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国務大臣(
二階堂進君) 私も、いま
お尋ねになりましたようなこまかい点について話し合ったのかどうかすら、はっきりしないようでございます。私は、こういうこまかいことまでいろいろ話があって、それで
覚書に署名をせよというお話ではなかったと。恩賜林払い下げも含めて話があったのかと、あるいはこの
富士保全法のこまかいことについてもいろいろ話があったのか、財政負担の問題まで詰めて話があって、そうしてこういうことに署名をしたのかというような
お尋ねだと思いますが、そういうことまでこまかく堀り下げて話をいたしておりません。
これは私が、この前も申し上げたとおり、
官房長官などという
肩書きをいただいて間もないことでありました。まあいまにして思えば間違いをおかしたと私は思いますよ。私が何も
関係することじゃないことを、当時の県連会長である金丸信君が来まして、知事さんを一緒に連れて来て、それで小林さんも連れて来て、それで実はこういうかくかくの問題があるんだと、これについてひとつ君骨折ってくれぬかということでございましたから、私も間もないことでございますし、これはまあどういうことかなと思いながら話を聞いているうちに、まあその
富士保全法の話も出ました。それからこの
北富士演習場の期限も来ることだし、まあ県内にはいろいろ意見もあるけれども、知事も来て、これはやはり延長をしていくべきものだと思うし、それには県内でも、地元住民でもいろんな意見があるから、何とかこの地元対策といいますか、地元の福祉、道路、下水とか、あるいはレクリエーションセンターとか、そういうものの要望も多いから、そういうものも含めてひとつ
政府のほうでもめんどう見てくれと、静岡県側の東富士と比べてみて、同じ演習をさしておっても静岡県側のほうは非常にいろんなものが進んでおる、その投ぜられた金額も、国の出しておる金も相当なものだと、それに比べて
山梨県のほうは非常に少ないじゃないかと、金額までいろいろ述べて、まあひとつ善処をしろと、こういうことでございましたから、まあそういう話から入りまして、そうしてこの暫定使用に関する
覚書というのについて、私も——金丸君も何か署名しておるんですな、これに。だからそのとき私は、金丸君、君は何でここにおるのか、出ていけと言ったら、出ていくわけにいかぬと、こう言うから、まあおって署名をしたことまで申し上げたとおりでございますが、いま
お尋ねになりましたようなこまかい点まで含めて話を詰めて、そうして富士
保全もつくるんだよと、国は財政負担をこのくらいするんだとか、あるいは恩賜林の払い下げもきめてかかるんだという話は、詰めていたしておりません。ただ、
山梨県知事とか小林さんが来られて、地元民の要望はこうですよと、そうして私は県民を代表する
立場で来ておりますと、地元対策も、まあ東富士、静岡県と比べておくれておりますと、こういろいろ言われるものですから、まあそれなら福祉
行政とか地元対策というものも、それは比較してみればそのとおりであるとするならば、やっぱり国としても、私の
立場でも援助いたしましょうというようなことで、まあ、そんなこまかい話まで話をした記憶はございませんですよ。
まあ、この前もざっくばらんに申し上げましたとおり、この
覚書は、
政府の窓口として私がこれ署名をしておりますから、
行政上の効果は、まだずっと続いておると思いますよ。しかし、
法律的な効果はない文書であると思いますけれども、
行政上私が
政府の窓口で判こを押しておるんですから、これを私がいまさら、そんなものはありませんとかなんとか言うわけにはまいりません。しかし、もともと考えてみますと、私はもう何でもざっくばらんに申し上げますが、これに署名したことが大体私は間違いであったと思うんですよ。何の
関係もない者が、たまたま来られて陳情して、それで判こ押してしまったと。まあ、先ほどの山中
長官からも、君判こ押すときは用心しろと言われた。手形法なんか、判こ押したら家も財産も吹っ飛んじまうことがあるじゃないかと言われたが、やっぱりこういうものに判こを押すときは慎重の上にも慎重を期さなきゃいかねと、いまおっしゃるようなことまで、裏の奥までよく検討して判こを押さなければこれもうたいへんなことになるなあと、しみじみ私も山中
長官の忠告を受けて感じました。(笑声)ですから、まあ何べんも引き出されて、私はどうもこの答弁のしょうがないんですな。もう押してしまったことをいまさらどうもならぬが、しかし、いま御
審議願っている
法律とは全然
関係は私はないと思いますよ。ただひたすらに、
山梨県知事も県民のためだと、地元住民のためだと、小林さんもそうだと、東富士と比べてこうだと、
北富士演習場の問題も長い間歴史的な問題もあろうが、やむを得ないという
立場もあるというようなことなどをいろいろ話をされましたから、私はむしろそういうことに気をとられて、そうですがと言ってこれに押してしまったようなわけでございますから、そのいきさつはざっくばらんに申し上げますが、この辺でひとつ御理解を願って、御了承いただきたいと思います。