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金子(満)
委員 ですから、いまないということは約束になっているというんなら、なぜないと言えないのですかと。
アメリカが、あるかないかその存在を言えないということは、持ち込みが可能である地域について言えることであって、
日本には持ち込みができないんだということになっているんだったら、あそこへは持ち込んでいませんとなぜ言えない。これは、
アメリカ政府が約束を守っていないという何よりの証拠だと私は思うのです。
アメリカに、言ってみなさい、
日本に持ってきていないのかいるのか、言ってみなさい、いや、秘密だから言えません、秘密だから言えないといったって、沖繩から全部取っ払うとロジャーズさんが前に言ったじゃないか、そうして本土並みと言っただろう、それじゃ
日本全土に
核兵器がないということになるんじゃないか、これはわが政府に対する約束だから何で言えないんだと。どうしてこれが言えないのか。
アメリカに事核については指一本さすことができないような情けない状態が、いまここに生まれていると私は思うのです。
そういう点で、もう
一つ、ついでにこれは明らかにしておきたいと思うのです。これを
大臣のところへちょっと渡してください。
これは沖繩の
核兵器における事故の問題です。これは一九六九年と七〇年の二カ年間に起こったものです。もちろん復帰前です。しかし、それを見ると、これは
アメリカの第三一三師団が、嘉手納基地ですが、要員の
核兵器の取り扱いについての安全のためにつくったスライドですよ。このスライドの中では、嘉手納の第一八戦術戦闘航空団と、いま申し上げた四〇〇弾薬整備部隊、それから当時那覇にいた第五一戦闘迎撃航空団に、核安全の部門を持った部隊がそこにいたわけですから、それに対する教育でやったものです。この二年間に起こった
核兵器の事故が全部ここにしるされています。
参考までですが、その
内容を言えば、事故は
核兵器の場合には三つに分類されている。
一つはブロークンアロー、これは折れた矢と訳しますが、ここにはBAというのが書いてありません。この事故は、核爆発や広域の放射能汚染を含む重大な事故であります。これは起こったらたいへんなことになるわけですね。その二番目は、ベントスピア、これはBS、曲がったやりということですが、これはそこの空軍で修理ができないもの、
アメリカの原子力
委員会による核弾頭の安全点検の必要を求めるもの、こういう重大な事故です。これはこの表の中にありますBSというところです。これは六九年には嘉手納で五件起きています。七〇年には二件起きています。それから、三番目がダルソード、DS、にぶった剣ということですが、それ以外の事故。これはここに書いてある数字が出ておるわけですが、とにかく二年間で九十一件の核事故ですよ。二年間で九十一件となると、平均すれば八日に一ぺんずつです。しかも二番目の大きな核事故というのが七件も起きている。これが沖繩で現実に起きていた、復帰の直前までですよ。そうして、復帰後もこの部隊がいるというのをさっき私が申し上げたんです。そうして、核の点検をやっているというのですから。
こういうことになりますと、私は事は、
木村外務大臣は点検する、また
調査する意思はないということをきっぱり言われるのですけれ
ども、さきの部隊の問題にしろ、この核事故、その後の問題にしろ、もう知らない、存ぜない、手がつけられないということでは済まなくなっているのです。だからこそ、私はあえてこういうことを言うつもりはないけれ
ども、長崎も、そうして神奈川も、保守党の県知事すら寄港は拒否するんですよ。市長さんもやるんですよ。こういう事態が出てきているのです。これは
国民的な重大な関心事だ。こういう点で、私は政府がやらなくてもこれは要求しますよ。徹底してこれは
調査をし、核がないということをあなた方がおっしゃるのなら、天下に向かってしかじかでないということを言わなければ、
アメリカ政府信頼論だけで、ほんとうにこれは神がかり的に
アメリカのことを言っていても事態の解決はできないんだ、こういうことを申し上げたいと思うのです。
そこで、いままで
アメリカの
艦艇が核を積んでいるかいないかということでチェックをしたことがあるかどうか、問い合わせたことがあるかどうか、それから航空機の場合それをやったことがあるかどうか、この点をお伺いしたいと思うのです。