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栗林卓司君 私は、自動車
関係諸税の増税問題を一つの話の中心にしながら今後の交通
政策の問題についてお
伺いをしたいと思うんです。
今回の自動車
関係諸税の増税というものは、あらためて申し上げるわけではありませんけれ
ども、国に関する増税による税収増というのは初年度で二千億をこえていると思うんです。これは法人税の増収額初年度二千百十億円をも上回っている非常に大きな増税額だと思うんです。問題は、この法人税と自動車
関係諸税の問題について一つあらためて申し上げたいのは、同じように二千億円をこえる増税だとは言いながら、法人税の場合には企業の利益に対して課税されるわけですから、利益が出ない場合には当然のこととして法人税を納める仕組みにはなりません。自動車
関係諸税はどうかといいますと、これは主として自家用自動車に対して課税をされていくわけですけれ
ども、保有の内訳を見ると企業が持っている自家用自動車というのは大体二割ぐらいだと推定されます。この二割ぐらいの企業は利益が出ていようといまいとその税金は取られる。残り八割は何かといいますと、これは一般
国民が負担をするわけです。個人の家計から支出される。それが、理由は別として、非常に巨額な大幅増税が行なわれたということを一つ前置きに申し上げておきたいと思います。
もちろん、そんなに税金を上げて、では産業面でだいじょうぶかという議論はあると思います。これもだいじょうぶだということは全然言えない話でございますし、たとえば二月の国内販売を見ると、去年の販売実績よりも落ち込んだのはもちろんとして、一昨年に比べてもなおかつ落ち込みました。三月はどうかといいますと、三月と言えばたいへん変わった月でして、決算月にあたる、来月からは
関係諸税が増税になる、この際ということで売り上げ、販売がふえることが普通は期待される月なんです。ところが、三月の販売はどうかといいますと、去年に比べて落ち込んだのはもちろんとして、いまを去ること数年前の
昭和四十五年度の三月同日現在の実績に比べても落ち込んでいる。そこに向かって来月からまたこの巨額な増税が来るというのは、ことばを選ばないで言えば、首つりの足にさらにおもりをぶら下げるようなことになるわけです。
はたしてそれでよろしいのかということを、ひとつこれは御理解を求める意味で申し上げておきますけれ
ども、自動車産業というのはそれは大多数の中小企業で構成されている産業なんです。なるほど表向きには大企業がぎらぎら目につきますけれ
ども、これが分担している部分というのはごく一部であります。したがって私は、かねて持論なんですが、自動車産業というのは中小企業産業であるという理解をすべきだと思うんです。では、どのぐらいの人が働いているのかといいますと、関連を含めて言えば三百六十万をこえる人たちがこの自動車の製造、販売、補修ということで暮らしを立てているわけです。それが何と三月では
昭和四十五年度よりも落ち込んでしまった。理由はいろいろあると思います。そこにもってきて、四月からはさらに増税、首つりの足にさらにおもりをつけるようなことをやって雇用問題に心配がないかということは確かにある。これをきょう申し上げるつもりは毛頭ないんです。あくまでもこの税金というのは大半が
国民が払うんだということでお
伺いをしていきたいと思います。
実は、この間、自動車を使っているある
団体の人たちと話をしてたんですけれ
ども、こういうことを言ってました。何とか自動車メーカーのはでな広告をやめさしてもらえないか、あんなことをやるものだから、自動車けしからぬという話になって、とどのつまりはとばっちりでおれたちが税金を払う。ですから、何か自動車
関係諸税というと産業問題だと短絡して考えがちなんですけれ
ども、これはあくまで
国民が負担をしている。家計から出していく税金であって、しかも巨額な増税を今回行なったんだということを前置きに申し上げておきたいと思います。
きょうお
伺いしたいのは、そういう
国民の暮らしとの
関係で自動車交通というものをどう考えていったらいいんだろうか。そこでまず、たまたま税のことが発端になりますので、順序として
大蔵大臣にお
伺いしたいと思うんですけれ
ども、この自動車交通というものをわが国の交通
政策の中でどう位置づけていくのでしょうか。簡略でけっこうですから御
意見を承りたいと思います。