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1974-04-23 第72回国会 参議院 文教委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年四月二十三日(火曜日)    午後二時十分開会     —————————————    委員異動  四月十二日     辞任         補欠選任      平泉  渉君    久次米健太郎君      黒住 忠行君     永野 鎮雄君      今泉 正二君     二木 謙吾君  四月十三日     辞任         補欠選任      久次米健太郎君    平泉  渉君  四月十七日     辞任         補欠選任      安永 英雄君     鈴木美枝子君  四月二十二日     辞任         補欠選任      永野 鎮雄君     黒住 忠行君  四月二十三日     辞任         補欠選任      二木 謙吾君     今泉 正二君      中村 登美君     高橋 邦雄君      志村 愛子君     平島 敏夫君      宮之原貞光君     安永 英雄君      加藤  進君     渡辺  武君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         世耕 政隆君     理 事                 斎藤 十朗君                 内藤誉三郎君                 片岡 勝治君                 小林  武君     委 員                 今泉 正二君                 金井 元彦君                 黒住 忠行君                 志村 愛子君                 高橋 邦雄君                 平泉  渉君                 平島 敏夫君                 小野  明君                 鈴木美枝子君                 矢追 秀彦君                 松下 正寿君                 加藤  進君    国務大臣        文 部 大 臣  奥野 誠亮君    政府委員        警察庁警備局長  山本 鎮彦君        文部大臣官房長  井内慶次郎君        文部省初等中等        教育局長     岩間英太郎君        文部省大学学術        局長       木田  宏君        文部省体育局長  澁谷 敬三君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君    説明員        厚生省医務局医        事課長      手塚 康夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○教育文化及び学術に関する調査  (文教行政基本施策に関する件)     —————————————
  2. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  教育文化及び学術に関する調査中、文教行政基本施策に関する件を議題といたします。  本件について、質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 私は初めに、この間から問題になっております医師国家試験の問題が漏れた件について、最初に伺いたいと思いますが、初めに厚生省にお伺いしたいのですが、この問題についていろいろ厚生省では現在究明を急いでおられますが、どういうきっかけからこういうふうなことになって、現在どの程度まで進められておるか、その点を報告してください。
  4. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) 先生の御質問の点でございますけれども、私どもそれを知りましたのは、十六日付けの朝日新聞記事に掲載されましてでありまして、私どももショックだったわけでございますが、大臣から調査の厳命も下り、それからその後、私どものほうにも電話等でその情報が入っておりますが、それに基づきましてできる限りの資料等は集めて分析する等の調査を行なっているわけでございます。現段階では、まだ、資料集めでその分析に取りかかったという段階でございまして、どの程度という点は、まだ御報告できる段階まで達しておりません。
  5. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 現在、資料を集めておられると言われますが、どういう点をチェックをされようとしておるのか、その方向、まだ発表できないとおっしゃいますけれども、どういうような方向で、どういう資料を集めておられるかお伺いしたいと思います。
  6. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) その点は、実は、こういった調査は、私どもあってはならないことだと思っておりますが、万一のことを考えてやはり疑ってかからなければならない点もございます。そういう意味で、調査方法ども実はまだ明らかにしていないわけでございますが、ただ、新聞記事からもおわかりいただきますように、あるいは補習講義というようなことも言っておりますし、あるいは卒業試験がどうのこうのということも書いてございます。そういった点は、私どももやはりチェックする必要があると考えて、いろいろ資料を集めて総合研究等を行なっているわけでございます。
  7. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 その補習講義は、全医科大学あるいは国立大学の医学部も含めて、どういう補習講義をどういうふうにやったかということは全部資料として集められるわけですか。
  8. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) それは、全国についてまんべんなく集めるといたしますと資料的にも膨大なものになる可能性がございます。私どもとしては、やはり、ある程度重点を置くといいますか、まず時間的な問題もございますので、手に入るところからまず手に入れて分析するという方法をとっております。
  9. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 それに対して大学側協力をしておりますか。
  10. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) この件につきましては、実は文部当局とも打ち合わせて御了解いただいて進めております。その限りで大学もいまのところすべて協力していただいているというふうに聞いております。
  11. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 いま、聞いておりますと言われましたけれども、いま医事課のほうとしてやっておられるんじゃないんですか。この問題はどうなんですか。どういう形で調査を進められているんですか。
  12. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) ことばがちょっと足りなかったようでございますが、私自身が直接大学へ行って当たっているわけではございませんので、ほかの職員等大学に当たって資料等を集めているわけです。そのときの大学側態度いかんとい、ふうに私質問を理解したわけでございますが、そういう意味であれば、比較的御協力をいただいているというふうに聞いておるわけです。
  13. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 いま、急いでいると言われますが、大体いつごろまでにこの調査を終わって発表されるつもりですか。
  14. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) これにつきましては、まだ、問題が起きて——実は私とものほうは十四日に試験がございまして、十六日の日の朝の記事で実は調査ということに取りかかったわけでございますが、実際には実地試験が十八日まで行なわれていたわけでございます。したがって、実地試験の最中に動揺を起こすのも問題でもあり、十九日以降そういうことに取りかかりましたので、まだ時間的に着手したばかりという感じがいたします。したがって、これは、必要な資料相当程度集まって分析が終了するという時期ですが、私ども急いではおりますが、いつごろまでというのは、ちょっと現時点では申し上げかねる感じがいたします。
  15. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 これがどれくらい漏れたかということは、これはわかりませんけれども、かりに、たとえばよく新聞などには一割とか二割とか二割ぐらい出たなんて言われているわけですけれども、もし、それがなった場合は、そのあとの処置はどうなりますか。今回の国家試験は全部無効であったということになりますか。
  16. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) これは調査の結果を待たねば、いろいろそのケースもありましょうし、一がいに申し上げかねる問題でございますけれども医師法の十五条でいきますと、医師国家試験不正行為があった場合には、その不正行為に関与した者についてその試験を無効にするという規定がございます。私ども、法律的に申せば、やはり、全体無効ということではなくて、その不正行為に関与したかどうかを見きわめて、その者についてその試験の無効かどうかという判定をしていくことになると思います。
  17. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 いままで、国家試験はわりあい合格率は高かったわけですが、昨年は少し九〇%台を割ったと言われておりますが、これはどういうところに原因があるわけですか。どう見ておられますか。
  18. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) 確かに御指摘のとおり、昨年の春は八八・九%ということで、それまでの春試験の九〇%台を割ったことは確かでございます。私ども医師試験については、実は、昨年の春の試験からコンピューターを使っての分析等を行なっているわけでございますが、実は、いま、試験問題の公表制をとっております。アメリカのように非公表にして同じ問題を随時出すということであれば、そのときの受験生の質が同質であるかどうかというチェックはできるんですが、現在、残念ながら私ども医師国家試験ではそれができません。したがって、はたして、その受験生の質が落ちたのか、あるいは私ども試験がむずかし過ぎたのか、この判断は、実は、相当分析をしないと、あるいは分析をしてもなかなか結論は出しにくい問題だと思います。
  19. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 私自身歯科医師のほうですが、国家試験を受けてきたわけですけれども、大体、いままでの問題をきちんとやっておれば通るということで、特に、私のおりました大阪大学の歯学部については、私が出るころあと相当の年数、ほとんど一〇〇%近い合格率であったわけです。だから、大学をきちんと卒業すればもう国家試験なんか要らぬじゃないかということで廃止運動まで起こそうかという気運もわれわれは持ったわけですけれども、こういうことを言うとまずいことになるかもわかりませんけれども、どうも、それを阻止されたのは私立医科大学先生方であるということも聞いておるわけです。実際、そういうことで、国家試験が必要か必要でないかということは問題なんですけれども、この議論またやりますと時間がかかりますから別にいたしますけれども、現在の国家試験医師歯科医師含めまして、こういうあり方を厚生省としてはどう考えておられるのか。要するに、最低常識を持っておれば通すという、要するに、大学で六年間教育を受けているわけですね、その人たち医師国家試験でふるうのはどういう人をふるうのか、その点はいかがですか。
  20. 手塚康夫

    説明員手塚康夫君) 私ども考えておりますのは、国家試験として特別のものを見るということではございません。六年間勉強してきた結果として医師として必要な知識及び技能を有しているかどうか、それをチェックするということでやっているわけです。先生おっしゃるとおりに、確かに、一部には学校卒業試験だけでもいいではないかという声があることも私知っております。また、国によっては、逆に、卒業試験がなくて国家試験でそれを代用しているという国もあることも知っております。現在の私ども医師国家試験、これは完全な制度だとは私ども思っていないわけです。それで、昨年から、実は研究費も投じてそういった改善のための研究も推し進めているというのが現状でございます。
  21. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 厚生大臣がおられるといいんですけれども、おられませんので、今後の方向等については聞けないのが残念ですけれども文部大臣にちょっとお伺いしますが、まず、この国家試験をやるために、大学で、これは「秘密補習」という新聞記事になっておりますけれども、そういう補習をやるのは気持ちとしてわからないでもないんです。実際、私自身だって、そういう講習は別にちょっと一、二回はありました。だけれども、そのときやったのが出たのかどうか、私、ちょっと古い話ですから記憶にはないんですが、大体いまさっき言ったように、いままでの傾向を全部見ればわかるわけです。そういった点で先ほどもちょっと申し上げたように、言うなれば、文部省教育をした者を厚生省チェックをするわけですけれども、それで落ちるというのは、よっぽどできの悪いのしか落ちないんじゃないかというふうなことできたんですけれども、もし、今回のようなこういうふうな相当二割も問題がわかっておるとなりますと、非常に問題であるということと、もう一つ、普段勉強しなくても補習を一生懸命やって大体そのヤマ当ててもらって、そして、それで医師ができ上がっていくという、こういう体制ですね。こういった点で国家試験というものを、先ほども申し上げたように、私たち廃止運動まで起こすぐらいまで考えたんですけれども、それはいろいろ問題がありまして、これはただ単なる国家試験だけの問題と私は考えたくないわけですけれども、まず、大臣にお伺いしたいのは、この国家試験というものが、たとえば、司法官試験とか外交官試験というのは非常に高度です。非常にむずかしいし、公認会計士もむずかしいわけです。これは医師歯科医師国家試験はほとんど全部通る。そういうことで要らぬのじゃないかという考え方、それぐらいのふるいは大学でできるんじゃないかという考えを私たちは持っておったんですけれども、ところが、私立大学先生方が反対であるというふうなことも私も大学におるころに聞きましたんです。こういった点で、医師歯科医師国家試験というもの、そうでなくてもいま現在日本の医療制度がいろいろな問題で問われている時代ですから、私は、ここら辺でちょっと考え直さなくちゃいけないんじゃないかと思うんです。したがって、国家試験先生方、全部大学先生が入っておられるわけですから、大臣としては、どういうふうにお考えになりますか、この事件を通じて。まず、所信をお伺いしたいんですけれども
  22. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 医師は人の生命を預かる非常に重要な職業でございますだけに、従来から免許制度がとられているわけでございます。学校を卒業すれば、免許を与える職種もあるわけでございますけれども、人の生命を預かる職種でございますだけに、やはり国としても免許を与えるについては責任を負っていくという体制が必要じゃないかと。そうしますと、やはり国家試験というものは続けていかなきゃならないものだろうと、こう判断しているわけでございます。
  23. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 国家試験存続が必要だというお考えですが、かりに存続をするといたしますと、私もある程度は必要なような気がするんですけれども、その前に、私は、大学における教育というもの、あるいはその大学を卒業してから、開業する前に試験するのもいいですけれども、ある程度時期がたった段階で、ちょっといまこれは非常にむずかしい問題ですけれども、この人は医師として適性なのかどうか、勉強をきちんとしておるのかどうか、日進月歩する中ですから、そういった点で何らかの、大学を出たあとの、まあチェックといいますか、何といいますか、そういった点もこれからぼつぼつ考えなくちゃいかぬのじゃないか。というのは、いま言った、もし国家試験というものが、こういう権威のないものになってきてしまうと、しかもそれは極論いたしますと、いま申し上げたように、非常に、勉強しない人間ほんとう勉強してない人間だけを落とすためのものみたいになっているわけです、実際は。だから私立大学裏口入学で入ってきて、全部そのお金ですっと卒業させるものですから、学校チェックできないと。だから国家試験で落としてくれと、大体こういうのが現実なんですよ。だから国家試験というのは、そういう要するに、現在の私立大学のゆがんだものをただそれをふるうだけと。私、研究室におりましたころ、教授が試験やっておりましたころ、年に二回ございますね。春のほうは出たのがすぐ受けているからまだいいんですけれども、秋のは春落ちたのがまた受けるわけです。それの答案なんぞ見ちゃおれぬと、ほんとうに現在基礎は、歯科医師の場合は基礎はありませんけれども基礎はそのころありましたけれどもほんとう常識としてもなっちゃないと、これはもう落とさざるを得ぬと、まあほかのほうでかせげば何とか平均六十点くらい取れば入れるわけですから、そうなるといわゆる劣等生だけ落とすだけであって、この国家試験というものが、私は、もうちょっと権威を高めることと、それ以前に大学の中においてやっぱりもう少しきちんとしたことをしなければいかぬのじゃないか、こう考えるわけなんですけれども、特にその私立医科大学私立歯科大学に私は非常に問題があると思うのですが。だからその点で何かもう一歩国家試験内容、やり方、それからこの大学における、まあ私たち卒業試験というのはなかったのですけれども卒業試験をもっと何らかの形できちんとするとか、その点やはり私は、文部省としても、指導をされるべきじゃないかと思いますけれども、その点についていかがですか。
  24. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 御指摘になりましたように、私立医科大学内容を整備していく、これはきわめて大切なことだと思います。ある私立医科大学に学んでいる学生が私のところへ入学時に多額寄付金を出させるああいうような仕組みはぜひやめさせてほしい、そうでないと、自分たちもみんな多額の裏金を積んで入ってきたように思われる、自分たちが社会に出て医師として働く場合にも、私立医科大学の出身だということで信用をされないようなことになってしまうのだ、こういう不安を持って訴えられたことがございました。ほんとうに私はそういう人たち気持ち、察するに余りあるものがあるという感じを持ったわけであります。でございますだけに、私立医科大学につきましても、施設・設備のみならず、そこで教べんをとられる先生方の質の問題につきましても、十分豊かなものを確保していかなければならない、そういうことで一々そういう問題については、文部省の中に置かれております大学設置審議会で綿密な調査をして認可を与えるというような方式がとられているわけでございますけれども、その運営につきましても、今後とも十分な留意をしながら、協力し合って内容を高める、そういう努力をしていかなければならない、そして信頼を確保できるように運営されるように協力をしていかなければならない、こういう気持ちを深めておるところでございます。     —————————————
  25. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、宮之原貞光君及び二木謙吾君が委員辞任され、その補欠として、安永英雄君及び今泉正二君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  26. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 先ほどもちょっと申し上げた、大臣、こういうのは役所間のあれかもしれませんけれども文部省教育したのを厚生省チェックすると、試験をすると、その厚生省試験がいま言ったようにほんとう最低の、・標準以下だと思うのですよ、あの問題は。最低の基準だけのチェックでいいとなれば、何か大学教育権威が非常に私は下回ったような気を、まあ前からしておったのですけれどもね。その点については、厚生省ともっと私は国家試験の問題については話し合いが必要だと思う、その点についていかがですか。
  27. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) お話しのとおりだと思います。私立大学認可をするにつきましても、厚生省のお知恵を借りていかなければならないし、また、国家試験につきまして文部省側知恵厚生省で利用していただけばいい、双方の連絡は十分とられておると思うわけでございますけれども、今後とも、そういう連絡は確保されるように注意してまいりたいと思います。
  28. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 次の問題に入ります。  大学入試の問題でありますが、今度、国大協のほうで中間報告が出ましたんですが、これについて文部省としては、これは一応中間報告ですが、大体いつごろまでにこれに対する報告をまとめてそれを五十一年度、大体実施方向というようなことになっておりますが、その点の今後の方向ですね、これについてもしきまっておりましたらお示し願いたい。
  29. 木田宏

