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1974-04-05 第72回国会 参議院 予算委員会第一分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年四月五日(金曜日)    午前十時二十七分開会     ―――――――――――――    分科担当委員の異動  四月四日     辞任         補欠選任      藤原 房雄君     峯山 昭範君  四月五日     辞任         補欠選任      高橋 邦雄君     岩動 道行君      玉置 和郎君     小笠 公韶君      鹿島 俊雄君     中村 登美君      須原 昭二君     森中 守義君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     主 査         大竹平八郎君     副主査         加瀬  完君     分科担当委員                 岩動 道行君                 小笠 公韶君                 川野辺 静君                 中村 登美君                 原 文兵衛君                 須原 昭二君                 峯山 昭範君    政府委員        宮内庁次長    瓜生 順良君    事務局側        事務総長     岸田  實君        人事課長事務取        扱        佐橋 宣雄君        記 録 部 長  西村 健一君        警 務 部 長  江上七夫介君    衆議院事務局側        事務次長     大久保 孟君    国立国会図書館側        館     長  宮坂 完孝君        副  館  長  鈴木平八郎君    説明員        外務省国際連合        局外務参事官   野田英二郎君        外務省情報文化        局海外広報課長  長谷川和年君        大蔵省主計局給        与課長      西垣  昭君        大蔵省主計局主        計官       猪瀬 節雄君        会計検査院事務        総長       石川 達郎君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件昭和四十九年度一般会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和四十九年度特別会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和四十九年度政府関係機関予算内閣提出、  衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) ただいまから予算委員会第一分科会開会いたします。  昭和四十九年度総予算中、国会及び皇室費所管を一括して議題といたします。  国会及び宮内庁当局説明はこれを省略し、説明資料は本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕      ―――――・―――――
  3. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  それでは、これより質疑入ります。  質疑のある方は、順次御発言願います。
  4. 須原昭二

    須原昭二君 私も当選をさしていただいてから約三年を経るわけでありますが、つらつら国会内を見ておりまして、きょうは、機構の問題、体制の問題、そこに働くところの職員の皆さんの問題、さまざまの問題点についてお尋ねをいたしたいわけでありますが、まず冒頭に、特に昨年の七十一国会は、もうすでに皆さん記憶に新たなるものがまだあると思いますけれども日本の歴史上かつてない長期国会であったわけであります。この長期延長強行採決など諸問題が非常に大きくクローズアップいたしました。したがって、私は、これらの諸情勢を見ておりまして、国会法並び参議院規則改正問題というものを考えなければならないそういう問題点があるのではないかと思うわけでありますが、はたして、事務当局におかれましては、どのような点が問題となり、事務局といたしましてどのように考えられておるのか、まず冒頭に所見を承っておきたいと思います。
  5. 岸田實

    事務総長岸田實君) 先国会は異常な会期延長がございました長期国会でございまして、先国会に対する見解各党会派によっていろいろ御意見が違うようでございます。私の立場として、いろいろの違った御批判があることにつきまして私の見解を述べるということは職責上適当でないというふうに考えております。  それで、国会運営あるいは規則改正等についてどういうふうに考えておるかという御意見でございますが、もとより、それらのことは、議院運営委員会所管委員会として御検討になられる筋合いのものであり、私どもは、それに対して事務的な補佐をするという立場にございますので、ここで私がどういう改正をすることが適当であるというようなことを申し述べることもいかがかと思います。  議長が就任されましたときに、参議院独自性を発揮し、また第二院にふさわしい運営をすべきであるという非常なかたい御決意から、種々参議院運営につきましての改革を御検討になられました。参議院問題懇談会を催されまして、その答申を得てこれを各議員に配付し、また、その後各会派代表者会議等数次にわたって開きましていろいろ今後の国会運営のことにつきましての御検討があったわけでございますが、その間には、たとえば、参議院審議期間の確保をはからなければならないというようなことで数次にわたって衆議院議長申し入れをされる、あるいは参議院先議案件の増加を政府側申し入れをされるということ等もございました。それから各派の代表者会議でいろいろの参議院運営改革についての問題点が取り上げられたわけでございますが、結論といたしましては、充実した審議を行なうべきである、慎重審議を行なうべきである、また審議の促進をはかるべきである、そして参議院審議機能を発揮すべきであるという二つの、効率的な審議あるいは充実した審議ということが論点になったわけでございますが、具体的に規則改正とか運営改革という点になりますと、与野党会派間のいろいろの御見解相違等もございまして、あるいは議院運営委員会検討する、あるいは国対委員長会談検討するというふうに御決定がありましたけれども、それがなかなか具体化してまいらないというのが現状でございます。  大体の状況を御説明申し上げました。
  6. 須原昭二

    須原昭二君 国会の中の問題点については何か与野党会派意見一致をみなければ動けないような御返事がございましたけれども、実はこの間の国会会期延長の問題については、国会法規定に基づくならば、両院一致議決がなければ延長ができないと、こういうことに実はなっているわけです。しかし、衆議院の一方的な議決だけで強行されてしまって、参議院のほうにおいては何ら触れておらない。国会法第十二条に書いてあるわけです。少なくともこういう問題についても、あるいはまた強行採決がなされました、この問題点については、河野議長は、法律的には合法である、しかし政治的には適当ではないというような、わかったようなわからないような見解で押し通されたわけです。  こういう問題点を考えますと、やはり、事務局は、いわゆる法律に基づきあるいは規則に基づいたきちんとした主体性を持った見解を示すべきではないか、そういう点を私は強調しているわけです。たとえば、国会法の問題と参議院規則矛盾点の問題について、たとえば、最近大商社の参考人の召喚がなされまして、国会法の中では、あらゆる問題点参考人を招致することができます。しかし、参議院規則の中においては、議案審査でなければできない、こういうふうに一つ狭められている現状があるわけです。そういう問題点に対して事務局としてはどういう見解を持っておられるのか、私はその点について再度お尋ねをいたしたいのですが、時間もたっぷりあるようでありまして、しかし御答弁いかんによっては長くなってきますから、どうぞひとつ明快率直な御答弁をお願いしたいと思います。
  7. 岸田實

    事務総長岸田實君) いろいろ国会運営の場合に問題があります場合には、私どもといたしましては、事務的に事務局見解等議長あるいは議院運営委員会に申し上げるということに努力しております。十分に力が足りませんで補佐に万全を期していないという点は、今後大いにまた反省して努力したいと思いますが、そういうふうにつとめておる次第でございます。  ただいまの参考人につきましては、これは、調査であれ、審査であれ、必要があれば参考人を招致することは規則上許されております。  それから国会会期延長については、両院議決が必要でありますが、法律によりまして参議院議決をしない場合あるいは議決が異なった場合には衆議院議決によるという規定もございまして、その運営そのものが適当かどうかは別といたしまして、法的には衆議院議決会期延長は行なわれるたてまえになっておるわけでございます。そういうことで先回は進んだと承知いたしております。
  8. 須原昭二

    須原昭二君 たとえば参考人の招致の問題については、もう一度申し上げますが、国会法であらゆる問題で呼べることになっている。これはひとつあとで読んでいただきたい。しかし、参議院規則の中では、当面する議案審査だけ、こういうふうに限ワクをされているように私は法解釈をいたしておるわけであります。したがって、こういう矛盾点は、あらゆるものがあらゆるときにやれるんだという御見解はどうか、私は疑問だと思う。そういう点は明確にしておいていただきたい。そういう見解がはっきりしておらないところに、時の情勢によって右顧左べんするような状態になる、こういうことを私は指摘をしておきたいと思うのです。
  9. 岸田實

    事務総長岸田實君) 国会法では審査のためとございますけれども、これは、この国会法審査ということばは、審査調査と分けた意味でないような使い方をしている個所が数カ所ございまして、そこで、参考人につきましても、規則で、審査または調査のために参考人意見を聞くことができるという規定を設けておるわけでございます。私どもとしては、調査であれ、審査であれ、参考人を呼ぶことはできるのであるという解釈を確定いたしております。
  10. 須原昭二

    須原昭二君 じゃ、その点は、国会法参議院規則との間において違いはない、あらゆる問題点で招致できる、こういうふうに解釈しますね。
  11. 岸田實

    事務総長岸田實君) そうです。
  12. 須原昭二

    須原昭二君 確認をしておきます。  そこで、私も実は、三年前の選挙をいま思い起こしておるわけでありますが、たしかあれは読売新聞の世論調査だったと思うのですけれども、当時国民意識調査をしたところ、五九%ないし六〇%が、国民皆さん参議院はもう無用だと、いわゆる参議院無用論というものが非常にクローズアップしたことが私はいま記憶に新たなるものがあるわけです。そういう点から言うならば、その後出られました現在の河野議長の提唱されたいわゆる参議院改革というのはどうしても私は実践をしなければならぬ。しかし私は、その参議院改革問題点というのはその後何か雲散霧消してしまったような感じがしてならないわけです。したがって、議長補佐すべき事務総長はどのように協力されてきたのか、とりわけこの参議院におけるところの事務局機構改革などについてどのような努力を取り組んでこられたのか、この点は端的にひとつ、あまり長々としゃべっていただくとこっちがなくなりますから、ひとつお願いします。
  13. 岸田實

    事務総長岸田實君) 議長参議院改革の御趣旨に従って特段の機構改革ということはやっておりませんが、たとえば、国民のための参議院であるべきであるという見地から、傍聴人施設あるいは傍聴人のいろいろの取り扱いにつきまして改善すべきであるということが議長から御指示がございまして、そこで、従来、傍聴人がお入りになるあるいはお通りになるところが非常に陰気であるというようなところもございましたし、また、傍聴人控え室も狭隘であるというようなこともございましたりいたしましたので、これはかなりの経費を用いまして改造いたしました。傍聴人あるいは参観人エレベーター議長の御指示によってつくったわけでございます。傍聴人控え室におきましては、議員議席表あるいは議事予定、そういうようないろいろ傍聴に必要な資料等もそろえてこれを供しておるというような改善をいたしております。お答えになりますかどうですか……。
  14. 須原昭二

    須原昭二君 どうも、河野議長の提唱された参議院改革の問題、また機構改革の問題については、ほとんどやられておられない。国民のための国会ということで傍聴人に対するあるいはさくをとったとか、エレベーターをつくったとか、まあささいな問題点ですよ。あれだけ大きく世論の上に参議院改革を打ち出しておいて、大山鳴動ネズミ一ぴきと、こういうところじゃないですか、率直に言いましてね。  そこで、私は、たとえば当時マスコミでは非常に大きく報道されましたいわゆる正面玄関の、あのあかずのとびらといわれる正面玄関開放というものは何かすぐやられるような状態であったというふうにいま思い起こすわけです。あれはどうなったのですか。やらないのですかやるのですか、はっきりしていただきたい。
  15. 岸田實

    事務総長岸田實君) 正面玄関開放という点でございますが、これは現在は特殊の限られた場合にしかこれを用いておりません。たとえば通常選挙衆議院の総選挙あとにこれを登院の場合にあそこを開くというようなことにいたしましたり、開会式あるいは外国の元首等がおいでになったときというふうなときにあれしているわけです。それで、参議院改革の一環として、たとえば憲法記念日とかしかるべきそういう日に中央玄関開放して自由に国民国会参観するということができるようなふうにしたらどうであろうかという御意見もかつてございました。しかしながら、反面において、御承知のように、数年前、衆議院におきまして、本会議における爆竹事件、あるいは火炎びん議事堂内に搬入というような事件が起こりましたりしまして、警備上これは非常に重大なことであるというのでただいま特別警備体制というのをとっておるわけでございます。そういうようなこともございまして、開放して国民に親しみのある国会にするという要請と、それから国会内の秩序を保持するという要請との衝突がございます。相反する面がございまして、そのままこの問題は具体化しないということで現在に至っているわけでございます。
  16. 須原昭二

    須原昭二君 どうも、答弁すりかえのような感じがするんですよ。大体、どこの建物でも施設でも、正面玄関から入るのがほんとうであって、裏玄関から出入りするのは間違っているんです。それで、その正面玄関の問題は即開かれた国会への一里づかだと、こういう考え方でこのあかずのとびらというものがいつ開放されるであろうかということについて私は関心を持っております。いま何か特別警備体制であるから開けないというならば、どこもかも閉めたほうがいいんじゃないですか。この玄関こそ、あまり入らないところじゃないですか、一番監視が届くところじゃないですか。そういう問題点をすりかえてはだめです。この点は、早急に、そういう河野議長が特に発言をされた問題点でありまして、国民もそれを期待をいたしております。開かれた国会への一つの一里づかとしてこれはぜひともあかずのとびらというものは開くべきである。そして、あすこから国民をお迎えをするというようなそういう姿に――私は三百六十五日いつもあすこからとは言いません。特定の時間だけでもけっこうです。国の主人公である国民をあそこから参観に入れるというぐらいの積極的な態度で私は臨むべきである、こう思いますが、その点について今後の見通しについてどうですか。
  17. 岸田實

    事務総長岸田實君) おことばを返すようでございますが、衆参両院の正玄関というものが別にあるわけでございます。この建物をつくりましたときに両院のそれぞれの正玄関というものをつくっておりまして、そのそばにエレベーター施設し、そこからお入りになるのに便利なような施設仕組みもしてあるわけでございまして、建物機能といたしましては、衆議院衆議院の正玄関参議院参議院の正玄関から通常登院されるということを予定してつくってあるわけでございます。中央玄関からお入りになりますことは、その付近にエレベーターもございませんし、いろいろ不便な点もあるというような仕組みになっておるわけでございまして、決して中央玄関開放に私は非常に反対であるという意味で申し上げるわけでございません。建物のたてまえがそういうふうになっておるということを申し上げておるわけでございます。
  18. 須原昭二

    須原昭二君 じゃ、それは断念をしたということなんですか、この点だけはっきりしてもらいたい。
  19. 岸田實

    事務総長岸田實君) いや、これは問題はペンディングのまま残っておるということでございます。
  20. 須原昭二

    須原昭二君 いつまでペンディング……。
  21. 岸田實

    事務総長岸田實君) いずれにしましても、それを扱うことは、両院議院運営委員会において御決定になるべき筋のものでございます。
  22. 須原昭二

    須原昭二君 じゃ、ペンディングになっておるということで、今後の課題としてそれを要望しておきましょう。
  23. 岸田實

    事務総長岸田實君) はい。
  24. 須原昭二

    須原昭二君 そこで、私は、この開かれた国会問題点について、その他たくさんあるわけです。時間の関係がございますから、私は総括してひとつお尋ねいたしておきたいと思うのですが、たとえば議事堂構内開放の問題、この問題点でも、私が国会議員になる前はあのさくはなかったんです。それはいろいろの警備情勢のもとにおいてつくられた必要性というものは私たちとしても了解できます。しかし、国民の素朴な観念から言うならば、民主国会という立場から言うならば、ああいうおりをつくらなければならないのか。それで、中で乱闘しておれば、動物園動物に似ていると、こう酷評されるまであのさくは非難をされたものです。したがって、少なくとも国民皆さんに伸び伸びとして入っていただく、参観をしていただくというような議事堂開放の問題。あるいはまた、国会図書館の問題でもそうです。なるほど一般公開については夜やっておられます。しかし、二、三時間で、このごろ居住地ドーナツ現象を起こして一時間も二時間もかからなきゃならないところから夜ここへ来て閲覧はできないわけです。特に日本における権威ある国会図書館でありますから、地方人たちもよく見たい、あそこへ行きたい。しかしながら、日曜日開いておらないというのが非常にマイナスになっているわけです。利用しようと思っても利用できないというのが今日の現況です。少なくとも日曜日はこれは開放する。それには機構を変えなきゃいけない。人員の問題は後ほど私は適切に指摘をいたしますが、こういう問題はどうするのか。あるいは会館の会議室の利用、これは多くの希望がございます。あるいは別館の講堂の一般公開の問題、これをどうするか。さらにまた、議事録問題点でありますが、委員会議事録というのは市販されておらない。私たち質疑をして、これは求めようと思っても議員の手を通じなきゃなかなか入らない。しかしながら、もうそれはほとんど議員が持っておりますから、わざわざリコピーをして渡さなければならないという現況であります。そういう委員会会議録の市販の問題、さらにまた、開かれた国会としての国民のための国会というならば、私は、この国会での活動状況というものを逐一国会事務局というものが側面的にPRする責任、義務があると思う、任務があると思う。PRの問題を聞きますると、修学旅行の生徒が参観に来たときにパンフレット一枚渡すだけがPRだ、端的に言って私はそうじゃないかと思うのです。あるいは陳情請願の受けとめの体制、どういうふうにこの問題を取り扱っているのか。さまざまな問題点が出てくるわけです。これらの問題について、開かれた国会あるいは国民のための国会とおっしゃるけれども河野さんが大々的に提唱されました参議院改革という問題点から言って、この三年間何ら進歩をしておらないと言っても私は過言ではない。そういう点について事務局は全く怠慢だと言わなければならない。そういう点はどうですか。
  25. 岸田實

    事務総長岸田實君) 国会審議状況PR事務局がやるべきであるというおことばでございますが、私どもはこういうふうに考えております。  国会審議につきましては、現在まあ過去においてないほど、一般報道機関――新聞であるとか、テレビであるとか、そういう報道機関傍聴の許可を各委員会でやっておりまして、委員会のたてまえは本来制限的な公開制でございますが、ほとんど完全公開のような形でやっておる。そして日々の審議につきましては、それらの報道機関報道されておる……
  26. 須原昭二

    須原昭二君 審議内容報道されていますよ。国会の中のシステムの問題を言っているんです。
  27. 岸田實

    事務総長岸田實君) そういうことで、国民国会活動状況というものは非常に周知されておると私は思います。したがって、そういう報道機関等に対しまして事務局といたしましては正確な報道をしていただくという意味でできるだけの御協力をするという、あるいは資料の提供もするということで努力いたしておるわけでございます。  それで、事務局自体国会の刻々の問題についてのPRをやれとおっしゃいますが、しかし、そういう点をやるということは非常にむずかしい問題でございまして、ある問題を取り上げるか取り上げないかということ、あるいはその問題に対する取り扱い方ということが各会派によっていろいろの立場の違いがございます……
  28. 須原昭二

    須原昭二君 議論の内容を言っているんじゃない、システム内容を言っているんです。
  29. 岸田實

    事務総長岸田實君) ですから、そういう点を私どもは考慮しなければならないというふうに考えております。  それから国会参観人等に対しましてパンフレットをお贈りするというこういうことはまあたいしたことではないと申しますが、これも年間二十万部ぐらいのあれをやっておりまして、これは広く国会に来られた方々がそれをお持ち帰り願っているわけでございますから、国会紹介という点では相当の効果をあげておると私は思っております。  また、そのほかに、参議院事務局外郭団体として参友会というのがございまして、そこで昨年来「わたしたち国会」という小冊子をつくりまして、国会機能あるいは運営あるいは施設等につきまして概括的な紹介をしたものでございますが、これを全国特殊学校あるいは公立高等学校に贈呈して、できるだけ国会というものに対して認識をしていただくという試みをいたしておりまして、これは年次計画全国公立高等学校にお贈りするということにいたしております。  また、委員会会議録につきましても、この分科会におきまして過去においてしばしばこれをもう少し外部に周知徹底すべきではないかという御意見もございましたりいたしまして、昨年来、衆議院事務局とも協議の上、都道府県及び指定都市の議会の図書館に一そろえを贈呈するということを始めました。これはずっと続けて実施してまいりたいと考えております。国政と地方行政との連結を密にする意味において非常に有益であると考えましてそれをいたしたわけでございます。  なお、委員会会議録の市販問題につきましては、委員会制限公開制という問題もございますし、規則におきましてもこれを頒布するたてまえになっておりませんために、一般に市販するということにいますぐこれを踏み切るというわけにもいかないわけでございますが、参友会におきまして、議員紹介のある方に対して、最近は諸先生の御意見も非常に強くなってまいりましたので、私の裁量で、申し込みのありましたものにつきましては委員会会議録を頒布する、お渡しするということに努力しておりまして、これはかなり広範に出ておる状況でございます。
  30. 須原昭二

