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鈴木力君 いままでもあらゆる手を尽くして実はきたわけですよ、この問題が始まってから。ことし初めて降ってわいたような問題じゃなくて、この補助制度ができ、あるいは車の補助をするとか、いろいろな手をやってこられたわけですね。だが、そういう
施策を進めれば進めるほどというとことばがよくないんですが、そういう
施策を進めながら、赤字路線のほうも
施策がふえていくに比例してふえていくような現状ですね。私は、いまあらゆる手を講じて何とかなさりたいという、あるいは原点に返って御
検討なさる、これもぜひそうしていただきたいと、こう思うんです。そうしていただきたいと、こう思うんですが、現在ただいま三〇%の路線が廃止をされようとしておるわけです。これは原点に返って
検討なさって、いろいろな手続を経てその方策ができ上がったときには、もうすでに県民の足というのは奪われてしまっておると、こういう時期になると思うんです。だから私は、将来こうするという
一つの方向を示しながらも、その間のつなぎに何をするかということが速急に手を打たれないとこの問題は
解決しないだろうと思います。したがって、さっき
局長から今度の賃金、ベースアップと、それから運賃値上げの収支の話が出ました。それは労使で
解決するだろうと思うんですけれども、いずれにしても、しかし世間並みの賃金を上げなければどうにもならないんですね。
たとえば県南バスで言いますと、これはまあこまかいことを申し上げて恐縮なんですけれども、沢内線というのがあります。これは秋田県境の村ですが、ここではそういう問題のほかに、雪がある
地域ですからワンマンはとても運行できない。車掌がいないために欠行するというようなそういう事態まであって、そうすると賃金という問題は、やっぱりバス路線を確保するにはある程度大事な問題ですね。しかし、きょうは賃金をどうするということが主題じゃありませんから、それは一応取っておきますけれども、県民の
立場で言えば、もう見ている路線がなくなるということが一番心配なんです。どうにかこのバスを確保してくれということなんですね。
そこで、実は御存じのように
運輸省でもメリット、デメリットを
検討するということの中に、
岩手県でもいま問題になっているといいますか、意見が出ている公的一元化という問題もある。これもいま直ちの問題にはなりませんけれども、いま直ちの問題にはなりませんけれどもそういう問題が出た。そういたしますと、ほとんど全部の市町村が、市町村議会あるいは市町村当局から、できるだけ早く公的一元化をして、そしてこのバス問題を
解決してほしいという決議なんかも相当出ているんですね。ところが、それはなかなか具体的には進行しない。たとえば該当で申し上げますと、盛岡、
花巻、東部の釜石、江刺、水沢、これはもう市議会で公的一元化を早く実現をしてバス路線を確保してほしい。その間には
地方のこうした市町村の補助なんかも出ております。しかし、そういうことをも希望しておるわけです。それから北上市では市長がそういう意思表示をしてやっております。それから町村では雫石町あるいは大迫町というように町議会の決議もございます。こういう形でほとんど全部の市町村がその道を探求してくれと
——これでなければということではないとは思いますけれども、いずれにしても、このバスを、いままでの対策を従来どおりでいってもらってはテンポがおそ過ぎるし、こうした
経営者もあるいはそこで働いている
人たちも壁にぶつかってどうにもならぬという問題で、
住民がまたそこへぶつかっておる。これを打開をするということにぜひひとつ急いでほしいと、こういうことが非常に強い要望としても出ている。
したがって、私は、いま伺いたいことは、実は補助政策ということでやられてきた。さっきも五億何がしの運賃の値上げもされた。しかし、実態はどうかと言いますと、昨年の三月、昨年度になりますか、三月の補助金が交付をされた額が賃金の遅配分の支払いの財源になっちゃっているんですね。そうしてことしの運賃の値上げ
部分については、おそらくいまの給与のベースアップ分に追いつかない。そうなってくると、
会社側のほうはやっぱりその
効率のあがらない路線の廃止というところをどうしても出さざるを得ないと言う。だから私は、
経営者の
立場もよくわかるような気がするが、働く
人たちだってある程度の生活がなければ、車掌になり手がなくて欠行するといったような現状も出てくる。そうすると、バスという
一つのいまの交通機関という問題は、私はやっぱり公的な性格のものとしてこれはもうはっきりと位置づける時期が来ているのじゃないかという感じが
一つはするのですね。まあ公営であるか私営であるかは別であります。しかし、公営か私営かは別といたしましても、公共機関であるという
立場に立った
——公共機関というとことばが足らないかもしれませんが、公共性があるという認識はもうはっきり政策上に持たなければいけない。そうすると、どこにどう変えるかといういろいろな形があるけれども、せっかくやり出したこの公的一元化という問題も、私は、
運輸省としてもどういう形にやるかということがいろいろ
検討の余地があるにしても、
一つの試案として積極的な
検討ということが必要なのではないか、こう思うんです。だから、その他まだ
施策がないとは私は言いませんけれども、具体化しているところが、それが何かどこかの
反対で全部ストップしてしまって先が見えなくなった。市町村議会が決議したけれども、これ以上進まないというような
状態で路線廃止というところにいってしまったのでは進歩がないような気がするんですね。この辺の御見解をまず伺っておきたい、こう思うのであります。