    政府委員木田宏君) けさ各紙に報ぜられました国立大学入試改善調査研究報告書は、四十七年度からの継続の仕事でございますが、四十八年度文部省で必要な経費を五千万ほど——五千万ちょっと欠けたかと思いますけれども、計上いたしまして、国立大学協会にこの共通試験実施につきまして、どういう問題があり、どういうことが可能であるかという御研究を願ってきたわけでございます。そのときの、これは国立大学協会のと申しますよりは、私ども文部省サイドでの期待といたしましては、四十八年、四十九年と検討をしていただきまして、新しい学習指導要領によって、五十一年に高校生が卒業してまいります時期に、願うことならば、一つの新たな体制考えることが適当であろう、こういうつもりでお願いをしてきたものでございます。かなり詳細な御研究教科別にたくさんの受験生を相手に試験答案の処理ができるとか、いろんなことなど考えながらよく勉強をしていただいたと思っておりますが、その報告書にも述べられてありますとおり、さらに、四十九年度引き続き検討を進めるということになっております。最終の段階でどういう手順を立てるかということは、きょう報ぜられましたもののほか、具体的な実施機関実施体制相談をして予算化をしてまいらなければなりません。今後私どもも五十年度の予算実施段階まで国立大学当局とも御相談を重ねまして今後の見通しを立てるようにしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  30. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 これは大臣にお伺いしたいんですが、やはり方向としては五十一年度共通テストでやる方向で臨むと、こう解してよろしいんですか。
  31. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) そのような方向検討をそれぞれの機関お願いをしているところでございます。
  32. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 五十一年度実施となりますと、五十一年ですから現在の高校生でいきますと二年生ですね。大体の方向がおそらく五十年度の予算できまるとなりますと、来年度ですから、要するに三年生の一年間の期間、それでいろいろ相当の大きな変動があるわけですから、そうしますと、そうでなくとも、いま受験地獄ということで入試自身がいろんな問題になっておるわけですけれども、非常に高校の先生方に対する影響というのはかなり大きいと思うんです。この共通テストのためにまた受験教育をやり直さなければならぬ。それからもう一つは、自分の志望する大学へ行くためのまたテストがあるわけですから、極端に言いますと二重テストになるわけですよね。そういうことで受験生の負担というのはまた私は非常にふえる、軌道に乗っちまえばこれはいいかもわかりませんけれども。特に、五十一年度試験を受ける人たちについては、非常にこれは大きな問題だと思います。実施は、私はいいか悪いかまだこれもっと検討しないといけないと思うんですけれども、私自身もきょう見たばかりですからよく自分自身結論はまだ出しておりませんけれども、まず実施ということを考えますと、そういう点をどう考えられておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  33. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 入学試験の問題についてはいろんな問題がございまして、国立大学については一期校、二期校の区別を廃止したらどうか、あるいは入学試験問題に難問、奇問の出されるような弊害を排除する道を講じたらどうだろうかと、いろんなことがあったわけでございます。これらの解決を促進するためには、文部省考え方を各機関に具体的にぶつけたほうが早いんじゃないだろうか、こんな気持ちを持ちまして、昨年、五十年度から一期校、二期校の別を廃止したい、五十一年度から共通統一テスト実施したい、こういうことで御検討をいただけませんでしょうかということを高等学校長協会国立大学協会に申し上げたわけであります。五十一年度から共通統一テスト実施したいということは、高等学校学習指導要領が四十八年度から改訂になったわけでございまして、四十九年度には二年、五十年度には三年、これで完成するわけでございますので、その完成を待って、五十一年度から学習指導要領に基づく学習さえ十分にやっておれば、別に何ら入学試験について不安を持つ必要がないんだと、そういうことで五十一年度から共通テスト、こう考えたわけでございまして、それに対しまして高等学校長協会としましては、いずれ共通統一テスト実施されるんだから、一期校、二期校の廃止はそのときからでいいんじゃありませんかという答えが返ってきたわけであります。そこで、それじゃ五十一年度から一期校、二期校の別もなくなるし、共通テストということで御検討いただこうじゃないかということで、今日国立大学協会でいろいろと御心配をいただいておるわけであります。同時に、一期校、二期校の別をなくすると受験の機会を失わせるわけだから、場合によっては各大学とも一〇%ぐらいのリザーブをとっておいて、このリザーブをもう一ぺん受験の機会を持ちたいという人たちに適用するということではどうだろうかというようなことも御検討いただいておるようでございます。どう実施するか、たいへんむずかしい問題もあるようでございますけれども、そういうことで御検討いただいている問題の一つが先ごろ発表されたということでございます。いずれにしましても、共通統一テストをやりますと、コンピューターを用いて採点をしなければならない、コンピューターにかかるような問題を出して適正な試験実施できるかどうか、こういうふうなことも御検討いただかなければならなかったわけでございます。そういうことを踏まえて、何とかやれるだろうというようなことで中間発表が出てきたと、こう承知しているわけでございます。
  34. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 かつて進学適性検査あるいは能研テストというのが行なわれてきたわけなんですけれども、これに対する評価は、どういうふうに文部省としては見てこられたわけですか。第三のそういった共通テスト、能研テストであり、進学適性検査のような感じを受けるんですけど、今回の共通テストというのは。
  35. 木田宏

    政府委員木田宏君) 御指摘のように、戦後間もなく進学適性検査という制度を採用いたしまして、数年間実施をいたしました。また、大学入試の第一次的な処理として、いわゆる能力検定という制度が取り入れられないだろうかということから、その準備、あるいは試みの試験その他をこれまた数年間試みてみたのでございます。今回、国立大学協会考えておりますのは、とりあえず国立大学自体の入試を改善したいということからスタートをしておりまして、従来の大学入試とは別に、全国的な何か資格試験をして入試にくっつけるという考え方ではなくって、大学自体の改善意欲として今回の問題が出てきておる。これは考え方として非常に大きな違いだと思います。しかし、この報告書の中にも触れられてありますけれども、能研テストの具体的な実施の結果どういうことがあったかというような問題点は、国大協の検討委員会で能研テストの関係者からも詳細聴取いたしておるところでございまして、いままで行なわれましたいろんな試験の成果というものは、これからの実施のための基礎材料として勘案できるもの、このように思っておるところでございます。
  36. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 いま、大学入学試験の側からこれは変えていくんで、本質的には違うと言われましたけれども、趣旨はそうかもしれませんけれども、これやはりだんだん私は年がたてばこういうふうなものに結局なってしまう。結局その次の問題、要するに、やっぱり有名校、あるいはその大学の中の一番みんなの希望の多い学部、そこへどうしても集中していくわけですから、このテストによってそういった点が排除されるならば、問題は私はかなり解決すると思うんですよ。たとえば東京大学に集中をする。やっぱりこのテストプラス東大でやるいろんな試験が出てくるわけですから、だから、このテストももちろんとらなくちゃいけないけれども、東大へ入るためにはこのテストでこれぐらいは最低要ると、それでまたその大学入学試験でまた要ると、こういう結果に私はなってしまうんじゃないかと、こう思うんです。その点が、このテストと実際その大学でやられる試験との関係はこれは相当慎重にやらないといけないと思いますけどね、その点はいかがですか。私自身適性検査しか知りませんけど、あれはあんまり重要視されておりませんでしたよね、あのときは。だから、私はあれはあんまり得意じゃなくて、そんないい点じゃなかったですよね。阪大の場合は自分の席次と点数が全部公開されますから、あとでわかったわけです、私は何点で入って何番で通ったと、理科系ではですね。その場合、自分より成績の——同じ学校で受けたので、私より進学適性検査の点数がかなりよくて私より成績が上で入ったのが何人いたかと調べましたが、あんまりおりませんでしたですね。だから、進学適性検査というのはあれはほんとう基礎的なものであって、実際の入試の問題とは関係なくなる、そういうふうなことに最後はなってしまって、まあ変えられたんじゃないかと思うんですけれども、これは自分の経験ですけども。そうなると、今度のこれも私はそういう可能性——最初は初めてですし、二、三年の間はそれはある程度の効果が出るかもわかりませんけれど、根本的に有名校に集中するということを何とか分散する方法がそこで何かとられなければ、また同じようなことになると、こういう意味でお伺いをしておるんですけど、その点についてはどう考えますか。
  37. 木田宏