    須原昭二君 いまお話しを聞いて、誤解があってはいけませんから訂正しておきます。  いま私は、修学旅行の児童に国会パンフレットを渡すことは無意味だと、こう言っているんじゃない。あれはいいことなんです。あれぐらいしかないでしょうと、こう言っただけです。それは間違えないでくださいよ。  たとえば請願の問題点でも、事務局をおたずねして、請願のパンフレットはありますか、請願はどうやって出すのかと。これは憲法で規定された厳粛なる国民の基本的な権利です。この問題について、たとえば団体の代表者の名前で持ってくると受け付けない。こういう手続のあり方というものは国民に周知徹底させるべきです。それが事務局のお仕事だと思うのです。そういう問題点をやれということを私は強調しているわけです。  図書館の問題、会館の会議室の利用の問題、別館の講堂の使用の問題、こうしたものもひとつ前向きに考えるようにこの際要望しておきましょう。  それから参友会参友会とおっしゃいますが、これは民間のですね、そうでしょう。私たち議事録をお願いします。しかし、質問をしたその当日に受け付けなければならない。二、三日たったらもうだめなんです。一般民衆がそんなことで頼むことができますか。だれだれ先生が御質問になりました、いつだったか、過去で、終わってから通告するようでは間に合わないんですよ。そういう問題点を私はこまかく指摘いたしているわけです。  きょう申し上げた問題点を再び申し上げませんけれども、これはひとつ前向きで善処していってほしい。どうですか。
  31. 岸田實

    事務総長岸田實君) いろいろ御意見を伺いまして、われわれも反省すべき点もいろいろございますので、いまの請願の取り扱い、あるいはその周知のしかた等につきましても、今後十分に検討いたしまして努力したいと思います。  また、参友会運営につきましても検討いたしてみたいと思います。
  32. 須原昭二

    須原昭二君 そこで、警務部長さん、お見えになりますか。――実は、最近、いまお話しを初めて聞いたんですが、特別警備体制下にある。そういうことなのかどうか知りませんが、最近、この裏口の一般通用門、これを見ておりますと、その入口で衛視の皆さんが帯用証あるいはまた身分証明書、そうしたものの提示を求めておる。一般国会の職員の皆さんは、たとえばあの陸橋の上で受ける。それで陸橋の横から階段をおりて、そして車の交差するところがありますね、地下の。あそこでもう一ぺん提示を受ける。本院の中へ入るときにまた提示を受ける。一ぺん玄関でやられたらいいじゃないですか。二回も三回も四回もそのつど提示をする。特に私が奇異に感ずるのは一お互いに顔見知り合いで、おれわかっておるだろうと言いながらまた提示を求めておる。こんな体制というのは漫画にかいた絵だと私は思いますよ。これは警務部長がお見えになりますから、この際、こうした画一的なやり方、能のないやり方、この点はひとつ反省をしていただいて、もう少し気分よく入れるような体制をつくってもらいたい。これは要望しておきましょう。いいですか。
  33. 江上七夫介

    ○参事(江上七夫介君) はい、検討いたします。
  34. 須原昭二

    須原昭二君 次は、国会職員の勤務の実態についてお尋ねをいたしたいのですが、時間の関係もございますから、この際お尋ねしたいことは、一、職種別、職場別の定員配置について、二、勤務時間の実態について、三、年齢別の職場の構成について、私は、この年齢別の実態については、とりわけ、何か年取った人が多くなってしまって、若い人が非常に少なくなっているという感じがしてならないのです。したがって、年齢別の職場の構成について、四、予備定員があったら予備定員の現状について、以上四項目について、衆、参、国会図書館それぞれの職場の実態について説明していただきたいと思うのですが、これだけ説明を受けておると私の持ち時間がなくなってしまいますから、これはひとつ、時間の関係上、データとして資料を提出していただきたいと思いますが、できますか。
  35. 岸田實

    事務総長岸田實君) さっそくつくりましてお渡しいたします。
  36. 須原昭二

    須原昭二君 実はそれがないとほんとうは本論がこまかく御指摘申し上げるわけにはまいりませんけれども、特に最近、国会審議は御案内のとおり質的にも量的にも著しく充実してきたと私は思います。まあ私も三年間の経験しかございませんから多くを語ることはできませんけれども、いずれにしても量的にも質的にも充実してきたという評価を私はしたいと思います。しかし、これを補佐する事務局の組織、機構、人員などの体制が万全かといえば、私はそうではないような感じがしてならないわけです。去る二月の二十五日だったと思いますが、物価等対策特別委員会調査室を新設されたと、こういうことを聞きました。これを除くと、事務局の組織、機構、というものは、ここ十年前とほとんど変わっていないと思いますが、どうですか。ここに一覧表がございますから間違いないと思いますが、どうですか。
  37. 岸田實

    事務総長岸田實君) ごくこまかなものは二、三ございますけれども、大体先生のおっしゃるとおりでございます。
  38. 須原昭二

    須原昭二君 十年一昔、こう言いますけれども、全く変わっていない。多少のことはあるけれども、ほとんど変わっていない。この実態をいま率直にお認めになりましたね。このように量的、質的に国会審議が充実してきた側面、実は事務局がそういう状態にあるということは、非常に対応に欠けておる、こういう点を側面的に感ぜざるを得ないのです。最近の国会審議の充実に伴う業務量の増は著しいものがあると私は思うわけであります。これに対して事務局の人員増は近年ほとんど行なわれていないような感じがします。私の調べが間違っているかどうか確認をしたいと思うのですが、昭和四十一年千三百十四人に対して現在は千三百五十六人、わずか四十二名この九年間にふえただけです。しかも、四十六年以降は全くこの定員は変わっておらない。そうですか、間違いありませんか。
  39. 岸田實

    事務総長岸田實君) そのとおりでございます。
  40. 須原昭二

    須原昭二君 このような情勢でこれほど国会審議が質的、量的に伸びておるのに、業務量があがらないはずはないわけです。それに対応する職員がたった九年間に四十二名しか伸びないというのは、私はこれは三歳の童子でもわかると思うのです。国会事務局というものは、いまさら私が申し上げるまでもなく、国会議員活動を十全に補佐し、さらに、それだけではなくして、国民に対して先ほど申しましたような開かれた国会とするために、いろいろな新しい活動要請にこたえなければならない、そういう使命を持っているわけです。特に国会業務の重要性、特殊性からいって、参友会だとかいろいろありますけれども、そういう民間委託も問題があろうし、あるいはまた、人員の適正配置といっても、現場の職員や庶務管理部門の人員を減らして会議部門へ回すのでは、実は職場の中における弱い者の犠牲によるまやかしの措置だと、私はこう断ぜざるを得ません。したがって、これらの情勢に対応し得る事務局の組織、機構、人員の充足が行なわれ、そして職員の皆さんがほんとうに意欲をもって積極的に働ける条件を整備をするというのが非常に重要な問題だと私は思うのです。したがって、先ほど明確に四十二名しか伸びておらない、四十六年から全然定員増がなされておらない、こういう現況にかんがみますと、事務総長国会事務局の最高責任者です、そういう最高責任者として、国会事務局の現在の体制をどうお考えになっているか。これでいいとお考えになっているのか、あきらめておられるのか、これは明確にひとつ、簡単でいいです。
  41. 岸田實

    事務総長岸田實君) 国会の事務も年々事務量が増大してまいっておりますことは、仰せのとおりでございます。私どもといたしましても、事務局の陣容、職員体制を整備したいという気持ちは十分に持っておる次第でございますが、政府機関におきましては、最近相当に厳格な人員削減計画をお立てになりまして、それを実際に実行しておられます。年々政府におきましてもいろいろの新しい事務も起こっておりましょうが、総体の人数を減らしてきておるというような状況にもございまして、私どもといたしましては、できるだけ事務の簡素化あるいは機械化とか人員の適正配置等、部内の調整によりましてふえていく事務量に対応するように努力するということで今日までまいっておるわけでございます。だんだんそういうふうにしてまいりまして、そういう適正配置の余地も少なくなってきていることは事実でございます。先般設置せられました物価等対策特別委員会調査室につきましても、これはまあ臨時的な組織として全員兼務の形で仕事をやっておりますが、これも相当の期間続くであろうというふうに予測いたしております。また、明年度は事務局庁舎の完成というような問題も出てまいりますしいたしますので、今後慎重に検討いたしまして、必要があれば増員要求をせざるを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  42. 須原昭二

    須原昭二君 いま、事務総長ね、認識をもう一つ改めてもらわなきゃいけない。というのは、行政府の職員についてはだんだん減っておる、こうおっしゃいました。なるほど減っています。五%削減の五カ年計画はわかっています。しかしながら、削減可能のところは減らして、必要なところはどんどんふやしているんですよ。国会というのは特殊である。国会審議というのはきわめて重要なんです。こういう重要なところで四十六年から定員がふえなかった、九年間に四十二名しかふえなかった。しかも、今日における国会審議というのは、量的に質的に非常に著しく膨大になっている。この現況で必要欠くべからざるものは当然あるはずです。いまの段階ではもう減らすところはないわけなんです、国会の中は。ふやそうというところは幾らでもあるはずです。そういう行政府の例に見習わなくたっていいのじゃないか。行政府ですら、削減をするところは削減をする。しかし、必要なところはどんどんふやしているのです。この現実をわれわれは認識を間違えてはいけない。どうですか。
  43. 岸田實

    事務総長岸田實君) その点は十分に承知しております。
  44. 須原昭二

    須原昭二君 承知をしておったら、私はもう少し前向きの姿勢が出てきて当然ではないかと思う。私も実はいま所属をいたしておりますのが社労です。そして決算です。たとえば決算の調査室を見ますると、私は決算委員になって初めてわかったわけですが、室長が一人、主任調査員が一人、そして調査員が七人、参事が一人、大体その十人で運営している。これほど国家の大きな財政の決算をつかさどる調査室が十人です。一人の調査員が二省、三省を受け持っているのです。二百五十二名の議員皆さん調査にこたえることができますか、これで。必要欠くべからざるものです。ふやさなければならない要素を一つ端的にあげましたけれども、こういうふうに、削減をすることがあるならそれは削減をする、しかしながら、必要欠くべからざるものについてはどんどんふやすという前向きの姿勢がなくてはならぬと思う。今後ひとつ検討するというお話しでございますが、とりわけ私はこの際強調しておきたいのですが、いま建設中であります事務局庁舎の完成、これは現在建設中でありますが、これがオープンすれば、もう管理維持系統だけでもたいへんな人員増をしなければならないと実は思うのです。先ほど私が申し上げましたように、物価対策特別委員会調査室、あるいは今日の弱体化をしておるところの調査室、あるいは各機構の定員の問題等々少なくとも私は、まあことしは予算が出ておりますから、追加できるか追加できないかは別としても、手っとり早い話が五十年度です。来年度においては画期的な私は人員増をしなければ対応できない。われわれ議員要請にも調査室はこたえられない、どの機関においても議員要請にこたえられないという現況が私は出てくると思うわけです。そういう点から私は、緊急の課題だと実は思うわけですが、この五十年度の人員増、きわめて大きな人員増、大幅な人員増を要求される決意があるのか。まあ、慣例によりますと、議運の庶務小委員会に御提案になり、要求をするということでございますが、そういうことをやられますか、どうですか。
  45. 岸田實

    事務総長岸田實君) 今後十分に検討いたしまして、方針をきめたいと思います。
  46. 加瀬完

    ○加瀬完君 ちょっと関連して。  いま特別委員会が、ほとんどもう特別委員会ではなくて、常任委員会と同様に常置されたような形になっているわけですね。この常置されたような特別委員会のそれぞれの調査室担当は、常任委員会調査室担当が兼任という形ですよね。だから、俗なことばで言えば、一人で二人分の働きをしなければならないような形になっていますよね。で、この特別委員会が常設の常任委員会と同じように今後相当続くとするならば、それらはそれらでやはり特別委員会調査室担当というものをきめていかなければ、これはやれませんし、やらせたって不満足な結果しか出ないということになりますわね。この点は、いま須原委員の御指摘もありますけれども、これは、議運で問題になるということでなくて、事務当局でやはり検討をする必要があるのじゃないか。ことし、四十九年度の予算にはそれは出ていないですね。少しそれは現状の認識が足りないじゃないか。議論がましくなりますけれども調査室というのは、これは国会機能のうちでは一番大事なものですね。それが、事務当局一般の事務職というものを重視しても、調査室の重視という傾向が非常に少ないですよ。これは国会図書館との関連もありましょうが、それらの調査室にいる方々の将来の、何と申しましょうか、活躍できる分野というものも広げて、国会図書館等とも連絡して、広げていただかなければならないことも当然ですが、それよりも何よりも、もう少し調査室の強化ということで、これは十分事務当局としてもお考えをいただかなければ、いまのような問題が毎年繰り返されると思うのです。この点についていかがでしょうか。
  47. 岸田實

    事務総長岸田實君) 調査室につきましては、私たち決して軽視しているものではございませんで、従来でも事務局の定数から調査室のほうに応援に出すというようなことでやっておりますし、予算につきましても、調査室の予算では不十分であるので、事務局のほかの費目から余分に提供するということで、できるだけの便宜をはかりたいということで努力してまいっております。物価対策特別委員会調査室等もつくりましたりいたしまして、調査事務の増大ということは明らかでございますので、この点につきましては真剣に検討いたしたいと思います。
  48. 加瀬完

    ○加瀬完君 調査室というのは、調査資料なんかというものも相当二十何年国会も新しい国会ができているのですから、ととのわなければなりませんね。しかし、どの調査室に行ったって、十年一日のごとくそう新しい著書がたくさん予算があって仕入れられたという実情でもなければ、調査室が非常に整備されたという実情でもありませんわね。そういう点に、人の面と物の面で、非常に私は議員のほうの希望からすれば、あまりに不備だらけだと思うんですよ。これは希望の意見になりますけれども、今後十分御考慮をしていただきたいとお願いをいたします。もし議長の手元で各会派の会合等もあるわけですから、あるいは議運もあるわけですから、議運の理事会なり各会派の会合なりで、やっぱり調査室の拡充整備あるいは人員の整備という点は、議題として事務総長のほうから議長のほうに申し出て、早急にこれは対策を立てていただきたいと思います。これは希望ですからお答えは要りません。
  49. 須原昭二

    須原昭二君 いま先輩の加瀬委員からお話しがございましたように、これは毎年言われていることなんですけれども、しかし、もう思い余って私は特に強調しておきますが、五十年度は大幅なことをやると、もう検討するだけはだれでもやるんだから、言うことぐらいはだれでもやるんだから、実行の実がならなければだめですよ。その点は特に強調して確約されるんですか。いいですよね、確約されますね。
  50. 岸田實

    事務総長岸田實君) 前向きで検討いたします。
  51. 須原昭二

    須原昭二君 ことばのあやではいかぬよ。思うことはだれだって思いますよ、総長でなくても。そこで、大蔵省お見えになりますか――。どうもこの国会事務局予算要求に対して、後ほどからも指摘をいたしたいと思いますが、まあ国会活動が活発になると、行政府に対する追及の度合いがきびしくなるから、そんなけちな気持ちはないと思うけれども国会と行政府と同じようなものさしで、こういう定員の問題あるいは予算の問題、そういうふうな問題点を考えられているんじゃないかと思うのですが、こういう要求が出てきた場合に、大蔵省はこれに対応できますか。これだけ確認しておきたい。
  52. 猪瀬節雄

    説明員(猪瀬節雄君) 国会が国権の最高機関といたしまして、事務局がその円滑なあれをはかるためにきわめて重要な役割りを持っておることは私ども十分承知いたしております。ただ定員の問題につきましては、これは、御承知のように、行政府における計画的削減という問題がございまして、これは決して立法府を拘束するものではございません。したがいまして、別途の考えがあってしかるべきだと私どもも思っておりますが、ただ行政府のそういった定員の削減、これは国民的な一つの要請でもございますので、立法府におかれましても、自主的に何らかの協力をいたすということで、まあ現在員のやりくりという形で、いままで御協力を願っているわけでございますので、五十年度以降一体計画削減がどういう形になるか、これは私どももちょっとわからないのでございますが、それに対する立法府としての協力のあり方というのもまたあろうかと思いまして、そういった全体を含めまして、要求がありました場合には事務局ともよく相談いたしたいと思っております。
  53. 須原昭二

    須原昭二君 要求があればこれにこたえていくというお話しです。そうしていただきたいと思います。そこで、事務総長、この査定のときに少なくとも大幅増員をするなら、末端の部下にまかしておくというのではなくて、事務総長みずから出ていって、これじゃあかぬと、これはよこせというぐらいの強い姿勢が私はなくちゃならぬと思うのです。末端の課長や係員を大蔵省に派遣しておいて、そうして予算の査定に臨むようなことでは、要求していくというような、そういう態勢ではいけないと思う。ですから総長みずからが出て行って、大蔵大臣と話し合う、そのくらいの気持ちにならなければいかぬということだけ要望しておきましょう。  それからいま国会と行政府との関係で私が大蔵省に申し上げたいことは、何か同じものさしではかられているような定員削減がある。しかしながら、いま国会内容からいって、定員削減すべき段階ではございません。この点は別に考えるべきだと思います。そこで私は、この国家予算をずっと見てまいりますと、行政府と立法府との比較が大きな問題点になってくる。だいぶおくれているわけだ。行政府のほうがどんどん伸びていって、この国会のほうは、立法府ではおくれておる、こういう予算面においても、あるいは人員の増加の問題点についてもおくれておる。したがって私は、この際資料を要求しておきますが、行政府の定員の増の伸び、この過去十年間です。立法府のこの定員増、九年間に四十二名ですから言うまでもございませんけれども、この対比をひとつ出してもらいたい。行政府と立法府の人件費についての伸び率の比較、それから国家予算と立法府の総予算との伸びの比率、これは資料としてひとつ出していただきたい。お願いいたします。
  54. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) どうですか、大蔵省。
  55. 猪瀬節雄

    説明員(猪瀬節雄君) ただいま手元で、行政府の定員の増と立法府の定員の増、それと人件費の分は、十年間ではございませんが、四十三年度以降は持っておりますので、何でございましたら御説明申し上げます。  それから国家予算と立法府の予算は、これちょっと用意してまいりませんので、これは資料で提出いたしたいと思います。
  56. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) いいですか。
  57. 須原昭二

    須原昭二君 いいです。けっこうです。資料で出してください。
  58. 猪瀬節雄

    説明員(猪瀬節雄君) はい、かしこまりました。
  59. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) ではできるだけのものを出してくださいね。
  60. 猪瀬節雄

    説明員(猪瀬節雄君) はい。
  61. 須原昭二

    須原昭二君 じゃあ次へまいります。  次は国会所管予算を見ますると、参議院衆議院国会図書館、いずれも行政職(一)表の中に技術職員というのがあります。参議院では四等級が――私の調べたところによりますと、四等級が三名、五等級が六十名、六等級が四十名という数字が載っておる。この技術職員というものは他にあまり例を見ない、いわば国会特有なものであると言わなければならないわけです。この国会特有の技術職員の問題点についていまから十年前、これまた十年前ですが、まああまり国会の問題というのは遅々として進んでいないということがこの点にもわかってくるわけだ。約十年ほど前に、当時の久保田衆議院事務総長衆議院予算分科会においての発言の中にこう言っております。国会職員については、たとえ技術職員であれ労務職員であれ国会の職務の特殊性からいって行政(二)表を適用するのはふさわしくない、こういう明確な答弁をいたしております。   〔主査退席、副主査着席〕 そして、それ以来廃止の方針で行(二)の職員を行(一)に移行させてきたわけであります。廃止の方針は堅持しておると思いますが、イエスかノーか。廃止をする、この方針はいまなお堅持しておりますか。これは端的にイエスかノーかだけでいいです。
  62. 岸田實

    事務総長岸田實君) 参議院では廃止をするということで、昭和四十八年度、四十九年度引き続いて予算要求をいたしておりますが、残念ながら実現できないという現状でございます。
  63. 須原昭二

    須原昭二君 実現できない――あと問題点あとで申し上げましょう。  そこで、その結果、方針は堅持をしている。しかし、参議院の場合を見ますると、四十年度二百四名あったこの行(二)の定数が、四十九年度には二十三名に減っております。このように廃止したはずの行(二)が、たとえ二十三名といえどもいまだに残っているところに問題があるわけです。さらにこの問題は、こうして行(二)から行(一)に移った職員のほとんどが本来の行(一)の職員としてではなく特設の、特別につくった技術職員のワクの中に入れられておるところにまた問題があるわけです。昨年四十八年度まで四等級へ昇格することも許されないという、いわゆる行(二)並みの劣悪な条件のもとに放置されているわけです。事務局は全員移行するまで、これは過渡期的現象だと、過渡期的な措置だと、こういうつもりでおられるらしいんですけれども、廃止の方針を打ち出してからこれも八年かかっているわけです、八年。いまお話しを聞きますと、四十八年、四十九年要求したけれども査定はゼロだと、こうおっしゃる。大蔵省さん、さっき、にやっと笑っておられますが、要求してもあなたたちは聞かぬのじゃないですか。また、要求する側も側ですよ。末端の係員か課長ぐらい行かしておいてですね、やれやれと言っているだけだから、なかなか詰まらぬわけです。この際、この点についていつまで放置するのか。この点は両方から御答弁をいただきたい。
  64. 岸田實

