○石田(幸)
委員 大臣から基本的に将来への方向に向かっての考え方をお示しになりましたので、これ以上
質問することはないように思うのですけれども、なかなかそうもまいりませんので、もう少し伺いたいわけでございます。
交通機関の確保というものは安全第一でなければならぬというのが運輸行政の第一歩だと思うのでございますけれども、残念ながら私たちが見てきた
段階では、廃線とか存続とかという問題はあるにしても、今回の堤防決壊に伴う線路の破壊という
状況がございまして、過去十年間にわたって、ここが完全に安全であるというような
状況ではなかったわけですね。こういう問題について一体
運輸省の責任はどうなるのか。ほんとうに行政指導をしてこられたのかどうか。そういう記録があるならば、
鉄監局長にもひとつお示しをいただきたいと思うのでございますけれども、歩道と軌道との問題にいたしましても、ここだけの問題じゃありませんけれども、たとえば岐阜の東濃方面に向かう軌道にいたしましても非常に危険な
状態がそのまま放置されておるわけです。確かにそういう問題を片づけるには金がかかるでしょう。金がかかるからそういう問題は一切手をつけないんだということでは困る。こういうような問題を一体どうお考えになるか、あるいはまた、はたしてこれからの都市構成の上からいって、自動車が安全であるのか、ここの問題を考えましても——この間も四日市市長にただしたわけでございますけれども、いま通過しているバス
道路のネックがありまして、ここを買収して完全に通したならば、もっとスムーズに交通機関も走れるんじゃないか、こう言ってもやはり財政的な問題もあり、近辺の反対もあり、ここら辺は買収できません、こういうことを明確に言っておるわけですね。そういうようなことを考えますと、今度はいわゆる排気ガスの問題が出てくるでしょう。いま乗用車でさえも五十一年にマスキー法が完全実施できるかどうか、技術的に困難である、そういうようなことが業界のほうから盛んにいわれている
状況の中にあって、四日市という都市全体の構成を見ますれば、四日市公害という特殊なものがあるから、どうしても北部へ宅地造成をしてそちらに住宅を移さざるを得ないというのが現在の
状況であるし、また着々とそういうような方向になっておるわけでしょう。そうしてまいりますと、人口急増地帯の排気ガスの問題もまたさらに問題になるわけですね。いろいろな問題がふくそうされておるわけでございますので、私らが考えれば、やはり住民の方々が御要望なさるように、
鉄道とバスを関連づけて
一つの総合交通体系というものを都市内につくらねばならぬ。大都会においては地下鉄を走らして、そのターミナルにバスターミナルを設けて直結してやっておるわけですよ。まあ四日市はそれだけ大都会だとは私は申し上げませんけれども、こういうような問題も、今後
運輸省としてその方向を明示なさるべき問題点が非常に含まれていると私は思うのですよ。このままではどういう方向に行くのがより賢明なのか。住民側もさだかでない、近鉄側もさだかでない、市
当局も勉強中、
運輸省は何も言わぬということでは、このまま野放しになっちゃって問題はますますふくそうし、また地域感情はますますもつれてくるという
状況にあろうかと思う。ここら辺も聞きたいところですけれども、時間がありませんからやめましょう。ただ、
大臣、
運輸省当局に私は要望したいのは——
新聞記事等を見ますと、明確に近鉄側はこの八王子線をこの際撤廃したいという意思を何回も表明しております。また地元住民の方々は、もちろんいままでの利便性を考えれば、あるいは近辺に学校もあり、通勤ということを考えれば、時間の正確度、あるいはまた老人、子供等のバス輸送よりも電車でという要望、そういうものもありますから、ぜひとも存続をしてもらいたいという。そういうふうに意見が対立したまま今日動かないわけです。しかも建設省はこの堤防を直すについては、明確に八王子線の存続というものを前提にして堤防を直すんだというところまで来ているわけですね。そういうことを考えますと、やはり
運輸省が中に入って、どういう方向がいいのか、明確に模索をする方向、その糸口を行政の責任としてつけなきゃならぬ、私はこう思うわけです。この点いかがでしょう。過去十年間もこの問題がそのままになってきたということは、明確な行政上の指導というものがないから、こういうような混乱が今日まで続いてきたと思う。近鉄にも責任があるでしょう。あるいは地元にも何か問題があるかもしれない。しかし少なくともこういう問題は、相対立した問題になっているわけですから、行政がこれに手を加えて指導をしていこう、住民を納得させるだけのものを引き出そうというような方向がなければ、何年たったって片づかないです。三年たったって五年たったってこの問題は片づきませんよ。そういった意味で行政としての責任をぜひ果たしてもらいたい、こう思うのでございますけれども、いかがでしょう。