    政府委員木田宏君) この報告書にも書いてございますように、国立大学共通の一次試験実施いたします場合に、二次試験のあることを予定をしてございます。それが試験が過重になるのではないかという御批評の出るところかと思いますが、しかし、一次試験と二次試験と同じことを二度繰り返すということにはなってございません。しかも、一次試験では現在やっておりますように五教科全体についての試験を一般的な水準で行なう、考えてみるということでございますが、二次試験はそれぞれの希望いたします専門学部別に二、三科目というような考え方をしておるわけでございまして、五教科全部についてまた二次試験をやり直すというような考え方には立っていないわけでございます。私は、いろいろな専門領域を希望して進んでいきます学生が、同じような五教科の試験だけで処理できるというふうには考えませんので、一般的に共通の一次試験を五教科の全領域にわたって実施し、そして二次試験をそれぞれの必要とする専門について、体育であるならば体育を中心に、あるいは文学であるならば語学なり文学を中心にというような試験が行なわれていくことになりますなれば、今日の、いわゆる入試のために何が何でも五教科全部について勉強しなければならぬ、それも試験のためだけに勉強しなければならぬというような過重な負担というものは非常に軽減できるものというふうに考えております。  また今日、日本の大学では、一人の学生が平均いたしまして五校以上の門をあちらこちらたたいておるわけでございますが、これはたいへんなことだと思うのでございます。イギリスのように、学校がみんな違っておりましても、入学の志願手続は全部一カ所で処理をしてしまうというような体制もできております。で、私は、やはり試験問題の作成、その処理、あるいは受験生の立場等を考えてみましても、共通の一次試験というものが国立大学の内部においてだけでもうまくいきますならば、これは受験生にとりましても、学校の側にとりましても、かなり改善になり得るものだというふうに考えております。で、その意味では、どの程度に具体の実施ができるであろうかという、今後の国大協の御論議を非常に期待をいたしておるところでございます。
  38. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 いまのお話を聞きますと、まあうまくいくようなんてすが、私はどんな方法——まあもちろんその方法も必要だと思うのですよ。だけど、もっと根本的に考え方を改めない限りは、いまの、たとえば社会の受け入れ態勢、あるいはその人の能力に応じた職業の選び方をもっとある程度早い時期にやっていくとか、そうしない限り、やっぱり現在集中しておるような、たとえば医学部、歯学部の系統、あるいは、まあこれは産業構造とかあるいは社会構造によって変動はありますけども、やっぱりその時代に何か合ったといいますか、しかもいまの学歴偏重主義というものがいまなお、だめだだめだと言われながら、現実においてはそれがやっぱり有効である間は、これはもう全然解決しないんでありまして、ただ、入試の方法を変えるだけではすべてが解決しませんので、やはりこれに相まった社会全体の受け入れ態勢から、あるいは高校における教育のあり方、とにかくまあおそらく私立の高校、中学、徹底的な受験勉強鍛え抜いてますけども、おそらくこれになるとまた同じことを始めて、それこそまたその学校の中で細分化をして、おまえは医学部へ行くんだから、一次試験ではこれぐらいとらなきゃだめだ、二次試験では医学部についてはこれとこれとこれがあるから、これについては徹底的な教育と、もうおそらく、クラス分けなんか全部やっちゃって、学部別に、それで徹底教育ということになることは、もう私はそれに応じた対応策がかなり、いわゆる公立の高校ではできなくても、私立のほうはすぐやっちゃうと思うんです。だったらそっちのほうがたくさん有名校に入る、そうするとちっともいま局長言われたような解決には私はならないと。根本問題をどう解決するか、その辺私、大臣のお考えを伺いたいんですけどね。私、これは決して反対ばっかりしてるわけじゃないんですよ、共通テストをですね、やはりそれをうまく運営して、いま言ったようなこういう受験地獄が解消できるような、そういうやはり環境づくりをしなきゃ何にもならないってことです、これだけ突っ走っても。その点についてはいかがですか。
  39. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 入学試験をめぐる問題にはたくさんあるわけでございますけれども、今回の問題で解決をしたいと考えてますのは、高等学校教育内容さえちゃんと修めてれば入学試験に際して右顧左べんする必要はない、安心感を与えていきたい、進学塾へ行かなければ——進学塾その他いろんな多岐にわたる勉強をしなければ入学試験に対応できないというような姿はなくしたい、また、一期校、二期校の別から生じているコンプレックス、これはもう持たしたくない、そういうような意味合いから考えられてるわけでございまして、ほかにもおっしゃいますように有名校へ突っ走ってる、有名校を出た人たちが社会で受け入れられやすい、そういう問題の解決も別途あるわけでございますけれども、あらゆる問題をこれで解決しようとしてるわけじゃございませんで、いま申し上げましたような面でございます。それはそれなりに一つの解決策になるんじゃないだろうかと、こう考えてるわけであります。いずれにいたしましても、共通統一テストをやりまして、同じような試験をもう一ぺん各大学がやりますと、これはもうこわれてしまいます。先ほど事務当局から申し上げましたように、芸術大学なら音楽なりあるいは絵画なりをちょっとかいてもらう、あるいはそういうのを聞かしてもらうというようなことで済むんじゃないだろうかと、少なくとも試験された教科についてもう一ぺん同じような試験をするということはこれは私はないことだろうと、こう思ってるわけでございます。それぞれ大学には特色があるわけでございますので、特色に相応する適性、能力を持ってるかどうかという点だけ見てもらえばいいんじゃないだろうかと、こう考えてるわけでございます。その点については十分留意していかなきゃならない、かように考えております。
  40. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 次に入学試験の公開ですね、解答の公開が議論をされておりますが、これについては、この五十一年度の共通テストになった場合は解答を公開すると、こういうふうなことに解してよろしいですか。
  41. 木田宏

    政府委員木田宏君) 現在の段階では試験結果の発表ということはこの報告書では予定はいたしてございません。ただ、こうした問題が行なわれていくようになりますればこれは答案がこの機械で読み取れるような形のものになるわけでございまするから、正解を公表するということも当然あり得ることだろうというふうに考えます。今日、入試の結果をどのように扱うかは、これは個々の大学の判断でございまして、いままでのような試験問題からしますとどれか一つだけが正解であるというような考え方はすべてについてあるわけじゃございませんので、この辺の扱いも出題者にゆだねていくほかはなかろうかと思いまするけれども、これが進んでまいりましたならば、この一次試験の扱いに関します限りは、そうした試みもやりやすくなるであろうということは当然予想できるかと考えます。
  42. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 また、機会をあらためてこの入学試験問題についてはもっとさらにやっていきたいと思います。  次に、前々から質問通告をしておりました国体の問題と体育関係の問題についてちょっとお伺いをしたいんですが、まず、国体については、これもずっといろいろ議論をされておりますが、この国体の目的及び趣旨というものは何ですか。
  43. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) 国体はスポーツ振興法に基づいて毎年開催されておるわけでございますが、国民の各層を対象といたしました社会体育の行事といたしまして、いわば年一回のスポーツの祭典と、そういうような趣旨でございます。兼ねて開催県の地方スポーツの普及・振興にも役立っていただくという趣旨も持っているかと思います。
  44. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 次に、昭和五十一年に行なわれる佐賀国体について、佐賀県の一般予算及び国体開催に必要な建築及び運営費の合計は幾らになっておりますか。
  45. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) 佐賀国体を開催するにつきまして、佐賀県から開催の申請が体協及び文部省に出てきたわけでございますが、そのときの申請書によりますと、施設整備費が全体で二十八億四千万円、運営費の全体、これは準備費も含めまして四億八千九百万円、合わせまして三十三億三千万円という申請の中身でございます。
  46. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 この国体が非常に地元で負担になるということで、返上運動等も一部に出ておるわけですが、その資金として、競馬でその資金集めをしようということで問題になっておるわけですけれども、この国体競馬というものは、これは認めておられるわけですか。
  47. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) 競馬は御承知のように、中央の競馬と地方の競馬かあるわけでございますが、佐賀県にはかねて佐賀県競馬組合、これは佐賀県と鳥栖市がその組合をつくっておるわけでございますけれども、この佐賀県・鳥栖市がつくっております佐賀県競馬組合が従来から地方競馬を年十九回開催してきたわけでございますが、昭和四十九年度からその開催回数を六日間、一回ぶやしまして、年二十回開催をすることといたしまして、この一回ふやした分の益金を競馬場の施設の増築、これは競馬場の施設を増築いたしまして、国体の馬術会場に充てたいということのようでございますが、その他国体経費の一部に充てたい、そういう計画をお立てになったようでございます。一般的に、この地方競馬益金の一部は従来からも体育・スポーツの事業にも活用されてきたわけでございます。なお、札幌冬季オリンピックのときにも、北海道におきまして地方競馬益金を一部札幌オリンピックの経費に充てたこともあるわけでございます。そういう実情でございまして、これは県といたしまして、そういう御計画をお立てになり、従来からもそういう体育・スポーツの事業に一部益金が充てられておるということでございますので、これがあまりこの競馬の資金にたより過ぎるということであると問題だと思うわけでございますが、年十九回のところ一回ふやしてそういうふうに充てたいということでございます。
  48. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 いままで国体でこの競馬のほうからお金をもらったのは、最近では、どういうところがございますか。
  49. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) 正確にはちょっと調べてみないとわかりませんが、私どもがいま承知しておる限りでは、国体の経費に最近におきまして地方競馬の益金を充てた例は聞いておりません。
  50. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 地方の競馬会からこなくても中央競馬会からきた例はございますか。
  51. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) 中央競馬のほうは、現在制度的に体育・スポーツの関係には益金を使えるようになっておりませんので、中央競馬のほうは現在は制度的にそういうことになっておりますので使えないわけでございますが、地方競馬のほうは、従来から体育・スポーツの事業に益金が充てられておりますので、特に、先ほども申し上げましたが、国体のためということは聞いておりませんが、広く体育・スポーツに充てておりましたので、その一部が実際国体の経費にも使われておった県はあるんではないかというふうに思われます。
  52. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 その中央競馬会が、そうしたスポーツに金を出すことがいけないということをきめられたのはいつからなんですか。ずっと前からなんですか。
  53. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) 御承知のように、公営競技は現在、船舶あるいは自転車あるいは小型自動車等は、教育学術文化の関係にもその益金を使わしていただいておるわけでございますが、中央競馬は昔からその益金が限定されておりまして、その大半が国庫に入るようでございます。それからあとは馬の関係のいろいろな改良事業とか、それから直接馬質改良等に関係がないものでは、社会福祉に一部認められておるようでございますが、中央競馬につきまして、体育・スポーツにも使わせられないかということが体育会からかねがねそういう要望があったところでございますが、現在はずっとそういう制度になっております。
  54. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 すると、昭和四十五年の第二十五回岩手県の国体の実行委員会費の歳入のところに中央競馬会補助金というのが入っておりますけれども、これはどういうことになりますか。
  55. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) 制度的には、そういうことでございますので、国体の経費そのものに対する補助ではないと思いますが、調べてみないと正確にわかりませんが、推察いたしますに、馬術も国体でございますので、岩手県は馬の関係の非常に盛んなところでございますので、そういう馬質改良の関係の事業に対してという趣旨の補助ではなかったかと思います。
  56. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 まあ、金額もわずか百万円という少ないものなんですね。いま、一応そういうものだからいいとか、馬の改良だからいいとかおっしゃっておりますけども、やはり一応いけないときめられたことは、やっぱりこれはまずいと思うんです。  それからもう一つは、中央はだめだけど、地方の競馬ならいいんだというこういう考え方ですね、この辺、私全然よく納得できないんですけども。これは大臣にお伺いいたしますが、たとえ国体競馬をやっても、純益というのはわずか一億か二億なんですよ。全体の一%にも満たないような状態なんですね。だからそういうふうなことで、国体競馬、たとえ地方だからいいというんじゃなくて、しかもこれは大阪で廃止になった分の回数を各県に割り当てられた中の一つのワクなんですね、佐賀の競馬というのは。そういうようなことで、やはりどこかの府県で、このギャンブルはいけないからやめようじゃないかということでやめた分が、その分まあまだやってもいいんだという県に回ってきた、その中の一回が国体へいくと、こういうことですから、やはりその県の代表選手も行っておるわけですから、そういった点、私はちょっと矛盾が感じられると思うんです。まあ相当のお金なら、それがこなくなったら財政がだめになるから、だからしょうがないじゃないかという議論はかりにあったといたしましても、これはもうお金も少ないんですからね。これは私はもう中央、地方を問わず、これはもうきちっと、国体にはそういうギャンブルからは金はもらわぬと。その分は国がきちんと責任をもって補助すると、こういうふうにすっぱりすべきだと思うんです。その点いかがですか。
  57. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 先年ギャンブル行為一般につきまして、国会でも是非の論議が非常にあったわけでございます。調査会まで設けまして、そして結論として存続させる。しかし、過大な宣伝的な行為は行なわない、益金の一部は社会福祉、スポーツ振興等のほうにも充てるということが決定されたわけでございます。自転車競走にいたしましても、あるいはモーターボート競走にいたしましても、実施する団体が特定の地方団体でございます。特定の地方団体に益金を全部使わせる、それはやはり問題があるんじゃないだろうか。だから一定の分は拠出してもらって、それを広く社会福祉なり社会体育なりに充てるようにしようじゃないかということで、益金の配分が始まっているわけでございます。国が行ないます中央競馬の場合には、益金は全部国庫の歳入になるわけでございますので、巨大な財政のことでございますから、国庫に全部入ってしまうからといって非難すべきことでもない。したがって、この益金の配分ということは行なわれていない、むしろ、国庫歳入全体が、国土全域にわたっていろんな方面で使用されていくわけでございますので、その中の一部の財源になるにすぎないわけだから、特定にひもをつける必要はないということになっているわけでございます。  佐賀県の場合には、従来から競馬の益金を県の財政に使っているわけでありますけれども、国体を行なうにあたって、さらに大きな金が必要になる、そこで特に施行回数をふやして、さらに財源を従来以上に得ていきたい、そうして国体の財源の一部に充てようと、こうしているわけでございますので、特段に違った方向がとられているということでもないんじゃないだろうか、こんな感じがするわけでございます。佐賀県民の選択にゆだねてしかるべき問題じゃないだろうか、こう思っておるところでございます。
  58. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 私は、もうちょっとすっぱりとそういった点ははっきりしていただくような指導を県にしていただきたいと思うんですが、この問題はこれで終わります、時間がありませんので。  次に、これは先日十一日に日教組の本部をはじめとして、全国で捜査を行なわれましたが、ここに警察庁お見えになっておりましたら、現在までの捜査の状況を発表でさましたらお願いをしたい。  それから、どういう根拠でこれをおやりになったのか、その二点です。
  59. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 根拠は地方公務員法第六十一条四号違反という容疑でございまして、現在までに東京、北海道、岩手、山形、埼玉、山梨、愛知、三重、広島、福岡、長崎、大分の十二の都道県でそれぞれ捜索、差押許可状の発行を得て、関係の組合事務所など合計八百九十四カ所を捜索いたしまして、約四万戸に及ぶ証拠品を差し押えて、現在各都道府県警察本部でそれらを検討しておるという現状でございます。
  60. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 これは一斉に十二都道府県で行なわれたんですが、しかも、ちょうどゼネストの最中という、まあ非常に時期的に一つは問題があることと、一挙に十二都道府県やられたということですね。この点で中央から指示があったのではないかということが、衆議院でもいろいろ問題になったわけですけども、これは、政府のほうはそんなことはないというふうにしておられますけれども、実際同時に一ぺんにこうやるということは、やっぱり何らかの話し合いなり、申し合わせなり、指示があったと考えたくなるんですけども、その点はいかがですか。
  61. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 御承知のとおり、この地公法違反については、各府県警察で捜査を進めたわけでございます。当日一日ストという形で、こういう違法な争議行為が行なわれたという状況においては、各府県それぞれ同じ状況であったわけでございますが、それらについてその規模の態様、それから影響、そういうものをしさいに検討いたしまして、これらの十二の都道県警察で捜査に着手すべきであるという判断をいたして、捜査に踏み切ったということになるわけでございますが、この時期については、やはり当日行なわれたということになれば、捜査の原則としては、やはり証拠の隠滅をはかれない時期にすみやかにやるというのが原則だと思います。そういう原則に立って、当日捜索を実施したという実情でございまして、特にわれわれのほうから、具体的にそれぞれのこの十二の県を指示して、そこに一斉にやれというような形でやらしたものではございません。
  62. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 中央でかりに指示していないとおっしゃっても、時間的にもいまの証拠隠滅という問題で、やっぱりそうなると、これはいよいよ横の連絡をとったか、中央から指示をしたか、どっちかになるんじゃないかと思うんですけども。しかも、ほかの都道府県についてはやらなかったということですね。やれば指示がわかるから十二だけしておいた、あくまでも私は自主的なもんであれば、一日どっかが先やって、あくる日やるとか、何日かずれてあたりまえだと思うですけども、その点はいかがですか。
  63. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 十二の県については、これらの容疑がいわば非常に濃いということで、捜査が固まったということで踏み切ったという実情でございまして、われわれのほうで指示しているということではなくて、独自な判断でやったことでございます。ただ、日教組のストというものは、全国的にいわば一斉に行なわれたわけでございまして、たとえば、ばらばらにある県で捜査を行なえば、ほかの県のほうにおける関連においてそういう対策も立てられるおそれもあり、やはりわれわれのほうとしましては、一定の連絡調整ということはいたしておるのでございます。
  64. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 あまりすっきりしないのですけれども、次に、現在捜査をしただけでいま調べておるとおっしゃいますけれども、そのいろんな証拠によっては今後逮捕者もあり得るわけですか。
  65. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 捜査の進展に伴って逮捕する場合もあるかもしれませんし、逮捕に至らないかもしらぬ。これは現在の段階では、われわれとしては言明できない状況にあるわけでございます。
  66. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 私は、警察が——日本の警察というのは非常に優秀とされております、世界の中で。したがいまして、ここまで捜査に踏み切られるということは、相当の証拠もあり、しかも、逮捕もかなり可能ということでなければ動かれない、こう思うのです。そうすると、逮捕さらに今後は起訴、そういうようなところまで私はいくのじゃないか、それが一つ。もう一つは、いわゆるおどかし、どっちかしか考えられないと思うのです。日本の警察の現在の実力と、それから、ストライキは前からわかっておったのですから、かなり前から決議されているわけですから、その点で私はどちらかではないか、こう思うのですけれども、要するに、かなり強硬に、やっぱり逮捕あるいは今後起訴、こういうようなことまで含んだ上で自信をもって捜査を進められておるのかどうか、その点はどうですか。
  67. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) われわれとしては、予断をもって捜査を進めているわけではないのであって、地方公務員法違反という犯罪の事実というものが出てきた、これに対してわれわれ法の執行を確保しなければならない立場にある者として捜査を進めて、いろんな証拠を現在収集しておるということでございまして、その証拠の収集の過程でさらに容疑が固まっていけば、これは特定の人を検挙するということにもなるというふうに考えておるだけでございます。
  68. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 しかし、もう現在かなり、十日以上たったわけですから、大体ある程度の線が出るのじゃないですか、その点はいかがですか。
  69. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) これは、各府県で先ほど申し上げましたとおり多数の証拠物件を押収しておりますので、この立証にいまそれぞれつとめて努力しておる段階であって、まだどうこうという見通しの判断は、私、現在申し上げられる段階ではございません。
  70. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 ちょっと時間が過ぎておりますので、大臣にお伺いして、また、この問題については、あらためて本委員会としても質疑をされるといいますので、それにまた譲りたいと思いますが、大臣は、この問題については、警察当局がやっておるので関知しないという姿勢をおとりになると思うのですけれども、いまの私ずっと質疑をしておりまして二つの問題点、一つ相当強硬に、これは日本の警察は自信をもって進められると思いますので、とことんいくのか、それともいろんな政治的な判断で、一つのおどかしといいますか、選挙対策といいますか、どちらにしても、私は問題だと思うのですけれども、しかもほかの、いま犯罪ということばをお使いになりましたけれども、それは法律に違反したら犯罪ということばになってきますけれども、しかも、学校先生がかなり多数の、組合に入っておられる先生方のやられたことが犯罪ということになりますと、一番問題は、子供たちに対する影響、それから特に父兄に対する影響ということもありますし、また、社会に対して大きな影響がありますので、私は、もっともっとこれは慎重にやっていただきたかったと思うのです。最近の一連の田中内閣の選挙前における政治姿勢、非常に私たちは危惧をする面も出てきておりますのであえて伺うわけでありますが、やはり一つは、政治的な意図があったのではないか。私は、まあこれはおそらくかなり強硬にやられる気がするのですけれども、それに対して相当のいろいろの影響が出ると思います。私は、特に子供と子供を持つ親、学校先生に対する信頼感もこれは失われる。というのは、犯罪者ということになるのですからね、もしかりにそうなれば。それなら、自分の習いに行っている学校先生が犯罪者であるというレッテルがもうみんな張られてくると、こういうふうになったら、非常に大きな社会問題になると思う。これについて大臣としては、この問題は今後警察当局だけにまかせ切りでそれでいかれるのか、これに対して何らかの文部省としてこの問題については手を打とうとされておるのか、その辺を含めてお伺いして、終わりたいと思います。
  71. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 警察当局が捜索をされたことは寸当日の新聞によって初めて承知したわけでございまして、事前に何ら私は承知いたしておりませんでした。同時にまた、この問題の推移につきましては、やはり警察当局の処理に待ちたい、こう思っておるわけでございます。  いずれにいたしましても、法治国家の法律を守る国民を育てなければならない先生方が法律を破られることについては、たいへん心配をいたしてまいりました。同時にまた、法が忌避しておる、  いま犯罪行為というおことばが出ておりましたけれども、まさに刑事罰の科せられるようなことでございまして、同盟罷業の遂行を共謀し、そそのかし、もしくはあおってはならないと法律に書いてあるわけでございます。それを犯した場合には刑事罰をもって臨むという法律規定もあるわけでございますので、そういう事態が起こってはたいへんだという気持ちで、昨年来私としては、そういうことの起こりませんようにあらゆる方法を講じながら阻止に努力を続けてまいったわけでございまして、不幸にして、私たちの努力が実を結びませんでしたけれども、今日のような事態にならないように、私としては最善の努力を払ってきたつもりではございます。
  72. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 いまの、大臣新聞を見るまで知らなかったとおっしゃいますけれども、私は、もうあの日の早く聞いたのですよ、うわさとして。委員会のあった日ですよ、ここで。大臣の耳にも当然入っていると思うのですけれども新聞を見るまで知らなかったと、こういうことは私はあり得ないと思うのですけれども、その点はいかがですか。
  73. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 新聞で初めて承知したわけであります。それまで全然承知いたしておりませんでした。
  74. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 まあ、やったという結果は新聞だと思いますけれども、きょうやるという話ですね、私、ここにおっても聞こえてきたのですから、大臣はそこにおられためですからね。その点はいかがですか、うわさも聞かれなかった、そういう動きがあるそうだという。
  75. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 日教組の方々が警察当局を訪れて、そういうような挙に出ないようにという申し入れをしておられたことも、新聞紙上を通じて承知しております。しかし、捜索されるというような指揮の話が閣議でも出たことはございませんし、また、それぞれの担当大臣とも話し合いをしたこともございませんでして、承知いたしましたのは、夕刊に掲載されたことで初めて知ったわけでございます。
  76. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 また、あらためて聞きます。
  77. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 順次、御発言を願います。
  78. 小野明