    事務総長岸田實君) この問題につきましては、十年前に行(二)の行(一)移行ということの大きな方針を掲げまして、年々行(一)に移行をいたしまして、現在においてはもう約九割ぐらいは……
  65. 須原昭二

    須原昭二君 もう二十三名しか残ってない。だから、いつまでやるかということです。簡単でいいです、時間がない。
  66. 岸田實

    事務総長岸田實君) それでこの問題につきましては、衆議院議院運営委員会におきましては、一昨年でしたか、この程度でいわゆる行(一)移行というのは一応休止して運営していこうと、衆議院のほうは大体六十名ぐらいの行(二)が残っておったと思いますが、そういう方針をおきめになりまして、それから図書館も大体それでまいろうということに御決定になったわけでございます。私も、大体当初行(一)移行の問題が起こりましたときのたとえば自動車の運転手であるとか……
  67. 須原昭二

    須原昭二君 いや、経過はいいです。いつまでになくするかということを聞いているんです。時間がないから、もう。
  68. 岸田實

    事務総長岸田實君) そういう経過がございまして、庶務小委員会に、私の意見としては、衆議院でもそういう決定もありましたし、大体において行(一)移行の目的を果たしたので、また行(二)から入ることが有利な面もございますので、このあたりで行(一)移行というのは一応やめて、今後は行(一)に移行した職員の処遇改善に重点を置きたいという気持ちで庶務小委員会におはかりいたしましたところが、庶務小委員会では、やはり行(二)職員の一般的な感情の問題とかいろいろございまして、そういう差別的なものは撤廃したほうがいいであろうという御意見が強くて、庶務小委員長の御決定予算要求をするということになって、今日にまいっておるわけでございます。
  69. 須原昭二

    須原昭二君 経過はわかってます。
  70. 岸田實

    事務総長岸田實君) 衆議院のほうがそういうふうな立場をとっておりますし、それで、国会職員の予算にしろ、職員の人事の問題にしろ、これは共通にやっておりますので、たとえば職員の給与に関する基準等も一本でやっておるわけでございますから、両院意見がこう違ってくるということになりますと、これなかなか解決がしにくい問題になるわけでございます。したがって、いつまでにこれを全廃するように考えておるかとおっしゃいましても、現状はなかなか早急に解決ができない状態にあるということ以外にお答えのしようがない現段階でございます。
  71. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 基本的には国会の特殊性を十分尊重いたしまして、私どもとしてはできる限りのことをしておるつもりでございます。この問題につきましても、衆議院参議院国会図書館事務当局とも今後ともよく相談をいたしまして、国会の特殊性からうまく説明がつくような方向で、なかなか説明のつきにくい問題でもございますので、検討していきたいと思います。
  72. 須原昭二

    須原昭二君 いずれにしても、もう八年放置されておるんです。たとえ二十三人といえども、これは一人でもたいへんなことです。これはいつまでにか言えないということでは、私たちは困る。これは明確に内部で検討していただいて、計画は立案していただきたい。どうですか。できますね。
  73. 岸田實

    事務総長岸田實君) 今後とも、衆議院図書館と十分に検討をいたしたいと思います。
  74. 須原昭二

    須原昭二君 それで総長ことばじりをつかまえるわけじゃないが、検討検討ではいかぬのや。長ったらしい答弁は必要ないですから、私が聞くことだけ答弁していただけばいい。時間の関係上ひとつお願いします。  そこで、現在行(一)の特別ワクのこの技術職員というのは、五等級、六等級、七等級といったところにメジロ押しになっているんです、この表を見ましてもわかりますがですね。これら職員の昇格基準、どうなっているのか。四十七年度の参議院のこの分科会でも、宮坂前総長は、技術職員についてりっぱな昇格基準をつくるよう努力すると明確にこの当分科会で明言をしているんです。この約束はどこにいっちゃったんですか。いつつくられるんですか。これまた検討ですか。
  75. 岸田實

    事務総長岸田實君) いまの昇格基準もやはりこれは衆参図書館一本のものをつくらなければならないわけでございますから、その扱いについて現在はちょっと各院が一致していないという状態になっておるので、昇格基準をつくりようがございません。大体の方針が衆議院図書館と一本になったときに初めてこれはつくれるわけでございます。各院別につくるものではないわけでございます。
  76. 須原昭二

    須原昭二君 きょうは衆議院事務総長お見えにならない、次長お見えです。それから国会図書館長お見えになります。早急に、きょうは三人ともお見えになりますから、ぜひともきょうを契機にして、さっそく協議をして一致点を見出して、そして基準をつくっていただくようにひとつ要望しておきます。いいですね。
  77. 加瀬完

    ○副主査(加瀬完君) お答えになりますか。
  78. 須原昭二

    須原昭二君 三人お見えになりますから、一言ずつでいいです、決意表明。
  79. 大久保孟

    衆議院参事(大久保孟君) 参議院図書館とも御相談しまして検討いたします。
  80. 宮坂完孝

    ○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 先ほど名前を示されての御発言でございますが、はなはだ努力が足りなかったことを反省いたしますが、御趣旨に沿うべく衆参とも十分連絡をとりまして善処いたしたいと思います。
  81. 須原昭二

    須原昭二君 その技術職員の四等級への昇進の問題点、技術職員に対して四十九年度からようやく四等級への道が開かれました。それはまあ一つの私は前進だということで評価をしたいと。しかしわずかそれは三つしか席がないわけですね。たった三つしかない。私はきょう自動車に乗せていただいて国会へ参りましたが、運転手に聞きましたが、四等級へたくさん、大幅にやってくれと。私たち二十何年間つとめて五等級に入っているぐらいの程度だと、こういう話を聞きました。全く私はその立場に立ってみると、ほんとうにどういう国会の職員の待遇なのか、ほんとうに私はざんきにたえません。この際、国会における技術職員の職務を再評価して、だれでも四等級へ昇格できる道を私は聞くべきだ、職員がそれでこそ初めて、かすみを食って真理に生きよったって無理なんです、職員が希望を持って働き得るような条件を私はつくるべきだと、こう思います。また五等級の定数ももっと大幅に広げるべきです。この労務職員等の昇格を促進すべきだと私はほんとうに痛切に感じますけれども、その点はどうですか。
  82. 岸田實

    事務総長岸田實君) 行(二)職員を行(一)職員に移行したのでございますから、かねがね私の考えとしては行(一)に移行したかいがあるようにしなければいけないということで、上位号俸への昇格の道を広げることということに最重点を置いて大蔵省とも折衝してまいりました。幸いにしておととしから暫定で四等級の昇格の道ができ、本年度は三名の定数が認められたわけでございますが、これは一つのそういう道が開けた、端緒ができたということでございます。しかしながら一面から言いますと、一般職における運転手の給与水準という問題と極端にかけ離れたものを要求するということは、これもまた非常識な話でございますから、したがってその点を考えながら、しかし本院の運転手諸君の現在の号俸の分布状況であるとか、たとえば頭打ちの問題とかいろいろございますし、あるいは非常に定年を長くして長くつとめてもらうという方針でやっておりますし、そういう関係もございますので、参議院参議院の特殊性がございますから、その特殊性に基づいて四等級の定数の増大を今後さらに一段と努力したいというふうに考えております。
  83. 須原昭二

    須原昭二君 きょうも自動車の運転手さんに聞いたんですよ。国会の運転手になるためには六年間のほんとうの実務経験、しかも第二種の免許を持っておらにゃいかぬというきびしい条件があるわけですね。しかも私たちは気楽に乗らしていただいているけれども国会議員をうしろに乗せると緊張して、事故があってはならないというような、ほんとうに心配して走っておられる実態を見ておると、五等級になるのに二十七年間も勤めなけりゃなれない。そして四等級にはたった三つしか席がないというような現況はほんとうに考えてやらなければならない。ですから、ひとつやるということですから、検討するということですから、次に進みたいと思います。ぜひともお願いしたい。  職務評価の問題点では国会独自でやれる幅もあるはずだと私は思っております。国会当局が行(二)問題あるいは技術職員の職務の特殊性を勘案をして要求が出された場合には、大蔵省はこの国会の要望に前向きに対処し得る措置をする、こういうふうに先ほどもおっしゃいましたから、ひとつぜひとも前向きで措置されるようにこの際要望しておきます。このように全国会職員の職務の特殊性をみんなが認識を改め、そして積極的に行動しない限り、私は冒頭に申し上げました河野議長が提唱した参議院改革という開かれた国会への国民の信頼にこたえる道は私はできないと思うわけです。そういう点から非常に私はこの問題を指摘をいたしておるわけでありまして、現状から見れば改善すべきことはすみやかに改善をする、予算関係がある、向こう三軒両隣りの関連があるというような右顧左べんするのではなくして、国会独自のものの考え方で意欲を持って行なっていただきたい。そして職員をしてやはり誇りを持ってこの職責が全うできるような措置をしていただくように、そういうことをひとつ特にお願いをいたしておきたいと思います。  次は特に姿勢の問題点ですが、いまいろいろと前向きだ、あるいは検討する、こういうお話しがございましたが、特に行政(二)表の撤廃に対する当局の姿勢が、いま検討するとおっしゃいますが、私は信頼が置けないんです。どうしてそういうことなのかというと、過去を振り返っていただくとよくわかる。四十一年度には行(二)表は廃止するという方針を打ち出している。四十二年には三年以内に全員を行(一)に移すと約束をされた。ところが、その後だんだんとその約束はぼけておるわけです。四十八年度には行(二)移行はゼロになってしまった。歴史的経緯から見ると事務局はほんとうに怠慢というとそのとおりだと思いますが、意欲がないと思います。ものを前進さしていく、約束したことは履行するという、そういう道義心すら私はないと、こう言っても過言でありません。先ほども総長は言われました。こういう問題点は有利なところもある、なるほど有利な点あります。初任給が有利である。中高年齢層の職員を採用する場合には有利だ、こういう要素はあります。しかしながら、実際では、現状ではほとんど行(一)に移ったあとも行(二)並みに置かれておる。行(一)の採用の人とは何年か先で大きな差ができちゃうんですね。行(二)の定数を一刻も早くなくして、しかもただ単なる行(一)への振りかえ措置ではなくして、現場の職員を削減しないように私はすべきだと思うのです。その点は衆参、国会図書館、それぞれ最高責任者がお見えになりますから、最終的にひとつこの問題点についてはっきり御答弁をいただきたい。
  84. 岸田實

    事務総長岸田實君) 先生の御趣旨を体しまして今後も努力いたしたいと思いますが、振りかえ措置をとったために現場職員を削減しないようにというお話しがございますが、これは私どもは全然考えておりません。現実におられる定数の方々は必要な職員でございますから、かりに振りかえ措置をいたしましても現在の職員を減らすという考えは毛頭ないということを申し上げておきます。それからいま申されましたことにつきましては、ともかく衆議院図書館関係のある問題でございますから、今後三者で十分に検討協議いたしたいと思います。
  85. 須原昭二

    須原昭二君 参議院は、四十九年度においても国会三当局の中でただひとり全員行(一)移行の要求を行なったわけですね。これは四十八年、四十九年と続けて議運の庶務の小委員会でも決定をしましたですね。いわばこの国会参議院の院の意向なんですよ。残念ながらいまだに実現をしていない。どこに原因があるのか。積極的に要求をしない、そういう姿勢にも私は問題があろうかと思うし、またそれを受けとめる大蔵省においても参議院の議運の決定を無視して二年間も移行ゼロの査定をしていくところにもひとつ問題があるんじゃないか。いろいろ横の関係があるとおっしゃるかもわかりませんが、そういうことはやはり参議院の議運の決定、院の意向、これを軽視もはなはだしいと言わなければならない。今後の姿勢の問題として、大蔵省の見解を聞いておきたい。
  86. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) かたいことを言って恐縮でございますけれども、給与の問題は結局は納税者負担に帰する問題でございまして、われわれとしては慎重にやっておるわけでございます。さっきも申し上げましたように、国会の特殊性ということは十分承知いたしまして、特殊性で説明のつく範囲でいろいろと知恵を出してやっておる、こういうことで従来もやってきておりますし、これからもやっていくつもりでございます。
  87. 須原昭二

    須原昭二君 事務当局も五十年度はこの要求実現のためにさらに姿勢をくずさずに進まれますね、行(一)移行について全員――この点を確認しておきたい。
  88. 岸田實

    事務総長岸田實君) 二年間にわたって庶務小委員会に御方針をおはかりいたしまして、庶務小委員会の御見解はやはり継続してやるべきであるという御見解が非常に強うございます。これは今後も変わらないと思いますので、私といたしましては、衆議院等では一応停止の形になっておりますが、事務総長としては要求を続けてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  89. 須原昭二

    須原昭二君 そこでもう一つ、私はこの現在の定員表を見て感ずることは、この行(二)定数が二十三名になっているんですね。しかし、現実には三十九名ということになっている。二十三名だからわずかだと思っておったら、実際には三十九名の過剰状況にあるんですね、ほんとうですね、間違いありませんか。
  90. 岸田實

    事務総長岸田實君) そのとおりでございます。
  91. 須原昭二

    須原昭二君 そういうことは明らかになったわけですが、もしそうだったら、当面の課題として早急にこの問題は解決すべきです。聞くところによると、三年計画で解消する計画だと、課長さん、この間もお話しをしたときに聞きましたけれども、計画は往々にしておくれるものです。早急になくす、積極的にこれに取り組む、この姿勢をひとつ確認していきたいと思いますが、どうですか。
  92. 岸田實

    事務総長岸田實君) オーバー分の解消につきましては、元来このオーバー分ができましたのはいわゆる現業の行(二)職員の必要性が非常にふえましたときに行(一)の定数を使って行(二)職員を採用したという過去の取り扱いがございまして、それがこの形になってきておるわけでございます。決して必要以上に行(二)にとめおくためにそのオーバー分ができたというわけじゃないわけです。しかし、現在行(一)移行ということが実行されておるのでございますから、それにもかかわらず、行(二)のオーバー分があるというのはいかにもおかしいということで、庶務小の御了承を得まして、三年計画を立ててこの解消をするという方針をきめて、初年度十八名を解消いたしました。今後続けてそれを実行いたしたいと思っております。
  93. 須原昭二

    須原昭二君 一応計画があるならば、これ計画内に、四十八年ですから四十九年、来年度でなくなってしまうという計算ですね。いいですね。
  94. 岸田實

    事務総長岸田實君) 四十九年、五十年で解消したいというふうに考えております。
  95. 須原昭二

    須原昭二君 五十年でなくなるということですね。いいですね。
  96. 岸田實

    事務総長岸田實君) はい。
  97. 須原昭二

    須原昭二君 そこでさらにまた進んでおきます。  電話交換手を行(二)で採用することから生ずる不合理はだいぶ是正されております。ここまでやれるならなぜ初めから行(一)で採用しないのかという問題が一つ出てくる。いま一つは電気技術者についても初任給が有利である――先ほどの行(二)の問題ではございませんけれども、行(二)のときにおっしゃったように、初任給が有利だとかよく当局は言われますけれども、行(一)の五等級に上がるには約二十年かかるといわれている、二十年。同じ高卒でも行(一)採用者と比べると四年から五年おくれてしまう。たとえ初任給が有利であってもこんなに大きな格差となってはね返ってくるわけです。ですから、職員の皆さんのお話しを聞きますと非常に深刻な問題です。ですから、衆議院では、聞くところによりますとこの電気技術者を行(一)で採用しておる、こういうように聞いております。衆議院でやれることがなぜ参議院でできないのか、この点をひとつ明確にしていただきたい。電話交換手と電気技術者と。時間の関係がございますからひとつ答弁は簡明にお願いしたい。
  98. 岸田實

    事務総長岸田實君) 電話交換手の、ことに行(一)の女子職員との対比による格差是正の問題は数年来分科会でも論議されたところでございまして、この御趣旨に従いまして昨年十分に格差是正のことについては考慮いたしております。それで、これを行(一)で採用することにしたらどうだというおことばでございますが、現在はともかく電話交換手というものは採用の際には行(二)の職種として現在きめられておりますから、これをいま直ちに行(一)にするということはできません。行(二)の全面移行をした上でなければそれはたてまえ上できないわけでございます。なお最近の機械技術の革新に対応いたしまして、大卒の電気技術者は行(一)で採用いたしております。これは行(一)で採用できるわけでございます。工業高等学校卒の保手につきましては行(二)で採用するというたてまえになっておりますからそれでやっております。それで、ただいま先生は初任給が有利であってもあとが非常に悪いじゃないかというおことばでございますが、昭和四十五年ですか、行(二)の初任給基準あるいは前歴加算等につきまして非常に改善を加えられておりまして、それを適用いたしますとかなり行(一)の初任給基準よりも有利な扱いを受けることができまして、その有利性はたとえば保手等につきましては採用後十数年続くという実態になっております。したがって、私どもとしましては、やはり職員の不利になる扱いをするというわけにいきませんから、その点も勘案いたしまして、ことに経験者等につきましては有利でございますからその扱いをそのまま続けてやっておると、こういうことでございます。
  99. 須原昭二

    須原昭二君 この間課長さんにもちょっと個人的にお話しを聞いたら、衆議院のほうは大学卒だけで高卒はやっていないんだ、電気技術者の場合。これは高卒もみんな行(一)で採用していますね。そうですね。私は調べたんですから間違いありません。いいでしょう。  この際私は、この行(一)に全部移行してから電話交換手は行(一)格で採用すると、こうおっしゃっております。しかし、卵が先か鶏が先かという論議になるわけです、これを押していくと。どうせ行(一)に全員移行するんだったら並行的にやはりこれは検討すべきです。検討はお約束されますか。
  100. 岸田實

    事務総長岸田實君) それは行(一)に全部を移行すれば、それは行(二)職員というのはなくなるわけですからあれですが……。
  101. 須原昭二

    須原昭二君 してからとおっしゃるんでしょう。
  102. 岸田實

    事務総長岸田實君) 現在はともかく行(二)というのは残っておるわけですから、したがって、たてまえとしてはやっぱり行(二)で採用して、なるべくすみやかに行(一)に移すという運用をせざるを得ないというふうに考えております。
  103. 須原昭二

    須原昭二君 全員移行を三年計画で五十年までにやるという話なんですよ。もう遠い話じゃないんだ、来年までの話じゃないですか。そうでしょう。だから同時に検討し始めなさいと、こう言っているんですが、それが検討できないのかということです。
  104. 岸田實

    事務総長岸田實君) 全部が移行した場合の取り扱い等については十分にあらかじめ検討いたしておきます。
  105. 須原昭二

    須原昭二君 ですから要望いたしておきますが、電話交換手、電気技術者ともに行(一)で採用するように直ちに検討してください、いいですね。  ちょっと時間がございません、まだたくさんありますからね。妨害になりますからあまり長くしゃべらないでください。  今度は甲、乙問題。この大学卒の採用者、いわゆる甲、乙の問題、まず歴代の参議院事務総長は人はかわれど同じことを言っている。人事院試験合格者でなければ優秀な人材が集まらない。しかし、法制局や衆議院図書館においては、いわば独自の試験を行なっているわけです。そしてりっぱな人材を確保しているのです。なぜ参議院だけ独自試験一本でやれないのか。参議院では試験をやる体制がないのか、その積極的な意欲がないのか、こう疑わざるを得ません。この四十七年から四十九年まで甲の採用者はゼロである。この点は私もわかっております。しかし、これは当分やらないということであって、永久にやらないということではないらしいわけです、私が聞いている範囲では。行政府の職員を採用するに実施する人事院の試験に便乗するような安易な姿勢はこの際やめるべきだ、院の独立から言って。私は人事院の試験に便乗するような安易な姿勢に問題がある。こういう問題がすべての行政府と立法府との関連に出てくるわけです。当分ではなくして永久にやるべきではないと私は思うのですが、この点はどうですか。衆議院図書館はやっているんですか。この際明確に答えてください。
  106. 岸田實

    事務総長岸田實君) もう甲採用をやめてから二年になりますが、私は当分と申しましたのは、たとえば調査室の調査員等かなり知識、経験を要する職種につきまして、本院の試験だけの採用ということで採用した職員が十分にたえ得ればこれにこしたことはないわけです。したがいまして、もし調査員の資質等についていろいろ問題があるということになるとまた検討せざるを得ないけれども、本院採用の職員がしっかりやってくださる分には甲の採用は必要ございませんから、採用いたしません。
  107. 須原昭二

