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塚田大願君 まあ、大体私の質問は以上なんです。要するに、一言で言えば、いままでの
林道行政というものが非常に安上がりの、経済性だけを追求しておる。そこにやはりいろいろの問題が出てくるわけでありまして、確かに今度の
法改正では、民有林に対する規制は相当行なわれておるけれども、
国有林がこういう状態であっては、これは片ちんばで、せっかくの民有林の規制というものも私は意味をなさないだろうと思うわけです。そういう意味で、やはり民有林と言わず、
国有林と言わず、私は、やはりもっと
国土保全の
基本的な立場に立って、言われているような法規制を、法規的
機能を
ほんとうに充実するという意味で、私は、こういう大型プロジェクトなんかの場合には、もっと慎重な検討を望みたいと思うわけであります。
そこで、大体時間も迫ってまいりましたから、最後に、私は、結論的に三点について、ひとつ
大臣及び
長官の所信をお聞きして終わりたいと思うわけであります。
一つは、この民有林の
開発許可あるいは
伐採届け出にいたしましても、やはり都道府県知事にその権限が与えられておりますね。与えられておりますが、その権限を実際に生きたものとするためには、その
地域地域の実情に即応したものでなければならないだろうと思うんです。通り一ぺんの許可に流れてしまえば、これはお墨つきの今度は
乱開発というふうな結果にもなりかねません。
そこで、私はまず第一にお伺いしたいのは、そういう意味でこの知事の許可にあたりましては、
地域に最も密着している
地域住民のなまの
意見を反映させる道を開くことである。つまり、知事がめくら判こを押すんじゃなくて、やっぱりこの
地域住民の声を反映させる方途を考えていく、これが
一つであります。
それから二番目には、この都道府県には審議会というものがございます。
森林審議会がございますが、この
森林審議会に
地域代表を加える、そして、この審議会を民主的に運営する。あるいは災害や公害などの
専門家も加えて、もっと充実していく。まことにいままでの審議会というものは形式的に流れている面がございますから、この中身をもっと充実し、そして民主的に運営していく、このことがひとつ必要ではないか。さらには、知事が行ないます
開発許可や保安林
伐採の許可の場合には、審議会の
意見を聞くという制度的な保障を、私は確立する必要があるのではないか。何のために審議会があるのか。やっぱり審議会を生かすという方向で、当然この制度的な保障は考えていいのではないか。今回の改正を見ますと、そこまでいっておりません。これでは、やっぱり非常にせっかくの改正が実らないのではないかと思うわけであります。
それから三番目でありますが、三番目にいま申しました
国有林の問題であります。これは、私が幾つか例示しましたように、非常に
国有林の
林野行政というものは私は、閉鎖主義だと思うんです。やっぱりこのお役所だけでこうきめてしまう、だから、
あとになると
地域住民から猛烈な反対が起きる、
計画を変えなければならない。こういう事態に直面しているわけでありますから、この閉鎖主義を改めまして、
地域住民に密着した
施業計画を立てていく。そのためには、やはりこの
施業計画を公開にして、われわれは、
林野庁としては、
農林省としてはこういうふうに考える、こういうふうにしたいと思うと、これはやっぱりオープンにして、そしてみんなの
意見を聞く、
地域住民の。こういう
やり方でなければ
ほんとうに正しい
林野行政というものは私は生まれてこない。いわば官僚主義の閉鎖主義では旧態依然たるものがある。これをやはり改めるべきだと考えておるわけであります。
そのために
一つは、いま申しました
林道の新規
開設であるとか、あるいは大型プロジェクトの設定であるとか、あるいは大規模皆伐、急傾斜地での
伐採などにつきましては、やはり事前に市町村の
意見を聞く、市町村との協議を行なう、
地元の
意見を十分に反映させるということがどうしても必要だろうと思いますし、あるいはこの審議会の
意見も当然聞くべきだと思います。これは決して無理なことではなくて、きわめて常識的であたりまえのことですけれども、これがいままでやられてなかった。
それからまた、
国有林の保安林
伐採の許可などにつきましても、現行のこの知事の許可制をやはり厳正に運用することが必要でありましょうし、審議会の
意見も聞くことは当然だろうと思うわけであります。まあこういう改善をやっぱりしていく必要があるんじゃないか。せっかく今回の
法改正で、一定の前進はしたと、しかしどうも振り返ってみると穴だらけだというようなことがないように、私はやはりこの
森林の持つ公益性また経済性、こういうものを
ほんとうに完全に一〇〇%生かしていくという道を開くべきだと思うのでありまして、その点につきまして
大臣並びに当局の所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。