    ○小野明君 私は、いま矢追委員から質問をされました四月十一日の日教組に対する警察の捜査に対しまして、まず、質問をしていきたいと思うのです。  最初に、警察庁のほうにお尋ねをしていきたいと思いますが、これは私は、   〔委員長退席、理事斎藤十朗君着席〕 やはり日教組に対する警察庁指揮のもとに行なわれた政治的な弾圧であると、こう言わざるを得ない、こう思うわけであります。これは、だんだんあとでこの理由については申し述べたいと思うんであります。  そこで、警備局長にお尋ねをいたしますが、四十一年でありますか、全逓の中郵に対する判決が出ております。また、教職員に対するこの問題の判決といたしましては、御承知のように四十四年でありますか、四・二判決というものが、一律ストに対して無罪、こういうことに相なっております。教職員のこの行為については、刑事罰をもって臨むべきでない、刑事罰を科すべきでないというのが、ここ四、五年の法律解釈であったわけであります。それが、昨年のいわゆる全農林警職法事件によって一部ひっくり返されたと、このことが今回のいわゆる強制捜索の裏づけになっていると思うわけであります。しかし、この最高裁判決というのは、昨年あったばかりである。しかも、その判決も、七対八、いわば一票差によりましてこの判決が下されておる。それまで、当然刑事罰を科すべきでないという見解が支配的であった。それが大法廷においても、下級審においても定着しておった考え方であります。昨年七対八という、こういう微妙な判決を見ましても、法曹界においてこの考え方が定着をしていると、安定をしているというふうには見られないわけであります。それにもかかわらず、この判決を背景に強制捜索に踏み切った、弾圧に踏み切ったということは、非常に私は問題があるように思います。まず、この点について警察庁の見解を伺いたいと思います。
  79. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) これまで、いまお話しになりました四十四年の四・二判決等は、刑事罰を科してはいけないというんじゃなくて、やはりいわゆる二重しぼりという形で、制限をつけ加えたというふうに判断されるべきものであって、その二重しぼりを昨年の四・二五判決では取っ払ったというふうに言われるものでございまして、したがって、公務員法違反、この場合、地公法違反の、あおり、そそのかしというような行為については、そういう限定的な解釈でなくて、法文そのままのいわば限定を取っ払った形で、これを問擬して差しつかえないというのが、昨年の最高裁の大法廷の判決の趣旨であるというふうにわれわれとしては了解をいたしておるわけでございます。したがいまして、われわれ法を運用する者といたしましては、この最高裁の判決によって、その趣旨に従って法を運用していくということであって、決して政治的な意図、目的、そういうようなことで、これを運用していくというものではございません。
  80. 小野明

    ○小野明君 おっしゃるように、憲法二十八条によってこの問題は当然限定解釈をすべきであるというのが従来の一般化された考え方であったと思うのです。そこで、昨年の判決によって、七対八というような微妙な差でこれが判決がなされたというようなことを見ますときに、この判決を裏づけとする法の発動については、きわめて私は慎重でなければならないと、こう思うわけであります。それが今回は、昨年の判決を契機にして、魚が水を得たといいますか、いままでたまりたまったものを、今度こそというような、これを最大限に利用して、その微妙な判決の違い、あるいはこの最高裁判決の中でも種々配慮しなければならぬ問題があると思うのですが、これをかなぐり捨てて、一斉にやっていったというところに私は問題があると思うのです。そういう見方を私持っておりますが、そういう点から、政治弾圧ではないのかと、こういう質問を申し上げておるわけですが、再度御答弁をいただきたいと思うのです。
  81. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 今度の日教組の違法な争議行為というものは、全一日であり、さらに一日おいてまた二時間やるというような、かつてその規模を見ないような大規模な違法な争議行為であるということもまた認識しなければならない問題点ではないかと考えるわけでございまして、われわれとしては、決してこの昨年の判決によって、これで、何といいますか、この法律を全く自由に動かすというような立場でというのでなくて、むしろ、十分いろいろな事情を判断して、慎重にこの法律の運用というものを考えて、われわれとしては配慮して踏み切ったというふうに現在考えておるわけでございます。
  82. 小野明

    ○小野明君 地方法三十七条あるいは刑事罰を規定してあります六十一条、これらの適用を受けます団体というのは他にもいろいろあるわけです。それらとの均衡というか、それをやれというのじゃないですけれども、教組だけにしぼりをきかして、しかも義務制、県教組だけにしぼって、ウエートを置いて全国的に手入れをした、これは政治的な意図以外の何ものでもないではないかと、こう思うわけであります。十二県と言われますが、二県は高等学校教組も入っておるようでありますが、大部分はいわゆる義務制、県教組である。これにどうして焦点を合わせ、そしてこの強制捜索、弾圧を加えたのか。やはりこれはある種の意図がなければ私はできぬことだと思うのですが、いかがですか。
  83. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) おっしゃるとおり、日教組以外にも、地方公務員あるいは国家公務員関係の労組があり、それが違法な争議行為をやったというのもございます。これらについては、もちろん、そういう公務員法違反の疑いがあるわけであって、これについて、その争議行為の規模、態様、影響、こういうものを勘案して府県警察ではやはりこれらについても十分関心をもって捜査をしておると思うわけでございますが、まだ強制捜査に踏み切る段階ではないというふうに、われわれとしては聞いておるわけでございます。  日教組について、なぜ特定の県にしぼったかというお話でございますが、これは別にこちらでしぼれとか、拡大しろとか指示をしたわけではないのでございますが、各府県で、それぞれ独自に十分その争議行為の規模、態様、影響というものを慎重に判断して、そして捜査を進めて、そしてある程度の証拠が固まって、強制捜査に踏み切れるところまで進んだ県がたまたま十二であったということでございまして、それ以上の何ものでもございません。
  84. 小野明