    須原昭二君 わかりました。ひとつ院独自の試験で採用していただくように重ねて要望しておきます。  さらに甲、乙との格差を短縮せよということですね。これまで人事院の試験に合格された、すなわち甲で採用した人と、本院独自の試験で採用したいわゆる乙の人の間で差別が非常にひどいということです。人事院規則によりますと、五等級に昇格する基準年数は甲は五年、乙は七年、四等級への昇格する基準年数は甲は九年、乙は十一年、三等級への昇格する基準年数は甲は十三年、乙は十五年、いずれも甲、乙との間に二年の差があるわけです。しかし、本院では甲に対してはこの人事院規則の基準を上回る昇格がなされている。片や乙に対してはこれをはるかに下回っている。したがって、乙と甲との差においては五年以上も開きがある。同じ部屋で机を並べて同じ仕事をやりながら、資格の違いでこんなに大きな差が出てくるわけです。たとえば調査室なんかのあたりでは知識、経験がすぐれた先輩を甲の採用者の後輩がぐうっと追い抜いていくんです。これでやる気になりますか。職員の皆さん、将来に対して希望が持てますか。当面、甲との二年差という人事院基準というものを守るのが私は正しいと思うんですけれども、その差を短縮するように努力ができないものかどうか、この点をひとつ明確に答えてください。簡単にお願いしますよ。
  108. 岸田實

    事務総長岸田實君) 現在甲に扱っております昇格のいわゆる八掛け措置というのは各省共通の採用条件でございますので、これを本院で一たん採用した以上はそれをやらないというわけにいかない。それで私たちとしては、それは各省でやっている処遇は甲に対して与える。しかし、それになるべく近く乙の職員が追いついていけるような乙の処遇の改善をはかるべきであるということで努力しておるわけでございます。それでその一つの方法としては、たとえば特別昇給等のことにつきましては、甲はそういうふうに恵まれた昇格をするわけですから、特別昇給はなるべく押えて、そして乙の職員に特別昇給をさせるというような運用で両者の調節をしてまいっておるわけですが、最近の実情を申しますと、乙でも各人についていろいろ能力等の差があって処遇のばらつきはございますが、特に優秀な者につきましては、同年次に採用された甲と乙の職員が三等級に昇格した段階でほぼ同じ号俸に並んでおるというような状態にまでなっておるわけです。したがって、私たちとしては、甲が特権的な扱いを受けるという一般職員のそういう考え方をなるべく払拭するように、今後とも乙の処遇改善について努力する、能力のある人は甲に近づけるように努力するということでまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  109. 須原昭二

    須原昭二君 いずれにしても、職場の中に入りますとそういう格差の問題というので非常に不明朗な空気が漂っているわけです。ですから、まず職場の中を明るくするためにはそういう問題点をやはりきちんと差を縮めていく、乙を上げていくというような方向で努力していただきたいと思います。努力するということですから、了承いたしましょう。  今度は男と女の差別です。川野辺先生お見えになりますけれども、まさにこの女子の待遇については従来から指摘をされているのに、全く改善の余地が遅々として進まない。五等級にとどまらず、四等級への道を大きく開くべきだと私は思うんです。図書館へ行くと女の課長さんがいるじゃないですか。なるほど東大を出たりっぱな女性がお見えになります。しかし、たった一人です。三等級は一人。国会の中にもお見えになる。二名おる。よく調べましたら、何十年もつとめた電話交換手と女医さんですよ。川野辺先生のようなりっぱな先生と同じような女医さんが見える。そのお二人だけがいまそのような状態なんですね。女子を処遇すると男子の昇格がおくれる、こういうようなことは私はすりかえの論理だと思う。必要な定数は断固として確保していくというような姿勢が必要だと思うんです。そういうところに問題があると思うんですが、この五等級昇格をするということが当面の課題として努力してもらいたいし、四等級は私はさらに女子職員の皆さんにも希望の持てるように前向きの姿勢で対応していただきたいと思いますが、いかがですか。簡単でいいです。答弁は簡単でいいです。
  110. 岸田實

    事務総長岸田實君) 五等級の昇格につきましては、従来どおりの方針で重点事項として努力してまいりたいと思います。  四等級の問題になりますと、これは定数関係、それから女子職員の実際に行なっております職務内容等の面でなかなかそう一挙にというわけにはまいりませんが、これも本人のやっておられる職務あるいは本人の実力等を十分に検討いたしまして、四等級に昇格の道も開いてまいりたい、努力してまいりたいと考えております。
  111. 須原昭二

    須原昭二君 この女子職員の処遇問題、とりわけ国会、国権の最高機関です。男女同権というのはもう言うまでもない。言うばかりではいけない、実態がそぐわなければそういう体制はできない、そういう点を留意されましてひとつ善処を願いたいと思います。  次は、議院警察職の問題点です。  この警察職の問題について、事務当局は常に公安職だとかあるいは執行職の系列といった前提でものを考えているようでありますが、この議警の問題といえども同じ国会職員であることには変わりはないわけです。そういう点からいいますと、議警いわゆる議院警察職についても、いわゆる行(一)のワンランクアップ化に見合うような措置がとられるべきである、こう私は思うのです。これに対して、当局はいつも班長でも二等級に、副長でも一等級に上がれると言っておられます。これらはそれぞれ班長でも係長、あるいは副長でも課長補佐になって初めて上がれるだけのことであって、行(一)において係長のまま四等級に昇格することができるというようなこととは本質的に違っているわけです。ほんとうに行(一)運用の実態と均衡をとるとするならば、班長のまま二等級、係長、副長のまま一等級にのぼれる道を私は開くべきであると思いますが、その点についてどうお考えになりますか。
  112. 岸田實

    事務総長岸田實君) 概略の御説明を申し上げますが、こまかな点がもし必要であれば人事課長から答弁させます。  公安職にならったのは、一番近似した職でございますので、公安職に準じて、それに国会の特殊性を織り込んで上積みして議警職の給与体系をつくっておるのでございまして、最近は公安職の処遇の改善が非常に進んでまいりました上に、参議院の特殊性に基づく上積みもございますから、端的にこの実態を申し上げますと、同一採用年次の行(一)の高校卒の職員の給与の上昇の歩みと比較いたしまして、採用後十二、三年ぐらいは相当に優位な給与を議警職は受けておるわけでございます。号俸にいたしますと約四号俸ぐらい高い給与を受けておる。決して議警職は一般の行(一)の職員と処遇において劣っておるということは実態的にないわけでございます。それで、行(一)につきましては多少上位号俸へ昇格の道を開いてだんだん上のほうに移行していくような状態になってきておりますが、議警職につきましてはすでに前々からそういう扱いをしておるわけです。それはいま申しましたように、衛視であるけれども、それは班長であっても係長になれば一つ上に上がれるというふうな処遇をずっとしてきておりますから、これは長年の運用でやってきているわけで、最近の行(一)の扱いのいわば先取りをしているような形になっております。われわれは、行(一)とほかの議警職、速記職との処遇の均衡ということについては、もう非常に慎重に絶えず検討させておりまして、それが乱れることのないようにということでやっておりますが、現在の実態では均衡は十分にとれておるというふうに考えております。
  113. 須原昭二

    須原昭二君 その、私が申し上げた今日の段階として、班長のままに二等級に、係長、副長のまま一等級にのぼれる道を開くべきだ、――窓をあけるということです。これについて、研究される余地はないのか。研究されますかどうか、その点をお尋ねしたい。
  114. 岸田實

    事務総長岸田實君) 処遇の改善のことにつきましては絶えず検討しなくちゃなりませんから、その必要性があるかどうかということを含めて検討いたします。
  115. 須原昭二

    須原昭二君 まあ行(一)において課長補佐が二、三、四等級に、係長が四、五等級に格づけされていると同様に、議警においても副長は一、二等級、班長は二、三等級に格づけされなければ現在やっている実態とは合わないような気がするんです。したがって、これらの措置についてぜひひとつ改善をしていただくよう、強く私は要望しておきます。  次は速記職です。速記の仕事は、言うまでもございません、現場でこのように速記の作業をしておられますけれども、その原稿を校閲して、最終的に原稿にする、最終原稿にするいわゆる校閲作業との二つから成り立っているわけです。この二つの作業が車の両輪のようにかみ合って初めて完全な速記録ができるんですね。もうこれは言うまでもございません。ところが、従来この校閲作業の重要性がとかく見のがされている、こういうふうに私は実は思うんです。これは、人員増の場合も、校閲部門はあと回しにされているわけです。校閲担当者は会議録について実質的・最終的責任を負うという立場にあるために、速記職の最高のポストである速記監督ですか、速記監督がこれに当たることになっているわけですね。本院の場合、二十人の校閲者で十六の常任委員会、七つの特別委員会の速記録をすべて処理しているわけです。これはまさしくたいへんな仕事だと思うんですね。最近、この質疑が活発になってまいりまして、業務量が増大をしております。さらに、この職責がきわめて重要な性質を持っておりますから、校閲担当の速記監督を増員すべきではないか、こういう要求が出てくるわけです。少なくとも一委員会を二人で担当させるような努力をすべきだと思うんです。そうしなければ対応でき得ないのではないか。私は、きわめて校閲職務の重要性の立場から、どのような見解に立っておられるのか、記録部長からひとつ御答弁をいただきたい。
  116. 西村健一

    ○参事(西村健一君) お答え申し上げます。  本院の記録部におきましては、校閲、調査等を担当する職員は、速記職百三十八名のうち、三十一名おりまして、ただいま御指摘のありました校閲担当の者はその中に入っておるわけでございます。  最近における国会審議内容が著しく専門化し、かつ、複雑化しておりますために、校閲、調査等を担当する職員の充実をはかる必要性は十分認めておりますが、目下のところ、一委員会複数制をとるというところまでは考えておりません。それはやはり、会議に出て速記をいたします職員との均衡もあるからでございます。現状において、もし監督をふやすといたしますと、こうして議事を速記する職員が校閲等の業務を兼ねることにならざるを得ないのでございまして、そうなりますと、責任の所在とか、あるいは負担の過重というような問題を生じてまいりますので、重要な校閲等の業務の遂行に完ぺきを期しがたいというおそれが出てくるわけでございます。したがいまして、当面は速記職全体の増員と、それに見合う監督の増員ということについて検討を進めてまいりますとともに、速記業務全体の再編成といったような長期的な対策も真剣にかつ慎重に考えてまいりたいと存じます。  なお、副監督以下の職員の処遇問題につきましても従来と同様努力する所存でございます。  以上でございます。
  117. 須原昭二

    須原昭二君 いまお話しを聞いていると、私が言っているのは、二十人の校閲者で十六の常任委員会、七つの特別委員会、しかも先ほども先輩の加瀬委員からおっしゃったように、七つの特別委員会も常任委員会並みになってきているわけですね。これを、二十三の委員会があるのにもかかわらず、二十人の校閲者でやっている、ここに問題がある。  そこで、いまお話しのように、速記監督をふやすと現場の速記者が少なくなる、これはそういう論理にはなりますが、ただワク内で何とか処理しようというところに問題があると思うんですよ。なぜ速記者をふやさないのか。私はこの院におけるところの速記者の養成所の実態も聞いてまいりますと、この生徒の募集についてもきわめて消極的だということを聞いております。これはただ広告だけ出すんじゃなくて、いわゆる積極的にその生徒を集めてくるというような積極さに欠けている。だから現在員の定員の中でやっているから、監督をたくさん出しますとあと現場のやつがなくなってしまう、こういう論理を展開しているわけで、非常に消極的だと私は思うんです。したがって、とりあえずの段階として現場速記者をふやすということが前提です。そういう前提の上に立って、現場の速記者にもやはりどんどん速記監督の資格を与えて校閲を強化する体制、これは並行的に行なわなければならない。ですから、いま御答弁を聞いておりますと、きわめて現在の定員の中で何とかしようという消極戦法です。もっと積極的戦法に切りかえなければ充実ができませんよ。その点はどうですか。
  118. 西村健一

    ○参事(西村健一君) 先ほどもちょっと触れましたわけでございますが、速記職全体の増員と、それに見合う監督の増員という形で検討を進めてまいりたいと考えております。  なお、速記者養成の問題につきましては、御指摘のような点も十分考えまして、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
  119. 須原昭二

    須原昭二君 非常に後向きの答弁をされるようで、まあ前向きと言うと、ただことばだけで検討だとか努力しますということばが出てくるわけですが、ことばだけではわれわれは納得しないわけで、現実にあらわれてこなければいけないわけですよ。こういう議事録を、前のこの予算分科会の討論をずっと読んでみますと、過去をたどってまいりますと、みんないいことを言っているんですよ。します、検討します、前向きで対処しますと。しかし、二年たっても三年たってもそれは現実に芽をふいてこない。これでは何べんでも言わなければならぬ。速記者が足らなければもっとふやすように努力しなければいかぬ。その対策に対しては全く年々同じことをやっている。これでは人は集まってきませんよ。集まってこないから現場の職員が少ない、少ないから監督が出ないという論理になってくるわけです。しかし、われわれの立場から言うならば、いま一つの委員会で質問しますと、十日も十五日も先にしか議事録は出てこないんですよ。こんなことでこの目まぐるしい現下の情勢の中で対応できますか。ですから、会議録というのは即製で簡単なものでさっさとでかすという性質のものじゃないわけです。したがって校閲者が二十名しかいない、二十三も委員会がある。どう対応するのか。現場の速記者からどんどん監督を抜てきをして、この定数をふやしていく、そうすれば、下がなくなればやらざるを得ないでしょう。みずからを律するというようなそういうきびしい態度で臨みなさいよ、どうですか。
  120. 西村健一

    ○参事(西村健一君) 御趣旨を十分に踏まえまして、今後とも努力してまいりたいと存じます。
  121. 加瀬完

    ○副主査(加瀬完君) 私からも質問をしますが、須原君の指摘は、いま足りているのか足りてないのか、不足しているんじゃないのかと、過重労働になっているんじゃないかと、こういう点を伺っているわけですね。だから、あなたのほうでは、須原さんの質問に対して、いや、あなたはそう言いますけれども足りておりますとか、おっしゃるように足りておりませんとか、監督も不十分ですと、人員も増加してもらわなけりゃ困りますとか、そういうことをはっきりしてくれりゃいいんだよ。ちょっと、もう一回答えてください。総長に答えてもらったほうがいいかな。
  122. 岸田實

    事務総長岸田實君) 速記の校閲業務というものがだんだんむずかしくなってきているということは、私も前に記録部長もしておりますし、十分に認識いたしております。予算折衝等で思うように獲得ができないということはまことに残念に思っておるわけでございますが、今後ともその点はできるだけ努力をいたしたい。  また、速記監督をふやすということになりますと現業が薄くなりますから、この増員も、衆議院でも本年度やられておりますし、われわれとしてはやらなけりゃならない、ほかのところから持ってきてでもやらなけりゃならぬという気持ちでおります。ただ、養成所の養成を経てやるわけでございますから、一気に大ぜいの者を入れるというわけにはいかない。やっぱり資質のある、選ばれた者だけになりますから、年次計画で充実さしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  123. 須原昭二

    須原昭二君 総長が記録部長をやっておられたということならなおさらのことです。その当時から態度はごうも変わってないでしょう。どうですか。態勢変わってないです。これまた十年一日のごとし。これは、ひとつ、ほんとうに考えてもらわなければならない。衆議院の段階ではさらにもっときびしい条件がございます。したがって、頸肩腕症というような職業病等々いろいろ出てきておる。私は、それは隣の衆議院の段階の問題ではなく、ひいては参議院の職場でもこういう状態が出てくる。これは憂慮しなけりゃならない。したがって、この問題については、ただ努力をするということではなくて、事務総長、ひとつぜひとも来年度の段階にはこのような増員をはかるということと、いま一つは、現場の速記者の皆さんが監督になり得るような、そういう道をどんどん開いて、少なくとも一委員会で二人ぐらいの校閲担当者がおるように、そういう体制をつくっていただかなければ会議録というりっぱなものはできません。この点は特に強く要望しておきます。  時間がきてしまったようでありますが、したがって、私は先ほども人員増の問題点について、とりわけ、ひとつ調査室の強化の問題を最初に取り上げましたけれども調査室だけの問題ではございません。委員部の問題でもどこの部の問題でも定員がきわめて薄くなっておる。こういう点は指摘をせざるを得ないのであって、ぜひとも、この人員増の問題については、来年度はよほどふんどしの緒を締めて、総長みずからが大蔵省と折衝する、大蔵大臣と折衝するぐらい、査定の段階で大いにひとつがんばってもらいたい。この点は、ひとつ、要望しておきたいと思うんです。  さらに、国会三局の人事の交流、とりわけ調査室長などなんかがやめた場合には内部から登用していく、こういう道をつくって調査室の皆さんにもやる気を起こさせる、こういう姿が私は必要ではないか。この点は、ひとつ、要望しておきます。時間がございませんから、答弁を聞いておりますと、長くかかってしまいますから一。  いま一つは、臨時職員期限の不利益是正の問題、本採用前の臨時職員期限を本採用に準じて同じようにみなして、これまでの不利益を是正してやるべきだ、こういう私は感じを持っております。これは答弁は必要ございませんが、なかなかむずかしい問題点はあろうと思います。しかしながら、この臨時職員期限を本採用と同じようにみなして、それまでの不利益を少しでも是正をしてやるという気持ちがなければ、私はあたたかい職場環境というものは出てこないと思うんです。これはひとつぜひ対処していただくようにお願いをいたしておきたいと思います。  最後ですが、私はきょう一日前半の参議院改革の問題、開かれる国会の問題を申し上げてまいりましたが、要はそこで働く人たちの職員の皆さんの処遇についてほんとうに力こぶを入れなければ、まずうちの中からきちんとしなければ国民の信頼にこたえることはできない、こういう立場から、実は職員の処遇の問題について質疑を重ねてきたわけであります。もう言うまでもございません、国会の職員は、国会活動やあるいは議員活動を十全なものにするためにも、処遇の改善というのはほんとうに職員の士気、能力の向上をはかることが不可欠の要件だと、私は実は思っております。したがって、法律上では両院議長が協議して決定することに、実はなっておるのでございまするけれども、実態は独自性の配慮が非常に薄いと思うんです、こういう問題点は。どうも先ほどからも大蔵省の答弁を聞いておりましても、ちらほらと行政職員の引き移しのような答弁が、内容が出てくるわけです。運用の問題についても大蔵省の予算だとか、あるいはまた人事院の基準だとか、こういうものにがんじがらめにされていて、はたして立法府として、国権の最高機関としての国会としての自主性というのはどこにあるのか。この国会の権威を高める意味においても、この問題は重要な問題点であると思います。そういう意味で、最もいま時期的に関心事になっている課題というのは、特に中堅の職員の昇級昇格ですね、中堅職員の昇格に要する大幅な定員増加、本年七月予想される昇格には納得のいくような大幅な昇格をすべきである、こういうふうに思うわけでありますが、国会事務局としての、この国会の特殊性からいっての自主性の問題点、いま二つ申し上げました。昇格の問題点についてどのように対処されるのか、最終的でございますが、ひとつ御答弁をいただきたい。
  124. 岸田實

    事務総長岸田實君) 国会職員の処遇あるいは身分取り扱いにつきまして、できるだけ自主性を発揮するように今後とも努力いたしたいと思います。  なお、級別定数の上位の定数の確保につきましては、私はかねがね最もこれは大事なこととして人事課長に厳命を下して大蔵省に折衝さしてまいってきておりまして、ことしの予算でも満足ではございませんけれども、かなり認めていただいたと思っております。七月の昇格におきましては、できるだけ多く昇格ができるように検討してまいりたい。少なくとも昨年を下回らないように努力をしていくという考えでございます。
  125. 須原昭二

    須原昭二君 事務総長としてこれからのこういう人員の確保の問題、予算確保の問題で大蔵省と折衝させるときには下部にまかしておくのではなくて、幹部が出て行ってやはり積極的にやるというくらいの気持ち、それに対して大蔵省もぜひともそれは前向きで国会の特殊性からいってこれにこたえていく、こういう点を特に要望しておきます。  七月の昇格の問題については、昨年を下回らない、これはあたりまえのことです。そんなことは、これはあたりまえのことです。昨年以上に確保する、こういう答弁がなくては私は前向きじゃないと思う。以下というようなことは私は聞いて、黙って帰るわけにいきませんよ、どうですか。去年よりも大幅に上げる……。
  126. 岸田實

