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堂森委員 戦後、憲法上
日本に
核兵器は置ける、置いてもいいんだ、こういう
発言をかつて岸総理がいたしました。その後、これは政策上はしないが理論的にはできる、こういうふうに変えられました。それからまた、私いまでも覚えておるんですが、自衛隊が発足した当時鳩山総理が、
アメリカの
核兵器を
日本に置くことはやむを得ぬだろう、こういう
発言をされて大問題になりました。これは
国会での
発言じゃないんです。外国記者団との会見の席上で鳩山さんが言われたんです。その後これが
国会で問題になって、たしか予算
委員会であったと思うのですが、これを取り消されるような事態もあったのであります。その後、六〇年安保のあの改定の
国会等において、岸総理とアイゼンハワーとの共同声明、あるいはその後の
沖繩返還のときの佐藤・ニクソン共同声明、あるいは福田
外務大臣へのロジャーズ国務
長官からの書簡等において、
事前協議がいろいろと重要なもので、この
事前協議の制度によって
日本に核の入ってくることをチェックする、これが歯どめ役になる、こういう
説明が
国会で公式の席で絶えずなされてきたのであります。
そこで、当時安保
国会の一番大きな題目の
一つ、中心課題であったのは、やっぱり核の装備の問題、それから
事前協議の問題等について、野党の議員、特にわれわれの同僚の党の
委員諸君からいろんな重要な
発言がされてきました。たとえば
事前協議で核装備についての申し入れがあったときにはどうする。すると藤山
外務大臣は、そのときはノーと言います、本来
事前協議というのはイエスもノーもある、しかし核装備についてはノーと言っていくのだ、こう言っておられます。いろいろいきさつはありました。しかし査察をする権利は
日本側にあるのか。たしか横路節雄君であったかと思うのであります。それはないのだ、こう総理
大臣は答えておられる。まあ
アメリカ側の態度に信頼して
アメリカ政府を信用していくのだ、こういう答弁であったと思うのでありますが、今度の
ラロック氏の
証言というものを契機として、ある
意味では
事前協議の制度というものが
ほんとうに空洞化したものだということがやっぱりあらわれてきた
一つの大きな問題点だ、こういうふうに私は
考えるのであります。
今度の
ラロック証言に起因して
日本政府からいろいろ安川大使に訓令をされ、
アメリカ政府と交渉をされ、そして
アメリカ政府のああいうような十二日の返答になった。あの返答は直接
アメリカの
核兵器は
日本に入ってないのだということを何も証明していないと思うのであります。ただ、従来こういうふうにこういうふうにというような、私がさっき申しましたようなことを順序を変えて羅列しておるだけで、入ってないのだ、こういうことは全然言ってない。しかも、
ラロック氏の一私人の
証言であると、
アメリカの権威ある
国会の
委員会で
証言したことをあたかも信用できない——そうは書いておりませんが、そういうふうな
表現が使われておる。これに対して
外務大臣はどういうふうにお
考えでありますか、もう一ぺん伺っておきたい、こう思います。