    ○小野明君 大事なところになりますと、警察庁の指揮ではなくて、各県警の判断であると、このようにあなたはおっしゃるわけです。そうしますと、今度の強制捜索は、全部が愼枝元文一人に対する被疑事実の裏付けということになっている。これは十二都道府県全部そうである、まあ、若干これにプラスされておる県が二、三県被疑者として仕立てられておるのがあるようであります。しかし、愼枝元文というのは一貫をしております。各県警本部が十二の都道府県が全部槇枝元文一人を被疑者に仕立てておる。偶然、各県警本部長が全部そういう判断をすることになるということは、どうしても私は解せない。さらに、この捜索差押許可状、これは各県警からそれぞれ裁判所に請求をするものでありますが、これによって捜索すべき個所というのは、それぞれ県によって違います。これはまあ当然です。しかし、差し押えるべき物件、これは一項から十三項までありまして、全国これは同じである。したがいまして、こういうことは、やはりこれは各県警本部が自主的に判断をしたということではなくて、全部あなたのほうの指揮命令で今回の強制捜索をやっておる、こう見るのが私はあたりまえではないか、こう思うんであります。いかがでしょうか。
  85. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 御承知のとおり、昨年の七月日教組の大会が開かれて、それからいわばスケジュール的に今回の四月十一日の争議行為というふうに向かってきたわけでございまして、したがって、それの捜査をすれば、結局頂点はやはり日教組の委員長がそういう具体的な指示をしたという疑いが出てくる、これはまあ当然であると考えるわけでございます。また、差し押え捜索に関する十数の項目の物件の表示でございますが、これはただいま全く各府県、一緒だというふうに御質問ございましたけれども、こちらへきております報告を見ますと、一緒ではなくて、それぞれ違っておる実情にあるものでございまして、その点は御了解いただきたいと思います。
  86. 小野明

    ○小野明君 まあ違っておると言われますけれども、大綱は、これは全部同じなんじゃないですか。特に違った県というのは、どういうところがあるのか、これはどれどれを差し押えるというのは非常に重要な判断だと思うのですね。それで、それらについて独自判断でされておるという県の例は、どういうところがございますか。
  87. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) これは犯罪の容疑といいますか、内容同じであり、違反の条文も同じであり、したがって、この捜査の対象というのが大体同じようなものであるということは、捜査の、これ進めていくものとして当然なことであり、したがって、結果としてそれは大体において同一ではございますが、しかし、府県、府県それぞれ見ますと、全部それは違っております。一々これ申し上げるのもここではあれと思いますので申し上げませんけれども、全く同じなんということもないし、立て方からして、内容からしてみんな各府県でそれぞれ違っておる実情でございます。
  88. 小野明

    ○小野明君 次の問題でありますが、槇枝元文一人に対する被疑事実を固めると、それにいたしますと、全国で八百九十四カ所、四万点に及ぶ物件の押収と、非常にこれは非常に大規模なやり方。しかも、おっしゃるように、これは日教組がこそこそと隠れてやったものではなくて、堂々と大会で決定をし、それぞれ下級の機関におろしていったものである。そうすれば、何もこれだけの大規模な捜索をやりあるいは点数を押収するということは必要ないんではないか、むしろ、任意提出を求めると、こういう捜査の方法でもいいのではないか、強制捜索という、気の小さい教職員をおどかすようなやり方、萎縮させるというねらいをはっきり持っておるんではないか、このように言わざるを得ないと思うんです。この点はいかがですか。
  89. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) この種の地方公務員法違反事件、非常に大きな事件であり、組織を背景とする、日教組という日本いわば最大の大きな労働組織であり、   〔理事斎藤十朗君退席、委員長着席〕 これが企画し、企てた犯罪ということになりますれば、それを疎明するためには、きわめて複雑多岐にわたる捜査をしなければならないということ、これはわれわれ捜査技術上の問題であって、この捜索した場所が非常に多いと申されますけれども、過去においても、こういう公務員法違反事件は非常にそういう捜索個所が多いのでありまして、かつて昭和三十三年に行なわれた福岡県教組事件でも、福岡県内だけでも三百四十一カ所の捜索を実施しておるというような、これまでの例にも見られるとおり、やはり末端まで組織的な犯罪の態様というものを立証しなければわれわれの責任は果たせないということで、技術的に、こういうふうになったのでございまして、決してそれによって弾圧するとか、そういうような意図はございませんし、また、任意提出でできないかというようなお話でございますが、これまでもそういう場合にはいろいろと証拠隠滅の動き等もあり、なかなかそういうような形でやっては、われわれの必要とする証拠を集めがたいという判断に基づいて強制捜査に踏み切ったわけでございます。
  90. 小野明

    ○小野明君 たまたま警備局長、あなたは福岡県の例をあげるんだが、私も福岡県の出身なんだが、その事件に関係のある一人だ。これは、これと同じというような、これを先例とするような考え方では問題がある。これは県教組に対する大弾圧事件とわれわれは受けとめているんです。この事件が、これは四十三年でありましたか、最高裁小法廷で無罪、こうなっておるわけであります。何のために、そのときにあれだけの大がかりな捜査をやるのか、そういう必要ないじゃないか、こういうことが県民世論であった、こう思います。その先例を学んで、今回、全国的な規模に広げておやりになる、これは全く政治的な意図とますます言わざるを得ないと思うんです。いかがですか。
  91. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) いま、過去のちょっとここに資料のうち、一番数の多いのを申し上げただけであって、そのほか東京都の場合でも二百九カ所、これは昭和三十三年でございます。京都の場合で二百二十三カ所等ありますし、四十一年十月の日教組ストの際の捜索でも百カ所をこしている県が東京あるいは岩手とあるわけでございまして、われわれとしては、別にその多いのを記録にとどめるというような意味は全くないんでございまして、ただ、こういう組織捜査の必要な証拠を得るためにはかなり末端までそういう証拠を収集しないと立証できないという技術的な問題からこのような捜査の体制実施をしたわけでございます。
  92. 小野明

    ○小野明君 先般、私は長崎県に調査に参りました。それで、この物件の押収という点で、今回の事件では被疑事実と関係のない物品まで押収をしておる。非常にこれは捜査の行き過ぎであると私は思うんです。しかも、長崎県では五千六十四点という膨大な数の物件を押収しております。数が多いのもさることながら、これは春日という小学校でありますが、開封した私信の封書を押収した。それからこの県教育研究集会という、外国語とか数学、国語とか、それぞれの科目にわたって研究会というのが持たれている。それの出席者の氏名一覧というものも押収しておる。それからきょうは欠席しておるんだが、安永英雄君の名前入りのポスターまで押収しておる。それからこれは福岡県の北九州市でありますが、はち巻さとか腕章とかたすきと、こういうものまで押収をしておるわけであります。これらはほんの一例なんでありますが、被疑事実とこれは関係ないじゃないかと、しろうとが見ても、これはっきり指摘ができるわけであります。だからあるものはもうとにかく何もかんもかっさろうていくと、こういうやり方は、これは行き過ぎもはなはだしいと思いますが、この点はいかがですか。
  93. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) われわれとしては、何もかも全部かっさらうなどという気持ちは全くございませんので、その差押捜索許可状にあります場所、そこに書いてあります件名、項目、これに従って実施するわけでございますが、しかし個々の物件についてのそれを差し押えるかどうかということは、やはり現場における捜査官の判断によるものであって、それはそれぞれ一応具体的に考えて、この捜査に必要であるという判断を下して差し押えを実施しておるわけでございまして、いまへいろいろとお申しになりました件については、具体的にいろいろと理由があるはずでございますので、われわれとしては一応調べてはおきますけれども、何ら理由なく差も押えるということではないというふうに確信をいたしております。  それから長崎でただいま五千六十四点というお話でございましたが、われわれの報告では、三千二百点というふうに言っておりますので、ややこの数字は違っておるのじゃないかというふうに考えております。
  94. 小野明

    ○小野明君 それぞれ立ち会いの捜査に当たられた警察官の判断によると、こういうふうにおっしゃるわけだが、問題は、その捜索に当たる警察官がどんなやり方をするかということが非常に問題なんですよ。私は、そこを言っておる。だから被疑事実と関係のないものまで押収をするとは何ごとかと、これを私は言っておる。現にそういうものを差し押えて持っていった。だから長崎県では返品が一番多いわけです。五千六十四点当初は確かにあったのだけれども、その後私どもの調べでは百十一件、七百五十九点が直ちに返却されておる。はち巻き、腕章、たすきと、これもどういうことだと福岡県警察に私も行って抗議をしたところが、一時押収いたしましたが、関係ないとわかりましたので返しましたと、だから七百五十九点も返却をするなんということ自体がむちゃくちゃな押収をやっておる、被疑事実と関係のないものまでやっておるんじゃないか。返せばいいだろうというようなことを言うんですが、そういう簡単な、でたらめな考え方で第一線におる警察官は押収に当たるわけですか。どろぼうをして返せばいいだろうという理屈とこれは同じなんですよ。いかがですか。
  95. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 何でもかんでも全部持って来ていいなんということでは絶対にございません。その差し押え物件というものを差し押える際には、やはり合理的に考えて、被疑事実に関連のあるものを差し押えるということになるのは、これはもう当然でありますが、ただいまお話しになったような仮還付のものも若干あるようでございます。これも刑事訴訟法百二十三条によってこれをまあ関係が薄いというふうに判断した場合は、あとで還付するということも法にきめてあるところでございますので、その手続によって還付したものと考えますが、全然関係ないものであるというわけではないというふうにわれわれとしては考えております。
  96. 小野明

    ○小野明君 それはへ理屈でありまして、関係のないものだから返したんですよ、行き過ぎだから。それはあなた実際考えて、はち巻き、腕章というものがどういうこの事件と関係があると思いますか。個人の先生にあてられた、しかも開封された私信である、私事が書いてある。こういうものがどうしてこの事件と関係あるか、第一線に当たる警察官のやり方というのが非常に私は問題だと思うんだ。こういう行き過ぎたことをやっちゃいかぬと言うんです。私は、その点を言うておるんですよ。
  97. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) われわれとしては、その現場の状況について詳細には承知しておられないわけでございますが、もちろん捜査にあたって、そういう差し押えにあたっては十分慎重に、全く関係のないようなものを差し押えるというようなことがないように、これは日ごろからそれぞれの府県で教養し、具体的に指示をしておるところでございますが、先生のおっしゃった原則として、そういういいかげんなことであってはならないということ、それはわれわれとしても十分考え指導をしておるところでございます。
  98. 小野明

    ○小野明君 それから次の問題でありますが、これは長崎の県警本部長なんですが、この事件がありまして、こういうことを言っておるんです。一つは、なぜ手入れをしたかという抗議に対しまして、これは長崎の県議員団に言うておるんだが、ストの批准率が一つは高い。もう一つの問題は、学校現場が職員会議が非常にウエートを持って、そうして校長、教頭の権威がない、こういう現場の状態である、これが強制捜査に踏み切った一つの理由でありますと、こう言っておるわけです。私は、文部大臣学校現場がどうだと言うことは、あまりいいこっちっちゃないと思うけれども、やっぱり教育行政に携わるということである以上は、多少はオーバーな言い方もあったけれども、まあまあと思っておった。あまりいいこっちゃないんですがね。ところが、捜査に当たる県警の本部長がいわば教育行政の分野にまで立ち入る。そして、そういう実情があるかないかということを捜査しておる、捜査しなければそういう発言はできないわけです。そういう教育行政の分野にまで立ち入った調査をし、そして、それを一つ基礎として県教組の弾圧に手を加える。行き過ぎもはなはだしいと思いますが、この点はいかがですか。
  99. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) スト批准について云々ということでございましたけれども、これは先ほどお話し申し上げましたけれども、それぞれの府県警察で今回の争議行為がどの程度の態様で実施され、どの程度の影響があったかということをやはり考えて捜査をしなきゃならぬという意味で、そういうストの批准率のことにも言及したんだというふうに考えております。  それから、ただいまの学校運営云々の問題、これもこの間、そういうことで県会議員の方々との間にいろいろな話があったというふうなことで、われわれのほうにもちょっと報告が来ておりますけれども、これはちょっと経緯があって、県会議員の方々が捜査の着手は民主的な学校運営に対する介入であると、こういうような抗議をされたということに対して、まあ本部長としては、学校運営の問題によって捜査をしたんじゃないということを言う意味で、学校運営の問題ということはわれわれの捜査としては考えていない、ただ、皆さん方とは学校運営の問題について意見は違うというようなことはニュアンスとしては言ったようでございますけれども、本旨としては、そういう学校運営のことについて云々というようなことでなくて、質問した方あるいは抗議した方に答える意味学校運営ということが述べられただけであって、捜査を着手するという意味において学校運営の実態、そういうものを踏まえた捜査をしたというようなことではないというように釈明がきておりますので、この点ひとつ御了解をいただければありがたいと思います。
  100. 小野明