    事務総長岸田實君) 昨年を下回らないと申しましたのは、いろんな段階がございますから、段階によっては非常に昨年よりも上回るところもございますし、段階によっては非常にむずかしいところもございますから、それを少なくとも昨年より下回らないようにすべての段階について努力したいということを申しておるわけであります。もちろん昨年よりも昇格の実績をあげるようにいたしたいと思います。
  127. 須原昭二

    須原昭二君 時間がきたようでありますから、最後に一言申し上げます。  これは私もこの問題に関心を持ってだいぶ調べてまいりまして、ほんとうに長い間議会事務局体制というものは遅々として進んでおらない。この状態では国民から信頼を受けるような国会活動はでき得ない。そういうことで実は予算委員会分科会に出てまいりまして、特に諸問題について要望等々をつけ加えながら指摘をいたしました。私は来年の予算委員会にこの問題がどれだけ消化されたのか、この点は予告をしておきます。皆さんの努力の過程を追跡調査します。ですからこの一年間ひとつがんばっていただくように前もってひとつ警告をしておきますから念のために。よろしくお願いします。
  128. 加瀬完

    ○副主査(加瀬完君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十七分休憩      ―――――・―――――    午後一時三十四分開会
  129. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) ただいまから第一分科会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和四十九年度総予算国会及び皇室費所管を一括議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
  130. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは、きょうは私は初めに国立国会図書館の問題について質問をしたいと思います。  毎回分科会におきまして国立国会図書館の問題が問題になりますが、その中で、昨年も質問いたしましたが、図書館行政の問題とからんで特に国会図書館の位置づけについて初めにお伺いしたいと思います。  この国立国会図書館日本で一番大きな、最大の図書館といわれておりますし、国会審議とはまた別に広く国民にも利用されているわけでありますが、私もときどき参りますけれども、連日多数の閲覧者が来館しているようでございますが、その実態について初めにちょっとお伺いしたいと思います。
  131. 宮坂完孝

    ○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 峯山先生には常にわが国立国会図書館について非常な御高配を賜わっておりまして、まことにありがたく、厚くお礼を申し上げます。  わが国立国会図書館は、先生御承知のとおり、国会法の百三十条によりまして、議員調査研究に資するため国立国会図書館を設置いたされたものでございまして、立法機関に付属しておるわけでございます。しかしながら、一面、戦前の上野図書館を創立の次の年にこれを吸収いたしまして、国立図書館として日本の最高中央機関の性格を持っておるわけでございます。そういう点につきましては、むろん立法機関に奉仕するのを第一義とはいたしまするけれども、広く日本全国図書館の中央図書館といたしまして、これが技術的にはむろんのこと、あらゆる分野におきまして指導育成に当たっておるわけでございまして、その点においてもわれわれは国会に対するサービスと同様に重視をいたしておるわけでございます。  また、いろいろな作用におきまして、あるいは対外的に、あるいはまたいろいろな機能を発揮しておりますが、まず、われわれといたしましては、国立国会図書館法を見ていただければわかることでございますが、崇高な理念のもとに発足いたしておりますものでございますので、館員一同、その点を重視いたしまして研さん、努力をいたしておる次第でございます。
  132. 峯山昭範

    峯山昭範君 大体あれですか、一年のうち開館日数というのはどのくらいですか。それで利用人員と利用図書数というのは大体どのくらいあるもんですか。
  133. 宮坂完孝

    ○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 申し上げます。  図書館は日曜日には開館いたしておりませんので、大体二百八十四日開館しておりますが、所蔵図書館資料は、図書で二百八十五万、それからその他いろいろな図書館資料がございまするが、まだ製本いたしてない雑誌、新聞、それからその他マイクロフィルム等、種々雑多な形態の図書・資料を所蔵しておりまして、俗に三百万点と、こう申しておるわけでございます。
  134. 峯山昭範

    峯山昭範君 館長ね、そういうのは大体わかりましたけれども、一年に閲覧人員というのは、大体どのくらいのもんですか。それから利用図書数。そうしますと、一日平均何人ぐらいの人が図書館に見えておりまして、それで一日何冊ぐらいの本の借り出しが行なわれているかという問題でございますが……。
  135. 鈴木平八郎

    ○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) お答えいたします。  閲覧者の数は、本館と上野を分けますと、本館が年間を通じまして一日平均大体千三百人ぐらいございます。それから上野の図書館、これは御承知のように本館の支部図書館になっておりますけれども、これは一日平均いたしまして四百二、三十名というような勘定でございます。  それからお尋ねの図書の閲覧の数でございますが、大体一日に二千冊、多いときは二千五、六百冊になるときもございますが、大体そんな程度、毎日閲覧者が参りまして見ていただく数はそのぐらいになっております。
  136. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、一日平均千三百人の人が参りまして、二千冊以上の本が図書館で貸し出しが行なわれているわけでありますけれども、一年三百六十五日のうち二百八十四日しか開館してない、ということは日曜、祭日は休みということでございますが、これは前も一回議論になったことがございますけれども、日曜、祭日等の問題についてはどういうように考えているかということが一つございます。これは学校とかあるいは一般の――これは国会の場合は別でございますが、一般の方が利用される場合に、やっぱり日曜とか祭日という問題があるのでございますが、図書館玄関まで来て休みで帰った、あるいはまた地方から出てきて国会図書館にしかないという資料をどうしてもほしいと、そういうふうな場合非常にこれは困るわけでございますが、休館日も含めましてこういうふうな、たとえば日曜日は休館でございますとかあるいは祭日は休みですとか、そういうふうな問題についてこれはPRはしているのかどうかということが一つ、それから休館日とかそういう祭日は何とか利用するようになれないものかという問題が一つ、この二つの問題について一ぺんお伺いしておきたいと思います。
  137. 宮坂完孝

    ○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 日曜日に開館する問題につきましては、常にわれわれ館の問題を研究する場合に、第一の問題として研究してきておるわけでありまするが、実情を申し上げますれば、日曜日は閉館をいたしておるわけでありまして、日本の大部分の図書館を見ますれば、日曜にかりに開館いたしておりましてもウィークデーの一日――あるいは月曜日なり木曜日なりに閉館をして休んでおるわけでございますのが日本のいまの実情でございます。むろんわれわれは、国会図書館でございまするので国会が日曜に開かれますれば国会関係の部門は当然開いてサービスをいたしてはおるのでございます。しかし、一般といたしましては日曜を閉館、休館いたしておるわけでございまするが、この問題につきましては、三十七年ごろに建築の第一期工事が終わりましたときに問題としてわれわれがアンケートをとりました。これによりますと、日曜に開くかそれとも夜間に開くかという両方の問題についてアンケートをとりましたところが、日曜開館よりも夜間開館のほうに票数が多かったもので、まあ両方やればけっこうでございましたが、どちらかにしなければならないという必要に迫られておりましたので、夜間に踏み切って月曜から金曜までは午後八時まで開館しておる、こういう情勢でございます。むろん先生がおっしゃるように、日曜開館をいたして国民にサービスすることもわれわれは考えておりますが、これには非常な人的な要素が要るわけでございまして、ただいまのところではこの限度でがまんしていただいておる、こういうことでございます。
  138. 峯山昭範

    峯山昭範君 それではもう一点、これは違う角度からお伺いしておきたいんですが、今度参議院事務局も新しく新築をいたしておりますけれども国会図書館に通う場合いつも信号を渡っていくわけですが、これはわれわれ国会議員が、できたら地下道を通っていくようにするために、国会議事堂図書館の地下の連絡道といいますか、ここら辺の問題についてはどうなっているのか、特にことしの予算には入っていないみたいですが、こういう点についてはどうなっているのか、ここら辺もあわせて大蔵省もおりましたら一ぺんお伺いしたいと思いますし、また、それぞれ当局からこの辺のところどうなっているかをお伺いしたいと思います。
  139. 宮坂完孝

    ○国立国会図書館長(宮坂完孝君) この交通事情の悪いときにおきまして先生方に御来館をいただく場合には地下道をもってこれに当てようという案は数年前から考究されておりまして、われわれは参議院委員会庁舎の裏から図書館の南口の地下に連絡する地下道約百メートルの案を持っておるわけでございます。広さにつきましては、参議院議員会館の地下道とほぼ同じ構想でございますが、予算といたしましては大体一億五千万円の構想であります。いろいろな事情でまだお認めをいただかないのでございまするが、財政状況が許しますればこの地下道を完成さしていきたいと、こう思っておるのでございまするが、たまたま参議院であそこの元の自動車課のあき地のほうにりっぱな事務局庁舎がつくられまして、参議院の会館からあそこに地下道が完成するようでございますので、もう一つの案といたしましては、事務局庁舎から直接わが館の西口に連絡する地下道を建設する案も承っておりますが、これはまだ技術的に確信を得ているところまでいっておりません。
  140. 猪瀬節雄

    説明員(猪瀬節雄君) ただいまの図書館長の御答弁にございますように、そういった地下道の構想があることは私どもも承知いたしてございます。ただ、どういうルートでやるかという具体的なあれがまだ若干未確定の分野がございますのと、それと四十九年度は総需要抑制といった点もございまして、やはり立法府においても若干の御協力の姿勢というのもあったかと思いまして、四十九年度においては計上されておらないわけでございますが、近い将来においてそういった地下道が必要であるということは私どももよく承知いたしております。
  141. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは国立国会図書館の国際的な活動、あるいは文献の交換とか、そういうふうな問題について二、三質問したいと思います。  今日のような情報過多の時代に国立国会図書館が国際的に果たす役割りというのは非常に私は重要なものがあると思います。そこでこれは各国ともいろんな連携をとりながら外国の文献も取り寄せるということは非常に私は重要だと思います。そこで特に国立国会図書館が具体的に国際的な活動あるいは国際的な文献の収集あるいはそういうふうな問題について現在どういうふうに取り組んでいらっしゃるか、この点についてお伺いしたいと思います。
  142. 鈴木平八郎

    ○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) お答えいたします。  国立国会図書館におきます国際活動はわりあいに活発にやっておると私どもは思っておるわけなんですが、第一にはいろいろな図書館の情報の交換あるいはそのほかに資料を世界的にもっと利用しやすくするためのいろいろな国際的な協力、そういうものについてもわりあいに活発に国際的に協力をしておるわけでございますが、何といいましてもわが図書館におきます国際協力の一番強いといいますか、一番活発にやっておりますのは、先ほど先生がおっしゃいましたような資料の国際的な交換ということでございます。これにつきましては、政府出版物の国際的交換、つまり日本の政府出版物を外国に送って、外国から同じような政府出版物をもらうというそういう交換の方法もございます。また、国内のいろいろな学術機関の個々にやっております国際交換を助ける意味において、そういう資料を外国へ送って差し上げるという、まあわれわれ委託交換と言っておりますが、そういう仕事も相当な規模において実施しておるわけでございます。
  143. 峯山昭範

    峯山昭範君 資料の国際交換につきましては、これはどの程度の規模で行なっていらっしゃるのか。たとえばどの程度の国あるいはどの程度の機関とその交換をやっていらっしゃるのか、その辺のところはどうですか。
  144. 鈴木平八郎

    ○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) お尋ねの件につきましては、大体相手の国の数にいたしまして百一カ国、それからその機関の数にいたしますと六百五十一機関、そういうところといろいろ交換の業務を継続しております。  先ほど申し上げましたように、政府出版物を多量に包括的に交換するというそういうやり方があると私申し上げましたけれども、そういういわゆる包括的な政府出版物の交換をやっております相手の国は八カ国十機関、そういうところを相手にいたしまして政府出版物の国際交換をやっておるわけでございます。
  145. 峯山昭範

    峯山昭範君 こういうふうな政府出版物あるいは日本紹介したいろいろな文献、そういうようなものの国際交換というのは、実際問題、八カ国十機関、これは多量にやっておる国はこれだけだそうですが、もっとふやすべきじゃないかと一実際問題ですね。特に日本紹介という問題が重要な問題としてあるわけでありますが、ここら辺の問題についてはこれはどうお考えですか。
  146. 鈴木平八郎

    ○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) もっと国際交換をふやせというおことばについてはまさにそのとおりで、私どももいろいろそういう努力をしたいと思います。  ただ問題は、言語的な問題といいますか、日本語だけの資料をなかなか向こうで受け取らないとかいうような問題もございますけれども、これは逐次世界各国において日本の文献をほしがる、見たいというような要求がだんだん強くなってまいりますので、ある程度は今後は解消していくだろうと思います。そういう意味において、こういうこの種の国際交換はもっともっとふやしていきたいというふうに考えております。
  147. 峯山昭範

    峯山昭範君 これは外務省にもちょっとお伺いしておきたいんですが、特にこの政府出版物あるいは日本の国内で出版される、公刊されている文書ですね、こういうようなものを特に国際交換をするということはこれは非常に私は大事なことだと思うんです。しかも、それだけじゃなくて、日本PRする――PRというのが悪ければ、現実の現在の日本の正しい姿を知ってもらうということは、これは少なくとも在外公館においては相当やらなければいけない問題だと思います。特に、そういう点から考えて、具体的にどういうふうに手を打っていらっしゃるのか。特にこれは開発途上国という問題もたくさんあります。そういうようなところに対する日本に対する認識というのがやっぱり日本側の努力不足のために非常に日本側も不認識なところがありますし、先方にもわかってもらえてないところがあるんじゃないか。今回の石油の騒動なんかでもやっぱりそういう点が現実にあるんじゃないか、こういうように思うんですけれども、こういう点についてはどういうふうに努力を払ってきていらっしゃるか、そこら辺のところはどうですか。
  148. 長谷川和年

    説明員長谷川和年君) ただいま御指摘がございましたとおりでございまして、外務省としましてもいろいろな方法、たとえば出版物それから映画、写真、そういったものを通じまして外国に日本の国情を広報するように努力しております。たとえば出版物としましては、定期、不定期の出版物、これは「今日の日本」と申す出版物、それからいろいろ日本の国情を毎月二へんないし一ぺん定期的に出す出版物、それからグラフによって日本の国情をPRするもの、これなどは外国のいろんな図書館のみならず、お医者さんの待合室とか、そういった一般の方が行かれるところに置いておく、こういった出版物。それから日本紹介しますいろんな映画を毎年つくりまして各国に配っております。それから写真を、これは年間ですけれども、六万枚ぐらいつくりまして外国にいろいろ配っております。  こういった配る先と申しますのは、政府機関、言論機関、図書館、学校、公民館、それからあと一般の方と、こういうところに配っておりますけれども、御指摘がございましたように、今後ども一そう努力を続けて正しい広報活動を計画してまいりたいと思います。
  149. 峯山昭範

    峯山昭範君 いまのあなたの話を聞いておりますと、何となくよけいそういうふうないろんなPRなり日本紹介する文書が配布されているような感じなんですけれども、実際には私は非常に貧弱なものじゃないかと思うのですけれどもね。たとえば一つの在外公館で考えてみて大体どのくらい、何冊ぐらい行っているのか。どういうふうなものが何冊ぐらい行っているのか、もっと具体的に一ぺんおっしゃってみてください。
  150. 長谷川和年

    説明員長谷川和年君) たとえば一つ例をとって申し上げますと、ニューヨークの総領事館、これを例にとってみますと、「インフォメーションブレティン」という一カ月に二へん出す定期刊行物でございますけれども、中央の政府機関が月に九十六部、地方の政府機関が六百十四部、国会地方の議会が百五部、その土地の報道機関が九百五十四部、各種学校等が二千百十九部、図書館が百六十九部、公共文化団体等が三百五十二部、実業界が八百九十六部、個人が一千五百四十一部、大体そういった数をはじいているようでございます。これは一つの例でございますけれども……。
  151. 峯山昭範

    峯山昭範君 いまのはニューヨークですけれども、しかし開発途上国はどうですか。
  152. 長谷川和年

    説明員長谷川和年君) クウェートを例にとってみますと、クウェートの場合非常に人口が少ないせいもございますけれども、中央政府機関、地方政府機関に百四十部、それから国会地方議会が三十部、それからその他の政府関係の方が四十部、報道機関が四十部、それから各種の学校に百六十三部、図書館に十部、文化団体等に六十部、それから労働組合七部、実業界に百十部、個人の方に七十部、大体そういう配布になっております。
  153. 峯山昭範

    峯山昭範君 これは一種類ですね。
  154. 長谷川和年

    説明員長谷川和年君) 一種類でございます。
  155. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、これは要するにこれ一冊、これだけ毎月行ってるわけでしょう、要するに種類は。これだけの個所にこれだけ送ってると、非常にたくさんみたいですけれども、実はそう数が多いように私は思わないんですが。現実の問題としてこれだけでほんとうに十分のかどうかですね。私はまだほんとうはもっと5意味日本を厳密に紹介するという意味で、たちは現実に、一昨年ですけれども、在外公館回りましたときに、日本からどういうものを送ってきているんだということで現実に見せてもらました。ところが、実際問題として満足に日本現状をしるしたものというのはほとんどないでね。現在、日本の国でどういうことが問題になっているとか、たとえば国会はどうなっているといろいろありますが、そういうふうないろんなことをかちっと書いたようなものなんというのほとんどないですね。そういう点、特に私はまだまだこんなものじゃ足りないのじゃないかというじがするわけですけれども、そこら辺のことにいてはあなた方は十分だと考えていらっしゃるか、あるいはこれからどういうふうに取り組んでいこうとしていらっしゃるのか、そこら辺のとろはどうですか。
  156. 長谷川和年

    説明員長谷川和年君) 先ほど私が申し上げまたのは、月に二へんないし一ぺん発行しております「インフォメーション・ブレティン」の配布ございますけれども、これ以外に「グラフジャパン」とかあるいは「画報日本」とか、不定期の出版で「今日の日本」とか、いろいろ配っておりますけれども、ただいま御指摘ございましたよう、私たちもこれでは不十分である、やはり今日日本を正しく理解してもらう、平和国家日本というのを正しく理解してもらうためにはもっと配らなくちゃいかぬということでもって、抜本的こにれからふやすということを考えております。幸いにして関係官庁の御協力を得まして、これから長期的にいろいろな出版物を出すことを考えております。
  157. 峯山昭範

    峯山昭範君 国会図書館のほうにお伺いしますが、こういうふうないろんな資料の国際交換というのは、これはやっぱり何らかの根拠に基づいて国際的な交換が行なわれなければいけないと私は思うのですけれども、これに関係した国際的条約ということについては現実にあるのかどうか。これは批准されているのかどうか、そこら辺のことはどうですか。
  158. 鈴木平八郎

    ○国立国会図書館副館長(鈴木平八郎君) まず私どもが現在やっております国際交換の根拠と申しますのは、これは先生よく御承知の、国立国会図書館法二十四条に国際交換のことが若干触れられておりますので、そういう法的な根拠があるわけでございます。それで実際先ほど申し上げたような各国と政府出版物の交換をやる場合には、もちろん政府間の交換の取りきめあるいは図書館同士の交換の取りきめ、そういうものを初めに締結いたしまして、そして交換をやっておるわけでございます。  先生最後にお尋ねの、国際的な条約があるのかということでございますけれども、これは、一九五八年にユネスコの総会で採択されました国際交換に関する条約、多国間の国際的な条約、これがあるわけでございます。これについては、まだわが国では批准しておりませんので、ただあるということだけを申し上げておきます。
  159. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、こういうふうな国際交換に関する条約、これは当然批准という問題になりますとこれは外務省だと私は思うのですけれども、こういうふうなユネスコの総会で採択されたということでございますが、一九五八年でございますから、もう二十年たっているわけでございますね。これは一体、私の調査によるとわが国の代表も出席してこれに賛成したということなんですが、これはこういうふうな交換に関する条約を見てみますと、当然私はこの国際交換というものを発展させる、そういうふうな意味の条約であろうと私は思うのですが、どうしていままでこれを批准の手続をとってないのか、そこら辺のことについてはどう考えていらっしゃるのか、そこはどうですか。
  160. 野田英二郎

