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美濃委員 そこで、片や
生産費のほうは、これは近く
統計情報部のほうから出なければわかりませんが、四十七年が十アール当たり大体百六十二・九時間ですね。ですから、四十八年もまだはっきり公表はされませんが、大体百六十三時間か四時間、この範囲のものであろう。機械化もされていないし、あのまま放置されておるわけですから、ほとんど変わっていないだろう、時間短縮は。これは
沖繩、奄美大島全部込みで申し上げておりますが、百六十三時間と出るのか四時間と出るのか、大体この辺だろうと見ております。
それから生産経費については、公表されていない。全く私の推定ですが、家族労働費を除いた十アール当たり生産経費は三〇%パリティで計算すれば一万六千六百二十四円、四〇%パリティで計算すれば一万七千九百三円ということになると思います。この辺が、あすあたり出るんですが、これは私の全く推定ですけれ
ども、
生産費であろう、こういうふうに見ております。家族労賃を除いてです。それを基礎に置いて、そして十九万一千三百四十一円という糖価は間違いなく計算されるわけです。
これは、きょう私の時間は二十分間ですから、時間がないから別に答弁は要りませんが、けさ宿舎から自動車に乗ったら、ハイヤーの運転手が言っておりました。
政府の末端指示
価格があまりきつ過ぎるから、女房が
砂糖を買いに行ったら、周囲の
砂糖屋が
砂糖がない、切れたと言っておったということです。けさ乗ったハイヤーの運転手さんのあれですよ。あまりにも小売り
価格は輸入
価格との
実情に合わないから、損するから卸屋がおろしてくれないで、
砂糖が切れました、ありませんと言う。私が乗った個人タクシーの運転手が言っておりました。そういう問題が起きております。
いまロンドン市場で五百ポンドですね。いつこれを論議しても、農林水産
委員会等で論議しても、もう下がる、もう下がると、これは春先からいつも言ってきたのが下がらぬのですね。千ポンドにもなるのじゃないですか。その論議はいいです、別として、とにかく五百ポンドです。五百ポンドというと、あのロンドンの市場
価格からいけば、もちろん先物
価格ですけれ
ども、五、七、三十五、粗糖で標準三十五万ですね。ですから、あのロンドン市場の先物
価格どおりにすぐ現物がついておるとは思いませんが、ロンドン市場が上がっていく限り、それに比例してその現物が下がったという歴史はないわけです。あれが上がればそれに並行して、たとえば十二月限が五百ポンドということになると、ことしの十二月の末ごろになればやっぱり五百ポンドになりますよ。輸入糖の
価格の足取りというのはいままではそうなってきておりますね。とんでもないことになってきておるわけですね。
ですから、十九万一千三百四十一円で計算しても、私が計算すると、
キビが一万二千円などという計算になりませんがね。もっと高く、この範囲でもまだまだ高く買えるのですがね。しかし、国際糖価だけの問題でなく、国際糖価が高いのだから何ぼでも高く買えるというのじゃないけれ
ども、一面、たとえばことし米価を決定した家族労賃と、これは
本土に
復帰して、あの劣悪条件下でサトウ
キビを生産しておるわけですから、働いた時間はやはり同じ時間で補償しなければ無理だと思います。そうしなければ、前にも申し上げましたが、
沖繩のサトウ
キビは荒廃してしまう。農林水産
委員会で
調査をしたときに私は行きました。その前にも、ずっと私は六年間この
委員会の
委員をしておるから、この
委員会からも行っております。
復帰前には、
八重山諸島へ行けば二十万トンのサトウ
キビが生産されていたのが、いま十万トン切れたのでしょう。サトウ
キビ畑の半分は草がはえて、一部観光
業者が買い占め、それで荒廃して放棄してある。もう島は荒れ果てておると言っていいのではないですか。あんなことでは何のための
復帰かわかりませんし、国際糖価もこうなってきますと、これはもう下がるか下がらぬかわかりません。昔安かったといいますけれ
ども、結局、まずこじきにひとしいような生活条件で収奪された糖価であったわけです。ですから、私
どもの
考えは、石油と同じだとは
考えません。石油と若干ニュアンスが違うけれ
ども、
砂糖をつくっておった国が、そういうはだしで、裸で、ほんとうにこじきのような姿で働いた糖価などというものは今後期待できるものでない。文化生活を
要求してくる、こう思いますね。ですから、ここでやはり思い切って労働時間としては生計し得るものにする。そして、
沖繩にはいまのところサトウ
キビとパインと二つですね。これを荒廃させたのでは、何のために
沖繩が
本土に
復帰したかという問題にもなってくると思うのです。ですから、そこをひとつ十分これから検討されたいわけであります。
具体的な問題は、また同僚の上原議員からいろいろ
質問がありますから、ここで私の意見を
大臣は聞いておられたと思うのです。これは具体的にきめるのは
農林省でありますが、
沖繩の
振興対策はやはり
大臣に責任があるわけですから、
農林省、
大蔵省を
大臣の
立場からも叱吃激励して、私
どものきょうの
要求は、
沖繩の島民がサトウ
キビをつくるために一日働いた労働時間は、最低やはりいまの場合、日本の
本土における製造業、他産業並み労賃、これを計算して適用すべきである。そうしてあの島の、特にサトウ
キビ畑が荒れ果てようとしておるのを——外国から粗糖を買えば、いま言ったように
現実は五百ポンドするのですよ。五百ポンドで計算したら、サトウ
キビ一トン三万円、四万円くらいになるのではないですか。四百五十ポンドで計算して三万円ですよ。それを一万八千円になぜできないのだと私は言いたいのです。外国から買う
砂糖は高く買って、どうしてあの劣悪な条件の、まあ、これから土地改良も進み、生産改良でも進めばいいけれ
ども、まだまだ
沖繩のサトウ
キビ生産は、結局は占領行政の放置された中で、区画整理もできていなければ土地改良もできていない、ほんとうに手労働で農民が働いて
砂糖をつくっているのです。あれを補償しなければ荒廃してしまうわけですね。そうしたら
大臣、何のために
沖繩は
本土に
復帰したのか、荒れ果てるために
復帰したのか、こうなるわけです。
だから、そこをひとつ
大臣の
立場から
大蔵省、
農林省を叱咤激励して、そして荒廃を防ぎ、また、来年の
予算上の問題としても、これは
価格対策だけでもいけませんから、いろいろそれに伴う土地改良なりあるいは農業の
振興対策は別途立てなければならぬ。しかし、現況はやはり
価格を補償せなければ生活ができませんから、先になったら土地改良をしてこうやってやるのだ、機械も入れてやりますよと言ったって、
現実、生活ができなければ、やはり放棄せざるを得ないわけです。それは
大臣も島に行って見てきて覚えておると思う。サトウ
キビの畑が半分荒廃してしまっておる。私
どもも見てきておるわけですから、事実です。
農林省はこの程度にします。あとはひとつそこを体して、十八日は農林の小
委員会ですが、そのときには、よくやったと私
どもが了解できる
政府原案を提示してください。十八日の農林水産
委員会の甘味小
委員会には、私
どもがこれでよかろうという案が出なければ、私
どもはこの問題は承知できないと思う。ですから、
大臣のそういうことの腹ぎめをひとつ聞いて、私の
質問を終わりたいと思います。