○米内山
委員 さっきあなたは、あなたの党派の
委員の方に少し文句つけていたようだが、私はあなたと党は違うから、同じ仲間じゃないと思うから、少し気にさわることを言ってもあまり腹を立てないでくださいよ。別にひやかすわけじゃない。
この間四日の日に、私は
青森県の地元代議士としてあなたに若干の申し入れをした。そのとき私は、今度の放射能を一番強く浴びたのは
大臣でしょうと言ったら、あなた頭をかいていた。私はその次に、危険なのは放射能じゃなくていまの原子力行政じゃないか、こう申し上げた。いまも同じです。と申しますのは、
原因はわからないとおっしゃるけれ
ども、私から見るとこの因果関係はきわめて明らかだ。
科学以前のものだ。先ほどから
専門家とかそういう人たちの話を聞いていると、きわめて独断が多い。独断です。信念を強調される。まるでいたこか山伏の話を聞いているようだ。どこにも
科学的な根拠がない。
特にこっけいなのは、
大臣もおっしゃるし、これは
青森県
知事も同じことを言っておりますよ。警報装置があるから安全だ、こう言う。こっけいですよ、この問題については。半鐘があるから火事がないということとやや同じです。ついこの間も
情報が
東京へ伝わった。
事故の起きたことは重大だとあなたが発表したその時間に、
青森県
知事は、ブザーの故障もあると言う、ないとは言われないからなと、こういう話だ。火事だと人が騒いでいるときに、半鐘の故障かもしれないというのは、これはばか殿さまの言うことだ。こういう意味で独断が多過ぎるし、おかしい。
第一番に、あなたはこの間、
新聞の
報道だけれ
ども、はっきりこの「
むつ」の
安全性を疑う者は現代
科学に対する挑戦者だ、こう言う。なかなかいいことをおっしゃる。りっぱな
政治家だと思いましたよ。しかし、いまとなって
考えるのは、あなたのあの
考え方は
科学に対する冒涜であり、住民、県民に対する挑発だ、挑戦だと思います。間違いない。その結果あなたがいま苦しんでいる。この人道問題を、こうやってこうやりますと言えないのはそのためなんだ。これはあなたの
責任が大きい。あなたは
政治家だから、もう
責任をとることは腹にきまっているだろうと思う。顔つきを見てもそうだ。すてばち的なところを聞いてもそうだ。
そこで、私はこのいきさつを申し上げましょう。先ほど
むつの市長さんが、いまとなっては私は「
むつ」のシンパだ、こう言った。これは、われわれは
科学技術に対しては、シンパどころか積極的な推進者なんです。だからといって、いまの
原子力船の
事業団とか
科学技術庁のシンパにはなり得ないのです。「
むつ」の乗り組み員は大
部分は
むつの市民だから、市長さんは人道上の
立場からそう
考えるのは、これは責務なんですよ。
そこで、あなた方の
原子力船開発の一つのいきさつの中で、五、六年も前でしょうか、
むつに
定係港が設定されようとしたとき、われわれはこれに反対運動を起こした。そのときに
科学者と称する者、有名な男ですよ。南極探検隊の隊長をやったというのが
事業団の
理事。そうして
青森へ行って地方紙にわざわざ寄稿して、この原子力の開発に反対するのは火をおそれた野獣のごときものだと、こういうことなんです。私は実に驚いた。結局、いきさつを見ればそこからきているのです。結局独断、非常に非
科学的な態度で
科学の運用をしてきていることがこの結果なんです。それと口裏を合わせたように、あなたがこの間そう言うたということが
新聞に出たものだから、こういう
事故の起きるのは当然じゃないかと思った。問題はその辺にあるのじゃないですか。(
森山国務大臣「どの辺よ」と呼ぶ)結局、ものの出発点の
考え方ですよ。(
森山国務大臣「わからぬな」と呼ぶ)独断ですよ。われわれ野獣でないことは明らかになったでしょう。この危険性に反対したのは証明された。あなた方が野獣になったと同じなんです。とてもこれじゃ気違いに刃物だと思うのです。正気のさたじゃないと思う。
だから、いまの
原子炉を分解して
安全審査をやるという市長さんの
意見は、これは
技術の問題。政治の問題ならば、
原子力委員会、
安全審査会、
科学技術庁の
原子力局、
事業団、これの
安全審査をやりなさいよ。これの
安全審査から始める。その
審査を受ける前に坊主になったらどうだい。
責任をとったらいいじゃないか。言いのがればかりしてますよ。
あとで速記録を見て、いつか機会があったら――別に一々はことばじりをとらえるつもりはないけれ
ども、いたこか山伏の話を聞いているようだ。信念に基づいて言っておるだけだ。
責任のがれで言っておるだけだ。こういうことじゃ
青森県民を説得できるものじゃない。だから、この
技術の問題も重要だが、人をばかにしたように、人の気持ちをさかなでするようにするから、たった四組合が全組合になり全県になったのじゃないですか。
あなたは、そういう意味でわれわれに対しては反面教師だ。反面教師ですよ。私は
科学技術なんというのはむずかしいことだと実は
考えておったのです。ところが、握りめしに硼酸まぜて放射能を防ぐというから、それならおれでもこれから勉強すれば役に立つ。おかげで
青森県民は
科学技術というものを、
科学技術行政は原子力よりもおっかないものだということをみんな覚えた。あなた、われわれに対してはたいした恩人みたいなものだ。ぼくはここにこの問題の出発点があると思うのですよ。
だから、高度な位置にある
科学者というものは、特にこの原子力などに携わる
科学者というものは
考えてもらいたい。ノミの研究の
科学も
科学だが、原子力とか宇宙開発というものは、間違えば人類の運命にまで及ぶものです。これが独断や山伏みたいな信念でやられたのじゃ、これはまさに危険、気違いに刃物といわざるを得ない。もう少し謙虚でなければいかぬ。目的は産業のためなのか、目的は
国民、人類のためなのかということを
考えれば、謙虚にならざるを得ないのです。そうすれば危険も未然に防げるのです。この
責任の問題を聞きたい。
先ほど、何割が輸入
技術かと言ったら、金目で二〇%弱だ、こうおっしゃるが、
科学技術というものはそんなに簡単に金で割り切るわけにいかない。そこで
原子力局長、
あとで答えなさい。システムは、日本ないしは三菱で開発したものだ。問題はシステムの問題でしょう。それからこれは金を払ったはずだ。
国民の税金を払ったはずだ。どうしますか。これは欠陥車なんだよ。インチキなんだよ。自動車だって、そういう故障があれが回収する。欠陥車として回収する。テレビを買うときでも、洗たく機を買うときでも、秋葉原へ行って、みんな見て選択して買う。これには選択の自由のない取引がある。これは欠陥車、インチキを買ったんです。この始末をどうしますか。これは会計法上の問題もあると思うのです。ああいうものを見てもわからないのが合格だというなら、見る資格がないでしょう。わからなかったということはもうたいへんなことなんです。欠陥を知っておったがと言えば、
責任問題が出ます。知っておって
原子炉を載せて出港したら、
責任は直接的だが、それがわからなかったというのはもっとひどいでしょう。それがわからなかった、予見できなかったということはもっと重大な
責任です。この点を含めて、それぞれから
お答え願いたい。