    説明員野田英二郎君) ただいま先生御指摘のとおりの条約が二つございまして、出版物の国際交換条約及び官公署出版物及び政府文書の国家間交換条約というものが二つございまして、これが二つとも五八年、昭和三十三年に、第十回総会できめられたわけでございます。この両方ともこの趣旨は、出版物交換に関する国際協定を作成するということが世界の諸国民間の思想と知識の自由な交換に不可欠であるということでございまして、加盟国の専門家から成る特別委員会をつくって作成いたしまして、それを第十回総会にはかった、そうしてこれもわが国がこれに対しまして賛成したということでございます。しかしながら、この条約に関しましていままでわが国が参加しておらないわけでございますけれども、理由は、先ほど国会図書館のほうからも御答弁がございましたような事情で――事情と申しますのは、実際に国会図書館あるいはその他の機関が、実際に出版物につきましての交換をやっておるという事情があるわけでございます。国会図書館を通じまして、先ほど国会図書館のほうからお話しがございましたような国々との間に包括的な交換という分野をやっておりますし、それから部分的な交換というのは、六百五十一という数字が先ほども紹介ございましたけれども、そういうふうなことで実績がある程度ございまして、こういうことで実際上の交流が行なわれておるということ。  それからもう一つ、これらの条約におきまして、たとえば運送料につきましてできるだけ有利な現行料金の運送料を適用するとか、あるいは関税の免除とか、あるいはその他の手続に関して最も有利な条件を与えるというような便宜等がこれらの条約によって供与されているわけでございますけれども、これらにつきましては、実際問題といたしまして、関税上等の便宜が供与されているというようなことでございます。  したがいまして、締めくくりますと、結局事実上の交流がすでにかなりの程度行なわれておるという実績と、それからこの条約によって特に供与されることになっております利益も実際上供与しておるというような状況から、いままでこれらの条約について特にあらためて加入の手続をとらなかった、こういう事情にあるわけでございます。
  161. 峯山昭範

    峯山昭範君 要するに、こういうふうないわゆる資料あるいはこういう政府出版物、こういうふうなものの交換という問題については、外務省自身は非常に重要だとお考えなんですか、やっぱり。どうなんですか、そこら辺のところは。
  162. 野田英二郎

    説明員野田英二郎君) 外務省といたしましても、こういうふうな公的な出版物その他ができるだけ今後とも交流が増進されることは非常に重要であるというふうに考えております。
  163. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうすると、これは私は現実にいま国会図書館とかいろいろな在外公館を通して幾らかやっていると、だからこの条約を批准しなくてもいいのだということにはならないと私は思うのですよ。あなたの答弁を聞いていると、批准しなかったおも立った理由ということは何にもないわけです。そういう点から考えてみると、私はこういうふうな条約というものは当然批准をしていいと思うのですけれども、現実にそれじゃ諸外国ではこの条約についてどの程度の国が批准をしていらっしゃるのか。たとえば、先進国のおも立った国は批准をしているのかどうか、それはどうですか。
  164. 野田英二郎

    説明員野田英二郎君) お答えいたします。  この出版物の国際交換条約、前者でございますが、これに関しましてはすでに三十三カ国、去年の七月現在でございますけれども、リビアが入りましてそれ以後加入しておりませんので、去年の七月現在、いまも同じでございますけれども、三十三カ国入っております。その中で米、英、フランス、ソ連それからエジプトそれから西ドイツといったようなものが入っております。それからアジアではインドネシアとか、あるいは中近東になりますけれども、イスラエルとかイラクというようなものが入っておるということでございます。  あとのほうの官公署出版物交換条約というのがございまして、これは去年の十二月にイラクが加入いたしまして三十六カ国になっております。現在もこの三十六カ国でございますけれども、やはり同じような国が入っております。米、英、ソ連、フランス、西ドイツ、インドネシア、イスラエルというようなのが入っております。
  165. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、こういうふうな政府文書の交換に関する条約というこういう条約は、やっぱりほとんどの国が批准をしているわけでありますし、当然こういうふうなものは批准する方向に検討なり何なりをすべきだと私は思うんですが、これはどうですか。
  166. 野田英二郎

    説明員野田英二郎君) お答えいたします。  先生御指摘のとおりでございまして、この種の出版物の交換ということにつきましては、先ほど海外広報課長が申し上げました今後とも交流を増大するという見地の一環といたしまして、御趣旨を体して検討してまいりたいと思っております。
  167. 峯山昭範

    峯山昭範君 いずれにしましても、こういうふうな資料の国際交換というのは非常に私は重要な問題だと思うんです。  そこで、最後に図書館長にお伺いしておきたいのですが、こういうふうな問題を処理する場合には、これはどうしても仕事は現実の問題として国会図書館がやるということになるのじゃないかと思うんですが、そこら辺のところの人的構成とか、いわゆる国会図書館の中の業務の内容としては、そういうふうな問題にもこたえられていくだけの現在の体制にあるのかどうか。ここら辺のところはどうですか。
  168. 宮坂完孝

    ○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 本件につきましては、先生が御心配なさるとおりでございまして、わが館がそのおい立ちの歴史から非常に国際性豊かに持って仕事をしてきておりますけれども、これに対する人材の確保という点については、遺憾ながら万全を期し得ない状態でございます。すなわち、いろいろな種類の語学等にも精通しておる職員が多くはあるのではございまするが、これが実地に使って完全に国際交換、国際交流の線に沿って活動できるかという点につきましては、まだまだのところがあるわけでございまするが、しかし、近年ますます国際的な問題が出てまいりましたので、幹部よりより協議をいたしまして、もう少し語学の修練のできる、翻訳等を含めて実用に向く職員を養成しなければならないというふうな点についてみな意見一致しておるのでございまして、これらの問題はもちろんでございまするが、近い将来に、また遠い将来におけるいろいろな問題、についての調査会をつくりまして、いませっかく研究して対処していきたいと、こう考えております。
  169. 峯山昭範

    峯山昭範君 もう一点だけお伺いして国会図書館の問題はおきたいと思うんですが、外国の文献の交換という問題と同時に、国会図書館の職員の海外派遣という問題があります。これはやっぱり非常に重要であると私は思います。その点から考えまして、現在、海外派遣というのは国会図書館としてはどういうようになっておるのか。さらに世界各国の図書館の実情をつぶさに掌握する、あるいは各種の情報を広く収集する、そういうような意味からも、私は当然これは国会図書館の専門職員あるいはそれぞれの職員を海外へ派遣して、そういう事情を調査してくるということも重要であると思うんですが、そこら辺の実情はどういうぐあいになっているのか。この点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
  170. 宮坂完孝

    ○国立国会図書館長(宮坂完孝君) わが八百四十五人の国会図書館職員のうちで、海外派遣を毎年許されている予算は数名にすぎないわけでございます。ことしは特に御配慮をいただきまして、六名の館員を派遣することができるのでございまするが、私は何と申しましても中堅層の職員が、期間を長くいたしまして、外国に駐留し、研究してもらわなければだめだというふうに考えておりますのですが、この在外研究の職員が一昨年一名認められて、本年二名というような現状でございますので、これらはまた大蔵省に来年御交渉申し上げまして、もう少しふやしていただいて、若い職員が外国で研究できるようにいたしたいと思っております。また幹部諸公も、もう二十五年の長い経験を経ておるのでございまして、みんな思い思いの、国費以外の金を使いましてアメリカを中心に海外の経験を経ておりますが、これらの点につきましてはそうした諸君も動員をいたしまして、もう少し外国の実情を把握してわれわれの交流を便利にするようにいたしたいと考えております。
  171. 峯山昭範

    峯山昭範君 時間の関係もありますので、この問題については、図書館の職員の中でたった六名というのじゃ、実際問題、大部分の人が海外に行って調査をする、そういう実務をする場合には相当の年数もかかりますし、これはほんとうに情けないことだと私は思うのですけれどもね。いずれにしてもこれは国会図書館だけではどうにもならない問題でしょうから、この問題については今後ともやはりもっともっとよけい要求をして、やはりある程度の人が行ってそういうふうな文献の国際調査のできるような体制にしてもらいたい、こういうぐあいにお願いをしておきたいと思います。  それでは時間がございませんので、次に参議院の職員の給与の問題についてちょっとお伺いしたいと思うのですが、事務総長にお伺いいたしたいと思うのですが、特にこれは前々から問題になっていることでございますが、臨時職員の期間を経由して、そして正職員になった者、すなわち、参議院では昭和二十四年から三十七年にかけて臨時職員の制度があったそうでありますが、大体十三年近くあったわけですね。そうしますと、こういう期間に現実に臨時職員として採用した、これはやはりその当時の社会情勢から考えましてもやむを得ない点もあったとは私も思うのですけれども、やはり人件費を押えるために、要するに必要なときだけ雇う、こういう制度であったと私は思うのですけれども、これは各省と比較しましても、私は国会の場合は非常に不当な取り扱いを受けているんじゃないか、こういうことを感じるわけです。特にその中でも、新規採用の職員に対して、いわゆる臨時の職員という名目で、正式に入った職員と全く同様の仕事をする、そういうことであったかどうか私は現実にはわからないわけでありますが、現実に私たちの手元に入っております資料にはそういうぐあいになっておりますし、現実にそういうような人たちもおったのじゃないか、そういうことを感じるわけです。そういうふうな場合、たとえば正式に正職員としてすぐぱっと入った人と、それから実際に臨時の職員で雇われて国会開会中職員としておって、国会が終わると首になって、そしてその次の国会で再び雇う、そういうふうな雇用関係が現実にこれは相当あったわけですね。そうしますと、そういうふうな雇用関係を何年か繰り返して、そして正式な職員となった、そういう人たちとのいろんな給与の面の差というのは私は確かに出てくるのじゃないかと思うんですがね。特に昭和二十四年から三十七年にかけて、こういうふうな状態で採用された職員というのは、一体何人ぐらいいるのか。それからこの問題については現実の問題としてどういうぐあいに取り組んでいらっしゃるのか。この点をお伺いしておきたい。
  172. 岸田實

    事務総長岸田實君) この問題は非常に古い問題でございまして、組合でも強く、いわゆるアンバラ是正をしてもらいたいという要求が前々からあるわけでございます。すでに昭和四十二年だったと思いますが、この臨時職員のアンバラにつきまして、第一回のアンバラ是正を行なったのでございます。そのときに組合といろいろ交渉いたしまして、一定の基準を立ててそれを実施いたしました。私どもはそれでひとまずこの問題は解決ついたのかなというふうに思っておりましたところ、その後組合から、さらにそれでもなおかつ不十分である、明らかにアンバラがあるという要求がございましたので、これは職員のそういう不満があるということであれば、これに対する是正を必要といたしますので、それでは人事当局と組合で十分にこの問題を話し合ってもらいたいということで最近再びこの問題を取り上げまして検討したわけでございます。  それで、すでに昨年の六月に当局の最後的な案を、この具体的なことがもし必要であれば人事課長説明させますが、案を組合に提示して、組合の回答を待つという状態になっておるわけでございますが、なかなか組合のほうでもいろいろの検討が必要であるらしくて、いまだに組合の回答を得てない、こういうことで現在まだ実施いたしておりません。  いずれにいたしましても、この問題は臨時期間を持っておる職員の処遇の問題でありますが、このアンバラ是正をいたしますのには、特別昇給財源等を用いましてやらなくちゃならないということになりますので、これは一般職員との関連もございます。そちらのほうに特別昇給財源を回すわけでございますから、あくまでも合理的な基準が必要であるということで、しかも組合とよく話し合って了解がつくような、相互に満足するようなものにして実施したいということで督励しておる次第でございます。  なお、人数等こまかな点につきましては人事課長から説明させます。
  173. 佐橋宣雄

    ○参事(佐橋宣雄君) ただいまお尋ねのございました臨時期間の経験者の数でございますが、ただいま調査の対象となっております人数は、三百六十五名でございます。
  174. 峯山昭範

    峯山昭範君 総長、おっしゃる意味はよくわかるんです。私もいまおっしゃったような話はもう全部聞いているわけです。現実の問題として、同じ立場で同年齢で現実に臨時で入った人と正職員で入った人、これは確かに私はあとあとまで響いてくると思うんですね。これは私は非常に重要な問題だと思うんです。ですから、この問題が過去に何回か問題になって、第一次のアンバラの是正が行なわれたということは、やっぱり事務当局としても、これは何らかの問題があったので是正をしたのだろうと私は思うんです。ところが実際問題として、その第一次の是正そのものがほんとうの是正になってないという主張も私は聞いているわけです。  そこで第一次のときに、またあるいは現在でもけっこうですが、過去に臨時職員の期間を有して入った人と正式にきちっと入った人と二通りある、この是正という問題は非常に重要な問題でありますので、ここでまず第一番目に、一番初めにこの問題が出てきて、これは是正しなくちゃいけないと思って第一回の是正に取り組んだ、その基本的な考え方はどういう点にあったわけですか。
  175. 佐橋宣雄

    ○参事(佐橋宣雄君) 四十二年にこの問題、職員全般のアンバラと申しますか、を検討いたしたわけでございますが、その際の問題は、いま先生のおっしゃっておられます臨時の問題、それからそれまで行なっておりませんでした議警職の前歴加算の問題、それからそれまでの間にいろいろ初任給の決定とかあるいは俸給表の調整とかそういうことが行なわれましたけれども、これは全職員に及ぼされるものでなかったわけで最小限度の調整で終わっておるのですが、そういった制度の変更、その三つの問題を取り上げまして調整を行なったわけでございます。
  176. 峯山昭範

    峯山昭範君 ちょっと聞いておりましてもなかなかわからないのですが、私は、ほんとうは第一次のこの問題を取り上げたときに、現実にそういう問題を指摘した人たちが、要するにどこにポイントを置いてこの問題を取り上げておったのか。たとえば端的に言いますと、臨時期間というものをどういうぐあいに考えておるか。みんなの要望は、この臨時期間というものを、これは前歴の一部と考えていわゆる法律に基づいてぱんぱんとやってしまうのか、あるいはただ単にそうじゃなくて、これが要するに一緒に入っておったとしたらどうなるのか、これはやっぱりその差が出てくると私は思うんですが、そこら辺の問題については具体的にもっと、何といいますか、ただ法律でこうだからこうという割りつけだけでは私はいつまでたっても解決しないと思う。たとえば今回も、臨時期間のある職員がおりますね、そういう人たちだけにきちっと焦点をしぼって、そういう人たちを完全に救う、そういうふうな態勢にしないと私は解決しないのじゃないかとも思うんですけれどもね、ここら辺の問題は一体どうなっているんですか。
  177. 岸田實

    事務総長岸田實君) 私はこまかなことはよくわからないのですが、概括的に私の理解しているところを申し上げますが、臨時期間を持っておる職員が希望しておることは、臨時期間及び実際につとめておらない待機期間も合わせて、それを全部考慮に入れて、特別の措置を講じてそのアンバラを是正してほしいというのが御本人たちの気持ちであろうと思います。しかしこれは、待機期間というのは現実において執務をしておらない期間でございますから、そこまで見るということはわれわれとしてはどうもこれは無理である。したがって、臨時期間としてつとめておった期間を考慮に入れて、そして現実に採用するときには、前歴というものの加算は規則として一応の限定がございますから、その限定によって採用しているわけでございますから、まるまる見てないということは明らかでございます。それを合理的な根拠でどの程度かその臨時期間というものを見て、そしていわゆるアンバラ是正として処遇の改善をするという根本的な考え方に立っておるわけです。そこが一つの一番大きな違いじゃないかと思いますが。
  178. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、結局は普通の役所へおつとめの人と国会へつとめている人とは、全然違ってくるわけですよね。要するに普通の役所の場合は、国会開会中とか閉会中という差はないわけです。大体臨時の職員でも三年間なら三年間、通しで三年間臨時なんです。そうしますと、三年間つとめていますから、やっぱり三年間なら三年間できちっとしたあれになるわけですね。国会の場合は、三年間臨時の期間があったといいましても、これはその間が、いま総長おっしゃるように、正式にちゃんとつとめている期間といいますのは開会中だけですから、三年問合わせましてもそれは一年分ぐらいしかない、こういうことになるわけですね。そうしますと、その臨時の採用期間、それじゃよそへ働いておればいいじゃないかというようなことになりますけれども、そうはいかぬことが実際問題多いわけですね。たとえば国会開会中だけ臨時で雇われて、そのあいている期間はよそへアルバイトへ行くなり何なりしなければしょうがない。あるいはアルバイトへ行っている人もいるだろうし、行っていない人もいるわけです。国会が始まればまた採用する。そうなると、いわゆる自宅待機中の間はこれは全然見ないということになってしまうと、そこら辺の臨時で入った人と正職員として入った人の差というのは、これはいつまでたってもでも私は縮まらないのじゃないかと思うのですね。そうしますと、これは前歴の一部という考え方でいきますと、いわゆる国会で臨時で雇われたという期間と、たとえばそのほかの職業につとめたのと同じような考え方では済ますことができないんじゃないかと私は思うのですがね。ここら辺のところはどうですか。
  179. 岸田實

    事務総長岸田實君) いま申しました臨時期間というのは、もちろん国会の臨時期間でございまして、国会以外の臨時期間のことはこの場合は考慮に入れておらないのでございます。それで、この人事の扱いから申しますと、そういう臨時期間をまるまる見て初任給をきめるなんということはできないわけです。これはもうきまりがありまして、そういうことはできません。前歴としてどの程度に加算するかというきまったワクがあるわけでございますから、法的にはそれはできないことでございます。しかし、現実に臨時期間として長い間つとめておった人たちですから、その人たちの臨時期間というものは、ある程度アンバラ是正として考えてあげる必要があるのじゃないかという立場でわれわれは考えておるわけでございます。
  180. 峯山昭範

    峯山昭範君 いずれにしましても、この問題は私は非常に重要な問題であると思います。法律上できないということではございますけれども、これは臨時期間をどういうぐあいに見るかというのは非常に私重要な問題だし、たとえば国会に実際に雇用されていなかった期間の問題が出てまいりますが、うその問題をどうするかということになってまいりますと、結局は臨時で雇われた人と正式にちゃんと入った人との違いというのは、ますます差は開いていくばかりでなかなかこれは縮まらないわけですね。そういう点から考えてみましても、かりにたとえば三十一年から三年間臨時に職員をやって、もちろん開会中だけでしょうけれども、臨時の職員をやって、三十四年に正式の職員になった、この人と、それから現在の臨時制度というのがありますね、それと同じような考えで三十一年から正職員として採用された人、そういうふうに両方並べて考えてみますと、いろいろ計算をすると相当の、給与とかいろんなもので差が開いてくるわけですね。私の手もとにあります試算によりますと、退職する場合に給料だけで大体四百九十万円、それから退職金で大体百万円、そのくらいの差があるというんです。結局はこういうような問題というのは、非常に私は今後、臨時職員というのは自分の希望で臨時職員になったわけじゃないんですね、国会のいろんな都合で臨時職員にさせられたわけですね、そういう点を考えてみますと、こういうふうな一人一人が不利益をこうむるというのは、私はこれはもっと何かの形で、一生懸命取り組んでいかないといけないのじゃないか。組合のほうも、いま組合にある程度回答して組合のほうから回答がないということでございますけれども、現実の問題として、その組合に提示した案というものがまだまだ私は納得できるようなものじゃないのじゃないか。組合のほうがまだ検討しているのかもしれませんけれども、実際問題としては納得できないのじゃないかと私は思うんです。そういう点から考えてみましても、少なくとも本人の都合というよりも国のあるいは国会の都合でそういうふうになった人たちの問題については、そういうような不利益がないように、法律上こうなっているからこうだというだけじゃなくて、やっぱり大蔵省なり何なりにも徹底的にそういう問題をアタックして、そうしてこの問題の解決に当たってもらいたいと、私はこういうぐあいに思うんですが、これはどうでしょうか。
  181. 岸田實

    事務総長岸田實君) この問題につきましては、私も職員の不満解消ということで重大な関心を持っておりまして、組合の委員長に対しても、虚心たんかいにひとつ人事当局と意見を交換してほしいと、そうして話し合いのつくところでアンバラ是正をしようじゃないかという話をしているぐらいでございますから、もちろんアンバラ是正でございますから、あまり理屈ばってやりますと是正をする余地がございません。そこはやはり常識的なところで解決していきたいというふうに考えております。
  182. 峯山昭範

    峯山昭範君 これで終わりますが、結局、非常にむずかしい問題だと私は思うんですけれども、こういうふうな職員の処遇の問題でございますので、職員の不満がどこにあるのか、何を要求しているのか、そうして問題の本質をよく見きわめていただいて早急に的確な手段を講じていただきたい、こういうぐあいに私は思うんです。こういうような問題がいつまでも解決しないで、たびたび分科会で取り上げられるというのは非常に私は遺憾だと思います。そういうような意味からも、ぜひともこの問題について早急に解決するように要望しておきまして、私の質問は終わりたいと思います。
  183. 岸田實

    事務総長岸田實君) 先生の御趣旨に沿いまして、今後できるだけの努力をいたします。
  184. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) 以上をもちまして国会及び皇室費所管に関する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  185. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) 次に、昭和四十九年度総予算中、会計検査院所管を議題といたします。  会計検査院当局の説明はこれを省略し、説明資料は本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  186. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  それでは、これより質疑入ります。質疑のある方は御発言願います。
  187. 峯山昭範

