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政府委員(松元威雄君) それは第二段と思っていたわけでございます。前段をまずお答えいたしてからのつもりであったわけでございますが……。
おっしゃるとおりそれが本体でございます。そこで御指摘のとおり一この
法律の
対象は硫安、尿素、御指摘のとおりでございます。これを硫安、尿素といたしております
理由は二つございまして、
一つは、この
法律は、
価格のほかに例の輸出の調整の問題がございまして、したがって、輸出の調整と合わせて
価格の安定ということでございますものでございますから、そういたしますと、輸出のウエートの高いのは硫安、尿素ということで従来硫安、尿素を
対象としたわけでございます。ただその場合に、輸出問題はなくても、ほかの
肥料も
価格問題があるはないかと。輸出調整の問題それはあまりないかもしれぬが、
価格の安定は自由ではないか、これは御指摘のとおりでございます。
そこでほかの
肥料、まず化成
肥料に入ります前に、その原因たる原因料と申しますか、というのはア系の窒素とそれから燐酸
肥料とカリ
肥料、三要素があるわけでございまして、その三要素をいわば混合いたしまして、まあ化成
肥料でございますので、まずその根っこの
価格、燐酸
肥料とそれからカリ
肥料、この
価格について、これをこのごろ
対象にすべきだという御議論がまたあろうと思うわけでございます。それについて申し上げますと、もちろんこれらの
肥料のウエートは大きゅうございますから、
価格安定が自由でございまして、したがいまして、これにつきましては全農が需要者の代表といたしまして各メーカーと取りきめをいたしまして
価格をきめている、これが
基準になっているわけでございます。その場合、しからばその
価格取りきめにつきまして、この
法律のようなやり方、きちっとしたやり方がいいではないかという御議論もございますが、中身を見てまいりますと、
一つには燐酸
肥料、カリ
肥料ともこれは輸入
原料のウエートが非常に高うございます。燐酸
肥料でございますれば、
原料費のウエート、燐鉱石のウエートは約四割ある。それからカリ
肥料の場合は約八割が輸入のカリの
原料価格でございます。したがいまして、
原料価格いかんが
価格動向を左右すると、またその
価格動向をつかまえれば大体原価もつかまるというのが、第一の
理由があるわけでございます。それから第二の
理由といたしますと、そういたしますとこの
法律の
対象にするという問題もさることながら、いかにして
原料を低廉に入れるか、確実に入れるかということが大事ではなかろうか。そのために燐鉱石の
原料につきまして、現在は
地域が限定されておりますが、それをもっと幅広く求める、あるいは専用の運搬船を設けるとか、そういう方法で
原料を確実、低廉に入れるということが実質的ではなかろうかと、こういう問題があるわけでございます。さらにまたこの
原料輸入につきまして、これは全農がかなりタッチをいたしておりまして、燐鉱石の場合でございますと
原料費の約半分を全農が入れている。それからまたカリでございますと六割は全農が入れる。いわば需要者たる全農が同時に
原料供給者、あるいはまた
原料輸入、こういう
役割りも果たしているわけでございます。そういう実態から考えますれば、この
法律の
対象にするということには必ずしもなじみにくいのではなかろうか。むしろいま言った実態を踏まえて全農、各メーカーがやったほうが実際的ではなかろうかと、こういうように考えまして従来
対象にいたしていなかったわけでございます。
そういたしまして、化成
肥料につきますと、いま三つの混合でございますから、尿素の
価格、あるいは硫安の
価格を安定させる、それからまた燐酸
肥料、カリ
肥料、これをいま言ったように全農がそういう
役割りを果たしていますから、
価格安定からしますと、そういたしますと、基本的にはその組み合わせによって化成
肥料の
価格を安定できるのではないか。もちろんその場合、配合のしかた、あるいは微量要素の添加のしかたで
価格がいわば、ちょっとことばが悪うございますが、ごまかして上がるというおそれがあるではないかという御指摘がございましょうが、根っこを押えますれば大体はだいじょうぶではなかろうか。そういうつもりで
本法の
対象に従来からいたしておりませんし、それからまた御指摘のように非常に種類は多うございます。なかなか技術的にもこれを——さっき銘柄数で三千と申し上げましたが、しからばその場合、技術的にどれを
対象にするのか、特に微量要素による添加を問題にしますれば、これは全部しなければならない。これは技術的にきわめて困難でございまして、まず根っこの三要素の
肥料価格安定というのが基本ではなかろうかと思いまして、この
法律の
対象にいたしていないわけでございます。