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滝沢説明員 お尋ねの件は二つの問題に分かれるわけでございますが、当面、
注射薬が
原因であるということであれば、医療の中において小児の
注射に対する
考え方を何か
指示できないか、こういうお考え、あるいはそれを行政的な面からできないか。
これにつきましては、
医師会という
医師団体が、
全国の
医師のすべてをカバーしておるわけじゃございませんけれども、それの
組織を通じて、ともかく
注射を乱用することを避けなさい、それから、
注射部位についても注意を具体的に
指示いたしておるわけでございます。この点については、過去に行政的に、医療
内容について何か具体的に
指示した例というものを、われわれも実は
国会等でも御質問を受けますし、
先生からも御
指摘がございましたので、この
段階で
子供の
注射の具体的な
指示を行政的にやるべきであるかどうか、やるとしたらどのような
内容を盛るべきであるかという——これは
一般論として、
子供の
注射を打つなというような
指示は、個々の
ケースごとに判断して
医師が
患者に対して医療を施している、その
医師のたてまえから申しますと、よほど具体的な
内容が把握できない限り、
一般的な意味の注意というようなことは、結局、個々の
医師が個々の
患者の病状に応じて処置していることであって、
一般的にただ、
子供に
注射を打つのはやめなさいというような
関係は、行政
措置としては非常にむずかしい。
過去にペニシリンについてショックの問題が起こりました。そして、ペニシリンを
注射するときには、これは過去に打っている人はいいのでございますが、打った
経験のない人にはまず少量を皮内に打って、その反応を見た上で、そしてペニシリンの
注射を
使いなさい。これにはかなりこまかい
指示内容が学問的に確立されておりましたので、このような
内容の通知を出しております。
そのほか、これは非常に特殊な例でございますけれども、新潟県でツツガムシ病を使って精神病
患者の治療をするという、やや人体実験的な傾向の問題がございまして、こういうことに対して、当時やはり注意を促すという処置はいたしております。それから、ストロンチウム九〇というような放射性のものに対しても具体的な
指示をした例がございます。
したがいまして、われわれとしても、ただいま
研究班が
検討いただいていることの中から、具体的に
指示できるような
内容が共通
事項として把握できますならば、行政としてこれを取り上げて、
一般医師の守るべき注意として通知を出すことについてはできるのじゃなかろうか、また、そうするべき
段階が来るかもしれないという判断は持っておりますが、基本的にやはり医療の問題は個々の判断にございますので、このような場合はやめ、このような場合はやりなさいというようなことは、具体的には行政上の
措置としては困難でございます。しかしながら、現在の各
医師のお考えの中に、このように
大腿四頭筋が世上問題になり、
医師会雑誌その他で
医師会員としての通知が及んでおりますので、おそらくそれぞれの
医師のこの問題についての判断は、従来とは変わってものの判断が行なわれておるものと期待するわけでございますので、行政の立場からは、個々に具体的な
ケースの対応のしかたについての
指示は、
研究班の
検討の結果を待って、それに該当するような
内容を盛り込めるという判断が出てまいりましたら
措置いたしたいということで、この点については、現状のところ、行政
措置としての通知を出すことについては
研究班の
内容によって判断したいというふうに考えております。
それから、
手術の問題について差し迫って確かに問題があるわけでございまして、
先生御
指摘のように、切断というような行為によっても必ずしも——一時は回復することがあるようでございますが、この前の合同
研究班の
共同発表の場で、私も一日その
内容をお聞きいたしましたが、非常に
手術の問題についての判断はむずかしいようでございます。そして、現状においての一定した
見解はございません。医療の中身でございますから、確かに個々の病状による判断あるいは年齢の時期、こういうものについての従来の
医師の判断によって
手術等が行なわれておりますけれども、われわれが期待するのは、かりに
手術をするような場合についてはどのような年齢の時期を選ぶか、それからその後のリハビリテーション的な訓練をどうするか、それから、そのような
ケースが成長した
段階において再び
手術を必要とする場合も総合的に含めて判断するというようなことに対して、一定の標準的な考えが御答申いただければ、これを受けて、至急、先ほどの問題ともあわせまして、学
会等を通じ、また行政
措置を通じまして処置いたしたいというふうに思っておるのでございまして、現状において断定的なお答えができないのは、このような事柄の
性格と医療
内容からいって、非常に私としても残念でございますけれども、現状では、日常医療行為が行なわれ、あるいは
手術をどうするかという親の不安、こういうものにどうこたえるかというところに非常に
問題点をかかえてはおりますけれども、
一般的には
手術は、
専門家の御
意見では、あまり急ぐということをせずに、やはり年齢その他の問題を考慮して考えるというような、
一般的な標準については御答申がいただけるものと期待いたしておるわけでございまして、なるべく早く、そのような標準的な考えがまとまれば出したいというふうに思っております。