    峯山昭範君 二、三お伺いしたいと思います。国の予算が年々膨張し、その内容も非常に複雑化しておるわけでございますが、きょうは検査院の検査のあり方、あるいは最近の物価上昇等に伴う検査の基本的な考え方についてお伺いしたいと思っております。  そこで初めに、検査院の検査結果につきましては国民も非常に注目をし、また大きな期待を持って私は見ていると思うんですが、最近の検査院の検査活動状況について初めにお伺いしたい。
  188. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 御指摘のとおり財政規模は年々増大しております。それに伴いまして検査の範囲も広がり、また、その内容につきましてもいろいろ複雑化してきているわけでございます。  そこで、ただいまお尋ねの現在の本院の検査活動の概要ということでございますが、現在本院の職員は約千二百名、そのうち約九百名が検査の第一線に立ちまして、書面検査及び実地検査を行なっているわけでございます。  検査活動につきまして、多少数字を用いまして四十八年度分について申し上げたいと存じます。  書面検査でございますが、四十七年度の歳入、歳出等に関しまして相手方から提出されました計算書は二十三万四千余冊、証拠書類といたしまして六千二百八万余枚、これにつきまして検査を行ないました。また検査個所のうち約三千カ所につきまして、四万余人をもちまして実地検査を行なっているわけでございます。  次に、その検査の結果でございますが、不当と認めまして検査報告に掲記いたしましたものは、合計百七十六件、金額にいたしまして十四億余円でございます。このほか、会計検査院法第三十四条の規定によりまして是正改善の処置を要求いたしたものが十一件、本院の注意によりまして当局におきまして改善の処置を講じた事項が十三件でございます。  大体四十八年度におきます本院の検査活動の概要でございます。
  189. 峯山昭範

    峯山昭範君 書面検査と、それから実地検査というのがあると思うんですが、書面検査というのは大体どういうふうな状態になっていますか。
  190. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 書面検査につきましては、本院が独自に定めました計算証明規則に基づきまして、歳入、歳出両面にわたりまして、それぞれの当否を判定するに足る必要かつ十分な書類を徴しまして検査を行なっているわけでございます。  書面検査の内容といたしましては、計数的な検査、さらに書面に基づきまして実質的な検査も行なっているわけでございますが、ただ、その実質面の検査につきまして、現物を見なければなかなかその当否を判定できないという場合が多々あるわけでございますので、それを補う意味におきまして実地検査を行なっている次第でございます。
  191. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、この実地検査というのがございますね。実地検査というのはここ二、三年は大体どういうぐあいになっているのか、この点もちょっとお伺いしておきたい。
  192. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 実地検査でございますが、先ほど申し上げましたように、第一線に立って検査を行なっております調査官が約六百名、さらにこの調査官に同行いたしまして検査を行なっている者が約二百名、合わせておよそ八百名が実地検査に従事しているということが言えようかと存じます。  そこで、ここ数年間の実地検査の施行状況でございますが、検査の対象となります個所の数でございます。これは四十六年が三万九千九百二十八カ所、四十七年が四万七百一カ所、四十八年が四万一千百四十三カ所と、年々若干ずつ増加しているわけでございます。ただ、この検査対象の中には、本省でありますとかあるいは主要な地方局、検査上重要と認められる個所と、たとえば特定郵便局でありますとか国鉄の駅とかあるいは法務局の出張所とかいったような、数は多いわけでございますが、検査上は比較的重要性がないと判断されます個所が含まれておりますので、四十六、四十七、四十八の三カ年につきまして、重要な個所とそれ以外の個所とに分けまして検査の実施状況を申し上げますと、大体、多少の数字の相違はございますが、四十六年におきまして重要な個所は六千九百五十六カ所、その他の個所が三万二千九百七十二カ所。このうち重要な個所につきましては二千百四十六カ所、その他の個所につきましては六百二十九カ所につきまして検査を行なっております。したがいまして、その施行率ということになりますと、重要な個所が三〇・九%、その他の個所が一・九%という数字になっております。四十七、四十八年度におきましても、検査個所の多少の増加はございますけれども、その施行率は、重要個所につきまして四十七年度の検査を行ないましたものが三〇・六%、その他につきましては二%、四十八年度におきましてはその数字が、重要個所につきましては三二・六%、その他につきましては一・八%という数字になっております。
  193. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうすると、非常にこれは重要な問題だと私は思うんですけれどもね、事務総長。これはいまお話しをお伺いしておりますと、四十六年から具体的に数字をあげて話がございましたが、四十六年には要するに全部で三万九千の大体の数がある。その三万九千カ所のうち、重要でない部分もたくさんある。したがって重要である部分は六千九百五十六カ所である。その重要な部分の中で二千百四十六カ所を検査をしたと、いまこういうぐあいにお話しがあったわけですね。そうしますと、少なくとも会計検査院が、重要である、これは検査したほうがいいと、たとえば職員なり何なりが多くて余裕があればやったほうがいいというのがやはり重要な個所だと私は思うんですがね、ここら辺のところはそうなんでしょう、やっぱり。これはたとえば職員なり何なりの定員が足りて検査がやれるという状態にあれば、少なくとも四十六年に三万九千、それから四十七年に四万、四十八年に四万一千と、全体ではそんな数がありますが、この中でも特に重要だという点は、四十七、四十八年はパーセントしかおっしゃいませんでしたけれども、少なくともこれは四十七年には約一万カ所近くなるわけですね、それから四十八年には三二%ですから、やはり一万二千カ所ぐらいになるわけですね。それだけの重要な、どうしてもやったほうがいいというところがこれだけある。そうしますと、その中で三二%しかできなかったと。これじゃちょっと、非常にこの検査という問題については――これはまあ人員なんかの問題もあると思うんですが、一つはやっぱり、やったほうがいいというのがこれは重要な個所なんでしょう。そして人員が足りればやっているわけですね。この辺のところはどうですか。
  194. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) たいへんごもっともな御発言であろうかと存じます。調査官等の人員を増加させ、旅費予算を増加させますれば重要な個所、さらに多くができるわけでございます。ただ、多少釈明めきますけれども、重要な個所としてわれわれが整理をいたしておりますのは、取り扱う金額を基準にして申しているわけでございますが、それにも非常に大きな事業費を使っているところと、あるいは人件費限りのところと、人件費が大部分を占めますところとあるわけでございます。その事業費、工事とか、あるいは高額な物品を購入する個所につきましては、ほぼ毎年これを検査を行なっているわけでございます。むろんそう申しましても、先ほどの御発言ごもっともでございますが、さらにこれらの点につきましては、現在の人員、予算の範囲内におきましても、さらに多少この施行率を上げる方法はないかというようなことは本年も検討いたしているわけでございます。その結果どうなりますか、まだここでお約束はいたしかねますけれども、さような努力はいたしているということもひとつ御了承願いたいと思います。
  195. 峯山昭範

    峯山昭範君 これは事務総長、私たちは全般的に考えて、会計検査院が調査としては必要個所の大体一割ぐらいをやっているというふうに認識しておったわけです。しかし、考えてみますと、年々増加をいたしておりましても、これは全体と考えまして一割にも達してない。それも問題ですが、さらに重要個所、それをはずしたあと調査というのは、パーセントでいきますと、いま事務総長の話ですと、四十八年が一・八%、四十七年が二%、それから四十六年が一・何%とおっしゃいましたね。そうしますと、非常にほんとうに少ないですね。こんなのでほんとうにいいのかどうかということを私は非常に疑問を感じるわけですが、ここら辺のところはどうですか。
  196. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 不当な経理というものにつきましては、大きな金額を取り扱う個所のみに発生するわけではございません。比較的重要でないと思われる個所にも不正な経理というものは発生する余地は十分あるわけでございます。そういった点におきまして、ただいまの御発言はまことにごもっともでございます。ただ、これらの、たとえば国鉄の駅舎等につきましては、ちょっと責任のがれになりまするけれども、国鉄当局におきまして相当ひんぱんに内部監査等も行なっているというような事情も勘案いたしまして、検査の頻度というものを考えている次第でございます。
  197. 峯山昭範

    峯山昭範君 この問題は非常に重要でございますが、たとえば国鉄はそういうふうに内部監査等やっているからだいじょうぶということになると、いま事務総長一番初めにおっしゃったように、これは要するに金額の大小にかかわらず、やっぱり不当事項というのは当然出てくると私は思うんですね。そういう点から考えてみますと、たとえば会計検査院がやらなくても、いまおっしゃった国鉄のように何らかの形でカバーしているという部分は、これは全体でどの程度あるんですか。
  198. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) ちょっとただいま資料の準備がございません。これは後刻また資料を調製して御報告を申し上げたいと思います。
  199. 峯山昭範

    峯山昭範君 私は事務総長が国鉄でごうごうとおっしゃるから、そこら辺のところはやっぱりある程度つかんでいらっしゃって、会計検査院が仕事を進める上において、やっぱり国鉄がそこで会計検査をやっていると、したがってはずしていきますね。そこら辺のところがある程度あるだろうと思うから私、いま質問しているわけですけれども、いずれにしましても、こういうふうな問題を考えてみますと、会計検査院がもっともっと力を入れて検査活動をやってもらいたいということをしみじみと感じるわけです。  さらにきょうは、次に、いま検査院は昭和四十八年度の決算の検査を進めていらっしゃるわけでございますけれども、その中で私はきょうは二点お伺いしたいと思うんです。一つは、物品の購入の問題、それからもう一つは工事の請負の問題、この二つの問題について、特に受検官庁のいわゆる契約に対する検査の進め方、これをちょっとお伺いしたいわけです。といいますのは、皆さん方も御存じのとおり、昨年一年間、ことしの一月、二月にかけまして相当物価が狂乱状態になりました。それで、その契約締結にあたっても、その価格の騰貴等をどこに置くかという問題は、これは非常に私は重要な問題であります。さらに、その契約の内容その他経済行為がどういうぐあいに行なわれているのか、これは検査をする場合、どこに問題を置いて、どういうぐあいにしていくかということは非常に重要な問題であると思います。そこで、まず物品購入の問題について、四点お伺いしたいと思います。  まず第一点は、いわゆる今回の不当な便乗値上げというのがだいぶ出てまいりましたですね、これは国会でもいろいろな問題、いろいろなところで明らかになりつつあります。そういうような便乗値上げをまるのみにした、いわゆる購入単価というのがあります。こういうような購入単価について、それを会計検査院は是認するかどうかという問題が一つあります。  それから二番目に、いや、これは便乗値上げの値段ではないのだと、正当な、適当ないわゆる価格なんだと、そういうぐあいに判断する場合、どこに当、不当の基準を置くのか、置くとすればですね。いわゆる購入単価の基準をどこに置くのか、それはどういうぐあいに考えていらっしゃるのかというのが一つ、この問題ですね。  それから三番目に、入札の時点と納品の時点との実際の価格変動という問題が出てくるわけです。こういうふうな問題については、会計検査院としては、実際問題としてどうお考えなのか、どういうぐあいに判断をして、そうしてこれを処理していくおつもりなのか。  それから四番目に、特に総合商社などの価格操作という問題が相当問題になりつつある。国会でも相当問題になりまして、その便乗値上げの分は国民に還元をする、そういうような点も出てきておりますね。そうしますと、そういうふうな総合商社などの価格操作によって、国会でもそれが反社会的行為だということで問題になった点が幾つかあります。こういうような国会で確認されている問題というのがありますね。その問題については、いわゆるそのことによって形成された価格というのがあります。その価格については、これは会計検査院としては、その内容とか中身という問題をどういうぐあいに処理をしていかれるのか。これから現実の問題として、会計検査を進めていらっしゃる中にあって、ここら辺の判断というのは私は非常に重要な問題であると思いますので、この四点について詳細にお伺いしたい。
  200. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 会計検査というものも、そのときどきの経済事情等を十分考慮した上で行なわなければならない点は、まさに御指摘のとおりであろうかと存じます。その点につきましては、われわれも本年度の検査におきまして十分配意していくつもりでございます。一般的にはさような心がまえをまず申し上げておきます。  そこで、最初のお尋ねでございますが、不当な便乗値上げにつきましての検査院の考えということでございます。物品の購入等が適正に行なわれているかどうか、これは会計検査院が最も重要な検査項目の一つとしているところでございます。すなわち契約の方法でありますとか、物品の数量、品質、価格等の適否につきましては、常に注意を払って検査を行なっているところでございます。このように会計検査院の立場からは、昨今の異常な物価上昇、これが購入価格に及ぼす影響につきまして、先ほど申し上げましたように、本年度の検査の一つの検討項目としているわけでございますが、具体的に申し上げまして、物品購入の予定価格積算にあたりまして、正当な実勢価格、これを採用して積算しているということでありますれば、これは問題はないわけでございますが、昨今の異常な値上がりの時期におきまして、時価の適正な把握ということはきわめて困難でございます。したがいまして、契約担当官が契約を締結するにあたりまして、通常の場合と異なりまして、格別周到な注意を払う必要があることは、これは申すまでもないことでございます。それに関連いたしまして、私ども検査に当たる者といたしましても、検査対象の契約時における適正な価格の把握という問題、これはまことに適切な御質疑でございますけれども、なかなか言うべくして非常にむずかしい問題でございます。一般論として申し上げますと、まあ市場性のある物品の場合には市場における流通価格、これが予定価格の基礎となるわけでございます。したがいまして、その調査把握の努力を当該契約担当官が全うしているかどうか、これが最も問題となるであろうかと考えます。また市場性のない物品につきましては、業者から示されました価格をチェックするためにどれほどの努力をしたかということが問題となるのはこれは当然でございます。したがいまして、その努力が十分でないということが明らかであり、またその努力を払ったならば購入価格より低くなったであろうというような確信が持てました場合には、その会計経理は一応不当であるということが言えようかと考える次第でございます。  次に、価格の適否を判断する基準というお尋ねでございます。おっしゃるとおり、価格の適、不適の検査を行なう必要はきわめて重要なことでございますし、この面の検査は先ほども申し上げましたように、従来から行なっている重要項目の一つであるわけでございます。まあいかなる価格が適正かということを、なかなかこれは一律に言うことはできませんし、実際の検査にあたりまして、個々の具体的な契約ごとに究明していかなければならないものと考えております。検査に際しまして、物価に関する資料あるいは資料との比較におきまして、適、不適を判断することになるわけでございますが、この資料収集をできるだけ多角的かつ広範囲にわたって行なうよう努力を傾注したい考えでございます。  次に、入札時から納入時までの間に価格変動がある場合、どのように考えていくべきものであるかというお尋ねでございます。物品購入にあたりまして、数量でありますとか、金額、品質、納入時期等につきまして合意が成立し、契約が締結されました以上は、履行のときまでに極端な事情の変更がない限りは契約が変更されないというのが、これが契約法上の原則でございます。変更を安易に認めるということは、さかのぼって安易な契約締結の傾向を招くということになりまして、非常に問題があろうかと考えております。しかしながら、契約から履行の時期まで、相当の期間が経過いたしまして、その間通常の判断では契約の時期には予期することができなかったような極端な値上がりのために、当初契約の価格で納入させた場合に、納入業者が重大な損失をこうむるということが明らかであり、また客観的に見ましても、その損失が納入業者としては十分な努力を払っているのに生じたものである、業者に一方的に負担させるのは社会正義に反すると考えるようなやむを得ない事情というものもあろうかと存じます。その際には、契約変更という措置が当然とられるべきものと考えております。  そこで、検査にあたりましては、契約変更の必要の有無について慎重な調査検討を要するものと考えられますし、また、契約価格変更を実施したものがあった場合には、契約担当が行なった調査資料に基づいて変更の必要の有無を十分吟味して検査を全うしたいと考えておる次第でございます。  次に、これはだいぶ会計検査院としてもむずかしい問題でございますが、会計検査院は国等の会計経理につきまして、その当否を事後に検査しているわけでございますが、かりにある官庁で、ある時期に購入した物品につきまして、その購入予定価格の基礎となりました購入当時の市場価格が、実は市場価格上昇を意図した出荷抑制のために形成されたものであるというようなことが、検査を実施する時期におきまして、たとえば公正取引委員会等の調査の結果判明していたといたしましても、その時期にその物品を購入する必要があり、またその価格でなければ購入することができなかったということが明らかでありまするならば、そのような出荷操作をしたメーカーあるいはディーラーなりの反社会的行為に対しまして、社会的な批判でありますとか、あるいは社会的制裁は加えられるべきものであると私ども考えております。ただ、しかしながら、それをもって会計経理上直ちに不当であるかどうかということにつきましては、別に十分検討しなければならない点があろうかと考えております。
  201. 峯山昭範