    ○小野明君 第二点の問題でありますが、釈明がされておるということであれば、私もこれ以上言うつもりはありませんが、少なくとも、学校運営を理由にして捜査と、こういうのは、それこそ弾圧以外の何ものでもないのですから。そういうことがかりそめにも第一線の県警本部長の口から出る、あるいは実態があるというようなことのないように十分やっぱり気をつけてもらいたい、こう思います。  それから長崎の県警本部長はなかなかこれは勇ましい人なんで、次のようなことも言っておる。これは各社全部報道されておることですからね。「報道を軽視したつもりはない。」、これは新聞報道のことですね。「社会・共産両党の作戦にのらなかっただけでやつらは大きく書かせようとしているのだ。」、「やつら」というのはこれは社会党をさしておるんですね、われわれをさしておる。「玄関先で追いかえすべきだった」と、こう言っておる。これは全部の新聞に報道されておる。それで「やつら」とは何だと、玄関先で玄関払いを食わせるべきだったということはけしからぬじゃないかと、私も抗議をした。これはそのときはいろいろ弁明はしておるようです。しかし、こういう発言というのは、やっぱり公党を侮辱するにもはなはだしい、こう私は思うんです。この点はいかがですか。
  101. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 質問にありましたように、朝日新聞、読売新聞、西日本新聞にいまのような御質問の趣旨の記事が出たことは事実でございますので、われわれのほうとしても、本部長にその眞意を確かめました。本部長は「やつら」というようなことは言っていないと、「彼ら」ということばで言ったんだということで、そういう事実は全くございませんという回答になっております。  それから「玄関先で追いかえすべきだった」というこれはやはりことばがちょっと足りなかったようでございまして、この際は議員団の方、労組代表が約三十人が報道関係者十数人と一緒に抗議に来たというようなかっこうになったものですので、この全部の方を本部長室でお会いして話すわけにはいかないので、玄関といいますか、一応その前に適当に人数を制限したほうが合理的にいわば穏やかに話し会えるんじゃないか、そういう意味で言ったわけであると、したがって、ことばが足りなくて誤解を生んだことは非常に申しわけないと、こういうようなことが本部長のほうから来ておりますので、この点御了解いただければありがたいと思うわけでございます。
  102. 小野明

    ○小野明君 そこで、私は、公党を侮辱しておると抗議をしたのですが、新聞記者に対してはオフレコのつもりであったとこう言うのです。それでは、あなたは自分が言ってもいないことを言ったと書かれて社聞社に訂正を求めたのかと、こう尋ねた、訂正を求めておりません、オフレコと言ったか、それも言っておりません、釈明といいますか、そういうものはあったにしましても、記者諸君がうそを書くはずはないと、私は思うんです。その事実はあった、こう見ざるを得ない。しかしながら、こういう考え方で県警本部長が捜査に当たりあるいは社会党あるいは共産党に対しましても、そういう侮辱的な発言を堂々とやるということを自体、十分これは戒めなけりゃならぬことではないかと思うわけです。再度、その点についてひとつ局長の見解を承りたいと思う。
  103. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) お答えいたします。  ただいま先生の御質問にありましたように、そういう形で、一般的に誤解を招いたようなことは非常にわれわれとしては残念であって、捜査をする上において、責任者たるものはやはり厳正公平、適正な態度を常に堅持して事に当たらなければならぬということで、十分戒めていきたいというふうに考えております。     —————————————
  104. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) この際、委員異動について御報告いたします。  ただいま加藤進君、中村登美君及び志村愛子君が委員辞任され、その補欠として渡辺武君、高橋邦雄君及び平島敏夫君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  105. 小野明

    ○小野明君 そこで、最初の問題に返りますが、最高裁の昨年のいわゆる四・二五判決にあたりまして、これを最大の武器として、もう全面的に刑事罰だ、どんどん弾圧をやっていくというようなことではなくて、この最高裁判決にもかなりの問題点がありますことは、これは局長も御存じだろうと思うんです。今回のストライキ、これは教職員だけではなくて、全部の労働者がやった。公労法を適用される労働組合というのが、非常に大きな影響を与えたことは事実でありますが、これは御承知のように、刑事罰がないわけですね。刑事罰を科されていない。それから同じ地公法関係でも日教組だけである。ここに私は問題があると指摘をしておるんですが、公労法とのバランスといいますか、そういう点も十分この最高裁の判決については読み取らなければならぬ点ではないのかと、こう思いますが、いかがですか。
  106. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) もちろん、日教組だけでなくて、ほかの地方公務員あるいは国家公務員についても、先ほど申し上げましたのでございますが、やはりこういう違法な争議行為、こういうことについては、われわれ法を維持するという立場にあるものとしては、厳正公平な捜査をしなければならない。府県警察としては、その方針でやっておるはずでございますが、まだほかのほうの組合関係の容疑の態様というものが具体的につかめない、強制捜査まで至らないという現状にあるわけであって、ただいま均衡を考えるべきじゃないかというお話ではございましたけれども、われわれとしては、特に日教組だけという立場じゃなくて、全般的にいろいろと府県警察としてはやっておるわけでございますが、具体的に現段階でほかの組合関係を強制捜査するところまで捜査が進んでおらないということだけでございまして、日教組だけをねらい撃ちしたということではない、そういうことを御理解いただきたいと思います。
  107. 小野明

    ○小野明君 私が申し上げておりますのは、ほかをやれという意味じゃないのです。これは逆にとってもらっちゃ困るのです。公労法適用組合というのは刑事罰を除外されておるじゃないか、こういう点で見て、教職員だけ刑事罰を科すというのは、憲法二十八条との関連から見ても、これはおかしいではないか、だから公労法適用団体と同じように、刑事罰を科すべきではないという意見も最高裁判決少数意見として色川判事はつけておるわけです。だから重くせいという、バランスをとってほかをやれというのではない、ほかと同じように考えろ、刑事罰のないところと同じように考えるべきだ、そう申し上げておる。だから、争議行為の一律禁止、そして刑事罰というのがまるで憲法の前提であるような読み方、解釈のしかたというのは、きわめてこれは行き過ぎではないのか、こういうふうに私は申し上げておるのですが、いかがですか。
  108. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 非現業の公務員については、昨年の四・二五判決ということで、やはりこれ刑事罰の適用があるというふうにわれわれとしては判例上確立したものであるという立場に立ってこれを捜査したということでございます。
  109. 小野明

    ○小野明君 それで、公務員のストライキが禁止されている国というのは、この点は局長も十分勉強されておると思うのです、海外におられたこともあるようですから。いままあ一応先進国といいましても、アメリカ、オランダ、スイス、この三国ぐらいしかございませんね。しかも、アメリカでは公務員の禁止を解く州がだんだん多くなりつつある。その他は発展途上国か農業国ぐらいのものしか公務員のストライキ禁止というのは肯定されておりません。そういう国際常識というものも十分これはひとつこの最高裁判決というものを読むにあたって配慮してもらいたい点である。それからいま一つは、これはあの四・二五判決、でたらめな判決だと私は思うのだが、この判決の中に書かれておることで、「刑事罰の対象者を最小限にとどめるべきである、」こういう一文がございます。この悪い判決の中にも、この一文があるわけです。この判決の観点というのは、今回の事件についても、今後の捜査についても、生かされるものであるかどうかお尋ねしておきたいと思うのです。
  110. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) 海外のいろいろな立法なり、いろいろな意見、こういうものもわれわれとしては、専門ではございませんが、若干勉強はいたしておりますけれども、われわれ日本国における、法治国における警察としては、やはり現在あります法律に従って仕事をせざるを得ないわけでございまして、もちろん、その昨年の判例の趣旨にのっとりまして仕事を進めていくわけでございますが、争議行為の規模、態様、影響、こういうものを十分考えて、仕事を進めておるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。  それから刑事罰の対象を限定すべきであるという意見もある。そういう意見のあることは十分承知いたしておりますが、われわれとして、特に予断をもってこれから捜査をするというわけじゃかくて、厳正公平に法律に照らした捜査を進めていって、その上で、被疑者を特定することになるというふうに考えております。
  111. 小野明

    ○小野明君 今後の進め方として、非常に常識的な御答弁だと思うんです。最高裁判決というものが大きな裏づけになって、四・二五判決が裏づけになって、これが強制捜援をされておる。こういうことになった以上、この最高裁の四・二五判決をどう読むか。この中でも、「刑事罰の対象者は最小限にとどめるべきである。」こういう一文があるんだが、この辺の精神は生かされていくのかどうか。これを私は尋ねておるんです。当然これは、法を運用する者としては配慮すべき点ではないのかと、こう申し上げておるんです。そういう観点で、御答弁をいただきたいと思います。
  112. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) その最高裁の判決の一部を読み上げますと、「何人であっても、この禁止を侵す違法な争議行為をあおる等の行為をする者は、違法な争議行為に対する原動力を与える者として、単なる争議参加者にくらべて社会的責任が重い」、そして「違法な争議行為の防遇を図るため、その者に対しとくに処罰の必要性を認めて罰則を設けることは、十分に合理性があるものということができる。」、こういうような判示もあるわけでございますので、ただいま先生のおっしゃったいろいろな内容というものを十分吟味して、われわれの捜査も進めていきたいというふうに考えております。
  113. 小野明

    ○小野明君 あとはいいけど、前が非常に私は問題だと思うんです。このあおりだけ処罰をすると、確かにそう書いてございます。この解釈といいますか、これの見方によると、この項が、私は治安立法の感じというのが非常に強い。やっぱり原動力がだれであるかということを特定をしていくというやり方でしょうが、これはやっぱり治安対策とか、あるいは刑事対策という観点、非常に便宜的な政策的な私は法文であると思うんです。やっぱりこの辺は、それに籍口をして、そうして被疑者を多く仕立てていく。そうすることによって日教組を押えることができる、あるいは活動家を萎縮させることができる、こういう観点がはっきり出てくると思うんてす。そういう点を十分——私はそういう観点ではなくて、やっぱり憲法二十八条勤労者には団結権その他の労働基本権を与えるべきであると、こういう観点を根に据えて、やはりいろんな判決というものを読むべきであるし、今後の事件に対処すべきではないのかと、こう申し上げておるんですが、この点はいかがですか。
  114. 山本鎮彦

    政府委員(山本鎮彦君) われわれ捜査に当たる者としては、特別な意図的な考え方で捜査を進めてはならないということが大原則だと思っております。したがって、私はそういう考え方じゃなくて、どこまでも法律に従って、適正な形で捜査をしていきたいというふうに申し上げておきます。
  115. 小野明

    ○小野明君 法律というのは言わずもがな、憲法というものが基礎になっておりますことは御承知のとおりであります。ですから、最高裁がねじ曲げた解釈をする、それにのってやるということではなくて、本来的に労働基本権というものを認めるべきである、その上で法の運用をやるべきであるということで、私は、慎重に今後の問題に対処してもらいたい、こう要望しておきたいと思うんです。  そこで最後に、この問題で大臣に少しも尋ねなかったということも、またこれ問題があるでしょうからお尋ねをするわけですが、先ほど大臣の御意見を聞いてみますと、これは当然である、あたりまえである、警備局長の御答弁にもいろんなニュアンスというものが聞かれたわけでありますが、大臣をこれは警察官に置きかえたら、これはたいへんなことになるなという私は感じを持った。で、大臣にお尋ねをいたしますが、先ほど長崎の県警本部長の例を申し上げましたように、教育行政面に警察権が介入をしてくるというような点も考えられるわけですね。事実としてあったわけです。これはその後釈明もあっておるようですが、そういう考え方を持った第一線の県警本部長もおられるわけです。今回の捜査が非常に大きな影響を教育現場に与えておることは事実であります。ストの可否については、いろいろこれは議論の分かれるところでありましょう。しかし、今回の行き過ぎた警察の捜査というものが、やっぱり正常な教育運営、学校運営に暗影を落とす、父兄に大きな不安を投げかけておるということは、私は事実として認めなきゃならぬと思うんです。ですから、教育行政の長にある大臣としましては、警察庁長官あるいは公安委員長に対しまして、捜査については現場教育に支障のないように、捜査の行き過ぎがないようにこれは当然申し入れをすべきではないのか、こう思います。この点はいかがですか。
  116. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 警察当局が捜査にあたりましても、当然教育行政の円滑を阻害しないように配慮して行なっていただいているものだと、かように考えているわけでございます。
  117. 小野明

    ○小野明君 警察がその辺は配慮してくれるだろうというふうな御答弁ですが、それじゃ私は、やっぱり教育行政の責任者たる大臣のお考えとしては、いかがなものかと思うんです。それは若干の配慮はあるでしょう。しかし、先ほどから申し上げておりますように、捜査の第一線にある警察官のいろんな行為というのは非常に行き過ぎる、あるいは県警本部長としても行き過ぎた言動がありましたことは、私が申し上げたわけですから。ですから十分教育行政の立場から見て、これはあまり行き過ぎた捜査のないようにと、そうして教育の現場を守っていくというのが、当然私は大臣としてとられてしかるべき措置ではないのか、こう思うんですが、これはいかがでしょうか。
  118. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 現状においては特段に教育行政が阻害されていると、こうは思っていないわけでございます。それなりの配慮も警察当局にしていただいていると思うのでございますけれども、今後の推移の過程におきまして、もしそういうようなおそれが出てきた場合には、当然私としては教育の現場を守る努力はしていかなきゃならない、そう思います。
  119. 小野明

    ○小野明君 非常に消極的な御意見なんです。しかし大臣、これだけ九百個所に近い捜索が行なわれた、四万点に近い物件がやられたと。やっぱりこれから先現場はどうなっていくだろうかという不安を、やっぱり国民−子供さんを持つ父兄としては危惧を持っておると思うのです。そのためにも、やっぱりこれは捜査に行き過ぎがあってはいかぬと。そういういわば教育を守るという立場から当然これは警察庁に対しても申し入れをしてしかるべきではないかと思いますが、いかがですか。
  120. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 四月十一日当日において捜索をされた。それ以後捜索が続いているというように、私は承知していないわけでございます。
  121. 小野明

