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政府委員(宮嶋剛君) ただいま先生から幅広く看護婦制度の持っております問題につきまして御指摘があったわけでございますが、まず第一の看護対策のおくれ、特に二・八の問題についてお述べになったわけでございます。
看護対策はなかなかむずかしゅうございまして、需給を
改善する、その場合に一体何が柱になるのか、こう申しますと、
一つには、もうただいま議題になっておりますこの
給与の
関係、何と言おうと
給与関係の
改善が一番明るく、また身近な
改善策の
一つでございまして、私
どもは、昨年の夏場の人事院勧告におきまして、
一般が一五・三であるのに対して看護婦は一六・七、准看護婦あるいはまた正規看護婦に至りましては一八%ないし一九%という大幅なアップをしてもらいました上に、さらにまた第二次追加勧告といたしまして、このたびの国病
——三年コースの看護婦で八・九%というアップがあるということで、こういうことがどれだけ
関係者を喜ばせ、また看護婦に対する魅力をつくる
一つの大きい要因になろうかと大いに期待もしております。
で、同時にまた、
給与の問題もございますが
——また実は
給与で忘れましたが、四十八年度から、先生御存じのとおり、夜間看護につきまして一回千円という、従来三百五十円でございましたけれ
ども、これまた大幅に上げたというふうな足取りもございます。で、
給与関係はそういうことで
関係各省あるいは人事院の御協力を得ながら年年
努力をしておりますことをひとつ御了承願いたいと思います。
また同時に、もう
一つの柱といたしまして、看護婦につきましては勤務条件の
改善という問題で、やはり夜間看護ということで夜間働かなければならない看護婦さんの特性というのはなかなかきびしい労働条件でございまして、これに対応するためにも、二・八制度はできるだけ普及するということがきわめて大事であることはわれわれも痛感しております。そういう
意味合いにおきまして、私
ども、先ほど申しますようにいろいろ
努力をしてまいりました。
で、そういうことで、たとえば四十五年の十月現在で国立病院で約三五%程度の複数夜勤の実施状況でございましたけれ
ども、今日四十八年の十月現在では五六%まで複数夜勤の実施体制ができてまいりました。さらにまた四十九年、先ほど申しますように難病
関係の
定員もつきましたので、それによってまた数%、二、三%実施率は上がるものと期待しております。また、この二のほうに対して八があるわけでございまして、月間の夜勤回数の問題がございますが、これにつきましては、結果的に一室当たりの看護婦が多ければ多いほど実は夜勤回数が少なくて済むという計算でございまして、これまた
定員の問題でございますけれ
ども、私
ども力が足りなかったかもわからないけれ
ども努力もしてまいりましたし、今後とも大いに
努力をしたい、かように存じております。
そのほか、先生も若干お触れになりましたが、看護婦の職場におきます
環境条件と申しますか、いろいろ問題がございます。こういう
改善につきましても一例を申し上げますと、四十九年度におきまして初めて新しい芽といたしまして、まさに先生御指摘の病院内における保育事業を始めるというふうなことを、実はこれからスタートをいたします。内容はまだまだ乏しいかもわかりませんけれ
ども、私
どもはこの芽を大事に育てまして、今後とも大きく成長させ、また看護婦さんの勤務
環境について魅力あらしめる大きいかてにしたいと、このように思っております。
で、なお先生から、例の看護婦さんになる志望、高校生の例の希望調査、アンケート調査のことも聞いておりますが、かつて以前にはあれが十四、五位であったものが、先生のいまお持ちの資料ではおそらく九番目じゃなかったかと思います。まだまだ順番はよくありませんけれ
ども、だんだん上がりつつあります。私
ども一挙にまいりませんけれ
ども、
努力をしながら、ひとつもっと魅力のある順番の高い職場にしたいものだと、かように存じております。
それから、看護婦のこの制度につきまして、おそらく先生の頭の中には、昨年十月の看護婦制度
改善検討会の答申のことがおありだと思いますけれ
ども、ここできわめて何と意欲的な実は答申が出まして、まさに御指摘のとおり、今後看護婦
教育については一本化して、三年コース、高卒三年のコースを原則とするという線を打ち出しております。ただ現状は、約千四百校の看護婦の養成所がございますけれ
ども、そのうち約半分、また
入学定員六万と申しますけれ
ども、そのうちの約五割五分がなお准看
教育をいまやっております。片や、いま看護婦の需給
関係で、ものすごく逼迫している時代でございますので、私
ども、何とかうまく、この准看
教育を正規看護婦の
教育施設に切りかえていくということにしたいと思っております。そこにもし摩擦や混乱がございますと、そこで看護の養成力が一時的にせよ弱まりましたらたいへんでございますので、できるだけ順調にそういう切りかえに持っていきたいと、こう思います。ただ残念ながら、いま准看のその養成所を経営しておられる方、その衝にある方につきましていろんな情報を私
どもとっておりますけれ
ども、四十九年度なら四十九年度の本年度中において准看から正規の看護婦コースに切りかえたいという希望はまだ少のうございます。ただ、本年春の
試験を見てみますと、どうもその
競争率が弱まったと申しますか、具体的には志望する方が減ってきて
競争率が弱まったと、去年よりもっと弱まったと、こう聞いております。で、そういう状況の中で、本年度の推移を見ながら、五十年度以降におきまして、計画的にしかも現実を踏まえて、特に
関係者の意見を聞きながら順調に正規三年コースに切りかえていくという道を歩んでいきたいと思っております。そういうふうに考えております。
なお最後に、先生からお話のございました社会福祉施設の
関係で、特に重心の施設とかその他の施設で、大いに看護力の問題から問題が持たれて悩んでおられるということを聞きます。私
どもほんとうに申しわけないと思っております。要は、全体的に看護婦対策を広め、そして看護婦の需給を緩和する方向に持っていくことであると思いまして、そういう線でとにかくがんばりたいと思います。