    峯山昭範君 まず、これは非常に重要な問題がありますので、もう一つ工事請負のほうも先にやってもいいんですけれども、いま答弁ございましたので、その一つ一つについてちょっとお伺いしておきたいと思います。  まず一つは、いまの一番の問題についてでございますが、これはいわゆる不当な便乗値上げ、これを是認するかどうかという問題でございますが、それが実際問題として適正な価格であるかどうか、いわゆる正当な実勢価格であるかどうか、あるいはそれを判断するためには適当な、いわゆる適当なといいますか正確な――適正なと言ったほうがいいですね、適正な時価の把握、これがまあ重要になってくるわけですね。いまおっしゃったとおりであります。そうしますと、私は、この適正な時価の把握のために会計検査院はどういう努力をしていらっしゃるかというのがまず一つ。それから、市場性のあるものについては、これはあるものとないものとの違いをいま話ございました。たとえば市場性のあるものにつきましては、先ほどの、あとの二番目の問題にちょっとからんできますけれども、いわゆるいかなる価格が適正であるかどうかという問題とこれはからんでくるわけでありますが、資料との比較という問題がありました。いままではいろんな物価の便覧とかああいうようなものを集めて、そしてそういうふうなものから私は広範囲にそういう資料を集めて、そしてその価格が適正であるかどうかをやっていらっしゃったと思うのですけれども、去年一年間の物価狂乱というのは、そういうぐあいに簡単に資料が集められる状態じゃないのじゃないか、現実に私はそう思うわけです。そこら辺のことについて、会計検査院としてはどういうぐあいに努力をしていらっしゃるのかというのがまず第一点です。  それからその次には、三番目の問題の中で、その入札時と納入時の価格の問題で話がございました。この中で特に私は、その価格の変動があっても契約の変更は認めない、これが原則ですね。これは初めおっしゃった。しかし、相当の期間がたってる場合、業者に一方的に負担をさせるのはこれは非常に問題がある。だから、その場合にはほんとに契約の変更をする必要があったかどうかについて会計検査院としてはこのチェックをする、こういう話がありました。しかし私は、一般のときには、これは入札と納入の場合、相当の期間というのはどの程度考えていらっしゃるのかですね。普通なら一年とか二年という相当な期間があってもいいわけです。ところが、去年一年間は一日一日物価は上がっていきました。一カ月にすると相当上がったわけですね。そうしますと、相当期間というのは、これは会計検査院としてはどの程度の期間を見込んでいらっしゃるのかですね。普通なら相当期間といいますと一カ月ということじゃないと私は思うのですよ。物価の便覧では大体十日ごとに載ってるのもありますし、十五日ごとに載ってるのもあります。長くても一カ月ですね。ですから、一カ月に一ぺんしか出ない物価便覧なんというのは、相当期間というのは一カ月じゃないはずですね。しかし、現実の問題として、昨年からことしにかけての物価狂乱という問題を考えてみますと、これは一カ月というのも相当期間に入るかもわかりませんね。そうしますと、そこらへんのところについてはどうお考えなのか。これももう一回お伺いしておきたいと思います。あまりよけい言いますとあれですから、とりあえず少しずつ。すみません。
  202. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 第一点でございますが、会計検査院として適正な価格というものをどのように把握しているかということでございます。これは先ほどお話しが出ましたように、積算資料でありますとか建設物価というようなものによりまして一般的には判断をしているわけでございますが、ただこれも御承知かとは思いますが、そこに掲上されました価格というものは一カ月、あるいは場合によっては二カ月以前の価格でございます。そこで、昨年来われわれもそういった事情を十分承知いたしまして、それ以外に日報等の形で毎日市場価格が示されるというような資料も多々あるわけでございますので、それらに基づいて適正な価格がどうであるかというようなことを判断している次第でございます。  次に第二点でございますが、相当の期間が、社会情勢あるいは経済情勢に伴いまして、一年あるいは二年と形式的に区切るべきものでないという点はまことにそのとおりであろうかと存じます。そこで、最近のような事情を踏まえて考えます場合には、たとえば建設省その他におきまして、最近の契約におきましてインフレ条項というものを設けておりますが、これらにおきましては期間の定めは別にないというような事実もございます。そういった事実もございまするので、そういった点も参考にして判断をいたしてまいりたい、かように考えます。
  203. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、会計検査院は相当余裕がやっぱりあるんですかね。私たちは会計検査院は相当人数も足りなくて非常にたいへんだと客観的に見ているわけです。しかし、いまの事務総長の話を聞いておりますと、たとえば、いわゆるいろいろな物価につきまして、市場の価格につきまして日報で毎日やってるということになりますと、これは日報をまとめて価格の動きがどうなっているかということをやろうと思ったら相当手間でございますね。これは検査する項目にもよりますし、いろいろな人数が相当私はかかっていると思うのですよ。たとえば、ほんのわずかなものをまとめるにしたって、日報で会計検査院にばんばん入っているとすれば、相当なデータと、相当なコンピューターでも置いてやっていらっしゃるのか。そうでないと、私はそうちゃちなものじゃそんなに簡単にチェックはできないと思うんですよね。これも言えますし、先ほどから、たとえば二番目の当、不当をきめる基準という問題が出てまいりましたときにも、いかなる価格が適正であるかということを判断するためには、これはいろんな具体的な資料との具体的な比較と、こうおっしゃいました。そのあと総長は、広範囲にその具体的な資料を集めているということをおっしゃいましたね。そうしますと、広範囲に具体的な資料を集めるというのは相当またこれは人数が現実にかかると私は思うのですよ。そうしますと、そういうふうな手間といいますか、そういうふうな問題については、これはほんとは私はもっとほかの問題もありますんですが、相当いろいろ考えていらっしゃるのか、具体的にどうなっていらっしゃるのか、今後の態勢も含めましてお伺いしておきたいと思います。
  204. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) ちょっと説明が不十分で申しわけございませんでした。日報等を収集してというようなことを申し上げましたが、これは別に、官房にそういう調査課と申しまして資料を収集している課があるわけでございます。そこで整備をいたしておきまして、検査をする者が、たとえば一つの契約にかかわる工事なり、あるいは物品購入等の事態を検査する場合に、契約月日というものが当然あるわけでございます。その日時の価格がどうであったかということを数あるその整備された資料の中から抜き出して活用するというようなことでございまして、毎日毎日すべての調査官がこれをにらんでいるという意味ではございませんので、その点ひとつ御了承願いたいと存じます。
  205. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは次の問題に先に移って、それであとでまたいろいろ締めてやりたいと思うのですが、先ほど申し上げました工事請負の問題について先にお伺いしておきたいと思います。  特に契約と着工、物品を購入する場合は契約と物品を納入するという時点になりますけれども、これこそ工事請負の場合にはこれは工事期間が入りますので相当いろんな問題が出てまいります。そこで、特に契約と着工の時点に、ただ契約と着工の時点ですらこれは物価の上昇という問題が相当介在をいたしております。しかし、それだけでなくて、工事期間という問題が中に入ってまいりますと、これはますます物価上昇というのは非常にたいへんな実情にあります。特に公共事業を昨年から今年にかけてやった場合、相当の物価の上昇ということで、先ほど総長がインフレ条項と一言おっしゃいましたが、そういう点も含めまして相当いろいろな問題に直面をしていると私は思うのです。そこで、検査院としてはこういう特に請負工事、特に公共工事については、四十八年度決算を検査する場合、どういうぐあいな姿勢でこの公共工事を検査しようとしていらっしゃるのか、この点についてお伺いしたいと思うのですが……もう少し具体的に言います。たとえば資材の時価が非常に上がっている。たとえばコンクリートなりセメントなり非常に時価が上がっている。しかし時価が上がっているからというだけで請負工事が、私は、コンクリートなりセメントの値段を上げなくちゃいけないという理由にはならないと思います。たとえば大手の業者であるならば、セメントなりコンクリートをその工事に必要な分だけを前もって買うということができますね。前もって買って、そして置いてあって、そして実際に工事がずうっと施行された。それでインフレ条項があるからというのであとで契約をやり直した。契約をやり直した時点で、それじゃあコンクリートやセメントやその資材が現実に上がったというところでいわゆるインフレ条項を適用してそして契約をやったという場合、これは実際資材が前もって安い値段で買われていたということが現実にあるわけですね。そういうふうな問題についてのチェックというのは、これはどうしてやられるのか。これは非常に私は今年度の決算をチェックするというのは非常にいままでにないようなむずかしい問題がからんでいると私は思うのですけれどもね。そういう点についてはどういうぐあいにお考えなんでございましょうか。
  206. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 先ほど来の御質問にも関連してくるわけでございますが、最近におきまする各種物価の著しい騰貴の傾向は、建設資材等についても例外ではございません。請負契約というものは当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を与えるということを約したものでございますから、原則論といたしましては、工事期間中の価格変動による利益、不利益というものを問題とする余地はないのではないかと考えるものでございます。しかしながら、昨今におきましては、急激な資材価格の上昇によりまして、請負契約の適正な履行というものが円滑に推移できないということが見込まれております各種の公共事業等につきましては、建設省でありますとか、農林省、運輸省等におきまして、既契約の工事につきましても、鋼材等の主要資材費でありますとか、かつまた、労務費の上昇に対応いたしまして契約金額の増額措置を講じていることは、これは御承知のことと存じます。会計検査院といたしましても、本年の検査にあたりましては、この契約価格の改定の適否というものを検査の際の着眼項目の一つに特に加えまして、検査の全きを期していきたい、かように考えている次第でございます。  そこで、ただいま次に、資材単価が高騰する以前に仕入れた手持ち資材があった場合をどう考えるかということでございますが、会社側がすでにいつ該当の資材を入手しているかどうかということにつきましては、実はこれは会社側につきまして調査をしなければならないことでございますが、会計検査院といたしましては、直接にはそれらの会社の検査をする権限はないわけでございます。しかしながら、確かに御指摘のように、具体的な契約改定の方法論につきまして、種々問題があろうかと考えられますが、通常公共事業におきましては、これも御承知であろうかと存じますが、契約直後に三割から四割というものの前金払いを実施しているのが通例でございます。でありますから、御質問のように、前金払い額相当の資材の手当て等は当然行なっていると考えるのが一応の筋であろうかと考えます。そこで、契約変更にあたりまして、この当事者の協議の際には当然にこれらのことも見きわめていることと考えられまするし、その他請負人が通常払うべき努力を怠ったことによる損失を国は補てんする理由も直ちにはないわけでございます。要するに契約価格の増額にあたりまして、請負人が十分な企業努力をしてもなお防ぐことができなかった、つまりこの一〇〇%は社会情勢の変動による損失のみを協議の対象にすべきである、かように考えるわけでございます。そこで、契約改定にあたりましては、具体的な事実の把握というものが前提とならなければならないものと考えられますので、検査の際には、これら調査結果の資料等を十分に検討いたしまして、検査の遺漏なきを期するよう職員に指示をいたしている次第でございます。
  207. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、いま総長からお話しございました、特にこのメーカーの中に立ち入って調査することはできないということでございますけれども、現実の問題として私の考えは、要するに、特に公共工事の場合、いま総長おっしゃいましたように、契約のときにお金を契約金として払いますね。そして中間でも払います。当然こういうふうな社会情勢になりましても、その工事に必要な資材についてのインフレ条項の適用というのは私はちょっとすべきじゃないんじゃないかと、そう考えるわけです。それで特にこういう資材というものは一部で買い占められたり、あるいは自分のところの倉庫に隠しておっていわゆる何というか、その差益ですね、これで相当暴利をむさぼっているというのが現実にあるわけですね。特にこれは公共工事の中で建設なんかの場合そうであります。したがって、そういうことがございますので、これは買い占めあるいは暴利をむさぼっているという一つのコースがございますけれども、こういうふうなのにインフレ条項というのが悪用されるおそれもあるわけですね。そういう点から考えてみますと、総長は先ほど十分な企業努力をしたかどうかというのを、そういう努力はあったのかどうかというのもこれはちゃんと見るという話でございましたけれども、そういう点から考えてみましても、非常にこういう請負契約に対するこのインフレ条項の導入によりまして検査のあり方そのものにつきましても相当複雑になってまいりますし、困難の度を増しておると私は思うんです。そこで、こういうふうな、もう先ほどから通して申し上げますが、一つは、その資材、特に資材ですね、そういうような問題についてはインフレ条項――たとえば契約を変える場合ですね、そこら辺のところは十分なチェックをしてもらいたいというのが一つ。  それからもう一つは、そういうふうな中でその資材が事前に買われたものであるかどうかということはわからないわけですね。そこら辺についての単価の積算の当、不当という問題については、これは原価を調査する段階でも非常にむずかしいと思うんですけれども、そこら辺の機能については、これは会計検査院としては十分あるのかどうかですね。それから従来から物価版というので相当いろいろチェックをやっていらっしゃいましたけれども、それだけではもう現実は間に合わなくなっているわけですけれども、そこら辺の対応策についてはどうお考えなのか、この辺をちょっとお伺いしておきたいと思います。
  208. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) インフレ条項につきましてのただいまの御意見は、まことにごもっともであろうかと存じます。これを適用するのもやむを得ないというような経済情勢があって導入されたものと考えまするけれども、これを悪用すると申しますか、みだりにこれらに便乗するというような事態はもとよりあってはならないことでございますので、それらの点につきましては、先ほども申し上げましたように、十分注意を怠らないつもりでございます。  それから第二の点でございますが、結局先ほど適正な価格の把握につきましてお尋ねがあり、それに対するお答えをいたしたわけでございますが、同じことを繰り返すようになって恐縮でございますが、物価版あるいはその他の資料につきまして検討をするという、これは当然しなければならないわけでございますが、その他、先ほど言い忘れましたけれども、それぞれ建設省を検査する調査官もおりますれば、運輸省を検査する調査官もいるわけでございます。それで、その契約の中に織り込まれております同種物品の価格等の比較検討等というようなことにつきましても十分注意して、適正な価格の把握というものにつきまして努力を従来もしてまいりましたけれども、現在の時点におきましては、さらにその重要性が加わってきておるのではないか、かように考える次第でございます。
  209. 峯山昭範

    峯山昭範君 ちょっと問題は違いますが、特に政府関係金融機関の融資先に対する検査の問題についてちょっとお伺いしておきたいのですが、特に開発銀行とか輸出入銀行等ございますが、こういうふうな政府関係金融機関の融資先に対する検査の実績ですね、あるいはその実態、これは会計検査院としてどういうぐあいにやっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。それが一つ。  それからもう一点は、今後こういうふうな政府関係の金融機関の融資先に対するその検査について、今後どういうぐあいに考えていらっしゃるのか、あるいは法令的に改めなきゃいけない問題があるのかどうか、こういうふうな問題について、ちょっと一ぺんお伺いしておきたいと思います。
  210. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 御承知のとおり、開銀、輸銀その他政府関係機関につきましても、これは国の会計と同様、国会予算統制を受けているものでございますし、また、その他の団体も、資本金の全部あるいは大部分を国が出資しているものでございます。したがいまして、その検査につきましても、国の歳入歳出予算の検査と同様に、重大な関心を持って検査をいたしているわけでございます。  そこで、検査の具体的な内容でございますが、その融資が、法令あるいは業務方法書等に準拠いたしまして、目的どおり行なわれているかどうか、これが最大の眼目であろうかと存じます。また、貸し付け金額でありますとか、融資条件の決定が適切に行なわれているかどうか、あるいは資金交付の時期、金額は適切か等、これらの点につきまして検査をいたしているわけでございます。また、検査の方法といたしましては、関係機関におきます貸し付け稟議書でありますとか、融資申し込み書等、まあ各般の資料検討いたして検査の全きを期しているわけでございます。また、貸し付け先につきまして、法令上必ずしもすべての団体につきまして権限があるとは申せませんけれども、貸し付け先につきまして十分な調査をいたさなければ、各種の政府関係金融機関等に対する検査、これも全きを得ないことは、まさにただいま御指摘のとおりでございます。そこで、まあ私どもの検査の方法といたしましては、法令上は多少の疑問は残るわけでございますが、当該公庫、銀行等に行きました際に、事実上貸し付け先に出向きまして個々の貸し付けの当否を判定している次第でございます。その実績というものにつきましては、ごく最近におきまして、農林漁業金融公庫に対する土地取得資金につきまして、また公害防止事業団に対しまして公害防止施設資金につきまして、それぞれ会計検査院法第三十四条によります是正改善の処置を要求いたしたような事実もあるわけでございます。なお、これらの融資につきましての検査の充実につきましては、過日、参議院決算委員会におきまして御指摘がありましたが、まあ、その際の御質問の趣旨あるいはただいまの仰せの趣旨に沿いまして、従前より一そう検査上の意を用いまして、まあ検査の方法等につきましても、十分改善を加えて検査の徹底を期してまいりたい、かように考えている次第でございます。
  211. 峯山昭範

    峯山昭範君 もう時間が来たそうでございますのでこれで終わりますけれども、私たちは、いつも国会で、特に最近は、公正取引委員会とか、それから会計検査院の問題につきましては何回か質問をしてまいりました。そのつど私たちは、この会計検査院なり、それから公正取引委員会の拡充という問題についていつも言っているわけでございますが、特に私は、これからますますこの社会のいろんな情勢から考えてみまして、会計検査院の内容の充実といいますか、これが機能の拡充といいますか、非常にこれは、今後重要な問題であると私は思います。そこで、たとえば昭和四十八年度だけをとらえてみましても、いままでと同じ体制ではとてもやれないような、もう社会的変動が現実にあったわけです。そういうような観点から考えまして、国民が相当期待しているわけでもございますし、また社会情勢という点から考えてみましても、社会の要請が非常に大きいわけですね。そういう点から考えてみましても、会計検査院自身が、この機能の拡充なり、あるいは会計検査院自体の充実という問題についてどういうぐあいに取り組んでいらっしゃるか、この問題についてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
  212. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 御指摘のように、会計検査院の検査も、さらに広範囲になると同時に内容もさらに複雑化してまいるわけでございます。それに対応いたしまして、検査に従事する人員の量的あるいは質的な面にわたっての整備というものが要求されることは、これは当然であろうかと存じます。そこで、増員という問題につきましてでございますが、まあ増員ということも努力はいたしておるわけでございますが、何ぶんにも、国の全般的な立場から、公務員の定数を毎年何%か削限するというような措置もとられておりまするし、会計検査院も一行政機関といたしまして、それに協力するという立場も否定できないわけでございます。そういった面もございますけれども、毎年全体の定員というものを落とさないような努力をしているとともに、さらに、現実に検査の中核となります調査官というものにつきまして、あるいはこれは人数は少ないというような御批判もあろうかとは思いますけれども、年々十名ずつほどを増加するよう認めてもらっているわけでございます。さらに、検査というものは単に量的な面だけではございません。質的な面、いろいろ内容も複雑化しておりまするし、あるいは技術面に対する検査というものも十分いたさなければならないわけでございます。そこで、そういった面につきましては、研修の機会を多くするとか、あるいは、これはほんの一例でございますけれども、技術専門官を設置する。本四十九年度も一名増員になっただけでございますけれども、そういった努力も行なっているわけでございます。むろん、これで十分であるとわれわれは考えているわけでございません。ただいまのお励ましのことばに沿うて、さらに今後も努力をいたしてまいりたいと、かように考えております。
  213. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) 私から一、二点お伺いいたします。あなたのほうの四十九年度の要求は四十一億五百六十万円ですね。そのうち職員の俸給、給与、手当、これが約三十六億二千万円、これは総額の八八%に当たっているわけですね。そこで、いまお話しの技術専門官一人ふやし、調査官を十一人ふやすと、こういうことが提出されておりますね、書類として。そこで伺いたいのは、いま峯山君の質問中に、職員が千何人というお話しがありましたが、この技術者――技術というのはいろいろな技術がありますよ。機械もありましょうし、それから工事関係もありましょうし、こういう技術者はそのうち何人ぐらいおられるのですか。総括して。
  214. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 四十八年度までにつきましては、たしか私の記憶では九十九名、約百名でございましたが、本年度さらに新採用の者、七名技術系職員を採用いたしました結果、現在技術系の職員は、総数におきまして百六名ということに相なっております。
  215. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) そこで、百六名と申しましても、これはいわゆる一括しての技術者で、そこには機械とかいろいろあるわけですね。そこでさらにお尋ねしたいことは、私は決算委員で十六、七年前にやったきりで会計検査院のことはあまり知らないんですよ。しかし、その時分は私も若かったから、ずいぶん方々に出張して現地調査をやったんです。そこで、現地調査をやって私は一番やはり会計検査院としてやるべきだなと思って痛感をしたのは、現地の、つまり農地改良なら農地改良工事の補助金等がございますね、それが非常に不正にやられた。これは滋賀県で起きたある事件でしたが、私どもは現地に行って、それから技術者と一緒に見たわけです。そうすると、大体、相当長い農地改良区域なんだけれども、これを二十メーターか三十メーターおきに、全部できたものを一応上からこわすんです。そうして、砂か砂利か何か知りませんが、指定のものが入ってないということを全部これを摘発しまして、そして、その全体の距離から換算して幾ら幾らの損害を国に与えたと、これは一つの例なんです。こういうようなことを見て、地方なんか御承知のとおりそういうような工事費なんかの補助というのは非常に多いんです。そこで、私はやっぱり普通のいわゆる書類上の調査も、これも必要ですけれども、そういう意味で、私は技術関係というものがいかに必要かと、こう思って、非常に私は何というか感心したことがあるんです、十六、七年前の話なんですが。そういう意味において、やっぱりいまでもそういう実際調査というものは行なっているんですか。
  216. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) 工事検査の際には、関係書類等に基づきましてまずは検査をいたすわけでございますが、その段階におきまして十分な心証を得られないというような場合は、必ず、これは標本の抽出でございますか、そういった検査を現在でもいたしております。
  217. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) それからいま一つ、これは十三、四年前でしたか、例の大台風がありまして、北海道に風倒木事件というのがあったんです。これは会計検査院では非常に大きな問題でして、私は現地に参りまして、林野局の職員の案内で北海道の一番ひどいところを見たわけです。ずいぶんたくさん見ました。ところが、北海道のわれわれの見る範囲では、山という山はほとんど風倒木にやられているんです。ああいうふうな場合は、ただ会計検査院の職員を半分動員したって実際つかめるものじゃない。それは、事件は別ですよ、日通との関連の林野局との事件なんですけれどね。ああいうような場合は、そういう不測の大きな災害――災害そのものはあなたのほうの問題じゃないけれども、そういう場合には、やっぱり何か臨時にどこか嘱託をするとか、調査官を臨時にあれするとか、そういう制度とか、あるいは習慣というものはあるのですか。
  218. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) ただいまの風倒木の問題は、林野庁の検査を担当する課が本来担当すべきものでございます。しかし、林野庁の検査におきましても、いろいろ検査項目というものはあるわけでございます。素材の生産価格の妥当性とか、そういう問題、かなり各般の問題につきまして検査をいたしているわけでございますが、ただいま御指摘のような事態が発生いたしました場合には、林野庁の検査に従事する職員を動員いたしまして、機動的な検査と申しますか、そういったことも十分考えてやっているわけでございます。
  219. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) いま二点、ごく簡単ですがね。  あなたのほうで提出された書類の中に、旅費の二億六千万というのは、二億七千万のうちの二億六千万、これは実地検査旅費ですから、これはあなたのほうとしてはむしろ少な過ぎると思うんです。けれども、外国旅費が七百十二万盛られておりますね、これはどういう目的なんですか。ただ単に視察とか見学とかということですか。
  220. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) これは、項目といたしましては三つございます。一つは南米地域の実地検査旅費でございますが、そのほかに、これは国際会議――世界の国際会計検査機構というものの国際会議がございます。その国際会議に出席するための外国旅費、それから、同じく四十九年度は、変則でございますが理事会も四十九年度に行なわれますので、その理事会の出席に要する旅費、この三項目でございます。
  221. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) わかりました。  いま一点最後に、施設整備費の中に四千二百万というのがあるんですが、これは書庫のエレベーター新設工事とあるんですが、これは各日本中の役所から一応書類をとる、これの書庫ですか。その書庫に対するエレベーター施設をやるんですか。保存してある書庫なんですか。
  222. 石川達郎

    説明員(石川達郎君) これは、御指摘のとおり、証拠書類を収容する書庫の専用エレベーターの新設工事でございます。
  223. 大竹平八郎

    主査大竹平八郎君) 以上をもちまして、会計検査院所管に関する質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十七分散会      ―――――・―――――