    ○小野明君 事件は捜索が続いていないと。それはそれでそうかもしれませんよ。しかし、今後の問題として、いま警備局長が説明をされておりますように、被疑事実が固まれば云々ということもあるわけです。最後に私は警備局長質問をした点です。そのやっぱり刑事罰を科すにあたって対象者を最小限にしぼるべきであるという最高裁判決もあるわけですよ。ですから、当然、事件が発展をするということが想定をされる、そうすれば、これ以上やっぱり事件が進展をしていくということは当然予想されるわけですから、最後に、私が警備局長質問した点も予想される、そういう気持ちを持って私は警察に対して申し入れをする。行き過ぎがないようにということは当然あってしかるべきではないのかと。それは逆に、やったものはどんどんこれはやってしまえと。やられるのはあたりまえだと。根こそぎ、あおりであろうが、共謀であろうが、企画であろうが、ひっかかるものは全部ひっかけてしまえというお気持ちがあれば、これは別なんです。しかし、この最高裁の悪判決でもそういう一文があるくらいでありますから、大臣の、文部行政をあずかる大臣としては、警察に行き過ぎがないようにということを申し入れをする、注意を喚起するということはあってしかるべきだと思いますが、最後に、私は、大臣にこの問題だけお尋ねをしておきたいと思います。
  122. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) それぞれ行政当局は責任を全うしなきゃなりませんし、当然また行き過ぎのないように心得ていかなきゃならないことは言うまでもないことだと思います。同時にまた、お互いに不必要な干渉は避けるべきものだろうと、こう思います。いまお話を伺っておりまして、私自身教育者の中から犯罪人が多く出れば多く出るほどいいんだというような考え方は毛頭ございませんで、それは一罰百戒ということもございますので、そういう方向で処理していただければしあわせなものだろうと、こう考えております。
  123. 小野明

    ○小野明君 次に大臣にお尋ねをいたします。  大臣、先般衆議院の文教委員会で、あれは松永光君ですか、単独で開かれたあの文教委員会で、教職員諸君については内申を待たぬでもやれるんだと、こういうような御見解の表明があったやに承っているわけです。これは非常に重大な御発言だと、私も見ておりますが、この真意といいますか、それをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  124. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 先ごろ府県の教育委員会の方が私のところへ見えまして、市町村の教育委員会からの内申を待っているのだけれども、市町村の教育委員会に対しまして教組が圧力をかけてなかなか出させないんだと、困っているんだというお話がございました。そこで私は、それなら期限を付して内申してくれるように市町村の教育委員会に頼んでごらんなさいよと、そうしてなおかつ内申が出なければやむを得ないんじゃないでしょうかと、その段階で都道府県として処分をする以外にはないんじゃないでしょうか、こう申し上げました。そうしましたら、いや文部省は従来からそれはできないんだという指導をされているんだと、こんな話を伺いまして、それは法制的におかしな議論じゃないかと、内申を待ってということであって、内申がなければできないのだと、姿勢はそうでなければならないけれども、法理的には、それは合理的な期限待ってどうしても出てこない、万やむを得ない場合には、都道府県は人事権を行使できない、そんなことはありませんよということで、法制局に私の意見を述べまして、法制局の意見もただしたり、また、事務当局に対しまして法制局とよく打ち合わせをしなさいと、こう申し上げてまいっておったわけでございます。たまたま松永委員から、そういうことに関連しての質問がございましたので、平素私の考えているところを率直に述べさしていただいたわけでございます。
  125. 小野明

    ○小野明君 まあ、お考えになりますのは、これはけっこうだと思いますが、大臣、心情的にはそうかもしれませんが、従来の法解釈、法運用というのは大臣のお考えのようになっていないように、私は承知をいたしております。そこで、その検討の結果というのはいつごろ出るわけですか。もう大体方向というのは固まっておるんでしょうか。
  126. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 私と法制局長官との間では、それは私の言うとおりだと、法制局長官も言っておるわけでございます。内申を待ってとか、意見を聞いてとか、いうような表現がある。意見を聞いて、もうどうしても意見を言うてもらえない場合には、それはやむを得ず、意見がなくても行なわざるを得ないだろうということになっておるわけでございます。内申を待つ、調査に必要な期間も十分経過して、内申をするに合理的な期間がたってもどうしても来ない。そこで督促をする、それでもなお来ない場合には、内申をしないという内申があったものとみなして処理するよりいたしかたがないじゃないでしょうかと、まあそうだなあと、こういうことになっておるわけでございまして、事務的にはしかしなおよく詰めて見解をただしておきたい、こう思っておるわけでございます。しかしながら、基本的には、都道府県教育委員会と市町村教育委員会とは一体になって運営すべきものでございますので、純理的には、どうしても内申が来ない場合には内申がなくても、処理はできますが、そういうことを表に出して対応していくという姿勢はなるたけ避けたほうがいいだろうと、こう思っております。しかしどうしても、相当の期間が経過しましても内申がありません場合には、だからといって、都道府県が人事権を行使できないということは、これは不都合なことじゃないか、かように考えております。したがって、純理的には、合理的な期間を経過してもどうしても内申がない場合には、内申ない状態において都道府県は人事権を行使しても違法ではない、かように考えておるわけであります。
  127. 小野明

    ○小野明君 全く私は大臣の御見解は誤っておると思うのです。そこで、まあお尋ねをしたいと思うのですが、初中局長にまずお尋ねをしたいと思うんです。  これは昭和三十一年九月十日、初中局長から各都道府県教育委員会並びに知事あてで通達が出ておりますね。「地方教育行政の組織及び運営に関する法律等の全面的施行について」。それの3の(3)項、「県費負担教職員の人事については次の諸点に留意すること。」これにありますが、「都道府県委員会は市町村委員会の内申をまたずに県費負担教職員の任免その他の進退を行うことはできないこと。」と、こうあります。これは欠くことはできないと、こういう通達をすでに出しておられるんでありますが、この点はいまの大臣の御見解、これから検討されるようでありますが、それとはなはだしく私は違うと思うんですが、いかがでしょう。
  128. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 御指摘のとおり、昭和三十一年の九月に初中局長の通達といたしまして、ただいま御指摘になりましたようなことが通達されているわけでございますけれども、これは三十八条の規定につきましての基本的な解釈を示したものでございまして、ただいま大臣が申されましたように、都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会が一体となって教育行政を進めるというふうな、そういう信頼関係に立って行政が行なわれるべきであるという立場に立ちました場合には、当然の解釈じゃないかと思います。ただ、市町村の教育委員会がその内申を出さないというふうなことは、これは法律上予想していないわけでございまして、そういうふうな事態が起こった場合に、どういうふうにこの条文を解釈していくかということは、これはまた別個の問題として検討を要する問題である。私どもは、そういうことを、この規定が市町村に対しまして、市町村の教育委員会の立場を守ると申しますか、立場を認めるような規定でございますが、その立場あるいは権利というものをみずから放棄されたような場合には、一体どういうふうに解釈すべきであるかという点につきましては、これはただいま大臣が申されましたような解釈のしかたをせざるを得ないんじゃないかというふうに、私ども考えているわけでございます。  なお、法制局とよく相談いたしましてその点を詰めてみたいというふうに考えております。
  129. 小野明

    ○小野明君 そこで、大臣、いま局長の御答弁によりますと、そういう事態が予想ざれなかったと、こういう御発言でございます。ところが立法の過程では予想しておるわけですよ。  それで、これは昭和三十一年五月十五日参議院の文教委員会で、次のような質疑がかわされております。読み上げます。  高橋道男君が質問をいたしておりますが、「これは市町村委員会からそういう内申がなければ県の方ではこれに触れることはできないと、そういう意味でございましょうか。」と、こう質問しております。国務大臣清瀬一郎君の答弁で、「その通りでございます。」内申がなければ県のほうは触れることができないんだと、こう答弁している。  次に、政府委員緒方信一君——これは当時の初中局長ですね、この答弁を読みますと、「その市町村の学校を所管いたしまする教育委員会の内申を待って、県の任命権を行うことがやはり必要と思うのでございます。そこで、内申を待ってでございますので、今大臣から答えがございましたように、内申がなければ都道府県の教育委員会は任命権を行使いたしません。−内申がありました場合にはそれを十分尊重してやることになりまするけれども——しかし内申がなければ、任命権の発動はしない。」と、こういうふうに答弁がされております。  同じく緒方信一君の答弁でございますが、「市町村の教育委員会の内申を十分尊重してやっていく趣旨は、先ほど申し上げた通りでございますが、」この「趣旨は、市町村の教育委員会が内申をしない場合があるのじゃないかという御趣旨かと思います。」質問の御趣旨と思うのです。「あるいはまた内申の趣旨と違った方向に、県の人事権の行使ができなくなるじゃないかといった御趣旨かと思うのであります。内申が全然ない場合には、これは先ほど申しましたように、県では任命権の行使はできないわけでございますけれども、しかし内申がありました場合、これは十分尊重しなければなりませんけれども、」云々と、こういうふうにはっきりこれは内申のない場合というものも、この立法府で議論されておりますよ。そうすると、やっぱり立法の趣旨の中には、いまお聞きのように、大臣の御見解は、この立法の趣旨をねじ曲げるといいますか、拡大解釈をされておるということがはっきりしておると思うのです。この点は大臣、いかがでしょう。
  130. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) いまお読み上げになりましたのはそのとおりだと思います。私はその姿勢で当たっていかなければならないと思います。その姿勢で当たっていかなければならないのでありますけれども、どうしても市町村が内申を出してこない、責任を果たそうとしない、そういう場合には、都道府県は人事権の行使ができないかということになってしまいますと、やはり教育行政の円滑を欠いてしまうわけでございます。内申があってそのとおりやらなければならないかというと、いやそうじゃない、内申と違ったことをやったからといって違法ではない、とまで言うなら、私は、督促に督促を重ねる、どうしても市町村があえて内申をしない、そうすると、内申をしないという内申があったものとして県は処理せざるを得ないのじゃないだろうか。それを違法とは私は言えないのじゃないだろうか。内申を待ってとか、先ほどもちょっと申し上げましたように、意見を聞いて処理するとかいう場合も同じことだと思うのであります。幾ら督促をしても意見を言うてくれない、その場合には、何らの事務の遂行ができないかというと、そういうものじゃないだろうと思うのであります。意見を言わないという意見があったものとして処理せざるを得なくなるだろう、こう考えるわけでございます。しかし、あくまでも意見を待つ、内申を待つ、この姿勢は私は必要だと思うのでございまして、そういう前提に立って私はいまの質疑応答がかわされたと、こう理解をしているわけでございます。
  131. 小野明

    ○小野明君 大臣のような御趣旨ですと、私は、この法律を改正する必要があると思うのです。むしろ、法改正をした上で、そういう事態に対する運用をはかられるのが適法ではないか、こう思うのです。  これは、この点もお調べになっておると思いますが、「教育関係法」の解釈で、有倉さんと天域さんの共著でありますが、この条文のところは、「本条の、「内申をまって」は、内申は法律上の要件で欠くことはできないが、」とあります。「法律上の要件で欠くことはできない」のだと、こういうふうに解釈をされておる。  それから、これは木田宏君、現大学局長ですか、局長がこの点について書いている。「都道府県の教育委員会は市町村委員会の内申にどこまで拘束されるかということが問題となるが、内申なくして任免等を行うことは違法である。」こういうふうに書いてあります。ですから、そういう違法なことを、通常解釈はいま私が申し上げたとおり、それをしもあえてねじ曲げて大臣のおっしゃるように強引にやるとすれば、それこそ大臣の好きな、法治国家の大臣にあるまじき私は拡大解釈、行為で・はないか、こう思うんです。むしろおやりになるなら法改正をもって対処すべきである、こう思いますが、いかがですか。
  132. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 私の所見も独断であってはいけませんので、そういう話の出ましたときに内閣制局長官に私の意見は述べまして、そして内閣法制局長官も同じような考え方だということでお答えの中で申し上げてきているわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、さらに十分な審議を重ねたほうがいいと思いますので、事務当局間でよく話し合いをしてくれといま言っているところでございます。私が意見を聞いてという表現もありますよということを申し上げているわけでございますけれども、おそらく意見を聞いてという表現を使っています場合には、幾ら督促をしても意見を出してくれない、そういう場合には意見を申し出ないという意見があったとして処理されても違法だとおっしゃらないだろうと思うのであります。私は、内申を待ってということも同じことじゃないだろうか、こう考えるわけでございます。内申をする責任があるわけでございますから、内申をしないということは私は普通はあり得ない、また、都道府県と市町村の教育委員会でございますので一体的な運営を考えて、給与は県が負担する、身分は市町村の公務員だとたいへん複雑な構成が当時とられてきているわけでございます。したがいまして、当然一体となって運営されるべきだという前提で国会での議論も行なわれてまいった、こう思うわけでございます。予想しないような事例が今日起こってきているわけでございますので、そういう場合には、法解釈としてはどうかということで私の意見を述べているわけでございます。しかし、私の意見によった処理をしなければならないような事態、これはもうあとう限り避けるべきだと、あくまでも都道府県と市町村と両教育委員会が一体となって運営されるような姿、これは守っていかなければならない、こう思っているわけであります。ただ、万一にして不幸な事態が起こった場合には、純理的にはこういう解釈になるんだ、こういうことでございます。
  133. 小野明

