらいの、実際の国民的
要望を満たすために
住宅金融公庫の
財投の融資の
ワクを広げたからといって、直ちにそれが総
需要抑制政策に影響を及ぼす
程度のものではなかろう、私はこう
考えておるわけでございますから、その辺もう少し積極的にお取り組みを願いたい、かように
考えるわけでございます。
それから次の問題に移りたいと思いますが、最近、石油ショック以来の狂乱
物価時代から、たいへんに建設業界そのものが深刻な状態になっておりまして、特に中小企業は倒産寸前にあると言っても過言ではない、こう
考えるわけですが、実際の状態を見てまいりますと、たとえば、住宅
計画等を見ましても、第二期住宅建設五カ年
計画の中では、いわば
民間自力建設に依存することが六〇%にも及んでおるわけですから、
現実の建築業者というものの困窮度というものは直ちにやはり国民生活に非常に大きな影響を及ぼしておる、こう私
どもは見ておるわけですが、現状の中小零細企業である建設業者の
実態というものを
建設省としてはどのように把握をしていらっしゃるのでございましょうか。