    ○小野明君 事態がどうあろうと、私は大臣のいまお考えになっておられることは違法であるという疑いのそしりは免れ得ないと私は思うんです。それはたとえば市町村教育委員会が処分をすべきでないと思いますと、こういう意見を出したとする、それに違った意見で処分をするということはあり得ると、この通常の法解釈は書かれておりますね。私は、市町村の意見と違った意向を出すということは好ましいことじゃないけれども、内申が出たということは間違いない。それと違う方向を出すということはこれは許されるかと思うんですけれども、全然内申がないということは、これはこの法律要件を欠くことになるわけですからあくまでも違法だと、だからあせりにあせって大臣がそういうことをおやりになるというのは、やはり法の拡大解釈をおやりになるのではなくて、法律違反をおやりになるのではなくて、やはり法改正をもって正式に対処すべきである、こう私は思うんです。そのやり方は賛同できないし、大臣のお考えは変えてもらわなければ困ると、私は思うんです。
  134. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 意見を聞いてとか、内申を待ってとかいう表現が使われておって、処分が行なわれる場合に意見や内申は尊重しなければならない、尊重しなければならないけれども、意見や内申と違った処理が行なわれても違法ではないと、こうおっしゃっているわけでございますから、いわんやどんなに督促しても意見が出てこない、どんなに待っても内申か出てこない、そういう場合には、私は意見や内申をしないという意味の意見なり内申なりがあったものとして処理することは何ら違法ではない、そう考えるわけでございます。違った内容が許されるのに、幾ら合理的な期間幾ら督促をしても、待っても出てこない場合には、処分することが違法だというのは、私は少し言い過ぎじゃないだろうかと、こんな感じがいたします。処分の内容は違ってもいいのに、幾ら督促をしても責任を果たさない、不法に内申を出さない、意見を言わない、それならできないんだということは、私は少し法解釈が窮屈過ぎるように考えるわけでございます。
  135. 小野明

    ○小野明君 あげ足取りの議論ですね。いま大臣が言われておるのは。私はそれはいいことじゃないと思うのです。しかし、そのことは、残念ながら、この立法当時の委員会の議事録の中にあるんです。意見が異なった場合云々というのが、この初中局長なり大臣答弁の中に当時の議事録の中にあるんです。それで、私はこれは望ましいことじゃない、そうあってはいかぬ、そうあってはいかぬのですが、ぎりぎりその解釈をするならば、そういうこともあり得るかもしれないと、こう思う。しかし、それにしても、内申があるのかないのかということは、これは厳正な事実です。内申があるということが、これが法律の条件である、この法文成立の条件だと、こう言われておるのですよ。内申がなくてもやるなんということは、これははっきりした違法ですよ。それを認めなければいかぬです、大臣。それは曲言といいますか、曲解もはなはだしいものじゃないですか。
  136. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 内申がなくてもやってよろしいのだと、こう私は申し上げているわけじゃないのです。一定の調査期間を過ぎる、合理的な期間を待つ、督促をする、そうしてもどうしても内申が出てこない場合には、内申なしで都道府県が処分することは違法ではない、こう申し上げているのです。市町村が不法にもその責任を果たさない、そうなると、法律に定められた都道府県はその責任を果たせなくなっていいのかと、こういう問題になってくるわけであります。都道府県は人事権を行使する責任を負っておるわけであります。しかし、その責任を果たすについては、都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会とは一体になって運営するのだ、だから、市町村の教育委員会の内申を待ってやるのだと、しかし、内申には拘束されない、違った結果の処分をしてもかまわないのだと、こう法解釈がはっきりされているわけであります。その場合に、市町村教育委員会が責任を果たさない、幾らたっても内申をしてこない、そういう場合には、内申をしないという内申があったものとして処理するのもやむを得ないのじゃないだろうか。やはり都道府県は人事権を行使する責任を法律上負わされておるわけでございますので、それはその法律上の責任を果たすべきじゃないか。法律上の責任を果たした場合には違法だというのは少し言い過ぎになりはせぬだろうか、こう思っておるわけであります。しかし、姿勢はあくまでも市町村の教育委員会の内申を待って処理するのだという姿勢でいかなければならないと思います。したがって、また、普通の場合には当然内申がなければやってはいけませんよと、こう言うていくべきだと、こう私は考えております。
  137. 小野明

    ○小野明君 一定の期間を置いてとか、あるいは督促をしても出ない場合と、こういうふうに大臣はおっしゃるわけですね。ところが、そういうことは、何らそういう条件的なものはこの立法の段階あるいは法解釈の中には何らないですね。ありませんよ。あくまでも内申というものはこの法律の条件である。これがない場合は違法である。これは教育というのは、やはり所管をする市町村教育委員会の意思を尊重をすると、これは教育の行政の趣旨というのはあくまでも指導助言である。これはそうですね。大臣も県教育委員会に対しては指導助言の権限しかない。それから県教育委員会は市町村教育委員会に対しても指導、助言の権限しかない。そうして内申をしないということは、処分に反対であるという市町村教育委員会の意思表示なんです。所管をする市町村教育委員会が、処分をしない、だから内申をしない、処分反対だと意思表示をしておる以上、県教委がこれに対して強制をすることはできませんよ、それは違法ですよ。それこそ違法な行為だ。その場合には、法的な措置がちゃんとあるんです。これは措置要求を求めるというやり方がちゃんとあるはずです。法律に基づいてこれはやるべきでありまして、こういう内申がない状態を克服するために、法の拡大解釈、違法な措置をもって任免権、処分権の行使というのはやるべきでない。これは教育行政本来の趣旨をねじ曲げる私はやり方だと思う。大臣の強権解釈といいますか、むちゃくちゃなやり方だ。法も何もない、踏みつけて強引にやっていこうと、こういう気持ちは、大臣はタカ派だからそれは当然考えるだろうと思うけれども、そういう違法なことを拡大解釈してやるべきではない。ここで改めてもらいたいと、私は思うんです。
  138. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 小野さんも、内申は尊重しなきゃならないけれども、内申と違った処理を都道府県教育委員会が行なっても違法ではないんだと、こうおっしゃいました。したがいまして、また処分すべきではないんだという内申を受けて都道府県が処分しても、これは違法ではない、これはお認めいただけると思うのであります。私が申し上げておりますのは、幾ら督促をしても内申が出てこない、そういう場合には、内申をしないという内申があったものとしての処理があり得るじゃないかと、意思表示は積極的な意思表示ばかりじゃなしに、黙秘の意思表示ということもあるじゃないかと、こう私は申し上げることができると思うのであります。いずれにいたしましても、法が期待しているような都道府県の人事権の行使ができなくなるようなことは予想したくない。やはり都道府県は人事権行使の責任を負っておるわけでございますので法が効力を持ち得ますように、円滑に運営されますように、最悪の場合につきましても、われわれとしてはそれを期待していきたい、こう考えておるわけでございます。好ましい姿だとは思っておりません、たびたび申し上げますように。純理的なことを申し上げているわけでございます。やっぱり究極的には、純理的には、私が申し上げたようなことになるんじゃないだろうか。しかし、そういうことは好ましい事態じゃないわけでございますので、あとう限りそういう事態の生じないような努力は行政当局として当然していくべきだと、こう繰り返し申し上げておきたいと思います。
  139. 小野明

    ○小野明君 もうこれはあなたと議論しておりましても、むだな気がしてきましたが、私が申し上げたのは、これは非常に悪い例を申し上げたと思うんです。私は心にもないようなことを申し上げたと思うんですが、それに食いつかれてやられるというのはたいへん私も迷惑する。これは同じく当時の議事録ですが、「しかし、まあ万やむを得ない場合には、その内申と違った結果も出てくるかと思うのでございまして、その場合には、」云々と、「しかし内申がなければ、任命権の発動はしない。」、内申がなければできないのだと、こういうふうにきちっと政府委員が答弁をしておるわけですよ。これをすなおに私は読むべきだと、こう思うんです。先ほど大臣がしきりに言われるのは、非常に遺憾なことだ……。しかし内申があったということが、やっぱりこの法の発動という条件になるので、内申がない場合は全然だめなんだということを口をすっぱくして申し上げておるんですがね。そういうようなことを重ね重ね申し上げますがね、おやめになったらいかがですかと、こう言うておるのです。
  140. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 法の予想しないような事態が起こった場合の解釈についての議論でございまして、おそらく立法当時には当然そういうことを予想しませんので、そういうことには触れてないのだと、こう考えるわけでございます。いずれにしましても、法の予想しないような事態の生じないように私たちとしては努力していきたいと思います。
  141. 小野明

    ○小野明君 とにかくはっきり、立法の際の議事録を見ましても、大かたの法解釈を見ましても、いま私が申し上げておるようなのが普通の解釈です。ですから、それを乗り越えて、違法な処分強行といいますか、助言、指導教育行政のワクをはみ出るようなやり方をやらないように、ここで注文を申し上げておきたいと思うのです。  それから、これもちょいちょい私は大臣からお聞きするわけですが、大臣は、教師は聖職であると、こういうふうにあちこちの場でおっしゃっておるようですね。教師は聖職であるのだ、これはどうでしょうか、これは事実ですか。
  142. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 私が聖職であるとかないとかいうような議論をしたこと、あまり記憶にないのですけれども、私しょっちゅう言いますことは、人を育てるということは物をつくるのとは違うのですよと、したがって、先生方は使命感を持って、情熱を燃やしてくれ、それでなければ相手方がみずから学びとろうとする気持ちを起こさないんですよと、こんなことはよく申し上げます。しかし聖職である聖職でないということ、どういう立場で議論するのか知りませんけれども、あまり自分が言うたような記憶がないんですけれども、別に聖職と言われることがけしからぬというような気持ちはさらさらございません。ございませんが、私はいま申し上げているようなことはよく申し上げています。
  143. 小野明

    ○小野明君 それならいいです。それを公式に表明をされたことはないということであれば、私はそれでよろしいと思います。これはやっぱり老婆心ながら、大臣も御承知だと思いますが、教師には労働基準法というのが適用されておりますよね。これは超勤のところははずされたけれども、労働基準法は全面的に適用されている。この第九条にははっきり、教育または研究の職に従事する者は労働者であると定義されておるんです。賃金をもらって云々と、これは申し上げるまでもないですが、ですから、総理のように文教問題にあまり詳しくない方がおっしゃることでもこれはよくないですけれども、間違いでありますけれども大臣は、特にそういった聖職であるから云々というような段平を振りかざさないように、ひとつ要望をしておきたいと思うのです。  次の問題に入ります。これは簡単なのからひとつ聞きますが、「交通政策に関し、とくに緊急課題の解決についての要請事項」内閣官房長官二階堂進殿あてと、こういう要請を、「国民の足を守る中央会議会長野村平爾」という人が出されております。それで、「義務教育児童生徒の通学費の無料化について」と、義務教育の児童生徒の通学費を無料にしてもらいたいと、こういう要望書が、今年の三月二十二日に出されております。それで、これは、いろいろな考え方はあるかと思いますが、やはり義務教育無償という原則は、この通学費の場合にも適用されるのではないか、こう私は思います。この点はいかがですか。
  144. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 義務教育の無償と申しますのは、一応授業料をとらないことだということになっておりますけれども、現実問題としまして、教科用図書の無償配付をやっております。それからまた、要保護、準要保護児童生徒につきましては無償の措置を講ずるというふうなやり方をとっております。そういう意味も含めまして、無償の措置にすべきであるということでございましたら、これは児童生徒の一〇%に達しております要保護、準要保護児童生徒に対する交通費が無償になっているということは申し上げられると思います。
  145. 小野明

    ○小野明君 これは、学校が統廃合なんかをされますと、非常に学校に通う足が遠くなるわけです。八キロ、十一キロというようなところから通ってこなければならぬようになるわけです。そういう原因もありまして、やはり、義務教育学童については国庫負担を拡大をしていく、あるいは無償にするという原則を立てられないのかということを考えておると思うのですが、この点はいかがですか。
  146. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) ただいま御指摘になりましたように、児童生徒の通学の問題につきましては、現在交付税上の財源措置と、それからただいま御指摘になりました学校統合に伴う遠距離通学者の国庫補助と、二つの制度がございます。地方交付税上の財源措置につきましては、これは、通学費の支給の有無にかかわりませず、小学校の場合には四キロ以上、中学校の場合には六キロ以上の生徒の全部に対しまして、現在一人当たり一万五百九十一円、総額にいたしまして三十四億の財源措置をいたしておるわけでございます。したがいまして、通学費の支給をまだしておらないところがございましても、実際にはこれができるだけの財源措置はとられているということが言えると思います。  それからまた、学校統合の場合の財源措置としましては、やはり四キロ、六キロ以上の児童生徒に対しまして、一人当たり一万二千四百三十円、これはほぼ実額でございますが、その二分の一の国庫補助をいたしております。金額にいたしまして本年度は二億七千百万円、対象人員は四万三千六百八十八人ということになっております。ただ、これは学校統合の場合には、いろいろな経費がかかるということで、五年間に限りまして補助を行ないまして、それ以後は、交付税のほうで財源的なめんどうを見ていただくというふうな措置を講じている次第でございます。
  147. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) では、本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。    午後五時五分散会      —————・—————